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Greatest Rhino beetles 2017-2021 [〆ゴホンヅノ (プランディ亜種)]

プランディゴホンヅノカブトは、前回の更新が2019年8月
あれから1年8ヶ月が経ち、一通り全ての個体の飼育結果がまとまりました。

と云う事で、
今回はその結果発表=羽化報告としてまとめてみたいと思います。


蛹化
時は2019年秋、大多数の幼虫が蛹化ラッシュを迎えた頃です。
崩落寸前の蛹室、マット上部での蛹化など、人工蛹室が必要となる前蛹や蛹もちらほらと見つかり、人工蛹室に移した個体も複数居ました。

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スペースの削減や観察上の合理性、あとは見栄え(?)も考慮して、あえて1ケースに♂♀を同居させてみたりもしました。

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この人工蛹室の為に、当時製造が終わりつつあった100均のMDケースを血眼になって探したんですよ。今となっては売ってる所が見つかりません。

人工蛹室も、それまではウレタンフォームをスプーンで手掘りしていましたが、形状の安定化を図るため、ボーリング管を自作しました。これで、安定した形状の蛹室を作れるようになりました。
おまけに、48mm&60mmと太さを2種類用意しましたからね。これでカブトは中型種でも大型種でも対処できるでしょう。


さて、前回は羽化の一部始終を連続撮影する事が出来ました。

その時の文末に、「羽化シーンを始めから撮りたい」と書いていたのですが、結果的にそれは叶いませんでした。

しかし、片や蛹化シーンについては運良く(悪く?)背中が割れたばかりの前蛹が1頭居たので、人工蛹室に急遽移しカメラに収める事が出来ました。

説明は後にまとめるとして、まずは連続写真です。

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脱皮の様子を見ていると、「脱いだ皮を下に寄せていくのではなく、皮の中から本体が抜け出てくる」事が今回観察出来ました(ただ、腹部の様子を観察したかったので20:48の後に手で脱皮殻をずり下げてしまいました)。他のブログでも、「脱皮殻がキレイに残っていた」と云うような話を多数読んでいたので、この個体のような脱皮は珍しくないのでしょう。
この人工蛹室では長めにスペースをとったので頭が蛹室の端にゴツンとぶつかる事は無かったのですが、頭側に蛹室の窓が見えていた他の♂蛹はいくつか角曲がりになってました。
良かった蛹室の例を後の方に載せますが、水平な蛹室ほど角が曲がるリスクが高いのでしょう。

途中で撮った別アングル画像を↓↓
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まだ頭部が出ていない状態。
幼虫のカタい頭部殻が、蛹の柔肌に半ば食い込むように圧迫しています。見ていると傷が付きそうでヒヤヒヤします。

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翅が見えてきたあたり。
見えますでしょうか? 画像中央、幼虫時の気門に繋がっていた白い管。
成虫の気門はそんな所にはありませんよね。
この後この部分は塞がっていって、気門に繋がっていた事が判らなくなります。変態によって体の構造がガラッと変わっていく・・・その最中の貴重な一部分を見る事が出来ました。

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脱皮したて、まさに「ホヤホヤ」な蛹のアップ。
(決して画質が良いワケではないけど)
体液を送り込むのに、やはり爪先や角の先端は大変なようで最後までなかなか膨らんできませんでした。


羽化
蛹化ラッシュから1ヶ月半~2ヶ月ののち、
感動の第2波・羽化ラッシュが到来しました。

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入荷する野外品と違い、脚・角が無傷のピカピカ。
飼育品でないとこの光沢感は楽しめませんね。

ただ、時期が悪く厳しい真冬(12月~1月)
雪かきなどでヘトヘトになる毎日であまり虫いじりができず、気が付いたらどの蛹も羽化した後でした。
人工蛹室で管理していた個体群でさえ、既に上翅を伸ばしていた1♂を見れただけ。
冒頭に書いたように、しっかりと羽化シーンを眺める事は叶いませんでした。


