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ライト vs 月光 星空と青空の盆採集 [日昆 採集記 【2016年】]

月齢(周期)・気温・その他諸々の事象によって青森県内ライトトラップ採集者は
この8月中、しばらく苦戦を強いられているようです。

特にこのお盆期間、ちょうど満月周期に差しかかりしかも高気圧に覆われ雲も無く、
県内・県外採集者共に凄惨たる貧果で毎晩轟沈していると聞きます。
(「聞きます」と云うのはつまり自分はオオクワ銀座にしばらく行ってないからです)



  12日(金)

No.7から採集の誘いがありました。

勿論採集の内容は、大きいドルクス(オオクワ)狙いのライトトラップ

そして場所は、青森県下の産地として有名なオオクワ銀座ではない某所。
我々一部のひねくれた変態的な採集者にとって特別な場所。難攻不落の聖域ともいえます。

有名産地と違ってアクセスが面倒で、費やす労力がより大きいこの某所でのライトトラップは
ライト機材の使用・場所の選別・タイミング諸々簡単なものではありません。

「↑↑偉そうに説明しておいてじゃあ出来るのかお前は」、と言われても
そんなスタンスでモノを言ってはいません。
「採れるからそこへ行く」のではなく「そこで採りたいから行く」と云うワケです。
今期に入ってそっち方面へはまだほとんど採集に行ってなかったですし、
自分も最近夜遊びに行っていなかったので返事は勿論「いいとも!」


まず最初という事で、やりたい場所を優先してライトをかけるポイントを選定。
月との戦い方を練習できそうな場所、そしてできれば月の影響を免れそうな場所をという事で、とある川にあるポイントでやることを決定。
日時は2日後の14日(日)




  13日(土)

心強い味方をもうちょっと増やしたい・・・
そう思い、あの男達に連絡。

・・・

・・・

・・・

流石に今日の明日であの過酷な地へ同行出来るなんて
No.2No.6も言わなかった・・・



 試作トラップ試運転

まァいきなり過ぎるしお盆の真っ最中じゃァそりャ断られるわなァ~
と納得したところで、
予定は翌日14日ではありますが自分だけまずは聖地へ採集に行くことにしました。


実は今、いつものスタンダードなライトトラップや先月初挑戦したバナナトラップの他に、
クワガタを採集する別のトラップの作成・研究を行っていて
その試験を行うために単身現地へ突入しました。
(ついでに夜間のライトトラップも・・・)

初めてのトラップの使用という事で、
トラップをかける場所の選定に時間がかかるだろうと思い
明るい内に山を歩き回れるように時間を調整したつもりではありました。

・・・しかし盆中という事もあってか(?)想定外の出来事が出発直前に起こり
大幅に出発予定時刻をオーバー・・・・・・
そして追い打ちをかけるように、向かう最中に「トラップをかけるための補助具」をまだ揃えていなかった事に気づいて慌ててホームセンターを回った結果、山へ入った頃には既に陽は西に沈みつつありました・・・

山の中へようやく入ったものの、ドタバタしたさっきまでのトラブルに疲れてしまい
まだ目的のポイントの辺りまではまだまだ遠いのですがスリーピングドライブモードに陥り始めてしまったので、仕方なく車を停め仮眠をとることにしました。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


目が覚めた頃にはほぼ陽が沈んでもう少しで真っ暗と云う時間帯。
「明るい内にトラップをかける場所を探す」という当初の予定は簡単に崩れました。

なんとか到着した予定地は真っ暗

試験的な設置をするなら、明るい内から周囲の環境の把握を行うのが定石で
一応当初はそうするつもりだったのですが、残念ながら今回来た場所は完全に初見。

我ながら「試す意味あるのか」と思いながらトラップを車から取り出します。
本来トラップをかけるときには、周囲の環境を確認しながらトラップの特性が活きる効果的な場所を判断して場所を決定するわけですが、今はもう真っ暗でライトで照らされる場所以外に情報が無いわけです。





文字通り「闇雲に」トラップを仕掛けていきます。




場所も大して選ぶことが出来ず仕方なしにしかけたトラップは既に失敗の様相・・・

時刻ももうライトトラップの時間に突入しているので、
車でこれ以上移動せず、仕掛けた試作トラップからそう離れていない場所で(グダグダ)このままライトトラップを設営することに(グダグダ)しました。

