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冬の梱包の話 [時事・話題・雑報]

(2021年1月11日 再編集・追記)

昨年の奄美大島に続く形で遂に…徳之島も…
徳之島もアマミマルバネ・ヤマトサビ・アマミシカの3種類のクワガタが採集禁止になってしまったァァ!!!!!!!!!

終わった……始まる前に終わった……

徳之島も昆虫の層が奄美大島に近いと云う事で
採集圧のしわ寄せを懸念しこっちの島も採集禁止にするのは時間の問題でしたが、
早過ぎんだろぉ………[バッド(下向き矢印)]

なんかあっという間の出来事でポカンとしているんですが、

採集禁止の話とはある意味逆のニュースも見つかりました。


魅力的な虫の宝庫でもあるフィリピン・ミンダナオ島の長年の紛争が決着し政府側と反政府側の両者が和平合意に至ったというものです。

その地域の昆虫を採集・持ち出しする事(難しさ)と
現地の情勢がどのくらい関係性があるかは自分には分かりませんし
地域の事情によってもそれぞれなのでしょうけれども、

前々からミンダナオ産のクワガタ・カブトが輸入・販売される度に
「ミンダナオは紛争が激しく現地では思ったように生体が手に入りづらい」
と云った謳い文句がどこの業者も使っていたことから、
島内の紛争がこの地域の虫を集めることについても流通させる事についても大きな障害になっていた可能性はあるようです。
(完全な憶測なのであくまで「可能性」ですが)

そう考えると、
この紛争の和平締結に今後のミンダナオ便の増加を期待してもいいのかも…?[グッド(上向き矢印)]
ミンダナオ自体、ヒラタやノコギリをはじめアトラス等人気昆虫が多種いるので、
パラワン便程までの入荷の安定感はないにせよ
輸入業者も何とかここの島の虫の輸入に力を入れたいと思うはずです。(多分)
お手頃な価格でヘスペルスアトラスやルマウィノコギリが手に入る日がきたらイイなァ…



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さて、今日は生体発送時の梱包の話です。

今の時期こちら青森をはじめとする東北各県や北海道では
昆虫生体を送ってもらう際に色々と梱包や発送に関しトラブルが起こりやすくなるのは雪国で虫を飼う人や発送した事がある発送された事がある人はご存知だと思います。

それもあってこの時期になると、
冬季の雪国への発送を控えるブリーダー・販売店がでてきますね。
その時期に虫を送ってもらえないと云うのは残念ですが、
そういったところはよく虫や相手の事を考えているなと思います。
(まあ↑↑自分は何様のつもりでものを言ってるんだって感じですが…)

その反対に、意を決して雪国へ生体を発送して頂ける方やお店も
非常に快く感じられますし虫を扱う上で信頼がおけるなとも思います。



しかし、一部の発送者には、
「沖縄も九州も関西も関東も東北も北海道も同じ」と何も考えず
尚且つ取引中に打ち合わせた事項も完全無視して送ってこられ、
結果中身の状態に重大な損害を故意に与えているかような方がいます。


なぜこのような話題を持ちだすのかと云うと、
前にもあるのですがまさに今(冬)シーズンそう思わせられる出来事があったからです
(ブログ見たらどういうところでそれがあったのかがばれますよね…[あせあせ(飛び散る汗)]



この手の発送元は予想するに、大きく分けて二つの種類に分けられます。
・・・生き物なんだから死着もやむなし、こっちに責任は無いし金さえ貰えりゃ後は…
2・・・自分のやり方が一番正しいんだと、頑として曲げない
と云うタイプです。


・・・生き物なんだから死着もやむなし、こっちに責任は無いし金さえ貰えりゃ後は…
こっちのタイプは、もう運が無かったと言うしかありません。
発送元がそういうところだと分かったならもうこれ以上関わらないようにするくらいしか
受け取る側は出来ませんね。
昔は特に高額レア種を詐称して売る個人や特定の販売店が多かったと思いますが、
今はそれほど頻繁に遭遇する事は無いんじゃないかと思うんですけどどうでしょうかね?
お金のやり取りも絡む以上そういう人種が存在するのは
考慮しておかなければならないですね。

・・・自分のやり方が一番正しいんだと、頑として曲げない
このタイプは、前者とは逆に年々徐々に増えているのではないかと思います。
通信販売店もですが、特に個人で多くいる気がします(あくまで気がするだけね)
このタイプの人は「自分はもう何年もやってるから、ベテランだから」という過信から、
死着を心配して発送元の梱包内容計画に注文を加えたがる発送相手を不快視しその結果、打ち合わせたい内容を無視した形で送ってこられます。

