ルリクワガタ採集 4月19日 [日昆 採集記 【2015年】]
この日、No.2と二人で十和田市某所へ向かった。
前回の採集では無理に新ラベルを採ろうとして無茶した事が仇になり
(野外の)クワガタなんて久しく見てないのにただ苦行をこなしてきただけだったので
今回は普通に採れる地域に行こうと山へ登りました。
前回の採集では無理に新ラベルを採ろうとして無茶した事が仇になり
(野外の)クワガタなんて久しく見てないのにただ苦行をこなしてきただけだったので
今回は普通に採れる地域に行こうと山へ登りました。
森の採集 川原の採集 [日昆 採集記 【2015年】]
昨日の記事にて「ツヤハダとマダラ狙いに行ってきます!」と意気込んだ結果が
どうなったのか、内容を覚えている内に書き記しておきます。
#####################################
4日(月)
ケータイ 「♪♪~~♪~~♪♪~~」
俺 「・・・・・・!!!」
朝7時、ケータイのアラームに目が覚めた自分は
僅かに二度寝しかけたところを無理矢理起こし起床。
外はもう明るくなっている。
昨日の時点で、「もう5月の連休に突入してしまったし、早いうちに赤枯れ材のクワガタを採っておかねば・・・。じゃあ明日だ、明日行こう!」と突如思い立ち採集の計画を立ててしまったものの、この日大事な荷物が昼過ぎに到着する予定も重なってしまっていたので、
朝早い内から現地へ採集に向かい、午前中から昼頃まで採集した後帰ってきて荷物の確認をしようと思っていた。
その為いつもより早めの起床が出来た訳だ。自分にしては珍しく。
諸々の準備をした後、オートマの小さい軽自動車に乗り出発!
(1ヶ月経つけどまだ車検から車が帰ってきてない)
しかし、家を出て数百メートル進んでから、「あ!アレ忘れた!(汗)」と忘れ物を思い出し家に引き返す行動を3~4回繰り返し(恥)、
7時30分ごろに出発してから約15分経ってからようやく本当に出発する事が出来た。
天気は良い。
朝だからか遠目に見える水田は朝霧に包まれ霞んでいる。
今回向かうのは、県内メジャー産地の青森市~十和田市とは別の津軽地方。
まぁ言ってしまえば平川市だ(山塊としてはさしてイレギュラーな場所じゃない)。
個人的には標本で箱に入れた時に通常で考えられるところとは別の産地ラベルだと映えるかなぁと思って別地域を選定したわけだけだ。
つまり今回初アプローチのポイントである。
去年の夏場の下見でルリの産卵痕が彼方此方でベタベタ付いていた事を確認していたため、前回のルリ採集でも当初はここを目的にしていたのだが、
(前回の採集の)前日に雪融け状況の確認に訪れた時、ポイントに至るまでの遥か手前の時点で道路が完全に雪で通行止めになっていたため断念せざるを得なかったのだ。
今回は雪も融けて除雪も入っていた為、車で進める最奥地付近までやってくる事が出来た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
到着したのは9時10分。
ウグイス等の様々な野鳥の鳴き声を聴き春の爽やか過ぎる空気を吸いながら、
長靴に履き替え道具を背負う。
持っていく道具は、リュックの中に
・斧
・掘りヅル
・ストックケース 大小2種類
・小さめのプラスチックポット
・スプーン
・ヘルシアウォーター
(他、多数)
固く締まった雪の上を歩いてポイントまで向かう。
スノーブリッジを踏み抜かないように沢を飛び越え、
前に来た時のルートが分からなくなった松林をなんとか抜けると
お待ちかねのブナ原生林にいよいよ突入。
雪の下に押さえこまれていた若木が所々でボコッ・・・ボコッ・・・と起き上がる。
自分も足元のそれに気付かず下から時折バチバチ鞭打たれる。痛てェ!
元々ここはルリ探しに期待していた場所の為、赤枯れ系クワガタが期待できそうな材を見つけるまで時間が掛かりそうと判断し
景気付けに通常の材を割ってみる事にした。
根元が食われ胸の位置程で倒れた倒木の側を叩いてみた。
んむ!? なんか出おった。
雪解け水でグズグズになった水分過多の木片と一緒にクワガタが出てきた。
最初ドルクスかと思ったが、・・・ノコギリか?
以降同じサイズの幼虫が多数出てきたので小さい方のケースに割りカスと一緒に仕舞う。
とりあえずクワガタの姿を(幼虫ではあるが)見る事が出来たので、
安心して先に進むことにした。
この倒木の先は、地面の雪が溶けて露出した地面から多数の樹木の若木や2mほどのササが密に生え、進むのを躊躇いたくなるが本格的な原生林はこの先だ。
薮の中を赤枯れ確認しながら進む事程なくして、薮を抜ける。
うっすら残った雪と根開けのブナ。
春ならではの光景。もっと良いカメラ持ってたらなぁと思うんだよなぁ・・・
とりあえず無数に朽ちた木が散在しているので、
一旦リュックを地面に降ろし斧一本だけ持って森をウロウロする事にした。
(表現が怪しすぎる)
良い材を見つけたら後で荷物持ってくりゃいいや・・・と云うスタンス。
一本一本一本一本一本一本一本一本一本一本一本一本一本・・・木を見て回る。
どっかの西側の某地域と違ってこのエリアは地形がなだらかで起伏が少ないから広範囲で歩き回り易くて助かる・・・
生木にもたれかかった枯れ木に登った地上3m地点から。
まるで遠近感が無いから高く見えないな。
太゛っとい立ち枯れをこれでもかと見ながら、
「あぁ・・・このどれかにオオクワとか入ってんだろうなぁ~~」と
赤枯れを探すものの、ツヤハダが居そうなそこそこの容積の材どころかマダラが食い込みそうな細い材すら全く無いので、
ルリの古い産卵痕を見つけては表面枯れの部分をペリペリ剥いでみる。
軟腐朽材中の乾燥した食痕の粉塵を全身に浴びながら、
ついでに飼育中のルリ幼虫用の材をポットに溜めていく。
雪の上に落ちている枯れ枝もチェックしていく。
木の上の方から落ちている材だ。
とりあえず赤枯れは見つからない。
家に帰ってくるヘンゼルとグレーテルのように
目先の朽木→目先の朽木→目先の朽木→・・・と順々に渡り歩いていくと、
それまでの鬱蒼とした(?)原生林から
木と木の間隔が非常に開いた明るいエリアに出てきた。
まだまだ雪が一面に積もっているので地面がどんな事になってるのか判らなかったが
二次林と云うよりは、広範囲にわたって適度に間伐したような印象の場所だ。
見据えたしばらく先までこの光景が広がっていた。
荷物からあまりにも離れてしまったため、
遠くまでは行かないでおこうと考えるもののやはり豊富な枯れ木に足が止まらない。
開けた場所なため乾燥気味の木が多かったが、
ここでようやく赤枯れの落ち枝を発見した。
・・・長い・・・長かった・・・
あれだけ探してやっと見つかったか・・・!
見つけた材は長さが僅か20cm・直径7~8cmほどの乾燥した材で
明らかにツヤハダは望めそうになかったがマダラはいけそうだ。
そうだマダラさえ成虫で出てくれれば今日の採集の本懐は遂げられるんだ、
なんとか頼むぞ・・・!!!!
斧でそっと叩いてみる。
・・・お!食痕!マダラの食痕だ!
そして数回斧を振ったその時だった。
・・・え。・・・ぇ、えっ・・・?
モウ正午ダ、戻ロウカ・・・。
本来ならば全く意図したものが採れない以上、
『昼まで』と云う当初の予定通りに帰り支度をするのは不服なのだが
最初の付近で(ノコギリとは言え)「一応」クワガタは採れているので、それで無理矢理自分を納得させ帰るのもまた致し方ないと云う心境である。
ちなみにこの後、
進んできたルートを逸脱し森の中で方向感覚を失い若干迷う。
降ろしたリュックの場所まで辿り着いた時は心底安心したわけだが、
どの方向から来たのか曖昧になっていた上わずか2~3時間の間に日差しで雪上に残した足跡が融けてほぼ消失し、最初に飛び越えた沢の場所に戻るまではずっと不安半分での下山だった。
車の中は日当たりの所為でサウナ状態と化していた。
窓を開け山道を下っていく中、近くにあるもうひとつ気になる場所があったので、
こっちまで来ているんだし・・・と云う事で帰りがけにそこへ寄って見ていくことにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そのもうひとつ気になる場所、と云うのが
今月下旬ようやく県内で発生が始まるマグソクワガタの生息を個人的に期待している場所。
(ツヤハダ・マダラの話じゃないので今日本来の予定では考慮してない)
個人的に期待していると云うのは言葉の通り新産地の発見が目的と云う事で、
実は去年の段階でマグソ新産地として目を付けていた場所が午前採集のポイント近辺にひとつあるからと云う事で寄ってみたワケ。
マグソクワガタは川原において採集される昆虫であり、ブナ等の広葉樹の倒木や流木が川原・河川敷や付近の林床に埋まっているところからのみ発生する。
生息場所は、上流が豊富な広葉樹でそうした種類の流木が流れ着きやすい河川の中流域の川原だが実際に見られるのは全国的にどこも非常にピンポイントで、生息数が多いと言われる東北~北海道でもどこにでもいるワケではないらしい。
その為体長の小ささ・棲息環境の事情で、成虫が野外活動する約1ヶ月間を除く時期に新規で生息地を発見するのは困難を極める。
今回来た場所は、
去年秋にヒメオオ新産地を開拓したくて県内を回っていた折に見つけた2ヶ所の内のひとつ。
市町村毎に自分が聞いた事のあるマグソの県内既知産地は
・青森市
・十和田市
・西目屋村
だけ(それぞれ1ヶ所ずつ)なのだが、
もしこの2ヶ所が当たれば一気に2市町村分のラベルが増える事になる・・・
ちなみに、
例年青森市内ではマグソの発生は5月20日前後を過ぎないと確認できないのだが、
今年は積雪が少なく雪解けが早い上4月下旬からこれまでの夏のような日中気温を要因として、例年より発生が早まるのではないかとにわかに予想をたてたのも今回寄ってみた理由である。
このポイントはヤナギ等の水場に強い木がポイント手前の湿地帯に生えており、枝のように分かれた大きな川の中州が、砂礫・流木溜まる「それっぽい場所」になっているのである。
自分が毎年採っている青森市内のホームのポイントに比べて圧倒的に敷地が広大で、仲間内で集まって多人数でワイワイ採集するならここは非常に理想的な場所なので是非とも居てほしい・・・と云うのが本音。
ただ、知ってる環境とは割りと勝手が違うようにも見えるので、
どこにでもいるワケではないと云う事から、ここはただの的外れな見立てである可能性も高い。
ひとまず偵察だけが目的なので手荷物は持たず身一つで見に行くことにした。
車を停めてからしばらく行くと灌木が生えた湿地帯だ。
(去年来た時は最初ヒメオオ探しでヤナギだけ見に来たから半分がっかりしたんだよな)
花開く前のミズバショウも水面から所々顔をのぞかせている。
(個人的にはミズバショウを見ると恐怖を覚える)
ちょっと記憶が曖昧になっていた為、川をどこからどう渡ったら奥へ進めるか確認しながら信仰していく。
水の流れにビクビクしながら、ちょうど沢の上に倒れかかったヤナギを橋代わりに慎重に一つ目の沢を渡る。
一つ目の中州に上陸するもここは木が茂って日当たりも悪い上砂礫地帯ではないので、
続けてもう一つの沢を渡る。
二つ目の沢は残念ながら渡れそうな木は架かっていなかったが、
長靴でも濡れずに渡れる浅い場所があったので難なく沢越え。
二つ目の中州が目的の地点。
砂地に大小の岩石がごろごろ転がり、状態の良し悪しは別として大量に巨大な流木が埋まっている。
ただ・・・到着したもののやはりマグソが飛んでいる様子はざっと見ても全く無い。
飛んでいるのはハエばっか!!
姿勢を低くしてみるもやっぱり飛んでない。
まぁ時期も早いし・・・(汗)
また今度来れば・・・かな・・・(汗)
イヤ ヤッパ イナイノカナ・・・?(絶望)
もはや何も感じられなくなってきた気がしないでもなく、
それ以上先へは進む事が出来ないので荷物の受け取りの件もあるし引き返すことにした
あれ、これって・・・
灰色にこけた流木の表面とはうって変わって
折れ口の材内部はあのイイ色をしている。
しかもなんかこれ虫に食われてる・・・
素手で崩せるほど軟らかい材の破片をちょっと壊してみた。
まさかここでぇェェェ!!!!?????
たしかにマダラクワガタの幼虫だ。
さっき散々山の中を歩いて見つけられなかったクワガタがまさか川原の中州で見つかるとは。
元々上流にいた頃のがそのまま流木としてここに流れ着いたのだろうか・・・?