この夜ライトをかけるポイントは、
翌日14日にNo.7と共に挑戦するとある川の直系の上流部
川の対岸~上流側にいつものHIDハンディライトを2機設置し採集を開始しました。

前述のとおり完全に初めてのポイントのため、
どんな虫が飛んでくるのか、どのくらい飛んでくるのか全く分かりません。

それに加え今は月も煌々と輝く周期。暗くなってすぐの時間帯では角度的に圧倒的不利なので一般的なゴールデンタイム(飛来の集中する時間帯)の間は飛来がほぼ期待できません。

その日の月の動きはこうでした↓↓
↓日付↓
↓月ノ出時刻↓
↓南中時刻↓
↓月ノ入時刻(翌日)↓
8月13日
14時25分
19時25分
(14日 0時32分)
8月14日
15時18分
20時20分
(15日 1時21分)


月がようやく天辺から西へ沈み込み、月光が山の斜面に差さなくなった21時40分頃
初めてクワガタが飛来しました。アカアシの4cm程の♂。

ただ、状況としては明らかにライト照射方向からではなく、
ライトの明かりの縁が照らしていたライト脇の木から降りてきただけの個体っぽい(汗)

さらに10分後には今期初めて見るオニの♂。
川の対岸から来ました。

まだ若干月の存在感が残ってるけどなんとか飛来が始まったかな・・・!
と思ったのも束の間、そこからまともに虫が来なくなりました(汗)
羽アリやガの飛来もまばら、月の影響以前に元々虫が少ないんじゃないかと絶望しました。
それはつまりこの周辺にかけた試作トラップの成果が全く得られないであろう事を確定したようなものですね・・・(泣)



そのままの状態でやがて2本点灯していたライトの片方がバッテリー切れになり、
22時半諦めて撤収しました。
・・・虫が少なすぎて撤収作業が楽だこと楽だこと(悲)



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車に荷物を積んだ後、成果不足を取り戻すべく長い山道を下りて外灯回りに向かいました。



  14日(日)

しかし、残念ながら山を下りたところで月の影響は続いていたため、
外灯も自販機もまるで大した虫は居らず、疲れが溜まってきた所為もあって
家に帰るまでにまたスリーピングドライブモードに陥り、
途中でまた仮眠をとってようやく朝6時帰宅しました。



 ライトトラップ4機 vs 月

暗くなる前に現地入りしようという事で、
昼過ぎあたりに出発し道中で落ち合おうという計画でした

出発予定時刻は14時・・・
しかしその実際は、用品を買いに尋ねたファーブルハウスで予想以上に長く居座ってしまい
出発したのは結局15時を回ってからでした・・・(焦)

No.7からも痺れを切らして先に出発し周辺で時間を潰しているという連絡をもらい、
ひとまず遅い昼食を済ませ(急ぎましたよ[たらーっ(汗)]18時過ぎに待ち合わせ場所に到着!

駐車場に着くなり隣のスペースに白い車がにゅるりと入ってきました。

運転席の男がこっち見てる。

見つめあったままお互い静かに敬礼する。


No.7とようやく合流! いやァ待たせました。
今回の採集は、事前に確認済みながらNo.7の彼女さんとも一緒という事で、
3人での決戦ということになります。
挨拶も済ませ夜の食料を買い込んだらいよいよ今夜の決戦舞台へ向かいます。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



打ち合わせ通り、山の中にある目的の川に到着しました。

空には大きな月がドーンとその存在を現しています。
あと4日で満月になるという状況、まだ周囲は若干明るいにもかかわらず煌々と輝いています。
月の南中高度はこの日が最低になる事、そして山の高さと山頂からのライトの距離をざっと計算すると、ナンとかギリギリゴールデンタイム内で山の稜線に月が隠れてくれる時間帯もあるはずだと思っていたんですが全然高かったです。隠れないだろコレ。

暗くなる前に機材の設置を開始します。
No.7の彼女さんにも手伝ってもらい、ライト機材を4機設置します。


※基本的にライトトラップの記事は採集中の状況や環境が伝わりにくいと云う事で、
今回はライトの配置を(大雑把ですが)図解してみます。
他の人への参考になるかならないか微妙な範囲内で掲載します。
CA3I0048.JPG
↑↑えー伝わるかなコレ イイやもうコレで(恥)

