南部鍬形追分 [青森の昆虫事情]
10月の最初の日曜までは自身のヒメオオポイントを順調に拡張していたのですが、
その後何を思ったのか「南部で採れるかな・・・?」などと興味が湧いてきまして
先日12~13日、2日間使って今年初めての三戸郡へ行ってきました。
今までも、三八地域は人生においても数度しか出向いた記憶が無くて、
個人的に謎に満ちたエリアとして興味をひかれつつもなかなか踏み込みにくい場所なんです。
青森県内各地の虫を採集するにあたって、
青森市に住んでいると云うのは非常に強みになるのですが
(県のほぼ中心に位置しているので各方面に出向く際に遠過ぎる場所はあまりない)、
それでも下北半島の奥の方と三八地域は青森市からはちょっと遠いんですよ。
(津軽半島の平舘と下北半島の脇野沢を橋で結んでくれないかなぁ・・・)
特にこちらから見た場合の階上町なんて、時間的にも金銭的にも結構行くのに勇気が要るんですよ・・・県内コクワ制覇を目標にするなら勿論行くべき行きたい所なんですがねぇ・・・
その内、今回はヒメオオのポイント発見を第一に見据え探しに行くので、
事前に地図を数種類見ながらどこへ行くか見当をつけていくと、
まぁ山と人口密集地の入り組み方のドットが細かいこと!
単純に言うと、十和田湖から八甲田にかけて・・・みたいな一面森林の環境があまりなく、
薄く広く集落が広がっていて、深い山が無いんです。
深い山(高い山も)があまり無いと云う事で集落裏の田畑になっている場所が多く、
だいぶ伐り開かれています。
その為、明らかに望みがある八甲田~奥入瀬近辺のような
広大な広葉樹林帯が見つからないんですね。
そこそこ情報を探してみても、
青森県の三八地域から岩手県北部にかけての『南部地域』からヒメオオを採集した記録がほとんど見つからず、特に青森側に限れば全く見つける事は出来ませんでした。
そんなハードルの高い三八地域の中で、一番最初に突入するならどこがいいだろうと地図を相手に睨めっこした結果・・・
奥羽山脈系列にダイレクトに位置する西側(新郷村・三戸町・田子町)が適しているだろうと考え、その内一つの町村だけ集中的に探ってみようと更に的を絞り、最終的に個人的なネームバリューで
【にんにくの首都・田子町】を調査することに決定しました。
# # # # # # # # # # # # # # # # # # # # #
田子町(たっこまち)は面積242.1平方km。
青森県の最南端に位置していて面積の80%が森林。
奥羽山脈の東側に位置する事もあり三戸郡では最も標高が高い場所もここにある。
タバコやニンニクの生産地として盛ん。
# # # # # # # # # # # # # # # # # # # # #
森林率の高さで言えば新郷村もいいのですが、
新郷は十和田の隣と云う事もあってお馴染みの採集エリアからそう遠くないので「いつもより奥まった地域に行きたい」と云う考えで田子になりました。
何を隠そう今回が初めての田子町。ワクワクします(笑)
いくつもある県内の市町村のうち行くのが面倒くさい所の一つ、
八戸市から行く分にはストレートに道が通っているんですが、
青森市から向かうと素直に真っ直ぐ行けずなかなか大変です。
ちなみに、自分の愛用の『県別マップル 青森県道路地図』では
田子町が全部載っておらず、隣の秋田県や岩手県の道路地図を見ないと5万分の1のページが無いと云う、何とも歯がゆい場所でもあります(苦笑)
この見切れてる部分が重要だとゆうのに!
