27 ― twenty seven ― [時事・話題・雑報]
最近我が家のオオクワガタも起きてきました。春ですね、会長です。
ん? あんたのオオクワ生きてたのかって?
失敬な、生きてますよ。そんな年もあるんですよ。
そんな春の陽が射すようになってきた先日4月18日、待ち侘びていた本が到着しました。
今年分の会誌。これが今日の本題です。
ここに入会以後、毎年の新たな楽しみとなっています。
(ここの会誌って六本脚や南陽堂で売られてないので会から直接発送してもらうか蔵書のある図書館で読むしかないんですよね)
春採集の間際のタイミングで届くので、フィールドへ出る為の意欲の増進にも一役買っています。
今年はページ数も多く、過去最多ページ数だった前年26号をさらに大幅に上回る200ページ越え。
実は入会して以降自分も毎年報文を出しているのですが、
今回も(無事に?受理されて)2編登載していただきました。
その2つの内、メインとして書いたのが、
これまで当ブログでずっと進捗を書き続けてきたコクワガタについての報文です。
今日の記事は、そこまでに至る経緯をかいつまんで書いてみました。
わざわざ報文を出したのは――
当初はただの個人的なコレクションで終わるような話でしたが、県内各地へ採りに行ったり文献を調べている内に、
「アレ? これってただブログに載せて終わるだけじゃ勿体ない内容だよな」
とふと思い立ったのがはじまりでした。
そしてこのコクワに関する資料の一部を洗っていく内に、
「文献も含めて、記録をまとめてみたら面白いんじゃないか」と思い至り、そこから深みに嵌まってより過酷なコクワ蒐集に没頭することになってしまったんですよね。
(だって、以前を振り返ると当時は「40市町村各地でコクワ♂1頭でも採れれば終わり」のハズだったんですから)
今の時代では昆虫の生態や分布の報告って、
どこかの専門誌や会誌に出す以外の方法もあって、その例がまさにここのようなブログをはじめとしたネット上のサービスを利用する場合です。
紙の媒体に出すのと違って、時間と手間が格段に短縮できるので圧倒的に楽ではあります。
ただ、きちんとした報告として今後誰かが資料として正確に参照する場合は自分のブログって使えないんですよね。
だって、昔書いた事でも好きなように編集し直せてしまいますからね。他はどうであれ、自分のとこについて言えば「なんか書き間違いとか変なところが有ったらその都度書き直します」って以前にも明言しているので、言ってしまえば「内容や証拠はいつでも消せる」ワケです。
そんな、資料としての意義があやふやなところなので、真実を書いていようが第3者から見ればフェイクや夢日記とも線引きできませんし、書いた報告内容が「全く信用できない・資料として使えない」と評されたりしたら、それはそれで書いた側としては悔しいのです。
なので、ただ自己満足で好きなように書いてお終いではなく、不特定多数の人が引用しても恥ずかしくない場できちんと報告すべきだと考えたワケです。
そして発行された今、この報文で書きたかったけど体裁上で不要だった内容もあったし、報文を出すに際しての前後日談もあるので、それらはこのブログに書きたいと思っていたワケです。
普通種という抜け穴
今どきコクワガタだけの報文なんてよく通ったなーと感想を持つ人が大半じゃないかと思いますが、自分も最初かなりビビってました。近年なんて、新発見や珍品の報告が一般的ですからね(主観です)。
その為、この件については最初に論文を完成させていきなり投稿するのではなく、事務局幹事の方へ「今自分はこういうものを調べてて、完成度を高めるためにはどうしたらいいか」と云うような感じで相談したんですね。
ただしその前に、この会の会誌の創刊号のはじめには「(要約すると)県内で普通種と言える動植物も、文献としての記録は無い所も数多く、研究はまだまだ足りていない」と云う内容が書かれてあり、決して無理のある話ではないとは思ってたんですけどね。
とはいえ、「青森市からコクワガタを発見」みたいな短報だったらリジェクトされそうで出す気も起きませんでしたが・・・
・・・で、
色々な方に協力してもらい、データ集めも順調に捗るかと思いきや、意外に苦戦を強いられました。
何せ、コクワガタを誰も採って帰らない!
