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インドシナからの奇襲 第2部隊 [〆ギラファノコギリ (原名亜種)]

12月に入った途端にどっと雪が降り出した青森。

さかのぼる事数日前、偶然目を引くクワガタが販売されているのをネットで発見しました。

ついパソコン画面の前で前のめりになってしまったのですが、
しばらく考えた後とった行動は・・・



・・・もうひとつしかないですよ。


だってそのクワガタ、ギラファノコギリなんですよ。

しかも原名亜種。


原名ギラファ入れるのもう3産地目ですよ。同じ亜種で同時進行3系統ですよ。

エサの消費や飼育スペースが元で経済害虫と(勝手に自分の中で)言われているギラファノコギリも、何年か前に別亜種ティモーレンシスを最初仕入れて、
また別血統仕入れて
更にまた仕入れた事があったけども、

(ティモールの時はそれでも3系統態勢になったのは4年かかったのに)
今年だけで気付けば3系統。同じ轍を踏んでいる。

原名亜種の悪いところは地域差や産地のネームバリューがあるため
どうにも1産地だけで我慢が利かない点ですね・・・
(「悪いところ」ってそれ完全に自分の所為だな)




そして、その日たまたま僅かに暖かい日だった11月晦日に到着!
CA3I0299.JPG

本当にタイミングが良かったです、
一気に温度が下がり雪が積もる直前の到着で・・・(汗)

梱包は事前に最低限の要望を伝えておいたので発送元には応えて頂けましたが、
2重梱包の上にアルミシートで包まれてきたのは初めての経験です。
中身は・・・無事でした!
しかし、同梱していたカイロ(貼らないタイプ)フニャフニャ(嘲笑)
発熱も最初の時点で止まってしまった感じで、その後14時間以上再発熱していました。
通気穴とまるで関わらない位置にカイロが配置されていた所為でしょう。
外側の箱にも穴無かったしそりゃ無理だ・・・(汗)





CA3I0305.JPG

♂は大きく103mmの長歯。
カンボジア産以外では初めて生体の原名亜種を見ましたが、
大腮の先半分が他亜種よりダイナミックな造形を成しているように見受けられます。
CA3I0302.JPG

大腮の噛み合わせが左右でズレているのとシワが入っている為に、
あまり綺麗な形の個体とは言えないのですが、
この地域の個体は「こういう形なのサ」とひとまとめにできないのが
逆の視点から見れば「WF1でどういう形になるのか見るのも面白い」とも言えるので
また細かな楽しみができましたね。

さらに、今回仕入れた産地と云うのが今まで聞いた事も見たこともない場所で、
ネットでチョロッと検索しても該当する産地近辺の個体の入荷情報・飼育情報を発見する事が出来ませんでしたから、尚のこと楽しみは膨らむばかりです。

今年仕入れた本亜種は、
タイ チェンマイ県 インタノン山
カンボジア カンポット州 ボコール山
の2産地です。
分布域が広い本亜種では他に、
レア度が高い(それでも僅かに野外品入荷がある)マレーシア産や、一部のマニアから大型羽化の期待が掛かるベトナム産等、国や地域ごとに毛色が違いますが、
今回見つけたのは・・・・・・

CA3I0301.JPG
タイ ターク県 ウムパン郡



今年幼虫で入手したチェンマイ産と同じタイ産なんですが、
タイ産クワガタ生体ラベル 主な産地.jpg
タイ産ラベルで馴染みのある北部(チェンマイ県・チェンライ県)より少し南のターク県と云うところです。
ターク県はチェンマイ県の南隣りに位置する県で、ウムパン郡はその中でも一番南に位置する地域でかなりの田舎のようです。
土地のほとんどが山地帯なので一面ほとんど山林で自然は非常に豊かです。
さらに、このターク県ウムパン郡の更に南隣りにはカンチャナブリ県が接しています。

谷が深い山々(タノントンチャイ山脈もしくはドーナ山脈)が国内北部からミャンマーとの国境に沿って連なっていて、マレー半島の方まで伸びるテナセリム山脈(ビラウタウン山脈)と連なっているように地図上では見えますが、この一帯のカブト・クワガタの採集個体の種類を見てみると
気になる(興味の湧いてくる)点が見えてきます。

チェンマイ県南部~ターク県辺りを境にそれより南北から採れる種類が変わる(入荷する種類が変わる)ように感じます。
ザックリと線引きすると、タイとミャンマーの国境線がターク県の辺りでグニッと東に膨らんでいる辺りです。


北側からしか入荷が見られないもの
・ムルティデンタトゥスホソアカクワガタ
・シカクワガタ(スペキオスス亜種)
・クルビデンスオオクワガタ
・グラウトコクワガタ
・マグダレインコクワガタ


南側からしか入荷が見られないもの
・シカクワガタ(レーマン亜種)
・モーニッケノコギリクワガタ
・ゼブラノコギリクワガタ
・パリーオオクワガタ
・モーレンカンプオウゴンオニクワガタ(モセリ亜種・ババ亜種)
・ゴホンヅノカブト(キミオ亜種)

目立つ種類を一部例として挙げてみたんですが余計ややこしくなった気しかしない(汗)

