2市町村立ち眩みヒメオオ採集 [日昆 採集記 【2014年】]
先々週の3人で行ったヒメオオ採集が惨敗(辛うじて1♀)で、
さらに先週また別の所へ行ってこれまた惨敗して土産無しで帰ってきて、
2週連続でヒメオオ狙いで山へ突入しボロ雑巾になって帰って来たのですが、
聞くところによると、今年は全国的に(東北地域?)ヒメオオクワガタが少なく採集報告も芳しくないんだとか。
「だから採れないのか~アハハ」と納得したような
(と言うか自分の実力の無さを棚に上げた)気分でいたのですが、そうは言っても採りたいもの。
2週連続でヒメオオ空振りしたこの虚脱感を打ち払ってもらおうと思い
考えていた秘密のマイポイントでのヒメオオ観察を予定し、
もしかしたら今年は良くないかも・・・と心配しながら今週の採集日程を組んでいました。
(秘密とは言うけど知ってる人は知ってるかもね)
未記録(未採集)のポイントを開拓するのも楽しいけど、
採れない日ばっかり続くと流石に採れる所に行って気晴らししたくなるものです。
ところが、No.2とNo.6は予定が合わず
今回は1人で行く事に。
いつもいつもの無謀な採集ではないので出来れば呼びたかったんだけど・・・
仕方ない、一人でもとにかく気合を入れて
21日(日)
寝坊した。 ・・・もう昼近いよ(焦)
急いで支度をして、急いで麦茶を500mlペットボトルに汲んで急いでそれだけ持って
急いで家を出て急いで給油して急いで現地へ向かった。
(「急いで」多いな!!)
ストックケースや網は車にあるし細々とした道具もリュックに入れて積んだままだったが
途中で道路地図を持ってくるのを忘れていた事に気付くがまぁ遅い。
あとは野となれ山となれ!と云う感じでとりあえず林道突入~
時刻は正午を過ぎている。
山菜採りと思しき車を何台か横目にし、
林道の奥に着く手前で車を止めて脇に生えているヤナギを見ると・・・
早速発見~ ペアで付いている。
写真撮影を終えた後、網で下から削ぐように掬うと・・・
♀はしくじって崖下に落としたものの、♂は網に入り今シーズン初のヒメ♂採集叶う。
さらに今度は自分の立つ場所に生える苗レベルの若さのヤナギに
♀がしがみ付いているのを発見。こんなとこに居たら下手すりゃ車に轢かれるぞ・・・
1ペア確保し、これでとりあえず気分は楽になった。
いよいよメインのポイントに到着。
車を停め網を持ってヤナギの密生スペースに入ってみる。
・・・が、・・・あれ・・・? 居 な い・・・・・・
噛み痕はビッシリ付いているんだが、
普通だと本体が付きそうな位置に全然姿が確認できない・・・
・・・あれ~・・・
・・・んん~~?・・・
・・・何で・・・?
一通りこの一角のヤナギを見るも、
ちょっとは居るんだが本調子と云う感じではない。
やっぱ今年はキツいのか・・・? と思いを巡らせ
一旦車に戻ろうと踵を返すと、地面に白い物が・・・
ティッシュ・・・と気付くと同時にその下に堂々と横たわるウン〇にビックリした。
ぅげぇ・・・踏まなくてよかった~~
ティッシュは見た感じだと雨水を吸っていないようで、たかっているハエもわずか。
どうやらこれは今朝産み落とされたばかりのもののようだ(経ってても昨日か)
場所的にこんな位置で用を足していくところを考えると、
昆虫採集者のものではないだろう・・・ほぼ確実に山菜・きのこ採りだ。
(コガネ屋の仕掛けたマイトラップの線も捨てきれないな・・・なんてね)
とりあえずその一角は見限って、次々と別の場所へ進んでヤナギを隈なく見上げると・・・
ぉ! ちゃんと付いてるじゃないか!!
