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2020年の挑戦 ー青森県産コクワガタ・上北地域2編ー [日昆 採集記 【2020年】]

ウルトラQ.jpg


毎年書いていたその年の抱負も、
ついに節目の年になってしまいました。
いよいよ2020年です。ケムール人来ますよ(笑)

だからと言って特別に力を入れて記事を書くことはありませんが(と言うか、もう頭が採集モードに入っててパソコンに向かい合う気力が無くなっちゃってる)、毎年年始に書いていたこの記事を6月にもなってようやくUPするならば・・・と云う事で、ちょっと上半期の採集記録の一部も書いておこうと思います。



まずは、去年掲げた目標を振り返って。


① オオクワガタをブリードしてみる

     結果・・・

去年の年始時点で採集した♀も居て、現在採れて飼育中の幼虫は2産地で計5頭!?
増えすぎても困るけどさすがに苦しい・・・
おまけに、まだ3令幼虫にもなっていません。
飼い主のやる気が虫にも伝わっているのでしょうか!? 割り出したセットの他、去年のセットのまま今に至るケースも2組あるのですが、片方は未交尾・もう片方は何やら今齧り出した模様。
一応産んだには産んだので「△」扱いにはしましたが、ほとんど「×」ですね(恥)



② 県内全市町村のコクワガタ採集制覇

     結果・・・

これも正直言って限りなく「×」に近いです。
制覇と言いつつも、地図上の未採集市町村を複数塗りつぶせれば「〇」扱いでいいんですが、去年きちんと♂を採集できた新市町村は藤崎町ただ1つ。あとは蓬田村、平内町、つがる市と、自宅の冷蔵庫から出てきた未展足の五所川原市(市浦)、黒石市も含めた5つの市町村でもコクワは採れましたが、いずれも♀しか採れておらず完全にクリアできませんでした。
地図を塗りつぶすには♂の採集が条件なので、去年の時点ではクリアは16地点。飛び地も含めた全43エリアの市町村の半分にも満たないことになります。
何年か前の採集済み地図を見て比べても、ポツポツとしか進んでいなくて自分の腕前の無さに情けなくなってしまいます。


・・・たった2つに絞ってもまともに達せられないなんて酷い有様ですね。
一体2019年は何やってたんでしょう(汗)



去年を振り返ったので、続いて今年の目標に移りたいと思います。
去年に続いて数は少なくたった2つですが、もう採集目標のみで固めていきます。

① ヒメオオクワガタ某村リベンジ
「某村」としつつ、過去の記事を見れば何処の事かすぐバレてしまいますが(笑)
毎年採りに行って特攻玉砕してズタボロになってきて、それでもロマン溢れる土地でのフィールドワークで何故か充実感が得られる不思議な場所なのですが、毎回毎回ガソリン代も馬鹿にならないので、そろそろいい加減にして終わらせたいと云う願望が強くなってきました。

数年の間にエリア内の林道は虱潰しに探してきて、今年分の調査をもって村内の林道は全て見て終えることが出来そうです。勿論、年によって採れないところで採れたり居る所でも見つけられない場合があるので、運も味方してくれないといけないのですが。
これじゃただの林道マニアだよ・・・


② 県内全市町村のコクワガタ採集制覇
さて、今回の記事の本題でもあるコクワ採集ですが、長年じわじわと地図を塗りつぶしていってある程度の傾向が見えてきました。
既にクリアしているのは白神・八甲田の両山塊の周辺に凝り固まっていて、未攻略の場所は半島部や太平洋側に集中しています。基本的にコクワは灯火採集(外灯回り・ライトトラップ)によるものが自分の場合は多く、樹液での採集は津軽平野の一部でやっていましたが精力的には行っていません。
樹液採集は、あまり手馴れていない部分もありますが、青森は地域によっては難しい場所も多く、住宅街で乾燥していたり、逆に山深くて探して手が届く範囲にコクワが見つけられなかったり、そもそもアクセスが面倒で思うように時間を割いて探せなかったりと難易度は低くありません。

