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熱狂!!! 春のツヤハダ祭り [日昆 採集記 【2015年】]

回の採集で運のいい事に県内産マグソクワガタ新産地自身初マダラクワガタ成虫採集を同所において達成すると云う美味しすぎる体験をしたのですが、

 【前回の採集】
   ⇒ 2015-5-4 『森の採集 川原の採集』


マグソ新産地をひとつ発見して気を良くした自分は、
去年発見した「マグソの生息地候補」のもう1ヶ所を確かめてやろうと
次の日曜に某市町村行きを決心していました。

今度は誰か誘って行こうと、都合のつくNo.2に予定を開けておいてもらい
採集前夜、早起きのプレッシャーにドキドキしつつ就寝しました。



  10日(日)

ザ―――――――――――――――…

雨降ってる・・・


・・・これじゃぁマグソ飛ばないから採集できねェじゃん・・・!!

しかし昨日から既に採集モードになっている以上マグソじゃなくても
何かしら採集に行きたい・・・

雨降ってるしこの時期である以上材割りの一択になる。

ルリも一応今年は採った・・・

マダラも先週念願の初成虫採集を成した・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃぁ・・・もうアレを狙うしかないか・・・




ツヤハダクワガタ



さかのぼること3年前・・・
CA3I0774-e254c.jpg
   【初採集のあの時・・・】
      ⇒ 2012-5-7 『初採集!!』


初めて採集した3年前、
それは今まで採集した経験がなかった自分にとっては『奇跡の出会い』と呼んでいい程に感動したひと時だった。

しかし、その3年前のこの時以降ツヤハダを探しても見つける事が出来ず
この時の採集個体はまさに奇跡だったと思わせられるほどに貴重な個体になっていた。
確かに赤枯れ自体大真面目に探していたわけではなかったので
ルリは毎年採ってもツヤハダやマダラはずっと見ていないのも仕方がない。
段々古くなっていく記憶の中、当時採集した個体の内標本箱の中にある僅かな♂2:♀2だけで満足している部分があった。

(・・・なんかちょっと説明↑↑がクドいな・・・?)

つまり簡単に言うと、
苦手意識がある、って事。

全然いないんだけど!!! どこ行ったらこんなの見つかるの!!?
クワガタムシのジャンルとしてはマイナー且つ特殊な系統なため、ある意味オオクワガタより採集が難しいとも言える。



基本的に自分の行く材採集は労力に見合わないほど圧倒的に成果が出ない。
これまで同行した者はおそらく『最も行きたくない採集』として認知している気がする。
更に、そんな辛い採集にもかかわらずターゲットはルリ・マダラ・ツヤハダ・・・
一般的にはマニアック過ぎて採集に意気込めるかと云うとそうでもなかったりする(汗)
その中でもツヤハダは「入ってる材」を探し当てるまでが辛い。一番辛い。
そんなツヤハダを狙うワケで、
雨だし仕方ないから行こう、またボウズかな。と云うスタンスで家を出発する。

当初連れて行くつもりだったNo.2には
「今日は連れて行くの止めておくわ」とメールし、
単独で山に向かう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


霧の中、出発から2時間近くを要し目的としていた林道までやってきた。

今回初めて入る林道だ。
昔からこの林道に入る為の本線は行き来しているのだが、
普段通る時はこの林道の存在には見向きもしないで走っていたので
地図を頼りに意識してここまでくると「こんなトコに林道がねェ・・・」と変に思う。

CA3I0526.JPG
林道に入って間もなく、あっという間に斜面の上の方に倒木の赤枯れを発見した。
車を停めて荷物を背負い斜面を登る。

あれぇ~~!? これって意外と今日はあっさり採れちゃったりする~?(笑)

なんて調子よく思うほどに普段滅多に見ないほど太い赤枯れだ。
CA3I0527.JPG
ルリ採集の時についでによく見つけていた、赤枯れっぽく見えるけど繊維質で全く違うタイプの『赤枯れモドキ材』なんかではない!

ところが、この直径60cm以上もあるこの材には全くクワガタ的な存在が居らず
適度にあっちゃこっちゃ叩いてみたものの僅かな食痕(のようなもの)以外は何も出ず。

仕方ないので無理に時間を費やす事もせずこの材を諦める事に。



たとえ居なくてもその材を一本諦めてしまうと次の材を見つけ出すまでに時間が掛かるんだよなぁ・・・と、これまでの採集の記憶を振り返りながら車でじわじわ進んでいたが、
あっという間に別の赤枯れ材を見つけてしまった。

おっ・・・! 見つけた・・・! 早っ!
もしかしてこの辺りは赤枯れが多いのか・・・?