とにかく、見つけてしまった以上採らねばなるまい・・・
一旦車まで戻る事に。
しかし気を焦ったのか、
一つ目の沢まで戻ってきて木を渡る時、遂にやってしまった。
ドブンッ・・・
ぁj:rぇおh★ヴぁっッ!!!!!!!!
足を踏み外し言葉に出来ない言葉を叫び落水・・・・・・
右足を腿まで沈めてしまった。
急いで水上に引き上げ長靴から水を抜く。
「ち・・・く・・・しょ・・・ぉ・・・(哀)」と落ちた場所へふり返ると、落水のショックでポケットから滑り落ちたケータイが運良く水に落ちず木の上に落ちているところを発見し、慌てて回収。
二度焦った・・・
(なんか最近必ず一度は採集行く度にどこかに落っこちてる気がする・・・)
グズグズの右足を引きずり車からリュックを出して赤枯れ材の場所まで戻る。
そして一度落ちてしまった一つ目の沢を渡る時、
今度は落ちないようにと、岸に倒れていた他の良さげな木を渡して橋を補強する事に。
想像がついたかもしれないが・・・
案の定、橋を補強し2本の木の上を歩いて渡っていたら補強した方の木が突然グルッと横転。
見事に今度は左足を水中に沈めてしまった(泣)
水を抜いて、気を取り直して赤枯れ材を叩く。
結構良質で、流木全体が赤枯れにはなっていないが(折れ口付近長さ30~40cm程)
フカフカしているが古すぎるワケでもない。
材には縦横無尽に食痕が走っており、出てくる出てくるマダラの幼虫は数えたら限がない!!
成虫が一向に出てこないで割り合い1令~2令が多いので、飼育も考慮し材の破片もポットに適せん投入しながら細かく割っていく。
いや・・・多いな・・・
幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫・・・
アリうざい、ハエうざい、アリうざい、ハエうざい・・・
幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫・・・
アリうざい、ハエうざい、アリうざい、ハエうざい・・・
幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫・・・
アリうざい、ハエうざい、アリうざい、ハエうざい・・・
割っている最中、材表面に変な穿孔痕を発見。
普通に考えるとマダラって軟らかい箇所から坑道を掘ってその壁面に産むのかなぁと思っていたんですが、
他の雑虫の混入がほとんど無い事を考えると、
これ↑↑がマダラの産卵痕なんじゃないかなと思うんですがどうなんでしょうね。
成虫のあの体型を考えるとこれがビンゴじゃないでしょうか。
にしても、あまりにも成虫が出てこないので、帰って羽化させたらそれでOKにしよう・・・と
思い始めた時、投げやり気味に割っていた破片からまさかの物体が出てきた!!!!!!!!!!!
なんか黒いゴミムシダマシ的な塊が仰向けになっているのを発見。
なんか出てきたよォ・・・みたいな低いテンションで裏返してみると、
せ成!?虫ぅぅ!!!!!!
いきなり悲願のマダラ成虫が登場し、
面喰って今度は言葉にならない嬉しさで叫んでしまった。
久しく成虫を見ていなかった所為か、
逆にマダラってこんなに大きかったっけ? と一瞬疑ってしまった。
もっと判りにくいものだと思っていた(苦笑)
まさか「コレを採るぞ!!!」と宣言して有言実行できるとは正直思ってなかった。
特に午前を過ぎた段階では絶望していたわけだからまさかまさかの展開である。
まさかマグソを探しに来てマグソはいないのにマダラが居たって・・・
ちなみに嬉しい嬉しい♂だった。
結局、細かい作業をし過ぎて時間を費やし時刻は14時半を過ぎている。
成虫確保はこの1頭で良しとし、戻ることにした。帰らなければ。
水に落ちて身体がブルってしまったため、
戻る前にちょっとキジの子を撃ちに行った。
ふと横に目をやると、
砂地に黒い小虫がチョコチョコ徘徊しているのに気づいた。
近づいてみると、
おお、こいつは確か・・・
マグソ採集の時に見間違えやすいスナゴミムシダマシとやらではないか!!
割りと結構彼方此方にいるのが確認できる。
詳しい種類はいつか別の機会に・・・とか思っている事はどうでもいいのだが、
なんかコイツがここにいるのを見ると、やっぱここにマグソが居てもおかしくなさそうな感じするよな? よし一応シーズン入ったらまたこの川原に来てみるかァ!!
なんて再び蝋燭に火が灯ったような気分になった、さらにその横へ目をやった時だ。
?
!?
・・・・・・。
・・・~ァ!!
いるぅ!!!!!
意表をつく突然の登場、と云うかそこにじっとしていただけなんだけど
本当にいてしまった。
あまりの驚きに「本当にマグソクワガタか?」と思わずにはいられなかったが
とりあえず逃げられない内にそっと摘まんでケースに投入。
よく考えれば、時間帯的に言えばもう昼過ぎで空も曇りがかっているので
もし発生していたとしてもとっくに地面に降りてる頃合いなんだから
飛んでるのを見つけるって難しいにもほどがあるわな。
しかし、そう思ってこの後追加個体を探してみたものの、全く見つからなかった。
もしかしたらまだ本格発生に入る前に早期羽脱個体を採集したと言えるのかもしれない、そう考えるとこの1♂をよく見つけられたものだと不思議な気分になる。
本格発生したらまた来れば♀も採れるし問題ないか。
気がつけば周囲は既にさっきまでの昼の明るさとは違って暗くなりだしている。
暗い所為で沢の水も黒く見え川底が見えなくなっている。
・・・アレ・・・(汗) 沢ってこんなに深かったっけ・・・!?
いや、深くなっている!!!!(焦)
川底が見えなくなってるのは周囲が暗いからじゃなく水位が増していたからだった。
焦り半分でとりあえずさっき渡ってきた位置から二つ目の沢を渡るが、
さっきは長靴より低かったはずの流水が今度は長靴にゴバゴバ入っていく!!!!!!
流石に流される深さではないものの足は見事ずぶ濡れ。
たいした事がなかった二つ目の沢でこれだけ深くなっていたと云う事は自分がさっき苦戦した一つ目の沢はもっと酷い事になっているのではないかと見てみると、さっきは完全に川面の上に架かっていたヤナギの木が、一部流水にのまれている状態にまで水位が上がっていた。
こちらの沢は水流の速度もなかなか、完落ちしたらカナヅチの自分は確実に土左衛門ルートを辿る自信しかない為手頃な枝を拾って杖をつきなんとか渡りきった。
湿地帯も水位の上昇で足の踏み場も少なくなってきて戻るのには少々苦労した
(川じゃないから気にするほどじゃないのかもしれないけど)。
小雨も降り始め、採集を終えるには丁度いい時間だったようだ。
(沢の水位が冗談じゃない点を考えると、「丁度いい」とは到底言えないのだが・・・)
グショグショの足元で車を運転する気持ちの悪さは、
疲労した身体で帰路に就く間の眠気覚ましには丁度良かったかもしれない。
#####################################
午前中のボロボロ感に比べたら、
午後のマダラ成虫初採集とマグソ新産地発見はこの上なく有意義な時間に他なりません。
川に落ちるとマグソが見つかるジンクスでもあるんでしょうかね?
最初の時も浸水したし(笑)まぁ採集場所を考えたら当たり前かもしれませんが。
少なくとも次行く時までにはもうちょっと雪解け水も減っていてほしいもんですね(苦笑)
いやけっこう真面目に(笑)
いやぁ今回は本当に面白い体験をしました(笑)
クワガタには見えないクワガタとクワガタじゃないクワガタ、
この2種類が直線距離5mしか離れていない場所で同時に採れたと云うのは
ネタと言っても差し支えないレベルでしょうね。
年齢がまた一個増える直前にこういう変な体験が出来て、
いい歳(?)をまた新しく迎えられそうです。(←最後はこじ付けがましかったかな・・・)
本日の 日昆の名言
川に落ちるとマグソが見つかる
どうなったのか、内容を覚えている内に書き記しておきます。
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4日(月)
ケータイ 「♪♪~~♪~~♪♪~~」
俺 「・・・・・・!!!」
朝7時、ケータイのアラームに目が覚めた自分は
僅かに二度寝しかけたところを無理矢理起こし起床。
外はもう明るくなっている。
昨日の時点で、「もう5月の連休に突入してしまったし、早いうちに赤枯れ材のクワガタを採っておかねば・・・。じゃあ明日だ、明日行こう!」と突如思い立ち採集の計画を立ててしまったものの、この日大事な荷物が昼過ぎに到着する予定も重なってしまっていたので、
朝早い内から現地へ採集に向かい、午前中から昼頃まで採集した後帰ってきて荷物の確認をしようと思っていた。
その為いつもより早めの起床が出来た訳だ。自分にしては珍しく。
諸々の準備をした後、オートマの小さい軽自動車に乗り出発!
(1ヶ月経つけどまだ車検から車が帰ってきてない)
しかし、家を出て数百メートル進んでから、「あ!アレ忘れた!(汗)」と忘れ物を思い出し家に引き返す行動を3~4回繰り返し(恥)、
7時30分ごろに出発してから約15分経ってからようやく本当に出発する事が出来た。
天気は良い。
朝だからか遠目に見える水田は朝霧に包まれ霞んでいる。
今回向かうのは、県内メジャー産地の青森市~十和田市とは別の津軽地方。
まぁ言ってしまえば平川市だ(山塊としてはさしてイレギュラーな場所じゃない)。
個人的には標本で箱に入れた時に通常で考えられるところとは別の産地ラベルだと映えるかなぁと思って別地域を選定したわけだけだ。
つまり今回初アプローチのポイントである。
去年の夏場の下見でルリの産卵痕が彼方此方でベタベタ付いていた事を確認していたため、前回のルリ採集でも当初はここを目的にしていたのだが、
(前回の採集の)前日に雪融け状況の確認に訪れた時、ポイントに至るまでの遥か手前の時点で道路が完全に雪で通行止めになっていたため断念せざるを得なかったのだ。
今回は雪も融けて除雪も入っていた為、車で進める最奥地付近までやってくる事が出来た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
到着したのは9時10分。
ウグイス等の様々な野鳥の鳴き声を聴き春の爽やか過ぎる空気を吸いながら、
長靴に履き替え道具を背負う。
持っていく道具は、リュックの中に
・斧
・掘りヅル
・ストックケース 大小2種類
・小さめのプラスチックポット
・スプーン
・ヘルシアウォーター
(他、多数)
固く締まった雪の上を歩いてポイントまで向かう。
スノーブリッジを踏み抜かないように沢を飛び越え、
前に来た時のルートが分からなくなった松林をなんとか抜けると
お待ちかねのブナ原生林にいよいよ突入。
雪の下に押さえこまれていた若木が所々でボコッ・・・ボコッ・・・と起き上がる。
自分も足元のそれに気付かず下から時折バチバチ鞭打たれる。痛てェ!
元々ここはルリ探しに期待していた場所の為、赤枯れ系クワガタが期待できそうな材を見つけるまで時間が掛かりそうと判断し
景気付けに通常の材を割ってみる事にした。
根元が食われ胸の位置程で倒れた倒木の側を叩いてみた。
んむ!? なんか出おった。
雪解け水でグズグズになった水分過多の木片と一緒にクワガタが出てきた。
最初ドルクスかと思ったが、・・・ノコギリか?
以降同じサイズの幼虫が多数出てきたので小さい方のケースに割りカスと一緒に仕舞う。
とりあえずクワガタの姿を(幼虫ではあるが)見る事が出来たので、
安心して先に進むことにした。
この倒木の先は、地面の雪が溶けて露出した地面から多数の樹木の若木や2mほどのササが密に生え、進むのを躊躇いたくなるが本格的な原生林はこの先だ。
薮の中を赤枯れ確認しながら進む事程なくして、薮を抜ける。
うっすら残った雪と根開けのブナ。
春ならではの光景。もっと良いカメラ持ってたらなぁと思うんだよなぁ・・・
とりあえず無数に朽ちた木が散在しているので、
一旦リュックを地面に降ろし斧一本だけ持って森をウロウロする事にした。
(表現が怪しすぎる)
良い材を見つけたら後で荷物持ってくりゃいいや・・・と云うスタンス。
一本一本一本一本一本一本一本一本一本一本一本一本一本・・・木を見て回る。
どっかの西側の某地域と違ってこのエリアは地形がなだらかで起伏が少ないから広範囲で歩き回り易くて助かる・・・
生木にもたれかかった枯れ木に登った地上3m地点から。
まるで遠近感が無いから高く見えないな。
太゛っとい立ち枯れをこれでもかと見ながら、
「あぁ・・・このどれかにオオクワとか入ってんだろうなぁ~~」と
赤枯れを探すものの、ツヤハダが居そうなそこそこの容積の材どころかマダラが食い込みそうな細い材すら全く無いので、
ルリの古い産卵痕を見つけては表面枯れの部分をペリペリ剥いでみる。
軟腐朽材中の乾燥した食痕の粉塵を全身に浴びながら、
ついでに飼育中のルリ幼虫用の材をポットに溜めていく。
雪の上に落ちている枯れ枝もチェックしていく。
木の上の方から落ちている材だ。
とりあえず赤枯れは見つからない。
家に帰ってくるヘンゼルとグレーテルのように
目先の朽木→目先の朽木→目先の朽木→・・・と順々に渡り歩いていくと、
それまでの鬱蒼とした(?)原生林から
木と木の間隔が非常に開いた明るいエリアに出てきた。
まだまだ雪が一面に積もっているので地面がどんな事になってるのか判らなかったが
二次林と云うよりは、広範囲にわたって適度に間伐したような印象の場所だ。
見据えたしばらく先までこの光景が広がっていた。
荷物からあまりにも離れてしまったため、
遠くまでは行かないでおこうと考えるもののやはり豊富な枯れ木に足が止まらない。
開けた場所なため乾燥気味の木が多かったが、
ここでようやく赤枯れの落ち枝を発見した。
・・・長い・・・長かった・・・
あれだけ探してやっと見つかったか・・・!
