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青森県の販売水 [青森では・・・]

飼育している虫の世話で、幼虫が食べるマットの加水にはどんな水を使うでしょうか。

本などで昆虫飼育の手引きを読むと、
「水道水を一晩汲み置きして、カルキ(塩素)を抜いておきましょう」
などと書かれているものの、実際に飼育していて汲み置きしたかどうかの差が明確に現れた経験はこれまでのところはありません。また、これを検証した人もどのくらいいるのでしょう。


・・・この↑↑書き出しで始まると、
検証でもしそうな風ですが違います。
クワガタ飼育で水の違いを検証するなんて不可能に近い話です。


自分は10代の頃までは水道水を使っていたのですが、
ある頃からペットボトル入りで売られている飲用水を使うようになりました。
こうするのにはいくつかの判然としない根拠があり、

理由1.水道水に含まれるカルキ抜きが不要
理由2.水道水に含まれるその他の成分(給水管を通る時に溶けだした亜鉛など)が無い
理由3.ペットボトル飲用水はミネラル分などの成分が確認しやすい
理由4.ペットボトル飲用水の製品による効能の期待
理由5.金銭的に支出する事によって気構えを正す

こうした利点(?)でもって、成虫管理ケースのマット加水以外の場面ではまずペットボトル飲用水を使うようになりました。
・・・いや、意外と5番目の理由は真面目なんですよ。採集なんかと並行して飼育を続けていると、自分みたいなしっかりしてない人間はつい気を抜いて放置しがちなんですよ。そんな中で、「お金掛けてマット仕込んだ虫の世話を疎かにしちゃいけないな」と思うバックボーンが多ければ、それだけしっかり面倒見られると思うんですよ。根が不真面目な人間ですから・・・



さて、
今回は飼育検証ではないのですが、水についての記事です。

日本全国津々浦々、ペットボトル入り飲用水は各地で販売されています。
我が青森県でも、いくつもの製品を入手する事が出来ます。少し前の記事でも書きましたが、特に地元産のクワガタをブリードする時などは気分を高めるために意識的に地元の水を使っています。活力の源とも言って等しいものですから、「趣味の拘り方」としてはそれほどズレてはいないですよね。

今回は、その青森県産飲用水として今現在入手できるものを一同に紹介しようと云う内容です。
青森県産と言っても、小売りで手に入れるには販売地域が製品ごとに違い、「〇〇市の××センターに行かないと売られていない」みたいな物も有るので簡単に集められるものではありません。また、他サイトなどでは販売飲用水をアーカイブしたものが見られる所もありますが、現在売られているかを知るのは別問題です。
令和版・青森県産水図鑑と言ったところですか。


ところで、
紹介に入る前に、一般にペットボトル入りの飲用水は「ミネラルウォーター」と呼ばれています。
しかしこれは正確ではなく、製品表記の際にはJAS規格「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」により、4つに分類されています。

ナチュラルウォーター 特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの。
ナチュラル
ミネラルウォーター
ナチュラルウォーターのうち鉱化された地下水を原水としたもの。なお、この表記については任意のようです。

ちなみに、「鉱化された地下水」と云うのは、地表から浸透し、地下を移動中又は地下に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む)の事です。
ミネラルウォーター ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的等のためにミネラルの調整、ばっ気(水に酸素を送り込む作業)、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行われているもの。
飲用水
または
ボトルドウォーター
ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター及びミネラルウォーター以外のもの。
「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」より抜粋・編集


以上の内容から、本記事では便宜上「ペットボトル入り飲用水」と云う呼び方で話を進めていきます。


oirase.JPG
奥入瀬源流水
名称:ナチュラルミネラルウォーター
原材料名:水(鉱水)
採水地:青森県十和田市

青森県中南部・十和田市を流れる奥入瀬川、その周辺から採水したものから製造したものです。このラベルに印刷された内容の雰囲気から、あたかも奥入瀬渓流そのものの流水を汲み上げていそうにも見えますが、原材料の分類が示す通り「鉱水」=つまり地下水をポンプでくみ上げたものです。採水地は表記上は十和田市より下の地名はされていませんが、製造工場のある奥瀬栃久保近辺ですので、看板に偽り無しで安心安全・正真正銘の奥入瀬産※1)と言えます。
硬度も32と、国産としてはスタンダードな軟水で、周辺の観光施設・飲食店では同製品が積極的に使われているのだそうです。