車を降りて材まで寄っていくとやっぱり正真正銘本物の赤枯れ材。
今度こそはと刃を入れてみるが、・・・・・・・・・クワガタの気配はやはり無し。



その後も次々と赤枯れ材自体は見つかるのだが、
ことごとくスカを連発する。

車で少し進む
   ↓↓
赤枯れを見つける
   ↓↓
車を降りて材へ突入 → 何も出てこない
   ↓↓
車へ戻る or そのまま森の中へ進んで更に赤枯れ発見、何も出てこない → 車へ戻る
   ↓↓
車で少し進む
   ↓↓
以下ループ


赤枯れが見つかる = ツヤハダゲットだぜ!!
↑↑と思っていたのだが、これはかなり違うようだ・・・

倒木、立枯れ、株。
どれも材の規模としてはかなり立派なものだというのにひとつもクワガタが出ない。
割ってみて、変な食痕が空洞になっているような材にはアリが営巣してるし、
僅かな食痕を辿ったらコメツキやゴミムシダマシだし、
途中から『ツヤハダ』ではなく『なんでもいいからクワガタを』と趣旨が変わりつつあった。


んな最中、集中力が切れツヤハダ等とは全く関係ない谷筋の立枯れに登ってみた時。
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材の裏側が中空になって乾燥しているのを確かめもせず登り、
風化しガバガバになっていた樹皮を取り除いてみると。

CA3I0528.JPG
樹皮の真下に僅かなスペースを作っている謎のクワガタを発見。
非常に小さく、白枯れの幹の表面で赤い食痕を広げているこの幼虫は
何となくマダラっぽく見える。
こんな不安定かつ危険なスペースで生活しているのがなんだか逞しく見えた。
一応持ち帰ることにしたが一体何を食わせりゃいいんだろう・・・?


その後も山菜採りや釣り人を尻目に林道の奥へと進んでいく。

やはり赤枯れ材は絶えることなく目に付き
その度に確かめに行くのだが全くクワガタの気配は無し。
林道も悪路を極めつつあり、崖上からの大きな落石が道に鎮座していたり、倒れた木が踏切状に通せんぼしていたりで非常に危険だ。
それでもギリギリそれらをかわして先に進めたのは、
普段この林道を利用している山菜採り等の人たちが小まめに処理していたからに他ならないのが雰囲気で感じられる。
(明らかに軽自動車でないと通れない箇所がいくつかある、林業関係者なら多分こんなギリギリ通れるくらいの処理はせず綺麗に退けてくれるだろうし。・・・と言うか、こんな荒れた林道通ってる自分はまだこれ代車なんですけど!1ヶ月以上経ってんのにまだ車検から車返ってきてないんですケド!!!

構本気で「ここまで来ちゃって元に戻れなくなるんじゃないか?」と心配になってきて、繰り返していた赤枯れ発見作業も流れ作業的になってきた頃。

CA3I0530.JPG
また見つけた赤枯れ。
面している沢の一部がこの材の下を通るような形で立っているような株で、
どこがどうなって倒れたのかが少し判らないような折れた幹が隣に倒れている。
画像は株の部分ではなく倒木部分で、この左側には株が立っている。
株は既にところどころが崩れているようだ。

繰り返し作業の斧入れを始める。

全体が真っ赤に染まった倒木に振り下ろすと・・・





        ゴン




響かない鈍い音と共に斧が弾かれた・・・

何度叩いても刃が食い込まない・・・!

切り口を見ると、赤い表面の真下が灰色になっている。



表面しか朽ちてねェェェェェェェェ

表面は綺麗に赤くなってんのにとんだメルテンス擬態だよ!
斧から響く衝撃が右手に鈍く残る。

肩透かしをくらった気分のまま、株の方のボロついた木肉部を触ると手であっさり崩れた。
斧が入らなかった倒木をテーブル代わりに、
崩れた部分を拾い上げてみると、赤い木片の中に白く光る物が・・・!!!!!





CA3I0531.JPG
Ohhhh~~~!!!!!!

このパプキンみたいな細い幼虫は!!!!!
ツヤハダ出た!!!!
出おった!!!!