12日(日)
そんな訳で、見切れてる重要部分を含め
気になる場所を事前にグーグルマップで確認し一部をプリントアウトして、
・道路地図
・ドリンク(ヘルシアウォーター&モンスターエナジー)
・リュック(中には採集道具多数)
・網
・タオル
・目覚まし時計
・毛布
他色々積んで出発しました。
・・・勿論、当日寝坊して昼出発・・・
++++++++++++++++++++++++++++++++++
・・・・・・え~~っと、なんというか、
いつもの調子で書くと無駄に長くなるので
以下だいぶ簡潔に流れをまとめていきます。
++++++++++++++++++++++++++++++++++
まず青森市内を出発して八甲田を通過。
日曜日は天気もよく「超」絶好の行楽日和だったおかげで、
萱野平原~猿倉近辺までズラ~ッと観光客がごったがえしていてただただ凄かったです。
しかしそれに負けないくらいに八甲田は紅葉が見頃で本当に凄い景色でした。
↑↑この画像は酸ヶ湯。
こんな山の中で渋滞に巻き込まれるなんてそうそうないな(苦笑)
「イベントの為近日奥入瀬渓流マイカー規制」の看板を勘違いし
もう奥入瀬渓流が封鎖されたと早合点して
焼山を過ぎた後青ブナ山→御鼻部山→銀山と、十和田湖の西を迂回し秋田県へ突入。
小坂町→鹿角市と進み、いよいよ田子町に初進入。
まず手はじめに雷鉢森を見ることに。
標高は400~500m付近ではあったのですが、全体的に2次林で木が皆細く
道端のヤナギやその他の木にもヒメオオが齧ったものと見られる痕跡は皆無。
一応赤枯れも叩いてみたのですが成果なし。
雷鉢森を諦め車を走らせ、すぐ近くの夏坂で林道を見るがこれも駄目。
続いて山深くを目指し、町唯一の名所と言ってもいい(?)通称「そうめんの滝」こと弥勒の滝付近を散策。
近くの林道では特にダケカンバは多数ありましたが幼虫が育ちそうな木は見つけられず勿論成虫の痕跡も発見に至らなかったです。
この林道探索中に陽が落ち周囲の環境が見渡せなくなってきました。
仕方が無いのでこの後は主に、林道脇のヤナギ等低木をライトで見ながら成虫の噛み痕のみを探す作業だけに。
山の中の未舗装路をひた走り、
伐採地などを抜け標高200~600mを探します。
腰が抜けそうになりながら何度も車の腹を擦り峠を越え、
暗い林道を徐行したり徒歩でルッキングしていきますが・・・
・・・やっぱり枝が全部綺麗なまま(泣ける・・・)
ただ一つだけ、
奥羽山脈の背骨付近を歩いているため星空はまぢ綺麗でした。
個人的に八甲田、白神と並んで特に記憶に残るレベルの星空でロマンチックなんですが、
こんな・・・、こんな所まで夜中に来るなんて男でも願い下げでしょうな(苦笑)
林道をまだ調べたい気持ちも空腹と寒さには勝てず(林道歩いて凍えてきた)、
夜7時を過ぎて山を下り、集落に出ます。
疎らな人家を横目に、一番人口が密集しているであろう田子地区を目指しました。
田子までせっかく来たんだし、地元ニンニクを使った焼肉定食的な物を食べたいな~
・・・などと呑気に考えていましたが、流石田子と云うべきか・・・
時刻は夜8時頃、どこの店も開いてない(焦)
開いていたのは商店が1件くらいとローソン1軒しか見当たらなかった・・・
ある意味感心しながらも「どうしよう・・・」と悩んだ結果、
既に眼前だった三戸町へ突入。
田子町内とは変わって、やってる食堂は見つけられなかったが
まだスーパーが何軒か開いていた・・・(なんだこの差は・・・)
1軒目のスーパーでパンと菓子を買って少し空腹感を紛らわし、
2件目のスーパーの弁当コーナーでにんにくを使った焼肉弁当を発見。
スーパーの弁当だろうがこれでも地元のにんにく使っているはずだ・・・と妥協し即行購入。翌日の朝食分のパンも併せて買いこみ、車の中で焼肉弁当をかきこむ。思いの外にんにくが強烈でした。
遅い夕食を済ませた後、
