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クワガタの産卵飼育をしてみよう! [〆シカ (ツツイ亜種)]

ハハハ! 凄く分かりやすいというか虫ブログとしては違和感を感じるサブタイトルですね(笑)

ここまでベタだと逆に書いてる方が緊張しますわィ~
今日はちょっとクワガタ飼育入門者向けの内容でセット解説してみたいと思います。
(と言うのもいつもセッティングネタでやってると毎度同じ内容になっちゃうんでね…)



さてさてその前にちょっと気になる言いたい事。
今日の主役はダナン産のツツイですが、
最近ベトナムの『ダナン』ラベルのクワガタが『クァンナム省』ラベルに変わっていますよね?

どうやらダナンはクァンナム省と合併したとの事、めんどくさいですね。
実際の生体はダナンの外からダナンに集積して
一括で『ダナン産』で流通していたのかも知れませんが、
これまで日本で出回ったダナンラベルの表記は
『ベトナム・ダナン』もしくは『ベトナム・クァンナム省・ダナン』でOKなんでしょうかね。
だってよォ、ダナンって『市』ですよね?
ダナンって名前有効だとおもうんですよ。
例えば、青森市産のコクワが居たとして青森県が岩手県に吸収されても
そのコクワは「岩手県・青森市」産になるのと意味は変わらないんじゃないかと。

情報がよく入ってないので諸先輩方にとっては突っ込みどころ満載なんでしょうが、
最近すごく気になってたもんですから~。




ささっ、話は戻しましてセッティングのお話に。

いつもセットを組む際こうして記事にするんです…が~、
同じような感じの流れと内容でセットを組むだけの記事だと
諸先輩方からすりゃ「つまんね~記事[バッド(下向き矢印)]と感じ
初心者方からすりゃ「…よく分かんない[眠い(睡眠)]と思われるでしょう。

なんの世界にしてもプロと初心者(&素人)の間では感覚も知識も違いますから
どっちにもウケが良い内容の文なんて書けるワケが無いんですよ。
自分はプロでも初心者でもありませんから。 (また問題発言を…)



で、なんで今回こんな初心者講座みたいな記事を書こうかと思ったのは、
クワガタの累代飼育(いわゆるブリーディング)って凄く難しいんですよ!?

いやいや、アンタめっちゃクワガタやっとるやんけ とな?

だからこそ言わせて頂きたい。
それこそ昔は基本的には
オオクワ・コクワ・ノコギリ・ミヤマ・ヒラタ・カブトムシくらいしか有りませんでしたよ。
累代飼育も昔は一般普及してなかったし。

しかし今は状況は違います、
何百種類というクワガタ・カブトムシが生き虫で億単位で流通している世の中。
飼い方なんて基本を覚えてたって苦戦はします。

常温で飼っていると
孵化までの期間・蛹化成功率・羽化成功率・成熟期間・休眠期間・産卵 と
色々な場面でマニュアル通りにいったりいかなかったりします。

それに加え娯楽の種類が昔の何倍にも増えてきて
子供達は自然離れが進み生き物とは触れ合う場が激減し、
その結果生き物の扱いも慣れない人間がだんだんと増えていってる気もします。
だからこそクワガタやカブトムシを含め昆虫は皆生きているという事を
飼いながらでもいいから考え、感じてほしいワケです。

別に生き虫を目の前で見て「本物のヘラクレスオオカブトが生きてここにいる~!」
みたいな昔の昆虫少年みたいな反応はしなくても
「スゲっ、マジカッコいい~!」とか「ぉぉ~…………(無言でガン見)」とかでも全然イイんすよ。

言ってほしくないのが「ドンッ(ケースを叩く)  これ全然動かないじゃん。」とか言うパターン。
小3の頃コレを間近で見た時ははらわた煮えくりかえりましたね[むかっ(怒り)]


