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温室本格稼働! ~棚と熱源と空調~ [飼育ファイル]

ネタはあるんですがね・・・
なんかこうパソコンに向かって文章を考えて打ち込むって作業をする意欲が全く湧き起こらない今日この頃。
こう云う時って無理して書いたりしない方がいいんでしょうかね・・・?、それとも一念発起してやり出せばまた徐々にエンジンが掛かってきたりするんですかねぇぇ~・・・?

こんな感じで言い訳がましくスタートした今回の記事ですが、
ようやく本格稼働に至った新型温室についてです。

新型温室なんて書いてますが、
この温室自体は今から1年以上も前に記事にUPした自作の簡易温室の事です。

 【1年以上も前に記事にUPした自作の簡易温室】
   ⇒ 2014-1-3 『スタイロフォーム製 簡易冷温室作成 2』


今まで本格稼働していなかったというのも変な話ですが、
熱源とか空調機器とかはあったんですが金銭的な問題で棚がまだ用意できず
開封したマットをタライに入れて40℃ほどの庫内で風を当てながらガス抜き&脱水を行う用途で稼動させていました(ある意味こっちの方が便利なんですが・・・)

去年から見る見る内に我が家の一大勢力(ギラファとも言う)が規模を増している中、800リットルの温室1台と冷やし虫家2台では賄いきれなくってきていて、ただのガス抜き庫をきちんとした昆虫飼育庫にする事は急務になっていました。

先に温室内の棚・熱源・空調機器のレイアウトを思案し、
金が無い中で一番良いと思った構図が完成し、1ヶ月ほど前から棚を導入し始め
今日ようやく温室内部の設備が完成しました!!!!!



温室内の棚には何を用いたら一番良いかと云うところから考えましたが、
これまでもそうしてきたように、やはりスチールラック(メタルラック)にするのが良いという事で早々に決定。
スチールラックにする理由は以下の通り↓↓

先に箱の寸法が決まっている(出来上がっている)ので、箱に合わせて棚のサイズを自分で合わせやすい(棚板の広さや支柱の長さが細かく用意されているので自分でベストな大きさを選択しやすい)

棚自体に壁が無いので、狭い温室の中では空気の流動の邪魔になりにくい。

材料を切り出して自作するのが面倒だったから。

・・・・・・。

スチールラックは、既に「組み立てればいいだけ」のセット商品も販売されていたのですが、残念ながら温室の寸法に丁度合った物は探してみても売られておらず、仕方なく一つずつ単品で揃えていきました。

今回ガンガン情報を載せていきますが、
自分が使用したのはドウシシャ製Luminous LIGHTというシリーズです。

この中で温室の寸法に丁度いい幅74.5cm×奥行34.5cmのサイズを選びました。
これを2枚用意し支柱と一緒に組み立てた2段ラックを計2台作成しました。
この温室の内寸は横幅91cm×奥行85cm×高さ85cmでして、入れようと思えばもうちょっと大きなサイズのラックも作れるのですが空調の問題を考えまして一回り小さなラックにする事にしました。
ラックを小さくしたことについて、空調の理由についてはまた後で書きますがおまけに・・・わりと大事な理由がもう一つあるんです。これも後述します(笑)



ラック自体、部品一つ一つを買っていくと少し¥が張るので、2台のラックは毎月財布と相談しながら一つずつ組み立てました。
ラックの部品自体は1台あたり、
 ・棚板(74.5cm×34.5cm) × 2枚
 ・支柱(70cm)2本組 ×2組
で組み上がります。

CA3I0372.JPG

ここまでくるのに時間が掛かったな・・・



次に、熱源と空調についてです。

簡易冷温庫内で使える熱源と云うといくつかありますね。
その中でも、自分は旭光電機工業製ペットヒーター100Wを設置しました。
温室を自作した当初から白熱電球を熱源として加温していたのでその流れと云うのが理由の一つと、あとは値段が安くて助かるんで。

熱源を何にするかについて、飼育者各々が思っている事はあるんではないかと思いますが個人的に最近気になるのは、
爬虫類や両生類の水槽、小型哺乳類や鳥類のケージの下に敷いて使うシートタイプのヒーターが自作温室の熱源の定番・・・と云うか正解!みたいな論調で触れ回る人が一部で現れている事です。
まぁ自分が気になっているというだけのお話なのでそれだけなのですが、初心者がネット上で飼育方法などを訊くような場所に頻繁に現れては、「温室にはそれ(前述のヒーター)を使うのが当たり前です」「ひよこ電球は危険です、今時そんな物使ってる人なんていません」などだいぶ押しつけがましい偏った意見を出しています。特に見た目では多少影響力を持っているので少々無茶苦茶な意見でも信用されてしまってるのも少なくないようです。