個人的に気になったのは、シカ&オウゴンオニ&ゴホンヅノの3種類なんですけど、
シカは北部チェンマイ県ドイサケット郡、チェンライ県ウィアンパパオ郡のスペキオスス亜種が毎年入荷していますが、それ以外の地域からは入荷がありません。
まぁタイで昆虫採集って言っても、日本への輸出用生体採集に限っては昔から北部の一部地域に集中して行われている程度なので、シカに限らず他の地域から採集された物が出回るなんて事はあまり無いんですがね。カオヤイのニグリトゥスフタマタくらいしか聞かないですね。
さて、そのシカが南部のビラウタウン側に移行してくると特徴が変わり、所謂レーマン亜種が見られるようになりますが未だ入荷は無し・・・

オウゴンオニは、近年ようやく生体の産地ラベルとして見るようになってきた中西部カンチャナブリ県辺りとミャンマーのカレン州から入荷されてきましたね。歴史も古い北部からは全くと言っていいほど採集された事がありません。
このカンチャナブリの辺りもまだ生体入荷が少なく、未だに入荷したクワガタは他ではモウホツヤくらいなもので、ここが開拓出来れば北部とは全然違う物がくるかも知れませんね。

ゴホンヅノがこれまた意味不明で、タイ北部は基よりインドシナ~マレーに広く分布しているんですがタイ西部で採れると云うキミオ亜種やエダ亜種がどこからどの範囲で棲息しているのか全く判断できないんですね。以前タークから入荷されたゴホンヅノは完全に原名亜種でしたし、過去にミャンマー側から来たものやウムパンからほぼ同じ土地のカンチャナブリで採れたと云うものもキミオイの特徴を備えていました(ターク県の北部と南部でゴホンヅノの体型が変化している?)
近年入荷するようになった南ベトナム産も大柄で角の発達度合いが違うと云うし、マレー半島産は最近新亜種として記載されたばかりですし、他の種類の違い様からしてもこのドーナ山脈とビラウタウン山脈で別々の形に分かれるとしても不思議じゃなさそうな気がします。



ちなみにこの流れとは全く関係ない話ですが、
マグダレインコクワ等の入荷でよく見られる【タイ北部・ファン山】ラベルも「ファン山ってよく見るけど一体どの地域の山なんだ!?」、と前からぼんやり気になっていたのでついでに調べてみたのですが、
ど~にも見つからなかったんですよ。
(近くだとベトナムに同じ名前の山があったのですが)
『山名』ではなく『郡部名』ならファンと云う地名がチェンマイ県内にあったので、「もしかしてファン山ってチェンマイ県ファン郡の間違いなんじゃないかな?」と疑問に思ったのですが、ネットで調べてみると自分の他にも同じ疑問を抱えている方がいて驚きました。


さて、話を戻して
こうして他のカブクワの事も加味してみると、このターク県ウムパン郡産ラベルのギラファも北部のラベルの個体群とはどこかしら特徴が微妙に違ってきたりして~?と楽しみにもなってくるわけです。(北部産をまともに飼育したこともないのに)

日本で言えば青森から仙台くらいの距離なんですけどね(大して遠くねぇ・・・)

少しずつまとめてまた次回以降の記事で続きを書いてみたいと思います。


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さて、色々考えていたら記事にどうやってまとめたらいいか分からなくなって内容がぐちゃぐちゃになってしまいました(苦笑)

それはそれとして、せっかく同じギラファノコを飼育しているので
カンボジア産を引っ張り出して見比べてみました。


CA3I0306.JPG
CA3I0298.JPG
今まで生体として入荷があったタイ以外の産地を、自分の知る限りだけで地図内の範囲でマーキングしました。
カンボジアの山が他の産地の山塊と比べ非常に小規模なのが分かりますね。

CA3I0307.JPG
見るほどに・・・似ている・・・そりゃそうか(笑)

CA3I0311.JPG
横から見ると、他亜種に比べて大腮の上下のうねりが強いように見えます。

CA3I0309.JPG
上翅の光沢も度合いが一緒。思った以上に同じだった(笑)



そして、おまけに同じ大陸産と云う事と体長が同じと云う事でコイツとも2ショット。
CA3I0314.JPG
インド南部のニルギレンシス亜種と。
流石にこちらは別亜種と云うだけあって特徴が変わってますね。
(飼育品の補正もある程度入ってるかも知れませんけど)

CA3I0313.JPG
照明が悪くて分かり辛いですが、ニルギリの方が上翅の光沢が非常に強いです。

他になんか分かりやすい違いはないかなぁと見てみると、こんな部分に差が。↓↓
CA3I03168.jpg
下唇基節の形体に違いが・・・
原名亜種    : 全体的に平らになっていて点刻が広がっている
ニルギリ亜種 : 反り返るようになっていて点刻が弱く光沢がある

もしもたくさんの個体を見て、それでもこれの違いが見られるならいいんですけど、1個体ずつしか見てないんじゃぁね・・・(汗)


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そして勿論、♀も居るので着いて早々に産卵セットに投入しました。
CA3I0304.JPG

♀は40mmと♂に比べて小ぶりなサイズです。
大腮の先端も両方欠けて(擦れて)いて体重も少し軽めなので死ぬまでにそれほど産卵数は期待できそうにないですね、せめて産卵数1頭以下でなければそれでいい・・・(汗)
♂の方も、元気っちゃぁ元気ですが(画像を見ると分かると思いますが)頭の重さを支えきれず少しダラ~っと垂れ下がっています、体力が落ちてきている証拠ですね。
♂も♀も見る限り、現地の発生シーズンの終了間際だと云う事がうかがい知れますね。


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