ま、そんな事をいつも胸に秘めているワケではありませんけどね~…
相手は生き物ですからどうしたって同じ結果に辿り着くワケが無いんですよ。
どんなに生き物を勉強したって1度や2度は飼育で大失敗こいていくんですよ。
マニュアル通り飼えば100%成功するなんてありえません、
飼育者のよく言う「簡単」なんてのは単なる確率論ですから
虫の累代に失敗したって次また頑張ればいいのですよ~




さっ、なんかホントに言いたい事がスポーンと忘れちまったので (忘れたのかい!)
早々にセット法に参りましょうか。

ま、おそらく手とり足とり説明します。
てゆ~か今回のセット法がシカクワガタ用なのでアレですが。
というかホントに初心者がこの記事見てるのか疑問ですが。


今回使用するのは
・コバエシャッター大
 飼育容器(虫かご)ですがコバエの侵入できないものを基本として使います。

・ハイパーくぬぎフレーク
 いわゆるマットです。ハッキリ言って「土」じゃないんで、ここ試験に出ます。

・プロゼリー
 言うまでもなく昆虫用ゼリーです。
 ゼリーなら何でもいいワケでもなく、食べないゼリーも存在するので注意ね。

・砂埋め霊芝材、ベトナム材
 産卵木です、種類もグレードも色々ですからよく勉強しましょう。




下処理として産卵木を水に浸けておきます。
大抵の場合木を寝かせて重しを乗せると思います。
細かい話になりますが、
木を立てて重しを乗せた方が繊維に沿ってキチンと水を均等に吸ってくれる気がしますが、
ここは大差ないでしょう(じゃ言うな!)

この後の処理は人それぞれですが、
自分は新聞紙で包んで余水をきります。
そのため自分は何時間浸けるとかの基準は無く、
重しをのけて水面から出ている部分がほとんど無いくらいまで沈んでいれば水から出します。

樹皮は剥きますが、剥くタイミングは水に浸けたあとに剥く方が簡単です。

水から出したあとは余水を飛ばすのですが、
一般的な児童書やムック本には
『1~2日ほど日陰に置いて余計な水分を飛ばします。』とか書いているんですが
俺はそんなめんどくさい事したことありませんな!
そりゃ~そんくらい干してたら水分量は丁度よくなるだろうけど
干してる間に雑菌ついたり雑虫ついたりするだろうし結局納得いかないと思うな…
で、俺はどうすんのかと言うと、新聞紙で巻いてちょっと放置するだけヨ~
新聞紙がビチョビチョになったら新しいのに替えてと云う事をやっとります。


下準備はこれでOK、さてこの間にマットの加水処理をしておきましょ~
初心者の皆さんはまず『土』ではなく『マット』と呼ぶように心掛けましょ~

まずマットに水を加えます
2010 06 28_1228.JPG
写真ではケース内で作業していますが、
終始ケース内で加水すると後々後悔するので別容器(バケツなど)で行う方が良いでしょう。

さて気になる水分量ですが、

これはハイパーくぬぎフレークに限った場合ですが
自分は一袋5ℓに対して800~900cc加えています
そして、メーカー説明や諸専門書には
『手に取って握ったときに水が浸み出てこない程度』と書いています。
ですが実際どのくらいかは分かり難いですよね、
実際に画像で見たいものですが探してみるとこれがまた見つからないんですよね(汗)

そんなワケで自分で撮ってみました! ↓↓

悪い例.jpg
いや~1次発酵マットなのでちょっと分かり辛いですね~(汗)
手で握ってと云うのがどのくらいの強さかと言うと、ギュッとかたく握る位までです。

水が多すぎると早々に劣化していくのでこれはとても重要です。
でもこのマットであればこのくらい加水しても意外と大丈夫なんですよネ…

ではどのくらいがベストなのか?  それはこちらをご覧下さい ↓↓

理想の水分量.JPG
握ったあと手を開いてみて、出来た塊を左右に揺らしてみて下さい。
それで形が崩れなければ丁度いい感じ♪
ただ、上記の場合は2次発酵マット(黒っぽいヤツ)などの粘り気があるヤツのパターンで
今回のマットは1次発酵でしかも無添加なので、
粘り気がゼロのため思いっきり握っても塊にはならず画像のように2つに割れてしまいます。