見つけた材は長さが僅か20cm・直径7~8cmほどの乾燥した材で
明らかにツヤハダは望めそうになかったがマダラはいけそうだ。
そうだマダラさえ成虫で出てくれれば今日の採集の本懐は遂げられるんだ、
なんとか頼むぞ・・・!!!!
斧でそっと叩いてみる。
・・・お!食痕!マダラの食痕だ!
そして数回斧を振ったその時だった。
何も出ないまま 材は全て 粉々になった。
・・・え。・・・ぇ、えっ・・・?
モウ正午ダ、戻ロウカ・・・。
本来ならば全く意図したものが採れない以上、
『昼まで』と云う当初の予定通りに帰り支度をするのは不服なのだが
最初の付近で(ノコギリとは言え)「一応」クワガタは採れているので、それで無理矢理自分を納得させ帰るのもまた致し方ないと云う心境である。
ちなみにこの後、
進んできたルートを逸脱し森の中で方向感覚を失い若干迷う。
降ろしたリュックの場所まで辿り着いた時は心底安心したわけだが、
どの方向から来たのか曖昧になっていた上わずか2~3時間の間に日差しで雪上に残した足跡が融けてほぼ消失し、最初に飛び越えた沢の場所に戻るまではずっと不安半分での下山だった。
車の中は日当たりの所為でサウナ状態と化していた。
窓を開け山道を下っていく中、近くにあるもうひとつ気になる場所があったので、
こっちまで来ているんだし・・・と云う事で帰りがけにそこへ寄って見ていくことにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そのもうひとつ気になる場所、と云うのが
今月下旬ようやく県内で発生が始まるマグソクワガタの生息を個人的に期待している場所。
(ツヤハダ・マダラの話じゃないので今日本来の予定では考慮してない)
個人的に期待していると云うのは言葉の通り新産地の発見が目的と云う事で、
実は去年の段階でマグソ新産地として目を付けていた場所が午前採集のポイント近辺にひとつあるからと云う事で寄ってみたワケ。
マグソクワガタは川原において採集される昆虫であり、ブナ等の広葉樹の倒木や流木が川原・河川敷や付近の林床に埋まっているところからのみ発生する。
生息場所は、上流が豊富な広葉樹でそうした種類の流木が流れ着きやすい河川の中流域の川原だが実際に見られるのは全国的にどこも非常にピンポイントで、生息数が多いと言われる東北~北海道でもどこにでもいるワケではないらしい。
その為体長の小ささ・棲息環境の事情で、成虫が野外活動する約1ヶ月間を除く時期に新規で生息地を発見するのは困難を極める。
今回来た場所は、
去年秋にヒメオオ新産地を開拓したくて県内を回っていた折に見つけた2ヶ所の内のひとつ。
市町村毎に自分が聞いた事のあるマグソの県内既知産地は
・青森市
・十和田市
・西目屋村
だけ(それぞれ1ヶ所ずつ)なのだが、
もしこの2ヶ所が当たれば一気に2市町村分のラベルが増える事になる・・・
ちなみに、
例年青森市内ではマグソの発生は5月20日前後を過ぎないと確認できないのだが、
今年は積雪が少なく雪解けが早い上4月下旬からこれまでの夏のような日中気温を要因として、例年より発生が早まるのではないかとにわかに予想をたてたのも今回寄ってみた理由である。
このポイントはヤナギ等の水場に強い木がポイント手前の湿地帯に生えており、枝のように分かれた大きな川の中州が、砂礫・流木溜まる「それっぽい場所」になっているのである。
自分が毎年採っている青森市内のホームのポイントに比べて圧倒的に敷地が広大で、仲間内で集まって多人数でワイワイ採集するならここは非常に理想的な場所なので是非とも居てほしい・・・と云うのが本音。
ただ、知ってる環境とは割りと勝手が違うようにも見えるので、
どこにでもいるワケではないと云う事から、ここはただの的外れな見立てである可能性も高い。
ひとまず偵察だけが目的なので手荷物は持たず身一つで見に行くことにした。
車を停めてからしばらく行くと灌木が生えた湿地帯だ。
(去年来た時は最初ヒメオオ探しでヤナギだけ見に来たから半分がっかりしたんだよな)
花開く前のミズバショウも水面から所々顔をのぞかせている。
(個人的にはミズバショウを見ると恐怖を覚える)
ちょっと記憶が曖昧になっていた為、川をどこからどう渡ったら奥へ進めるか確認しながら信仰していく。
水の流れにビクビクしながら、ちょうど沢の上に倒れかかったヤナギを橋代わりに慎重に一つ目の沢を渡る。
一つ目の中州に上陸するもここは木が茂って日当たりも悪い上砂礫地帯ではないので、
続けてもう一つの沢を渡る。
二つ目の沢は残念ながら渡れそうな木は架かっていなかったが、
長靴でも濡れずに渡れる浅い場所があったので難なく沢越え。
二つ目の中州が目的の地点。
砂地に大小の岩石がごろごろ転がり、状態の良し悪しは別として大量に巨大な流木が埋まっている。
ただ・・・到着したもののやはりマグソが飛んでいる様子はざっと見ても全く無い。
飛んでいるのはハエばっか!!
姿勢を低くしてみるもやっぱり飛んでない。
まぁ時期も早いし・・・(汗)
また今度来れば・・・かな・・・(汗)
イヤ ヤッパ イナイノカナ・・・?(絶望)
もはや何も感じられなくなってきた気がしないでもなく、
それ以上先へは進む事が出来ないので荷物の受け取りの件もあるし引き返すことにした
その時、
無数に転がっている流木の一つから、
イイ色をした木片が崩れ出ているのが目に入った。
あれ、これって・・・
灰色にこけた流木の表面とはうって変わって
折れ口の材内部はあのイイ色をしている。
しかもなんかこれ虫に食われてる・・・
素手で崩せるほど軟らかい材の破片をちょっと壊してみた。
まさかここでぇェェェ!!!!?????
たしかにマダラクワガタの幼虫だ。
さっき散々山の中を歩いて見つけられなかったクワガタがまさか川原の中州で見つかるとは。
元々上流にいた頃のがそのまま流木としてここに流れ着いたのだろうか・・・?
とにかく、見つけてしまった以上採らねばなるまい・・・
一旦車まで戻る事に。
しかし気を焦ったのか、
一つ目の沢まで戻ってきて木を渡る時、遂にやってしまった。
ドブンッ・・・
ぁj:rぇおh★ヴぁっッ!!!!!!!!
足を踏み外し言葉に出来ない言葉を叫び落水・・・・・・
右足を腿まで沈めてしまった。
急いで水上に引き上げ長靴から水を抜く。
「ち・・・く・・・しょ・・・ぉ・・・(哀)」と落ちた場所へふり返ると、落水のショックでポケットから滑り落ちたケータイが運良く水に落ちず木の上に落ちているところを発見し、慌てて回収。
二度焦った・・・
(なんか最近必ず一度は採集行く度にどこかに落っこちてる気がする・・・)
グズグズの右足を引きずり車からリュックを出して赤枯れ材の場所まで戻る。
そして一度落ちてしまった一つ目の沢を渡る時、
今度は落ちないようにと、岸に倒れていた他の良さげな木を渡して橋を補強する事に。
想像がついたかもしれないが・・・
案の定、橋を補強し2本の木の上を歩いて渡っていたら補強した方の木が突然グルッと横転。
見事に今度は左足を水中に沈めてしまった(泣)
水を抜いて、気を取り直して赤枯れ材を叩く。
結構良質で、流木全体が赤枯れにはなっていないが(折れ口付近長さ30~40cm程)
フカフカしているが古すぎるワケでもない。
材には縦横無尽に食痕が走っており、出てくる出てくるマダラの幼虫は数えたら限がない!!
成虫が一向に出てこないで割り合い1令~2令が多いので、飼育も考慮し材の破片もポットに適せん投入しながら細かく割っていく。
いや・・・多いな・・・
幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫・・・
アリうざい、ハエうざい、アリうざい、ハエうざい・・・
幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫・・・
アリうざい、ハエうざい、アリうざい、ハエうざい・・・
幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫、幼虫・・・
アリうざい、ハエうざい、アリうざい、ハエうざい・・・
割っている最中、材表面に変な穿孔痕を発見。
普通に考えるとマダラって軟らかい箇所から坑道を掘ってその壁面に産むのかなぁと思っていたんですが、
他の雑虫の混入がほとんど無い事を考えると、
これ↑↑がマダラの産卵痕なんじゃないかなと思うんですがどうなんでしょうね。
成虫のあの体型を考えるとこれがビンゴじゃないでしょうか。
にしても、あまりにも成虫が出てこないので、帰って羽化させたらそれでOKにしよう・・・と
思い始めた時、投げやり気味に割っていた破片からまさかの物体が出てきた!!!!!!!!!!!
なんか黒いゴミムシダマシ的な塊が仰向けになっているのを発見。
なんか出てきたよォ・・・みたいな低いテンションで裏返してみると、
せ成!?虫ぅぅ!!!!!!
いきなり悲願のマダラ成虫が登場し、
面喰って今度は言葉にならない嬉しさで叫んでしまった。
久しく成虫を見ていなかった所為か、
逆にマダラってこんなに大きかったっけ? と一瞬疑ってしまった。
もっと判りにくいものだと思っていた(苦笑)
まさか「コレを採るぞ!!!」と宣言して有言実行できるとは正直思ってなかった。
特に午前を過ぎた段階では絶望していたわけだからまさかまさかの展開である。
まさかマグソを探しに来てマグソはいないのにマダラが居たって・・・
ちなみに嬉しい嬉しい♂だった。
結局、細かい作業をし過ぎて時間を費やし時刻は14時半を過ぎている。
成虫確保はこの1頭で良しとし、戻ることにした。帰らなければ。
水に落ちて身体がブルってしまったため、
戻る前にちょっとキジの子を撃ちに行った。
ふと横に目をやると、
砂地に黒い小虫がチョコチョコ徘徊しているのに気づいた。
近づいてみると、
おお、こいつは確か・・・
マグソ採集の時に見間違えやすいスナゴミムシダマシとやらではないか!!
割りと結構彼方此方にいるのが確認できる。
詳しい種類はいつか別の機会に・・・とか思っている事はどうでもいいのだが、
なんかコイツがここにいるのを見ると、やっぱここにマグソが居てもおかしくなさそうな感じするよな? よし一応シーズン入ったらまたこの川原に来てみるかァ!!
なんて再び蝋燭に火が灯ったような気分になった、さらにその横へ目をやった時だ。
?
!?
・・・・・・。
・・・~ァ!!
いるぅ!!!!!
意表をつく突然の登場、と云うかそこにじっとしていただけなんだけど
本当にいてしまった。
あまりの驚きに「本当にマグソクワガタか?」と思わずにはいられなかったが
とりあえず逃げられない内にそっと摘まんでケースに投入。
よく考えれば、時間帯的に言えばもう昼過ぎで空も曇りがかっているので
もし発生していたとしてもとっくに地面に降りてる頃合いなんだから
飛んでるのを見つけるって難しいにもほどがあるわな。
しかし、そう思ってこの後追加個体を探してみたものの、全く見つからなかった。
もしかしたらまだ本格発生に入る前に早期羽脱個体を採集したと言えるのかもしれない、そう考えるとこの1♂をよく見つけられたものだと不思議な気分になる。
本格発生したらまた来れば♀も採れるし問題ないか。
気がつけば周囲は既にさっきまでの昼の明るさとは違って暗くなりだしている。
暗い所為で沢の水も黒く見え川底が見えなくなっている。
・・・アレ・・・(汗) 沢ってこんなに深かったっけ・・・!?
いや、深くなっている!!!!(焦)
川底が見えなくなってるのは周囲が暗いからじゃなく水位が増していたからだった。
焦り半分でとりあえずさっき渡ってきた位置から二つ目の沢を渡るが、
さっきは長靴より低かったはずの流水が今度は長靴にゴバゴバ入っていく!!!!!!