なかなか見栄えもする♂が採れた・・・と思ったのもつかの間、
次から次へと
見上げる枝、幹、上にも下にも
クワガタがたくさん。
結構久しぶりにこれほどの光景を目にした。
所謂『鈴なりに付いてる』状態と形容していいくらいにだ。
ちょくちょく木から落ちて見えなくなる個体がいるが、
それでも今までこのポイントでこれだけの数が見られた事は無かっただけに
ただただ興奮するばかり。
途中からアカアシも採れ始め、
ヒメオオとアカアシの割合はおよそ半々くらいである。
個体数がこれだけいるからなのか分からないが、
以前は付いていなかった所のヤナギでも採れるようになっていた。
そこで何となく察しがついた。
さっきウン〇が転がっていた一画のヤナギにあまりクワガタが付いていなかったのは、
今年の発生数が少ないからではなく
ウン〇の主である山菜採り(仮)が今朝の段階で山菜を採るために薮に分け入り近くのヤナギに振動を加えてしまい、その衝撃で木に付いていたほとんどの個体が落ちてしまった所為で見つからなかったのではないか、と。
みずみずしい齧り痕がいたるところに付いている所為か、
スズメバチも数頭ヤナギの周りを飛び回っている。
どこから手をつけたらいいか分からないくらいに
パッと見であちこちに付いていて感覚も麻痺してきた・・・
取りこぼす数も増えてきたところで、林道の終点で全てのヤナギをチェックし終える。
もうストックケースに収まりきらないほど採れてしまった・・・!!!
このストックケースが満杯になったのはこれが初めてだ。
収まりきらない分は網の中に入れておく事にして、
必要な分を残して他を逃がす前に採集成果をカメラに収める事にする。
ケースに収めた分だけでこの量になった。(これと併せて網の中にも居る)ここまでくると、虫が逃げようとして出てくるので
ふたを一々開け閉めするのが面倒くさくなってくる。
数は多かったもののアカアシは皆35~40mmほどの小さいものばかりだったので
一番大きい♂だけを残し他はリリースの為に省き、
ヒメオオだけをケースに残すとこうなった。
この後、土産に持ち帰る分だけを残してヒメオオも省き
あちこちのヤナギにまんべんなくリリースした。
アカアシは皆小さいものばかりで、
♂は3cm台が多く♀も3cmを超えそうなものはいなかった。
この個体だけが唯一47mmというサイズではあるが、
5cmに達していない中途半端なサイズの割に妙に目を惹くビジュアルだ。
ちょっと大腮が太短いように見えるが気のせいだろうか?
アカアシの東北産は大腮があまり長くならないという特徴を持っているようだが
この個体はその特徴が顕著に見えるので持ち帰る事にした。
1ペアだけ持って帰る事にしたヒメは♀が38mm、♂は50mm。
ヒメもあれだけ居て最大がやっとこさ50mm・・・厳しい・・・
他には4cm台後半も数頭居たが、3cm台や4cm台前半もそれなりにいた。
付節・触角欠けの個体も4~5頭。
時刻はもうそろそろ午後3時。
結構時間経ってしまった・・・(寝坊がそもそも)
実は今日の日程はこれだけではなく、
とある新ポイントのヒメオオ採集も予定していたのである。
そこは、以前一度入った事がありその時にハンミョウを採った林道で、
その林道のこれまた奥の方にまで辿り着いた時に
貧弱ではあったもののヒメオオの噛み痕が残っていたヤナギを発見しており、
この林道に来た当時は6月と云う事もあり
ヒメオオのシーズンに改めて突入しようと前々から考えていた。
時間は残り少ない、気温も下がり始めている。
善は急げとUターンして林道を下る。
すると間もなく、
来る時は山菜採りらしき車が停まっていた一画から車が消えているのに気付いた。
「気付いた」と言うのも、この駐車帯の一角にはヤナギが一応生えていてそれが目に入ったからだ。
と言っても、ここはさっきまで採集していたヒメオオのポイントから少し距離があり
以前も通りがけにチェックしていてここには何も居ないという事が分かっていた場所だ。
そう分かっていても車を停めて見てしまうのは、
いい加減体がヤナギに勝手に反応するようになってきてしまっているからなのかも・・・
懲りないなぁ~俺も・・・と思ったか思ってなかったかは別にいいとして、
実際居たもんだから驚かずにはいられない!!
マジかよまだ居るのかよ!!!
ここでは10本弱のヤナギが生えていたが、
水場に面した所に生えたものを除いた全ての木に、1~3頭ずつ付いていた。
青森県ヒメオオクワガタ♂ 2014/9/21
午後3時を過ぎてようやく林道を今度こそ下りていった。
**************************************
次なるポイントは、さっきまでとは別の市町村である。
ここのラベルは、一般的にクワガタ屋があまり目を向けない場所で
勿論(市町村単位で)メジャーな産地ではない。
棲息はしているはずだろうが、果たして採れるのかが心配である・・・
まだ見ぬ新産地のヒメオオを夢見ながら、車を飛ばした。
途中、休憩を兼ねて飲み物を調達するために自販機前に降り立った。
やはり朝起きて朝食も食べずに採集に来たのは少し辛いものがある。
500mlのお茶一本では間に合わない・・・
さっきまでのルッキングでも、木を何度も見上げ続けて幾度と立ち眩みがした。
金欠なので食べ物を買ったりとかは憚られるが、
せめてドリンクだけでもとスポーツドリンクのボタンを押すと
自販機 ピーピピピピ 「おめでとうございます! もう1本どうぞー!!」
当たった・・・!!! 初めてなんだが・・・ツキが良いな(汗)
俺、今日で死ぬんじゃないか!?!?
