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~初めてこのブログに来られた方へ~
当ブログにご訪問頂きましてまことにありがとうございます。

長年、記事編集のブラウザにInternet Explorerを使用していたことで気付きませんでしたが
Google Chromeなど一部のブラウザで画像が回転して表示されております。
時間を見つけて修正しています。お見苦しい記事も少なくない点、予めご了承ください…

オセロか…? [オキピタリスノコギリ (原名亜種)]

6月になって初の記事。
前回の記事から随分間が空いてしまったという事でかなり焦っている会長です。


さて久方振りの更新は、
微妙に復活の意味合いも含め今回は増種ネタです。



これは何年も昔から手にしてみたかった、けど
入手するタイミングがなかなかうまくかみ合わなかったので
たいして値が張る虫ではなかったのですが
今の今までここに出てくる事はありませんでした。


先日の土曜日、期待と期待に胸を膨らませ荷物を受け取りました。
CA3I0851.JPG
今年に入って初飼育になる種類はツヤハダに次いで2種類目ですが
購入した虫・外国産の虫で数えれば今年初めてになりますか…

年々下手にあちこちに手を出して挑戦しなくなってきたなぁ…




梱包を解いてさぁお目見えです。






オキピタリス原名亜種♂.JPG
オキピタリスノコギリ





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えッ?

うんまぁ居ますよオキピ自体は居ますよ。

ただこちらは現行のシムルゥ島のヒデオ亜種ではなく
フィリピン・ルソン島ケソン州ジェネラルナカール原名亜種
フィリピン産が欲しかったんですよ!

前々から、方々でオキピタリスの写真を見ていると
インドネシア各島のものより色が濃く黄色が原色っぽく
さらに大きいサイズで羽化してくると云う事で見てみたくて見てみたくて
しょうがなかったんですよ(笑)
(全地域の個体を見ていないので言い切ることはできませんけど…)



46mm
CA3I0852.JPG
CA3I0854.JPG

ボルネオ産のように体色は明るいが色自体が淡くなるワケではなく、
黄色を通り越してレモン色と呼ぶ方がいいかもしれない印象を受けます。

腹側もエキゾチックな模様で骨が透けてるように見えて…ちょっと…なんか…かっけー……


26mm
オキピタリス原名亜種♀.JPG
CA3I0856.JPG

♀は光沢が強くてなんか惹かれますね(個人的に)。

オキピのブリードでは度々注目される、と言われたり言われなかったりするんですが、
♀の模様に個体差がありそれがまあまあ遺伝性を持っている可能性があります。

♀の前胸背の黒点模様上翅会合部をはしる黒い帯部分は、
個体によって大きくなったり小さくなったり、
もしくは広くなったり狭くなったりするようで
特に上翅の帯についてはフィリピンでは一部の島では帯の広さが違うとか説明されたり
しているようですが自分としては、違いは島毎に大同小異でもあるかもしれませんが
個体差で片づける事が出来るのではないかと思います。

自分は黒い模様が広い個体の方が好きなのですが
入手した♀は黒い帯が狭い方なので血によって受け継がれるとしたら
次世代で期待する色味が出てくれるか望みが薄いですが、
沢山の個体をブリードすれば何か答えが出てくるかもしれません。



さて、
WILDなので早々に産卵セットを組むことにしました。
CA3I0867.JPG
オキピは材に産ませた方が確実性があるので
爆産種と云えども気は抜かずに2本柔らかめの材を入念にガス抜きしたくわMatに埋めます。
数年越しで遂に手に入れたのでついつい力んでしまいます。
(でも緊張感を持ってやり続けるのがこの趣味では大事なんですよね)

CA3I0868.JPG
♂も大歯で中々大きいので、
♀殺しが起きないようにグルーガンで大腮を固めて♀と一緒にセットに投入して
ペアリングも兼ねる事にしました。




  ~最後に~


せっかく別亜種が居るので並べてみました。

CA3I0859.JPGCA3I0860.JPG

CA3I0858.JPGCA3I0857.JPG
左:ヒデオ亜種  右:原名亜種





多分、右のヤツをオーブンでこんがり焼いたら左のになるんだろうな…




        新しく入荷した在庫  1種類
        ブログに載せた在庫 73種類
             全ての在庫 41種類

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第2回 マグソ…大会? [日昆 採集記 【2012年】]

前回からまた1週間以上空いてしまった…

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まず最初に、追記として
2012/5/11の記事で紹介したエラフスが脱出した、
飼育材の中身を検した様子を更新しておきました。


