下北の林道探索 ~ヒメオオクワガタ新規開拓~ [日昆 採集記 【2016年】]
4週間ぶりの更新になります。
この4週間、夜のライトトラップ・日中のヒメオオルッキング採集・・・と予定が詰まりに詰まる時期と云う事でなかなかブログの方もチェックが疎かになります。
8月の後半から青森はずっと天候に恵まれず、実はほとんどこの間大したモノは採れていません。秋雨前線が列島上空に寝転がっている(?)所為で青森上空もなかなか高気圧が張らず山は大体しっとりしています。
そんなことですからヒメオオ採集の方は特に成果は悪く、今季はまだまともに数を見ていません。
前回の採集で54mmUPがいきなり採れてしまっていただけに拍子抜けです。
さて今回、9月という事で今期もヒメオオの季節がやってきました。
クワガタ採集の中でもヒメオオ狙いと云うのは人を選ぶもので、中には
「採れる場所を見つければ珍しくもないから採ってもつまらない」
「ミヤマとかオオクワみたいに大きさのインパクトが無いからいまいち面白くない」
「歩き回って探すのダルい」
と云う人も居ますから万人受けするクワガタとは思いません。
しかし、楽しみ方もまた人それぞれです。
自分の中で持っている「クワガタ採集の楽しみ方」の一つとして、既にヒメオオ採集は「楽しみ方」と云うのは出来上がっています。
ヒメオオ採集で一番楽しいと感じる瞬間・・・
それは、『新産地を発見した時』。
高校生の頃は、ヒメオオなんてどこでどう見たら採れるの?っていうくらい存在が遠かったものでした。
最初にヒメオオの産地でヤナギの若木にベタッと張り付いている光景を目の当たりにした時は、それまで持っていたクワガタ採集のイメージとだいぶ違う事に大きなショックを受けました。それまで図鑑で散々見ていたにもかかわらずです。
(その前の時点でマグソなんて採ってる人間が言うのもおかしいのですが)
自分が元々飼育からクワガタに嵌まった人間だって事、青森という土地も変わった形をしていて産地も豊富に有る事がヒメオオ採集を追求し続けられる要因かもしれません。元々自分が採集屋だったらヒメオオ採集にショックも目新しさも覚えなかったかもしれませんし、山地帯が極僅かでヒメオオのポイントが地元に殆ど無いところに住んでいたらここまで嵌まっていなかったかも・・・
今回は、そのヒメオオ新ポイント開拓の様子を順を追って書いてみます。
(他に書くこと無いのかい・・・)
今回は、他のサイトのレイアウトを参考にして書いてみました。
11日
東岸から望む陸奥湾。
今回は、青森県の北東部に伸びる下北半島のヒメオオ採集に行ってみました。
言わずもがな新ポイントの発見が目的です。
青森県の中でも下北地方と云うのは、
足を運ぼうにも距離が遠いという事で年間を通して採集者が少ない地域であります。
しかしだからと言って、必ずしも「採集者があまり入ってないから虫の数は多くて沢山採れる」と云うワケではなく、むしろこの地方はやや昆虫採集には厳しい地域と言っていいかもしれません。
と云うのも、クワガタ採集を重点に理由を挙げると、
その最たるものは果てしない規模の植林!まずこの点が最も致命的です。この地方において林業は地場産業の中の重要なウェイトを持っていて(こっちの方々は皆マグロ釣ってるワケじゃないからね)、単純に「人口も少ないしその分開発は少なくて森も豊かなんだろう」と早合点して採集に行くと、その植林面積の広さ(えげつなさ)に驚かされることになります。半島内を走っているとほとんどの場所にスギが植えられています。
そしてそのスギの植林以外はどうかと云うと、この地域は元々ヒバの天然林が広がっていたのでどっちにしろ針葉樹林ばかりが目につきます。元々天然のヒバが切り出されていってその跡地にスギを植えていってるという構図なのでしょう。
寒い地方なので低標高でもブナなどが見られる反面、そもそも針葉樹林帯が広い半島であると云う事はつまりクワガタの採れる場所や密度もそんなものだと云うことになります。
そして次の理由が、動物相が他の地域と違うという点。青森県内でも地域によって生息してる種類してない種類と云うのがありまして、県内の虫屋がよくホームとする八甲田~十和田のエリアは実はニホンザルが生息していません(はぐれ個体は除く)。他の白神山地・津軽半島・そして下北半島はサルが生息していますので、それを考えると実は十和田とかって県内でも特に安全に虫を採りに行ける場所なんですよね。そして、サルより重要なのは何を隠そうツキノワグマ。知ってる人は知っていますが下北半島は県内でも圧倒的にクマとの遭遇率が高いエリアです。地域毎に見るとこれまた面白い結果が出てまして、次いで白神山地が目撃例の数も多くエリア自体の広さも広範囲です。その次に三本木平の低山帯から田子山地、所謂南部のエリアになります。それらと比べて、山地帯であるにもかかわらず八甲田(北八甲田)や津軽半島側での目撃例は非常に少ないです。あくまで目撃例での話ですが、同じ本州最北部の半島なのに津軽と下北は雲泥の差が現れています。
