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2022年増種 東のオレンジ [オキピタリスノコギリ (原名亜種)]

東北北部も梅雨入りの発表がありましたね。こんばんは、会長です。

書けるかどうか分からなかった、6月の飼育ネタ第2回目
増種に関しての内容なので、これを書かずにいると飼育種のブログ上での扱いに個人的な混乱をきたしてしまうので、兎にも角にも一度顔見せしておこうと云う理由です。


カテゴリー名に出ているように、オキピタリスが今回の主役です。

時を遡る事今年の2月半ば
青森がちょうど雪の中に埋まっていた時期です。
KIMG3531.JPG
無駄にどうでもいい写真↑↑の使い回しですが、
実は前回のタリアブ島産ドルサリスノコギリと一緒にオキピも買ってしまってたんですね。


KIMG3535.JPG
開梱直後。見ての通り、
・ドルサリス×1ペア
・オキピタリス×1ペア
これ以外は入っていません。

心配していた低温による死着も無く、郵便局留めで無事に手元に届きました。

(そういえばこの時、受け取りですったもんだがあって焦ったんだっけなぁ)





KIMG3539.JPG
オキピタリスノコギリ(原名亜種) タリアブ島

ドルサリスと同じく、普段流通に入ってこないスラ諸島タリアブ島産です。

去年秋にWILD生体が一般流通し、6,600円の価格がついた後に続々と入荷してきてじわじわと価格が下がってきたのはオキピファンの記憶には新しい事と思われます。

個人的にタリアブ産オキピに対しては、
去年入荷してきた時は「まさか来るとは!?」と驚いた記憶があります。
覚えている人は何人いるでしょうか・・・
――以前、日本人自力採集で名を馳せオオヒラタやダイスケギラファを国内にもたらしたT-TOP氏が自身のホームページにタリアブで見つけた55mmくらいのオキピ♂の写真を載せていた事を――
当時聞いた話では、色味は付近のスラウェシと比べても暗色気味で濃く、大型個体も多くいたと聞いた記憶があります。事実、ホームページに載っていた写真も横幅一杯にでかでかと大きく、写った♂個体も日焼けのような奇抜な体色で「これは欲しい!」と思いました。残念ながら、これが載ってから間もなく氏は活動を休止してしまいタリアブの生体を入手するには至りませんでしたが、その数年後にこれがやってきたワケです。

ただ正直、去年の初入荷の当時はシベルートオキピの累代終了間際のドタバタも記憶に新しかったので、「いや オキピからはしばらく距離を置こう」と指を咥えて見ているだけだったのですが、価格も通常の流通産地と同格にまで落ちてきたのでドルサリスついでに信念を曲げて買ってしまいました。

流通量を見ると、オキピっているところには沢山いるんだなぁと脱力してしまいます。
ここ1~2年で国内にもたらされた本種のWILD生体の流通産地は、自分が確認したものだけでも結構あります。多く見た順に以下に羅列してみますと、
・スラウェシ島
・ジャワ島
・カリマンタン(ボルネオ島)
・スマトラ島
・タリアブ島
・メンタワイ諸島(詳細はマル秘、と云う触れ込み)
・ペレン島
・マレー半島
・ルソン島
・カタンドゥアネス島
・ミンダナオ島
・サンギヘ島
少なくとも11の産地が入ってるんですねぇ・・・

この中には、新型コロナウィルスの世界的流行で一時入荷が途絶えてしまっていたフィリピンのものや(この期間を経験して、「あっフィリピンの虫ってなんやかんやで特別だったんだな」と再認識)、「オキピ以外主役級」の虫だらけとも言えるサンギヘ島(俺もギラファ欲しかった)、個人的には見たら切なくなってしまうメンタワイ(欲しかったけど、公式に詳細教えないってのが…)など、オキピただ1種とは思えないバラエティに富んだ特殊な?産地がいくつももたらされています。

その中でも個人的に取り上げたいのがペレン島産。
以前、このブログでも偽物がどうたらこうたらと書いた事がありましたが、その後また入荷があったようですね。しかし、このペレン島産オキピタリスと云うのはなにやら一癖あるみたいで、ペレン島内にオキピタリス系統のプロソポコイルスが2種いるのではないかと言われているようです。1種はスラウェシ本島と同じ形態の個体群で、もう1種は本種の亜種(通称:マサコオキピ)とされている特殊な形態の個体群。
島内には、これと似たような感じで島の東と西で別亜種のオオヒラタがいますし、なにやら同属のブルイジンノコギリにも形態に差がある個体が見られるとのことです。うーん・・・まだまだこの島には多くの秘密が眠っているようですね・・・


オキピ買っただけでこんなにタイピングが捗るとは思わず自分でも驚くところですが、肝心の生体を観察してみましょう。

KIMG3543.JPG
♂個体。40mmの中歯個体で、形状に産地的な特徴は見られません。
体色に関しては、やはり下馬評で言われていたようにスラウェシと比べてちょっと色が暗いです。色彩的にはスマトラ沖のシベルートやシムルゥの個体やフィリピンの原色っぽい方が好みですが、この産地もどうやら個体差があるようなので振り切ったヤツも見てみたいところ。

翅には黒いシミも目立つので、鮮度は良くないですね。


KIMG3546.JPG
そして♀個体。頭部の赤みは非常に強く、胸部から下もシムルゥのヒデオオキピのように濃いオレンジ色をしています(ただ、あちらと違って光沢は弱いです)


♂同様に、♀もいつ落ちるか分からないので早速セットを組みました。
オキピは基本的に材産みなので、コバシャ小にカットした砂埋め霊芝材をマットで半埋めにしてみました。




それから3ヶ月・・・



KIMG3869.JPG
なんとか産んでくれたようです。
「なんとか」・・・実は産んでくれたこの写真は2回目のセットの結果で、最初に組んだケースでは何故か無反応でした。
♀がハズレかとも考えましたが、一度セットを解体し、それまで横置きにして埋めていた霊芝材を試しに立てて埋めてみたらなんか産み始めましたねぇ。

ちょっとしたことで180度展開が変わるのは面白いモンです。
(勿論、この逆の展開だったら面白いもクソもないですが・・・)

KIMG3871.JPG
セット替えしたのが4月頃
割出したのは5月9日なのでほとんどが1令幼虫でした。

KIMG3873.JPG
割った材には縦横無尽に食痕が延び、ポロポロと幼虫がまろび出てきます。
SNS上ではタリアブ産の産卵に苦戦している人が多いようなので、そんな中できちんと採れたのは御の字です。失敗する方々の典型例が、小型ノコだと侮ってマット固詰めだけのパターンが多いんだとか。自分の場合、逆にドルサリスで材産み狙い失敗してるんで他人の事笑えません。

KIMG3875.JPG
中には、丸々太った3令幼虫に食われてしまった2令の亡骸も見つかりました。
(写真右の個体:3令♀幼虫、写真左の個体:食われて頭部のみになった2令)


結果、15頭ほどの幼虫を得る事ができました。

これらの幼虫を、
カンタケ菌床
カワラタケ菌床
を詰めたカップにそれぞれ半々くらいの割合で個別に移しました。






 「オキピだし菌床いけるっしょ~!」



 ↑↑これが良くなかった・・・




温室内に放置して約2週間経った頃・・・

育ち具合を見ようと幼虫の入ったカップを手に取ってみたところ、



カワラタケ勢、ほぼ全滅。




やっちまった――――!!!

カンタケの方は、生存に問題は無いみたいですが、
これまでの経験から考えれば絶対マットの方が成長率・成長速度も良かったなァ・・・



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