スポーツドリンクとエナジードリンクの2本を抱えて車に戻った。
**************************************
時刻は既に午後4時を過ぎている。
2年振りの林道に懐かしさを覚えつつどんどん奥へ進む。
道も段々狭まり地面の状態も悪くなってきた所で車を停め、
網とケースと双眼鏡とケータイだけを持って奥へ進行していく。
ヤナギが所々に生えているものの、なかなか姿を現さない。
流石にさっきまでとは違って、ここはまだ採集実績無しの場所。採れないかも・・・
雰囲気的にそろそろ林道の終わり頃に差し掛かってきて
段々不安になってきたその時!!!!
ヒメ!!!!!??
1本だけやたら噛み痕のあるヤナギがあり2頭のクワガタが付いている・・・
さっきまで飽きるだけ見た光景ではあるが、
初めて見つけた市町村ラベルと言う事もあって見た瞬間マジで呼吸が止まった・・・!!!
貴重な個体だとハラハラしながら、下から網をあてがい慎重に捕獲する。
ヒメオオ×♂1 アカアシ×♂1。遂に採れた・・・
しかし、そこから先の道はどのヤナギを見ても
齧り痕すら見られず遂に林道の終点に到着。
実際は終点ではないのだがそこから先は草木が茂り完全に廃道になっているのだ。
念のためにその廃道にも少し入りヤナギなどが生えていないか見に入ってみたのだが、
ヤナギは確かに生えていたが全然木肌が綺麗で虫に齧られた痕など無かった。
無意味な作業のような気がしてきたし時刻も既に午後5時半近くなってきて
陽も落ちてきて視界も明るさを失ってきていたので、
欲しいものは既に手に入ったと自分を納得させて
いよいよ戻る事にした。
ただ、
しつこい事にまだこれで終わらなかった。
いや、終われなくなった。
廃道から脱出する間際、
ふと何気なく横の灌木に視線を合わせると
ぅおッ!!!! 居た!!!!
ヤナギではない種類の木にしがみ付くヒメオオを発見。
ヤマハンノキである。
素人らしくヤナギばかり見ていた自分にとって、この木で見つけたという事がまた一つの興奮材料になった。ある意味で気分転換になったとでも言うのかもしれない。
(ミズナラ・ナナカマド・カンバ他色々な木で見つかるとは言っても、
やっぱりヤナギが一番楽だからねぇ・・・)
この木にも付くという事は・・・と周囲を見渡すと、
やはり他にもケヤマハンノキが生えていた。
この付近一帯の木は皆最高3mほどの樹高で、
このケヤマハンノキも大きいものは20mになる高木種ではあるが
前述の通り、皆幼木だ。
陽がもうすぐ落ちるという夕空の中、木に目をみはると・・・
あちこちに居るじゃねぇか!!!!!
噛み痕も当たり前のようにビッシリ付いてる。
ただし、今一度この一帯を確認してみたが不思議な事に、
ヤナギも混ざっているにも関わらず、齧り痕が付いているのはヤマハンノキだけだ。
(勿論あくまでも、自分の悪い視力と悪い洞察力で暗くなりかけの状況で見た話だが)
今5時半だから、おそらく明るい内(午前中とか)ならもっと数が居たことだろう。
次々と目に入ってくるので網を伸ばし採っていく。途中ボタボタと外す音も聞こえる。
1市町村目の林道では最大50mmだったが、
嬉しいことにこちらの林道では最後の追い上げで51mmUPが採れた。
そして、画像のようなアカアシ1♂・ヒメオオ4♂1♀が最終的な採集成果かと言うと
これまたそうでもなかった。
ここのポイントの分も土産分だけ残して他の個体をあちこちの木に逃がしている最中、
木の根元近くに小さなクワガタを発見した。
やけに小っこいけどアカアシかな・・・ ・・・いや違うこいつは!!!!