通販以外の購入となると、自分が見た限りだと十和田市内の産直施設・道の駅・観光施設くらいでしか販売しているのを見かけません※2)。価格は、2000mlで200円台半ば~300円台。

ちなみに、個人的感想としては、今回掲載する製品の中ではラベルのデザインが一番好みです。
※1)実は、番地表記上「奥入瀬」と云う地名は存在しない。
※2)今回初めて買いましたが、買った場所は「渓流の駅おいらせ」です。

towadako.JPG
十和田湖美水
名称:ナチュラルミネラルウォーター
原材料名:水(鉱水)
採水地:青森県十和田市

前出の「奥入瀬源流水」と同じ十和田湖ふるさと活性化公社が製造していてラベルの水源表記が同じですが、こちらの採水地は十和田湖畔の宇樽部地区と云う事で、成分数値も少し違います。この水の特徴として、シリカ※3)が含まれています。美容や健康に気をつかう人には嬉しい軟水ですね、自分も虫に使わず普通に飲みました。

直販で購入できる場所は、やはり十和田市近辺のようにみられますが、こちらは「奥入瀬源流水」とは違い350mlサイズしかなく、シリカが売りの飲みきり用製品なのでしょう。虫の美容を気にする人はまとめ買いをオススメします。
※3)シリカ=ケイ素。爪・骨・関節の強度や肌質とか色々関係する。 テキトー

shirakami.JPG
白神山地の水(総称)
名称:ナチュラルウォーター
原材料名:水(湧水)
採水地:青森県鰺ヶ沢町(白神山地)

青森県が誇る、白神山地を水源とした天然水です。今昔含めて色々な製品が発売されていましたが、製造は全て同じ白神山美水館で成分も同じなので、総称して「白神山地の水」として紹介します。
この水の特徴は、湧水をろ過したものであり、一般によく売られているナチュラルミネラルウォーターとは原水の種類が違います。成分は後で表記しますが、鉱物質が溶け出したままの地下水をくみ上げた鉱水とは違って「純水」と呼んで差し支えない水で、飲用水としての硬度は驚異的な低さです。昔、テレビ番組でTOKIOの城島がラーメン作る原料としてわざわざ白神山地へ湧水汲みに行ってたのを興味深く観てましたが、他のテレビ番組とかだと散策中に湧き水を飲んで「あぁっ、ミネラルがすごく感じられますねぇ」などと意味の分からないコメントでお茶を濁す芸能人やリポーターが後を絶ちません。

入手については、県産水としては一番ポピュラーで各種観光施設はもちろんの事、各地域のスーパーで安価に手に入ります。容量も2000mlや500mlなど各種あります。全国流通していなさそうですので、青森土産としても有りなんじゃないかなぁと思いますよ。


tannaisakashita.JPG
丹内坂下 めぐみの水
名称:ナチュラルミネラルウォーター
原材料名:水(鉱水)
採水地:青森県むつ市

本州最北地域の下北半島、むつ市のお山として愛される釜臥山由来の水です。伏流水として麓の宇田町にある丹内坂(たんないざか)が採水地です。
同じナチュラルミネラルウォーターでも、十和田市水源の水よりも硬度が低いです。