自分はコレしか持ってないのでいつもながらHIDハンディライトを2機。昨日のライトトラップで使ったバッテリーが未充電なのでその分を除いて予備のバッテリーが各1本ずつ。
No.7はこの場所に適した1000ワットのクオーツアークのHIDを1機
そしてもう1機、自分のと同じ種類のHIDハンディライトを1機

川に沿った未舗装の道路の端に車を停め、川を挟んだ向こうの山を照らせるようにクオーツアークを構えます、これがメインになります。
そして、メインのライトでは照らしにくい箇所=川の湾曲した先の上流部メインのライトの方向以外から虫を刺激し誘引するために、自分のライトを上流側の川原に2機設置。
そして、1000ワットの大光量と川の上空で起こる風によってメインライトで落とし損ねた虫が下流方向に飛び流れていった場合の滑り止めとして、下流側にNo.7のHIDハンディライトを1機設置。
これが最初の陣形です。

準備も完了した頃には山も黒くなり、
上流部から順次点灯。いよいよ勝負が始まりました。


CA3I0047.JPG
構図としては残念ながら完全に真っ向勝負(汗)
夜遅くならないと月は隠れてくれないでしょう。
虫の寄り付きもスローペースで、ある程度までくるとライト周りの風景(雑虫の寄り)は定まってきました。

話を聞くと彼女さんはライトトラップをするのは初めてとの事。
普通ならこんな得体の知れない虫が大挙として押し寄せてくる現場に居て発狂しないか心配になるところですがそこは流石(?)No.7の彼女、爬虫類など生物に強く平気でライトの前に歩み出て興味津々に虫を観察しています。
(「ライトトラップに付いてくる」という時点で普通でもないし心配するまでもなかったですが・・・)

それからほどなくしてメインのライトに最初のクワガタが飛んできました。
ノコギリです。

しかしやはり月の影響からか、なかなかポイポイ飛んできません。
自分のところのライトはどうなってるか気になり川原に行ってみると、メインのライトの場所とは置き場所・環境が若干違うからか雑虫の種類・割合が違います。
メインの方が割りと種類もまんべんなく少しガが多いかなと云うところ、川原ではコガネやアリが多い感じです。
2機の内、近い距離である川の対岸を照らすライトには飛来が多くミヤマ♂が来ていましたが、川の上流にそのまま向いたライトには虫の寄りが薄いです。ライトの出力以上に照らす先が遠い事と、上流部には岩肌やスギ植林がある事もひとつの要因でしょう。

ノコギリやミヤマが多いか?という中、やがてオニも初飛来が来ました。

No.7は今日彼女に是非ともオニクワガタを見てもらいたかったらしく、
それを聞いて自分は、「他を置いてよりによってまさかオニをか・・・」とツッコミを入れてしまいましたが、まぁ野暮でしたね。

No.7 「オニ、かっこよかっただろ!?」

彼女さん 「うん、可愛かった!」

自分 「(・・・意味が分からない)」



しばらくそのままで様子を見て、「そろそろいいか」と示し合わせここからいよいよ本番。
流動的にライトを展開。

上流に直向けしているハンディライトを対岸側に徐々に向けていき、対岸に向けていた方も右へ右へと変えていきます。
川原のライトはギリギリ月の見えない場所に潜り込んでいるので、
月に邪魔されてないのをいいことにかき回してやります。
ダイレクトに川原へクワガタを落とす一方、メインが当てて引っ張りにかかっている斜面に補助照射も行ないます。

爆発的な効果は目に見えてありませんが飛来が小さく小さく続きます。


クワガタ以外にも珍しいコガネやセミとかカミキリが飛んでこないか注視しますが掘り出し物みたいなのは飛んできません。
メインのライトにはやたらツクツクボウシが落ちてきます。
そして一時、川原のライトに飛んできた大きなガに一同は目が釘付けに。
CA3I0027.JPG