最後にどこか面白そうな所は無いだろうかと地図を広げると、見覚えのある字面が・・・
名久井岳(615m)。
三戸町と南部町にある地元で有名な山で、古くから親しまれている山でもあります。
マツの大量植林も時代背景にあるのでヒメオオを真面目に探すつもりはないものの、「こっちまで来たついでに」と向かう事にしました。
山の中に1本道が通っていてそこを車で流してみました。
何故か夜になって風が強くなってきてしまったので車の外には出なかったのですが、
名久井岳から見える景色もなかなか良かったです。
名久井岳を下りて夜の10時だったか11時だったか、
そのくらいに車の中で寝ることに。毛布持ってきて本当に助かった・・・
13日(月)
朝の6時に一旦ケータイのアラームで起きて2度寝、
1時間後の7時に今度は目覚まし時計のベルで起床。
トイレと歯磨きを終え、朝食のパンをほおばり一路田子へ急ぎます。
名久井岳から。標高的にはだいぶ低い位置からです。
今日の一発目は、
昨日最後の林道(名久井岳除く)を諦めて山を下りる途中でいくつか通り過ぎた林道の内一つに的を(テキトーに)絞り進入。
朝早くから材木を向こうから運んで来るトラックを交わしながら泥化した悪路を進み、
登山道に続く林道を見渡すのですがやっぱり駄目。
奥へ行こうと云うその先にヤナギが倒れていてそこから歩きに。
暫らく歩くと登山道の入り口が見えてきた。
この時点でもう車では来るのは無理でした。
歩くのも楽ではないボロボロの登山道を登りながら、周囲の樹相に気を配っていきますが全然針葉樹ばかり。沢沿いの為ヤナギの灌木も見られるのですが全くヒメオオが居た形成がありません。
登山道をもっと奥へ進めば針葉樹林帯も抜けられると思って(植林っぽいので)先へ進んでいきますと、段々景色が変わってきました。
こっちに来てからあまり見なかったブナ林帯だ!
最初は生木しか目に付かなかったのですが、次第にいたる所に大きな立ち枯れが見られるようになりました。
これは・・・!!! と思ったのも束の間、なんかちょっと視野を広げてみると違和感が・・・。
大きなブナの立ち枯れは結構たくさんあるものの、
一般にクワガタの成虫が集まるような他の木が全く見当たらないのです。
あるにはあるんでしょうが、ここでまともにクワガタを採集しようとは考えないなぁと思うような場所になっています。
しかも、近くにある立ち枯れを観察していきますが、
ルリクワガタも痕跡が全くありません。
登山道もいつのまにか急登に・・・。 そしてついに来てしまった。
登りきっちまった。
もう木も灌木ばかりで葉も何も全く虫に食われてない(汗)
ほとんど虫がいねぇってことじゃねーか!!!!!!
そして、頂上が奥の方に平坦になっていて、
三角点の先にまだ道があったので気になって進んでみると・・・
今度は開けた空間に出て中央に変な木の柱が立ってる。
なんか書いてる。
3県境の山・・・・・・??・・・
【四角岳】
林道入り口に山の名前は書いてあったけど、
1003mもあんのかよ・・・
青森・岩手・秋田の県境
クワガタ探しに入った山でやけくそになって登頂したこの山は、
どうやら青森・岩手・秋田3県の県境が接する唯一無二の場所だったようです。
四角岳なんて昨日今日まで聞いたこともない名前の山でしたが、
なにげに山を登頂したのは今回が初めてなので妙な高揚感が(笑)
向こうに見えるのはここより僅かに高い中岳(1024m)。
流石にあっちへはもういきません・・・(青森からでてしまうし)
四角岳 山頂
眺めはややいまいちです。
若干灌木に視界が遮られている感じが見受けられますね。
そして一面先まで山!!! この日は昨日とうって変わって曇り空で天気が悪いので、
靄がかかり遠くが霞んでいます。昨日だったらどんな眺めだっただろう・・・
・・・
・・・
・・・
・・・・・・いや俺何しにこんなトコに来たの・・・????