流石に流される深さではないものの足は見事ずぶ濡れ。
たいした事がなかった二つ目の沢でこれだけ深くなっていたと云う事は自分がさっき苦戦した一つ目の沢はもっと酷い事になっているのではないかと見てみると、さっきは完全に川面の上に架かっていたヤナギの木が、一部流水にのまれている状態にまで水位が上がっていた。
こちらの沢は水流の速度もなかなか、完落ちしたらカナヅチの自分は確実に土左衛門ルートを辿る自信しかない為手頃な枝を拾って杖をつきなんとか渡りきった。
湿地帯も水位の上昇で足の踏み場も少なくなってきて戻るのには少々苦労した
(川じゃないから気にするほどじゃないのかもしれないけど)。
小雨も降り始め、採集を終えるには丁度いい時間だったようだ。
(沢の水位が冗談じゃない点を考えると、「丁度いい」とは到底言えないのだが・・・)
グショグショの足元で車を運転する気持ちの悪さは、
疲労した身体で帰路に就く間の眠気覚ましには丁度良かったかもしれない。
#####################################
午前中のボロボロ感に比べたら、
午後のマダラ成虫初採集とマグソ新産地発見はこの上なく有意義な時間に他なりません。
川に落ちるとマグソが見つかるジンクスでもあるんでしょうかね?
最初の時も浸水したし(笑)まぁ採集場所を考えたら当たり前かもしれませんが。
少なくとも次行く時までにはもうちょっと雪解け水も減っていてほしいもんですね(苦笑)
いやけっこう真面目に(笑)
いやぁ今回は本当に面白い体験をしました(笑)
クワガタには見えないクワガタとクワガタじゃないクワガタ、
この2種類が直線距離5mしか離れていない場所で同時に採れたと云うのは
ネタと言っても差し支えないレベルでしょうね。
年齢がまた一個増える直前にこういう変な体験が出来て、
いい歳(?)をまた新しく迎えられそうです。(←最後はこじ付けがましかったかな・・・)
本日の 日昆の名言
ケイスケを飼育しない理由 [〆ギラファノコギリ (ケイスケ亜種)]
今家には、飼育中の生体では
①オオクワガタ
②アマミシカクワガタ
③カネギエーテルノコギリクワガタ
④スペクタビリスノコギリクワガタ
⑤ギラファノコギリクワガタ
⑥ペーニャヒメゾウカブト
の(大まかに分けると)6種類の昆虫が居ます。
(更に先日採集した幼虫も増えましたが)
その内、
ギラファノコギリに関しては現在の飼育の中核種として飼育スペースの殆どをとり
・原名亜種(タイ産)
・原名亜種(カンボジア産)
・ニルギリエンシス
・ティモーレンシス
・ニシヤマ
・マキタ
をそれぞれ管理しています。
今列挙した自分が自分でゾッとしました。
ギラファ9亜種の中でも特に飼育してみたかった亜種は大方揃えた感じではあるんですが、
最近はギラファについていくつか面白そうなお話を聞く機会があったりして
気になる亜種・産地などが更に増えてきてしまい際限がありません・・・(汗)
これまで、累代飼育経験がない亜種は
・ケイスケ
・ダイスケ
・ニシカワ
の3亜種いて、
♀しか羽化させていない事を考えるとボロブドゥールも含め4亜種になります。
しかしこの内、飼育する気が殆ど起こらない亜種がいます。
その最たる例がケイスケです。
今日は(も)主観的な意見が多いですが
まぁ共感して頂けるような内容ではないと思うので・・・
ギラファノコが好きな方とかギラファノコ飼ってる方はスルーして頂きたいと思います。
(ギラファノコ興味無い方も結局スルーになるから実質誰も読まない!!)
確かに昔から、児童書や学研の図鑑で紹介されるギラファって大概がフローレスのケイスケでしたよ。90年代以前の本だと原名亜種の割合が高かったけども・・・
自分が外国産の飼育が出来るようになった小学校中学年のあたりの書籍で
「ギラファ(キバナガ)かぁーカッコいいなぁ~~!!」とか思って眺めてた写真は
ほとんど全てケイスケでした。
世界最大のクワガタとしての紹介をすると、
どうしてもフローレスのケイスケの写真が必要になりますからね。
ただ、ボロブドゥールを不完全燃焼気味に飼育終了して数年ギラファの飼育機会を持たず他の亜種とかを専門誌とかで知るようになってからは、最大が云々とかよりも形とか光沢がある亜種の方が飼育してみたいと思うようになっていて、その先駆け的なのがマキタでした。
中学生の頃に初めて買ったBE-KUWAがちょうど17号クワガタギネス特集で、
そこに載っていたマキタギラファの110mmに釘付け。
そしてその内No.6がマキタを飼育しているのを「あ、いいなぁ~」と思っていたのも後からじわじわ効いてきまして(笑)、「でっかいギラファ」より「個人的に好きな形をしたギラファ」を飼育したくなったのはここからなんですよ。
マキタ・ダイスケ・大陸系と比べると、
ケイスケって図鑑で見ると圧倒的に立体感に欠けるんですよ。
視覚的な問題ですが、写真で見ててもダイスケやマキタって全身に光沢があるので、写真で見てても3次元的な迫力を感じるんですよ。
その点ケイスケは、ギラファ屈指の艶消し亜種。
写真で見ててもサイズの割に立体感がないので、ただの平面写真以上の感じ方が出来ない。
じゃぁ実物を見ればいいだろうとも思うんですが、実物比較すると尚更光沢系亜種の方が魅力的に見えてケイスケが霞むんですな・・・
そして形がなんか不安定。大腮の事なんだけども。
好みでない・カッコよく感じないって言うと率直なんだけど。
他亜種より大腮が長いからそう見えるのか判らないけど(偏見?)他の亜種と比べて湾曲が弱く見えて、外側のラインが形容するとオウゴンオニみたいな湾曲になったのがギラファについてるのがなんかこう、ねェ・・・
(オウゴンオニ批判みたいになってしまった上云いたい事が上手く伝えられない、馬鹿だなぁ自分)
大腮の湾曲・鋸歯の形状・最大内歯の向く方向、全部個体差が出やすいのが妙に許せない。
よく言えば個性がある、悪く言えば統一性がない特徴・・・
ただ、人様のブログとかホームページ見ててもたまに
「凄くカッコいい」と思う♂個体も見るんですがね。
あとあまりに知名度の高く流通が多い所為で、ネットや実物でも見る機会が異常に多くて自分が飼育する以前にお腹一杯になる。
他の例えを出すとオオクワやヘラクレスにもそういう事が言えるんですが、
あまりにケイスケだけが写真でも飼育情報でも全ギラファ亜種に占める割合が高すぎる!
出てくる情報の内7割がケイスケ。そして2割がダイスケ。あと1割が他の亜種。
ニシヤマなんて飼育情報ほぼ皆無に等しいからね(嘲笑)
誰かニシヤマにもスポットライト当ててくれません!?
だからこそニシヤマに興味持ったんだけど・・・
勿論ギラファノコギリの中では圧倒的に入手が簡単だからどうせなら飼育しといてもいいと思うんだけど・・・、逆に流通多くて入手が簡単だといつでも手に入るから今飼育する必要はないよなぁとか考えたり。
第一、
幼虫飼育でエサもスペースも一番食う亜種を今の飼育状況の中まともに殖やしたら、
判りやすく表現するとこういうこと↑↑になってしまいますわね。
もう経済害虫以外の何物でもありません。
さて、話は変わって
連休中「とある荷物」が届きました。
①オオクワガタ
②アマミシカクワガタ
③カネギエーテルノコギリクワガタ
④スペクタビリスノコギリクワガタ
⑤ギラファノコギリクワガタ
⑥ペーニャヒメゾウカブト
の(大まかに分けると)6種類の昆虫が居ます。
(更に先日採集した幼虫も増えましたが)
その内、
ギラファノコギリに関しては現在の飼育の中核種として飼育スペースの殆どをとり
・原名亜種(タイ産)
・原名亜種(カンボジア産)
・ニルギリエンシス
・ティモーレンシス
・ニシヤマ
・マキタ
をそれぞれ管理しています。
ギラファ9亜種の中でも特に飼育してみたかった亜種は大方揃えた感じではあるんですが、
最近はギラファについていくつか面白そうなお話を聞く機会があったりして
気になる亜種・産地などが更に増えてきてしまい際限がありません・・・(汗)
これまで、累代飼育経験がない亜種は
・ケイスケ
・ダイスケ
・ニシカワ
の3亜種いて、
♀しか羽化させていない事を考えるとボロブドゥールも含め4亜種になります。
しかしこの内、飼育する気が殆ど起こらない亜種がいます。
その最たる例がケイスケです。
今日は(も)主観的な意見が多いですが
まぁ共感して頂けるような内容ではないと思うので・・・
ギラファノコが好きな方とかギラファノコ飼ってる方はスルーして頂きたいと思います。
(ギラファノコ興味無い方も結局スルーになるから実質誰も読まない!!)
確かに昔から、児童書や学研の図鑑で紹介されるギラファって大概がフローレスのケイスケでしたよ。90年代以前の本だと原名亜種の割合が高かったけども・・・
自分が外国産の飼育が出来るようになった小学校中学年のあたりの書籍で
「ギラファ(キバナガ)かぁーカッコいいなぁ~~!!」とか思って眺めてた写真は
ほとんど全てケイスケでした。
世界最大のクワガタとしての紹介をすると、
どうしてもフローレスのケイスケの写真が必要になりますからね。
ただ、ボロブドゥールを不完全燃焼気味に飼育終了して数年ギラファの飼育機会を持たず他の亜種とかを専門誌とかで知るようになってからは、最大が云々とかよりも形とか光沢がある亜種の方が飼育してみたいと思うようになっていて、その先駆け的なのがマキタでした。
中学生の頃に初めて買ったBE-KUWAがちょうど17号クワガタギネス特集で、
そこに載っていたマキタギラファの110mmに釘付け。
そしてその内No.6がマキタを飼育しているのを「あ、いいなぁ~」と思っていたのも後からじわじわ効いてきまして(笑)、「でっかいギラファ」より「個人的に好きな形をしたギラファ」を飼育したくなったのはここからなんですよ。
マキタ・ダイスケ・大陸系と比べると、
ケイスケって図鑑で見ると圧倒的に立体感に欠けるんですよ。
視覚的な問題ですが、写真で見ててもダイスケやマキタって全身に光沢があるので、写真で見てても3次元的な迫力を感じるんですよ。
その点ケイスケは、ギラファ屈指の艶消し亜種。
写真で見ててもサイズの割に立体感がないので、ただの平面写真以上の感じ方が出来ない。
じゃぁ実物を見ればいいだろうとも思うんですが、実物比較すると尚更光沢系亜種の方が魅力的に見えてケイスケが霞むんですな・・・
そして形がなんか不安定。大腮の事なんだけども。
好みでない・カッコよく感じないって言うと率直なんだけど。
他亜種より大腮が長いからそう見えるのか判らないけど(偏見?)他の亜種と比べて湾曲が弱く見えて、外側のラインが形容するとオウゴンオニみたいな湾曲になったのがギラファについてるのがなんかこう、ねェ・・・
(オウゴンオニ批判みたいになってしまった上云いたい事が上手く伝えられない、馬鹿だなぁ自分)
大腮の湾曲・鋸歯の形状・最大内歯の向く方向、全部個体差が出やすいのが妙に許せない。
よく言えば個性がある、悪く言えば統一性がない特徴・・・
ただ、人様のブログとかホームページ見ててもたまに
「凄くカッコいい」と思う♂個体も見るんですがね。
あとあまりに知名度の高く流通が多い所為で、ネットや実物でも見る機会が異常に多くて自分が飼育する以前にお腹一杯になる。
他の例えを出すとオオクワやヘラクレスにもそういう事が言えるんですが、
あまりにケイスケだけが写真でも飼育情報でも全ギラファ亜種に占める割合が高すぎる!
出てくる情報の内7割がケイスケ。そして2割がダイスケ。あと1割が他の亜種。
ニシヤマなんて飼育情報ほぼ皆無に等しいからね(嘲笑)
誰かニシヤマにもスポットライト当ててくれません!?
だからこそニシヤマに興味持ったんだけど・・・
勿論ギラファノコギリの中では圧倒的に入手が簡単だからどうせなら飼育しといてもいいと思うんだけど・・・、逆に流通多くて入手が簡単だといつでも手に入るから今飼育する必要はないよなぁとか考えたり。
第一、
幼虫飼育でエサもスペースも一番食う亜種を今の飼育状況の中まともに殖やしたら、
判りやすく表現するとこういうこと↑↑になってしまいますわね。
もう経済害虫以外の何物でもありません。
さて、話は変わって
連休中「とある荷物」が届きました。
熱狂!!! 春のツヤハダ祭り [日昆 採集記 【2015年】]
前回の採集で運のいい事に県内産マグソクワガタ新産地と自身初マダラクワガタ成虫採集を同所において達成すると云う美味しすぎる体験をしたのですが、
マグソ新産地をひとつ発見して気を良くした自分は、
去年発見した「マグソの生息地候補」のもう1ヶ所を確かめてやろうと
次の日曜に某市町村行きを決心していました。
今度は誰か誘って行こうと、都合のつくNo.2に予定を開けておいてもらい
採集前夜、早起きのプレッシャーにドキドキしつつ就寝しました。
10日(日)
ザ―――――――――――――――…
雨降ってる・・・
・・・これじゃぁマグソ飛ばないから採集できねェじゃん・・・!!
