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まさかり! マグソクワガタ採集 [日昆 採集記 【2015年】]

春のクワガタ採集として毎年恒例のマグソクワガタ採集。

この数年で県内の各地でマグソクワガタが採れる産地が判ってきたのですが、
・・・つい先日、調べているとまた新しい情報が飛び込んできました。

これまでは上北地域~津軽地域だけだったのですが、
今回入手した情報はなんと下北半島!!!

青森県でもまだ半島部に生息する個体は未見だったので、ラベル的にも「こりゃ是非とも欲しい!!!!」と思い、生息地までの距離的なハードルマグソシーズン終盤の採集難易度は高いものの、今の時期他のクワガタの採集にも微妙な時期だったので
一念発起して下北行きを決めました。


前日にヘルシアウォーターモンスターエナジーを買い込んで、
採集当日の朝3時半に出発しました。



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CA3I0596.JPG
夜が明け始めた朝の青森市内を単独で出発。

一応前日にNo.2No.6に誘いをかけてみたのだが、
・・・さすがにいきなり 明日下北行くぞ!? なんて言って よし来た! とはならなかった(笑)


陸奥湾の東岸をひた走り、下北半島を北上。


CA3I0597.JPG
むつ市に入る直前の横浜町の湾から撮影。
遠くに見える山は、これからマグソを求めて挑戦する
下北半島の恐山山地


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下北半島.jpg
下北半島は、現在
・大間町
・佐井村
・風間浦村
・むつ市
・東通村
・横浜町
・六ヶ所村
以上の市町村がある青森県北東部の半島で、この基部には
・野辺地町
・東北町
も含まれる。

むつ市東部から東通村西部にかけて広がる田名部低地が、この半島の山岳帯を2つに分断していて、西のむつ市側を『恐山山地』、南を『下北丘陵』と呼ぶ。
標高は、恐山山地側では▲879m(釜臥山)、下北丘陵側では▲520m(金津山)が最高。


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今回、目的とする虫はマグソなのだが、
(そもそもマグソ目当てで下北行く奴は聞いたことない)
せっかく行くなら・・・と云うことで他にも
この時期の採集対象の中で気になっているツヤハダの採集も試みようというのも予定している。
ツヤハダは津軽半島側の山地でも記録があるのは知っているのだが、
下北半島でツヤハダが採れたという情報は今のところ聞かない。
(自分の情報網が大したことないだけかもしれないが)
マダラの情報も見つからないがそれも含め、
北海道にも分布していることを考えるとこの2種は採れる可能性が十分にある。

もし採れたのなら青森県クワガタ史上大ニュースではないか?

そんな夢も見ながら、むつ市へ突入した。



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マグソを狙うにしても、
下北半島というフィールドは慣れない自分にとっては非常に広大に感じる。

それを踏まえると、半島内でも多方面で生息している可能性は高いが
土地勘の無さに引きずられて時間切れになる危険があるので、
自分で勝手な見立てをせずに元の情報に習うことにした。

ということで向かったのは、大畑町

現在のむつ市は今から丁度10年前に
・旧むつ市
・旧大畑町
・旧川内町
・旧脇野沢村
の4市町村が合併しており、今回行く旧大畑町も大字としてむつ市内に組み込まれている。

ちなみに自身ここまで来るのは初めてである。



マグソを採集目的の根幹としているが
他にツヤハダ(マダラ含む)の調査ヒメオオの調査も含めて行ってきたので、
いつもの採集記事なら時系列で順にまとめていくが
今回はそれぞれ別々に内容を分割してまとめてみる。



マグソクワガタ
情報の元手は単に『大畑町』としか書いていない。

合併前の情報だとしたら、下手をしたら発生場所が消滅している可能性も無いとは言い切れないので正直怖いところでもあるのだが、とにもかくにも行ってみないと話が始まらないということで、
地域の代表的な河川を中心に、林道を流しながら脇目でマグソの飛んでいそうな河原が無いかをなぞるように眺めていく。

わりとこのあたりの河川は、岸が岩崖になっているか川原ができているかのどちらかになっていることが多く、マグソが湧きやすい中流域でも極端に険しい岸壁に阻まれていたりして途中途中の河原に降りるのに難儀することもしばしば。