     ⇒ 2012/5/11『王様へのステップ?』

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さて今週の日曜日、
ファーブルハウス周年祭最終日に行ってきました。

虫とはかかわりのない自分の友人・知人から口々に、
「あの店いつも締まってない?」
「あの店って、人来るの?」
と、辛辣な質問が飛んでくるので

3周年祝いに『営業中』の大きなプレートを持っていこうかと思いましたが、
イイのが見つからなかったので結局手ぶらでした。
(持っていっても使ってくれなそう…)

店内では備え付けの椅子を全て使っての座談会となっていました。

普段のカブクワ関連のみならず
昆虫各分野の幅広い話は非常に新鮮でした。
ただ、最近ホントに頭が回らず全然話のネタが出てこなかったのが
自分の中では悔いが残ります。
(原因は分かってるんです…これからもしばらくこの調子なんだろうか…)

本当はNo.2も連れてこようかと誘ったんですが、
あまり虫が深く語れない分居た堪れなくなると思ったのかキャンセルされました[たらーっ(汗)]


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さて今週、毎年恒例の春のクワガタ採集に行ってきました。

当初は6月に入ってすぐにいくつもりだったんですが
メンバーの都合が折り合わず予定を合わせていたら
FH鈴木さんから「ちょっと少なくなってきてるように感じるから急いだ方がいいかも」と聞き
半ば見切り発車で採集当日を迎える事になりました。


今回の採集ですが、
この時期と云う事でターゲットは勿論?マグソクワガタです。

今年は大雪・嵐の影響で発生木周辺の景色が変貌、
木々がなぎ倒され採集しづらくなってしまっていますが
それでも採集はできます…


………………………………


ポイントに到着。

梅雨前でハラハラしていたのですがいい天気、快晴だ[ぴかぴか(新しい)]

No.2 「いや快晴ではないな、薄ら雲かかって空が白いヤ」

No.6 「もっと青い時はこれでもかってくらい青いな」

取りあえずマグソが飛ぶには打ってつけの天気だ。

ただし一つ欲を言えば、もうちょっと風が弱まってほしくはあったんですが。


上陸後早速足元を観察してみる。

時刻はもうそろそろ午前11:30になろうとしていて
去年までの観察経験でいえばパッと見ただけで
結構な量がブンブン飛んでいるのが分かるのですが
風が少々強いせいか全然飛んでいる個体が見られない。

まさか発生が終わってしまったのか[あせあせ(飛び散る汗)]
と数分ウロウロして心配してきた頃、






CA3I0888.JPG
おッ!!!!! いた!!!!!!


いきなりを捕まえた。

やはり1頭目を見つけると、どんなに後で沢山採れようが嬉しくなりますね。

そしてしばらく探していると



CA3I0889.JPG
も発見。

風が強いせいで飛んでいる個体がおらず皆地上でスタンバイしている状態です。


No.2・No.6も採集を開始する。

今回きちんとしたマグソ採集が初めてのNo.6も
最初は全然見つけられずだったのですが
次第に少しずつ地上に止まっている個体を探せるようになっていってるようです。

CA3I0890.JPG
こうやって地面に留まっているのを地道に摘まみ採っていきます。

本当はブンブン飛んでる個体をスウィーピングで採るのが楽しいんですが…[たらーっ(汗)]


No.6が「これか?」と手のひらに載せたゴミムシダマシを見せてくるので、
同じく間違えているNo.2と共に
マグソクワガタとの見分け方を説明していきます。

No.2 「まぁ見つけたモン全部とっときゃいいべ[るんるん]

  …そう云う意識は採集屋としては素晴らしいんだがなぁ…(苦笑)



CA3I0892.JPG
採集開始から約20分経過したNo.2の容器。

このくらい時間が経っていればNo.2の力量であれば
50頭以上はもう既に採っていていいのですが、
この画像の通りあまり数が多くありません。
(しかもゴミムシダマシやゾウムシが紛れてるし[たらーっ(汗)]

やはり木々が倒れて林が荒れてしまい採集しづらくなったことと、
発生ピークが過ぎて個体数が減ってきているのでしょう。
このポイントでは5月の4週目を迎えてから発生しだすのですが、
発生が終了する時期はあまり分かっていません。
完全に見られなくなる時期や成虫の寿命が飼育下では1ヶ月ほどと云う事を考えると、
7月に入る前には終了するのでしょう。
ちょうど専門誌で書かれている発生時期に収まります。


