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2014年度羽化報告 マキタギラファノコギリクワガタ +名前の話 [〆ギラファノコギリ (マキタ亜種)]

9月が去るのも早かったですね。
もう今年も4分の3が終わりましたよ、泣けますよ。

こないだ、ヒメオオポイント探索の帰りがけに途中黒石や浪岡の棚田の中を通ると
美しい光景が広がっているのに目が釘付けになりました。
たくさんのアキアカネが西日に反射しキラキラと光っている・・・と云う風景は
古き良き日本の田舎と呼ぶのに相応しいものでした。
ここ数ヶ月(いや1~2年かも)で一番美しい景色を見たような気がしました。
あと数年後にはこの景色で涙流すかもしれない。
皆さんも一度夕方頃にでも秋の里山をドライブしてみては?

あとこの時期だと、棚田のあるような開けた山では
越冬場所を求めて狂喜乱舞するテントウムシカメムシの大群を見る事が出来ます。
こちらの光景もある意味凄いです(苦笑)



さて、前回に続き今回も羽化報告ネタです。

マキタは前回の記事では早くも蛹化してしまった事をカミングアウトしたのですが,
今現在となってはほとんど全ての♂個体が羽化してしまっている状況です。

♀はある程度まとまった数が羽脱し活動しているのですが、
♂の方は今か今かと出てくるのを心待ちにしている状態です。
(羽脱を待つのは前回の記事のアマミシカと同じ理由です)

そんな中、遂に先日最初の羽脱個体が現れました!!!
CA3I0196kai.JPG
「遂に」とは言ったけど、
まだ羽化から1ヶ月強しか経ってないんですよねぇ。

この個体は♂の中では3番目に羽化したものなんですが、
なぜこの個体が先に出てきたのかちょっと個人的に納得してしまう理由があったのでそれを書いておきますと

1番目から3番目に羽化した個体のサイズは外から見るにほぼ同じ。
(極端に3番目が小さいと云う訳でもありません)

管理している場所も同じ。

それで3番目が先に出てきた理由・・・それは



CA3I0197.JPG
1番目と2番目の♂はプラケ(コバシャ小)・3番目の♂は円筒形のビンで羽化した為。

上の画像の説明をしますと、これは2番目の羽化♂のケースなんです。
外から見て分かる通りフレーク内に空洞が見えますがこれは蛹室なんですよ。
「蛹室にしてはやけにボロボロで汚いな・・・」と思いませんか?

そろそろ勘がいい方はお気づきになると思いますが、
この方向・・・頭の側なんです

ケース側面から蛹室内部を覗ける部分(※俗に「窓」と呼ばれていますが)は通常、
綺麗に押し固められ綺麗な丸い縁どりになっているものですが
勿論この蛹室も最初そうでした。
それがこうしてボロボロになっているのは、
言うまでもなく大腮で蛹室を崩している為です。

しかし、不運な事に(?)新成虫の頭の方にはケースの壁が真正面に塞がっている為
蛹室の延びる方向に正直に脱出できず、塞がっている壁に沿って蛹室を自分の体の真横方向にボリボリと地道に削らないと地上に出られない・・・!!!、と云う非常に労力のいる作業をしていたわけです。
実際、蛹室を削った痕が見られるようになったのは3番目の♂の羽脱確認よりも数日~1週間以上前でしたからね。

ビン内で蛹室を作った3番目羽化♂は、壁に沿って蛹室を作った事で頭の方向が壁に遮られず、羽化後スムーズに蛹室から出られたと云う事だったんですねぇ・・・






ちなみに、実はこの3番目の個体以前に地上にもう出てきた♂がいました。

・・・じゃぁ最初に羽脱した♂ってそいつじゃん!
と云う話になるのですが、その♂についてはノーカウントと考えました。
それにはまた「理由」がありましてですね・・・



CA3I0171.JPG
この♂なんですが、見ての通り地上に出てます。
掘った後とかではなくふたを開けてすぐそのままの光景を撮ったものです。

最初「遂に出てきた~~!!!!!」と思ったんですが、
触ったらちょっと軟らかい(汗)


これ、ただ単に蛹室もとい菌床自体が泥化してユルユルになってて、
羽化したこいつが少し動いたら蛹室を突き破ってしまっただけだったんですわ・・・
実際、ケースに菌床ブロックを丸々詰めてケースの肩口までかさがあったのに
もはやだいぶ下に沈んで体積が減ってますもんね・・・

完品で羽化してる所がちゃっかりしてて笑えるんですけども。


**********************************



さて、話は戻していよいよ出てきた♂個体。

CA3I02021kai.jpg
自分で蛹室破って出てきただけあって心なしか非常に動きが機敏。
ビックリすると脚を綺麗に縮めてボトッと落ちたり、巨大な体躯に似合わずカチャカチャ音を立てて素早く歩く・・・
・・・そして、なんかペットショップの熱帯魚コーナーみたいな体臭がする。