また、このタイプの発送元は梱包内容が非常に簡素な場合が多く
受け取る雪国の側からの要望を、「注文が多い(怒)」と感じる事も
無きにしも非ずだと思います。
それが回りまわって、販売時に注意事項として販売者が言う
「神経質な方は購入(入札)しないでください」
と云う断りを入れる一因になっているのかも知れません。



そして、発送する虫の種類によっては、下記の三つ目のパターンもあります。
・・・ある程度寒さに強い種類だから梱包作業で手を抜く
日本の冬に弱いと言われるものが多い外国産クワガタ・カブトですが、その中でも広義のドルクス属や緯度の高い場所に生息している種類は、10℃を大きく下回る気温にさらされても(ものによっては0℃近くでも)数日の輸送にも耐えうる体質をもっていたりします。
そのため、夏場の梱包と大して変わらない(箱が段ボール⇒発泡スチロールになったくらいの)仕様で送ったとしてもピンピンして届く事も多いです。

そういう点もあるので、発送する側はそれを見越したつもりで梱包内容の詰めを甘くしてしまうこともあります。専門店や輸入販売業者などから発送する時にたまにあるのですが、この手の「寒さに強い(強めの)虫」を発送する際の打ち合わせで発送先(受け取る側)が一般人の場合、「この虫の扱いは自分達が一番よく知ってるから」と云う態度と共に
入念な梱包の指示を受けてくれない事があります。
ただ、虫も多種多様なので皆みんなが極端な寒さに強いワケでもないし、寒さに例え強くても微妙に弱りかけている個体だったら絶対にいつも通り平気で届くとも限りません。



さて、生体輸送の梱包内容と云うのも包む人によって十人十色ですが、
今まで経験した中で特に気になった点を取り上げてみます。

梱包について詳しい実験と考察はファーブルハウスのサイトでされていたので
それと被る部分もありますが、
皆感じている事は一緒だと思ってご理解ください(汗)



カイロが無意味

冬季に使用される使い捨てカイロは、
寒さに弱い南国の虫にとっては生命線となる重要なアイテムなのは
もはや周知の事実なのですが、輸送に時間がかかる場合陸送ではなく空輸する場合には使えないのでその場合を除きますが
陸送でカイロを使う場合そのカイロの使い方が非常に重要なのにもかかわらず
同梱したカイロが全く機能しない入れ方をされている場合が結構見られます。

その問題は簡単に説明すると3点。
(難しい説明は省略します)

1.カイロを置いている位置

2.カイロ自体の梱包

3.箱に開いている穴

この3つはカイロを活かすか殺すか密接に関係していて、
上記3つの内どれかかがダメだとまずカイロの意味が無いと思っています。




まず、カイロをどこに置くかですが
一番やってはいけないのが箱の上部特に箱のふたの裏に貼りつけるやり方。

カイロによって熱せられた空気は箱内部で上へ上へと昇ります。
小さな箱の中なら箱内部全体に暖気が行き渡るんじゃないかと思う人もいるようですが
全くそんな事はありません。

箱に空いた穴から外の冷気が少しずつ入ってくることも考慮すると
最低でも生体の容器と同じ高さ、一番良いのは箱底部に配置することです。
箱の容量や寸法の問題で、生体の容器の直下に置くこともありますが
「虫を入れた容器の下にカイロがあると生体が暑くて弱るんじゃないか」
と心配される事が無いとも言えませんし、どこかでそういう意見も目にしました。
この場合、容器に直接接触するのは流石に避けますが、
クシャクシャにした新聞紙やエアキャップ(プチプチ)を何枚かに折って
容器とカイロの間に挟んで1~3cmくらいの距離が開けば十分です。



そして2つめの「カイロ自体の梱包」
どういうことかと云うと、箱に入れるカイロ本体をエアキャップとか新聞紙でがっつり包んでいる場合があるのでその点も注意して頂きたいのです。

今までそういうこと↑↑はよく見受けられましたが、いずれも発熱不足で箱の中が冷めていることが多かったですよ(生体が生きていたかどうかは別問題として)

通常使い捨てカイロは発熱すると、メーカー毎に誤差がありますが貼らないタイプは最高温度で65~70℃に達します(貼るタイプはそれより5℃くらい低い)
平均温度はそれより10℃ちょっと低いくらいですが、それが狭い箱の中にあると暖まり過ぎて逆に悪影響なのでは?と心配されるからこそ、新聞紙などでカイロを包んでしまうのかもしれません。
しかし実際は、小さく狭い箱の中で生体を入れている容器とカイロがほとんど密着するような状況でも、容器の真下にカイロを敷くような状況でさえなければ、そして容器の中に虫が動けるだけのスペースさえあれば大丈夫です。
60℃とか70℃と云うのは表面温度であって、容器を隔てた虫の居る空間の温度までは60℃とかにはなりません。
容器の横に密着したような状態であっても、カイロの間近にさえいなければ無事に生きていられることがほとんどですから。

