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スタイロフォーム製 簡易冷温室作成 2 [飼育ファイル]

さて、去年目標に掲げた
飼育部屋環境の改善
以前記事にしたLEDシーリングライトに代える事よって
大幅に成し得る事が出来ました。

そしてもう一つ、
最善を図る上で大切なことがもう一つありました。


それが、
簡易温室の改善です。


今ある3つの簡易温室の内、
一番最初に作った温室は裁断ミスも多くそのせいで隙間もあり
長年使ってきたこともあって(そんなに経ってないけど)虫食い痕が激しく、
また置き場所の割に容量が少なく、飼育できる虫の数もその分制限されてしまうので
より大きな温室を新しく設置しようと考えていました。

そういうわけで去年末に一念発起し、制作にこぎ着けました。


今までに作った温室は、いずれもスタイロフォームIB製の箱で
改善すべき今ある温室はスタイロフォームを1枚半使って作ったものですので
(因みにスタイロフォームの寸法は1820mm×910mm×30mm)
それより大きなものを作る必要があります。
が、今まで作成した事がある温室は
・1枚
・1枚半
・2枚
・4枚 (記事 ⇒ スタイロフォーム製 簡易冷温室作成
の4パターンだったのですが、
今回は3枚使用して箱を作る事にしました。



3枚で作るのは初めてなので
一から図面を書く必要がありましたがこれが悩みどころです。
どう切ってどう接着させれば組み立てやすいか・容積を増やせるか…

なんとか裁断する寸法を決め、
材料を調達する段階に進めました。

しかし、この材料を仕入れるところが一番手間が掛かります。
箱本体の材料となるスタイロフォームも、金具も木材も、よく観察して
傷が付いておらず、たわんでいない綺麗で真っ直ぐな物だけを選ばなければなりません。

しかし材料の用途上、特にスタイロフォームに関しては運搬・陳列時のダメージを受けやすく何ヶ所も店舗もホームセンターを回らなければなりませんでした。
時期が悪ければ作成できない事もあります。
過去にそういうこともありましたよ…



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材料をなんとか揃え、裁断作業に移行しました。

裁断する上で一番重要な『断面を直角に切る』作業ですが、
これはもう何の苦労もなくスパスパ進めました。
温室を作ることがもう無くなってしまうと考えるとなんだか切なさが込み上げてきますよ…


温室材料.jpg

今までの使用してきた教訓と、より長く使いたい考えから
耐久性の向上(傷・穴防止)の為、
天井となる板の外側にベニヤ板を貼り付け
箱の上に物を多少乗せても板がたゆまないようにしました。

また、接着後シャッター式の扉との摩擦が生まれやすく傷が付きやすい断面の箇所にも
アルミ材を貼り付け補強しました。
これで天板の補強は終了です。



続いて組み立て&貼り付けです。

温室作成1.jpg
接着する際には、強力な接着力があり尚且つ短時間で硬化する接着剤を使用します。
板の一辺一辺をずれの起きないように注意深く接着し固定していきます。
硬化後、接着部分から漏れ出てきて固まっている接着剤を綺麗に取り除く作業も大事です。

温室作成2.jpg
↑↑画像は4枚目の接着の時のものですが(上に水平に乗せている板が4枚目)
3枚目を接着する時が最も神経を使います[あせあせ(飛び散る汗)]

接着する板は
・天板
・背板
・底板
・左板
・右板
5枚

今回作る温室の扉はシャッター式なので、扉の接着はしません。




続いて、扉をスライドさせるための溝(ガイド)を作ります。

これもまた、作業は同じです。
ガイドとなる木材を計4本、扉をスライドさせる部分に沿って接着させます。
温室作成8.jpg
温室作成7.jpg
最初に内側(奥側)のガイドを取り付けますが、
貼りつける距離は、扉の厚さ30mm外側のガイド30mmに加え、
扉をスライドさせるための隙間を開けなければいけないのでその分2~3mmのあそびを持たせ、貼りつける側面板の端から計62~63mmの距離に貼り付けます。

