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Google Chromeなど一部のブラウザで画像が回転して表示されております。
時間を見つけて修正しています。お見苦しい記事も少なくない点、予めご了承ください…

春の雪山採集 [日昆 採集記 【2014年】]

2010年、雪中行軍採集にて過酷なフィールドワークに挑み
初のルリクワガタ採集を果たした年であったが…




あれから4年。

今までとは違う別のエリアで、また過酷な道を「無駄に」進む日がやってきた。


ある男にメールした。

*********************
【From】俺

【本文】次の日曜お前予定あるか?
*********************



*********************
【From】No.2

【本文】多分予定ないと思うが、なした(どうした)
*********************



*********************
【From】俺

【本文】
おい山行かねぇか.jpg
*********************



彼にはおそらく死刑宣告された気分に近かったのではないか…(苦笑)


今年もまた天候がおかしく、そう云うほどの事かは分からないが
3月の終わりになると日差しも強く雪融けが進み春の気配が感じられてきたと思えば
4月に入ると気温は下がり、風は強まり雪も降りだす始末で
冬に逆戻りしたように身体に寒さがしみるようになってしまった。

山に行こうと計画していたのはそうなる前の事で、
寒くなろうが決して予定は変更せず4月初めの日曜日、その日はきた。



 6日(日)

前日まで空は厚い雲が覆っていて結構激しめの雨も降り、
それに加えて強風が吹き荒れるような天気だったのがおさまり
風がまだ若干強く気温も低いままではあったが空に雲は少なく綺麗な青がほとんどという
なんとか「良かった」と言える天気にまで回復してくれた。

一昨日予定していた日程は下記の通り、

午前9時にNo.2の自宅へ車で迎えに行き出発
 ↓↓
車のガソリンと自分達のガソリンを調達し、作戦会議及び予習
 ↓↓
山へ到着、採集午前の部
 ↓↓
山中で休憩、昼食
 ↓↓
午後の部
 ↓↓
陽が落ちる前に下山、帰宅


 と云う手筈であったのだが…………




俺 「さぁ~行くかぁ!!!!!

カーラジオ 「10時です。


 また遅れた…


ガソリンを給油し、道すがら寄ったスーパーで買い物を終えて
地図や図鑑を広げ会議を終えた時点で時計は既に午前11時半になろうと云う時刻だった。


スーパーの駐車場を出た後の車内では、相変わらずの会話が始まる…

俺 「こんな時間かよ…(これで午前の部は潰れたな…)予定通りにいかなったかぁ。」

No.2 「いや予定通りだと思うんだけど~」

俺 「いやいやもう山に着いて登り始めてる筈だったんだけど」

No.2 「俺はこうなる(出発が遅れる)と思ってたから予定通りなんだって」

……………………………………………………


目的の山の方角へ直進していたが、向こうの空が灰色に染まってきた事に気付く。

No.2 「『今通り過ぎるからちょっと待ってて♪♪』っていう雲じゃねぇよな(汗)」

俺 「完全に(俺らが来るのを)『待ち構えてる』種類の雲だよな…(汗)」

……………………………………………………


平野部を進み、目的の山も遠くに見えてきた頃…

No.2 「…!?…雨降ってねぇ!?」

俺 「あ、ホントだ。」 言われて気付いてワイパーを動かす。

No.2 「……ん…いや雪だ!!!

俺 「えぇえっ!!?

No.2 「全力で山に拒否られてるな(笑)」

俺 「俺が来る事に気づいたか…!」

No.2 「『ヤベぇッ!! あいつが来る!!(怯)』って」

しばらく、フロントガラスに霰がバラバラ吹きつけていたがそれでも空は青かった。



………………………………………………………………


山に到着したのは既に正午を回った後だった。

今回挑む山は、材割りで臨むにあたってこれまで関心を示していなかった「お山」で、
ラベルの字面としては是非とも手にしておきたい場所である。
(「お山」と云うフレーズで県民の方なら見当が付いてしまうと思いますが一応山名は伏せます)
実は先月初旬に一度1人で下見入山し、
かんじきを忘れると云う致命的ミスを抱え挑んだところ見事玉砕し標高550m付近でリタイアし体力が付きる寸前の状態で命辛々下山したあらすじがあります。
(膝まで雪に埋まる状況で、尚且つ平地からちょっと進んだくらいの標高から出発したので
 550mと聞くとあまり大した事が無いように見えますがそれでもきつかったです)

車を降り、つなぎの上に防寒着を着て道具を持ちいざお山へ!
勿論かんじきも今日は一緒だ。
ただ、防寒と言っても日昆らしい山をなめた着こなしで
自分は上下で着たものの、単なる風除けのような防寒着で中に綿など入っておらず
No.2に至っては防寒着は下が無く、つなぎの下は素足だ、ついでに履いているのは長靴でもない。

幸いにして天候も好くなり、見晴らしも良い。
地面に積もった雪にも前ほどは足は取られず足首まで埋まるくらいで少しだけだが締まっている。
ここから常に上りだ。


数百mほど進むともうふくらはぎまで埋まるくらいまで雪が柔らかくなってきたので
そろそろだと、かんじきを装着する事に。
CA3I1647.JPG
かんじきを着けてNo.2が一言、