自分 「すげぇキレイですね!! 何て種類のヤママユでしょうね!?」

No.7 「詳しい種類は分かんないですけどこんなキレイなの見たこと無いですね!!」


普通のヤママユ(黄色型)だったと知るのはこの数時間後でした。


3人ともそれぞれ、虫が飛来しているか自分の目で確かめにライト間を行ったり来たりします。
ライトを開始してからしばらく経つと、No.7の彼女さんは次第に疲れが溜まり車に戻って休むことになりました。
引き続きNo.7と2人でライトを踊らせます。

だんだんと月も山の裏側へ沈み、月の影響が弱くなってきました。
時間と共にポツポツと飛来は各地で続き、月が隠れ始めいよいよライトの本領を発揮できる時間帯になりました。

「俺たちの戦いはこれからだ!!」と意気込みを新たにした星空の下、川原が真っ暗に。


持ってきたライトのバッテリーを
全て使い切ってしまいました。



  15日(月)

持ってきたバッテリーは高出力で連続点灯させると約2時間で使い切ってしまいます。
このHIDハンディライトは出力を段階的に調整できる機能があり、下流に置いたNo.7のHIDハンディライトはメインで弾いた個体を落とすサブの役割なので、低出力にしてバッテリー消費を抑えているのですが、
川原に置いた自分のライトは本来もっと高出力のライトを置きたい場所であるため全開で使わなければなりません。
20時前から全開点灯させ、途中1回バッテリーを交換し計4時間ほどで使い切り。
自分のところのライトはこれで打ち切り終了となります。

しかし、こういう時こそタッグで採集する利点が発揮されます。
No.7も同じモデルのライトを持っています。つまりバッテリーもまだあるワケです。
彼の手持ちのバッテリーを借りて上流組のライトへ補給できることになりました。


上流側の再点灯は、No.7の「もう少し時間を置いて完全に月の影響がなくなってからにしよう」と云う提案に乗り、それまでの間に川原のライトをもっと上流側に持って行って待機しました。
夕暮れの時点では無風だった現場も、日付が変わる頃には虫が正直に落ちてくれないような風が流れていました

1時くらいになり、月も完全に山の裏に入り照射箇所の全てに影響が無いと判断し上流側を再点灯!
さっきよりさらに上流部に置いて上流へ照射すると、岩肌とスギ林が待ちかまえてて無駄打ちになってしまうので、主に対岸方向~下流側に照射し完全にメインの補助という役割になりました。(川の上空を流れる風の影響があるので下流側からライト直下に虫を落とすことはできません)
やはり点灯後、移動前に比べ全般的に虫の寄りが激減しました。後は下流でメインが集めてくれればいいだけです・・・

ライトを踊らせ続けている甲斐があってかただの偶然か
未明になってもしばらく飛来が細く長く続いています、
これが十和田ならもう家に帰っていたでしょう。

この遅い時間でメインの方には今日一番大きい66mmほどのミヤマ♂が飛来し、
ヤママユ、ツクツクボウシ、ドウガネブイブイが多数静止しています。
深夜になってからはオオミズアオ、ガムシ、カブトムシ、ウスバカミキリなどのお馴染みの雑虫も登場し賑わいも増していましたが、我々も体力が限界を迎えまして、クワガタの飛来が滞り続けるようになった3時頃
長い戦いがようやく終わりとなりました。



No.7が彼女さんを起こし、採集成果の確認を行います。

  結果

↓↓No.7↓↓
CA3I0030.JPG

    他に持ち帰り用のケースもあり、合計約30頭


↓↓自分↓↓
CA3I0031.JPG

    16頭


傾向としては、
ノコギリクワガタ
♂♀共に多数(本種が最多)
ミヤマクワガタ
多数(♀が少ない)
コクワガタ
僅か
アカアシクワガタ
ごく僅か
オニクワガタ
僅か

ノコギリ、ミヤマが主な飛来種でした。
ライトの場所によっても違いがあり、No.7のライトにはミヤマが多く来たのに対して、
自分のライトにはノコギリが多く飛んできました
サイズも特大級は来ませんでしたがノコギリが63mm(自分)、ミヤマが約66mm(No.7)。
そして状態にも傾向があり、ノコギリは汚かったり喧嘩傷が多いのに対して、ミヤマは毛も生え揃いキレイな個体が多いです。
ドルクスは軒並み低調でだいぶ少ない印象でしたが、コクワについてはキレイな個体ばかりです。