CA3I02011kai.jpg
これは見入る!!!
野暮ったい印象のケイスケなどインドネシア系の亜種とまるで違います。
何がそんなに違うって、まぁ大腮なんですが線が細いフィリピン産は湾曲が強調されてて内歯も細くこまかく1個1個が独立してていて綺麗に見えます。
CA3I0199kai.JPG
WF1個体群と云う事で発現する大腮の形状のバリエーションも少し種類があるかもしれないのでそれも楽しみの一つです。

CA3I0200kai.JPG
左がニルギレンシス♂103mm、右がマキタ。
どちらも光沢モノなんですがマキタの方がテカりが強いですね。
サイズが少し違いますが、形状も違いますね。


CA3I02031kai.jpg


 飼育データ

 【産地】 ミンドロ島 ハルコン山
 【累代】 WF1


マキタギラファ97mm.JPG
2013年12月1日 割り出し 1令 くわMat900ccガラスビンへ(添加あり)
2014年3月16日 3令 31g 頭幅16mm
        くわMat2400ccガラスビンへ(添加あり)
   6月27日 蛹確認
   8月10日 羽化確認(♂の内で3番目に羽化した)
   9月25日 自力脱出確認 98mm

良い予感はしませんでしたが、やはり100mm台には届かなかった・・・
マキタは初めてのブリードですが、これがダイスケだったらこんな管理でどこまでいけるのか俄然興味が湧いてきてしまうところですが・・・






そして今日、ダラダラ記事を書いている内に
今日になって2頭目の羽脱個体が現れました。

その個体は、上記で紹介した2番目の羽化個体(笑)
このタイミングで出てきたか・・・

なんだか最初の個体(97mm)より大きい気がするぞ・・・?


CA3I0208kai.JPG
2013年12月1日 割り出し 1令 Element菌床800PPボトル(既製品)へ
2014年2月17日 3令へ脱皮
   3月2日  10g 頭幅16.5mm
            Element菌床ブロック コバシャ小へ
   6月22日 蛹室確認
   7月2日  蛹確認
   8月上旬  羽化(♂の内で2番目に羽化した)
   10月1日 自力脱出

※ちなみに「確認」と云う書き方は、
  当日に羽化や蛹化したものではなく既に数日経っている場合に使っています。


マキタギラファ101mmkai.JPG
先に羽化したから小さいのかなと思ったら意外と101mm
マキタとしてもギリギリ100mm越えはあまり大きいとは言えないですが
やっぱり数字で3ケタいくと「ふふふ」ってなりますわな(笑)

CA3I0210kai.JPG
各期間を算出してみると、
【98mm】・・・
 幼虫期間(蛹化まで) : 約6ヶ月半
 羽化まで : 約9ヶ月
 羽化から羽脱まで : 1ヶ月半

【101mm】・・・
 幼虫期間(蛹化まで) : 約7ヶ月弱
 羽化まで : 約9ヶ月
 羽化から羽脱まで : 約2ヶ月

大陸亜種ニルギレンシスの場合は、♂と♀の羽化ズレに毎回冷や冷やしてそれぞれ温度差をつけて管理するなどして対応しなければならないのですが、
それに比べるとフィリピン亜種のマキタは同じ温度帯で飼っていても大した羽化ズレもなく非常に管理が楽に感じます。
現地の気候に合わせて翌年には成虫活動できるようなサイクルが出来上がっているのでしょうね。
現地からもそろそろ野外品が採集され入荷する時期になるのでこの羽脱のタイミングはドンピシャリなんですね。
サイクルが早く飼育しやすい亜種ですし入荷も比較的見込めるので、
見たことない・飼ったことないと云う方はこの秋マキタギラファを飼育してみては??
(なんで宣伝して締めたんだろう・・・)




+++++++++++++++++++++++++++++++++++



最後に、マキタをはじめダイスケ・・・ケイスケ・・・ニシヤマ・・・ニシカワ等と
日本人の名前が多いギラファの記事と云う事で余談(だた言いたいだけ)なんですが、

毎年毎年クワガタやカブトのみならず様々な動植物で新種や新亜種が記載されています。
特にクワガタなんかは、記載されたばかりの新属・新種・新亜種が
早々と生き虫として輸入されていて話題性のある物・ない物様々目にします。
(記載前の虫が何故か生体で輸入されていることについては苦笑いですが)

それら「新種」など新しく記載されたり分類が分けられたりすると当然名前(学名)がつけられます。
クワガタは世界の中でも特に日本での人気が高い所為もあって、
新記載時に日本人名を種名(亜種名)にあてる事が結構多いです。
近年は結構顕著なのではないでしょうかね。
それは近年のクワガタ流通事情をお分かりの方や図鑑をよく読む方は周知のことだと思います。

その事(学名や流通名・和名が日本人名)について、
時々どこかしこで話題になっているのを見たりすることがあります。
その大半が、「名前の響きがかっこ悪い」「ダサい」「献名した人の自己顕示欲が強くて不快」などと云ったものです。

この点、そう感じる方は多いのではないでしょうか?

〉〉 名前の話、ちょっと続く。


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