そして下北ということで来る前から懸念していた樹相の悪さがやっぱり凄かった。

記事の最初のほうで下北半島の標高について少し触れた点から分かるように、
あまり高地ではない。
もともと下北半島は林業も盛んでヒバが有名なように、かなり植林が進んでいる。
それに加えて前述の標高の低さもあって山の結構奥まで植林されているとくれば、意外と発生場所の発見も難しくなってくる。



CA3I0600.JPG
事実、朝方現地入りしてすぐさま川の本流や支流を手当たり次第に回って、
車を停め川原に降り・・・という作業を繰り返していたのだが
全く見つからない。

朝早いと飛ぶにはまだ早いので、地面にいる個体を探して
小石や堆積した流木や枯れ葉をめくりにめくっていくワケなんだけど
全く見つからない。

大きい川も細い沢も探してはみるものの
全く見つからない。

もちろん流木の有無・種類、川原の背後の林床の環境、日当たりなど、
マグソの生息に必要な条件を考慮して見ていくがことごとく空振りに終わる。



赤枯れ材探しやヒメオオポイントの探索も並行して行いながらなので
最初からずっと川原に張り付いていたわけでもないのだが結構焦る。




そんな中、
これがまた降りるのにめんどくさいのに広くて日当たりがよさそうな河原を発見して、
車を停め上流から回り込んで川の中に入ってジャブジャブ戻って探し始めた時だ。

CA3I0603.JPG
この川原がその場所。

画像だけでは判らないが、
この川原は写真を写した場所から10m低い場所にある。
この位置からもう2~3m奥に進むと土崖の下へフォールアウトできる。・・・怖・・・。


川原に到着してしばらく探していても毎回のごとくマグソが飛んでもいないし落ちてもいないのだが、
上流から断続的に点在している中の一番広い川原で

CA3I0604.JPG
若干探し疲れて流木に手を付いて休もうとした瞬間に






CA3I0605.JPG
ピントが合ってしまった。

半ば諦めている状態で見つかると、ほんとに動き固まるね。自分の。

マグソクワガタ.png

つんのめって触角をモハッと広げた姿は何度見ても癒される。
最初は2頭並んで静止していたのだが写真を撮っている間になぜか1頭逃げ出した。

時刻は午前10時49分
確かに今ぐらいの時間帯になるとマグソが活発に活動し始めるのだが、
低姿勢で周辺を漠然と見回しても全く飛んでいる個体が居ない。
天気がいいとはいえ断続的に微風がそよいでいるのでそれが原因かもしれない。

この後僅かに2頭の♂をつまみ上げたもののそれ以上の追加が得られなかった。
観察できた個体ですら全部で4~5頭しかいなかった上♀は見つからず。
生息箇所を発見できたにしては辛い結果に終わってしまった。

平川で5月初めには既に確認できたこと、
このポイントでは生存個体の他にクモの糸に絡まって久しい個体などが見つかったことも考えると、やはりマグソのシーズンも終わりかけていると言っていいのだろう。


CA3I0606.JPG
おまけにだが、マグソを探している途中他クワガタの頭部を発見した。
揺るがないなァ・・・やっぱりスジだ。
マグソ狙いで川原に来た時に見る他のクワガタの割合は、今のところスジ100%だ。


同じ場所にへばりつくのはかえって良くないだろうなと思い、
この3♂のみで車に戻る。

♀成虫が飛んで移動できる環境が残っているなら、
この隣の沢でも生息している可能性は大いにあると地図上で見て判断し、
他のクワガタの調査も挟みつつ隣の沢の林道に突入した。




さて、もうマグソは採れてしまったのだが、
林道に入りよさげな川原に降りてきて早々マグソにピントが合うとやっぱり
CA3I0608.JPG
動き固まるね。自分の
毎回毎回新ポイント発見する時に一旦時間止まるんだよな。
この瞬間がまた気分いいんだな・・・(笑)