・・・少し話が逸れてますが、シートタイプのヒーターは自分も使った事がありますが正直用足りません。
関東以南で100リットル以下の容積を暖めるには問題ないと思いますが、それ以北の地域でまたはそれ以上の容量の温室で使うには無理があります。電力は8wから40w超のものまであるようですが、表面がじわっと暖かくなるだけで温室内部全体まで空気を暖めるに至らない場合も多く、w数が大きくなるほどシートのサイズが格段に大きくなり飼育容器に直接触れてはいけない事を考えると非常に邪魔になりやすいです。おまけに値段も高い・・・消費電力が小さいのでその分加温も緩やかだという長所はありますが、温度管理を厳密に保たなくていい時以外は個人的にはあまり名前を出したくありませんね。

同社の製品中で最も出力が大きく、空調が問題なければ自分のとこ(青森)で使っている分にはこの630リットル超の温室でも十分設定温度に上げる事が出来ています。

とは言え、100wの電球の周囲は焼けるような高温に覆われています。
サーモでON/OFFしているので発熱が24時間継続しているわけではありませんが、単純に取り付けただけでは周囲が高温で飼育に不適な環境になったり・・・溶けたり(場合によっては焼けるするリスクもあるのでこれはちょっと悩みました。

考え過ぎてパンクした感もあるのですが、
まずヒーターの設置場所を
CA3I0383.JPG
温室一番奥のこの部分の、ラックの角の真下に配置。

普通にラックへ直接引っ掛けてぶら下げると、一段目の棚とスタイロフォームに対し急激に接近してしまうので
CA3I0385.JPG
別売りのワイヤーバー用フックを結束バンドで固定し棚に反対に引っ掛けそこにヒーターをぶら下げます。
温室の床ラックの一段目双方の間にそこそこ距離を取って浮かせるようにしました。

そしてこの位置の重要性はもう一つあり、
ヒーターの直近にあるこのデスクファンがそれになります。

今回選んだこの空調機器はYAMAZEN製デスクファンで、今は生産停止したコンパクトな縦長タイプの物です。

このデスクファンは以前記事にも書いていて、この温室での使用を念頭に置き前々から買い置いていたものです。2台。

 【この温室での使用を念頭に置き前々から買い置いていたものです。】
   ⇒ 2014-7-15 『はじめました。』


この時の記事にも書いていますが、最近安価でコンパクトな扇風機でも電源などが電子制御されていて、電源ONにしていても通電が断たれるとその後自力では稼動しない(ONしない)物が多く、停電から復旧した時にもOFFのままになりますし、時刻を設定して通電を止めたりさせる「24時間タイマー」の使用も出来ません(必要かどうかはさておいて・・・)
CA3I0374.JPG
しかしこのデスクファンはツマミを回して強/弱/OFFを切り替える何ともアナログな製品。
ここが気に入って買う理由としました。
そして、ラックと温室壁面との狭いスペースにも収まるこの形状も大事な理由です。

どう云う事かといいますと、
先程ラックの大きさについての話の部分で書いた空調の問題に繋がりまして
温室内寸より一回り小さいスペースに留めたスチールラックを庫内中心に置き、
そのラックの周囲と温室の壁に出来た少々の空間をこの2台のデスクファンを使って無理なく空気循環させ、庫内温度を安定させるための配置を行うにはこのデスクファン本体の形状と排空口の形がベストだと思ったからなんです。
この横に狭い排空口がベストでして、普通の大きさの排空口(あ、送風口か)だとラックの置いてある内側の場所にまで風が当たってしまい、その場所の飼育個体に悪影響が出てしまいます。
(大体風が当たった所って、温度が低くなったりして菌床の状態が不安定になったりマットが冷えたりするんですよねぇ)

イラストで図解するとこんな感じになります。
onshitu1.png
真上からの図


ペイントでこれ書くのに1時間くらい掛かっちまった(疲)
まぁ送風した空気が壁で曲がってグルグル循環するかって言うとそう上手くもいかないんだろうけどサ。
ちなみに図中のサーモから出てる黄色い〇温度センサーで、
空調ファンの送風方向の先にあるように見えますが、センサー自体は温室の上段付近に固定しているので直接風を受けているわけではありません。



そしてさっきの熱源の位置との話に戻るんですが、
ヒーターの隣にデスクファンが置いてある事でスムーズに温風を飛ばす事が出来ます。
デスクファンは本体の後ろの吸入口から空気を取り込みますが、ヒーターで暖まった空気が近いので、暖かい空気をそのまま吸って送ることにもなりますし、デスクファンが壁際なので送風が内側の空気(つまりラック内部側の空気)を巻き込みやすくなっています。