マグソを探しつつ、他の虫の観察もしています。


CA3I0893.JPG
クロヤマアリに襲われるアカネカミキリ
かなり抵抗していましたが満身創痍で最終的にお持ち帰りされました。


CA3I0894.JPG
オトシブミの揺籃
成虫の発生は終わったのか、揺籃は沢山見かけました。


CA3I0901.JPG
ニホンカワトンボ
採集後一日の間部屋で放し飼いにしてました(その後放しました)。




CA3I0895.JPG
♂も♀に辿り着くようになってきました。
これ↑↑は交尾に至るマグソ、時刻にして正午のあたりです。

だいぶ採れてきたのに反比例して飽きがまわってきたのか

CA3I0896.JPG

CA3I0897.JPG

CA3I0899.JPG
No.2・No.6の興味が次第に別の方向に向かっていったようで。

なぜかこの2人、
些細なものから「遊び」を生み出し楽しむ天才なんですよ。
自分にしてみれば、
「そんなに虫採りに興味は無いのかね…?」と遠くを見つめたくなる気分にはなりますが[たらーっ(汗)]


さて、一通り皆で遊んだところで(←オメーも遊んでんじゃねーか[パンチ]
採集結果です。

CA3I0898.JPG
数は数えていませんが、40頭ほどだと思います。

この時期採ってみて感じたのは、
♂が非常に減っているという事でした。

6月初めなら♂だけで3桁は数時間の間に採れるのですが、
今回それと比較して採れなかったのは環境の変化や風の発生などいくつかありますが、
やはり時期的なところが要因として一番大きかったと思います。

ただ、♀に関しては♂より生命力が勝っているだけあって
観察できた数に陰りは感じませんでした。
今回30分ほどの採集時間で10頭ほど採れました。
しかし、死んでいるものや脚が欠けた個体も少し居たため
発生終了までは時間も永くはなさそうです。


採集した♂と♀(No.2採集)
♂の機敏さに比べ、♀は動きが緩慢なのが見て分かります。
♂の見ていて清々しい動きも癒されますが、
♀もこれはこれで短い脚でのこのこ歩く姿も可愛らしいです(笑)


採集した個体は標本にするものだけ残し、後はリリースしました。
これでひとまずノルマはクリアかな…




最後に恒例の記念写真。
CA3I0900.JPG

2012年マグソ採集・END



〉〉 おまけの小ネタ


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赤い二又 [〆メルキオリティスフタマタ]

季節的に珍しい台風4号、激しかったですね。
台風がほとんど来ないのが本州最北端・青森の唯一地理的に嬉しい所なのですが
昨夜はそれでも県下でも強い風雨にさらされていました。

自分も激しい嵐の中、身を竦めて………………………いませんでした(汗)

枝葉が舞い狂う中友達と深夜、真っ暗な山の中で水鉄砲で撃ち合いをしておりました(笑)


さて、メインの虫ですが、
更新頻度の悪さとは裏腹にネタだけは溜まっているんですね。
あとは文章がまとまって画像を撮ればどんどん更新できるんですが、
特に文章の方が止まります(汗)

と、こんなこと毎回愚痴ってもしょうがないのですが、

ようやく廃米を処理した成果が表れてきたのか
最近コクゾウムシをほとんど見る事が無くなってきました。
そんな今日この頃…



色々とビン越しに活動を始めるもの・羽化するもの
出てきてきおりますが、


やっと変化があったこのクワガタ。


CA3I0887.JPG
ビンを見たらいきなり目に飛び込んできた赤い体。
フタを開けると、幼虫投入穴から直にその頭部が現れました。
蛹室を作るのが下手だったのか、マットを出してみると
蛹室と云うより、坑道の中で蛹化したと言った方が合っているみたいです。


そんなクワガタの名前は…

メルキオリティスフタマタ♂.JPG
メルキオリティスフタマタ

最近ブリード面ではしっかり苦手意識が生まれてしまったフタマタ系の一種です。
ただ、きっとほとんどの方は(そして俺も)こう思ったはず。

「本土ノコギリの中歯かコレ??」


CA3I0905.JPG
綺麗な上翅の光沢の下に潜む美しい

黒一色が多い同属の中、こうした体色だと見た目の印象が強く残ります。

CA3I0903.JPG
裏はよく赤みが出ていて、全身赤いせいで
最初にビンの中の個体を見たとき「テネラルか?」と思ったほど。
エサ(ゼリー)を与えると完食することからこれでちゃんと成熟しているんですね。