No.7がオオミズアオの飛来個体がやけにキレイで新しめだったのを気にしていましたが、なるほど・・・これはもしかしたらもしかするかもしれない・・・

そして今夜、このライトで採れた中で一番珍しかったのが
GRL_0013.JPG
俗に言う『黒脚ミヤマ』、腿節の紋が無い完全黒化個体のミヤマです。

このブログでは以前にも紹介したことはありますが久々に見ました。


ライト機材その他諸々を皆で片づけた後、
要らない個体をリリースしてこの日のライトトラップは終了!
お疲れ様でしたと別れの挨拶を交わし、現地で解散ということになりました。

時刻は既に4時を回り、空は薄らと白みを帯びていました。








でも自分はまだ帰れない(辛)
帰りたい、けど帰れない(疲)



体力はほぼゼロ、でも帰れない理由。
それは、何を隠そう一昨日仕掛けた試作トラップの回収です。



 試作品の回収、そして・・・

試作トラップは今回、試運転のデータを採るにはあまりにも仕掛け方が不適正でした。

前に書いた通り、山中で仮眠し寝過ごしてしまったばかりに真っ暗な中で満足に適所へトラップを設置できず、それ以前に場所自体が初見と云う思い切り過ぎた場所の選定、そして同所同日に敢行したライトトラップの轟沈っぷり。
純然たるスギ林の中でスギの木に蜜を塗ったところでカブトムシが来ないのと同じように、クワガタをトラップで採るにも虫そのものが少ない(居ない)場所で無作為にトラップを仕掛けても進歩も何もないでしょうに。仕掛けているときに期待を大きく持ってたならそれでもやる価値がある場所だったんでしょうけども、実際「採れねぇだろなぁここ」とか思いながら仕掛けてたわけですからね。

日を改めて取りに来てもよかったでしょうけども、
盆休みももう終わるし、またあんな所へ回収に行くのも面倒くさ過ぎるので、近場にいる(比較的)今の内に回収して無かったことにしてしまおうと思い、仕掛けたポイントへ向かう事にしました。

ライトをやった川の上流に仕掛けたとはいえ、今の体力で向かうには険しく遠い道のりで気が遠くなります(疲)
盆休みももう無い(泣)ので片付けるものを片付けてさっさと家に帰って今日は休みたい!

・・・焦る気持ちとは裏腹に頭はボーっとしてきて山道の運転が危うくなってきたので、少し路肩に寄せてそっと目を閉じることにしました・・・



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パッと目が覚めると、外の景色はハッキリしていました。
やべぇ、また寝入ってしまった!
時刻はもう7時、さわやかな陽射しが照りつけています(あちぃ)

トラップ回収して家に着く頃には何時になってるんだろう・・・
と溜め息を漏らしながらも再出発します。

天気も良く朝方という事で道路脇に生えたヤナギがちょっと気になりだします。

7時半過ぎに現場に到着。車を降り回収に向かいます。

CA3I0032.JPG
いい天気だ・・・

CA3I0033.JPG
おぉ・・・なんだろなぁ~~??


やがてトラップを仕掛けた箇所へ到着しました。
一昨日の夜に仕掛けてしかも諸々の条件が悪い事もあって、多分99%クワガタは採れないだろうと腹は括っていましたが
情け容赦なく仕掛けた時と何も変わっていませんでした。
複数仕掛けた全てがそのまま残っていました。1%でも望みを持っていたさっきまでの自分が恥ずかしい(苦笑)

全回収したトラップを持って車に向かっていた帰り際、作業員的な人が向こうからやってきました。
トラップ回収に釣り道具を持っていたこともあってか、
「釣れましたか~?」と声をかけられます。

虫を採っていると答えると少し不意を突かれたような表情をされました。話を聞くとどうやらこの山一帯の監視巡回員の方で、違法な焚き火や不法投棄などの不審者がいないか見回っているのだそうで、被っている帽子にもはっきり書いてあります。
虫採りであるという事で安心した様子で、ちょっと耳寄りな情報も教えてもらえました。
歩きながらしばらく話した後、お疲れ様ですと別れの挨拶を交わし、車へ戻りました。


