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簡易実験 ~ヘラクレスで170mmUPを簡単に作る反則技~ [ヘラクレス (リッキー亜種)]

今日の俺は軽く腹を固めます。

何故かは読み進めていくうちに分かって頂けると思いますが、
取り敢えずこの記事タイトルで何かいつもの雰囲気とは
別の何かをやらかすとこの時点で思って頂ければ幸いです。
サブタイトルがあまりに攻撃的過ぎます[あせあせ(飛び散る汗)]



さて、今回の記事ですが、
やってみたかった記事であり書くのが怖い記事でもあります。




この記事を公開するその前に、
読んだ方の中にはかなり不快な思いをされる可能性のある内容を含んでいますので
ここから先は読みたい方のみ追記から進んでください。

この先書く内容は、小学生の自由研究とでも思ってみて頂ければ(笑)




まずはこの画像をご覧ください↓↓

201120112018_2438-9ee09kai.jpg
コレは中学生の時に初めて羽化させたヘラクレス・リッキーの♂(死虫)です。
過去の記事で紹介した個体でもあります。
(定規の数値は赤い方がミリメートル・黒い方がインチです。)


では画像から、この個体が(およそ)何mmか読みとってみてください






さてこれが何mmなのか、という前に
自分がこんな記事をなぜ書こうと思ったかについてまず書いておかなければなりません。

自分は中高生時代、授業中黒板よりも手元の定規を見ていた…
と言っても過言ではないくらい定規をよく見ていたんですね。
(あまりに見ていたため友達から「チ〇〇の長さ計ってんの?(笑)」とまで言われるほど)
なぜそこまで定規を見ていたのかというと、
『この位の大きさの幼虫だとこの位の大きさの成虫になるんだろうか?』とか
『成虫でこのサイズだと蛹の時この位の長さなのかなァ?』とか
そんな事を考えていたワケです。勉強しろやッ!!ってハナシですな。
で、それだけ定規を見ていると、
カブクワ雑誌を読んでいて所々に載っている
【定規を置いて虫を写している】写真が目につくと
虫と定規を見比べて正確なサイズを見測るアホをよくやっていました。

まぁここからブログに「ノギスや定規をあてた虫」を載せたりするようになって
だんだんと気になってくるようになったのですが…
(↑↑最後有耶無耶だなァ…)



さて、話を戻して画像の個体ですが。

画像から読み取ると大体155mmくらいに見えるんですが……

実は。







DHLE9809AE5B8B8E78AB6E6858B-e13a7kai.jpg
本当のサイズは 133mm なんですよ。

先の↑↑2枚を比べると異常な誤差がありませんでしょうか?

勿論、この2個体は全くの別個体…なんて話ではなく同じ個体です。
ということはこの(1枚目の)画像は何かのソフトを使って編集・加工しているのかと
勘繰ってしまいそうなのですが、

一切の編集・加工をしていません。


………………………………………というか、加工の仕方が分からないんですよ。

なので、
ネットなどを見ていると、画像加工技術によってヘラクレスやオオクワ・ヒラタの
極太化・伸長された個体を作り上げることも可能…とか
ネットオークションにそうした画像が使われたりする…という話を見る事が多々ありますが、

前述のように自身にはそうしたスキルがないもので
この170UPのヘラクレスを作る実験において
今回使う画像には一切の加工が施されていないということを前提として見てください。
(また、今回は体長のみの実験で極太関連には首を突っ込みません)


さて本筋に戻りますが、
133mm155mmに見えるそのからくりは…
隠すまでもなく遠近法です。


しかし遠近法とだけ聞いても中には、
《遠近法って言っても170UPとかそこまで大きく写せるか?》
と思われる方もいるでしょう。
正直、実際やってみるまでは自分も思ってました。
「170mmとか写すにはそれでも実寸164~166mmくらいの個体じゃないと無理かなァ…」
ってね。


しかしとんでもありませんでした。
下記で実例を載せていますが、個体の下(もしくは脇)に定規を置く方法なら、
130mmちょっとの本個体でも全身が写せる最大限まで寄って近写すれば
およそ20mm強も大きく見せる事ができました。(それが1枚目の写真、フレームギリギリ)
別の個体で試した結果として、
大きい(長い)個体ほど長さを稼ぎやすいようです(あと+5mm?くらいまで)