No.2 「さ~て帰るかぁ」

ホームセンターで買った安いかんじきだが、今日のところは終始壊れる事はなかった。


…………………

かんじきを着けて登り始めて早々、腹が痛くなってきた俺。
ちょっと車内で菓子やジュースを食べ過ぎたようだ…

そんなこんなで暫く登っていると、
段々とミズナラに混じってブナも見えてくるようになってきた。
標高は大体450m~500mくらいからだろうか、
ボロボロになった細い赤枯れのミズナラを見つけた。
ボロボロなので本体がいるとは思えないが取り敢えずクワガタの痕跡だけでも見つからないだろうかと、先日購入した新品の斧を試しうちすることにした。

CA3I1648.JPG
GERBERのキャンプアックス2。
今回斧は初めて使用するのだが、どこの物が良いのかとネットで色々調べてみたところ
これを比較的見かけたので仕入れてみた。

やはりボロボロの古い材であったためほとんど割る意味を成さなかったが、
マダラっぽい食痕だけは見れた。


…………………………………

何度も現れる急な傾斜に顔を歪めながら先を進んでいくと、見覚えのあるブナの古木が。
前回リタイアして引き返した地点までやってきたのだ。

ここから先は未知の領域、見える範囲にある立ち枯れをチェックしながら
休み休み(主に俺)標高を上げていく…

我々が歩く直ぐ右側は谷になっていて、それを横目に尾根に沿って登る。
標高を上げるにつれ少しずつ傾斜も急になってくる。



時刻は午後の2時を回っていた。

そろそろ昼飯でも食べようとリュックを下ろす。
リュックの中のパンやおにぎりは例外なく全て潰れてしまっていた…が美味い!
リュックの脇にさしているスポーツドリンクで乾いた喉を潤して、また出発した。

CA3I1650.JPG


……………………


No.2 「新しいな…」

そう言った我々の行く目の前にあったのは動物の真新しい足跡だった。


俺 「あぁ、新しいな確かに。たったさっきここをウサギが通ったんだな。」

No.2 「いや、これウサギじゃねェべ?」

雪の中に深く埋まったその足跡は完全に蹄(ひづめ)の形をしていた。

俺 「カモシカか!

我々の向かう方向にその足跡は続いていた。

足跡は傾斜の緩急に構わずグネグネと先へ伸び続け、
次第にそれは右側の谷へ下りていった。

再び登る事だけに集中し始めた時、No.2が何かに気付いた。
彼の目線は右側の谷を挟んだ向こう側の斜面に向いていた。


何事かと見やると… それは
CA3I1651.JPG
先程の足跡の主が悠々と急な傾斜を平行移動していた、しかも2頭。
だいぶ遠いのでズームしたが鮮明な写真は撮れなかったがまぁいいか。

我々がじっとカモシカを凝視していたのに気付いたのか、
向こうも足が止まりこちらを向いたまま動かなくなった。

時刻は2時30分頃だ。

………………………………………


時間は無いので先を急ぐことにした。

標高が上がるにつれますます傾斜が急になってきて斜面の上を目指しただただ無言で歩く。

途中ボロボロに朽ちた木を発見、
コクワでも見つかればなぁ~と斧を入れると所々に見える空洞の内の一つに大きな塊が。
それが昆虫だと分かった瞬間コクワガタの♂成虫を期待したが、
残念ながら暗緑赤紫の光沢が見え
取り出したそれはキタカブリだった。



………………………………………………

積雪の上に立っている枯れ木は樹皮が無いものもあるものも含め何十本と見るのだが
一向にルリの産卵痕が付けられている木は皆無である。
依然としてブナは生えているのだが、
それまで見なかったダケカンバの存在も散見できるようになってきた。

尾根に沿って山を登りながら、両脇の谷を挟んだ左右の向こう斜面の林を見て
「・・・ああぁ・・・あっちの方にはあるのかなぁ・・・・・・」と遠い目になっている。
No.2は強い風と雪でズボンの裾が凍結している。前述したが彼のズボンの下は素足だ。

傾斜も少しずつきつくなってくるので標高の上がり方はそのペースも早まり、
それに拍車をかけるように吹いている風も強くなるばかり。
地吹雪が起きれば、ただの寒風が直接雪をぶつけられる感覚になり
向こうの木々が大きく揺れそれが次第にこちらに迫ってくる光景はどうしても構えてしまう。

時刻はそろそろ3時半になる。
標高もだいぶ上がってきたし上を見渡すと、あと300~400m先を過ぎると植生の限界に達し
その上からは何の木も生えていないのが肉眼で確認できた。
下山の時間も考えるとこれ以上上を目指すのは得策ではない…
(あとの調べで分かった事だが、木が何も生えていなかったのは標高による植生の限界ではなく大規模雪崩による荒廃や土石流も関係していて、この山の我々がいる方角は火山泥流が堆積し森林限界が近くそのため低木や笹のみで摩擦抵抗が少ないために全層雪崩も起こりやすい斜面で、過去に起こった雪崩でブナが削流されたりと、ルリクワガタ探索の場としてはこの山の中で実は他の斜面と比べあまり適していないらしいエリアに我々はいたようだ)


引き返す事にした。


ここまで来ると我々が辿ってきた尾根から見て左右の傾斜も緩くなり谷も浅くなっている。
「ここまで何も無かったのに同じ道を引き返すのはナンセンスだよな…」…と
No.2に谷を渡り右隣の尾根に移動し帰る事を伝えた。