全ての作業を終え、さていよいよ帰ろうとまた長いドライブが始まりました。
山道を戻りながら「帰ったらとりあえず布団でぐっすり寝よう・・・!」と帰った後のことを色々考えます。気温も上がって熱くなっているので車内が蒸しあがって虫が死なないようにエアコンをガンガンにかけて運転します。



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今日でお盆の採集は終わりか・・・と燃え尽きた感じになっているものの、
どうも戻り道で道路脇の木々が気になります。

あぁ・・・去年の今頃も確かこんな感じだったな・・・
去年。盆のライトトラップの帰りに気になってしょうがなくなって入った黒石の林道・・・そこで見つけた「アレ」・・・。爽やかな朝の山道という事もあってどうにも「アレ」が今回も気になって仕方がなくなってしまいました。
そういえばこの市町村ではまだ採集していなかったんだよなぁ・・・

帰り道の途中で廃道と化した気になる林道を発見・・・!!
入り口を一瞬通り過ぎたものの、好奇心に負け「帰る前にちょっとだけ探そう(開き直り)」とその林道前まで戻り車を停めて外に出ました。

取りあえず見てみるだけ・・・と手ぶらで林道に入ってみます。
草が道を覆い、どう見たって自然回帰しかけている林道です。道の脇にも良さげなヤナギなどの雑木が生えています。

林道に入ってすぐのところで、雑木に何か小さな機械が括りつけられているのが目に入りました。
カメラでした。
一緒に貼られた説明書きを読んで納得、哺乳類観察用のカメラです。深刻な問題として県内では話題になっていますが、近年侵入してきて個体数を増しつつあるニホンジカの個体数把握を主な目的として最近設置数が増やされたとニュースで見たので、「あぁコレかぁ」と納得しました。
ちなみに「人が映った場合は削除いたします(ので外さないでください)と書かれていましたけどホントかなぁ~?

道なのか藪なのか分からない林道を僅か数m進んだところで、またヤナギの群生を発見しました。
下から上に枝を見ていくと、いよいよ王手です・・・
齧り痕を発見しました!

齧り痕の発見した数秒後、その中に妙なテカりのある不自然なコブを見つけてしまったのです。

CA3I0035.JPG
んんッ!!!!??
この写真じゃ全然見えません(苦笑)

ありゃクワガタだ!
4~5m上に居て大腮も何も判らないので種類は分かりませんがこの際何でもイイ!
慌てて車に戻り、ケースと網を携えて戻ってきます。

網を伸ばして下にあてがい、揺さぶって振動を与えるとそのクワガタは落下、
普通にネットインに失敗して落としました。

一瞬見失いかけましたが焦って地面を見やると、落ちたクワガタが動いているのが目に入りました。危うくクワガタが「アレ」なのか何なのか判らない内に木の葉隠れされるところだった・・・
CA3I0037.JPG
呑気に写真撮ってる場合かね(笑)
しかし・・・なんかデカいぞ・・・





2016青森ヒメオオ.JPG
おぉ!!!!やっぱり「アレ」だった!!!!
ヒメオオだった!!!!

今年初ヒメオオだからかメチャクチャ大きく見える、いやこれはホントに大きい!
試しに車のキーにつけてるメジャーで測定すると、なんと55mm。
去年自己最大54mmが採れましたが、それ以上がいきなり採れるとは・・・

CA3I0036.JPG
時刻は9時半を過ぎたあたり、気温も高くなってきて木を下りたのか、まだ盆という事でヤナギに付く個体数が増していないのか分かりませんが、少数しか付いていませんでした。
そして、その後先へ進もうと思ったら、サルの一家とかちあってしまい気が殺がれてしまったので引き返すことにしました。
何はともあれ初市町村でのヒメオオ採集ポイントを発見した上、完品でキレイな55mmの♂が採れたのでそれでもう十分でした。



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ちなみにその後も2か所ほどヒメオオの齧り痕のある場所を見つけたので、モチベーションがまた戻ってきたらまた来ることを決意し帰路に就きました。
途中、No.7とFH鈴木さんに55mmの報告(自慢)をしてから、家に戻った後ノギスでもう一度測ってみることにしました。



すると、あれだけ騒いでしまった後で恥ずかしい衝撃の新事実が・・・



CA3I0039.JPG
ちょっと、足りなかった(恥)(54mmはあるけど・・・)

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