ではではお次はいよいよケースにマットと材(木)を入れていきます。

ベトナム材.JPG
ベトナム材、サイズはLLです。


霊芝ハーフ.JPG
砂埋め霊芝材です、縦割りのハーフです。


他のブリーダーさんはどうやってんのか分かりませんが
ウチの場合↓↓の画像のように大きく3段階に分けて入れます。

セッティング図.jpg


① 下地のマットを堅く詰める

 一番下に入れるワケですが、ここでのポイントはギッチリと堅詰めすることです。
 入れる深さですが、マット産みの傾向が強いのであれば深くしますし、
 産卵木をこの後入れても支障ない程度にしてくださいな。

② 材を固定できる程度のマットと材を入れる

 マットをそこそこ入れてその次に材(木)を入れます。
 ここでマットを沢山入れてもいいんでしょうが、
 次に材を入れて埋めこんでる時にケースからマットがこぼれると嫌なので。
 先に材を入れてしまうと、ケースの大きさによりますが
 キチンとマットが隅まで詰め込めず赤枠の部分がスカスカになります。
 このような空間があると、カビが生え易くなってしまうので気を付けましょ~
 木を入れた後はモチロンしっかりとマットを詰めこんでくだせぇ。
2010 06 28_1233.JPG
 こんな感じになります。

③ マットを全て足す

 後は全部注ぎこめ! そして固めろ!
 一番上の表層部1~2cmくらいは堅詰めしてもしなくてもいいんですがね。
2010 06 28_1234.JPG

さて、あとは食べるかどうか分かりませんがゼリーを入れます。
ここでちょっと細か過ぎてどうでもいい話…
ゼリー.JPG
ゼリーのフタを取ってそのまま地面に置くのと半分に切って置くのとでは
ゼリーの表面積と構造面が変わります。
半分に切った方が歩いている♀も気付きやすいかも知れませんし
どの方向からでも食べる事が出来ます。

そこまで神経質に考えなくてもいいですけどね…






そして、産卵セットとは別にペアリングケースもついでに紹介します。

産ませる前には大事な交尾をさせなければいけませんね。
野外品なら交尾済みでしょうが、どちらにしろ交尾させるなら慎重にいきましょう。
♂が穏やかな種類は♂♀一緒にするだけで即ヤリなんですが、
♂が凶暴だったりパニクりやすい種類は
一つ間違えば♀にハサミギロチン(by ポケモン)かましますからねぇ~
モチロン、『いちげき ひっさつ!』なんてオチになりますし、
殺されはしなくても怯えて逃げられてしまうので面倒です。

中には「産卵セットに♂♀入れちゃえばオッケ~じゃないの?」と言う方もいるでしょう。
それでもいいんですが、産卵セットはマットも深く入れるでしょうし面積も広くとります。
互いに出会う確率も低くなりますし、マットに潜っていってしまっては元も子もないですよね。

と云うワケでペアリング用にケースを作ります。
使う容器は虫が動きやすい程度には広く、尚且つ広過ぎないくらいの容器を選びます。
あと、♂のアゴが長い種類だと♀が飼育ケースの四隅に居る時
アゴが邪魔になって♀に迫れなくなる事がありますので、
そういった事が考えられる場合、筒状の容器(ボトルなど)を使うのもアリです。

マットは強い臭いがしないものなら何でもいいでしょうね。
ミズゴケとか針葉樹マットはよくなさそうな気がします、気がするだけです。
入れる量は、1~2cmくらいで。

マットの上には足場として木片を散りばめます。
実際木片は入れる必要無いかな~? なんて思ってましたが、
♂が♀を抱え込む時、脚が何も掴むことが出来ず空回りして
横倒れして体位がグチャグチャになれば厄介なことになるのでやはり必要なようです。
木片やマットの代わりに湿らせたティッシュを敷いても足場として機能しそうです。
                                 交尾だけに… (最悪な下ネタだな…)