No.2 「おんなじだってェ~~~(=何もいない)

CA3I1652.JPG
谷底で地面が抜けないか慎重に足元を確認しながら傾斜を下り登りし、
無事隣の尾根に移った。

ちなみに、引き返す際に我々が最終的にどのくらいの標高まで来たのか確かめるため
高度計は持っていないのでケータイの地図アプリで手持ちの地形図と照らし合わせ
おおよその数値を割り出そうとした…のだが……

その必要はなかった。
地図アプリを見ると我々の現在地は、
標高1000m以上を表すのエリア表記のすぐ手前だったからだ。

まさか軽装備でここまでくるつもりはなかったが正直確かにここまで来ると辛い。
足元の表層部の雪質もほとんど1月2月の新雪と紛う物だ、
明らかに登り始めた時の質感と違う。


ここからまたルリの産卵痕が付いた立ち枯れ・枯れ枝を探しながら山を下りていく。

引き返すと云う事なので、
進行方向を向いてその右側と云うのは、行きで歩いてきた尾根とその間の谷が見えているわけだ、
とするとその反対側…つまり今下っている尾根の左側はどうなっているかと云うと…
なんと右側とは比べ物にならないくらいの深い谷が広がっていた。
CA3I1654.JPG
この斜面は上から下までブナが大小豊富に並んでおりさっきまで見てきた尾根の林より太い木がざらに生えている。

No.2が渋るのも構わずよせばいいのに尾根から外れ、斜面を下りだした俺(馬鹿だったなぁ)

斜面を下り始めて間もなく、

ズボッッ

「うぉぁああぁあ!!!!!!」

こんな感じでいきなり深みに足を取られる事が二・三度起こり、
これは危険だと漸く思い知った。
CA3I1655.JPG

俺 「ダメだ(汗)尾根に戻ろう(焦)」

No.2 「戻るも何も、俺ぁ一度もオネェになった事はねぇんだけど」

俺 「オネェじゃねええ!!!! 尾根だ!オネ!」

この頃にはもう二人とも疲れと寒さで滑舌も悪かった。
(ちなみに斜面は雪景色で全く分からなかったが、地図で確認すると地面は露岩帯だった)




斜面を登るのは下りる時より慎重を要した。
なぜなら少し体重移動を間違えただけで急な斜面をズルズルとずり落ちてしまうからだ、
おそらく30°なんてものではきかないと思う、40~45°あるかもしれない。


尾根に戻った我々だったが、突然のアクシデントが起きた。
No.2の片足が攣ったのだ。
筋肉の硬直をなんとか歩けるまでに解いた後、尾根伝いに下りる事を再開。


………………………………………………

そんな中ではあったが、
今度はなんと予想外の物を発見した。

乾いたミズナラの立ち枯れの樹皮を剥がしてみるとその下に、
CA3I1656.JPG
産卵痕があった!

ほんとにあるのかと感心してしまう始末。
ともあれ削ってみようと今度はマイナスドライバーを使い慎重に食痕を辿っていく。
他の部位や周囲の立ち枯れを見てみたものの痕があるのはこの箇所だけ、慎重にもなる。
交代しながらペキペキ剥がしていくが、手ごたえがあまりない…

度々強烈な地吹雪に見舞われるので風を背で受け作業する手が止まる。

産卵痕の上下に、何箇所か穴が開いている。
まさか成虫が羽脱したか!? と一瞬思ったが実際のところ、穴の質や角度が違うので
容易に天敵の昆虫の開けた穴だと云う事が推測できた。
結果として、食痕は木の中で直ぐ途切れていた。

やはり立ち枯れ上部しか探せない今の時期では効率が悪かったか……




ドライバーをしまい下山を再開した。

ここからはNo.2の安否も考え、枯れ木の探索は止めにし(大体判ったし)
ひたすら山を降りるため歩き続けた。



が、No.2の足は限界近かった…
麓がもう少しで見えるかという頃、先程攣った方とは別の足が攣ってしまったのである。

No.2が両足を攣るのは6年前の十和田での自転車採集以来だ。

    ⇒ 2009/7/18の記事 『TOWADA LAKE採集 前夜祭 ~去年~』


どうやら先程の急斜面が彼の下半身に大きく負担を掛けたらしく、
凍ったつなぎの裾は足首周辺に物理的な圧迫をかけ、股関節は軋み足首の筋肉が強張った。彼はそれでも立ち止まる時間が惜しいとばかりに短い時間で歩けるまでに足をほぐして立ち上がり歩き始めた。



……………………………………………………………………………………………………


Uターンした地点から結構距離を歩いたようだ。
だいぶ標高が下がったと分かったのはケータイで地図アプリを開き現在地を確認したからではなく、地吹雪や強風が無くなったからだった。
進行方向には我々が車を停めて出発した地点が見えてきていたがまだまだ先は遠かった。
何よりこのNo.2の状態を隣で見ていては、
たとえ残りあと100mで車に着くとしても果てしなく遠く感じてしまう。



……………………………………………………………


車に着いたのは5時半だった。
周りは暗くなりかけている、その気は無かったがやはり日没まで掛かってしまったか…

装備を外し、車に乗り込み山をあとにした。



車内のヒーターをガンガンかけ、寒さも少し和らいだところで「水分補給しよう」、と
後部座席に置いたリュックからペットボトルのスポーツドリンクを飲んだNo.2が一言。

No.2 「!!!??…(中身が)シャーベットになってる……!!!!!!!!!!」



* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


今回の採集では、今度はどのエリアを探すかと云う事を考えると共に
やっぱり雪が融けたら来るべきだと云う事を痛感した我々(というか俺)でしたが
個人的には今回は、生息状況や個人の体力の把握や経験値の獲得などとは違う別のもの改めて得て感じた事の方が大きい採集だったと思います。
そこは記事を読んで頂いた諸氏には察しがつくと思いますがそれはまぁ生温かい気持ちでスルー(?)してもらえれば気が楽です(笑?)


