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まだまだ春のクワガタムシ採集 ~今日のぼくらはタプコピアン~ [日昆 採集記 【2016年】]

前回の採集でひいた風邪を約1週間がかりでようやく治したばかりの先週の日曜、
今度は3人で採集に行ってきました。




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  15日(日)

朝7時を回り順次No.2No.6を迎えに行く。
いつも通りなら自分の車で迎えに行ってそのまま現地へ行くのだが、
最近になっていよいよ車の調子がおかしくなってきたので今回はNo.6に頼んでそっちの車を使う事で決まった。
(車でいつもアブない林道へよく突入していたのは言うに及ばないんですが、いよいよそのダメージが如実に表れてきて未舗装路はあまり入れなくなってきました)



No.6の車に荷物を積み込んで出発!

いつも自分で運転してるので、後部座席でゆったりできるのも不思議な感覚がある。
エンジン音がうるさくないのも気分がいい(笑)

いつも通りNo.2とNo.6の仮面ライダー談義を聞きながら、
車は津軽平野を通り過ぎ・・・お隣秋田県へ。

秋田に入ったのは非常に久しぶりである。
小坂町鹿角市と進み、到着した場所は・・・













CA3I1148.JPG
にんにくの里…否にんにくの首都・田子町(※青森県です)

秋田経由でまた青森入りしました。
(※「日昆会長 諸記」は基本的に青森から抜け出しません)


自分は去年振りの田子、対してNo.2と6はこの田子町は初めて。
ここまで運転してきたNo.6が田子入りして一言。

No.6 「田子遠いなぁ・・・」

ひとまず道の駅に寄り道して「すげぇ、ニンニクばっかだ・・・」と感動し何も買わず見学だけして田子に来た実感を味わった後、漂うニンニク臭の町中心地を離れいよいよ今回の採集ポイントへ向かった。



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今回向かったのは、2年前に一度成果ゼロで単身登りきってしまった四角岳

 【四角岳】
   ⇒ 2014-10-18 『南部鍬形追分』


今回はそこへルリクワガタを採りに行く事が目的。

ゴタゴタした林道を抜けて登山口手前まで到着。
2年前はもっと手前で倒木に阻まれ進めなかった林道も、その倒木が撤去されちゃんと通れるようになっていた。

林道脇に停めた車を降り、プンプンまとわりつくハエを尻目に荷物を降ろし装備をかため、登山・・・じゃなくて採集を開始した。

間もなく着いた登山口にはマイクロバスが停まっている。
どうやらグループで組んで登山が行われているらしい。

「こんなとこまで山登りになんて来てるんだ~(呆)」と、
お前が言うな的会話をはさみながら我々も登山道に突入→

入り口地点でNo.6がヒメツチハンミョウを発見、
沢が流れる登山道前半部でNo.2が飛翔中のドロハマキチョッキリを素手でキャッチ、
なかなか昆虫採集らしいなと思っていると今度は両生類に目がいく。
何かよく分からないアカガエルの卵を大量に発見、水溜まりから沢に流されかけているひも状の卵を見て笑い、
CA3I1151.JPG
目のまわりが黒い何かよく分からないサンショウウオを掬ったり。


CA3I1150.JPG
土砂が崩れて一瞬道を見失いかけたあたりからスギ植林地帯も終わりはじめ、
本格的に広葉樹林帯がはじまりここからは真面目にルリの痕跡を探索し始める。

時期も時期でササなど草木が生い茂り、産卵痕の付く枯れ木を探すだけでも一筋縄ではいかない・・・
途中、入り口で見たマイクロバス組の登山客一行とすれ違う。
平均年齢高めの方々から、「こんな所で若い方と出会うなんてね~!」などと声をかけられ感動されたが、もしこちらが「虫を採りに来たんですよ~」なんて言った時にはどんな風に見られたのか・・・今となっては少し気になるところではある。

枯れた沢のような道やササに覆われた道を抜け、いよいよブナの大木が多くなる所に進むと、傾斜がどんどんキツくなってきた。



もう8割以上登ってきた地点でようやく
ルリの産卵痕がベタベタ付いた枯れ木が地面に転がっているのを発見した。

周囲を見てみると、すぐ近くの立ち木の部分枯れした枝が折れて落ちたものだと判った。
もしかしたらさっきの登山客の誰かがうっかり触って折った物かもしれない・・・
そう思えてならないほど、まだ折れて間もない物だった。

適当に手で崩すと簡単にルリの太い食痕が出てきたので、中身が居るのではないかと3人で慎重にバラしていく。
CA3I1152.JPG
食痕が縦横無尽に材を走るのを見て、今日一番期待できる材だというのは確信していたが
間もなくその時は来た。


CA3I1153.JPG
オオッ!!!! 出た!!!!
田子では自身初のルリクワガタを発見。♀である。

無駄死にせずに帰れる・・・! と思ってリュックの中からケースを出そうとした時、
ここでやってしまう。落とした。

俺 「あッ!! やべェ落とした!!(焦)」

一瞬絶望しかけたその時、

No.2 「ここに落ちたぞ。」

彼に指さされた場所には落としたルリの♀がひっくりかえっていた。急いで回収。

No.2 「お前の事だからやらかすんじゃないかと思って見てたわ(笑)」

危うく今日の苦労を無駄にするところだったが、お陰で事なきを得た。





さて、気を取り直してケースを出してフタを開けようとした時、二の轍を踏んだ。



俺 ア゛・・・!!! また落とした・・・!!!!!!