しかし昨日から既に採集モードになっている以上マグソじゃなくても
何かしら採集に行きたい・・・
雨降ってるしこの時期である以上材割りの一択になる。
ルリも一応今年は採った・・・
マダラも先週念願の初成虫採集を成した・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃぁ・・・もうアレを狙うしかないか・・・
ツヤハダクワガタ。
初めて採集した3年前、
それは今まで採集した経験がなかった自分にとっては『奇跡の出会い』と呼んでいい程に感動したひと時だった。
しかし、その3年前のこの時以降ツヤハダを探しても見つける事が出来ず
この時の採集個体はまさに奇跡だったと思わせられるほどに貴重な個体になっていた。
確かに赤枯れ自体大真面目に探していたわけではなかったので
ルリは毎年採ってもツヤハダやマダラはずっと見ていないのも仕方がない。
段々古くなっていく記憶の中、当時採集した個体の内標本箱の中にある僅かな♂2:♀2だけで満足している部分があった。
(・・・なんかちょっと説明↑↑がクドいな・・・?)
つまり簡単に言うと、
苦手意識がある、って事。
全然いないんだけど!!! どこ行ったらこんなの見つかるの!!?
クワガタムシのジャンルとしてはマイナー且つ特殊な系統なため、ある意味オオクワガタより採集が難しいとも言える。
基本的に自分の行く材採集は労力に見合わないほど圧倒的に成果が出ない。
これまで同行した者はおそらく『最も行きたくない採集』として認知している気がする。
更に、そんな辛い採集にもかかわらずターゲットはルリ・マダラ・ツヤハダ・・・
一般的にはマニアック過ぎて採集に意気込めるかと云うとそうでもなかったりする(汗)
その中でもツヤハダは「入ってる材」を探し当てるまでが辛い。一番辛い。
そんなツヤハダを狙うワケで、
雨だし仕方ないから行こう、またボウズかな。と云うスタンスで家を出発する。
当初連れて行くつもりだったNo.2には
「今日は連れて行くの止めておくわ」とメールし、
単独で山に向かう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
朝霧の中、出発から2時間近くを要し目的としていた林道までやってきた。
今回初めて入る林道だ。
昔からこの林道に入る為の本線は行き来しているのだが、
普段通る時はこの林道の存在には見向きもしないで走っていたので
地図を頼りに意識してここまでくると「こんなトコに林道がねェ・・・」と変に思う。
林道に入って間もなく、あっという間に斜面の上の方に倒木の赤枯れを発見した。
車を停めて荷物を背負い斜面を登る。
あれぇ~~!? これって意外と今日はあっさり採れちゃったりする~?(笑)
なんて調子よく思うほどに普段滅多に見ないほど太い赤枯れだ。
ルリ採集の時についでによく見つけていた、赤枯れっぽく見えるけど繊維質で全く違うタイプの『赤枯れモドキ材』なんかではない!
ところが、この直径60cm以上もあるこの材には全くクワガタ的な存在が居らず
適度にあっちゃこっちゃ叩いてみたものの僅かな食痕(のようなもの)以外は何も出ず。
仕方ないので無理に時間を費やす事もせずこの材を諦める事に。
たとえ居なくてもその材を一本諦めてしまうと次の材を見つけ出すまでに時間が掛かるんだよなぁ・・・と、これまでの採集の記憶を振り返りながら車でじわじわ進んでいたが、
あっという間に別の赤枯れ材を見つけてしまった。
おっ・・・! 見つけた・・・! 早っ!
もしかしてこの辺りは赤枯れが多いのか・・・?
車を降りて材まで寄っていくとやっぱり正真正銘本物の赤枯れ材。
今度こそはと刃を入れてみるが、・・・・・・・・・クワガタの気配はやはり無し。
その後も次々と赤枯れ材自体は見つかるのだが、
ことごとくスカを連発する。
車で少し進む
↓↓
赤枯れを見つける
↓↓
車を降りて材へ突入 → 何も出てこない
↓↓
車へ戻る or そのまま森の中へ進んで更に赤枯れ発見、何も出てこない → 車へ戻る
↓↓
車で少し進む
↓↓
以下ループ
赤枯れが見つかる = ツヤハダゲットだぜ!!
↑↑と思っていたのだが、これはかなり違うようだ・・・
倒木、立枯れ、株。
どれも材の規模としてはかなり立派なものだというのにひとつもクワガタが出ない。
割ってみて、変な食痕が空洞になっているような材にはアリが営巣してるし、
僅かな食痕を辿ったらコメツキやゴミムシダマシだし、
途中から『ツヤハダ』ではなく『なんでもいいからクワガタを』と趣旨が変わりつつあった。
そんな最中、集中力が切れツヤハダ等とは全く関係ない谷筋の立枯れに登ってみた時。
材の裏側が中空になって乾燥しているのを確かめもせず登り、
風化しガバガバになっていた樹皮を取り除いてみると。
樹皮の真下に僅かなスペースを作っている謎のクワガタを発見。
非常に小さく、白枯れの幹の表面で赤い食痕を広げているこの幼虫は
何となくマダラっぽく見える。
こんな不安定かつ危険なスペースで生活しているのがなんだか逞しく見えた。
一応持ち帰ることにしたが一体何を食わせりゃいいんだろう・・・?
その後も山菜採りや釣り人を尻目に林道の奥へと進んでいく。
やはり赤枯れ材は絶えることなく目に付き
その度に確かめに行くのだが全くクワガタの気配は無し。
林道も悪路を極めつつあり、崖上からの大きな落石が道に鎮座していたり、倒れた木が踏切状に通せんぼしていたりで非常に危険だ。
それでもギリギリそれらをかわして先に進めたのは、
普段この林道を利用している山菜採り等の人たちが小まめに処理していたからに他ならないのが雰囲気で感じられる。
(明らかに軽自動車でないと通れない箇所がいくつかある、林業関係者なら多分こんなギリギリ通れるくらいの処理はせず綺麗に退けてくれるだろうし。・・・と言うか、こんな荒れた林道通ってる自分はまだこれ代車なんですけど!1ヶ月以上経ってんのにまだ車検から車返ってきてないんですケド!!!)
結構本気で「ここまで来ちゃって元に戻れなくなるんじゃないか?」と心配になってきて、繰り返していた赤枯れ発見作業も流れ作業的になってきた頃。
また見つけた赤枯れ。
面している沢の一部がこの材の下を通るような形で立っているような株で、
どこがどうなって倒れたのかが少し判らないような折れた幹が隣に倒れている。
画像は株の部分ではなく倒木部分で、この左側には株が立っている。
株は既にところどころが崩れているようだ。
繰り返し作業の斧入れを始める。
全体が真っ赤に染まった倒木に振り下ろすと・・・
ゴンッ。
響かない鈍い音と共に斧が弾かれた・・・
何度叩いても刃が食い込まない・・・!
切り口を見ると、赤い表面の真下が灰色になっている。
表面しか朽ちてねェェェェェェェェ
表面は綺麗に赤くなってんのにとんだメルテンス擬態だよ!
斧から響く衝撃が右手に鈍く残る。
肩透かしをくらった気分のまま、株の方のボロついた木肉部を触ると手であっさり崩れた。
斧が入らなかった倒木をテーブル代わりに、
崩れた部分を拾い上げてみると、赤い木片の中に白く光る物が・・・!!!!!
Ohhhh~~~!!!!!!
このパプキンみたいな細い幼虫は!!!!!
ツヤハダ出た!!!!
出おった!!!!
出てこないと思って斧を振っている、心と体が別々に動いているような
ある意味矛盾した心境が一気に修正された気分だった。
赤枯れ材にクワガタの存在を確認できるまでこんなにも本数が限られているのかと嘆きたくもなるが、兎に角ようやく見つけたツヤハダの生体にただただ感動するばかり。
さてここからが本番だ。
ツヤハダと言えば幼虫期間の問題でまずは幼虫が出てくるだろうと云うのは認知していた。
(初採集の時も90%以上の割合で幼虫だったし)
幼虫の個体数に対して成虫の確保数が少ないと云うのは方々で見聞きしていたので、
さてここから成虫を見つける事が出来るのか・・・と気持ちを引き締め直して
株に向き直ったその直後だった。
自分で崩した破片がどれだったか、と手頃な破片を拾い上げると
丸い穴の中に光る成虫との遭遇にマジで一瞬時間が止まった。
3年振りなので、
初採集を遂げたのと変わらないくらいに感動。
しかもいきなり♂なのは非常に贅沢なサプライズだ。
ちょっと小さめだがそんなこたァ構わん。嬉しィ~~~(笑)
これだけのキャパシティの材ならばもっと個体数は採れるはずだ、と
剥がした破片を片っ端から細かく手割りしていくことにした・・・
などと語る暇も無く、
続けざまにまた成虫!!!! 今度は♀。
文字通り「あっという間に」後続が出てきて♂♀1ペア揃ってしまった。
なんか、良い予感しかしない。
その予感は予想を超える配当で的中した。
ヤベぇ!!!!!
ほぐす度に次々出てくる!!!!
しかもほとんど成虫で!!!!!
大きな株から手で剥がし下ろした手頃なブロックを、手で割って細かく解していくとその分だけツヤハダが出てくる。幼虫もチラホラと出てくるが、成虫の割合が素晴らしく高い。
しかも、嬉しい事に♂の数が多い。
そして1週間振りにコイツも登場。
マダラクワガタ成虫。
さっきから度々姿を見せていた幼虫に混じって、成虫も出てきたのは嬉しい。
途中から雨が弱く降り出した。・・・が まだまだ出てくるのでそんな事は関係ない。
雨から次第に霰へと変わってきた。・・・が 一向に出てくるのでそんな事はどうでもいい。
・・・てか、この時期で霰とはさすが青森・・・恐れ入る・・・。
しゃがみっぱなしでずっと作業しているがツヤハダ成虫の出てくるペースは全く衰えない。
密度が尋常ではない。
握り拳大にも満たない小さな塊を二つに割ると、
割ったその破片の両方から成虫がこちらをのぞく。
蛹室と蛹室が1~2cm程度(かそれ以上に近いくらい)の距離で隣り合っている光景も少なくない。
数だけでなく、♂のサイズも悪くない。
見た感じ20mm前後の個体も少なくはない・・・
久しぶりに見たので、デカそうな奴は皆23~24mmくらいに見えてしまう(苦笑)
実際のところ、3年前採った個体は17~18mmだったしなぁ・・・
終盤、♀も数が溜まって持て余してきたので、ちょくちょく材の裏側にリリースしたり割り出してもスルーしていくようになった。さっきまで「1頭だけでも・・・(苦)」と云うような心境だったとは思えないくらいだ。
作業が粗くなって潰してしまうのを避ける為、一向にペースが落ちないが
この後夕方から別の予定が入っていたので途中で採集を中断せざるを得なくなった。
ずっとしゃがんでいた状態から立ちあがると、思いの外腰が痛い。
時計を確認すると、この材を叩きはじめてから丸3時間が経っていた。
最後、キープしていた内の要らない♀をリリースする前に写真を撮ってみると
結果(カウントは成虫のみ)
ツヤハダの♂♀の数は数えていないが、作業中5~10頭ほど♀成虫を前述の通りリリース&スルーしていたので出てきた成虫の総数は40頭前後だと推察。
荷物をまとめ帰ることにした。
*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@
十分な土産を持って自宅へ帰ってきたものの、
まだあの株は割り残しがある・・・
ツヤハダを眺めながら満腹感に浸る中、それとは真逆の空腹感も覚える。
たしかに自分で標本にする分には十分な量を採った。
産地別に集めるならもうこれ以上は要らないはず。
・・・でも・・・
あの株の中には全部で一体どれくらいの成虫が眠っているんだろう・・・?
あの株の中にはもしかしたら超特大級の♂が混ざっているのでは・・・?