帰りは1時間ほどで車まで戻り、時刻は既に午後1時。
夜7時に人と約束がある事を考えると、今日はもうダラダラ走りまわれないと腹をくくり、
田子での探索を諦め、帰る道すがら三戸町と新郷村もちびちびと探して、
出発時に入れた4,000円分のガソリンが持たなくなってきたので山に入る直前にもう一度十和田市内で給油して(財布が痛い・・・)、最後の最後にせめて十和田でヒメオオの姿だけでも拝んで帰宅しようと既存のポイントに立ち寄ってとどめのボウズを食らって、
見事ガソリンだけ綺麗に消化して手ぶらで帰宅しましたとさ。
持って帰ってきたのは車体の傷くらいですね(嘲笑)
************************************
今回いくつか感じたことはありましたが、
非常に厳しい!と云う事がまず第一です。
ほとんどブナが見られず(時間帯もあって暗い時にしか行けなかった場所もありますが)、
勿論たくさんの個体数が居るのでしょうがクワガタの棲息状況と我々採集者が干渉できるような場所がかみあうポイントが少ないように感じました。
そして、もしかしたら時期の所為もあるのかもしれないのですが、
こちらの地域は林業の進み具合が県内の他の地域より盛んで、
地図で見ても歴史的な面で見ても山林の伐採や針葉樹の植林が進んでいて
どこの林道に入ってもきっちりスギだらけでしかも比較的管理が行き届いてる印象。
この2日間で入っていった林道も、伐採作業中の所や、今まさに新しい林道を建設中の所が多く見られました。
とてもヒメオオが見つかるような隙は無かったですね(悲)
紅葉も、八甲田と比べて彩りに欠ける印象で、
八幡平のこの近辺は先に散り始めているようです。
(台風もあった事だし)
課題は来年に持ち越しになりました(汗)
来週はまた別の所へ行こうと思うのでヒメオオも俺はもう今年は見れないかな~?
本日の 日昆の名言
登りきっちまった。
その後何を思ったのか「南部で採れるかな・・・?」などと興味が湧いてきまして
先日12~13日、2日間使って今年初めての三戸郡へ行ってきました。
今までも、三八地域は人生においても数度しか出向いた記憶が無くて、
個人的に謎に満ちたエリアとして興味をひかれつつもなかなか踏み込みにくい場所なんです。
青森県内各地の虫を採集するにあたって、
青森市に住んでいると云うのは非常に強みになるのですが
(県のほぼ中心に位置しているので各方面に出向く際に遠過ぎる場所はあまりない)、
それでも下北半島の奥の方と三八地域は青森市からはちょっと遠いんですよ。
(津軽半島の平舘と下北半島の脇野沢を橋で結んでくれないかなぁ・・・)
特にこちらから見た場合の階上町なんて、時間的にも金銭的にも結構行くのに勇気が要るんですよ・・・県内コクワ制覇を目標にするなら勿論行くべき行きたい所なんですがねぇ・・・
その内、今回はヒメオオのポイント発見を第一に見据え探しに行くので、
事前に地図を数種類見ながらどこへ行くか見当をつけていくと、
まぁ山と人口密集地の入り組み方のドットが細かいこと!