No.6 「・・・」

No.2 「いや、・・・さすがに今度は見てなかったわ・・・・・・」

田子町産ルリクワガタ第1号は、そのまま見つけだす事は出来なかった・・・



やっちまった~と焦りを覚えながらも、この後なんとか2頭目・・・3頭目・・・4頭目と♀成虫をはじめ、幼虫を数頭割り出す事が出来た。

しかし残念ながら、ここで♂成虫の土産を作ることはできずに終わってしまった、
いや実は1頭♂が出て来たんだけれども、立ち木に残った部分枯れに手を付けている最中木に掴まり無理な体勢で斧を振ってしまったため見事に♂に直撃してしまった・・・という悲しい事件を最後にそれ以上♂が出てくる事は無かったと言うのが本当の話(泣)



さて、採る物も採って時刻も午後3時半を過ぎている。
下山も考えこれで採集は終了する事にした。

「これで採集は終わるかぁ」と2人に告げ、
とりあえず再び山を登り始める。


No.6 「え!? 下りるんじゃねぇの?」

俺 「うん、ここまできたらあとちょっとだから頂上まで行こうよ(笑)」



青森・岩手・秋田の北東北3県が接する唯一の地点を案内したい、
・・・というハタ迷惑な気使いに閉口しながらもNo.2と6も後に続き黙々と山を登る。

CA3I1154.JPG
急登を続け、いよいよ森林限界が近づき景色も変わってきた。


急な登りも終わり、歩きやすく見晴らしのいい尾根沿いに出た。
今来たこっち側が青森、あっちが岩手、あっちが秋田、と解説を交えながら遂に山頂にたどり着いた。
山頂には例の「3県境の山」の標柱が立っている。
この標柱こそが、北東北3県が接する唯一無二の地点なのだ。
(詳しくは過去記事参照)


北東北3県を瞬時に往来する男たち

男が3人集まるとこんな下らない事をやるんだ・・・と云う典型である(笑)




頂上に着いたので、久しぶりに記念撮影。
CA3I1157.JPG
左からNo.6、自分、No.2



ひとしきり山頂での感動を味わった後は帰るのみ、
頂上から3県それぞれに延びる道を見てこれ↓↓をやらないワケにはいくまい(苦笑)

No.6 「じゃぁ、おれ帰り道は岩手だから」

 「ああ、俺は秋田から帰るから」

No.2 「オレは青森から帰るワ」


3人 「じゃぁまたな~(笑)」






※私はこの翌日、風邪をひきました。


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さて、採集は終わりまして・・・

疲労の蓄積で無言のまま下山した後なんですが、
「いや、やっぱ何か(田子土産を)買っておけばよかった[あせあせ(飛び散る汗)]と焦り、町を出る前に急いで土産物を探しに行く事にしました。
道の駅に着く頃には時刻も夜7時近くなっており、
営業時間が6時までの道の駅がもう閉まっていた事に絶望しかけたのですが
なんとか中心商店街で肉屋から田子産ニンニク100%使用した焼き肉のたれを買い、なんとか地場産品を確保しました。


ちなみに土産を探す途中、商店街のスーパーの中で
野菜コーナーを見ていた時見つけてしまったのですが・・・
地元産だけでいいハズのニンニクの棚にナゼ中国産ニンニクも置いてあったのか。

  それだけは今も疑問のままです。



帰り道は別ルートで南部を回っていこうという事で、
田子から三戸町→南部町→五戸町→十和田市→七戸町→と経由し青森市へ帰ってきました。
5.15.png
ルートを示すとこんな感じです。帰ってきたのは夜9時

行きと帰りで、青森県をぐるっと内回りで1周した採集でした。



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最後おまけに・・・
CA3I1158.JPG
買ってきた焼き肉のたれは、ゴテゴテしたニンニクのたれと云う感じではなく、
匂いも思ったほどキツくなくて食べやすく美味しかったです。

(偏食なだけなので、グルメで気の利いた感想は書けません、
 いくら感動しても虫ブログ発信なので何の宣伝にもなりません、
 そしてこんなブログでごめんなさい[バッド(下向き矢印)]

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ガリガリ君

今回も楽しそっすね!
2年前は十和田以外に五戸にも泊まりました。
青森の道の駅に行くとニンニクや~のタレ系は充実していましたね。幾つか買いましたが美味かったです。
ドロハマキチョッキリw
普通に書かれていますがかなりマニアな生き物っぽいですね。

by ガリガリ君 (2016-05-26 19:41) 

会長

ガリガリ君さんこんばんは~

青森県の中でも三八地域というのは南方系の虫が(微妙~に)居て変わってる地域なので面白いエリアなんです、
これで山が皆切り開かれてなかったらと思うと惜しいんですがね(哀)

今回田子のにんにく重視のたれを初めて食べましたが、美味しかったですね。
自分も地元の味はまだまだ知らないんだなぁと思いましたよ、採集に行っても虫ばっかりじゃなくてちょっとは食べ物に意識を向けてもいいかも知れないと今更ながら反省しました。
青森にはローカル名物の「スタミナ源たれ」というのがあって、皆これを常用するのですが、

私は飽きました。

ドロハマキチョッキリ、自分も初めて採った時は、
「実はド普通種」だという事抜きで感動しました。
鮮やかな色でキレイないい虫ですよ。
by 会長 (2016-05-28 19:45)