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ヒメオオビギナー自力採集 [日昆 採集記 【2011年】]

先日、念願のヒメオオ♂をルッキングで初採集することに成功したのですが
実は、自分の中ではこれは100%満足出来た内容ではありませんでした……


それはべつに、
[もっと大きなサイズが採りたかった]とか、
[もっと沢山採りたかった]とかそういう物欲的な意味ではないんです。



つまり何が満足には足りないのかと云うと、
たった一つ。

《採った場所が、人から教わったポイントである》
                                           と云う事なんです。


これは見る人から見れば随分と贅沢な話であり
ほんの些細な事だとも思われるかもしれませんが、
とある採集家の一文を借りると、
過去にデータがあって聞けば知ることの出来る場所で採集する『自己採集』じゃなく
自分で場所を探して採れる木を探して全て自分の力で採る『自力採集』が目標なんです。

オオクワとかなら自力採集はかなり難しいですが
ヒメオオはまだ難易度は易しいはずなので
せめてこっちは成し遂げたいと思っているんです。

とは言え、ここ数年ヒメオオの苦手意識があり、
あちこちで「採れてる」と云う情報を聞くたびに
「はァ!? 何でそんなに簡単に採れるんずヤ!?」と耳を目を疑っています。
まぁ確かに青森は全国的にはヒメオオの多産地だけど。まあ福島や岐阜程じゃないけども
ヒメオオの気配にまるで掠る気もしなくてホントに手の届かない虫の気がします。

今まで自力採集してきた「マグソ」や「マダラ」もほんとに
見つけた瞬間は「おォ・・・・・ぉおおおおおおお!!!!!」と大興奮したけど、
ヒメオオはそれらと違って「大型種」
見つけたらそれは嬉しいだろうなあ。



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そんなワケでこれまでの心情をたらたらと書いてみましたが、
よくよく今年の採集記を振り返ってみると、今年はオオクワ自力採集に傾き過ぎて
ほとんど他のクワガタ採集が出来ておらず結果的にあまりクワガタを採っていませんでした。

そしてこの10月も終わりになった現在、果たして今年は採集記をあまり書いてませんでした。


・・・だったら別にいいかな。
と云う事で、何も採れなくて単なる徒労に終わった話でも書いてみるかな[もうやだ~(悲しい顔)]
そんなつもりで、今回の採集記の始まりとします。



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   10月2X日

先日のヒメオオもまだ酢エチで〆ずにいたこの日、
自力採集にまだ夢を抱いていた自分は県内某所へ行く機会があり
それにともない地図帳を使ってどこかヒメオオやツヤハダが採れそうな山はなかろうかと
ここだろうかと目星を付けて、
車に自転車を積み、荷物を載せ朝自宅を出発した。


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時刻は確か9時50分ごろ

某市町村に到着し、車を停めここから自転車で目的の地を目指すことに。
荷物はリュックサックに
・温度計
・ストックケース
・ノギス
・豚革手袋
・懐中電灯
・筆記用具
双眼鏡
弁当&スポーツドリンク(500ml)
・地図帳

を詰めて自転車の前カゴに入れる。



実は、ヒメオオやツヤハダを探しに行くと言った手前
自転車がMTBなど山を走るための物ではなく、
錆が回り始めたママチャリなのである。

唯一助けと言えるのは3段変速が付いているという事であろう。



チャリで走るこの周辺地域は、今までクワガタを探しに来たことも無い場所で
正直言って土地勘も無い。
初めて来た土地かと言えばそれは嘘になるが、
これまでオオクワやヒメオオ、その他クワガタを探して回った八甲田山系樹林
白神山地系樹林とは無関係の地域であるため、
樹相も分からないし何も手掛かりが無い。この時点で既にお門違いである。