それにしても……

CA3I1657.JPG
そうなると持ちかえってきたこのキタカブリの存在感が後々になって濃くなるんだよなぁ…


やっぱり思う。
いったい何をしに行ったんだ?????(笑)




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ブログ記事を書く① [日昆 日常雑記]

当ブログ『日昆会長 諸記』を始めて4年11ヶ月が経ちました。

ウェブログと云うのは実質は日記なので、書けば書いた分だけ記事総数が増えるのは当たり前。
書かなければ当然記事総数も増えない。
インターネット上に公開されている物なので記事をアップロードする頻度が高ければ見に来られる方も増えるし、滞れば段々減っていく。
自分としては、沢山の方にこのブログをご覧になってもらっているのはそれだけで非常に嬉しいです。採集記事や考察記事がアップされた時はそれはもうアクセス数はフフフな事になるので冥利につきます。

しかし、今現在のブログ記事総数は500件に迫る数。
その数を客観的に見た感想としては、
結構書いてきたなぁと我ながら感心する気持ちが半分、残り半分は「俺が今初めてこのブログに訪問して読む側の人間だったら、こんなに数あったら読む気失せるわ~…」
実はあんまり記事数を増やしたくないと云う気持ちがあったりします。
内容が濃く、それでいてさっぱりした分量のブログが好きなんです。
しかし、記事を書くのをやめるとブログが『終わり』ます…それは好きじゃない!
(上手い形で終わらせられたブログならばそれは良いんですがそれはあくまで自分以外のブログの場合です)
非常に矛盾した価値観ですね。

記事数が多くなってそれでも満足して書き続けられる唯一の方法は何だろうと考えてみると、
非常に単純明快な結論が出てきます。
それは、『記事の中身を濃く充実したものにする事』
自分のブログの場合、なぜ上記の「記事数が多くなるのが嫌」になるのかと言えば、
『今日は薄味(or空っぽ)の記事です』と云う記事の無駄使いをしているからだと思うんです。
たかがブログでそこまで神経使う必要無いだろ、と言われればそれまでですが
変な言い方をすると自分もこのブログの読者なので、面白くない記事が完成すると自分自身読んでてゲンナリしますし長々といろんな事を書いた記事が出来上がると自分自身も楽しく読んでるんです。
もう完全に奇人宣言してますね。

そういう事なので今回は、
その『記事を書く』事そのものについて書いてみたいと思います
(思います、と書くのは自分でも今回の記事がちゃんとまとめ上げられるのか分からないからです)



最初に断っておきますが、
今回は記事を書くにあたって結構具体名とか出します。
否定的な意見の部分に引用する事もあるかも知れませんがお気になさらないよう…


* * * * * * * * * * * * * * * * * * *
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まず、このブログ内の記事内容の種類を大まかに分けると、
①採集記(出撃予告含む)
②採集考察
③飼育種の紹介
④飼育経過報告(産卵セット・幼虫エサ交換)
⑤飼育経過報告(羽化報告)
⑥飼育終了報告
⑦飼育法考察
⑧種・産地の考察(実験含む)
⑨カブト・クワガタ以外の虫の話
⑩人物・店・道具・本の紹介
⑪虫以外の話(昔の話・最近の話)
⑫行事の紹介(地域・仲間内)
⑬時事話題
⑭地元の話題
⑮年1回の記事(1年のまとめ・挨拶 等)

こんな感じに分けられます。
カブクワ飼育が主体のブログとしてよくみられる傾向ですが、
内容として多くなるのは④⑤です。
「今日はこんな虫をセット組みました」
「割り出してみました、幼虫〇〇頭採れた!」
「エサ交換しました、体重〇〇グラムでした」
「羽化しました、〇〇ミリだ」
虫を飼っている内で一番簡単な内容であり、『使い回し』の利く内容とも言えます。

ただし、そんな世の傾向とは裏腹に(?)自分はこの産卵セット報告やエサ交換報告を記事にするのは気が進みません。

記事全体に言える事ですが、量や質で面白くもつまらなくもなります。
その中でこの④⑤は記事としてつまらなくなる可能性が高いです。
(※自分のところでは、と注釈を付けときます)
というのも、他のブロガーのように一度の記事で何頭もの個体を紹介出来たり目を見張るような個体を紹介できる場合はそれなりに読めるものになるのですが、飼育個体が少ない自分のような場合、たった1~3個体しかも平凡な大きさのものを紹介しただけでは、これほど読む意味のない記事はありません。
平凡な個体を紹介してもそのあとに⑦の自分なりの考察が加われば記事としての充実を図れるんですが、そんな頭も回らない事の方が多いのでそうそう毎回考察込みの飼育記事なんて書けません。
(だからいつまで経っても飼育スキルが成長しないんだろうなぁ…[たらーっ(汗)]
③の飼育種の紹介は、既存の飼育種を全て紹介し尽くした現在では「初飼育種の入手」「飼育再挑戦種の入手」が主ですが、紹介の記事を最後に『続きが無いまま飼育終了して⑥のようになる』事がこのブログで多いのは、飼育報告を逐一こまめにアップするのが嫌だから内容が溜まってからまとめて記事にしようとした手前で壊滅させているからなんですね。
ブログをやっている身として、ブログネタの為だけに増種したと思われたくない考えとこれまでの失敗から、次第に増種のペースが減ってきているのが現状ですが自分としてはこれがベストと思うようになってきました。