と、こんな疑問と期待が激しく渦を巻いて止まなくなっている。
(クワガタ屋なら誰もがそう考えるのではないかと思う)
他のターゲットとの兼ね合いや、No.2らの都合も含めて、
どうしたらいいもんかねェと迷っていたのだが、・・・・・・その数日後。
虫仲間のRe:myon氏から、とあるカブトムシの話題について連絡が入ってきた。
カブトの件は全く無関係なので割愛するが、電話口で話している内に数日前のツヤハダの話題に。
同時に、ひとついい事を思いついた。
なんで思いつかなかったのか不思議だが、ツヤハダに興味がありそうな知り合いを誘えばよかったんだと(勝手な構想を)思い立ち、早速提案。
先方の「明日は休みですねぇ」と云う言葉を逃がさず
「じゃぁ明日はどうです?」と(待ってましたとばかりに)あっという間にスピード決定した。
早い。実に早かった。
その後で自分は明日別に休みじゃない事に気が付いたが、それでも午前中なら時間が取れるなと算段し朝早くの出発と云う事で話が固まりつつあったが、
手っ取り早く自分の家に泊まってその流れで一緒に出発すると云う事になった。
日付をまたぐ間際にRe:myon氏と近場のコンビニで合流し自宅へ。
まだ〆てないツヤハダ全個体が(自部屋の)冷蔵庫に入っている・・・と云う話題を振ってみると、
「明日自分の手でお目にかかりたいから見せないで」と云う返答が返ってくる。
同行者としては100点満点の回答で、それを聞いて翌朝が更に楽しみになってきた(笑)
移動時間や制限時間を考えると起床時刻が早いので、早々に就寝する事にした。
寝過ごさないように厳重にアラームを設定しながら・・・
翌朝。
寝てから何時間も経っていないが起床時刻がやってきた。
朝に強いRe:myon氏と朝に弱い自分で午前5時に家を出る。
荷物を確認し、近くのコンビニで自分達の燃料を調達し、
ガソリンスタンドで車の燃料を調達しいざ山へ!!!
そして今回も乗っていくのは代車の軽自動車(汗)
これ1台で向かう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Re:myon氏の話を聴きながら、件のポイントへ到着。
一度来たポイントなのに若干場所が判らなくなってしまった。
例の株まで来る途中、自分が前回見逃していた立派な赤枯れを2~3ヶ所叩いてみたが全く何も出て来ず。
その最中、1台の車が通りかかり、
運転手の老男性が興味深げに窓を開け、「何してんの?」と訊いてきた。
「虫です、クワガタです。」と答えると珍しげにしていた(そりゃそうだろな)
男性はボンナを採りに来たと言う。山菜に疎い自分には初耳だった。
「へぇ~クワガタ~! 」と関心を持った男性には悪いが、
多分想像してるヤツとは全然違うんで見ても面白くはないですよ・・・とは言えなかった(汗)
本命の株の所に辿り着き、早速「どうぞどうぞ」と一発目を促がす。
「・・・いやまさか前回で全て出尽くしたって事はないよな・・・(汗)」と云う不安もあったが、
全くもって当たり前のように1頭目がRe:myon氏によって割り出された。
残り少ないであろう成虫の残りを自分がガツガツ採っちゃだめだよなぁ~とか気にしつつ駄目押しのつもりで見逃しが無いか破片を割っていくが、Re:myon氏が順調に次々成虫を割り出しているのを見ると自分も感化されて沸々と「自分も・・・」とやる気になってきて結局2人でツヤハダ祭り状態(笑)
激アツ状態になる(パチンコとかした事ないけどこの単語は好きである)
腐朽していない芯のような部分が結構複雑に絡み合っていて、
「どこをどこから外しましょうか?」と2人で考えながら少しずつ解体を進めていく。
苔むした株の上方部から根っこの中の狭い空間まで、まんべんなくツヤハダとマダラは詰まっていた。ツヤハダは主に、幼虫があまり食い込んでない未穿孔部を好んで蛹室を作る傾向が見られたが、根の中などこれ以上行き場が無い狭い材の部分では食痕で埋まるような空間でも問題なく羽化していた。
当初、「残り少ないだろうなぁ・・・」と
割り出せる成虫の個体数を低く見積もっていたが、違った。
【前回の採集】 ⇒ 2015-5-4 『森の採集 川原の採集』 |
マグソ新産地をひとつ発見して気を良くした自分は、
去年発見した「マグソの生息地候補」のもう1ヶ所を確かめてやろうと
次の日曜に某市町村行きを決心していました。
今度は誰か誘って行こうと、都合のつくNo.2に予定を開けておいてもらい
採集前夜、早起きのプレッシャーにドキドキしつつ就寝しました。
10日(日)
ザ―――――――――――――――…
雨降ってる・・・
・・・これじゃぁマグソ飛ばないから採集できねェじゃん・・・!!
しかし昨日から既に採集モードになっている以上マグソじゃなくても
何かしら採集に行きたい・・・
雨降ってるしこの時期である以上材割りの一択になる。
ルリも一応今年は採った・・・
マダラも先週念願の初成虫採集を成した・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃぁ・・・もうアレを狙うしかないか・・・
ツヤハダクワガタ。
さかのぼること3年前・・・ |
【初採集のあの時・・・】 ⇒ 2012-5-7 『初採集!!』 |
初めて採集した3年前、
それは今まで採集した経験がなかった自分にとっては『奇跡の出会い』と呼んでいい程に感動したひと時だった。
しかし、その3年前のこの時以降ツヤハダを探しても見つける事が出来ず
この時の採集個体はまさに奇跡だったと思わせられるほどに貴重な個体になっていた。
確かに赤枯れ自体大真面目に探していたわけではなかったので
ルリは毎年採ってもツヤハダやマダラはずっと見ていないのも仕方がない。
段々古くなっていく記憶の中、当時採集した個体の内標本箱の中にある僅かな♂2:♀2だけで満足している部分があった。
(・・・なんかちょっと説明↑↑がクドいな・・・?)
つまり簡単に言うと、
苦手意識がある、って事。
全然いないんだけど!!! どこ行ったらこんなの見つかるの!!?
クワガタムシのジャンルとしてはマイナー且つ特殊な系統なため、ある意味オオクワガタより採集が難しいとも言える。
基本的に自分の行く材採集は労力に見合わないほど圧倒的に成果が出ない。
これまで同行した者はおそらく『最も行きたくない採集』として認知している気がする。
更に、そんな辛い採集にもかかわらずターゲットはルリ・マダラ・ツヤハダ・・・
一般的にはマニアック過ぎて採集に意気込めるかと云うとそうでもなかったりする(汗)
その中でもツヤハダは「入ってる材」を探し当てるまでが辛い。一番辛い。
そんなツヤハダを狙うワケで、
雨だし仕方ないから行こう、またボウズかな。と云うスタンスで家を出発する。
当初連れて行くつもりだったNo.2には
「今日は連れて行くの止めておくわ」とメールし、
単独で山に向かう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
朝霧の中、出発から2時間近くを要し目的としていた林道までやってきた。
今回初めて入る林道だ。
昔からこの林道に入る為の本線は行き来しているのだが、
普段通る時はこの林道の存在には見向きもしないで走っていたので
地図を頼りに意識してここまでくると「こんなトコに林道がねェ・・・」と変に思う。
林道に入って間もなく、あっという間に斜面の上の方に倒木の赤枯れを発見した。
車を停めて荷物を背負い斜面を登る。
あれぇ~~!? これって意外と今日はあっさり採れちゃったりする~?(笑)
なんて調子よく思うほどに普段滅多に見ないほど太い赤枯れだ。
ルリ採集の時についでによく見つけていた、赤枯れっぽく見えるけど繊維質で全く違うタイプの『赤枯れモドキ材』なんかではない!
ところが、この直径60cm以上もあるこの材には全くクワガタ的な存在が居らず
適度にあっちゃこっちゃ叩いてみたものの僅かな食痕(のようなもの)以外は何も出ず。
仕方ないので無理に時間を費やす事もせずこの材を諦める事に。
たとえ居なくてもその材を一本諦めてしまうと次の材を見つけ出すまでに時間が掛かるんだよなぁ・・・と、これまでの採集の記憶を振り返りながら車でじわじわ進んでいたが、
あっという間に別の赤枯れ材を見つけてしまった。
おっ・・・! 見つけた・・・! 早っ!
もしかしてこの辺りは赤枯れが多いのか・・・?
車を降りて材まで寄っていくとやっぱり正真正銘本物の赤枯れ材。
今度こそはと刃を入れてみるが、・・・・・・・・・クワガタの気配はやはり無し。
その後も次々と赤枯れ材自体は見つかるのだが、
ことごとくスカを連発する。
車で少し進む
↓↓
赤枯れを見つける
↓↓
車を降りて材へ突入 → 何も出てこない
↓↓
車へ戻る or そのまま森の中へ進んで更に赤枯れ発見、何も出てこない → 車へ戻る
↓↓
車で少し進む
↓↓
以下ループ
赤枯れが見つかる = ツヤハダゲットだぜ!!
↑↑と思っていたのだが、これはかなり違うようだ・・・
倒木、立枯れ、株。
どれも材の規模としてはかなり立派なものだというのにひとつもクワガタが出ない。
割ってみて、変な食痕が空洞になっているような材にはアリが営巣してるし、
僅かな食痕を辿ったらコメツキやゴミムシダマシだし、
途中から『ツヤハダ』ではなく『なんでもいいからクワガタを』と趣旨が変わりつつあった。
そんな最中、集中力が切れツヤハダ等とは全く関係ない谷筋の立枯れに登ってみた時。
材の裏側が中空になって乾燥しているのを確かめもせず登り、
風化しガバガバになっていた樹皮を取り除いてみると。
樹皮の真下に僅かなスペースを作っている謎のクワガタを発見。
非常に小さく、白枯れの幹の表面で赤い食痕を広げているこの幼虫は
何となくマダラっぽく見える。
こんな不安定かつ危険なスペースで生活しているのがなんだか逞しく見えた。
一応持ち帰ることにしたが一体何を食わせりゃいいんだろう・・・?
その後も山菜採りや釣り人を尻目に林道の奥へと進んでいく。
やはり赤枯れ材は絶えることなく目に付き
その度に確かめに行くのだが全くクワガタの気配は無し。
林道も悪路を極めつつあり、崖上からの大きな落石が道に鎮座していたり、倒れた木が踏切状に通せんぼしていたりで非常に危険だ。
それでもギリギリそれらをかわして先に進めたのは、
普段この林道を利用している山菜採り等の人たちが小まめに処理していたからに他ならないのが雰囲気で感じられる。
(明らかに軽自動車でないと通れない箇所がいくつかある、林業関係者なら多分こんなギリギリ通れるくらいの処理はせず綺麗に退けてくれるだろうし。・・・と言うか、こんな荒れた林道通ってる自分はまだこれ代車なんですけど!1ヶ月以上経ってんのにまだ車検から車返ってきてないんですケド!!!)
結構本気で「ここまで来ちゃって元に戻れなくなるんじゃないか?」と心配になってきて、繰り返していた赤枯れ発見作業も流れ作業的になってきた頃。
また見つけた赤枯れ。
面している沢の一部がこの材の下を通るような形で立っているような株で、
どこがどうなって倒れたのかが少し判らないような折れた幹が隣に倒れている。
画像は株の部分ではなく倒木部分で、この左側には株が立っている。
株は既にところどころが崩れているようだ。
繰り返し作業の斧入れを始める。
全体が真っ赤に染まった倒木に振り下ろすと・・・
ゴンッ。
響かない鈍い音と共に斧が弾かれた・・・
何度叩いても刃が食い込まない・・・!
切り口を見ると、赤い表面の真下が灰色になっている。
表面しか朽ちてねェェェェェェェェ
表面は綺麗に赤くなってんのにとんだメルテンス擬態だよ!
斧から響く衝撃が右手に鈍く残る。
肩透かしをくらった気分のまま、株の方のボロついた木肉部を触ると手であっさり崩れた。
斧が入らなかった倒木をテーブル代わりに、
崩れた部分を拾い上げてみると、赤い木片の中に白く光る物が・・・!!!!!
Ohhhh~~~!!!!!!
このパプキンみたいな細い幼虫は!!!!!
ツヤハダ出た!!!!
出おった!!!!
出てこないと思って斧を振っている、心と体が別々に動いているような
ある意味矛盾した心境が一気に修正された気分だった。
赤枯れ材にクワガタの存在を確認できるまでこんなにも本数が限られているのかと嘆きたくもなるが、兎に角ようやく見つけたツヤハダの生体にただただ感動するばかり。
さてここからが本番だ。
ツヤハダと言えば幼虫期間の問題でまずは幼虫が出てくるだろうと云うのは認知していた。
(初採集の時も90%以上の割合で幼虫だったし)
幼虫の個体数に対して成虫の確保数が少ないと云うのは方々で見聞きしていたので、
さてここから成虫を見つける事が出来るのか・・・と気持ちを引き締め直して
株に向き直ったその直後だった。
自分で崩した破片がどれだったか、と手頃な破片を拾い上げると
ア゜
ッ
ッ
・
・
・
!!
!!!!
!!!!!!
!!! 成 虫 !!!