さてサイズは…

CA3I0906.JPG
こんなん。
さながら孫悟空と釈迦の指のようなこの小ささ。

数値にして55mm
初めて羽化させたものでなければ何とも味気ないしょっぱいサイズです(汗)

近縁種でもあるムニスゼッチと共に無添加発酵マットで
去年の夏から飼育していました。
エサが幼虫の体質に合わせにくいイメージがあったので
安全策として無添加なものを選んだんですが…

無添加なので幼虫が死んだり拒食になる事はありませんでしたが
同時に成長が遅くなり体重も増えなくなりました[たらーっ(汗)]
全く大きくならなかったので成長が止まってんのかと思ったほどです。



メルキオリティスフタマタ♀.JPG
また、同時に♀も出てきました。
♀は♂と違い真っ黒で面白味はありませんが、
後食もしていてペアリングもタイミングが合わせられるので、
ブリードに挑戦してみたいと思います。


今のところ、フォルスター・ダビソンと悉く累代停止の洗礼を受けているんですが…


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ファブリースノコギリ比較見討 ~原名亜種とタカクワ亜種~ [〆ファブリースノコギリ (原名亜種)]

前々からやってみたかった記事でしたが、
いざ文章を考えてみると意外に言葉が出てこず懊悩だったので
今まで呑んでいた内容です。

と云うワケで、今回は

「ファブリース2亜種の外見上の特徴」に焦点をあててみようと思います。


ネットで色々と情報収集していると、
どのジャンルの虫もそうですが同定間違いがあります。
またこのクワガタについて言えば
原名亜種とタカクワ亜種で人気度や流通価格の違いから
販売元がデータを詐称する事があります。
最近は販売元が産地(亜種)を偽って販売する事はほとんどありませんが、
過去に詐称個体を入手して知らず知らずの内に第3者に譲渡・販売する事が
起きるようになっているのではと思います。
自分も本種をブリードしているので
ネットショップやオークションで本種を眺めたりするのですが、
たまに「本当にこれタカクワか!?」と眉をひそめる事がありました。

ファブリースの原名亜種とタカクワ亜種なら、
他にもあるこうした亜種・近似種詐称の中でも見分けがつきやすい種類の虫では…
と、安易に考え記事を書こうと思ったのですが…


早速比較してみましょう。
因みに、このクワガタは同じ亜種でも島毎に傾向が偏るようなので
それぞれ最も流通が多い産地、
原名亜種はペレン島
タカクワ亜種はタリアブ島
のものを中心に考察していこうと思います。

まずはから。

CA3I0739-20137kai.jpg今年の春に羽化した原名亜種♂で一番大きいものを、比較検討個体としてこのビンから取り出しました。


羽化直前までは「7cmいけるんじゃないかな~」などと淡い期待を抱いていたんですが
結果的に計測サイズは67mmでした。

又、タカクワ亜種のサンプル81mm33mmは借りものです。

【 背面 】
ファブリース原名1タカクワ1
実は♂って、見ただけなら原名かタカクワか大体の見当がつくと思ったまではいいが
いざ言葉で指し示し表現するとなると言葉が出てこないんです。

比較個体も数が少ないので、
色ノコでありがちな同種同産地間での「個体差」を見過ごして「ココが違います!」なんて書くと
後で痛い目を見ることになるので、
亜種間の違いを見るための特徴は限られてきます。

ファブリース(の♂個体)で云うところの『個体差』と云うのは、
飽くまでも自身の考えている部分ですがオレンジ色の模様部分です。

このオレンジ色の部分と云っても模様・斑紋が個体差として現れるのは
・上翅
・後胸腹板
・腹部(勿論腹板)
・腿節
・(脛節)
についてで、
前胸背左右側部のものに関しては省いても支障ないと思います。

【 腹面 】
原名亜種2タカクワ2
両亜種をブログでの比較材料とするにあたって、
全く別の撮影環境で撮ってしまったために光の種類・強弱・角度が異なってしまったのが
個人的には非常に歯痒いです(汗)