「コクワガタ集めてるんですけど標本ありませんか?」
「うーんゴメン、いつもリリースしてるし標本には遺さないからなぁ」
ってのがお約束。人脈の細さも原因としてはあるんでしょうが、思っていた以上に集まりませんでした。(声をかけていなかった人も中には居ましたが、もしかしたらどなたか持っていたのかも)
なので、今回の報文にできればこの人の名前も載せたかった・・・と云うのが数名おりました。
(日昆メンバーには勿論!協力してもらいました)
また数年後に未記録地を追加して補遺する予定なので、
協力頂ける事を今後の楽しみにしたいところです。
文献資料の収集
約10年の間コクワを集め、特に報文作成までの2年間はとにかく体を壊しかけるくらいコクワを採りに行きまくっていました。青森県全地域が対象なのでとにかく大変でした。
しかし、それとは別に大変だったのが、過去の文献の収集。
今回の報文では、単なる採集記録だけではなく文献記録も集めてまとめたのですが、ある意味こっちの方が大変だったかもしれません。
各種の調査報告書、昆虫雑誌、高校などの生物部誌に加え、自然関係の書籍も調べられるものを全て洗い、抽出作業を行ないました。
これは流石に、齢30程度の若造の手でどうにかなる事でなく、関係機関の協力を借りなければ形にする事ができませんでした。
何しろ、データベース検索や書籍目次でも、報文タイトルに「コクワガタ」なんて付いているものは稀有ですからね。珍品の場合だと「〇〇〇〇〇クワガタを△△△町にて発見」とか付いててすぐ見つかるんですが、普通種ですからね。
調査資料中で昆虫調査の項があればチェックし、目録にコクワガタの5文字が載っていないか隈なく探し、紀行文にもしれっと記述されている事もあるのでそこも読んでいきます。
で、その文献資料を探すにあたって、この時ほど青森市に住んでいて良かったと思う事はありません。
調べ事には図書館は必須ですが、青森市には
・青森県立図書館
・青森市民図書館
・青森県庁の県政情報センター
といった資料の海が在り、ちょっとした事でも直ぐ足を運べます。
また、県内各地へのアクセスもバランスよく、津軽地域へも南部地域へも遠すぎる事はありません。
その為、採集に行けない日やシーズンが終了した秋季には積極的に各地図書館へ足を運びました。ほぼ全ての休日を、春~夏はコクワ採集で、秋は県内各地の図書館へ行って潰していたので、他の事何にも出来ませんでしたね。憑りつかれているようでしたね。
憑りつかれるように通っていた各地図書館の中でも、
特に県立図書館には大変お世話になりましたね。
去年の10~12月の期間中はほとんど2日に1回くらいの頻度で行っては閉架蔵書を読んでましたから、司書の方々には「うわッ、またあの人来たよ・・・」と煙たがられていた事でしょう。
そんな感じで入り浸って閉館時刻までしょっちゅう居残っていたので、閉館10分前に流れるあの歌、すっかり耳に残ってしまいました。タイトルは何だ!? 歌い手は誰だ!? 気になってしまい今もモヤモヤしています。
市外では、特に八戸市立図書館、弘前市立図書館にはよくお世話になりました。
憑りつかれていただけあって、県内ほとんどの図書館には行きましたね。意外にも、郡部におけるマイナーな資料が地元の図書館・図書室に在った例は非常に少なく、目ぼしい資料は結局のところ県立かもしくは市部の図書館に集中していました。
また、見つからない資料は図書館・図書室だけではなく、自然関連の独立した施設や、時には役場へも問い合わせて調べました。
彼方此方回った事もあり、県内で刊行された調査資料の種類や場所を粗方把握できて大変タメになりました。
次回また調べ事があっても、資料の在り処に迷って右往左往せず済みそうです。
新型コロナウィルスの流行の最中でもありましたが、図書館が長期閉鎖する前に調べ事を済ませられたのは幸運でした。