出てこないと思って斧を振っている、心と体が別々に動いているような
ある意味矛盾した心境が一気に修正された気分だった。
赤枯れ材にクワガタの存在を確認できるまでこんなにも本数が限られているのかと嘆きたくもなるが、兎に角ようやく見つけたツヤハダの生体にただただ感動するばかり。

さてここからが本番だ。
ツヤハダと言えば幼虫期間の問題でまずは幼虫が出てくるだろうと云うのは認知していた。
(初採集の時も90%以上の割合で幼虫だったし)
幼虫の個体数に対して成虫の確保数が少ないと云うのは方々で見聞きしていたので、
さてここから成虫を見つける事が出来るのか・・・と気持ちを引き締め直して
株に向き直ったその直後だった。







CA3I0532.JPG
自分で崩した破片がどれだったか、と手頃な破片を拾い上げると









CA3I0533.JPG
ア゜
!!
!!!!
!!!!!!



!!! 成 虫 !!!




丸い穴の中に光る成虫との遭遇にマジで一瞬時間が止まった。
3年振りなので、
初採集を遂げたのと変わらないくらいに感動。

しかもいきなり♂なのは非常に贅沢なサプライズだ。
ちょっと小さめだがそんなこたァ構わん。嬉しィ~~~(笑)


これだけのキャパシティの材ならばもっと個体数は採れるはずだ、と
剥がした破片を片っ端から細かく手割りしていくことにした・・・



などと語る暇も無く、

CA3I0534.JPG
続けざまにまた成虫!!!! 今度は♀。
文字通り「あっという間に」後続が出てきて♂♀1ペア揃ってしまった。



なんか、良い予感しかしない。



その予感は予想を超える配当で的中した。






CA3I0535.JPG
ヤベぇ!!!!!
ほぐす度に次々出てくる!!!!
しかもほとんど成虫で!!!!!


大きな株から手で剥がし下ろした手頃なブロックを、手で割って細かく解していくとその分だけツヤハダが出てくる。幼虫もチラホラと出てくるが、成虫の割合が素晴らしく高い。
しかも、嬉しい事に♂の数が多い。


そして1週間振りにコイツも登場。

CA3I0538.JPG
マダラクワガタ成虫。
さっきから度々姿を見せていた幼虫に混じって、成虫も出てきたのは嬉しい。

途中からが弱く降り出した。・・・が まだまだ出てくるのでそんな事は関係ない。

雨から次第にへと変わってきた。・・・が 一向に出てくるのでそんな事はどうでもいい。

・・・てか、この時期で霰とはさすが青森・・・恐れ入る・・・。



CA3I0542.JPG
しゃがみっぱなしでずっと作業しているがツヤハダ成虫の出てくるペースは全く衰えない。
密度が尋常ではない。
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握り拳大にも満たない小さな塊を二つに割ると、
割ったその破片の両方から成虫がこちらをのぞく。


CA3I0543.JPG
蛹室と蛹室が1~2cm程度(かそれ以上に近いくらい)の距離で隣り合っている光景も少なくない。


CA3I0539.JPG
数だけでなく、♂のサイズも悪くない。
見た感じ20mm前後の個体も少なくはない・・・
久しぶりに見たので、デカそうな奴は皆23~24mmくらいに見えてしまう(苦笑)
実際のところ、3年前採った個体は17~18mmだったしなぁ・・・



終盤、♀も数が溜まって持て余してきたので、ちょくちょく材の裏側にリリースしたり割り出してもスルーしていくようになった。さっきまで「1頭だけでも・・・(苦)」と云うような心境だったとは思えないくらいだ。



作業が粗くなって潰してしまうのを避ける為、一向にペースが落ちないが
この後夕方から別の予定が入っていたので途中で採集を中断せざるを得なくなった。
ずっとしゃがんでいた状態から立ちあがると、思いの外腰が痛い。
時計を確認すると、この材を叩きはじめてから丸3時間が経っていた。

最後、キープしていた内の要らない♀をリリースする前に写真を撮ってみると
CA3I0544.JPG

     結果(カウントは成虫のみ)

ツヤハダクワガタ:32頭
マダラクワガタ:3頭


ツヤハダの♂♀の数は数えていないが、作業中5~10頭ほど♀成虫を前述の通りリリース&スルーしていたので出てきた成虫の総数は40頭前後だと推察。

荷物をまとめ帰ることにした。



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分な土産を持って自宅へ帰ってきたものの、
まだあの株は割り残しがある・・・
ツヤハダを眺めながら満腹感に浸る中、それとは真逆の空腹感も覚える。

たしかに自分で標本にする分には十分な量を採った。
産地別に集めるならもうこれ以上は要らないはず。

・・・でも・・・

あの株の中には全部で一体どれくらいの成虫が眠っているんだろう・・・?
あの株の中にはもしかしたら超特大級の♂が混ざっているのでは・・・?