勿論、前回も書いている見える観察ケースに入れていた幼虫も例に漏れず。
キレイな蛹室を作ってキレイな蛹になったところまで認知していたものの、気が付けば成虫になってました。
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この♂、思いの外美形の蛹に仕上がっていたので、
「こんな幅の狭いケースでそのままにしてたら羽化不全起こすかも!?」
と今さらこのケースに入れた事を後悔してしまって、羽化が近づいて来たら人工蛹室に移すつもりでした。

なので、見え辛いケース越しに最初に成虫を見た時は、翅が出てしまっていると勘違いしていたのですが掘ってみると意外や意外!
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完品でございました。

手軽なSNSが普及した現在、
写真映えするからかやけに蛹を手に乗っけた写真が流行ってますよね。
でもゴホンヅノでそんな事やったら羽化不全&突然死コース確定だろうなと思い、自分としては他種にもまして特に慎重に蛹を扱ってきました。

しかし、結果的にそんなこと全然関係なく続々死亡個体が出ちゃいました
そんな「ウソだろ~~!!?」と云う予測困難な展開が続いていた中で、この♂は何故無事だったのか・・・驚きも大きかったです。

ついでに、大きかったのはそれだけではなく・・・↓↓
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サイズも・・・フフフ♪♪


飼育データと羽化個体
今回、もう人生で2度とやらないであろう「採れた幼虫60頭超 全部飼う!」をしましたが、ゴホンヅノの1サイクルのデータ蓄積と云うのは、この時代においても貴重な物なのでまとめてみました。


【プランディゴホンヅノカブト WF1飼育経過表】





表には打ち込んでいませんでしたが、主な基本データは以下の通り。


割出時の容器・・・120ccもしくは200ccプリンカップ
使用マット・・・・きのこの山製 ビートルマット
温度・・・・・・・21~23℃(時期、置き場所によりバラつきあり)



そして、この表における集計結果は


★雌雄総数(見込み含む)・・・♂29頭、♀30頭、判別不能6頭
★羽化総数・・・・・・・・・・♂24頭、♀26頭(羽化までの生存率76%)
 ☆うち完品数・・・・・・・・♂14頭(羽化数の58%)、♀21頭(羽化数の80%)
 ☆羽化までの期間・・・・・・約19ヶ月~約24ヶ月
★幼虫最大体重・・・・・・・・♂70g、♀52g
★成虫最大体長・・・・・・・・♂98mm、♀59mm


この結果を見ると、成虫へこぎ着くまでなかなか難しかった事が見て取れます。
羽化率は約4分の3。しかもその中で♂は不全が目立っていて、完品だったのは6割にも達していません。角が曲がっただけの個体も含めたとはいえ、2年も待った事を思い返すと悔やしいところです。

しかし逆に、これまで調べても分からなかった面も見えてきましたね。
♂の70g台は今まで聞いたこともありませんでしたし、♀で52gと云うのは♂と間違えるレベルです。
意外と雌雄比もバランスが良かったんですね。


ここまで簡単な数字だけをまとめましたが、
今回の飼育で特筆すべきところも所感として書き並べておきます。


・・・でもその前に、
せっかくなので羽化してきた主な♂個体をいくつか紹介していきます。
(「華の羽化報告」記事ですからこれが無いと寂しいですもんね)
紹介個体それぞれの飼育経過は先の表にまとめてあるので、備考についての解説や記録につけていない内容を個別に書いておきます。
なお、紹介の都合上Bライン→Aラインの順に載せていきます。

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B-2 問題児です。なんせ羽化してる事に気付いた時、コイツはマットの上に出て来てましたから。よく見ると原因は一目瞭然で、ブロー容器内のマットがカスッカスで羽化した後に崩落してしまったんですね。
翅もちょっと表面皺が出ているので、ギリギリで羽化が間に合ったのでしょう。