それにそもそも、他のターゲットもある中で夏の期間だけコクワ採集してもそうそう集められるものでもありません。


そこで、
この上半期の間にいくつかの市町村でコクワ材を見つけに行く、と云う採集を繰り返していました。
メインとしたのは、個人的に難易度が高くメンドくさいイメージのある三八上北エリア。想像していたよりもコクワ環境が少なく、産卵痕を見つけるのも至難を極めました。
今年行った市町村を全て挙げて「玉砕記」を書こうかとも思ったのですが、さっきも書いた通りもうその気力もありません。

一番採りたかった♂成虫は何処でも全く採れなかったのですが、今回は「辛くも♂幼虫は採れた(=ギリギリでクリアの範疇)市町村を2つ、先に短くまとめておきます。


まずは、去年までの採集成果(淡色部分)と、今年5月までの間に♂採集までクリアできた2ヶ所(濃色部分)のクリアマップを載せます。
青森県 コクワ2020-1.png
・・・日昆メンバーで既に♂個体を所蔵している
・・・日昆メンバー以外が採集した♂個体を所蔵している
・・・♀個体のみ所蔵している

青森市近隣の市町村がまだ意外と埋まってないのがよく判りますね(色薄くて見辛いけど・・・)

そして、今回の更新エリアは上北地域の2つ。
大空白地帯の一角が埋められたのは非常に嬉しいですが本当はもっと彼方此方いろんなトコに行ってただけに、これだけしか集まってないのは正直キツイ・・・


 三沢市 2020年3月8日
三沢市は青森県東部に位置する人口4万人弱の自治体。
航空自衛隊基地があり、米軍基地も所在している。小川原湖に隣接し、太平洋に面した淋代海岸が広がる。市北部にある湿地・仏沼はラムサール条約の登録地になっている。

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市内において平地系のクワガタが生息しているとされる場所はいくつかあるのですが、仏沼や公園で採るのは採集手段的にちょっと抵抗があるので、地図を見ながら幾分か植生が残っている場所を探して林内へ入ってみました。

三沢も結構狭いエリアで、山と言える山も無くて入れる林もかなり絞られるのですが、最初に入った林では全くコクワの痕跡がありませんでした。
幼虫の入れそうな枯れ木も、成虫の来そうなヤナギ類も在るのですが何も手応えがないまま林の反対側まで出てしまいました。

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ほぼ平地なのにもかかわらず、カモシカと遭遇。
こんな自然度の薄い地域でもカモシカ居るのかよ・・・と驚いたのですが、市内のもっと街近くでクマが出現したニュース記事もあるので、別に不思議な事ではないのかも。

そして、半ば絶望しかけながらも飛び込んだ次の林でようやくコクワ材を発見。
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ややドロドロした雰囲気のある湿気のありそうな林で、土地が平らだったことを考えると大昔には耕作地だったのかもしれません。

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採れた幼虫も、1令から3令とステージもバラバラだったのですが、余裕が無いので1令だろうと貴重なお土産です。

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これだけ産卵痕があっても、中にいるのは僅か2~3頭と云うのが厳しいところ。これは山で採集しているとどこでもそんな感じで、これより沢山の産卵痕があっても全くのゼロ(食痕すらほとんど無い)という事もよくあります。

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ボソボソの埋没材からも、たまに幼虫が出てきます。
水分が多いことから、健康な幼虫と一緒に腐って死んだものも見つかりました。

こうして、最終的に7頭の幼虫を採集することが出来ました。
やるじゃない
終了条件達成。

また、先に言ってしまうと、
この時採れた幼虫も全てがコクワだったワケではなく、後に小さな蛹室を作って羽化したら翅にスジが入っているものもいくつか居ました・・・泣ける。

KIMG0161.JPG
どうにかいくつかの幼虫が採れましたが、成虫はついに採れませんでした。
画像は林から出てきたところで、この画像奥の林がコクワ(あとスジも)の居た場所です。
低空を飛んでいる飛行機(戦闘訓練機じゃなくて旅客機だけど)がなんとも三沢って感じ。すぐ横が米軍基地ですからね・・・