単純に言うと、十和田湖から八甲田にかけて・・・みたいな一面森林の環境があまりなく、
薄く広く集落が広がっていて、深い山が無いんです。
深い山(高い山も)があまり無いと云う事で集落裏の田畑になっている場所が多く、
だいぶ伐り開かれています。
その為、明らかに望みがある八甲田~奥入瀬近辺のような
広大な広葉樹林帯が見つからないんですね。
そこそこ情報を探してみても、
青森県の三八地域から岩手県北部にかけての『南部地域』からヒメオオを採集した記録がほとんど見つからず、特に青森側に限れば全く見つける事は出来ませんでした。
そんなハードルの高い三八地域の中で、一番最初に突入するならどこがいいだろうと地図を相手に睨めっこした結果・・・
奥羽山脈系列にダイレクトに位置する西側(新郷村・三戸町・田子町)が適しているだろうと考え、その内一つの町村だけ集中的に探ってみようと更に的を絞り、最終的に個人的なネームバリューで
【にんにくの首都・田子町】を調査することに決定しました。
# # # # # # # # # # # # # # # # # # # # #
田子町(たっこまち)は面積242.1平方km。
青森県の最南端に位置していて面積の80%が森林。
奥羽山脈の東側に位置する事もあり三戸郡では最も標高が高い場所もここにある。
タバコやニンニクの生産地として盛ん。
(東奥日報社「新平成の大合併あおもりマップ」より一部引用)
# # # # # # # # # # # # # # # # # # # # #
森林率の高さで言えば新郷村もいいのですが、
新郷は十和田の隣と云う事もあってお馴染みの採集エリアからそう遠くないので「いつもより奥まった地域に行きたい」と云う考えで田子になりました。
何を隠そう今回が初めての田子町。ワクワクします(笑)
いくつもある県内の市町村のうち行くのが面倒くさい所の一つ、
八戸市から行く分にはストレートに道が通っているんですが、
青森市から向かうと素直に真っ直ぐ行けずなかなか大変です。
ちなみに、自分の愛用の『県別マップル 青森県道路地図』では
田子町が全部載っておらず、隣の秋田県や岩手県の道路地図を見ないと5万分の1のページが無いと云う、何とも歯がゆい場所でもあります(苦笑)
この見切れてる部分が重要だとゆうのに!
12日(日)
そんな訳で、見切れてる重要部分を含め
気になる場所を事前にグーグルマップで確認し一部をプリントアウトして、
・道路地図
・ドリンク(ヘルシアウォーター&モンスターエナジー)
・リュック(中には採集道具多数)
・網
・タオル
・目覚まし時計
・毛布
他色々積んで出発しました。
・・・勿論、当日寝坊して昼出発・・・
++++++++++++++++++++++++++++++++++
・・・・・・え~~っと、なんというか、
いつもの調子で書くと無駄に長くなるので
以下だいぶ簡潔に流れをまとめていきます。
++++++++++++++++++++++++++++++++++
まず青森市内を出発して八甲田を通過。
日曜日は天気もよく「超」絶好の行楽日和だったおかげで、
萱野平原~猿倉近辺までズラ~ッと観光客がごったがえしていてただただ凄かったです。
しかしそれに負けないくらいに八甲田は紅葉が見頃で本当に凄い景色でした。
↑↑この画像は酸ヶ湯。
こんな山の中で渋滞に巻き込まれるなんてそうそうないな(苦笑)
「イベントの為近日奥入瀬渓流マイカー規制」の看板を勘違いし
もう奥入瀬渓流が封鎖されたと早合点して
焼山を過ぎた後青ブナ山→御鼻部山→銀山と、十和田湖の西を迂回し秋田県へ突入。
小坂町→鹿角市と進み、いよいよ田子町に初進入。
まず手はじめに雷鉢森を見ることに。
標高は400~500m付近ではあったのですが、全体的に2次林で木が皆細く
道端のヤナギやその他の木にもヒメオオが齧ったものと見られる痕跡は皆無。
一応赤枯れも叩いてみたのですが成果なし。
雷鉢森を諦め車を走らせ、すぐ近くの夏坂で林道を見るがこれも駄目。