スジクワガタ!!! きゃほ~い(嬉)
スジもヤナギなどの細い枝を齧れるクワガタなので
採れたのが意外だと言える虫ではないが、
なんだかんだで今年に入ってまだ1頭も採ってなかったのでこれはかなり嬉しい。
自分の中では昔からの経験で、
絶妙におかしなタイミングで採れるのがこのスジクワガタなのだ。
体長も25mmと持って帰るに悪くないサイズ。
最後の最後に嬉しいおまけまで採れてしまうとは今日はなんて日だ!!!
ホントに今日死ぬんじゃねぇか!?(笑)
おまけに、帰る間際一度スジが付いていた膝くらいの高さの箇所を改めて観察してみると
スジが居た場所のちょうど真裏に何か居る!
・・・これまたヒメオオ♂だった。
どんだけ居るんだよお前ら!!!!!
もしかしたら、スジが木を齧っていたのではなくて
ヒメオオが齧って出した樹液にスジが誘われてきたのかもしれないな。
と言う事で、この日は
1市町村目からはヒメオオ♂1♀1&アカアシ♂1、
2市町村目からはヒメオオ♂2♀1&アカアシ♂1&スジ♂1を持ちかえることにした。
林道を戻り始める頃にはもう午後6時になっていたが、
先週・先々週とはまるで違って達成感に包まれていたのは実に気分が良かった・・・
ただ、やっぱり悔やまれるのが、
なんでこんな時に限って
アイツら、いねぇぇんだよ!!!!
さらに先週また別の所へ行ってこれまた惨敗して土産無しで帰ってきて、
2週連続でヒメオオ狙いで山へ突入しボロ雑巾になって帰って来たのですが、
【先々週の3人で行ったヒメオオ採集】 ⇒ 2014-9-12 『ありく津軽採集 ~北国の秋~』 |
聞くところによると、今年は全国的に(東北地域?)ヒメオオクワガタが少なく採集報告も芳しくないんだとか。
「だから採れないのか~アハハ」と納得したような
2週連続でヒメオオ空振りしたこの虚脱感を打ち払ってもらおうと思い
考えていた秘密のマイポイントでのヒメオオ観察を予定し、
もしかしたら今年は良くないかも・・・と心配しながら今週の採集日程を組んでいました。
(秘密とは言うけど知ってる人は知ってるかもね)
未記録(未採集)のポイントを開拓するのも楽しいけど、
採れない日ばっかり続くと流石に採れる所に行って気晴らししたくなるものです。
【秘密のマイポイント】 ⇒ 2011-10-23 『ヒメオオビギナー自力採集』 |
ところが、No.2とNo.6は予定が合わず
今回は1人で行く事に。
いつもいつもの無謀な採集ではないので出来れば呼びたかったんだけど・・・
仕方ない、一人でもとにかく気合を入れて
21日(日)
寝坊した。 ・・・もう昼近いよ(焦)
急いで支度をして、急いで麦茶を500mlペットボトルに汲んで急いでそれだけ持って
急いで家を出て急いで給油して急いで現地へ向かった。
(「急いで」多いな!!)
ストックケースや網は車にあるし細々とした道具もリュックに入れて積んだままだったが
途中で道路地図を持ってくるのを忘れていた事に気付くがまぁ遅い。
あとは野となれ山となれ!と云う感じでとりあえず林道突入~
時刻は正午を過ぎている。
山菜採りと思しき車を何台か横目にし、
林道の奥に着く手前で車を止めて脇に生えているヤナギを見ると・・・
早速発見~ ペアで付いている。
写真撮影を終えた後、網で下から削ぐように掬うと・・・
♀はしくじって崖下に落としたものの、♂は網に入り今シーズン初のヒメ♂採集叶う。
さらに今度は自分の立つ場所に生える苗レベルの若さのヤナギに
♀がしがみ付いているのを発見。こんなとこに居たら下手すりゃ車に轢かれるぞ・・・
1ペア確保し、これでとりあえず気分は楽になった。
いよいよメインのポイントに到着。
車を停め網を持ってヤナギの密生スペースに入ってみる。
・・・が、・・・あれ・・・? 居 な い・・・・・・
噛み痕はビッシリ付いているんだが、
普通だと本体が付きそうな位置に全然姿が確認できない・・・
・・・あれ~・・・
・・・んん~~?・・・
・・・何で・・・?