(違うタイミングで閉館してたらこの報文詰んでた・・・)
そして、これら図書館等での資料収集に加えて、
周囲や県内で見つからない資料や書籍はお金を出して取り寄せたりもしました。
月刊むし600号の記事で言われているところの「商業誌・第1黄金時代」の古い書籍(戦前の昆虫雑誌)や、新版が出ているクワガタムシ大図鑑があるのにわざわざ旧大図鑑を買ったりと、対象がコクワガタ1種だとはにわかに信じ難いくらいには散財しました。しかも、見切り発車で購入した結果、今回の報文には参考にならなかった書籍も結構ありましたよ・・・
もともとそんなに自分は本棚のスペースが広いワケじゃないので、キャパシティをオーバーして買った本は案の定平積みになっています。どうしよう・・・
¥¥¥
資料を色々と購入したと云う話をしたので、最後にお金の話を。
・・・いや、お金の話なんてあんまりするもんではないんですが、
周りからあまりにこの話聞かれるのでこちらからも言わせてもらいたいのです。
何を聞かれるのかと云うと・・・
「こういうのを書くとさァ、結構¥儲かるんだろ??」
あのねぇ・・・
儲かるワケないでしょ。
作家やライターと違って、学術誌や商業誌に論文を投稿して掲載するのには基本的に執筆側がお金を出したり経費を負担しなきゃいけないですからね。
これは自分みたいなアマチュアは勿論、本業の研究職や大学の教授も同様だと云う話を聞くと大概の人は驚くはずです。まぁ中には、依頼されて書いた際の謝礼をもらうケースもあるみたいですが。
自分の知るところに関しては、「掲載ページ数に上限を設けてそこまでは会員費で賄う」のが基本で、その上限を超えてしまうとページ数に応じて負担費用が加算されていくパターンです。
ここもそういうタイプで、
会員一人につき白黒10ページまで無料で、
・ページ超過
・カラーページ指定
で費用がその分加算されていくんですな。
で、今回に関しては、
・2編合わせて28ページ
・カラーページも計5ページ
・そして単著だから全ての費用は自分持ち
で、請求額は合計で6ケタ寸前。やっちまったなぁ!!
幹事の方から「大丈夫なのか!?」と心配された時は大丈夫ですよと強がったものの、正直ゲッソリです。(当初自分の試算した額よりずっと上回ってしまった事には驚きました)
少しでもこの費用を見繕おうとして、食費を削って昼飯を2週間ずっと1食100円のカップ焼きそばにすると云う愚挙に出た結果、1週間後には便通が悪くなり、2週間後には栄養失調からか口内炎が出来て止めました。
こういう話を書いた後でこの報文を読むと、「金がそんだけ掛かった割りには中身薄いよなぁ」と自嘲してしまうところですが、きちんと査読を通してボッコボコにされているので、ブログと違って別人のようなきちんとした文体で仕上がっていますし、最初のページの「県内人口上位6市産の標本写真」は個人的には有りそうで無いレイアウトだと感心しています(今になって思えばちゃんとそれぞれにデータ表記すればよかった)。
ちょうど今回の報文に使えそうな地図ソフトも持ち合わせていなかったので、久しぶりに手書きでトレースなんてしました。やはり久しぶりにこんなことすると想像してた完成形には程遠い出来上がりになるものですね。
他にも、ところどころ「書き方がちょっと・・・」と云う箇所はありますが、本誌を手に取る機会がある方におかれましては、目を通していただければ幸いです。
密かに、このコクワガタの項で普通種の記録の大事さについて熱く綴った直後、自分が書いた2つ目の報文が「ウスバカマキリ(青森県レッドデータブック Bランク)」
・・・なんて皮肉が効いていたりするのですが。
さて、お世話になった方々には別刷りを作って渡す予定ですが、
このタイミングでプリンターがぶっ壊れるまさかの事態に追いやられてしまいました。
一体どこまで俺の貯金を締め上げるつもりなんだ・・・
ん? あんたのオオクワ生きてたのかって?
