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雨の下北 ヒメオオ巡り [日昆 採集記 【2015年】]

今年の6月にマグソクワガタのポイントを探しに行った下北半島
その時にむつでヒメオオの居た痕跡を見つけることが出来たので、
一度は今年中に行ってみねば・・・と考えていたのは当時の記事に書いていた通り。

 【ヒメオオの居た痕跡を見つけることが出来た】
   ⇒ 2014-6-13 『まさかり! マグソクワガタ採集』


土曜。
翌日日曜に見込んでいた予定が流れてしまったため
急遽ヒメオオ狩りにNo.2No.6を誘ったのですが、急な話と云う事で最終的にそれもナシに。

もう一人で行くしかなくなったのでどこへ行こうか考えまして。
現段階で、県内でヒメオオを「採りに行っておきたい・探しておきたい場所」はポイントだけで数えると25ヶ所以上残っています。これ全部を1日1ポイント回るとして考えて、仮に平日も潰して毎日回ったとしても今シーズン中では調べ尽くせません。それを考えるとどれを優先しなければならないか非常に悩むところでもあります。既産地だけど自分はまだ標本を残してないとか、以後自分以外の人も連れて行く場合を考えたらとか、他の採集者が来やすいかとか、考えれば考えるほどヒメオオ採集しか頭に浮かばず、もはや他の虫を追う暇も飼育作業の暇もありません。
距離的な行程や無事採集して帰れるかの不安要素が多少あり、他の人を連れていくのには申し訳ないエリアでもあるので、
思いがけず一人になってしまった今回で一度答え合わせしに行っておこうという意味で下北半島(恐山山地)のポイント開拓に決定しました。



早朝、準備を完了し自宅を出発。
夜中に気象庁のアメダスを確認してみると不遇にも下北半島では雨が降っていました。
あまり強い雨ではなさそうでしたが、本音では「馴染みのないエリアで新規開拓する時に雨が降っているのは非常に心細い」ものです。
出発した朝の時点では雨はあがっているようですが、濡れてしまうと一気に表面温度が下がり虫の活動が鈍ってしまうと云う影響を受けてしまいます。

CA3I0871.JPG
現地に入ると早速「The・雨上がり直後」の光景がお出迎え。
路面が濡れて光り山には濃い朝霧。
途中の電光掲示板の温度表示は16~17℃なのでヒメオオが今日体感している温度は活動限界ギリギリ(12~14℃くらい?)でしょうか。

前回噛み痕を見つけた林道に早速突入しますが、


 ◆ 6月に来た時↓↓ ◆
CA3I0607.JPG

 ◆ 今回↓↓ ◆
CA3I0877.JPG

うわァ・・・!? ィ、居ない・・・(焦)

隈なく幹・枝を見てみるも皆無。
ここまで来て終了!!?



・・・というワケにもいかないので、林道を進んでなんとか1頭でも居ないか見てみます。


この林道はしばらく機能していなく、
崖が崩れて大小の石が転がり歩き辛いし道の真ん中には草どころか木が生えています
(主にハリエンジュとヒメヤシャブシ)

一瞬の絶望を味わった後、
CA3I0872.JPG
!?






CA3I0873.JPG
い、居たァァ・・・・・・・・・!!!
雨水で濡れながらも緩慢な動きでヒメヤシャブシの幼木を登っていました。
今まで採っていなかった恐山山地の個体群も見つけることができ、非常に嬉しい。

これで♂も採れるなんて虫のいい展開にならないかなぁ・・・
と思っていましたが、藪奥のヤナギでいよいよ、
CA3I0874.JPG
何頭か付いているのを発見!(後から画像確認したらどこに付いてるかよく判らなくなった)


ササやススキの藪の中から網を伸ばしたので、
草に柄が引っ掛かり網をさばききれずにキャッチミス。
CA3I0875.JPG
少々苦労しましたがなんとか♂を回収!