丸い穴の中に光る成虫との遭遇にマジで一瞬時間が止まった。
3年振りなので、
初採集を遂げたのと変わらないくらいに感動。
しかもいきなり♂なのは非常に贅沢なサプライズだ。
ちょっと小さめだがそんなこたァ構わん。嬉しィ~~~(笑)
これだけのキャパシティの材ならばもっと個体数は採れるはずだ、と
剥がした破片を片っ端から細かく手割りしていくことにした・・・
などと語る暇も無く、
続けざまにまた成虫!!!! 今度は♀。
文字通り「あっという間に」後続が出てきて♂♀1ペア揃ってしまった。
なんか、良い予感しかしない。
その予感は予想を超える配当で的中した。
ヤベぇ!!!!!
ほぐす度に次々出てくる!!!!
しかもほとんど成虫で!!!!!
大きな株から手で剥がし下ろした手頃なブロックを、手で割って細かく解していくとその分だけツヤハダが出てくる。幼虫もチラホラと出てくるが、成虫の割合が素晴らしく高い。
しかも、嬉しい事に♂の数が多い。
そして1週間振りにコイツも登場。
マダラクワガタ成虫。
さっきから度々姿を見せていた幼虫に混じって、成虫も出てきたのは嬉しい。
途中から雨が弱く降り出した。・・・が まだまだ出てくるのでそんな事は関係ない。
雨から次第に霰へと変わってきた。・・・が 一向に出てくるのでそんな事はどうでもいい。
・・・てか、この時期で霰とはさすが青森・・・恐れ入る・・・。
しゃがみっぱなしでずっと作業しているがツヤハダ成虫の出てくるペースは全く衰えない。
密度が尋常ではない。
握り拳大にも満たない小さな塊を二つに割ると、
割ったその破片の両方から成虫がこちらをのぞく。
蛹室と蛹室が1~2cm程度(かそれ以上に近いくらい)の距離で隣り合っている光景も少なくない。
数だけでなく、♂のサイズも悪くない。
見た感じ20mm前後の個体も少なくはない・・・
久しぶりに見たので、デカそうな奴は皆23~24mmくらいに見えてしまう(苦笑)
実際のところ、3年前採った個体は17~18mmだったしなぁ・・・
終盤、♀も数が溜まって持て余してきたので、ちょくちょく材の裏側にリリースしたり割り出してもスルーしていくようになった。さっきまで「1頭だけでも・・・(苦)」と云うような心境だったとは思えないくらいだ。
作業が粗くなって潰してしまうのを避ける為、一向にペースが落ちないが
この後夕方から別の予定が入っていたので途中で採集を中断せざるを得なくなった。
ずっとしゃがんでいた状態から立ちあがると、思いの外腰が痛い。
時計を確認すると、この材を叩きはじめてから丸3時間が経っていた。
最後、キープしていた内の要らない♀をリリースする前に写真を撮ってみると
結果(カウントは成虫のみ)
ツヤハダクワガタ:32頭
マダラクワガタ:3頭
ツヤハダの♂♀の数は数えていないが、作業中5~10頭ほど♀成虫を前述の通りリリース&スルーしていたので出てきた成虫の総数は40頭前後だと推察。
荷物をまとめ帰ることにした。
*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@*@
十分な土産を持って自宅へ帰ってきたものの、
まだあの株は割り残しがある・・・
ツヤハダを眺めながら満腹感に浸る中、それとは真逆の空腹感も覚える。
たしかに自分で標本にする分には十分な量を採った。
産地別に集めるならもうこれ以上は要らないはず。
・・・でも・・・
あの株の中には全部で一体どれくらいの成虫が眠っているんだろう・・・?
あの株の中にはもしかしたら超特大級の♂が混ざっているのでは・・・?
と、こんな疑問と期待が激しく渦を巻いて止まなくなっている。
(クワガタ屋なら誰もがそう考えるのではないかと思う)
他のターゲットとの兼ね合いや、No.2らの都合も含めて、
どうしたらいいもんかねェと迷っていたのだが、・・・・・・その数日後。
虫仲間のRe:myon氏から、とあるカブトムシの話題について連絡が入ってきた。
カブトの件は全く無関係なので割愛するが、電話口で話している内に数日前のツヤハダの話題に。
同時に、ひとついい事を思いついた。
なんで思いつかなかったのか不思議だが、ツヤハダに興味がありそうな知り合いを誘えばよかったんだと(勝手な構想を)思い立ち、早速提案。
先方の「明日は休みですねぇ」と云う言葉を逃がさず
「じゃぁ明日はどうです?」と(待ってましたとばかりに)あっという間にスピード決定した。
早い。実に早かった。
その後で自分は明日別に休みじゃない事に気が付いたが、それでも午前中なら時間が取れるなと算段し朝早くの出発と云う事で話が固まりつつあったが、
手っ取り早く自分の家に泊まってその流れで一緒に出発すると云う事になった。
日付をまたぐ間際にRe:myon氏と近場のコンビニで合流し自宅へ。
まだ〆てないツヤハダ全個体が(自部屋の)冷蔵庫に入っている・・・と云う話題を振ってみると、
「明日自分の手でお目にかかりたいから見せないで」と云う返答が返ってくる。
同行者としては100点満点の回答で、それを聞いて翌朝が更に楽しみになってきた(笑)
移動時間や制限時間を考えると起床時刻が早いので、早々に就寝する事にした。
寝過ごさないように厳重にアラームを設定しながら・・・
翌朝。
寝てから何時間も経っていないが起床時刻がやってきた。
朝に強いRe:myon氏と朝に弱い自分で午前5時に家を出る。
荷物を確認し、近くのコンビニで自分達の燃料を調達し、
ガソリンスタンドで車の燃料を調達しいざ山へ!!!
そして今回も乗っていくのは代車の軽自動車(汗)
これ1台で向かう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Re:myon氏の話を聴きながら、件のポイントへ到着。
一度来たポイントなのに若干場所が判らなくなってしまった。
例の株まで来る途中、自分が前回見逃していた立派な赤枯れを2~3ヶ所叩いてみたが全く何も出て来ず。
その最中、1台の車が通りかかり、
運転手の老男性が興味深げに窓を開け、「何してんの?」と訊いてきた。
「虫です、クワガタです。」と答えると珍しげにしていた(そりゃそうだろな)
男性はボンナを採りに来たと言う。山菜に疎い自分には初耳だった。
「へぇ~クワガタ~! 」と関心を持った男性には悪いが、
多分想像してるヤツとは全然違うんで見ても面白くはないですよ・・・とは言えなかった(汗)
本命の株の所に辿り着き、早速「どうぞどうぞ」と一発目を促がす。
「・・・いやまさか前回で全て出尽くしたって事はないよな・・・(汗)」と云う不安もあったが、
全くもって当たり前のように1頭目がRe:myon氏によって割り出された。
残り少ないであろう成虫の残りを自分がガツガツ採っちゃだめだよなぁ~とか気にしつつ駄目押しのつもりで見逃しが無いか破片を割っていくが、Re:myon氏が順調に次々成虫を割り出しているのを見ると自分も感化されて沸々と「自分も・・・」とやる気になってきて結局2人でツヤハダ祭り状態(笑)
激アツ状態になる(パチンコとかした事ないけどこの単語は好きである)
腐朽していない芯のような部分が結構複雑に絡み合っていて、
「どこをどこから外しましょうか?」と2人で考えながら少しずつ解体を進めていく。
苔むした株の上方部から根っこの中の狭い空間まで、まんべんなくツヤハダとマダラは詰まっていた。ツヤハダは主に、幼虫があまり食い込んでない未穿孔部を好んで蛹室を作る傾向が見られたが、根の中などこれ以上行き場が無い狭い材の部分では食痕で埋まるような空間でも問題なく羽化していた。
当初、「残り少ないだろうなぁ・・・」と
割り出せる成虫の個体数を低く見積もっていたが、違った。
第5回 チキチキ マグソ大会 [日昆 採集記 【2015年】]
どうも、先日タイヤがバーストしたまましばらく走っていた会長です。
先日25日をもちまして当ブログも7年目に入りました。
7年・・・長いな・・・(苦笑)
青森はこの季節小中学校で運動会が行われる季節です。
久しくそう云うのは見に行ってはいないんですが、毎年この運動会シーズンになると、競技中にスピーカーから流れてくるBGMの選曲がおかしくないかと個人的にどうしても気になります。闘争心を煽るようなものとかアップテンポで疾走感溢れる選曲がベターだよな普通・・・と思うんですが、丸々1歌手のアルバムそのまま全部流すとか手を抜き過ぎじゃないか?とか思ったりするんですね。
E〇IL〇のバラードとか流れてるのを昔聴かされてた自分としては、そんな事を考えてしまいます。
さて、運動会と云うワケではありませんが、
先日自分達も毎年恒例の春のあの(?)大会でハッスルしてきました。
大会って名を打っても第2回以降規格も規定も賞品もないので、
ただ単に「季節の恒例行事」となっている今大会。
そんなマグソ採集も初採集から6年目を数えるのですが、
一つ今年は去年までと違う点があります。
最初に青森市内で生息地を発見して以降、毎年同じ市内の1ヶ所ばかり頼って採集していたのですが、やはりさすがに同じ所ばかり攻め続けると云うのもラベル目的で考えると面白みに欠けるのは否めません。
これまでに自分が聞いた事があった県内の生息地は、
津軽地域が2ヶ所、上北地域が2ヶ所、下北地域が1ヶ所でした。
採れるところで採り始めると非常に多くの個体が採集できるので虫自体の有難味の薄さに感覚が麻痺しがちですが、局地的な生息ポイントの為きちんと場所を知らないと採れないと云う事と、県内でたったの4ヶ所しか知られていない(これ以上の場所が知られているかもしれませんが)と云う事を考えると、
大体は漠然と広範囲で棲息している他のクワガタとは採集の事情は全く異なり「ある意味非常に採集が難しいクワガタ」ですよね。
元々他のクワガタとは別物なので、《クワガタファン》とかよりは《雑虫屋・コガネ収集家》の側が近い分野なんでしょうね。「クワガタと云う名が付いている以上採らねばなるまい!!」と考える人はかなり少ないと思います。
ただ・・・それも考慮して考えると、元々採集者の数自体僅かなので
前述の内容とは真逆の意味合いになりますが、青森のような森林・河川環境ならば探してみれば生息地の絶対数は意外と多いのだと思います。
前置きが長くなりましたが、
そんなマグソクワガタの棲息・採集事情を考慮し去年僅かながら新規のマグソクワガタ生息が予想されるポイントを県内各地で探し、今年その答え合わせをした結果
全てのポイントでまだ確認作業を終えていませんが、生息地としては新ポイントの市町村が新たに1ヶ所加わりました。
前回は発生初期で1♂しか採れなかったので、追加個体の採集の為同ポイントへ向かい、
続けて未採集の(既知産地)西目屋村ラベルの個体も押さえに行こうと、
先日24日、No.2とRe:myon氏を連れて(No.6は都合が悪く不参加)県内でマグソをハシゴする事になりました。
(今回の内容は薄味です)
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
まずは平川のポイントで採集です。
着いた時刻がまだ早かったからなのかブンブン飛んでいるはずの♂の姿が見えません。
青森市内1ヶ所でしか採った事がなかったので、もしかしてここって相当採るのが難しかったりするのか?なんて不安な気持ちになりましたが、
とりあえず時間帯も早いので周辺でマダラ材を探す事に。
前回叩いた材を見つけもうちょっと割ってみると
なんとまた成虫が出てきました。
興奮したまま2人を呼んでマダラが出てきた事を伝え、マグソを採りに来てにわかにマダラ採集へ突入です(笑)
No.2には今回初めてマダラクワガタ成虫を見せましたが、
その後散らばって各自で材探しを始めると、すぐさまNo.2が戻ってきたかと思えば
「これがそうか?」と手のひらには小さな焦げ茶色の豆粒が。
No.2、アッと云う間に初マダラクワガタ採集を達成してしまいました。
そして直後に、こないだ見たのと同じような展開に。これはマダラ採集のお約束なのか・・・?
No.2 「あっ・・・!、どっかいった・・・」
自分 「!?(焦) ・・・お~ィ・・・」
Re: 「見つけたら悟りが開けますね」
No.2は風のようにマダラを採って、風のようにマダラに逃げられていきました。
「ここで採れた」と指示されたマダラ材を自分に教えると、彼はまたフラッと別の材を探しに出かけていきます。
ただ、その後この材ではそれ以上まともな数の生体が出てきませんでした。
赤枯れ部位も僅かで、非常に限られた空間で成果を出してしまうと云う点では、
毎度毎度驚かされるがやはりNo.2は「持って」いる・・・
しばらくすると今度は、Re:myon氏が「こっちでマグソが飛んでますよ!」と
誘われ林床内へついていきます。
川の岸に広がるこの林床では、マグソの生息に適した環境が広がっていて割りと歩きやすく、これなら確かに安定してマグソが採れるはずだなと思う反面、フィールドが広い所為でマグソが飛ぶ場所が不規則に移動してしまいなかなか探し当てるのに苦労しました。
しかし見つけてからは次から次へと♂個体が見つかります。
触角を広げて活発に動き回る姿は何度見ても可愛いものですね(笑)
最初のうちはやはり砂地で飛び回る個体を掬うのがやり易いですね。
ただ、なかなか♀が捕まらなく、
ずっと材探ししていたNo.2をマグソ♀捕獲に移らせてすぐさま1頭摘まみ採った後、
Re:myon氏も1頭スイープして平川産の採集は終了しました。
マグソはこの広い林床内で点々と群飛箇所が移動しています。
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
続いてやってきたのは久しぶりの西目屋。
いつも通っている所なのにまさかそこでマグソが採れるとは知らず、
これも勇んで川原へ下りていきます。
(これは自分で探してあたりを付けた場所ではないです)
こんなところまでマグソを探しに来る人間もそうはいないでしょう(苦笑)
蛇行する川の岸が長く続いていて、
どこで発生しているのか? もしくはどこででも発生しているか?