薄い紙だから通気性があるだろうと思ってカイロを新聞紙でぐるぐるに包んでしまうと、
絶対とまでは言いませんが通気が周囲から分断され使い物にならなくなります。
勿論、新聞紙2ページ1枚分使ってぐるぐる巻いたりはせずに、適当な大きさに切って紙一枚分だけの厚さで包んだり、ぐるぐるに新聞紙で包んだ後にその角を切り落として通気を確保するやり方など色々な包み方があります。ペット輸送用の長時間カイロは別として、市販の貼らないタイプのカイロは20~24時間貼るタイプは12~14時間しか持続しませんから、2日以上輸送時間が掛かる場合にわざとカイロの発熱ペースを抑えて細く長くカイロを発熱させ続ける工夫も時には必要です。
なお、箱を発泡スチロールの物を使う場合、カイロの熱で箱が溶けないかと心配になるかもしれませんが、発泡スチロールの耐熱限度は70~90℃と、これも問題ありません。



最後にカイロを活かすにあたってもう一つ重要な『穴』の存在。
箱に空気を入れカイロに酸素を供給することで初めてカイロは発熱するんですが、

せっかくカイロを使っているのに
穴を開けると保温性能がゼロになってしまうと思って
カイロは入れながら箱に穴をまったく開けてない方が多数います!

夏季であれば箱に穴は開けるべきではないのですが
冬季はカイロを同梱した際には箱に穴は必須です。
穴の必要性については人それぞれで意見もあると思いますが、
二重梱包や発泡スチロール箱の場合、箱の壁をすり抜ける空気はかなり少なく、薄い壁の箱なら大丈夫(発熱した)だったからと思って油断すると失敗することがあります。
(加えて、発泡スチロール箱も段ボール箱もメーカーによって質が変わりますし)

そして、箱に穴をただ開ければいいと云うものでもありません。
なんでもかんでも「箱に穴を開けたら意味ねェだろ!」と固持する方については、
正直言ってあぁ・・・この人は穴の開け方にもやり方があるのを知らないんだろうな~・・・
と思ってしまいます。

以前何度も経験しましたが、
2重梱包の内箱(発泡スチロール)のふたの裏に貼られた
たった1個同梱されたカイロを手に取ってみると、
見事にフニャフニャ(未発熱)
(開梱直後温まりだしたのでこの後自分で使えたくらい)
と云う事は何度もありました。
箱には、ふたの1~2ヶ所にしか穴が開いていなかったり穴が箱全体に開けられてたり完全密閉されてたり・・・

暖かい空気は上へ上へと昇る事は前述しましたが、
ふたにだけ穴が開いていると暖かい空気は穴から外へ抜けていくかもしれませんが
穴の箇所によっては代わりの空気が入ってくる穴が無いので
カイロの発熱と箱内の空気の温度差による空気の流動が起きないため
箱内の空気は停滞しカイロは十分な空気にさらされず発熱しません。
(空気の流動は穴が開いているふた付近でのみしか起きていないと思われます)
いくらカイロ内の鉄が酸素と反応して熱を出すと言っても
密閉した空間内全ての酸素を消費し尽くすわけではなく
僅かでも空気が流動してカイロ内を通らないと反応は起きません。

カイロに反応させるには、
基本的に箱のある程度底部上部2種類の穴を開ける必要があります。
底部の穴から内部へ空気を取り入れて
上部の穴から内部の空気を外へ通し排出させる。
底部にカイロを配置しておけば、いくら箱内に少しずつ継続的に寒い空気が入ってきても
発熱したカイロによって暖められた空気が生体容器に掛かる構図になるので
穴を開ける事を躊躇う事はありません。

ただ穴が小さすぎるのも大き過ぎるのもよくありませんが…
目安としては直径は1cm程でいいと考えます。



また、カイロと併用して使う発泡スチロール箱にも意味はあります。

発泡スチロール箱を使うのは、
「外気による温度低下を極力抑える事」に他なりませんが
それは「外気の流入を遮断する事」が目的だとは思いません。
自分の場合、前述の「空気の流入と排出」の場所をしっかり機能させたいがために
発泡スチロールの穴を開ける部分以外の壁面をガムテープで目張りする場合もあります。