以上の点が、自分が思うに下北での昆虫採集を難しくさせている(意欲を殺いでいる)要因ではないかと思います。
あと、これは人によると思いますが物資や燃料の調達がやや困難と云う点もあります(汗)
全く土産になるものも無い状態で帰るのはまぁ辛いんですね(汗)
こうなるとさっき落としたアカアシの♀がホントに悔やまれます(切実)
こんな時にはつい、「他の林道を選んでおけばよかった・・・」と云う後悔が生まれてしまいます。遥々下北半島まで来た事もあって、1日のほとんどを費やして空振りに終わることの虚脱感は大きいです。
自分は他県遠征とかはしたことが無いのですが、夏場などに他都道府県から意気込んで採集に来ている人らの気持ちも少し解る気がします。
さて、林道を引き返して午後1時半頃に車のある場所へ到着、林道そのものから無事脱出できたのは午後2時を回った頃でした。
秋もこれからという時期で段々日も短くなってきたこの季節ですが、
この時間帯・・・まだ帰るには早いですよね(必死)
・・・と云うワケで、
続けて別の林道へ向かう事にしました。
この4週間、夜のライトトラップ・日中のヒメオオルッキング採集・・・と予定が詰まりに詰まる時期と云う事でなかなかブログの方もチェックが疎かになります。
8月の後半から青森はずっと天候に恵まれず、実はほとんどこの間大したモノは採れていません。秋雨前線が列島上空に寝転がっている(?)所為で青森上空もなかなか高気圧が張らず山は大体しっとりしています。
そんなことですからヒメオオ採集の方は特に成果は悪く、今季はまだまともに数を見ていません。
前回の採集で54mmUPがいきなり採れてしまっていただけに拍子抜けです。
さて今回、9月という事で今期もヒメオオの季節がやってきました。
クワガタ採集の中でもヒメオオ狙いと云うのは人を選ぶもので、中には
「採れる場所を見つければ珍しくもないから採ってもつまらない」
「ミヤマとかオオクワみたいに大きさのインパクトが無いからいまいち面白くない」
「歩き回って探すのダルい」
と云う人も居ますから万人受けするクワガタとは思いません。
しかし、楽しみ方もまた人それぞれです。
自分の中で持っている「クワガタ採集の楽しみ方」の一つとして、既にヒメオオ採集は「楽しみ方」と云うのは出来上がっています。
ヒメオオ採集で一番楽しいと感じる瞬間・・・
それは、『新産地を発見した時』。
高校生の頃は、ヒメオオなんてどこでどう見たら採れるの?っていうくらい存在が遠かったものでした。
最初にヒメオオの産地でヤナギの若木にベタッと張り付いている光景を目の当たりにした時は、それまで持っていたクワガタ採集のイメージとだいぶ違う事に大きなショックを受けました。それまで図鑑で散々見ていたにもかかわらずです。
(その前の時点でマグソなんて採ってる人間が言うのもおかしいのですが)
自分が元々飼育からクワガタに嵌まった人間だって事、青森という土地も変わった形をしていて産地も豊富に有る事がヒメオオ採集を追求し続けられる要因かもしれません。元々自分が採集屋だったらヒメオオ採集にショックも目新しさも覚えなかったかもしれませんし、山地帯が極僅かでヒメオオのポイントが地元に殆ど無いところに住んでいたらここまで嵌まっていなかったかも・・・
今回は、そのヒメオオ新ポイント開拓の様子を順を追って書いてみます。
(他に書くこと無いのかい・・・)
今回は、他のサイトのレイアウトを参考にして書いてみました。
11日
東岸から望む陸奥湾。
今回は、青森県の北東部に伸びる下北半島のヒメオオ採集に行ってみました。
言わずもがな新ポイントの発見が目的です。
青森県の中でも下北地方と云うのは、
足を運ぼうにも距離が遠いという事で年間を通して採集者が少ない地域であります。
しかしだからと言って、必ずしも「採集者があまり入ってないから虫の数は多くて沢山採れる」と云うワケではなく、むしろこの地方はやや昆虫採集には厳しい地域と言っていいかもしれません。