その他の種類記事に関しては、書く事があればその度書きたいままに書いています。
今となっては産卵セット報告やエサ交換報告をするのは、よほど気合が入っている時や初飼育の虫の場合ですかね。




続いて触れるのは、①の採集記。
記事の面白みという観点で『飼育関連記事』と『採集関連記事』を比べた場合、虫と云うテーマ以外は根本的に種類が違う内容なので比べるのはナンセンスなのですが、前者は主に個人個人の飼育部屋と云う非常に限定的な舞台から作られる内容なのに対し後者は野外のフィールドで行動するので、内容にもよるんですが昆虫そのものについて以外の内容も盛り込みやすく(人同士の掛け合いやハプニング等々)、純粋な読み物としての側面も強いので読む側としては取っ付き易いと思います。
(飼育記事だと基本的に虫自体の内容にしか焦点があたりませんが、採集記事だと虫自体の内容以外にも採集に至る過程や採集マナーから派生して道徳的な内容など多角的な内容でも書く事ができる…と。 言いかえれば、虫自体の内容が薄くても他の面で内容を誤魔化す事が出来ると云う事になります)
自分のその考えが的を得ているかは分かりませんが、一個一個の記事を見てみた場合採集記事の方がアクセス数が平均的に多いです。

そう云う事なので(つまり自分も採集記事が好きなので)、自分も採集記事は出来るだけ書きたいのですが、実際のところ採集記を書くのは今の自分にとっては特に大変な作業です。
他の種類の記事は大体なら現在進行形で構成できる(その時に調べたり、文章を入力しながらでも新たな意見を生み出し書いていける)のに対して、採集記事(と昔の話)についてはその時に起こった事のみを元にして書かなければいけません。
そりゃ当り前だろうと云う話ですが、
実は結構(かなり)忘れっぽい自分にはこれが非常に疲れる作業なのです。

採集中に見たことあったことについて後から説明・考察を加えることは可能ですが、採集中には実際に無かった事をでっち上げる事は出来ません。となると、採集時にあったことを忘れてしまい結果だけの記事内容になってしまうと非常に味気ない中身になってしまいます。
頭の悪い自分としては、採集記事を書き終えるまでに、採集の行程で起こった事やその時の心境をどれだけ覚えていてそれを記事にするまでに忘れないでいておけるかが最重要なのです。
歳もまだ20代なのに年を重ねるにつれて記事を書く時間が長く長くなっています。
高校生だったブログ開始1年目の当時は今よりもずっとスラスラと文章が浮かんできたものでした…
以前は、一晩中走り回ってきた時の採集記を書いても一晩で記事をでかしたものですが
今では、夜に数時間だけ行った分の採集記ですら記事の完成に2日~3日掛かったりしますからね。
頭が固くなってきたのか集中力が切れてきたのかボケてきたのか、一行の文章を考えるのに時間がかかるようになってるんですね(死ぬんじゃねェか俺!?)

なので、今になって昔の採集記事を読んだり他の方の長い採集記事を読んでいると
「今の俺じゃァ音声記録やノートに記述でもしながらでないとちょっと無理っぽい」
と感じてしまいますね(汗)

そして、採集記の場合は、他のブログでも言える事ですが
展開に抑揚をつけたり間を作ったり、時系列をずらすなどの小細工で構成を面白くしやすいのではと考えられます。
ハイ、自分の場合はこうした技法で巧みに(?)嵩増しして薄~い採集内容を誤魔化しております。
読み物として楽しむ場合、たとえ成果が素晴らしく大物が採れたとしても、文章が淡々と展開されていくと没入感に乏しい記事になり、長い記事でなくても読むのが苦痛になります。まして、それが連載だったりするとウンザリしてしまいます。流石に、このブログの採集記ほど小細工がウザイところは他に無いと思いますが 笑

「個性を出す」と云う観点で言うと、ちょっと気を付けている点があります。それは、
なるべく表現豊かに
他の人の記事で多用されている表現に引っ張られない
と云う2点。
採集記をいくつも書いていくと、往々にして「採集地を決める」「採集を開始する」「昆虫を発見する」「狙いのものが採れる」といったあたりの内容は、展開がまあまあ似通ってしまい表現が単一化していきがちです。ここで文章表現の方法にバリエーションを持たせておかないと、どの採集の時も筆者の感情が同じように受け取られてしまうし、採集記一つ一つの価値が薄まってしまいます。採集者本人の側としては、内容にもよりますけど飼育記事と違って毎回展開や状況、そして感情はバラバラなはずで、それを上手く差別化し伝える為にも「色々な表現を駆使して」採集記の展開を彩っていきたいと思うのです。
そして、採集記を書く場合、多少なりとも他の人の採集記を読んだりもする事でしょう。そうなると、中には文章のクセで印象深い表現や多用される表現が知らぬ間に刷り込まれてしまい、自分が文章を考える時に「それら」がフッと出てきてしまう場合もあります。勿論、表現の仕方は自由ですから、どんな表現を多用しようと伝わっていれば問題は無いんです。ただ、採集記の場合、それはよくよく決定的な場面のものである事が多いので、そんな大事なシーンで他人のフンドシを借りたくないと思ってしまうのです。具体例で言えば、
・ボロボロの成虫を採った時に ⇒ 歴戦の兵(つわもの)
・苦しい状態が続いてからの大物発見 ⇒ テンションが上がった