続いて山深くを目指し、町唯一の名所と言ってもいい(?)通称「そうめんの滝」こと弥勒の滝付近を散策。
近くの林道では特にダケカンバは多数ありましたが幼虫が育ちそうな木は見つけられず勿論成虫の痕跡も発見に至らなかったです。
この林道探索中に陽が落ち周囲の環境が見渡せなくなってきました。
仕方が無いのでこの後は主に、林道脇のヤナギ等低木をライトで見ながら成虫の噛み痕のみを探す作業だけに。
山の中の未舗装路をひた走り、
伐採地などを抜け標高200~600mを探します。
腰が抜けそうになりながら何度も車の腹を擦り峠を越え、
暗い林道を徐行したり徒歩でルッキングしていきますが・・・
・・・やっぱり枝が全部綺麗なまま(泣ける・・・)
ただ一つだけ、
奥羽山脈の背骨付近を歩いているため星空はまぢ綺麗でした。
個人的に八甲田、白神と並んで特に記憶に残るレベルの星空でロマンチックなんですが、
こんな・・・、こんな所まで夜中に来るなんて男でも願い下げでしょうな(苦笑)
林道をまだ調べたい気持ちも空腹と寒さには勝てず(林道歩いて凍えてきた)、
夜7時を過ぎて山を下り、集落に出ます。
疎らな人家を横目に、一番人口が密集しているであろう田子地区を目指しました。
田子までせっかく来たんだし、地元ニンニクを使った焼肉定食的な物を食べたいな~
・・・などと呑気に考えていましたが、流石田子と云うべきか・・・
時刻は夜8時頃、どこの店も開いてない(焦)
開いていたのは商店が1件くらいとローソン1軒しか見当たらなかった・・・
ある意味感心しながらも「どうしよう・・・」と悩んだ結果、
既に眼前だった三戸町へ突入。
田子町内とは変わって、やってる食堂は見つけられなかったが
まだスーパーが何軒か開いていた・・・(なんだこの差は・・・)
1軒目のスーパーでパンと菓子を買って少し空腹感を紛らわし、
2件目のスーパーの弁当コーナーでにんにくを使った焼肉弁当を発見。
スーパーの弁当だろうがこれでも地元のにんにく使っているはずだ・・・と妥協し即行購入。翌日の朝食分のパンも併せて買いこみ、車の中で焼肉弁当をかきこむ。思いの外にんにくが強烈でした。
遅い夕食を済ませた後、
最後にどこか面白そうな所は無いだろうかと地図を広げると、見覚えのある字面が・・・
名久井岳(615m)。
三戸町と南部町にある地元で有名な山で、古くから親しまれている山でもあります。
マツの大量植林も時代背景にあるのでヒメオオを真面目に探すつもりはないものの、「こっちまで来たついでに」と向かう事にしました。
山の中に1本道が通っていてそこを車で流してみました。
何故か夜になって風が強くなってきてしまったので車の外には出なかったのですが、
名久井岳から見える景色もなかなか良かったです。
名久井岳を下りて夜の10時だったか11時だったか、
そのくらいに車の中で寝ることに。毛布持ってきて本当に助かった・・・
13日(月)
朝の6時に一旦ケータイのアラームで起きて2度寝、
1時間後の7時に今度は目覚まし時計のベルで起床。
トイレと歯磨きを終え、朝食のパンをほおばり一路田子へ急ぎます。
名久井岳から。標高的にはだいぶ低い位置からです。
今日の一発目は、
昨日最後の林道(名久井岳除く)を諦めて山を下りる途中でいくつか通り過ぎた林道の内一つに的を(テキトーに)絞り進入。
朝早くから材木を向こうから運んで来るトラックを交わしながら泥化した悪路を進み、
登山道に続く林道を見渡すのですがやっぱり駄目。
奥へ行こうと云うその先にヤナギが倒れていてそこから歩きに。
暫らく歩くと登山道の入り口が見えてきた。
この時点でもう車では来るのは無理でした。
歩くのも楽ではないボロボロの登山道を登りながら、周囲の樹相に気を配っていきますが全然針葉樹ばかり。沢沿いの為ヤナギの灌木も見られるのですが全くヒメオオが居た形成がありません。
登山道をもっと奥へ進めば針葉樹林帯も抜けられると思って(植林っぽいので)先へ進んでいきますと、段々景色が変わってきました。
こっちに来てからあまり見なかったブナ林帯だ!