と云うのも、クワガタ採集を重点に理由を挙げると、
その最たるものは果てしない規模の植林!まずこの点が最も致命的です。この地方において林業は地場産業の中の重要なウェイトを持っていて(こっちの方々は皆マグロ釣ってるワケじゃないからね)、単純に「人口も少ないしその分開発は少なくて森も豊かなんだろう」と早合点して採集に行くと、その植林面積の広さ(えげつなさ)に驚かされることになります。半島内を走っているとほとんどの場所にスギが植えられています。
そしてそのスギの植林以外はどうかと云うと、この地域は元々ヒバの天然林が広がっていたのでどっちにしろ針葉樹林ばかりが目につきます。元々天然のヒバが切り出されていってその跡地にスギを植えていってるという構図なのでしょう。
寒い地方なので低標高でもブナなどが見られる反面、そもそも針葉樹林帯が広い半島であると云う事はつまりクワガタの採れる場所や密度もそんなものだと云うことになります。
そして次の理由が、動物相が他の地域と違うという点。青森県内でも地域によって生息してる種類してない種類と云うのがありまして、県内の虫屋がよくホームとする八甲田~十和田のエリアは実はニホンザルが生息していません(はぐれ個体は除く)。他の白神山地・津軽半島・そして下北半島はサルが生息していますので、それを考えると実は十和田とかって県内でも特に安全に虫を採りに行ける場所なんですよね。そして、サルより重要なのは何を隠そうツキノワグマ。知ってる人は知っていますが下北半島は県内でも圧倒的にクマとの遭遇率が高いエリアです。地域毎に見るとこれまた面白い結果が出てまして、次いで白神山地が目撃例の数も多くエリア自体の広さも広範囲です。その次に三本木平の低山帯から田子山地、所謂南部のエリアになります。それらと比べて、山地帯であるにもかかわらず八甲田(北八甲田)や津軽半島側での目撃例は非常に少ないです。あくまで目撃例での話ですが、同じ本州最北部の半島なのに津軽と下北は雲泥の差が現れています。
以上の点が、自分が思うに下北での昆虫採集を難しくさせている(意欲を殺いでいる)要因ではないかと思います。
あと、これは人によると思いますが物資や燃料の調達がやや困難と云う点もあります(汗)
林道 ~1本目~ |
今回下北に来た理由となったのがこの林道です。 以前から地図帳で見ていて興味を持っていたのですが、青森からの距離・そして林道自体の距離や途中で分岐する支線の多さもなかなかなので、調査に時間がかかるだろうと予想していました。そのため今回は朝から林道入りするため、前日から下北半島入りして待機していました。 (因みに前夜、ライトトラップ及び外灯回りを行いましたが、採れたのはキタカブリだけでした) 午前8時、愛車をもっていよいよ長い林道にアタックです・・・! |
車もこれまで数々の林道に突入してきただけあって非常にガタついていましてスピードもあまり出せません、ゆっくり進みます。 林道に突入してから約30分が経過しました。これまでずっと林道脇の植林を眺めるばかりだったため、まず最初に現れたこの支線分岐に俄然心が躍ります。 分岐する入り口には林道標が設置されています(これが無いと、虫を採った時ラベル付けでちょっと悩みます)。 |
今回は、車が進めなくなった時のためにいくつかの状況に応じてそれなりの道具を積んできました。 この自転車は一番最初にヒメオオのポイントを発見した時に活躍した愛しの(?)デスティニー号(自転車の製品名らしい)、度々採集では車が通れない時の移動手段として用いています。 下調べの段階で、この最初の支線では車が通れない可能性があると判断しまして、早速荷台から降ろして乗っていくことにしました。 |
支線に入って直後、崖崩れで上から転がってきた岩石をやり過ごして間もなく沢を渡る沈下橋にさしかかりました。 しかしそんなことよりも、その先に横たわる低木に唖然としました・・・ 100mも進んでないのに早々に自転車を降りて先に進むことになりました。 しかしこの後も、道を覆い隠すほどの濃い藪に足をとられたりして前進は困難を極めました(汗) 石も所々粗く隆起していたのでどちらにせよチャリで通るには厳しい道でした。 |
廃道同然の中、1km以上歩いたところでさらなる分岐に出くわしました。 おまけにここでも木が倒れてるし・・・この半月のあいだにあった台風などの荒天はなかなかの爪痕を残したようです。 とりあえず先へ進んでみましたが、一向にヒメオオの存在や痕跡を確認できないまま道はより一層藪が濃くなり、いよいよ無駄だと諦めて引き返すことにしました。 どこまで行っても植林地帯はしっかり続いているんだよ・・・ |