一通りこの一角のヤナギを見るも、
ちょっとは居るんだが本調子と云う感じではない。
やっぱ今年はキツいのか・・・? と思いを巡らせ
一旦車に戻ろうと踵を返すと、地面に白い物が・・・
ティッシュ・・・と気付くと同時にその下に堂々と横たわるウン〇にビックリした。
ぅげぇ・・・踏まなくてよかった~~
ティッシュは見た感じだと雨水を吸っていないようで、たかっているハエもわずか。
どうやらこれは今朝産み落とされたばかりのもののようだ(経ってても昨日か)
場所的にこんな位置で用を足していくところを考えると、
昆虫採集者のものではないだろう・・・ほぼ確実に山菜・きのこ採りだ。
(コガネ屋の仕掛けたマイトラップの線も捨てきれないな・・・なんてね)
とりあえずその一角は見限って、次々と別の場所へ進んでヤナギを隈なく見上げると・・・
ぉ! ちゃんと付いてるじゃないか!!
なかなか見栄えもする♂が採れた・・・と思ったのもつかの間、
次から次へと
見上げる枝、幹、上にも下にも
クワガタがたくさん。
結構久しぶりにこれほどの光景を目にした。
所謂『鈴なりに付いてる』状態と形容していいくらいにだ。
ちょくちょく木から落ちて見えなくなる個体がいるが、
それでも今までこのポイントでこれだけの数が見られた事は無かっただけに
ただただ興奮するばかり。
途中からアカアシも採れ始め、
ヒメオオとアカアシの割合はおよそ半々くらいである。
個体数がこれだけいるからなのか分からないが、
以前は付いていなかった所のヤナギでも採れるようになっていた。
そこで何となく察しがついた。
さっきウン〇が転がっていた一画のヤナギにあまりクワガタが付いていなかったのは、
今年の発生数が少ないからではなく
ウン〇の主である山菜採り(仮)が今朝の段階で山菜を採るために薮に分け入り近くのヤナギに振動を加えてしまい、その衝撃で木に付いていたほとんどの個体が落ちてしまった所為で見つからなかったのではないか、と。
みずみずしい齧り痕がいたるところに付いている所為か、
スズメバチも数頭ヤナギの周りを飛び回っている。
どこから手をつけたらいいか分からないくらいに
パッと見であちこちに付いていて感覚も麻痺してきた・・・
取りこぼす数も増えてきたところで、林道の終点で全てのヤナギをチェックし終える。
もうストックケースに収まりきらないほど採れてしまった・・・!!!
このストックケースが満杯になったのはこれが初めてだ。
収まりきらない分は網の中に入れておく事にして、
必要な分を残して他を逃がす前に採集成果をカメラに収める事にする。
ケースに収めた分だけでこの量になった。(これと併せて網の中にも居る)ここまでくると、虫が逃げようとして出てくるので
ふたを一々開け閉めするのが面倒くさくなってくる。
数は多かったもののアカアシは皆35~40mmほどの小さいものばかりだったので
一番大きい♂だけを残し他はリリースの為に省き、
ヒメオオだけをケースに残すとこうなった。
この後、土産に持ち帰る分だけを残してヒメオオも省き
あちこちのヤナギにまんべんなくリリースした。
アカアシは皆小さいものばかりで、
♂は3cm台が多く♀も3cmを超えそうなものはいなかった。
この個体だけが唯一47mmというサイズではあるが、
5cmに達していない中途半端なサイズの割に妙に目を惹くビジュアルだ。
ちょっと大腮が太短いように見えるが気のせいだろうか?
アカアシの東北産は大腮があまり長くならないという特徴を持っているようだが
この個体はその特徴が顕著に見えるので持ち帰る事にした。
1ペアだけ持って帰る事にしたヒメは♀が38mm、♂は50mm。
ヒメもあれだけ居て最大がやっとこさ50mm・・・厳しい・・・
他には4cm台後半も数頭居たが、3cm台や4cm台前半もそれなりにいた。
付節・触角欠けの個体も4~5頭。
時刻はもうそろそろ午後3時。
結構時間経ってしまった・・・(寝坊がそもそも)
実は今日の日程はこれだけではなく、
とある新ポイントのヒメオオ採集も予定していたのである。
そこは、以前一度入った事がありその時にハンミョウを採った林道で、
その林道のこれまた奥の方にまで辿り着いた時に
貧弱ではあったもののヒメオオの噛み痕が残っていたヤナギを発見しており、
この林道に来た当時は6月と云う事もあり
ヒメオオのシーズンに改めて突入しようと前々から考えていた。
【以前一度入った事がありその時にハンミョウを採った林道】 ⇒ 2012-7-5 『ママチャリ野郎 ~辛走デスティニー~』 |
時間は残り少ない、気温も下がり始めている。
善は急げとUターンして林道を下る。
すると間もなく、
来る時は山菜採りらしき車が停まっていた一画から車が消えているのに気付いた。
「気付いた」と言うのも、この駐車帯の一角にはヤナギが一応生えていてそれが目に入ったからだ。
と言っても、ここはさっきまで採集していたヒメオオのポイントから少し距離があり
以前も通りがけにチェックしていてここには何も居ないという事が分かっていた場所だ。
そう分かっていても車を停めて見てしまうのは、
いい加減体がヤナギに勝手に反応するようになってきてしまっているからなのかも・・・
懲りないなぁ~俺も・・・と思ったか思ってなかったかは別にいいとして、
実際居たもんだから驚かずにはいられない!!