と、こんな疑問と期待が激しく渦を巻いて止まなくなっている。
(クワガタ屋なら誰もがそう考えるのではないかと思う)

他のターゲットとの兼ね合いや、No.2らの都合も含めて、
どうしたらいいもんかねェと迷っていたのだが、・・・・・・その数日後。




虫仲間のRe:myon氏から、とあるカブトムシの話題について連絡が入ってきた。

カブトの件は全く無関係なので割愛するが、電話口で話している内に数日前のツヤハダの話題に。
同時に、ひとついい事を思いついた。

なんで思いつかなかったのか不思議だが、ツヤハダに興味がありそうな知り合いを誘えばよかったんだと(勝手な構想を)思い立ち、早速提案。

先方の「明日は休みですねぇ」と云う言葉を逃がさず
「じゃぁ明日はどうです?」(待ってましたとばかりに)あっという間にスピード決定した。
早い。実に早かった。
その後で自分は明日別に休みじゃない事に気が付いたが、それでも午前中なら時間が取れるなと算段し朝早くの出発と云う事で話が固まりつつあったが、
手っ取り早く自分の家に泊まってその流れで一緒に出発すると云う事になった。




付をまたぐ間際にRe:myon氏と近場のコンビニで合流し自宅へ。

まだ〆てないツヤハダ全個体が(自部屋の)冷蔵庫に入っている・・・と云う話題を振ってみると、
「明日自分の手でお目にかかりたいから見せないで」と云う返答が返ってくる。
同行者としては100点満点の回答で、それを聞いて翌朝が更に楽しみになってきた(笑)
移動時間や制限時間を考えると起床時刻が早いので、早々に就寝する事にした。
寝過ごさないように厳重にアラームを設定しながら・・・



翌朝

寝てから何時間も経っていないが起床時刻がやってきた。

朝に強いRe:myon氏と朝に弱い自分で午前5時に家を出る。
荷物を確認し、近くのコンビニで自分達の燃料を調達し、
ガソリンスタンドで車の燃料を調達しいざ山へ!!!

そして今回も乗っていくのは代車の軽自動車(汗)
これ1台で向かう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


e:myon氏の話を聴きながら、件のポイントへ到着。
一度来たポイントなのに若干場所が判らなくなってしまった。

例の株まで来る途中、自分が前回見逃していた立派な赤枯れを2~3ヶ所叩いてみたが全く何も出て来ず。
その最中、1台の車が通りかかり、
運転手の老男性が興味深げに窓を開け、「何してんの?」と訊いてきた。

「虫です、クワガタです。」と答えると珍しげにしていた(そりゃそうだろな)
男性はボンナを採りに来たと言う。山菜に疎い自分には初耳だった。
「へぇ~クワガタ~! 」と関心を持った男性には悪いが、
多分想像してるヤツとは全然違うんで見ても面白くはないですよ・・・とは言えなかった(汗)


本命の株の所に辿り着き、早速「どうぞどうぞ」と一発目を促がす。

「・・・いやまさか前回で全て出尽くしたって事はないよな・・・(汗)」と云う不安もあったが、
全くもって当たり前のように1頭目がRe:myon氏によって割り出された。

残り少ないであろう成虫の残りを自分がガツガツ採っちゃだめだよなぁ~とか気にしつつ駄目押しのつもりで見逃しが無いか破片を割っていくが、Re:myon氏が順調に次々成虫を割り出しているのを見ると自分も感化されて沸々と「自分も・・・」とやる気になってきて結局2人でツヤハダ祭り状態(笑)
激アツ状態になる(パチンコとかした事ないけどこの単語は好きである)

腐朽していない芯のような部分が結構複雑に絡み合っていて、
「どこをどこから外しましょうか?」と2人で考えながら少しずつ解体を進めていく。

苔むした株の上方部から根っこの中の狭い空間まで、まんべんなくツヤハダとマダラは詰まっていた。ツヤハダは主に、幼虫があまり食い込んでない未穿孔部を好んで蛹室を作る傾向が見られたが、根の中などこれ以上行き場が無い狭い材の部分では食痕で埋まるような空間でも問題なく羽化していた。



当初、「残り少ないだろうなぁ・・・」
割り出せる成虫の個体数を低く見積もっていたが、違った。

〉〉 結果、2人合わせて・・・


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