♂の腹面を観察してみると、
この個体については

【原名亜種】
・中・後脚の腿節に斑紋
・脛節が赤みを帯びる
・後胸腹板に大きな斑紋
・腹部の左右に各節毎に斑紋

【タカクワ亜種】
・中・後脚の腿節に斑紋
・脛節が赤みを帯びる
・後胸腹板に大きな斑紋
・腹部の左右に各節毎に斑紋

このあたりが比較箇所と考えられます。

どちらの方にも同じ言葉を使っていますが
それぞれ画像で確認しながら触れてみますと、
「中・後脚の腿節に斑紋」と云うのは、
原名亜種においてはこの部分の斑紋が出たり出なかったりします。
つまり、この画像の個体は斑紋がありますが
中には黒一色のもいると云うこと。
また、中・後脚に限らず前脚にも現れる事があります。
一方タカクワ亜種ではほとんどこの斑紋が消失するのはいないと考えます。
(あちこちの個体を見てないので断定できないですが)
「脛節が赤みを帯びる」と云うのは、
これも原名亜種では個体差によるばらつきがあり
画像のように赤みを帯びるものもいれば黒一色になるものも結構います。
タカクワ亜種ではこのばらつきはそこまで多くは見られないのでは?と思います。
「後胸腹板に大きな斑紋」は、
左右に1対あり目立ちますが、
これもどちらかと云うと原名亜種では斑紋が大きくなったり小さくなったりと
個体差がよく見られます。
累代が進めばもしかしたら消失した個体が出てくるかもしれません。
「腹部の左右に各節毎に斑紋」と云うのは、
これも原名亜種とタカクワ亜種を比較すると後者の方が一つ一つの斑紋が大きく
安定的な特徴に感じます。
一方、原名亜種では発現する個体自体多くなく、
原名亜種黄紋
今回ブリードした個体では腹部に斑紋が出たのは
最初の画像の♂67mmと、No.6が飼育した↑↑の画像の♂の計2個体のみでした。
No.6のこの個体に関してはさらに前脚腿節にも斑紋があります。


続いてむし社発行の新クワガタムシ大図鑑に記されている特徴ですが、
・上翅の黒色紋(俗に云う「筆書き模様」ですね)
 タカクワ亜種の方が幅が狭くなっている
・前胸背板中央の黒褐色部は、
 原名亜種は外側にいくにつれて黒くなり、
 タカクワ亜種は黒くならない
・大腮は、基部と先端部の湾曲が
 タカクワ亜種の方が強い
この3点が挙げられています。

「上翅の黒色紋」は、
原名亜種4タカクワ4.JPG
大図鑑で指摘されている点以外にも
「見た感じ」で漠然と両亜種間で違いを感じるのですが言葉に詰まります(…)
個体差があるので何とも表現しがたいのですが、
原名亜種がきりっとした印象なのに対し
タカクワ亜種はとろ~んとした印象に感じるのです…ゥ~ンなんか言いたいことと違う。

因みに、ブログで紹介するには見苦しい画像なのですが
羽化不全個体にこんなものも居りました。
CA3I0748-97ddf改.jpg
上翅が閉じていないことが原因なのでしょうか?
少々変わった模様になっていました。(死亡個体です)


「前胸背板中央の黒褐色部」と云うのは、
言葉にすると脳内が混乱するのですが、
ファブリースノコギリ前胸背比較
敷衍して図解すると、こう云う事になります。↑↑

確かに見てみると、原名亜種は中心から外側に向かって
黒褐色→黒→黄褐色(オレンジ?)と変わりますが、
タカクワ亜種には黒くなる箇所(層)は見当たりません。

個体差がどの程度現れるのか分かりませんが、
亜種を背面で見分ける一番安定した特徴かもしれません。

「大腮の特徴」ですが、
原名亜種3.JPGタカクワ3
確かに両亜種を並べて見てみるとタカクワ亜種の方が
大腮基部の張り出し方、先端の湾曲度合い、そして太さが違います。

しかし、この部分だけで1個体のみを「さぁどっち!!!?」と選ばされたら迷うかもしれません。
何しろクワガタムシの体の内では一番形状が変動する部位ですからね(汗)



さて、大図鑑で亜種間の特徴について触れられているのはここまででした。

そう、飼育者の我々が心配に感じる
の特徴については一切触れられていないのです!!!