失敬な、生きてますよ。そんな年もあるんですよ。
そんな春の陽が射すようになってきた先日4月18日、待ち侘びていた本が到着しました。
今年分の会誌。これが今日の本題です。
ここに入会以後、毎年の新たな楽しみとなっています。
(ここの会誌って六本脚や南陽堂で売られてないので会から直接発送してもらうか蔵書のある図書館で読むしかないんですよね)
春採集の間際のタイミングで届くので、フィールドへ出る為の意欲の増進にも一役買っています。
「生物」と云う季節的にモチベーションの上下がある趣味を持っているとマンネリ時期が大なり小なりあるワケですが、こうした会に入る事は「定期的に良い刺激を受けられる」のに好都合と考えられます。いわば「新聞とネットニュース」の例ですが、自分の思考範囲内ばかりで情報を得るには限りもあるし範囲もごく狭いのですが、自分の全く関知しないところから半ば強制力をもって情報を受け取る事で、全く新しい知見や視点を得られるワケです。こうした研究会・同好会では定期、不定期的に通信誌や会誌・会報が届くので、その趣味に対しやる気がなかなか起きないような人にとっては良い起爆剤になり得るんですよね。
今年はページ数も多く、過去最多ページ数だった前年26号をさらに大幅に上回る200ページ越え。
実は入会して以降自分も毎年報文を出しているのですが、
今回も(無事に?受理されて)2編登載していただきました。
その2つの内、メインとして書いたのが、
これまで当ブログでずっと進捗を書き続けてきたコクワガタについての報文です。
今日の記事は、そこまでに至る経緯をかいつまんで書いてみました。
わざわざ報文を出したのは――
当初はただの個人的なコレクションで終わるような話でしたが、県内各地へ採りに行ったり文献を調べている内に、
「アレ? これってただブログに載せて終わるだけじゃ勿体ない内容だよな」
とふと思い立ったのがはじまりでした。
そしてこのコクワに関する資料の一部を洗っていく内に、
「文献も含めて、記録をまとめてみたら面白いんじゃないか」と思い至り、そこから深みに嵌まってより過酷なコクワ蒐集に没頭することになってしまったんですよね。
(だって、以前を振り返ると当時は「40市町村各地でコクワ♂1頭でも採れれば終わり」のハズだったんですから)
今の時代では昆虫の生態や分布の報告って、
どこかの専門誌や会誌に出す以外の方法もあって、その例がまさにここのようなブログをはじめとしたネット上のサービスを利用する場合です。
紙の媒体に出すのと違って、時間と手間が格段に短縮できるので圧倒的に楽ではあります。
ただ、きちんとした報告として今後誰かが資料として正確に参照する場合は自分のブログって使えないんですよね。
だって、昔書いた事でも好きなように編集し直せてしまいますからね。他はどうであれ、自分のとこについて言えば「なんか書き間違いとか変なところが有ったらその都度書き直します」って以前にも明言しているので、言ってしまえば「内容や証拠はいつでも消せる」ワケです。
そんな、資料としての意義があやふやなところなので、真実を書いていようが第3者から見ればフェイクや夢日記とも線引きできませんし、書いた報告内容が「全く信用できない・資料として使えない」と評されたりしたら、それはそれで書いた側としては悔しいのです。
なので、ただ自己満足で好きなように書いてお終いではなく、不特定多数の人が引用しても恥ずかしくない場できちんと報告すべきだと考えたワケです。
そして発行された今、この報文で書きたかったけど体裁上で不要だった内容もあったし、報文を出すに際しての前後日談もあるので、それらはこのブログに書きたいと思っていたワケです。
普通種という抜け穴
今どきコクワガタだけの報文なんてよく通ったなーと感想を持つ人が大半じゃないかと思いますが、自分も最初かなりビビってました。近年なんて、新発見や珍品の報告が一般的ですからね(主観です)。
その為、この件については最初に論文を完成させていきなり投稿するのではなく、事務局幹事の方へ「今自分はこういうものを調べてて、完成度を高めるためにはどうしたらいいか」と云うような感じで相談したんですね。
ただしその前に、この会の会誌の創刊号のはじめには「(要約すると)県内で普通種と言える動植物も、文献としての記録は無い所も数多く、研究はまだまだ足りていない」と云う内容が書かれてあり、決して無理のある話ではないとは思ってたんですけどね。
とはいえ、「青森市からコクワガタを発見」みたいな短報だったらリジェクトされそうで出す気も起きませんでしたが・・・
・・・で、
色々な方に協力してもらい、データ集めも順調に捗るかと思いきや、意外に苦戦を強いられました。
何せ、コクワガタを誰も採って帰らない!