あと、採集記を書くスタンスも色々あるものなんだけど、
自分としては一番面白くないのが、採集の途中内容をほとんど書かないでいきなり
「今日は〇〇クワガタが××頭、◆◆クワガタが××頭・・・」
と数だけ報告して画像を載せて終わりの『ほぼ結果報告のみ』のタイプ。
これはライトトラップ採集の場合が多い。確かにライトを点けて基本待つだけな採集法だとさして書く内容が無いので、ライトトラップ採集記の場合外灯回りや樹液採集・材割り採集に比べて簡素な内容になりやすい。いくらオオクワが飛んできても画像だけでは読んでいる側はあまり興奮もしないし勉強になる事もない(大概はコンクリの上に居るだけの画像だからね…)
とは言え実際、その時やった地域やライトを照射する山の地形と使用するライト機材の組み合わせや時間帯の選び方等書こうと思えば書けるんでしょうが、如何せん近年の東日本ではライトトラップ採集者が新規参入も増えてどんどん競争率が高くなり、採集記を書くにしても詳しい事を書けば書くだけ大なり小なり自分の首を絞めることに繋がるので詳細を書ける人は少ないです(皆無?)。
結果的に、ライトトラップ採集の記事ってそのものはただの「自慢」か「自虐」でしか無くなるんですよね。

そして果実トラップ記事、特に南西諸島が舞台だと青森県人の自分にとってはやや非現実感のようなものを感じられてワクワクさせられます。狙う虫によってトラップを掛けるポイントや木の高さを選んだりする点から、トラップとは言え「狙って採集できるか」のドキドキ感も読んでて感じられることもありますので詳細な内容を省かなければ非常に勉強になりますし入り込みやすいです。
その中でも、特に多くの種類が生息する奄美大島&徳之島の採集記事だと面白いんですが…

個人的に一番ベストなのは樹液採集記事で、
もし自分が読む立場になって食いつく種類を順位にして挙げるならば
Best 1 オオクワガタ
Best 2 ヒメオオクワガタ
Best 3 その他
、となるんですが
特にオオクワガタは樹液採集で採るのは難しいだけに、記事を書く人(採集者)の情熱や経験や知識がそのまま素直に文章で表されることが多く、(地域によって棲息環境に違いはあれど)北海道から鹿児島まで沖縄以外の全国に分布している虫なので「自分のいる都道府県でもこんな事が可能なのだろうか」と、採集難度が高くそれでいて身近と云う『現実と非現実の中間』で想像に更けながら読む事が出来るんです。
人気が高い虫と云うこともあって、採集記事自体には良くも悪くもいろんなエピソードが織り込まれることも多い為こってりした記事になる事も多く、他の種類の昆虫採集記事と比べても物足りなさを感じさせる事は比較的少ないのではと感じます。
あと個人的に入れてみたい(入れてほしい)事として、記事の本命であるオオクワガタ本体を発見した時の様子を写した画像(出来れば動画)を組み込みたいんですよね(笑)
オオクワ採る間際にカメラを片手にしてる余裕ってまずそんなに無いでしょうけどね(苦笑)



頭が回らなくなってきたので今回はここでひとまず終了で……
後から校正するかもしれません。

  続く

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ブログ記事を書く② [日昆 日常雑記]

採集記事については前回ので一旦終了として、
続いては⑦⑧の考察や実験をネタにした記事ですが。

いくつか自分も読ませてもらっているブログの中には、カブクワ(や他の昆虫)についてどうしたら大型の個体が羽化するかを統計などデータを取って公開しているものや、大学の論文を足掛かりにして飼育に有用な情報を自分なりに解釈して紹介したもの、飼育下で発現する特異な個体についてその原因を探る内容のものなどを頻繁に記事としてアップしているところを度々見かけます。
個人的には、そういうところのブログは非常に興味深く読んでいて尚且つ自身も目指すところではあるんですが、なんせ馬鹿なので書けません!
もっと化学の勉強とかしておけばよかった…といつも思っています。…え、いつ頃から…? そうですねェ…センター試験でボロボロになった時から…かなァ…。

そう云った事ですので、幼虫に与えるエサがどんな部分でどの時期に作用して…と云ったよくマットや菌糸の添加剤の実験を化学的な思考で理詰めで行う事が出来ません。それにまともな機材が無いので、温度による成長の優劣や速度の違いを厳正なデータで表したりもできません。
あくまで感覚的な結論を述べるのが精一杯です。
自分で出来る事と言えば、二番煎じカブトムシの真横に定規を置いてみたりするだけです(笑)
そして前述の例よりもっと俗っぽい内容になり、生き虫流通で自分で勝手に問題視する『A亜種とB亜種の違い』とか生き虫産地ラベルの話が多くなるワケです。(まぁ本当に個人的に書きたいからでもあるんですが)