果たして♀個体で特徴の違い自体があるのかが気になるところですが、
まずは写真ですね。

【 背面 】
原名亜種♀タカクワ♀
原名亜種は35mm、タカクワ亜種は33mmですが、
形状で違いを見出すとすれば
タカクワ亜種の方がやや胴が横に広い印象を受けます。
また、この画像の限りでいけば
原名亜種が前胸の縁がやや直線的で
タカクワ亜種がやや膨らみ湾曲しているんですね。
しかしあちこち見てみるとペレン島産でもそんなにタカクワ亜種と区別がつくほどの
ラインにはなっていないように感じます。

また、♂の方では見分けがついた「前胸背の色の違い」を
♀個体でも使えるのか確認してみましたが、♀にはこの同定法は使えないようです。

【 腹面 】
原名亜種6タカクワ6
腹面については個体差なのか島の差なのか分かりませんが、
タカクワ亜種の方が全体的に赤みを帯びていて、
黒味が厚くなりやすい原名亜種よりも斑紋があと一歩で発現しそうなところまで
赤みを帯び、腹部や腿節にそのような傾向が強く見られます。

原名亜種♀2タカクワ♀2
何か違いがみられるのでは、と頭部のアップも写してみましたが
残念ながら見出せませんでした(汗)

↑↑と嘆いていましたが、ちょっと気になる点が。

原名亜種よりタカクワ亜種の方が大腮がやや強く湾曲していませんか?
確認のためにネットで彼方此方画像を見て回っていったのですが
どれを見てもどうもそんな印象を受けるんですね。

そして、両亜種を見比べた中で形状が決定的に違う点が1ヶ所確認できました。

それが、ここ↓↓
原名亜種8.JPGタカクワ8
前脚脛節、原名亜種に比べてタカクワ亜種の方が幅広く、
先端の棘は原名亜種が鋭く尖るのに対して
タカクワ亜種は尖らず丸みがかっています。

色彩の特徴と違ってこの点なら同産地間で個体差は生まれないと思われ、
両亜種を区別するのに有効な特徴と考えられます。






今回は前々から溜め込んでいた思いの丈を長々とパチパチ打ち込む事が出来ました。
素人意見ですが、久し振りに少しは中身がある記事がUPできたかもと思います。

個人的にはあと、
交雑したら特徴がどう混ざるのかなども含めて書けたら
この記事は本当の完成を迎えるんですが、
それはまた機会があればと云う事で…
(とかそういうことを言って結局やらないんだよね…)




あなたのファブリース、
本当にそのラベル通りですか?





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6月、啓蟄…? [日昆 採集記 【2012年】]

今日で6月も終わり、7月が始まります…

と云う事で、
夜間の野外観察録をちょっとですがまとめてみます。


 6月21日(木)

この日、ホームグラウンドエリアで初の見回りに行くことに。

同行者は、
No.2
パンドラ(⇒2012/2/12の記事参照)


ポイントを回ってみると、まだ気温が低く最高でも15℃ほど。

ちらほらガが居付いていて、
1頭だけコガネが落ちているくらいで甲虫の姿はこの日他に居ませんでした。


そんな中…



運転中、
誰となく声を張って前方を指差した。


 「ナニアレ!!!」



ウサギか!!?


「俺が行く!」と間髪入れずNo.2が飛び出し獣を追いかけていく。


しかしウサギにしては走るのが鈍すぎる…


横穴に逃げ込んだところでNo.2が至近距離でシャッターを押す。



CA3I0908.JPG
アナグマだった。

FH鈴木さんも沢山見かけたと云う事なので、
今年はアナグマ界に何か起きているのだろうかと一考したくなる出来事でした。
小さな出来事でした(このほかに何も起きなかったからねぇ…)



 6月26日(火)

ここ最近夜になると度々チェックにいくのだが成果が無かった、
それが今日前進することに。

この日は自分一人での見回り。

いつも通り外灯を見回っていくが毎度の通り収穫ゼロ。

では木の方はどうか?と云う事で
シーズンになるとたまにポツンと木にとまっている事がある公園に入ってみた。



…この木は居ない…この木もいない…

ぁァやっぱ居ないかぁ~とフラフラ歩いているところで
見逃していた1本の木が。

ライトを当ててみると黒く光る物が幹に所々に付いている。

「これは…!!!!」




ゴキブリだった[あせあせ(飛び散る汗)][バッド(下向き矢印)]

どうやらこの木はゴキブリの御神木だったようだ…

しかし根元が少々入り組んでいて何か居そうだ…
とグルッと見まわしてみると………?





CA3I0914.JPG
おおッ!! コイツはゴキブリじゃなかった(笑)


CA3I0926.JPG
今年初のコクワガタ採集。




いよいよ…始まったなぁ~


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