「コクワガタ集めてるんですけど標本ありませんか?」
「うーんゴメン、いつもリリースしてるし標本には遺さないからなぁ」
ってのがお約束。人脈の細さも原因としてはあるんでしょうが、思っていた以上に集まりませんでした。(声をかけていなかった人も中には居ましたが、もしかしたらどなたか持っていたのかも)
なので、今回の報文にできればこの人の名前も載せたかった・・・と云うのが数名おりました。
(日昆メンバーには勿論!協力してもらいました)
また数年後に未記録地を追加して補遺する予定なので、
協力頂ける事を今後の楽しみにしたいところです。
文献資料の収集
約10年の間コクワを集め、特に報文作成までの2年間はとにかく体を壊しかけるくらいコクワを採りに行きまくっていました。青森県全地域が対象なのでとにかく大変でした。
しかし、それとは別に大変だったのが、過去の文献の収集。
今回の報文では、単なる採集記録だけではなく文献記録も集めてまとめたのですが、ある意味こっちの方が大変だったかもしれません。
各種の調査報告書、昆虫雑誌、高校などの生物部誌に加え、自然関係の書籍も調べられるものを全て洗い、抽出作業を行ないました。
これは流石に、齢30程度の若造の手でどうにかなる事でなく、関係機関の協力を借りなければ形にする事ができませんでした。
何しろ、データベース検索や書籍目次でも、報文タイトルに「コクワガタ」なんて付いているものは稀有ですからね。珍品の場合だと「〇〇〇〇〇クワガタを△△△町にて発見」とか付いててすぐ見つかるんですが、普通種ですからね。
調査資料中で昆虫調査の項があればチェックし、目録にコクワガタの5文字が載っていないか隈なく探し、紀行文にもしれっと記述されている事もあるのでそこも読んでいきます。
で、その文献資料を探すにあたって、この時ほど青森市に住んでいて良かったと思う事はありません。
調べ事には図書館は必須ですが、青森市には
・青森県立図書館
・青森市民図書館
・青森県庁の県政情報センター
といった資料の海が在り、ちょっとした事でも直ぐ足を運べます。
また、県内各地へのアクセスもバランスよく、津軽地域へも南部地域へも遠すぎる事はありません。
その為、採集に行けない日やシーズンが終了した秋季には積極的に各地図書館へ足を運びました。ほぼ全ての休日を、春~夏はコクワ採集で、秋は県内各地の図書館へ行って潰していたので、他の事何にも出来ませんでしたね。憑りつかれているようでしたね。
憑りつかれるように通っていた各地図書館の中でも、
特に県立図書館には大変お世話になりましたね。
去年の10~12月の期間中はほとんど2日に1回くらいの頻度で行っては閉架蔵書を読んでましたから、司書の方々には「うわッ、またあの人来たよ・・・」と煙たがられていた事でしょう。
そんな感じで入り浸って閉館時刻までしょっちゅう居残っていたので、閉館10分前に流れるあの歌、すっかり耳に残ってしまいました。タイトルは何だ!? 歌い手は誰だ!? 気になってしまい今もモヤモヤしています。
市外では、特に八戸市立図書館、弘前市立図書館にはよくお世話になりました。
憑りつかれていただけあって、県内ほとんどの図書館には行きましたね。意外にも、郡部におけるマイナーな資料が地元の図書館・図書室に在った例は非常に少なく、目ぼしい資料は結局のところ県立かもしくは市部の図書館に集中していました。
また、見つからない資料は図書館・図書室だけではなく、自然関連の独立した施設や、時には役場へも問い合わせて調べました。
彼方此方回った事もあり、県内で刊行された調査資料の種類や場所を粗方把握できて大変タメになりました。
次回また調べ事があっても、資料の在り処に迷って右往左往せず済みそうです。
新型コロナウィルスの流行の最中でもありましたが、図書館が長期閉鎖する前に調べ事を済ませられたのは幸運でした。
(違うタイミングで閉館してたらこの報文詰んでた・・・)
そして、これら図書館等での資料収集に加えて、
周囲や県内で見つからない資料や書籍はお金を出して取り寄せたりもしました。