地図帳とケータイの地図アプリで現在位置と道順を確認しながら、
林道の入口を探していく。




地図帳と地図アプリの表示する道の誤差にやや不安をあおられながらも
おそらくここではないかと云う道を見つけた。

ここから砂利道である。
ちょっとの登り傾斜でもうこげなくなり、
徒歩も交えて道なりに進む。

林道の標識が立っており、終点までの距離が書かれている。

周囲はとある理由から非常に広く森が切り開かれており
道の脇に生えている樹木以外はほとんど芝生が広がっている。

少々道に分岐があり
「アッ!!! こっちじゃねぇ[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)] 道間違えた!」
などと云う小ボケも時折交えつついよいよ目的の林道の入り口へ到着。

ここから地図上では一本道である。




切り開かれていた先ほどの景色とは違ってここからは通常の林になる。

砂利道のせいでほとんどチャリ走行が困難になる…
少しずつ傾斜も登り調子になりここのところの雨もあってか足もとがグチョグチョである。

2011 10 22_2315.JPG
ぬかるみ・濡れた落ち葉の絨毯・石の転がる道と、様々な顔を見せる林道。
流石に、
泥沼状態
尖った10cm四方の石が敷き詰められている
自然に出来た深い排水路が縦横無尽に道を掘り進んでいる
とまでの険しい道ではないものの
ママチャリを苦しめるには十分だった。

そこそこ進んだところで、
大小の赤枯れ材が倒木・切り株問わずあちこちに見られるようになった。

じゃぁそろそろここらでやるかな、と鉈を取り出し
材を叩いてみた。
しかし毎回使っていて思うが、使い辛いことこの上ない
そこらのホームセンターで売っているような小型のより一回り二回り大きな鉈であり、
元々薪割りに使っていた年季の入った重い鉈である。

おまけにだいぶ刃を研ぐのを怠けていたせいで、全く食い込まない。

まだ林道は先に伸びているのに、これをずっと続けていたら
ほとんど歩かないまま日が暮れてしまう。
そう思った自分は、ツヤハダは今日は諦めることにして鉈をしまう事に。

ここから目標をヒメオオ一本に絞ることにした。



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樹相は悪い。
杉が植わっている上、松林も混ざっており
奥入瀬や白神に比べると当たり前だが広葉樹の割合は低く、
林道の左手は8~9割が針葉樹、右手にブナを少し交えて広葉樹が広がる。

首から下げた双眼鏡であらゆる木を見ていくが
ヒメオオなどと知らぬ存ぜぬと言うようにその痕跡は付いていない。

特に、初心者に優しいヤナギが見つからない。
たまに生えていてもほとんどがハズレの木である。


そう、これはもう完全にいつものボウズパターンである。
この時点で自分は、のどの渇きと戦いながら帰るまで500mlしかない水分を
どういったペース配分で摂るか、と云う事しか考えていない。


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足にだいぶ疲労が蓄積してきた。
しかし今年から始めた採集方法や山籠り採集のおかげでかなり鍛えられたため、
自転車を押してうんたらkm緩やかな林道を登ってもまだへたり込む程まではバテていない。

と云うより、この時点で肉体的な疲労よりは
ヒメオオに手が届かない絶望的な虚無感と何してんだろ自分・・・と云う自己嫌悪の方が強い。






しかし精神的な疲弊が増していったその時、
遂に目の前に理想的なヤナギが現れた ! !

下草も茂らず状態や樹種もヒメオオ向き、陽も当たりやすい場所で
正に『ヒメオオが居るならここに居ないとおかしい』場所だ。


注意深く見ていくと………










無い。

何も無い。ヒメオオ自体もそうだが噛み痕すら無い綺麗なままの樹肌だった。


居ないのだろう。この一帯には。

もう少し先へ行くことにすら躊躇しだし、
ほとんど無心と虚脱感の塊となった自分は少し進んだ林道の脇で
弁当を開けることにした。


2個の握り飯をほおばっていたこの時に、
『食い終わったら下山するか』と考えたのだった。






》》無駄骨と徒労に終わるいつもの採集の終了まであと少し…


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