その後も探せばいくつか藪の奥にヤナギが生えていて
CA3I0876.JPG
いくつか見ることが出来ました。

流石ヒメオオと云うだけあって気温さえセーフなら雨の直後でも全然登ってきますね。
アカアシやなんかとは根性が違う(笑)
夏場の暑い時間帯に雨風があったら無理だったかも知れませんが・・・

これまでで、いくつか採りこぼして斜面に落としてしまったものの、
CA3I0878.JPG
こんな感じできちんと土産はできました。

CA3I0886.JPG
その中で一番大きかった♂はこれ。
大腮の先がかなり摩耗しているのを確認できることからも、
このポイントは誰も知らない(採りに来ていない)と考えてよさそうです。
酢エチ処理直後で50.9mm。摩耗していなければ普通に51mmUPでしたな。
♀の最大は38.3mm

晴れている日に来たらどんなのが居たんだろう・・・

その後、地形的に同じラインのはずの林道に乗り替えてみるのですが全く無し。
やはり簡単というワケではなさそうです。

雨もだんだん降ってき始めて、だんだん心細くなってきました。



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さて、ラベル別に集めている事もあって
下北まで来たならむつ市以外の市町村も採ってやりたいと考え、
むつ市内から越境し次なる目的地は風間浦村!!!!


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風間浦村は面積69.6平方km、下北半島の北部に位置し人口は約2600人で県内では西目屋村に次いで人口が少ない。
村名の由来は、1889年に(意外と古い)(しもふろ)・易国(いこくま)・蛇(へびうら)の3つの村が合併する際に一文字ずつとったことによる(安易だけどフェアでセンスいいね)

住宅地は海岸線に沿ってのみ集中しており、
学校はそれぞれの集落に小学校が1校ずつと易国間に中学校が1校のみ。
海岸の後ろは全面山地になっており、人口の地理的分布状況から分かる通り村内の産業のほとんどは漁業が占めている。他には下風呂温泉が有名でもあり、村域の9割が山と云う事で林業も盛ん(営林署は大間管轄)。

おまけだが、
村全域は北海道南端・白神岬より北に位置していて
言い方を少し変えれば隣の大間町と共に『北海道より北にある自治体』とも言える。
(東奥日報社「新平成の大合併あおもりマップ」より一部引用)


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下北半島は結構産業資源に乏しかった背景があるため(なんか語弊があるような)
今でこそ原発や軍事施設用地などに使われていますが漁業以外には林業くらいしかなくガンガン山を刈ってスギやヒバなどの針葉樹が植えられているのが分かります。
(原発や軍事施設を誘致?するってことはつまりそういう事でしょ)
恐山山地も特別高い山と云うのは無く、低山地はほとんど植林ばかりです。









CA3I0879.JPG
CA3I0880.JPG
居たァ!!!!!!!!
(濡れて光ってたからアカアシかと思った)





CA3I0881.JPG
居たァ!!!!!!!!
(いや画像見えねぇよ)




無事採ることが出来ました。
採るまでの脚色を書くのがめんどくさくて撮った画像全部一気に貼りました↑↑が、
風間浦で採れたヒメオオのポイントはかなりかな~り局所的で、確認できた個体は約5頭
採れたのは4頭のみでした。



CA3I0888.JPG
持ち帰った♂はこの30.6mmくらいのチビ♂のみ(苦笑)
もう1♂、4cm台前半くらいのも採ったんですが脚欠けだったのでリリース。
♀は最大37.1mm
流石に現在進行形でしっかり雨が降っているので採れただけでも良かったです。
遠くなければ晴れた日にまた来たいところなんだけど・・・


前日、出発前の眠り方をミスしていたおかげで
昼2時を過ぎるあたりで睡魔に襲われてきまして、雨も本降りになっている事も加わって完全に戦意喪失、駐車帯に車を停め仮眠する事にしました。
そして夕方4時前に目を覚まし、天候も変わらず雲の厚みでルッキングが難しい明るさになっていたのでこのまま帰路に就く事に。

CA3I0884.JPG
帰る前に海岸から撮った一枚。
荒れた津軽海峡の遠い向こうに見えるのは北海道・函館市

久しぶりに「『何も無い』がここにある」というような素晴らしい場所で非常に心躍る村でした。
そういえば初めて来た場所だった。風間浦。


CA3I0885.JPG
ちなみに帰り道の横浜町で撮った雨の景色。マジの本降り。
始まる前から帰った後まで、終始天気に恵まれなかった採集でした。


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