下手な画像で図解するとこうなりますね↓↓

撮影図解.jpg




続いて、以前にブログで紹介した小さいオキシデンタリスもやってみました。

201120112017_2425-b13f9kai.jpg
これ↑↑、この検証で一番初めに撮った写真なので、アングルが斜めで結構不自然ではありますが、107~108mmの個体が120mmに見えます。


斜めから撮るといかにも怪しい画像にはなりますが
真上から撮っているとちょっと判断が付きにくくなります。
しかし実際は、これほどまでの誤差があるんです。


そしてまだ言ってませんでしたが
この1枚目のトリック画像には、画像こそいじってませんが
撮影時に2つの小細工を施しています

一つは、照明の位置
この画像で照明に使ったのは、単なる「ケータイのLEDライト」。
撮影するケータイカメラ(あ、ちなみにこの画像ケータイね)とは別のライトを使い、
胸角の影が上手く目盛りに合うように照明を当てています。

そして二つは、尻(腹端)の位置
「え、お尻は0位置に合わせてるんじゃないの?」と思われた方、実は違うんです。
この画像、意外と胸角だけで誤魔化してると思いがちですがミソは反対側(腹端)です。
実際0位置に合わせて撮ってみると体がだいぶ後退して見えます。
↑↑の図解画像では、下手に出来たせいで分かり辛くなっていますけど。
で、この1枚目の画像はどのくらい離しているかというと、ほぼ1cm上げてます


では、この2つの要素をなくして撮ってみるとこうなります↓↓
201120112017_2428-b7d18kai.jpg
(個体の位置と距離感変わったけど…)
ライトはもしかしたらさほど重要じゃないかもしれませんが、
腹端の位置はかなり違いますよね。
本来あるべき位置はこうなるワケですね。
それでも本来の数値より大きいことに変わりはありませんが……

一応動画ものっけときます、あんまり参考にならないだろうけど。



さて、原理はご理解できたと思いますのでいよいよ170mmUPを「作り」ますね。
ただ恥ずかしいことに170mmに見せかけられるまでのサイズの個体は持ってませんので、
ちょっと細工します。
155mm化.JPG
無理矢理ですが、133mm個体にグルーガンで角を付け足します(貧乏臭いナ…)


2011 11 17_2432.JPG
真上からの画像ですが、まぁまぁ…真っ直ぐになっていますよね。

で、細工後は何mmになったかというと、
DHL155ミリ状態.JPG
およそ155mm
個人的感覚で「現実で世に出てるサイズで見応え出てくるのはこの位かなァ??」
と思ったサイズです(いや実際見た事無いけどね? )


あとは見えやすいように付け足し部分をマジックペンで黒く塗り、いざ撮影。



201120112017_2433-c5db0kai.jpg
なんとあっさり170mmを超えています!!!!
ちょっと撮影距離に余裕を持たせてフレームを広くとっていますが、
さらに寄って撮ろうものなら180mmくらいまで撮れるんじゃないでしょうか!?
もはや「1mm単位の戦い」どころの話ではありません。

この↑↑胸角が張りぼてではなく本物だとして、
画像と一緒に赤面的な当て字で
『牙獣‐慄鬼威(がじゅう‐りっきー)』血統
などとつけた幼虫を高額販売出来てしまえそうです。
(「牙獣‐慄鬼威」って…書いた俺が蕁麻疹出そうなほど恥ずかしいナ[ダッシュ(走り出すさま)]




あと、追加実験として
もし本当に170mmのヘラクレスがいたとしてそれをこの方法で撮影したら
どのくらいのサイズに見えてしまうのかも試してみました。

E8B5A4E983A8E58886E7B484EFBC91EFBC95EFBD8DEFBD8D-980a6kai.jpg
170mm-155mm=15mmの付け足しです。
155mmからの延長分だと分かりやすいように赤く塗ってみました。


2011 11 17_2434.JPG2011 11 17_2435.JPG
もはや有り得なさ過ぎて笑えてきますね。 いや笑えないか[たらーっ(汗)]
画像上が「ライトあり+腹端位置調整」で
画像下が「ライトあり+腹端0位置」です。
まさに、【モンスター】です。


というこれまでの結果のまとめとして、
個体の横(下)に定規を置き真上(約15cm)から撮影すると、
体長にもよりますが10mm~25mmも長く見えます。
さらにダメ押しとして、
この撮り方だと、例え長く見せようとしなくても
どうやっても実物以上に長く見えてしまいこの手法は
純粋にヘラクレスの体長を画像で証明するには向いていないと考えられます。



