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STAG(2006年) [日昆 日常雑記]

ああ。
俺ってなんでこう
バカなんだろうなァ・・・。






3月某日
青森市内のGEO店内での事です。

レンタル落ちのセール品棚を眺めていると、妖しげなタイトルの作品が目に入りました。





「STAG(スタッグ)」

Stag。成熟期の♂のシカや、転じて独身成人男性の事を指す単語ですが、ここにおいてはいわゆるクワガタムシ=Stag beetleの事です。

手に取ってパッケージデザインを見ると、軍人が巨大なクワガタと対峙している画が。・・・クワガタ・・・?
ジャケットの上には、
「数億年 奴らは獲物を待っていた」・・・なるほど。絶対つまらない。
これを見るくらいなら隣に在るドウェイン・ジョンソンのジュマンジの方(←観てない)が面白いだろうなァ・・・





STAG表.JPG
買ってしまった・・・

STAG裏.JPG
裏面には、「驚異のVFX映像で描く戦慄のモンスター・パニック大作!!」の見出し。
コピペが過ぎる!!
このタイプの映画は、何度このフレーズを使い回すのでしょうか。


買ってしまったものの、1人で観るのが怖い(と言うか空しい)ので、他の奴らも巻き込んで鑑賞会することにしました。

13日夜、毎週のように集まっているパンドラ&No.6宅がその会場です。

No.6 「いいんじゃない? まあまあ面白そうだけど」


 ※ここから、ネタバレを含みます。



本編内容
1948年、スイスの岩塩鉱山で採掘中の作業員達がエメラルドに埋め尽くされた一画を見つけ出す。直後、そこから現れた巨大昆虫に襲われて作業員はほぼ全滅し、唯一の生存者がここの地図を持って脱出した。

そして現代に話は移る。
岩塩鉱から生き残り余生を送っていた彼の所へマルセルという男が岩塩鉱を売ってほしいと訪ねてくる。交渉に応じない事にしびれを切らしたマルセルは仲間と共に彼を殺害、地図を強奪する。
この作品の主人公であるツアーガイドのジョン・パーマーとその家族は、ギリシャ旅行を計画していた手前、2人の男女・ヴィンセントソフィアから洞窟探検のガイド依頼を受ける。

探検当日、パーマー家がヴィンセントらの紹介で合流したのは、地図を手に入れエメラルド盗掘を目論んでいるマルセル達だった。
山小屋に、妻のサマンサ・娘のエミリー・息子のマイルズをマルセルの仲間・ステファンが待機する事になり、ジョンは他の者達と共に洞窟に入っていく。掘削用のビーム銃で瓦礫を破砕し、脆い足場を慎重に進み洞窟の奥へ進む一行であったが、マルセルは仲間のイオンと口論になり、集団から離れたところでイオンを崖下に落としてしまう。

一方で地上に残ったメンバーの内、マイルズは探検に連れて行ってくれなかった不満から、洞窟組の跡をつけて単独で忍び込んでいた。マイルズが居なくなった事を心配したサマンサは皆と手分けして捜索するが、湖畔に男の死体が打ち上げられているのを発見し、異常な事態である事に気付く。

マルセルは「イオンが滑って落ちた」とジョンらを呼び止めるが、彼らがライトを向けた先に見たのは上半身が不自然に飛び散ったイオンの死体だった。死亡者が出た事で探索の打ち切ると言い出したジョンと、探検を強行しようとするマルセルは対立。マイルズは本性を現わし、地上にいる家族を人質にすると脅す。
その時、ステファンからマイルズが行方不明である事が無線で知らされる。マルセルは他の者に悟られないように、ステファンに家族を縛り上げるようにスランス語で指示を出す。しかし、フランス語を理解していたサマンサはステファンを奇襲、エミリーを連れて山小屋に避難した。

ジョンは、洞窟に来た目的がエメラルド盗掘であるとマルセルから聞かされるが、その時巨大昆虫が一行に襲い掛かってきた。
一行は手持ちの武器で応戦するものの、その衝撃で洞窟の一部が陥没し出口が塞がれてしまう。陥没の影響で地上に開いた穴から巨大昆虫が次々と現れ、サマンサ達を追いかけはじめる。

巨大昆虫に追われる中、対立の末ヴィンセントはマルセルに撃たれ死亡。メンバーが徐々に減っていきながらも一行は、巨大昆虫に追われるように洞窟の奥深くへ進んでいく。
山小屋に戻ったサマンサ達は、予め外界への通信手段を絶っていたステファンに捕まり拘束される。無線が繋がらずマイルズも見つからない事に苛立つステファンは、ドアを叩く音をマイルズだと思い込むも、ドアを突き破ってきた巨大昆虫に惨殺され首を切り飛ばされる。
サマンサとエミリーは、追われながらもショットガンを手に山小屋から脱出する。