なお効率を図ってヒーターをデスクファンの真後ろや正面に置くのは、機器の寿命を著しく縮める危険がありそうなので避けています。
『デスクファンの背後にヒーターを配置』すると、極度に暖められた空気を直接・断続的に吸い続けるためデスクファンが痛むのが早まりそうで、
逆に『デスクファンの正面にヒーターを配置』するのは、サーモ制御で点灯したり消灯したりする電球本体に継続的に風が直接当たる事になるため電球の寿命が短くなったり、ガラスが破損する危険が大いにあります。強化ガラスとは言えども、ね。



さて、熱源と空調設備については以上なんですが、
今度はラックの大きさが何故これなのかと云う話に戻ります。

そもそもまず、何故1台にせずに2台くっ付けるのかと云うと、

・・・まぁ単純な話、1台だと寸法にあった棚板が売られていないからなんですよ。
横幅が91cmで奥行きが85cmって、ほぼ正方形じゃん!?
ほとんど正方形の棚板のラックなんて見たことありますぅ?
だから2台併設って云うワケです。

そしてなぜ、その2台のラックを奥から2台並べず横に2台並べるのか
こうして並べちゃうと真ん中の支柱が邪魔になって中のビンやケースを取り出しにくいぢゃないかと云う意見はごもっとも。

でもね奥さん・・・これは作った自分が誤算だったんだけども、これまで散々寸法を書いておいてなんだけども
この温室奥行きあり過ぎて手を伸ばしても奥まで手が届きにくいのョ(嘲笑)
それで棚の奥に幼虫の入ったビンでも在ったとしよう、ラックにはビニールシートでもアクリル板でも敷いているという前提で、目一杯腕伸ばして掴んだビンを慎重に手前にスライドさせてきたらラックとラックの繋ぎ目部分の骨組みのパイプにガツン!
・・・と云うのを、いちいち気を付けながら出し入れするのって結構面倒くさいですよ?
しかもそれが、暴れのリスクがある3令後期のギラファの特大ビンだったり蛹化・羽化中だったり産卵中のケースだったりしてごらんなさい。
飼育してるこっちが暴れたくなりますよ。

なので、奥に置いてある重いビンや産卵ケースを手前までスル~っと動かせる
こう云った置き方の方が精神衛生上安心かつ効率が良いんです。



ただ、ラックをそういう風に配置しても奥までスル~っと飼育容器をスライドさせるには敷く物も重要です。

ビニールシートでは、滑りが悪くて摩擦が起きてしまいます(スライド移動させられない)し、元の棚板が細いスチールパイプを並べて作ってあるので長期間敷いているとパイプの骨に沿ってビニールが沈んでしまいます。

ベニヤ等の木板だと、最初はよくても次第に湿気で歪んで振動が加わりやすくなってきます。

何も敷かないってのは勿論もっての他です。
確かに送られている空気は普通に棚を抜けていきますし、カップ・ボトル類や底が平坦なガラスビンもスライドさせて移動させるのが容易ですが、上に置いたケースの足が引っ掛かって横移動できなくなります。形状によってはハマります(汗)

そう考えると、厚めのプラスチック板やアクリル板などを切り出すのが一番だと思ったのですが、スチールラックのコーナーでこんな物を発見しました。



CA3I0387.JPG
さっきから画像に写っていましたから分かり辛いですが、
この棚専用のウッドシート

ウッドシートと言っても詳しく言えば繊維板の表面を塩ビで加工した製品なんですが
この製品が在ったために、わざわざ自分で板を4枚分切り出して自作する手間が省けました。


更におまけにこんな嬉しい点が!

CA3I0388.JPG
このウッドシート、棚板の外枠のパイプの太さを超える厚みがあるのでラックとラックの間をスライドさせて動かせるようになると云う効果が。
こりゃ実質的に1段の棚板が1枚になったと云うことではないか!!!

・・・え、これなら別にラックを奥から並べてもいいんじゃないかって?
まぁ・・・、でもケースの足は流石に引っかかるからな・・・(苦笑)


因みに、多数ある寸法の棚板の内
この寸法がウッドシートが発売されている最大の規格らしいです。
(ウッドシート自体は全ての棚板寸法に合わせて出されていないようです)
これが、ラックの寸法をここまでに留めたもう一つの理由です。

因みに棚板にシートを敷いたとしても、前述した説明の通りラックの周囲には空気循環用のスペースが確保されており、シートが原因で温室内の温度が偏る可能性はほとんど変わりません。







以上でこれが、1年前に製作した自作温室の本格完成の前蛹・・・・・・全容です。

もうね・・・ホントに長かったんでラックが並ぶ庫内を見ては達成感に浸ってますよ(笑)
これで燃え尽きちゃって、この後からの肝心の幼虫飼育が疎かになってしまうのがいつもの自分なんだけどもね(嘲笑)
こうご期待! (←どっちの意味でだろうねェ~)




   ・・・それにしても、だいぶ宣伝染みた記事を書いたな・・・
   販売元からいくらか宣伝広告料もらってもバチは当たらんでしょう。



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