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2021年度羽化報告 モーレンカンプオウゴンオニクワガタ [〆モーレンカンプオウゴンオニ (原名亜種)]

こんにちは、会長です。
夕方にブログを更新するのもだいぶ久し振りですが、記事をUPしたら直ぐに採集へ直行です。

夏になったし、採集の話も書かなければいけないと云う気持ちもあるにはあるんですが、ルリ採集の話を書くには旬を過ぎてるし、毎週末の天候不順の所為でマグソ採集に今期は行けず・・・
現在は専らコクワ採集なのですが、今現在書いている暇が全くありません。平日も、仕事終わりに日没近くまで車の修理をちょこちょことこなし夜はコクワ集め。真夜中~朝方に帰宅し、前日までに〆たコクワの展足をして、少し寝たらまた仕事へ・・・と云うのを繰り返しています(!?) なんか夏場の採集スケジュールが年々過密気味になってきているような気がします。
そんな毎日なので、危うく6月分のブログ更新をゼロで終わるところでした。





さて今回も、残念ながら採集記事ではありません。
まだいくつか書いておくべき飼育ネタが残っているのでそれを吐き出さないと・・・

去年の8月に書いたモーレンカンプオウゴンオニの結果報告です。

10年前に奇形♂2頭が羽化して終わったローゼン以来、久し振りのオウゴンオニ。
1度採卵に失敗したものの、2度目の産卵で無事に多数の幼虫を得られたところまでを前回書いていました。
初っ端に失敗はしたけども、今振り返れば良い時代になったもんだなと感じます。輸入解禁した2000年前後って、卵を多数孵化させる以前に産卵させることもままならなかった虫ですからね。


幼虫が無事採れたのは嬉しかったものの、その後はいつもの怠け癖が顔を出して流れをおかしくさせてしまいました。

通常ならばおそらく、幼虫は800ccか1100ccに入れて2令後期とかで大径ビンに入れるのがスジなんでしょうが、いきなり大径ビンに投入してしまったんですよね。
ズボラな性格をしていると、こうして最初から大容量に入れておけば、「まだ交換しなくても生きてるだろう」とエサ交換のタイミングを逃してしまうんですよね。
さらに、最初から気合入れて大きい容器に入れてしまう所為で金銭的にも消耗してしまって交換する気持ちが湧かなくなるんですよ。
オウゴンオニはこの体格のクワガタにしては幼虫期間は短い方なのでちょっと気を付けていればそれほど幼虫飼育で根気は要らないハズなんですが、それすらも出来なかったんですね。


そんな経緯を軽く説明したところで、羽化データを書いていきます。

写真で出しても大丈夫そうな♂個体を載せていきます。10年前のローゼン2♂♂から比べると羽化数も格段に違いましたが、今回は幼虫をヤフオクに出したり死亡&羽化不全もいくつか出てしまったので、多いんだか少ないんだかよく分かりません。

【産地】インドネシア スマトラ島 ベンクール州
【累代】WF1

♂-①(A血統)
モーレンカンプ2021-1.JPG
2020年5月21日 割り出し 1令 恵栽園カワラ微粒子1400ccクリアボトルへ
同年7月29日 2令脱皮
同年12月10日 羽化確認 42mm

初っ端に大きい容器に入れた結果、エサ交換する気が失せてそのまま羽化してしまった典型ですね。とは言え、完品で羽化させられた(と言うか「してくれた」んですよね)のはローゼンの時から見れば個人的には大きな成長ですね。令和2年になってやっとですが。



♂-②(A血統)
モーレンカンプ2021-2.JPG
2020年5月21日 割り出し 1令 恵栽園カワラ微粒子800ccクリアボトルへ
同年7月29日 3令確認
2021年1月10日 羽化確認 43mm

サイズ的には♂-①に次いで小さいのですが、今回羽化した個体の中では一番気にかけていた個体。
何故ならこの♂、見た目はどうにか完品を保っていますが、残念ながら体内が正常に出来上がらなかったようで歩行も後食も満足に行なえない状態でした。気付けばひっくり返ってじっとしているし、ゼリーも与えていましたがちょろっと舐める事が出来る程度でした。
それでも、だいぶ永らえて5月頃まで生きてくれました。



♂-③(A血統)
モーレンカンプ2021-3.JPG
2020年5月21日 割り出し 1令 恵栽園カワラ微粒子200ccプリンカップへ
同年6月6日 2令脱皮
同年7月5日 同800ccクリアボトルへ
同年9月22日 13g 同1400ccガラスビンへ
同年11月 羽化確認 51mm

先の♂達と比べて一回り大きく羽化した個体ですが、残念ながらこれも完品ではありませんでした。
上から見るとちょっと右の上翅が脇に膨らんでいて、なぜかと言うと下翅が上手くたためず胴と上翅の間に下翅を噛んでしまったからなんですね。
飛ぶ事が出来なくなってしまいましたがそれ以外は正常で、その後も元気な姿を楽しませてくれました。



♂-④(A血統)
モーレンカンプ2021-4.JPG
2020年5月21日 割り出し 1令 恵栽園カワラ微粒子1400ccクリアボトルへ
同年7月29日 3令確認 同3000ccガラスビンへ
2021年1月31日 羽化確認
同年3月中旬 羽脱 57mm