洞窟内では、巨大昆虫に追われるマイルズが間一髪でジョンらと合流し、遂に大量のエメラルドに辿り着いた。脱出口を見つけ出口に辿り着くも、「もうお前らは用済みだ」とマルセルはジョンに銃口を向けられる。
一巻の終わりかと思われた瞬間、背後から現れた巨大昆虫に体を真っ二つに引き裂かれマルセルが死亡。この瞬間、反動でマルセルの撃った弾が仲間のハンスを直撃。
奥から次々湧いてくる巨大昆虫に応戦しつつ、ジョンらはハンスを連れて行こうとするがハンスはそれを固辞。最期を悟ったハンスは、ジョンらの逃げる時間稼ぎの為に単身その場に残りビーム銃を撃ち続けた。

生き残った彼らを待ち受けていたのは、巨大昆虫の大量の卵が並ぶ育児室。
世話役も大量に蠢いている中、部屋の反対側の出口に向かって慎重に進むが、躓いたソフィアは卵を潰してしまう。部屋は騒然とし、奥から現れたのは他の虫よりもさらに巨大な女王。
決死の状況下、「女王を倒せば他の虫は混乱する」と云うマイルズのアドバイスを受け、ジョンは女王に渾身の一撃を撃ち込む。女王の悲鳴に反応した他の虫達が逃げ出すものの、マルセルが持っていた爆弾を仕掛け洞窟の爆破を試みる。
地上では、依然サマンサ達が巨大昆虫と格闘していたが、繋がった無線機を通じて女王の悲鳴が伝わり、地上に出ていた巨大昆虫達は一斉に退避した。
仕掛け終わった爆弾のスイッチを入れ、次々と爆発が起こる中、一行は全速力で出口を目指していく。

爆発の揺れに家族の安否を心配するサマンサとエミリーは、最悪の状況を想像して絶望しかけたものの、間一髪地上に逃げ帰ったジョンらと再会の喜びを分かち合った。
パーマー家以外で唯一生き残ったソフィアは、ジョンに問いかけた。「これからどうするの?」
ジョンは、「家族と休暇旅行に行くのさ」と笑顔で答えた。


DVDを再生、
ひとまず冒頭の新作案内を楽しむのがここでの恒例。
押〇学の出演した実写版の中華一番!とか、映画本編より面白そうな同時収録のチャーリー・ジェイド第1話など、充分楽しんだ後に本編へ。

さぁ、この映画は果たして楽しめるのだろうか・・・


気になるシーンとその反応
①モンスター登場が・・・
1948年のスイスの岩塩鉱。
労働者と監督が終業時刻でモメて殴り合いの喧嘩、そのはずみで壁面の瓦礫が崩れエメラルドで埋め尽くされた小部屋を発見。

瓦礫がどう見ても石で出来てるように見えません・・・

そして、エメラルドの山に驚嘆し振り返った監督の背中に、黒く鋭いものがブスリ!!!
即死した監督を放り投げ、巨大昆虫がその全貌を披露。

え、ちょっと待って出てくるの早くね!?
まだ始まって2分半だよ??
こういうモンスターパニック物って、大体最初は姿を見せないで人を襲っていくものじゃないか? そんで、暫らく物語進んでからやっとモンスターの姿を視聴者に見せるもんだよね??
リアルでクワガタ採りに行った時より出会うの早いよ・・・!!

パンドラ 「あんなに大きいクワガタっているのッ!?」

自分 「・・・・・・」

パンドラ 「クワガタってあんな走るの早いの!?」

自分 「・・・・・・」

パンドラ 「ねぇクワガタが人を襲うって事あるの!?」

自分 「んな事あるワケねぇだろ!!!!!」


片足を切断されながらも、命からがら男が一人逃げ延びたところでオープニング。

パンドラ 「あ~面白い映画だった(棒)」

No.2 「あぁ、もうエンディングだろ?」

自分 「早えェよ[たらーっ(汗)] 諦めるなよ(苦笑)」

実際、バケモノが出てくる予算の少ないB級C級以下の映画って、
終盤になってやっとモンスターがちょろっとだけ出てくるなんて事もしょっちゅうあるので、出し惜しみなくちゃんとその姿を見せてくれたのは良かった点と言えるでしょうが、如何せん早過ぎた。物語の雰囲気に慣れる前にサクッと人殺して湧いて出てきましたからね。


②エミリー
探索組と居残り組が別れ、シーンはエミリーとステファンの2人きり。
若い男女が見つめ合いながら会話を始め・・・

あれッ・・・ちょっとヤバくないかコレ!?
こういう時、いわゆるB級とかC級の映画って、しょっちゅう不必要なセックスシーンに突入しがちなワケですが・・・小学3年の子供も一緒に観てるんだけど(焦)