B-6 この個体は腹が収まらず(写真ではそう見えてないけど)、下翅が浮き出て見えるような皺が付いてしまいました。


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B-8 A、B及び♂♀合わせた中で一番早く羽化したのがこの個体でした。一番早く羽化したわりにサイズもそこそこ大きく、2020年にBE-KUWA75号のカブトレコードに登録していただきました。
ただ、角の伸びはあまり良くなく、あとで画像を貼りますが個人的にはあまり格好が良いとは思えません。

B-12 この個体は割り出しの時に他の幼虫よりも痩せていて弱弱しかったです。その所為か?、短角の小さな個体になってしまいましたが、健康そうな幼虫もバタバタ死んでいった中できちんと羽化してきたのは大変凄い事だと思います。
ただ、画像では完品に見えますが実は胕節が1本変な角度で固まってました。惜しい!


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B-13 キレイに羽化してくれた完品♂。角の伸びとしては言うなれば中角。ゴホンヅノって胸角はそれなりによく伸びてくれますが、それに比べると頭角は伸びづらい傾向がありますね。

B-14 幼虫時の体重&体長がB-13より僅かに劣っている程度ですが、それにしては角の発達度が悪いように見えます。体長は一応たった2mm差なんですが・・・
この個体、幼虫時代にうっかりミスで噛みキズを付けさせてしまったんですよ。肛門付近をガブッとやってしまい体液がジワッと。軽度だったからか、完品で羽化出来た模様です。


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B-16 これは、せっかくBeケース(中)に移したのに大きくならなかった悔しい個体です。63gあったんですが、コバエも発生していたので環境の問題もあったのかも知れません。腹も収まってなくて残念・・・

B-18 コバエシャッター(小)に移しましたが、大きくならなかった個体。コバシャ小では普通そんな大きくならないんじゃないかとふと思ったんですが、表を見てみるとその通り(80mmをちょっと超えるくらいが限界)でした。それ以上のサイズはもっと大きな容器でしか生まれてないんだぁ・・・


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B-21 終盤にマットが乾燥していて蛹室が作れず、地上で蛹化したために人工蛹室に移した個体(本記事最初の画像)。完品です。
これで同室のB-22♀が羽化してくれれば大満足だったんですが・・・

B-27 最初の交換で、一発大物狙いで3000ccの奈良オオHブローに交換した個体ですが思いっきりハズしました。体重もなぜか最大55gと軽く、挙げ句の果てに蛹化の時に思いっきり頭部が窓にぶつかって角曲がり。Hブローの特徴でもある広くて極端に低い形状は蛹室作りの障害になりやすいんでしょうかね、蛹室は底にベタ付き=ド水平でした。
ちなみに、脚がボロボロなのは単純に寿命の問題です。


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B-28 翅パカを起こした個体は♂♀含め多数居たのですが、その中でもまだどうにか写真を出せるレベルがこの♂。上翅が翅パカを起こした個体は体液が腐敗するからか? 寿命でもないのに黒ずんでしまいます。それでも、この個体はその点以外は健康体で、比較的普通に活動しているんですよね。

B-29 コバシャ(小)で60gまでいったのに結局中角&腹収納不全。


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A-1 角もそこそこ伸びた個体でしたが、残念ながら頭角が角曲がり。これは最後まで2000ブローで飼育していたので、蛹室が狭くなり頭部が窓にぶつかってしまったんですね。伸びていれば85mmくらいになれただろうに・・・

A-9 これは3令中期以後にコバエシャッター(中)でB-5の♀と同居飼育した個体。完品で羽化してくれた事はもちろん嬉しい事ですが、それ以上に感動したのはこの胸角の太さ。今回の羽化個体では随一で、細く鋭くなる他個体とは違って太く伸びています。残念ながら頭角はやや貧弱になってしまいましたが、こんな個性的な♂も他に居ません。何があったんだ・・・他の幼虫と一緒だったからか? それとも、それが♀だったからか?(笑)