 横浜町 2020年5月23日
横浜町は下北半島の頸部・陸奥湾沿いに位置し、人口はおよそ4400人。
人口は全域的に湾岸沿いの西部に集中しており、中部は農耕地帯と風力発電施設が多く占めていて、東部は下北丘陵の山岳地帯。

この横浜町と云うのは自分も長年よく訪れていたり、よく通り過ぎる(笑)場所なんですが、コクワの採集にはあまり優しくない場所であり、夏の採集でも難易度がやや高い為に春の内にやっつけておこうと思っていました。
と言うのも、ここは手抜きでササっとクリアできる採集環境が無く、外灯採集が出来そうな外灯は集落近辺にしかなく、その周囲は浜風が強いクロマツとカシワの乾燥林のみ。コクワが採れる気がまるでしません。内陸に入って樹液採集が出来ないことも無いですが、効率を考えるとどうしてもライトトラップ頼みになってしまいそう・・・そのライトでさえロケハンしても良い照射環境が無く、斜面の上の方から下を照らすか、植林をライトアップする羽目になるのでどっちに転んでも蛇の道です。

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林道に入り、比較的低山地帯の沢筋を車で流していると、わりと難なくコクワ材を見つけることが出来ました。

KIMG0440.JPG
材にはビッシリとコクワの産卵痕が付いています。
もうこれは勝ったな・・・!と思いましたがいつもの法則で全然コクワが出てきません。
次々と出てくる雑虫。
コメツキ、
ゴミダマ、
コメツキ、
ゴミダマ、
カミキリ、
ゴミダマ、
アリ・・・

KIMG0441.JPG
不幸中の幸いで、たった1頭の♂3令幼虫が出てきてくれました。
3令の食痕はこの1頭分しか延びていなくて、他の食痕は1~2令の間に消滅し幼虫本体は消滅して(食べられて)いたようでした。

付近は倒木・立木共に腐朽材が多く見られ、幼虫の発生環境としては広くドルクス向きに感じましたが、ライトを使うとなると非常に厳しいと思われるので、やはり春の内に来ておいて良かったと感じずにはいられませんでした。


なお、この日は未記録の横浜産ルリクワガタを求めてこの後、
下北丘陵奥地に挑むのですが それはまた別の話・・・



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コメント 4

コメントの受付は締め切りました
同級生D

お疲れさんでごぜーやす。
やはり会長も早くから動いていらっしゃったんですね……。
今年もいよいよはしまりましたね!
6/15、コクワ(かなり大型)のロードキル個体とチビコ、チビノコ外灯で拾ってやりました~♪
ミズナラポイントも樹液だくだくでてやがったけどまだ早いみたいですなあ……
今年は3密(蜜)守りながら細々楽しく採集していきましょ~♪
by 同級生D (2020-06-16 00:20) 

ジョンソン・山崎

十和田でこの前ミヤマ獲れました。
そろそろ本格的にシーズンが始まりますね
by ジョンソン・山崎 (2020-06-21 00:36) 

会長

同級生Dさん

1ヶ月コメントに気付かず失礼しました。
コクワについては例年よりも早く動き出していましたが、理想は春までに三八上北全クリでした(無茶や)
この7月中旬現在、この幼虫採集個体はまだ順調に幼虫やってます。早期羽化する♀と違って、♂って感じでニンマリです。そのまま羽化せず死んだら目も当てられませんが・・・
by 会長 (2020-07-12 22:24) 

会長

ジョンソン・山崎さんこんばんは、

約3週間コメントを放置してしまい失礼しました。
すでにミヤマも珍しくなくなってしまった時期ですが、まだまだ数も多くなく本調子ではないですね。
梅雨も早く明けて安心して楽しめる日が待ち遠しいですね!
by 会長 (2020-07-12 22:26)