・・・と思いきや何事も無くストーリーは進展。

登場時はパンドラに「おいろけ担当か」と言われた巨乳キャラでしたが、その後も服をビリビリに破かれて半裸になるような展開も無く安心しました。


③掘削用レーザー銃
この映画では複数の銃器が登場しているんですが、なぜかその中に巨大昆虫を除いてたった1つだけ非現実的なアイテムが登場します。
それが、このレーザー銃(笑)
当初、岩の破砕用として持ってきた物でしたが、言わずもがな巨大クワガタ相手に撃ちまくる事になるワケです。
作中でのSF要素がクワガタとレーザー銃の2つだけと云う事もあって、この銃設定はメチャメチャ浮いてるように感じます。

虫とのアクションシーンを派手にしたかった為なんでしょうが、どうせそんな物を登場させるなら、もっとSFの方向に振り切った方が視聴者の為だと思うんですけど・・・


④真のチート武器
さて、中途半端にSF要素が盛り込まれた本作では前述の通りレーザー銃などと云う現実離れのトンデモ武器が登場したんですが、実は一番トンデモナイ武器が別にありました。

地上に現れた巨大昆虫に追われ、さらには復活したステファンに拘束されるサマンサとエミリー。あわや絶体絶命かと云うところで、ドア越しに首チョンパされてステファンは絶命。クワガタに囲まれたサマンサ達はショットガンを連射して山小屋を脱出する・・・と云う場面。

女性2人を捕まえたステファンがあっさり殺されてしまう展開に脱力する間もなく、直後のサマンサの射撃シーンに対し、No.2から激しいツッコミが入りました。

No.2 「リロードしてねぇ・・・!! ありえね――(笑)」

いつもゲームで銃を撃ちまくってるNo.2らしい着眼点。
たしかに次々と湧いてくるクワガタに向かって、ショットガンを7~8発は連射しています。その後のカットでも連射。その間まったく弾を込める動作をしていません。
確かに、世には十数発連射できるハイテクなショットガンがあるそうですが、見た感じ一般的な銃です。スイスの山小屋にそんな物もあるとは思えないしね。

ついでに、海外のレビューサイトでもこの件にツッコミが入っていました。
もしこの映画がゲーム化されるとしたら、一番強いキャラはきっとサマンサに違いないでしょう(笑)


⑤エメラルド(笑)
洞窟の奥深くで、マルセルは遂にエメラルドの部屋に到達するのですが、
エメラルドの欠片を拾うシーンで我々視聴者は爆笑。

パンドラ 「UFOキャッチャーの中に敷いてるヤツ(笑)」

ピンクや水色等のカラフルなアクリルアイス、俗にアクリル石って言うやつです。
その緑のヤツを拾ってる・・・(笑)

想像してしまう。笑いが堪えられん・・・[あせあせ(飛び散る汗)]
人殺してバケモノに追いかけられてまで探しに来たお宝が、アクリル石・・・[あせあせ(飛び散る汗)]


⑥ちゃっかりお宝を・・・
クワガタの巣(笑)を爆破し、無事地上に戻ってこられたジョン達でしたが、最後に家族でハグするジョン達にソフィアが爽やかに黒い袋を投げ渡しました。
観ていた自分ら一同、「あれっ? まさか・・・?」と思いましたがそのまさか、中からはエメラルドがゴロゴロと。
生き延びて脱出しただけじゃなくクリア特典をしっかり戴いてました。

ジョン 「退屈な金持ちになれるぞ[ぴかぴか(新しい)]

No.2 「イヤそこは『お前たちが父さんの一番の宝物だよ エンド』だろォ!!?」


登場する巨大昆虫について
さて、ここまでにいくつかツッコミどころを書いてみましたが、これらは勿論序の口で、行動の矛盾・ご都合展開・意外性が皆無など、一時停止したくなるシーンが数多くありました。

しかし、このDVDで一番の見どころ(?)である巨大昆虫こそが一番のツッコミ対象だったのは、映画を見ていない人でも察するところでしょう。

出てきたSTAG.JPG
まず、物語中盤までのこの虫の特徴を書いてみると、
・明らかに哺乳類のサイの形をした角があり、後頭部から大腮が生えている
・人を襲い、血肉を貪る
・大きさはシロクマ並みのものから、人の口に入れる小さいものまで
・どの大きさのものでも容姿は同じ
・歩く、走る、跳ぶ、穴を掘る、岩壁のみならず鉄板や家屋の壁も登れる
・脚が長く、体位が高い
・鳴き声を上げる
・集団で居るのに互いに殺し合いもする
と、ここまでまだ中盤に見られた特徴であるにもかかわらず、何もかも新種過ぎて怖さの欠片も感じられません。(と言うか、こんな設定無くてもクワガタが人を襲う映画なんぞ怖くなりようもビックリしようもないんですが)