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A-15 もちろん、こんな普通の角の♂も出ています。ゴホンヅノって、ブログ、ホームページ、ツイッター、オークションサイトなどあちこちで新成虫画像を見る機会がありますが、意外と野外品のような「普通に伸びた角」の♂は少ないんですよね。

A-27 体長は中型の81mmですが、これでも幼虫時は体重が最大で67gまでいってた期待の幼虫の一つだったのです。コバシャ(中)が泣いてるよ・・・俺も泣くよ・・・


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A-16 そして、これが今回のWF1世代最大個体。BE-KUWA最新巻79号の飼育コンテストで、無事にレコード更新する事が出来ました。
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自己計測は98.8mmでしたが、BE-KUWAでは96.5mmでの登録となりました。
クワガタと違って、測る人によってその数字がまちまちになりやすいのがカブトレコードの難しいところですね。胸部はガチ詰めにするにしても、頭角をどこまで下げるか(下げられるか)によって2~3mmくらいは差が出てしまいます。応募生体を預かる側からすれば、頭を下げる時に力を込め過ぎて首をゴキンとやってしまわないか、ヒヤヒヤするんじゃないかと思います。
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頭角はやや右に曲がってしまったのですが、大変立派に伸びてくれました。2020年のレコード個体をはじめ、大多数の♂は中角程度以下って感じのものばかりでしたが、今回は完璧に長角と言って差し支えないでしょう。
Beケースには入れていたのですが、幼虫期は正直この個体の存在感はあまりありませんでした。かえってそのおかげで弄り過ぎる事無くストレスもかからず良かったのかも知れません。ただ、掘り出し時ケースを暴いてみるとしっかりワンダリングした跡が残っていました。


そして、最大個体には一歩及ばなかったものの、
是非とも見てもらいたい大型の美形♂が居るので最後にそれを載せておきます。
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A-17 画像の番号でもお気付きかもしれませんが、先ほどの見える観察ケースに入れていた1頭です。体長は羽化した中では2番手の94mm。
サイズではA-16の後塵を拝しましたが(と言うかこんな容器で90mm台半ばなんて特大が羽化できた事の方が凄い)、この個体の魅力は「角の形」
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きれいに長く伸びている上、蛹化時に外的な圧迫を受けていない完璧な形状。
完全に長角だと言い切れる長さでその上反り返りや曲がりが起こってない♂はこの1頭だけ。なんと神々しい。
KIMG2112.JPGゴホンヅノ系を飼育すると、良い頭角を得ることがどれほど難しい事か身に染みて分かるだけに、サイズ云々よりもまずこんな頭角が拝めることがホントにありがたい。これも、見える観察ケースに入れていたおかげか・・・!!

もし仮に体長がA-16と同率1位だったら、自分はこっちをレコードに応募してましたね。
あんまりキレイすぎて、蛹の時の頭部の殻をまだとって置いてあります。
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前にも言っていますが野外品は♀しか見ていないので、♂はこのWF1世代が初見。
時間を忘れて見惚れてしまいます。派手だし大きいキレイだしで、説明一切不要・魅力の塊のような1頭です。



・・・と言ったところで、
紹介できる個体を全て載せ終わったので所感について書いていきます。
既に記事が長くなってしまったのでなるべくコンパクトにまとめたつもりです。
(成虫の紹介が終わると、途端に終わりのムード出ちゃうよね)