マジかよまだ居るのかよ!!!
ここでは10本弱のヤナギが生えていたが、
水場に面した所に生えたものを除いた全ての木に、1~3頭ずつ付いていた。
青森県ヒメオオクワガタ♂ 2014/9/21
午後3時を過ぎてようやく林道を今度こそ下りていった。
**************************************
次なるポイントは、さっきまでとは別の市町村である。
ここのラベルは、一般的にクワガタ屋があまり目を向けない場所で
勿論(市町村単位で)メジャーな産地ではない。
棲息はしているはずだろうが、果たして採れるのかが心配である・・・
まだ見ぬ新産地のヒメオオを夢見ながら、車を飛ばした。
途中、休憩を兼ねて飲み物を調達するために自販機前に降り立った。
やはり朝起きて朝食も食べずに採集に来たのは少し辛いものがある。
500mlのお茶一本では間に合わない・・・
さっきまでのルッキングでも、木を何度も見上げ続けて幾度と立ち眩みがした。
金欠なので食べ物を買ったりとかは憚られるが、
せめてドリンクだけでもとスポーツドリンクのボタンを押すと
自販機 ピーピピピピ 「おめでとうございます! もう1本どうぞー!!」
当たった・・・!!! 初めてなんだが・・・ツキが良いな(汗)
俺、今日で死ぬんじゃないか!?!?
スポーツドリンクとエナジードリンクの2本を抱えて車に戻った。
**************************************
時刻は既に午後4時を過ぎている。
2年振りの林道に懐かしさを覚えつつどんどん奥へ進む。
道も段々狭まり地面の状態も悪くなってきた所で車を停め、
網とケースと双眼鏡とケータイだけを持って奥へ進行していく。
ヤナギが所々に生えているものの、なかなか姿を現さない。
流石にさっきまでとは違って、ここはまだ採集実績無しの場所。採れないかも・・・
雰囲気的にそろそろ林道の終わり頃に差し掛かってきて
段々不安になってきたその時!!!!
ヒメ!!!!!??
1本だけやたら噛み痕のあるヤナギがあり2頭のクワガタが付いている・・・
さっきまで飽きるだけ見た光景ではあるが、
初めて見つけた市町村ラベルと言う事もあって見た瞬間マジで呼吸が止まった・・・!!!
貴重な個体だとハラハラしながら、下から網をあてがい慎重に捕獲する。
ヒメオオ×♂1 アカアシ×♂1。遂に採れた・・・
しかし、そこから先の道はどのヤナギを見ても
齧り痕すら見られず遂に林道の終点に到着。
実際は終点ではないのだがそこから先は草木が茂り完全に廃道になっているのだ。
念のためにその廃道にも少し入りヤナギなどが生えていないか見に入ってみたのだが、
ヤナギは確かに生えていたが全然木肌が綺麗で虫に齧られた痕など無かった。
無意味な作業のような気がしてきたし時刻も既に午後5時半近くなってきて
陽も落ちてきて視界も明るさを失ってきていたので、
欲しいものは既に手に入ったと自分を納得させて
いよいよ戻る事にした。
ただ、
しつこい事にまだこれで終わらなかった。
いや、終われなくなった。
廃道から脱出する間際、
ふと何気なく横の灌木に視線を合わせると
ぅおッ!!!! 居た!!!!
ヤナギではない種類の木にしがみ付くヒメオオを発見。
ヤマハンノキである。
素人らしくヤナギばかり見ていた自分にとって、この木で見つけたという事がまた一つの興奮材料になった。ある意味で気分転換になったとでも言うのかもしれない。
(ミズナラ・ナナカマド・カンバ他色々な木で見つかるとは言っても、
やっぱりヤナギが一番楽だからねぇ・・・)
この木にも付くという事は・・・と周囲を見渡すと、
やはり他にもケヤマハンノキが生えていた。
この付近一帯の木は皆最高3mほどの樹高で、
このケヤマハンノキも大きいものは20mになる高木種ではあるが
前述の通り、皆幼木だ。
陽がもうすぐ落ちるという夕空の中、木に目をみはると・・・
あちこちに居るじゃねぇか!!!!!