    ◇◇ 最後の最後のおまけ ◇◇

20110112021sagi.jpg
【真横】
さすがにノギスは上記の定規と違って加工無しで撮るのはテクニックが要ります。
(影の位置がバレバレですね)


201120112021_2440-486f9kai.jpg
【斜め前方】
写る影に気をつければそこそこ簡単に撮れました。


201120112021_2441-227d9kai.jpg
【真上】
これは上で述べた定規式撮影法とやり方は同じですね。




  ~ あとがき ~

最後に、ここまで読んでもらって
「嘘だべ~!?」と云う感想をお持ちの方も居られるかと思いますので、
疑問に思われたら手頃なヘラクレス(ネプチューン等もおそらく可)を出して
真上15~20cmからの高さで撮影してみてください。
なお、この記事の実験結果は当方で出来た事実のみ書いておりますので
「やってみたけどそんな風にはならなかったぞ!!! この〇〇が!!!」
「本気で170mmを目指してる(近づいてる)飼育者に対する挑発だ!!!」みたいなクレームは
受け付けてませんのでご了承ください。

なお、この記事の内容はあくまで実験であり、
このような撮影をされている不特定飼育者を批判・中傷することを目的とはしておりません。

『下心』は無いですからね[たらーっ(汗)]
純真に、『まこごろ』があっての実験ですよ!


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Cyen

これはCyenも知ってました。

初めてミヤマ75ミリ採集した時、現地には定規しかなく定規で測ると余裕に80ミリ超えるんですよね
実際撮影じゃなくても定規は必ず誤差が出ます。
だからノギスで測ってないクワカブは実際よりも大きく見えますね

オークションで定規のみの撮影している虫のサイズは殆ど当てにならないと思ったほうがいいですよね
ノギスでさえ測り方によっては誤差が出るのに。
by Cyen (2011-11-21 21:27) 

会長

Cyenさんこんばんは。

ミヤマ75が定規で80ってのは肉眼でって事ですか!?
ぇぇ…!? そんなまさかでしょう!?
まぁそのくらい大きいのを自身採ったことがないのでどんなものか気になりますが…

定規だと虫と同じ奥行きで撮るのが難しいですから
表記データを信用するしかないですね。
ノギスで誤差が出るからこそ
出品者が「多少の誤差はお許しください」と書いているんでしょうし
国産野外ギネス個体の出品では測り方関連の質問がどっと押し寄せてくるんですよね。
by 会長 (2011-11-21 21:41) 

京

ノギス持ってないのでいつも定規で測ってたから知ってましたけど、メカニズムまでは知らなかったです(笑)

確かに真上から顎を撮影しない限り数値はずれますね(^_^;)

信用の問題といえども、もはやノギス買わないとモヤモヤ残るだろうな、この記事見ちゃうと…f^_^;

測りたいものは今のところ無いから良いけど(勿論自重します(笑))
by 京 (2011-11-22 01:19) 

会長

京さんおばんです。

京さんをはじめとするほとんどの方にとっては
この記事は「どうしてそこまで慎重な文面なの?」と思われることと思います。
ただ、この記事を書く原因となったあるものが存在しまして、
それに端を発するんですね。
ここで深くは語れませんが(汗)

とりあえず、ノギスは持っておくと虫以外でも使えると思いますよ~
(まぁこれ工具だしね)
by 会長 (2011-11-22 01:39) 

ノホイネン

やっと普通のヘラクレス記事になったと思ったけど、中身は読み方で重くも・軽くもと見れる記事でしたね。

言われれば、そんなもんかいなと思いますね・・・私は・・・世の中には飼育の上手な人が居るもんだと・・・(大笑 → (苦笑

・・・ノギスは3本持ってます、内2本は電池切れで使えませんが・・・
by ノホイネン (2011-11-22 22:57) 

会長

ノホイネンさんこんばんは。

昔のことは知らないのですが
近頃ヘラクレス飼育者の間で話題になっている某大型個体画像が
完璧にこの系統の写真じゃないかと思えるんですよ。
「それだけ」なら苦笑で済む話ですが………
記事の中身はちょっと冒険モノですが、
まぁ見る人も少ない個人ブログなので書いてみました。
by 会長 (2011-11-22 23:15)