さてさて一番大事な、交尾の足掛かりとなる場所として
ゼリーを置きます。
これが重要で、縦にカットしたものを1個だけ、壁の近くを避けて置いて下さい。
このような置き方をするのはお察しの通り、♂がえさ場を軸に動きやすくするためです。


セッティングが完了したら次はいよいよクワガタを入れるのですが、
もちろんここは全部が上手くいくワケじゃないので気を付けて観察しましょう。

まず先にをゼリー近くに投入します(又は口をゼリーに付けます)。
空腹状態であればエサに口が付いた途端警戒心を解いて夢中でかぶりつきます。

次にいよいよ問題のを投入します。
♀殺しは結構いろいろな種類でありますが
まぁ代表的なヤツを挙げるならヒラタ・フタマタですかね、
シカも結構♀を殺すと言われていますが成熟していればあとは扱いようだと思います。

♂を掴むとまずこんな感じで戦闘態勢に入ると思います↓↓
2010 06 29_1239.JPG
アゴも脚もガッパと開いてます。
この状態のまま♀の近くに置くと、♀に触れた瞬間事件が起きます
                           (いやそ~ゆ~意味じゃなくて…)
殺されますね、瞬殺です。
なので、入れるときどこに置くかと云うとゼリーをはさんで♀の反対側です。
反対側と言ってもゼリーに直に近づけたりはせずゼリーから少し離れた場所に、
ゼリーの方に頭が向いた方向で置きます。

後は刺激しないように明るさを調節してもいいですね。
ケースに触るのはもちろんご法度です!
♂はその内警戒心を解いて頭を下げ触角を動かし移動し始めます、
すぐにゼリーにありつき触角又は口ひげがゼリーに触れますね~
この時また興奮して攻撃態勢に入っても直接♀が致命傷を受ける事は回避できます。

♂も無事エサを食べ始めれば次のステップに入ります。
この後少しずつ♂♀が食べるポジションを変えその内♂が♀に気付きます。
♂はこの瞬間ビクッ!と反応したりします。
上手くいけばそのまま近づき口ひげで♀に触れる行動に入ります、グルーミングってヤツです。

後はもう♀が拒否しなければ交尾体制にはいります。
ここで爪がどこか足場に掛かっていないと転がってグチャグチャになります。
つまりふりだしに戻ります…

交尾が無事成功したらそれでもうOKですが、
♂が♀に寄り添う行動(メイトガードと言います)をするクワガタなら
そのまま一晩~2日くらい一緒にさせておきます。シカクワとかホソアカとか。
この間にさらに何度か交尾を繰り返してくれるので種付けは確実なものになります。

ペアリング中.JPG
これがペアリング中の風景、と言うか今まさに交尾中の状況です。
このペアはキッチリ成熟しているだけあって
1日経ったらゼリーが丸々無くなっていました。


ペアリングが済んだらようやく産卵セットに投入します。
交尾した事をちゃんと自覚している♀は
体力をつけ栄養分を補充するためにかなり食べます。
エサを十分に摂らないと潜らなかったりするので
そこは気をつけましょう。
♀投入.JPG
後はフタをして完了ですが地上で転倒してひっくり返ったまま死ぬことが無いように
転倒防止材をいれておくと良いでしょうな。
今回のツツイシカの場合はすぐ潜っていってくれるだろうと思ったので
何も入れませんでしたが予想通り地上を歩きまわる事なく
思う存分食った後すぐ潜っていきました。


ラベルは書こう!.JPG
ここで初心者の方は忘れがちなのですが、
データラベルは必ず書いてケースに貼っておきましょう。
書いておくべき内容ですが、
1、種類名
2、産地
3、累代数
4、セットの日付
この4つは最低限書いときましょうか。


さて、セットに関してはもう大丈夫でしょう!
あとはその後の管理次第、
ただし相手は生き物です。
数学じゃないという事を理解して下さいね~




              はァ…疲れた…こういう記事そうそう簡単に書けるもんじゃないッスよ…

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