時刻はもうそろそろ午後2時を迎える頃である。

今度は最初に採れた沢のポイントと違って個体数はそこそこ居る。
しかしそれでも♂が20頭ほど。
青森の生息地としてはこれはお世辞にも多いとは言えない。

CA3I0609.JPG
微風の所為か、はたまた昼過ぎという時間帯の所為か、
さっきと同じで全く飛翔している個体が観察できない。

全ての個体が画像のような砂地と林床の境目付近の石や枝の上に静止していた。
これを見る限りだと明らかに待機行動なのだが、やはり風が完全に止むのを待っているのだろうか?
シーズン終盤で弱ってきているのもあって、発生初期の頃の多少の風でも飛んでいられた時と比べて、飛ぶための体力が落ちているので待機個体が増えている・・・という仮説も立てられる。
野外においてマグソクワガタの後食が観察されていない事も加味すると、自然とそう考えてしまうのだが・・・



しかし、♀が居ない。
シーズン終盤はやはり皆産卵の為に地中に潜ってしまっているのだろうか。
CA3I0610.JPG
不自然に水際の砂地で見つかった♀は、残念ながら既に死骸だった。


死骸でもまァ整えれば使えるかと思ってキープした後、
引き上げようと林道に戻ってくる間際に気になる飛び方をする小豆大の小虫を発見しとっさに手ではたき落して見ると
CA3I0611.JPG
驚くべきことにマグソの♀。
ほんとにツイてる・・・



結果的に、今回マグソに関してはむつ市産の2つの沢で採って持ち帰ることができた。



ヒメオオクワガタ
ヒバなど針葉樹の植林が広範囲に及んでいるため、
林道を歩いていて脇に生えているヤナギやヤマハンノキなど秋にヒメオオが好んで付く灌木を見ていってもどれもまるで齧り痕がついていない。

林道を敷いたすぐ横が左右で絶壁だったりして簡単に林道まで這い出てこれない部分もままある。

とは言え、入る林道によってはブナなどのエサも生えているし、
もともとこの地域はヒメオオ生息に標高もあまり必要ないので


CA3I0602.JPG
CA3I0607.JPG
・・・なんだかんだ言っても、齧り痕の付いた木は見つけることができたので
今度の秋、大変だけどまたこの場所に戻ってこよう(汗)

しかし、まるで齧り痕が付いていないという表現は伊達ではなく、
荒れた林道の奥地まで進むこと何本か繰り返して見つけることが出来たのは
上の画像の2本だけ。

その内片方は傷口が塞がってなくてアリが樹液を吸っていたので今年もこの1本は付いてくれるのだろう。


ヒメオオの林道脇での採集が可能そうだったのは、以上の場所のみだった。
(勿論山地全体の内まだ未調査の場所は多々残っているが)
産地ラベルのコレクション目的でなければ、わざわざこの地まで来てヒメオオを採ることはないと思うような貧果ではあるが、自分はそれで満足なのでヒメオオ調査も十分な結果としておこう(笑)



ツヤハダクワガタ
赤枯れの材自体は細いものから太いものまで割とあちこちで見つけることが出来た。
大きな川の岸に転がっていたり、


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こんな崖の上にあったり。


CA3I0612.JPG
険しい斜面も勿論のこと。


CA3I0599.JPG
こんなにも良い材が結構あるのだが、
中にはクワガタの影も痕も無い。
出てくるのはコメツキかアリかシロアリばかり。

この半島にツヤハダが生息すると仮定して考えられることとしては、
標高が足りない。 これに尽きる気がする・・・
最高800m台がほんの少しある程度の低山地では、200~400m程度の標高じゃそりゃ生息してないか・・・(汗)

別日に別地域を攻めなおそう。

ただ、まだ低標高でも居るはずのマダラの痕跡もないのは、それもちょっと不安ではあるが・・・



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と云うことで、日中は丸々採集に費やし日が暮れても林道を走って
その後帰宅しました。
(モンスターエナジー3本も飲んだ所為か、最初から最後まで無休憩で過ごせた。というかそのモンスターエナジーとヘルシアウォーター以外何も口にしていなかったのが我ながら驚きだ・・・)


帰る途中、車道脇に掲げられた旗には
CA3I0614.JPG
今年で開湯後丁度400年を迎えるという薬研温泉の宣伝が書いてあります。
温泉には全く脇目も振らなかったケド・・・なんかイイ時期に来たなぁ。


CA3I0613.JPG
おまけに出会った天然記念物の北限のニホンザル



そんな採集遠征でした。(笑)



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