画的にあえて現実の昆虫に当てはめようとするならば、
・大腮の生えてる位置はどちらかと言うとカミキリ
・体型や体位はゴミムシかハンミョウ
・岩穴を出入りしたり行列で歩く様子はシロアリ
・飛んだり飛び降りたりする様子はカマドウマ
もうグチャグチャです。
さらに言うなら、銃弾を真横に避けたりする時の動きはヨコバイっぽさも。
獲物を前にして殺し合いもするなんてのは、果たして社会性があるのかないのか・・・
鳴き声も、銃弾を浴びて「キシャーーー!!」なんて悲鳴上げてるけどどこから発してんのヨ。明らかに「ハムナプトラ」ですよね。あっちの方は恐怖感も気持ち悪さも最高でしたが、こっちの方は全くその手のモノは感じられません。
まだ2歳9ヶ月のパンドラ&No.6の娘も「ぜんぜんこわくない♪ ぜんぜんこわくな~い♪」と笑っていたんですから、虫を見慣れてる自分らでなくても怖がらせるのは無理ってもんです。

そして、洞窟内では積極的にエサとして人間を狙い襲ってくるのですが、人間がいない間どうやって生きてたんだ??
パッケージの数億年がどうとか、劇中でエジプト神話のオシリスがどうとか、一切正体も発生理由も語られていないボヤ~っとした設定がB級映画らしいですね。
似たような状況に陥る洞窟アドベンチャー映画に「ディセント」と云うのがありましたが、こっちの方はまだ化け物のクオリティが高いし怖かったので(巨大昆虫でもないし)、理由付けなんて関係なく面白かったんですけどね。


そんな中、物語が終盤に向かいつつある中で気にしつつあった一つの疑問。

 これ以外のヤツは果たして出てくるの??

大小の差はあれど全部大きさが一緒なので、気になってくるのはコレ↓↓
出てこなかったSTAG.JPG
パッケージにデカデカと写っている超巨大昆虫。出てきているヤツと形が全然違ってコイツの方がよりクワガタっぽいです。
見た感じでは相当デカいけど、最後の方に出てくるのかな?


なんて思ってたら、
一行が広い育児室に辿り着くシーンがやってきたワケです。
地面には無数の卵。甲斐甲斐しく世話している働きクワガタ(?)達。
もう何が何だか解らない!

こっそり部屋を抜けようとして誤って卵を踏み潰してしまうベタベタな展開で、奥からポッと出で現れたのが女王!!!

そうか、パッケージのこのクワガタは女王だったワケか・・・?
・・・と思いきや残念!!!!!
ただデカくなっただけェェェェェ!!!!?
女王も他の奴と一緒じゃん!!!!!
大小問わず全て同じ姿って、もはやシミとかじゃないか?
つまり、B級以下映画お得意のパッケージ詐欺です(笑)

それにしても、
サラッと「女王」とか言って流していますがこれこそが何よりもツッコむべきところじゃないでしょうか。
その昔、ジャッキー・チェンの「タキシード」を見た時にも同じような要素があった事を思い出しました。ちなみにその時はアメンボですよ(笑)
なぜアメリカ人は【昆虫=社会性】と云う構造にしたがるんでしょう?
SFモンスターの巨頭・「エイリアン」の前例からそういう風にした方が面白くなるからなんでしょうが、その割にはこの女王クワガタは速攻で撃退されてて見せ場が一つも無かったんですよねェ。


この映画、実は・・・
結局、最後まで観たあとに500円を惜しむ事になったワケですが、
この後ネットでこの映画について調べてみると脱力しました。

そもそも、アメリカではこれをクワガタだとは一言も言ってなかったんですね。
劇中でも「beetle」としか発してないし、映画の説明やレビューにもstag beetleなんてどこにも書いてなかった・・・

原題も「Caved In」
STAGって日本で付けたタイトルだったのね~

一応、アメリカのパッケージデザインにはコーカサスオオカブト(惜しい!)がデザインされてて、他にはヨーロッパミヤマに銃を向けてるポスター(笑)もあるんですが、違いは分かっていないようです。






ツッコミどころは有るけどそんなにブッ飛んでもいない映画。
クワガタ好きだからと言って別に観ても得しない映画。

そんな映画が在ったんだと云う事を書こうと思い、早2週間。
これでようやく記事が終われます。もうグダグダです。




最後に、
このDVDを買って一番爆笑したところを紹介しておきます。

それは、本作のDVD新作予告の煽り文句でした。



    本作予告での 名言


巨大な鋏で獲物を引き裂く、体長5メートルの古代昆虫・・・
スタッグビートル!!!


闇の底に蠢く、人類最悪の敵!!!




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