:飼育内容が中途半端
:採集成果もイマイチ
:しっかりしたデータで考察や実験が出来ない
虫ブログで重要な部分が↑↑こんな感じじゃ全然駄目じゃん!
(気楽にやるから良いんじゃないの? と言えばそれで全部解決なんですが…)

それでは一体どうしたらいいのか……………………




……中身は無いけど外側だけ盛る! まぁやだねぇ~(嘲笑)


ブログの記事をある程度読んで頂いた事のある方ならうっすらお気づきだと思いますが、
私自身、無駄に細かいところだけやたら力を入れるんですよ。

ブログの仕様をぐりぐり弄くり回して
ブログTOP.jpg
ブログ画面の上部に『最近の一言』なんてコーナーを設けたり、

ロゴ達.png
ロゴ画像を不定期でデザイン替えたり、

カレンダー.png
カレンダーも見やすく日付をクリックしやすいように数字を大きくしたり
(他のso-netブログにあるカレンダーと比較してみてください)

プロフ.png
【にちこん】とか【ひこん】とか誤読されないようにブロガー紹介欄に括弧つけて読み仮名振ったり、
無駄に、無駄にマイナーチェンジしております。



そして記事の文面・文体についてですが、書き続けている内にある程度自分の中でルールが出来てきました。
(無駄に)

【 1 】 常体と敬体
通常記事の文章は敬体(~です・~ます)を使いますが
採集記事や昔の話の時だけは常体(~だ・~である)を使います。
ただ、結局のところその時の書きたいやり方によって変えているので、上記が絶対ではありませんね。

【 2 】 文字の大きさや色
記事を読んでいてお分かりになると思いますが、インパクトを持たせるためにその箇所の文字を大きくしたり不要な話だけどちょっと書いときたい一言は文字を小さくしたりしてます。これはここのブログに限ったことじゃないですね。
そして色遣いですが、これも言葉の意味合いによってある程度使う色を決めています。自分の場合他のブロガーさんよりずっと節操無くいろんな色を付けているので読み取りにくいと思います。スミマセン。
黄土:強調箇所
:決定的な強調箇所
:日付、時刻
:マイナス要素
:マイナス要素の衝撃的箇所
水色:気温の低さ
:今後の展開を煽る…等
:注釈、括弧内文

さらに、もしかしたら気付いていない方もいるかもしれませんが、
書きたいんだけど諸々の理由で書きにくい…けどやっぱ書く!と云うような話を載せる際には、文字の色を記事背景に同化させ一見しただけでは読めなくさせ文章をドラッグさせたりしないと文章が読めなくなるようにしたりもします。
(この欠点としては、ケータイ版だと仕様の違いがありまるで隠せないと云う所ですね)

【 3 】 順序
通常内容は単純に言うと導入部から入り順番に事の成行きや説明を展開し、
落ちや結論を最後に持っていくのですが、
その時の記事の内容によってはその順序を変える事があります。
大した記事を書いてきていなかったのであまり必要な技法じゃないかもしれませんが、
記事のはじめでその回のハイライトを画像などでドンと紹介してその後順番に一から説明したり、
ブログ初登場種の記事などではいきなり主役の画像を出さないで伏線やヒントなど「ため」を作ってその後記事の中盤を過ぎてようやく正体を明かすなどしたり(まぁイライラする方もいるでしょうけど)
飼育関連の記事ではこのような入れ替えを行う事がありますが、採集記の場合ではあまりそういう順序を崩すような事はしないですね。
また、このブログでは記事の後に【追記(続きを読む)】機能があり、追記リンク文言か記事タイトルをクリックして記事個別のページに入らないと続きが読めない設定が出来ます。これを使う事で、センセーショナルに仕上げる事が出来ます(いやらしい!)。マンガ等で使われる手ですが、ページをめくると云う動作をはさむので、次のページでドーン!…といった衝撃的な展開を効果的に使う事が出来ます。(そうでないと、流し読みしながらスクロールしてて記事の内容のピークをヌルっと見てしまいますからね)
例としては、
 本文:新入荷種がいる事を紹介 ⇒ 追記:新入荷種の名前・画像を公開
 本文:採集記の導入 ⇒ 追記:採集記の本編
 本文:飼育記話題本編 ⇒ 追記:脱線話


今のところ文章としてまとめ切れている点はこれくらいなんですが他にも画像の挿し方とかまだいくつかディテールに小細工することがあります。




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なんか結局ブログをどうしたら内容を濃く出来るかじゃなくて単に自分のブログの書き方を紹介しただけの記事になってしまいましたがこれでもうほとんど終わりです(…は!?)