最初は生木しか目に付かなかったのですが、次第にいたる所に大きな立ち枯れが見られるようになりました。
これは・・・!!! と思ったのも束の間、なんかちょっと視野を広げてみると違和感が・・・。
大きなブナの立ち枯れは結構たくさんあるものの、
一般にクワガタの成虫が集まるような他の木が全く見当たらないのです。
あるにはあるんでしょうが、ここでまともにクワガタを採集しようとは考えないなぁと思うような場所になっています。
しかも、近くにある立ち枯れを観察していきますが、
ルリクワガタも痕跡が全くありません。
登山道もいつのまにか急登に・・・。 そしてついに来てしまった。
登りきっちまった。
もう木も灌木ばかりで葉も何も全く虫に食われてない(汗)
ほとんど虫がいねぇってことじゃねーか!!!!!!
そして、頂上が奥の方に平坦になっていて、
三角点の先にまだ道があったので気になって進んでみると・・・
今度は開けた空間に出て中央に変な木の柱が立ってる。
なんか書いてる。
3県境の山・・・・・・??・・・
【四角岳】
林道入り口に山の名前は書いてあったけど、
1003mもあんのかよ・・・
青森・岩手・秋田の県境
クワガタ探しに入った山でやけくそになって登頂したこの山は、
どうやら青森・岩手・秋田3県の県境が接する唯一無二の場所だったようです。
四角岳なんて昨日今日まで聞いたこともない名前の山でしたが、
なにげに山を登頂したのは今回が初めてなので妙な高揚感が(笑)
向こうに見えるのはここより僅かに高い中岳(1024m)。
流石にあっちへはもういきません・・・(青森からでてしまうし)
四角岳 山頂
眺めはややいまいちです。
若干灌木に視界が遮られている感じが見受けられますね。
そして一面先まで山!!! この日は昨日とうって変わって曇り空で天気が悪いので、
靄がかかり遠くが霞んでいます。昨日だったらどんな眺めだっただろう・・・
・・・
・・・
・・・
・・・・・・いや俺何しにこんなトコに来たの・・・????
帰りは1時間ほどで車まで戻り、時刻は既に午後1時。
夜7時に人と約束がある事を考えると、今日はもうダラダラ走りまわれないと腹をくくり、
田子での探索を諦め、帰る道すがら三戸町と新郷村もちびちびと探して、
出発時に入れた4,000円分のガソリンが持たなくなってきたので山に入る直前にもう一度十和田市内で給油して(財布が痛い・・・)、最後の最後にせめて十和田でヒメオオの姿だけでも拝んで帰宅しようと既存のポイントに立ち寄ってとどめのボウズを食らって、
見事ガソリンだけ綺麗に消化して手ぶらで帰宅しましたとさ。
持って帰ってきたのは車体の傷くらいですね(嘲笑)
************************************
今回いくつか感じたことはありましたが、
非常に厳しい!と云う事がまず第一です。
ほとんどブナが見られず(時間帯もあって暗い時にしか行けなかった場所もありますが)、
勿論たくさんの個体数が居るのでしょうがクワガタの棲息状況と我々採集者が干渉できるような場所がかみあうポイントが少ないように感じました。
そして、もしかしたら時期の所為もあるのかもしれないのですが、
こちらの地域は林業の進み具合が県内の他の地域より盛んで、
地図で見ても歴史的な面で見ても山林の伐採や針葉樹の植林が進んでいて
どこの林道に入ってもきっちりスギだらけでしかも比較的管理が行き届いてる印象。
この2日間で入っていった林道も、伐採作業中の所や、今まさに新しい林道を建設中の所が多く見られました。
とてもヒメオオが見つかるような隙は無かったですね(悲)
紅葉も、八甲田と比べて彩りに欠ける印象で、
八幡平のこの近辺は先に散り始めているようです。
(台風もあった事だし)
課題は来年に持ち越しになりました(汗)
来週はまた別の所へ行こうと思うのでヒメオオも俺はもう今年は見れないかな~?
本日の 日昆の名言