噛み痕も当たり前のようにビッシリ付いてる。
ただし、今一度この一帯を確認してみたが不思議な事に、
ヤナギも混ざっているにも関わらず、齧り痕が付いているのはヤマハンノキだけだ。
(勿論あくまでも、自分の悪い視力と悪い洞察力で暗くなりかけの状況で見た話だが)
今5時半だから、おそらく明るい内(午前中とか)ならもっと数が居たことだろう。
次々と目に入ってくるので網を伸ばし採っていく。途中ボタボタと外す音も聞こえる。
1市町村目の林道では最大50mmだったが、
嬉しいことにこちらの林道では最後の追い上げで51mmUPが採れた。
そして、画像のようなアカアシ1♂・ヒメオオ4♂1♀が最終的な採集成果かと言うと
これまたそうでもなかった。
ここのポイントの分も土産分だけ残して他の個体をあちこちの木に逃がしている最中、
木の根元近くに小さなクワガタを発見した。
やけに小っこいけどアカアシかな・・・ ・・・いや違うこいつは!!!!
スジクワガタ!!! きゃほ~い(嬉)
スジもヤナギなどの細い枝を齧れるクワガタなので
採れたのが意外だと言える虫ではないが、
なんだかんだで今年に入ってまだ1頭も採ってなかったのでこれはかなり嬉しい。
自分の中では昔からの経験で、
絶妙におかしなタイミングで採れるのがこのスジクワガタなのだ。
体長も25mmと持って帰るに悪くないサイズ。
最後の最後に嬉しいおまけまで採れてしまうとは今日はなんて日だ!!!
ホントに今日死ぬんじゃねぇか!?(笑)
おまけに、帰る間際一度スジが付いていた膝くらいの高さの箇所を改めて観察してみると
スジが居た場所のちょうど真裏に何か居る!
・・・これまたヒメオオ♂だった。
どんだけ居るんだよお前ら!!!!!
もしかしたら、スジが木を齧っていたのではなくて
ヒメオオが齧って出した樹液にスジが誘われてきたのかもしれないな。
と言う事で、この日は
1市町村目からはヒメオオ♂1♀1&アカアシ♂1、
2市町村目からはヒメオオ♂2♀1&アカアシ♂1&スジ♂1を持ちかえることにした。
林道を戻り始める頃にはもう午後6時になっていたが、
先週・先々週とはまるで違って達成感に包まれていたのは実に気分が良かった・・・
ただ、やっぱり悔やまれるのが、
なんでこんな時に限って
アイツら、いねぇぇんだよ!!!!
21日の採集は電話でも話は聞いておりましたが
本当に大収穫だったみたいですね。
明るさ調整と逆光補正をしてまで何とかヒメオオの
写真を撮っているあたりブログに対する熱い熱意を感じさせられました(笑)
私の場合…「早く…早くネットインしなければ!!」
…っと写真を撮る程の余裕が全く無いので
必然的にネットインした後の写真になってしまうんですよね(苦笑)
充実できた採集内容で何よりです。
お疲れ様でした。
by Re:myon (2014-09-23 00:34)
本当に凄い成果でしたね!おめでとうございます。当たり前ですがいるところにはいるんだなあ~と。
ヒメオオは小学生の頃に近所のお兄さんが持っていたのを一度だけ見たことがあるだけですよ。ずっと昔からこの場所に生息していたのかなあ。読んでいて思いましたが、こういう環境はいつまでも残っていてほしいですね。(うん〇は気持ち悪いです)
こちらはもうシーズンほぼ終了ですので、青森のオオクワとアカアシ2ペアずつ、川崎産ノコ一匹の世話しかすることがありません。みんなまだまだゼリーの食いも良く、元気に活動していますね。
会長さんのブログは今夏から読ませていただいておりますが、過去の関連記事にジャンプ出来るので読みやすいです。
会長さんは特撮とかもお好きなのでしょうか?なんとなくそれが垣間見れる記事もあったような。私はウルトラマンシリーズとか好きで結構DVD集めました。余談ですが、何年か前にうちの店に毒蝮三太夫(ご存じないかもしれませんが)がラジオの収録で来ました。まあ毒舌くらいましたが(笑)
あっ、ジュースは私も過去に2~3回当てたことがあります。あれは完全に予期せぬ事態で地味に嬉しいですよね。この日のヒメオオ大当たりを象徴した出来事ですね!