今世代では次の♂-⑤と並んで最大クラスのサイズです。
3000ccに入れただけあって流石に大きくなってくれましたが、幼虫時代にビンをチェックしていた一時期にはとんでもない大きさに成長していたので6cm越えを期待していました。あんなデッカイ幼虫見てしまうと、「おや!? これはきっと飼育レコード超えるんじゃね?」なんて夢見ちゃうんですね。初めて飼育してるのに馬鹿なもんですね。
しかし、馬鹿の上塗りと言うか、分かってはいたのにエサ交換を怠けてしまい最終的に幼虫は最大時から大幅に矮化し、粉々になった菌床の中で蛹室を作らせた結果がこの有り様です。

しかも、この♂も残念ながら完品とはならず。
写真では上手く誤魔化していますが、左前脚の脛節が曲がっています。



♂-⑤(A血統)
モーレンカンプ2021-5.JPG
2020年5月21日 割り出し 1令 恵栽園カワラ微粒子800ccクリアボトルへ
同年7月29日 3令初期確認 3000ccガラスビンへ
2021年初頭 羽化確認 57.6mm

この♂が今期最大の個体です。♂-④とほぼ同サイズですが、こちらは本当の完品個体。
自分はまだモセリもババも現物を見たことが無いのですが、肉厚な体型なスマトラ産の方が魅力的に感じるので、この個体を眺めているとウットリします。


♂-⑥(B血統)
モーレンカンプ2021-6.JPG
2020年6月10日 割り出し 1令 恵栽園カワラ微粒子800ccプリンカップへ
同年9月22日 3令 8g 同1400ccガラスビンへ
2021年1月11日 蛹化
同年2月中旬 羽化 54.3mm

⑤までは、同一の系統の♂が続いていましたがこの⑥は別系統の個体です。
このB血統ですが、A血統と違ってエサへの適応力が弱く、幼虫時代に死亡個体が続出しました。最終的に羽化までに至ったのは1♂1♀なんですが、これはWILD親が持っていた共生菌が人工飼料に合わないものだったのか、はたまた幼虫に上手く共生菌が渡らなかったかなど原因がいくつか考えられます。一切菌床に食い入る事無く死亡した幼虫も多数居たので、このB血統には苦心しました。

その点もあるので、A血統と比べて羽化するのが少し遅く、後食するのかもちょっと心配でしたが、今ではゼリーをしっかり完食してくれています。


ちなみに♀個体は、♂に比べて羽化数は少なく43mm、43mm、47mm、48mmと云う結果。
♀は親越えをしたので見た目にも迫力が感じられます。





そんなワケでサクッと紹介していきましたが、データを見ると解る通り大変に恥ずかしい内容ばかり目立ちます。今となって思うのは、「あの時適切にビン交換していたらどうなっていたのだろう」と云う事。
57mm台の2♂♂も、もう一回交換していれば6cm超えたんじゃないのかと想像せずにいられません。

ただ、サイズ云々の話は抜きにして、飼育品だからこそ楽しめるオウゴンオニの魅力には大変満足できました。なんせ、WILDの時は「死ぬ前にペアリングしなきゃ!セット組まなきゃ!」と焦ってばかりでゆっくり観て楽しめなかったですからね。


一応、現在2♀♀をペアリングさせ産卵セットをみたところです。
今回羽化させられなかった6cmオーバーの♂を夢見ての再挑戦ですが、





うーん・・・
なんか、夢で終わりそうな気もするな・・・



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ぶなちろ

お久しぶりです。飼育記事素晴らしい。
でもやっぱり採集記事が見たいです。梅雨真っ盛りで雨が続くのでモチベーションを高めるためにも会長さんのルリクワガタ採集をみたいな。コルリは採集したことあるがルリはいまいちわからんのです。
( ^)o(^ )
by ぶなちろ (2021-07-02 22:18) 

会長

ぶなちろさんお久しぶりです。

嬉しいお言葉を頂き光栄です!「見たい」なんて、仮にお世辞でも記事を書く冥利に尽きます。
ぶなちろさんと同じかは分かりませんが、近年はほとんどツイッターで「〇〇に行ってきました!」「こんなの採れました!」の一言で終わってしまうようなのばっかりなので、文章としてガッツリ採集内容を読みたい自分のような人間には寂しい時代だなと思います。
ルリ採集も本当は今シーズン1個書こうと思ってたんですが、来期という事でご容赦下さい。
でも、ルリってコルリと比べてしまうと風情も季節感もあったもんじゃない「地道な作業」的な採集になってしまうんですよね。そこをどうやって上手く脚色するのかが、ルリ採集記の難しい所でもあり、他のクワガタと一線を画す部分でもあるんですね。
残念ながら、コクワだけでシーズン最後まで手一杯の予定でヒメオオ狩りにも行けなさそうな気はするんですが、昨晩思わぬところでヒメに遇ってしまいました。内容がさっぱりし過ぎててこのままでは書けませんが、なんとかその筋の方で結果が付いてきたら書くつもりです。
by 会長 (2021-07-03 01:31)