幼虫のマットへの耐性
今回、幼虫飼育ではほぼ一貫してきのこの山のビートルマットを使用しました。浮気性な自分が珍しく銘柄を一つに絞った理由は、
マットの違いで羽化ズレが起きるかもしれないから
幼虫ごとに2年間きちんと銘柄を分けてマット交換できる自信が無かったから
上記の2点。
それでも、産卵の時は違うマットだったし、割り出して個別にカップに分けた時のマットもくわかぶプラネットのNEWカブトマットだったので、完璧に統一していたワケでもありません。
ビートルマットって廃菌床系?だったかはよく知りませんが、ヘラクレスとかに使うような高添加な部類のカブトマットです。その為、決してゴホンヅノに対するマット選定として最適とは言えませんし、少なからず幼虫時に死亡する個体も居ましたが、「明らかにエサとして合ってない」数の減り方はしていなかったしレコード個体も出たので悪くなかったのでしょう。
ただ、同時期に飼育していたタイ産原名亜種の方は、そこそこ成長悪かったです。


マットの水分量
勿論、マットはガス抜き及び加水処理を終えてからケースやボトルに詰めていました。それが、2~3ヶ月経つとケースの種類関係なく「乾いてカラカラになるもの」や「泥化してグズグズになるもの」などマットの状態にバラつきが生じてきます。
乾いてきた容器なら加水をしますが、泥化(劣化)してしまったものは交換しなくてはいけません。気が付いたら出来るだけやろうとは心掛けましたが、流石に完璧にこなす事は出来ませんでした。既に蛹室を作ったり羽化してしまったりと云う事もあり、水分量によるものと思われる死亡個体も見られました。
KIMG0012_05_BURST1000012.JPG
ボトル側面から見た時の水分量の例↑↑
恥ずかしい失敗を重ねて感じた事としては、
蛹化時は、水分過多にも乾燥気味にも比較的耐えられる
蛹~羽化時は、水分過多には弱い


AラインとBライン
表にまとめてみて気付いたのですが、♂の羽化サイズを見比べるとAラインの方が大型なんですね。使用した容器もまちまちだったのでたまたまかもしれませんが、2トップの98mm&94mmはAライン。
ちなみに幼虫体重はBラインが67gが最大で、それ以外はほとんど60g台ギリギリかそれ以下です。対してAラインは、69gを筆頭に60台半ばが複数。
なんとも微妙です・・・ただ一応2ラインで確たる違いはあります。さっきも書いた、産卵時~初令割出前の使用マットなんですが、経過表には書いてなかったのでこちらに書いておきます。
Aライン:WILD産卵セット時、月夜野きのこ園製 黒土マットを使用
Bライン:WILD産卵セット時、腐葉土+ホビー倶楽部製 カブト産卵マットを使用
(そういえば、ラベルに書き忘れたか表の中に70gの幼虫の記載が無いや・・・写真もあるのに・・・今となってはどの幼虫だったか確認しようがありません・・・)


実験にならなかった酸素注入
経過表に不可解な「O2」の記載がされていますが、実は密かに酸素注入実験を行なっていました。
まぁ簡単に説明すると、「通気の悪いケース飼育において、定期的に内部へ酸素を注入する事で幼虫の活性を高め、大きな成虫を羽化させられるか!?」と云う事でした。
対象は、コバエシャッターやBeケースなどへ移した「大型期待の♂幼虫」。使用したのは理科実験用の酸素缶。これを、ケースのフタの隙間から注入しすぐ閉めると云う作業。

結果は、見ての通り「?」でした。一応今回ビークワレコードを取った個体も酸素注入を2回行なっていますが、全ての結果を見てみると効果が表れていたかは不明なまま。
そもそも、酸素缶はすぐに中身が尽きてしまうし、1缶あたり760円と高かったんですよ。これなら、奮発して別のリッチなカブトマット買った方が直接的に効果あります!!!


容器のサイズ
経過表を見ると、流石に2000ブロー(1.8リットル)で羽化した♂は大きくなりませんでしたが、逆に容器を大きくする必要もなさそうに感じます。
美形94mmのA-16を育て上げた見える観察ケースは容量3リットルですし、2020年&2021年のレコード個体は共にBeケース(中)5.8リットルでしたが、コバエシャッター(中)7.5リットルの羽化個体はどれも期待を大きく下回るサイズばかりでした。
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98mmのA-17の掘り出し時のマット。狭い方向に蛹室が作られていますが、こんな所からでもあのサイズは羽化するんですねぇ・・・あと少し判りにくいですが、やはりきちんと傾斜をつけて蛹室が作られています。
しかし、BE-KUWAレコードのタイ産原名亜種の飼育コメントではコバシャ中を使っているんですよね。単純に、ウデの問題・・・?