今回はお疲れさまでした。
by ガリガリ君 (2014-09-23 20:20)
Re:myonさんこんばんは~
これはまさに大量!!でした。
空を飛んでるヤツも見ましたし、白彊病で死んでヤナギの下に転がっているのも2頭見つけました。祭りでしたね(笑)
これでちゃんと朝早く行ければ山菜(きのこ)採りに落とされた分も採れたのに・・・と悔やまれます。
やはりどの虫も場所を見つけてこそ居るものですね。
トンボでも、そちらのブログでUPされているような種類なんてこちらの感覚では「そんな青いのどこで見つけるんだよ!」と思うくらい全く見ませんらねぇ・・・居る場所を狙って探す重要性のようなものを再確認しました(させていただきました)。
なるだけ写真を撮るのはある種のブロガー廃人化している証拠とも言えるのですが(苦笑)、今回は特に写真を優先できるだけの素晴らしい環境だった事もあります。
木の下が平らで落ちても比較的視認しやすかったわけで、崖際だったらカメラを構える勇気はないですね(笑)
でも、こういう時はやっぱスマホのが圧倒的上質な画像が撮れるんですよね!? ・・・うーん・・・スマホかぁ・・・
ちなみに今日も十和田の方へ見に行ってみましたよ。
初場所で52mmUPが採れたんですが、各所で採集圧が掛かっているのが如実に感じましたね、まぁ因みに寝坊して行ったんである意味当然の結果ですが・・・
by 会長 (2014-09-23 23:34)
ガリガリ君さんこんばんは~
居る所には居る(居ない所には居ない)虫と言う事で、
生息数が多い青森と言えど、限られた採集ポイントそれぞれがどのくらいの知名度を持っているかによっては、簡単に空振りを食らいます。
ノコやミヤマのように色々な場所やタイミングで採れる虫ではないので、根こそぎ持ち返る人も多く競争率が高く本当に「採る気で行かないと採れない」です。だからこそヒメオオ採集にコアなファンが生まれるんでしょうね。
ウン〇はほんとに見たくなかったですが、逆に薮の中に入られてヤナギの下でされた方が嫌なので、まぁ不幸中の幸い?と思う事にしました(苦笑)
こちらは夜は20℃を下回り、常温だと管理が難しくなってきたものもいます。秋ってなんか、ふと立ち止まってしまい哀愁に見舞われる季節ですね。
今と昔ではブログの文章や内容に結構な違いが出ています。もう500件以上記事が溜まってしまっていますが、個人的には昔の記事は文章ぐちゃぐちゃでしたが内容は幅広くて今の記事より良かったと思います(自分で言うのもなんですが・・・)
文章中のリンクは今まで「これリンク張ってあるの気付いてもらえてないんじゃないのかな・・・?」と不安でしたがそう言って頂けて大変有り難いです。
自分は特撮大好きですね。ウルトラシリーズが主で、こちらのメンバーにいるNo.6と古くから特撮話や観賞とかしてますね。
DVDいいですね~自分も欲しいんですがここ数年ゆったりDVD観賞する暇が上手く取れなくて「また観たくなったらレンタルすりゃいいかな~」と思ってしまうんです。
まず気付かれる事が無いのですが、昔の記事ではサブタイトルに結構そっちの方からのサブタイトルをオマージュして付けてたものが結構ありましたので、ウルトラシリーズファンの方にはそれも探してもらうのもおすすめしておきます(笑)どうでもいい情報でしたね。
毒蝮三太夫は勿論知っております。自分をよく知る人間には「お前は知識がおじさん」とよく言われるくらいで(笑)
自分はあの人をメディアで見かける度に「石井伊吉」の方の名前が先に頭に浮かびます(笑)
ジュースが当たったのは初めてでしたが、不意に自分の貴重な運を消費してしまったような気がして後でモヤモヤしてしまいました(苦笑)
by 会長 (2014-09-24 00:17)
すごい採れてますね~
ヒメオオ採ったこと無いですけど
羨ましいです´・∀・`
by アリンコ (2014-09-24 17:16)
アリンコさんコメント有り難うございます!
今年はどうやら全国的に少ないみたいですがそう考えると感動的です。
ヒメオオは、居る環境が写真などで視覚的に把握できればそれを参考にして探して採ることは可能ですよ、昔は自分にとっても手に届かない虫だと思っていましたからね!
by 会長 (2014-09-24 22:23)