月刊むし600号の記事で言われているところの「商業誌・第1黄金時代」の古い書籍(戦前の昆虫雑誌)や、新版が出ているクワガタムシ大図鑑があるのにわざわざ旧大図鑑を買ったりと、対象がコクワガタ1種だとはにわかに信じ難いくらいには散財しました。しかも、見切り発車で購入した結果、今回の報文には参考にならなかった書籍も結構ありましたよ・・・
もともとそんなに自分は本棚のスペースが広いワケじゃないので、キャパシティをオーバーして買った本は案の定平積みになっています。どうしよう・・・
¥¥¥
資料を色々と購入したと云う話をしたので、最後にお金の話を。
・・・いや、お金の話なんてあんまりするもんではないんですが、
周りからあまりにこの話聞かれるのでこちらからも言わせてもらいたいのです。
何を聞かれるのかと云うと・・・
「こういうのを書くとさァ、結構¥儲かるんだろ??」
あのねぇ・・・
作家やライターと違って、学術誌や商業誌に論文を投稿して掲載するのには基本的に執筆側がお金を出したり経費を負担しなきゃいけないですからね。
これは自分みたいなアマチュアは勿論、本業の研究職や大学の教授も同様だと云う話を聞くと大概の人は驚くはずです。まぁ中には、依頼されて書いた際の謝礼をもらうケースもあるみたいですが。
自分の知るところに関しては、「掲載ページ数に上限を設けてそこまでは会員費で賄う」のが基本で、その上限を超えてしまうとページ数に応じて負担費用が加算されていくパターンです。
ここもそういうタイプで、
会員一人につき白黒10ページまで無料で、
・ページ超過
・カラーページ指定
で費用がその分加算されていくんですな。
で、今回に関しては、
・2編合わせて28ページ
・カラーページも計5ページ
・そして単著だから全ての費用は自分持ち
で、請求額は合計で6ケタ寸前。やっちまったなぁ!!
幹事の方から「大丈夫なのか!?」と心配された時は大丈夫ですよと強がったものの、正直ゲッソリです。(当初自分の試算した額よりずっと上回ってしまった事には驚きました)
少しでもこの費用を見繕おうとして、食費を削って昼飯を2週間ずっと1食100円のカップ焼きそばにすると云う愚挙に出た結果、1週間後には便通が悪くなり、2週間後には栄養失調からか口内炎が出来て止めました。
やきそばバゴォォォォンはもう見たくありません。
こういう話を書いた後でこの報文を読むと、「金がそんだけ掛かった割りには中身薄いよなぁ」と自嘲してしまうところですが、きちんと査読を通してボッコボコにされているので、ブログと違って別人のようなきちんとした文体で仕上がっていますし、最初のページの「県内人口上位6市産の標本写真」は個人的には有りそうで無いレイアウトだと感心しています(今になって思えばちゃんとそれぞれにデータ表記すればよかった)。
ちょうど今回の報文に使えそうな地図ソフトも持ち合わせていなかったので、久しぶりに手書きでトレースなんてしました。やはり久しぶりにこんなことすると想像してた完成形には程遠い出来上がりになるものですね。
他にも、ところどころ「書き方がちょっと・・・」と云う箇所はありますが、本誌を手に取る機会がある方におかれましては、目を通していただければ幸いです。
密かに、このコクワガタの項で普通種の記録の大事さについて熱く綴った直後、自分が書いた2つ目の報文が「ウスバカマキリ(青森県レッドデータブック Bランク)」
・・・なんて皮肉が効いていたりするのですが。
さて、お世話になった方々には別刷りを作って渡す予定ですが、
このタイミングでプリンターがぶっ壊れるまさかの事態に追いやられてしまいました。
一体どこまで俺の貯金を締め上げるつもりなんだ・・・
会長お疲れ様!
今年も感動と驚き溢れる採集年になりますように!楽しんでコー!
by 同級生D (2022-05-18 10:31)
同級生Dこんにちは!
あと1ヶ月でシーズン入りだものなぁー。準備がまだ済んでないから焦るね。
コクワも大方終わったんで、今年から動き方も心機一転して採集に行きたいところだね。何が採れるかな~?
by 会長 (2022-05-18 12:42)