続いて外側のガイドを扉の稼動する空間32~33mmを開けるように注意し接着。
今回ここでミスってしまい後で扉がスムーズに開かずやすり掛けして削る羽目に(疲)
溝(ガイド)の図解をすると以下↓↓のような構造になります。
文章ではよく分からない・・・と思いますので、
解りやすいように文章と画像とで文字色を対応させました。
CA3I0204.JPG


これでひとまず箱側は完成です。



次は扉の作成です。

扉は、手動で開けたり閉めたりするため
温室の中で最も外部からの物理的ダメージを受け易い部分です。
そのため、扉板の縁には養生する必要があります。

因みに、今回の温室は一枚一枚板が広く
裁断後に扉が僅かに歪んでしまったので、
温室作成5.jpg
アルミのL字アングルを取り付けて扉の下辺を真っ直ぐに矯正しました。

温室作成3.jpg温室作成6.jpg
スライドする摩擦部分も、長期間の使用に耐えられるようアルミを貼り付け、
その上に布テープで養生しました。

最後に、扉の持ち手部分を貼り付けてこれは一応完成です。



箱に行う最後の作業として、
温室内に熱源・空調器・温度計のセンサーを通すための穴を開けなければなりませんが
前回温室を作った時と同様、
ブロック状に切り出した切断面にコードを通す空間を作ります。
切り出した箇所はそのままにしておくとずれて緩くなっていくので
布テープで巻き、ピッタリはまるように体積を増やしておきます。



これで実質簡易温室は出来上がりです。

それと今回は、
箱の底面に穴が開いたり幼虫に食い破られないように
温室下敷き.jpg
底にベニヤを敷きました。
これで中にラックやケースを置いても陥没しないし
万が一(いや十が一?)幼虫が脱走しても底に侵入されないし
トビムシやコバエの死骸が散らかっても掃除が楽です。
最初から他の温室でもやっときゃよかった(泣)



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旧温室1.jpg新温室2.jpg
上:第1号温室
下:新作温室


旧温室2.jpg新温室1.jpg
上:第1号温室
下:新作温室

こうして見ると新しい温室デカすぎ…!!!!!
部屋の中更に狭くなった…


容積を算出してみましたが、

第1号温室・・・・・・・・・・・・・・・156.330ℓ

新作温室・・・・・・・・・・・・・・・・634.270ℓ


予想の遥か上をいっていました。
容量が一気に増えたので熱源ももっと強いものに変えなければいけないのですが
この数字は嬉しいです。
第1号温室と第2号温室(約96ℓ)の2つだった頃は、
温室内が飽和状態で泣く泣く温室の外に出していて凍死した虫とかいましたから…
(ギネスが狙えたかもしれないティモールギラファとか…)
改めて中~大型のカブトが飼育できるかもしれない…と現在少し企んでます。


現在は温室1つで十分な量しか虫がいないのですが、
一昨年~去年までで亡くしてしまった種類を
今年からまた飼育出来るよう計画的に増種したいと思うところです。


・・・製作費

 スタイロフォームIB 1,270円 ×3
 天板用ベニヤ    847円
 内ガイド用ヒバ材  227円 ×2
 外ガイド用ラワン材 277円 ×2
 矯正用Lアングル  697円
 天板用アルミ平棒  497円
 扉用アルミ平棒   297円 ×4
 下敷き用ベニヤ   247円
 下敷き用ベニヤ   497円

 接着剤        1,080円 ×2
 布テープ       497円
 両面テープ      197円

         合計 11,645円




今回の記事の内容は、以前書いた2011年2月11日の記事を踏襲して
書いていますので所々似通った内容があります。
この2つの記事を参考に簡易温室を作ろうと考える方がいるかは分からないですが、
ニルギリエンシスギラファで106.4mmがこの環境で羽化するなど
ギネス級サイズが羽化するのに十分な飼育環境になりうるので
細かな作業内容は割愛しましたが作成工程を紹介しました。

タグ:紹介 温室
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