せめてというかなんというか、これも脱線話なのですが
これまでに読んで面白かった物を3つだけ書いてみます。
記事を書く上で参考(目標)にしているところもあります。


≪1≫山口進 (1989) 「日本産クワガタムシ撮影旅行記」 『小学館の学習百科図鑑49 クワガタムシ』 pp.130-149. 小学館

≪2≫トッシー 「トッシー昆虫記」 『くわがたマガジン』 東海メディア

≪3≫鈴木直也 「店主のひとりごと」「飼育と採集の知恵袋」『ファーブルハウスウェブサイト〈https://fabre-house.jimdo.com/〉』

他にもいくつかあるんですがあえてこの3つを選択してみました。
実際のところ個人的な上位3位のような位置づけです(※古い順です)


この3つについて説明をすると云うのも僭越なのですが、
まぁ犯罪ではないだろうと云う事で暖かい気持ちで読んでください。

≪1≫ですが、これは図鑑や解説とは違う、個人の視点で展開する採集記(観察記)と呼べる読み物としては初めて読んだものです。
記憶では確か、自分が小学2年生の時に買ってもらった物で購入直後から小学生時代ずっと本の前半の図鑑部分ばかり見て読んでいたのですが、中学生になってこの旅行記の部分を読んでドはまりしたんでした。
ページ数もそう多くないので直ぐに読み終えたのですが、その柔らかい文章の中には撮影(採集)時の細かな動作や情景が鮮やかに表現されていて、想像力に乏しい(?)自分でもその場に居るような気分になったもので、日本各地のクワガタのそれぞれの生態がめくるめく説明されているので、よりもっと自分の中でクワガタそれぞれに個性を感じるきっかけになったと思います。
(文中には写真も結構あるけど白黒のページだったからそれも良かったのかな? こういう場合カラーより白黒の方がいいですよね)
これ読んだ後、なんか不思議とヤエヤマノコギリにロマンを感じるんだよなぁ…(笑)


≪2≫は、自分が中学生の頃当時初めてカブクワ専門雑誌を買った時にその中で他の記事とは明らかに別のベクトルで「面白かった」と印象に残っている記事です。
今は無き「鍬心」の店長・トッシーによる、店の内外での出来事や個人の面白おかしいエピソードが書かれていた連載記事だったのですが、これは嵌った(笑)
(独特の感覚やオヤジギャグのクオリティで言えば、シーラケースの社長の連載も好きだったな)
近所に昆虫専門店が無かった青森の人間の自分にとって、虫屋の店長が書く店についての面白い記事と云うのはそれだけでもワクワクするのですが、記事の文面から漂ってくる店の雰囲気と云うのが楽しそうなんですよ。個人的な生き虫店のイメージは3つくらいあって、1つはいわゆるオジサマ向けな感じの店(入口が狭くて子供が入り辛そうな、もし入ったら睨まれそうなアングラ臭が漂うタイプ)、2つは品揃えとか見栄えとか小綺麗にしてある均等な客付き合いを心掛けるかんじのコンビニみたいな店、そして3つが近所の小学生とかが週末になると集まってきたり店長の知り合いの虫仲間やらがちょくちょく集まってきたりして店の中から話し声が漏れ聴こえてくるような店。
自分としてはこの中では一番好きなのが3つ目で、記事を読んでいるだけでの勝手な憶測ですがまさにそれがドンピシャで≪2≫なんですよ。自分の年代がそんな感じだから余計に憧れるんですよね。
そしてここの登場人物のキャラクターが濃く描かれているのも、他の近い部類の記事と雰囲気が違う要因ではないかと思います(記事は基本的に虫が主役と云う事もあるせいか、こうして人物の方に焦点を当てる事が他の記事ではほとんど無い)
話が所々でK-1やアニメのネタを組み込みつつ内容の雰囲気としてそれを定着させ、話の落ちのつけ方も上手くて、だからと言って記事の全部が全部で何が何でも上手い落ちを付けてやろうと云ういやらしさもなくて清々しい気分で読めるのも見習いたい部分です。
そしてこの連載のイイところが、読んだ感じのボリュームの割りに実際のところほとんど何も起きてないし進んでないと云う所なんです(笑)


そして最後の≪3≫は、これだけ本ではなくてネットのサイトです。
虫屋の店長が自分の店のサイトの一角に虫ネタやらを更新するページやブログを設けている例は数多ありますが、個人的には一番濃厚な話が載せてあると感じます。
(他に個人的に好きだったのはドルクスグッズの店長のページでしたね)
店長ブログ等その界隈で比較してみると、他が十中八九「入荷・セール案内」「イベント出店」「自社製品のお客様使用結果報告」ばかり続いていてそれがまぁ本来の店の運営に繋がるやり方として真っ当な内容なのでしょうが、それを基準に考えると≪3≫は1人の飼育者として採集者として…一専門店の長がそこまで商売っ気無くて大丈夫なのかと不安にしかならないくらい色々な事を書いてます。普通の店なら商売上出し惜しむような情報も突っ込んだ視点で書いてあったり、気になった件について詳細に実験されてあったり、身近な問題については一番参考になるサイトです。(これは地元こそ有益である内容だからと云うのも一部ありますけど)
そして読み物としても読み応えのあるひとりごとのページは、本人からも直接話を聞くのもあるからでしょうが純粋に面白いです。(ステマみたいだな…)話題は多岐に渡り、所々にはさんでくるネタがスポーツ・文学・音楽・昭和とこれまたバラエティに富んでいるので流石は親ほどの年だけあって表現力が豊かで含蓄のある内容を存分に盛り込んできてます。そして真面目な話とは裏腹に馬鹿話さえも完成度が高くて恐れ入ります。



ちなみに、この記事を書くにあたって思ったのですが、≪2≫≪3≫の雰囲気がちょっと似てる気がします。・・・文体ではなく、雰囲気で。ああいうのってなかなか真似できるものではないですけど、こういう「読んでて楽しい、ニヤニヤしてしまう」ような記事が書きたいですね。



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