同居飼育
割り出し時からほぼ一貫して幼虫飼育は単独で行なっていたのですが、♂A-9♀B-5を試しに3令中期からコバエシャッター(中)にて同居飼育してみました。
飼育界隈では、ゴホンヅノカブトは幼虫が凶暴と云う話が度々交わされていて、多頭飼育すると共食いしたりいつの間にか頭数が減るとか言われています。自分も昔タイ産で初令を激減させた失敗があり、その要因がカップでの多頭保管によるものでした。そんな経験があってもなお、あえて同居させてみようと思ったのは、個別飼育で成長スピードがバラバラになっている中、同じ容器で飼育する事で♂♀の羽化ズレが防げるのか気になったからです。
一応、慎重を期すためにある程度育った3令中期の♂♀を選びました。結果、♀が少しリードする形だったものの蛹化から羽化まではそれなりにズレなかったかな? と云うタイミングでした。ただ、検証したのがこの1ケースなので、どこまで効果的かが全く判断できません。

さらに、この後の休眠ズレですが・・・
♂は2021年2月下旬に活動確認しましたが、♀が地上へ出てきたのは同年4月中旬♂はもう死んでるんです、これじゃダメじゃん。


角の発達
飼育品だとなかなか野外品のようにスラッとした美しい頭角になりません。中には細くきれいでそこそこ長い♂の飼育品画像も見つかる事はあるんですが、ほとんどはなぜか身体が大きくなっても角は伸びずやけに太さが目立つものばかりです。
CA3I0792.JPG
左の♂は2020年レコード個体の87mm、右の♂は中型75mm。
右は体長とのバランスを考えても角の発達が悪いのですが、個人的に納得できないのはむしろ左の87mmです。野外品の画像などと比べても、寸詰まりでやや肉が付き過ぎて不格好に感じます。さらに言えば、角先端の形状もなんか野外品っぽくなくて嫌。釣り針みたいに先端で反り返って急に尖ってる。こんな感じの個体が他にも結構居るんですよね。
この点、90mm台の2頭はスラッと細く伸びて先端の形状もナチュラル。どうしたらこの違いが生まれるのでしょう。幼虫期間? 前蛹時の管理温度? マットの栄養価?


終わりに
ワイルド個体から採れた幼虫を全て抱え込むと云う非常に無謀な飼育に挑んだ結果、飼育スペースの約7割が本種で埋まってしまう事態になってました。
その間、マットが足りないだの、蛹が死んだだの、特大の♂が羽化しただの、悲喜交々のイベントを同時多発的に味わう事も多くありました。1種での出来事だからなのか、はたまた「ブログの記事の為に・・・」と云う動機があるからかなのか、多種多様に飼育している時のそれよりもずっと記憶に残っています(長年飼育していると、何となく1個1個の出来事やシーンに抱く印象が薄くなってくるんですよ)

それだけに、本当はもっと長々と書いてみたい気もするんですが、
写真だけでも相当な枚数になっているのに加えて文章まで長くなったら、永遠に書き終わる事が出来なかったでしょうね。
何より、色々やって見てきたけど全然分かってないじゃん。


さて、
長々と続けてきたWF1世代の飼育もいよいよ大詰め、次世代ブリードへと現在移行しています。
今回はキリよくWF1羽化までに止め、ゴホンヅノ飼育最難関と言える次世代ブリードについては、またいつか進展と時間的余裕の2つが揃ったら書こうと思います。

KIMG2104.JPG
この記事が、我が家のプランディの最後の記録にならないように・・・


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