疑問と期待を抱えながら地面を漠然と見つめながら3人で進んでいきます。
「ん? なんかそれっぽいのが今飛んでたような!?」と一向に本体を手中に収められないまましばらく探索時間が過ぎていきますが、ここにきて最初に採れたクワガタはマグソではなく
スジクワガタ
No.2が石の上に静止していたのを採ったと云う事でした。
数年前もそうだったのですが、
マグソ採集でなぜかスジが副産物的に採れる事が多いように感じます。
コクワではなくスジって云うのがちょっと気になります。
さて、話は戻してマグソ探索へ。
少し川を下流に進んでようやくマグソが居る場所を探し当て3人で採集。
ここでも♀になかなか出合えず苦戦。
生息地の広さが難しくさせているのか、時期的なものなのか・・・
先に♀をRe:myon氏が網で採集。
やはり♀を採ったのを見ると非常に羨ましくなりますわ・・・
クワガタの中で♀採って嬉しいのってマグソかアマミミヤマかヤエヤマコクワくらいじゃない?
(アマミミヤマはもう採れないけどサ)
その後、Re:myon氏が追加で採った1♀を頂き、
自分も採れないかと地面を探していたところで
(飛んでるのを見ない時点でちょっと手抜きくさいけど)
自分も地上に落ちてた1♀をなんとか捕獲!
けっこう絶望を感じてたのでまぁ嬉しい。嬉しい。
こんなんでイイか~とマグソ大会を終了し、今度は軽く山登り。
キツい傾斜の登山道を3人でヒィヒィ言いながら進み、
ほとんど大した虫を見ないまま、Re:myon氏がシロトラカミキリを2頭採って早々に下山。
自分もルリの産卵痕を削ってみたのですが、何年も前から見てた場所だったので当然羽脱後。
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
その後帰り道ではすぐに自分は体力尽きて運転できなくなってしまったので、
恥ずかしながらRe:myon氏にハンドルを預ける形となりお開きになりました。
今回、それまでの青森市内1ヶ所のラベルのみだったマグソも
2市村分のラベルが増え一気に気分が高まりました。
内1ヶ所はまだ県内で3人しか場所を知らないラベルと云うのも嬉しいものです。
そして、その分の展足がこの後待っているのも・・・嬉しい悲鳴です。
生息地のポイントごとに地形が様々で、採集に行く自分(達?)がその都度ハラハラワクワクさせられるのにも今回はじめて気付かされました。
県内にはまだまだこうしたマグソクワガタの生息ポイントが多く存在しているので、
この時期はそのポイント探しで初夏の行楽に興じるのもいいかもなぁ・・・と思いました。
特に、マグソクワガタは見た目もコガネムシで非常に地味な種類なので、
飼育意欲が湧かなくても標本で収める意欲が無くても、
まずは自分で採る事こそが全ての虫じゃないかと思うので
一度初夏の山中の川原に赴いてみる事をおすすめします。
明日また、去年見つけた注目の別市町村ポイントに確認作業行ってみようかと思います。
・・・雨、降らなきゃいいけど。
先日25日をもちまして当ブログも7年目に入りました。
7年・・・長いな・・・(苦笑)
青森はこの季節小中学校で運動会が行われる季節です。
久しくそう云うのは見に行ってはいないんですが、毎年この運動会シーズンになると、競技中にスピーカーから流れてくるBGMの選曲がおかしくないかと個人的にどうしても気になります。闘争心を煽るようなものとかアップテンポで疾走感溢れる選曲がベターだよな普通・・・と思うんですが、丸々1歌手のアルバムそのまま全部流すとか手を抜き過ぎじゃないか?とか思ったりするんですね。
E〇IL〇のバラードとか流れてるのを昔聴かされてた自分としては、そんな事を考えてしまいます。
さて、運動会と云うワケではありませんが、
先日自分達も毎年恒例の春のあの(?)大会でハッスルしてきました。
第五回 チキチキ マグソ大会
開催!!!!!
大会って名を打っても第2回以降規格も規定も賞品もないので、
ただ単に「季節の恒例行事」となっている今大会。
そんなマグソ採集も初採集から6年目を数えるのですが、
一つ今年は去年までと違う点があります。
最初に青森市内で生息地を発見して以降、毎年同じ市内の1ヶ所ばかり頼って採集していたのですが、やはりさすがに同じ所ばかり攻め続けると云うのもラベル目的で考えると面白みに欠けるのは否めません。
これまでに自分が聞いた事があった県内の生息地は、
津軽地域が2ヶ所、上北地域が2ヶ所、下北地域が1ヶ所でした。
採れるところで採り始めると非常に多くの個体が採集できるので虫自体の有難味の薄さに感覚が麻痺しがちですが、局地的な生息ポイントの為きちんと場所を知らないと採れないと云う事と、県内でたったの4ヶ所しか知られていない(これ以上の場所が知られているかもしれませんが)と云う事を考えると、
大体は漠然と広範囲で棲息している他のクワガタとは採集の事情は全く異なり「ある意味非常に採集が難しいクワガタ」ですよね。
元々他のクワガタとは別物なので、《クワガタファン》とかよりは《雑虫屋・コガネ収集家》の側が近い分野なんでしょうね。「クワガタと云う名が付いている以上採らねばなるまい!!」と考える人はかなり少ないと思います。
ただ・・・それも考慮して考えると、元々採集者の数自体僅かなので
前述の内容とは真逆の意味合いになりますが、青森のような森林・河川環境ならば探してみれば生息地の絶対数は意外と多いのだと思います。
前置きが長くなりましたが、
そんなマグソクワガタの棲息・採集事情を考慮し去年僅かながら新規のマグソクワガタ生息が予想されるポイントを県内各地で探し、今年その答え合わせをした結果
全てのポイントでまだ確認作業を終えていませんが、生息地としては新ポイントの市町村が新たに1ヶ所加わりました。
【前回の採集】 ⇒ 2015-5-4 『森の採集 川原の採集』 |
前回は発生初期で1♂しか採れなかったので、追加個体の採集の為同ポイントへ向かい、
続けて未採集の(既知産地)西目屋村ラベルの個体も押さえに行こうと、
先日24日、No.2とRe:myon氏を連れて(No.6は都合が悪く不参加)県内でマグソをハシゴする事になりました。
(今回の内容は薄味です)
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まずは平川のポイントで採集です。
着いた時刻がまだ早かったからなのかブンブン飛んでいるはずの♂の姿が見えません。
青森市内1ヶ所でしか採った事がなかったので、もしかしてここって相当採るのが難しかったりするのか?なんて不安な気持ちになりましたが、
とりあえず時間帯も早いので周辺でマダラ材を探す事に。
前回叩いた材を見つけもうちょっと割ってみると
なんとまた成虫が出てきました。
興奮したまま2人を呼んでマダラが出てきた事を伝え、マグソを採りに来てにわかにマダラ採集へ突入です(笑)
No.2には今回初めてマダラクワガタ成虫を見せましたが、
その後散らばって各自で材探しを始めると、すぐさまNo.2が戻ってきたかと思えば
「これがそうか?」と手のひらには小さな焦げ茶色の豆粒が。
No.2、アッと云う間に初マダラクワガタ採集を達成してしまいました。
そして直後に、こないだ見たのと同じような展開に。これはマダラ採集のお約束なのか・・・?
No.2 「あっ・・・!、どっかいった・・・」
自分 「!?(焦) ・・・お~ィ・・・」
Re: 「見つけたら悟りが開けますね」
No.2は風のようにマダラを採って、風のようにマダラに逃げられていきました。
「ここで採れた」と指示されたマダラ材を自分に教えると、彼はまたフラッと別の材を探しに出かけていきます。
ただ、その後この材ではそれ以上まともな数の生体が出てきませんでした。
赤枯れ部位も僅かで、非常に限られた空間で成果を出してしまうと云う点では、
毎度毎度驚かされるがやはりNo.2は「持って」いる・・・
しばらくすると今度は、Re:myon氏が「こっちでマグソが飛んでますよ!」と
誘われ林床内へついていきます。
川の岸に広がるこの林床では、マグソの生息に適した環境が広がっていて割りと歩きやすく、これなら確かに安定してマグソが採れるはずだなと思う反面、フィールドが広い所為でマグソが飛ぶ場所が不規則に移動してしまいなかなか探し当てるのに苦労しました。
しかし見つけてからは次から次へと♂個体が見つかります。
触角を広げて活発に動き回る姿は何度見ても可愛いものですね(笑)
最初のうちはやはり砂地で飛び回る個体を掬うのがやり易いですね。
ただ、なかなか♀が捕まらなく、
ずっと材探ししていたNo.2をマグソ♀捕獲に移らせてすぐさま1頭摘まみ採った後、
Re:myon氏も1頭スイープして平川産の採集は終了しました。
マグソはこの広い林床内で点々と群飛箇所が移動しています。
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続いてやってきたのは久しぶりの西目屋。
いつも通っている所なのにまさかそこでマグソが採れるとは知らず、
これも勇んで川原へ下りていきます。
(これは自分で探してあたりを付けた場所ではないです)
こんなところまでマグソを探しに来る人間もそうはいないでしょう(苦笑)
蛇行する川の岸が長く続いていて、
どこで発生しているのか? もしくはどこででも発生しているか?
疑問と期待を抱えながら地面を漠然と見つめながら3人で進んでいきます。
「ん? なんかそれっぽいのが今飛んでたような!?」と一向に本体を手中に収められないまましばらく探索時間が過ぎていきますが、ここにきて最初に採れたクワガタはマグソではなく
スジクワガタ
No.2が石の上に静止していたのを採ったと云う事でした。
数年前もそうだったのですが、
マグソ採集でなぜかスジが副産物的に採れる事が多いように感じます。
コクワではなくスジって云うのがちょっと気になります。
さて、話は戻してマグソ探索へ。
少し川を下流に進んでようやくマグソが居る場所を探し当て3人で採集。
ここでも♀になかなか出合えず苦戦。
生息地の広さが難しくさせているのか、時期的なものなのか・・・
先に♀をRe:myon氏が網で採集。
やはり♀を採ったのを見ると非常に羨ましくなりますわ・・・
クワガタの中で♀採って嬉しいのってマグソかアマミミヤマかヤエヤマコクワくらいじゃない?
(アマミミヤマはもう採れないけどサ)
その後、Re:myon氏が追加で採った1♀を頂き、
自分も採れないかと地面を探していたところで
(飛んでるのを見ない時点でちょっと手抜きくさいけど)
自分も地上に落ちてた1♀をなんとか捕獲!
けっこう絶望を感じてたのでまぁ嬉しい。嬉しい。
こんなんでイイか~とマグソ大会を終了し、今度は軽く山登り。
キツい傾斜の登山道を3人でヒィヒィ言いながら進み、
ほとんど大した虫を見ないまま、Re:myon氏がシロトラカミキリを2頭採って早々に下山。
自分もルリの産卵痕を削ってみたのですが、何年も前から見てた場所だったので当然羽脱後。
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その後帰り道ではすぐに自分は体力尽きて運転できなくなってしまったので、
恥ずかしながらRe:myon氏にハンドルを預ける形となりお開きになりました。
今回、それまでの青森市内1ヶ所のラベルのみだったマグソも
2市村分のラベルが増え一気に気分が高まりました。
内1ヶ所はまだ県内で3人しか場所を知らないラベルと云うのも嬉しいものです。
そして、その分の展足がこの後待っているのも・・・嬉しい悲鳴です。
生息地のポイントごとに地形が様々で、採集に行く自分(達?)がその都度ハラハラワクワクさせられるのにも今回はじめて気付かされました。
県内にはまだまだこうしたマグソクワガタの生息ポイントが多く存在しているので、
この時期はそのポイント探しで初夏の行楽に興じるのもいいかもなぁ・・・と思いました。
特に、マグソクワガタは見た目もコガネムシで非常に地味な種類なので、
飼育意欲が湧かなくても標本で収める意欲が無くても、
まずは自分で採る事こそが全ての虫じゃないかと思うので
一度初夏の山中の川原に赴いてみる事をおすすめします。
明日また、去年見つけた注目の別市町村ポイントに確認作業行ってみようかと思います。
・・・雨、降らなきゃいいけど。