購入に関しては、土産物屋や道の駅に限られますが、むつ市外の県内多方面で売られているのを見かけますので、直販で探してもそれほど難しくなく手に入れられるようです。ただし、見かけるのは500mlタイプばかりで2000mlの大容量はむつ市内でも見つける事はできませんでした。そっちの方は通販でないと買えないのかな・・・?
ちなみに500mlの直販価格は、むつ方面だと150~200円くらいですが、遠い津軽地方だと250円とかに設定されています。


hachinohe.JPG
三島のいずみ
名称:ボトルドウォーター
原材料名:水(三島浄水場・水道水)
採水地:青森県八戸市

八戸市の八戸圏域水道企業団から販売されている水道水3種。
その一つ目、三島のいずみですが、三島は昔から水源として有名で、町の発展に貢献してきた水らしいです。原水としているのは浅井戸で、ポンプ場で汲み上げて消毒処理をした水道水がボトリングされています。ここの水は石灰岩層を通っているので、硬度が高いと云う特徴があります。
蟹沢のめぐみ
名称:ボトルドウォーター
原材料名:水(蟹沢浄水場・水道水)
採水地:青森県八戸市

原水の汲み上げられる蟹沢地区は自然豊かな里山環境で、別名「がんじゃ」と呼ばれています。八戸市の上下水道発祥地でもあり、水道公園が整備されています。この水は湧水を原水としていますが、石灰岩層を通っているので三島と同じ様にミネラル分が多い(硬度が高い)のが特徴です。
白山のしずく
名称:ボトルドウォーター
原材料名:水(白山浄水場・水道水)
採水地:青森市八戸市

八戸市内で圧倒的に供給量が多いのが白山浄水場の水道水です。市内を流れる2大河川・馬淵川と新井田川を流れる水を原水としているのが特徴で、浄水行程も大きく異なると思われます。他の2つとどのくらい味が違うのか飲み比べてみたいところです。

この3種類の水は、いずれも500ml入りで直販では八戸市内のいくつかの観光施設や市場でのみ購入する事が出来ます※4)
※4)自分は八食センター内のサービスエイトで購入しました。


続いて、それぞれの成分について表にまとめてみました。
一般的に販売されているペットボトル入り飲用水で表記されるナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム等の成分や、軟水・硬水の判断に関わる硬度、水素イオン指数pH(ペーハー)を記載しました。
加えて、青森県産以外で一般に市販されている飲用水も比較参考として載せてみました。

◆製品毎の100mlあたりの栄養成分と、硬度とpH
種類
(mg)/100ml
※5)
pH
Na
Ca
Mg
K
他成分
硬度
奥入瀬源流水
0.81
0.75
0.33
0.10
-
約32
7.2
十和田湖美水
0.67
0.75
0.24
0.10
シリカ約5.2
約28
7.0
白神山地の水
-
0.005
0.005
-
-
0.2
6.6
丹内坂下めぐみの水
0.59
0.57
0.11
0.05
-
18.8
7.0
三島のいずみ※6)
-
-
-
-
-
162
7.8
蟹沢のめぐみ※6)
-
-
-
-
-
134
7.9
白山のしずく※6)
-
-
-
-
-
40
7.4
いろはす(岩手県)
1.0
0.4
0.4
0.07
-
27
-
南アルプスの天然水
0.4~1.0
0.6~1.5
0.1~0.3
0.1~0.5
-
30
7.0
日田天領水
2.2
0.96
0.19
0.84
シリカ0.9
32
8.3
クリスタルガイザー
1.13
0.64
0.54
0.13
バナジウム0.00055
38
-
エビアン
0.7
8.0
2.6
-
-
304
7.2
コントレックス
0.94
46.80
7.45
0.28
-
約1468
7.4
※5)(mg)/1000ml
※6)「水道水質データベース(給水栓水の水質 上水道事業 令和2年)」より抜粋

こうして見ると、やはり日本らしいと言うか、
軟水が豊富に供給されている事がよく分かりますし、白神山地の湧水の数値が面白いですよね。

実はこの他、青森県産の販売水では
・梵珠山
・浅虫温泉
などがかつて存在し、特殊な成分が入っている面白い商品でもあったのですが現在は製造を終了していて手に入りません。

今後新しい採水地が開発されるかは分かりませんが、水の豊富な青森県ですから色々な場所の水が発売されればさらに面白そうですね。
タグ:青森県 紹介
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