外箱の機能を個人的解釈で説明しますと、一つ目は外気温と内箱全体の温度が直接干渉するのを和らげるため、二つ目は風や雨雪など温度を急激に下げる要因に対しての壁になる事です。
こういった場合、特に発泡スチロールより段ボールの方が遮熱性が高く(経験上で)、寒風をしのぐ機能であれば発泡スチロールより優秀です。逆に、大雨や風雪にさらされる天候の際は水や雪が付着して冷えやすいので、この場合は発泡スチロールで梱包するか二重梱包の外箱に使うかとしています。

巷では、冬場は発泡スチロールじゃダメ・段ボールにしないと非常識・・・みたいな極端な風潮が散見されますが、発泡スチロール・段ボールそれぞれの性能・短所を考慮して梱包内容を変更していくしかないですね。



生体を入れる容器

この部分については個人的に現時点で書きたい部分だけ掻い摘んで挙げていきます。

ただ1点
容器内の水分  これだけです。

雪国に発送されるにあたって一番盲点になるのですが、
生体と共に緩衝材としていれるマット・ティッシュ・ミズゴケに
水分が含ませる作業が無意識に行われているのだと思いますが
容器内においてこれが一番死着に繋がりやすいのではと考えています。

水は空気の二十数倍の熱伝導率があります。
外が寒ければ水が容器内に含まれている事により、マットやミズゴケを通して内部温度が下がりやすくなります。何より、物理的に虫本体を冷やしてしまい非常に危険です。
特に青森の場合、東海以西から陸送されると二晩かかりカイロの効力も大体輸送中に切れるので、そこからはいかにして虫を低温にさらさないかがミソなのですが、
マットやミズゴケに適度あるいは過度に加水されていた場合、
到着したときにはキンキンに冷えたマットやミズゴケの上で(中で)成虫や幼虫が十中八九グッッタリしています。
もう一度言います、グッッタリしています。

容器内に入れる緩衝材は、
マット・ティッシュ・ミズゴケが主だと思いますが
その内、特にマットとミズゴケは特に水を含ませて使うのが基本なので
作業していると自然と反射的に霧吹きをかけてしまいがちです。


この点に関してやることはホントに簡単、無加水にして入れること。これが最善です。


ホントにカラッカラに乾燥させたものであれば加水も念のためしておくのもいいかも知れませんがそれでも水滴を僅かに垂らす程度が良い気はします。
霧吹きでシュッと一吹きしても多過ぎると思います、厳禁!とまで言いませんけど…



そして、こちら(受け取る側)が上記の点を発送元に要望すると、
「容器内が乾燥していると生体に悪影響が及ぶのではないか?」
渋られることがよくあります。

懸念される肝心の生体への影響ですが、
乾燥状態で成虫に及ぶ事と言えば
付節や触角が切れやすくなる
と云うことくらいでしょうか…
ただ、切れやすくなると言ってもそれは長期間その環境下で過ごした場合であって
輸送中のような一時的な乾燥状態ではまず影響無いと思えます。
特に、生きて届くか死んで届くかの重要な問題です、
付節が切れる触角が切れると云う細かな心配は二の次です。

幼虫については、
特に飼育している期間中にマットに水分が無ければ幼虫は次第に萎んでいき
最終的には死に至りますが、
前述した事と同じですが輸送中の間だけです。
輸送中はずっと振動にさらされているのであまりマットを摂食する時間も無いですし。
これも僅かな水分だけあれば問題ないでしょう。
こちらから発送しても問題は起きていないので大丈夫なようです。

菌床に入っているものに関しては、
菌床自体僅かに発熱していて本当に酷い事態になる事は少ないのかもしれませんが
水分で冷えるかも知れない事を考えれば、出来ることなら乾燥したマットの方が望ましいでしょうね。

また3令幼虫の段階のものは耐久性もあるので
とくにクワガタなら死亡の危険は少ないですが
寒さに弱いカブトなどであればちょっと心配かも知れないんですね。
参考にしにくいかもしれませんが、ペーニャヒメゾウの2令幼虫をカラカラ乾燥の120ccプリカに入れ冬季発送した事がありますが生きて到着しました。
(回数をこなしていないのでたまたまかもしれません)


少なくとも要望する側は、梱包内容を指定することで
「それが死着の原因となってもこちらの所為として受け入れる」
と云う引責宣言をすることになります。
それも考えれば、発送する側も「素直に従った方が後々楽」じゃないですか?




これが今最も気にしていた問題でした。

寒くても適応できる国内産の虫であればこんな問題屁でも無いんですけどね…



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