引き返している最中、持っている網をふと見てみるとカンタンが付いていました。 自分は初めて見たのでちょっと感動しましたがこれは♀。すぐさまお別れしました。 |
1本目の支線から生還し(?)再び車で本線を進むこと暫く・・・ 時刻もそろそろ午前10時になろうと云うところで2本目の支線に到達しました。 画像の奥に伸びている道が林道の本線で、この林道標の反対側・右方向が支線の入り口です。 この支線は1本目の支線よりも距離が長く、車で進みたいところですがいきなり廃道同然の藪が道を覆い、仕方なく車を降りて徒歩で突入します。 ところが、数十mほど藪をこいだところでサクッと心を折られました・・・(哀) 道が崩落しています。 その崩落場所も追い打ちをかけるように藪が覆い、先の道がどうにも見えなくなっていたのでここは残念ながら探索もほとんどできず引き返すことにしました(悔) |
午前10時ちょうど。 2本目の支線を諦めて進み始めたところです。 ここの部分だけ見るとなかなか爽やかな景色ですが、この先を車で進み続けたところで行く手を倒木に塞がれました。まだまだ先もあるのにここで車を捨てるのか・・・・・・と「前の自分」であれば諦めていたトコロですが、つい2週間前に犯した苦い失敗(←ここでは書かない!あのような悲劇を、ボクらはもう繰り返しちゃいけないんだ!)で道具は最低限準備しておくべきと再認識し(今さら・・・)、今回は色々道具を積んできてまして手鋸も実装済み、倒木も細めの雑木だったので切って進むことが出来ました。 |
倒木の処理でちょっと時間がかかってしまいましたが3本目の支線に到着しました。 先程の倒木あたりから段々と先行きが不安になってきましたが、今回この林道には全部の支線の様子を見に来たと云う目的があるので、まだ途中で引き返せるはずもありません。 俺は誰にも止められねェぜ!! |
・・・とそのまま支線に突入したそばからいきなり倒木!! 「この先立ち入り禁止です」と書いていても不思議じゃないくらいきれいに塞いでくれています。ちきしょー俺の手鋸でギコギコに切ってやるわ!!と云いたいところですが手鋸で切れるほど細い木ではありません。直径30~40cmはあるし、倒れているのはれっきとしたヒバ。いくら倒れてるとは言え個人が伐ったらいかんだろ・・・ 仕方なく車を降りて先へ進んでみることにしました。 まず様子見に倒木に上がってみると・・・ |
!!!!??マジかよ・・・ セキュリティが固い! 林道め、明らかに俺を拒んでやがる。 奥までヒバが倒れ続けてて全部超えてたら時間も体力も一気に無くなってしまいます。この先まだ3kmくらい延びている支線ではあるのですが、ここは涙を呑んで引き返すことにしました。ああ憎たらしい! →山の斜面を見上げる! |
ハイ、本線に戻って再び進み始めた途端にこんなんですよ。 さっきのヒバほどでないにしろ、これもちょっと切って進むには時間がかかる太さである上、これに至ってはあまり手を出しちゃいけないスギ。 ここまで幾多の障害に直面し、その度に切り抜けてきた(←)り引き返してきた(恥)のですが、いよいよここで車を置いていく決心を固めました・・・ |
リュックを背負い網を持ち徒歩で進んでいきます。景色は相変わらず、林道脇の雑木の奥に規則正しいスギの植林が果てしなく並んでいます。灌木もチェックを怠りませんがヒメオオの痕跡は影も形もありません。 |
車を降りてから約1.5km進んだところで漸く4本目の支線に到着しました。 本線の左手に橋が架かりそこから進んでいくよう・・・です・・・が・・・(汗) ヤマハンノキが倒れていて、進入には思いっきり抵抗を覚えます。 支線の方も気になりますがその前に、この反対側・林道右手側に(写真には写っていないですが)ポツンと目立って生えているヤマハンノキが1本目に付きました。幹を見ると妙な黒いコブが付いています。なんだろう・・・と近寄ってみると・・・? |
アカアシ・・・!!ここまで来て漸く見つけた本日1頭目のクワガタです。 アカアシごときでこんなに喜ぶとは・・・苦しいにもほどがあるよ。1.9mほどの位置と云う微妙な高さに居たせいか、何故か網を出さずに草でつついて落とそうとしましたが失敗して見失いました!残念ながらこの落とした1頭以外にはクワガタは付いておらず、木自体にもアカアシの齧った汚い噛み筋しか残っていませんでした。 |
気を取り直して4本目の支線に向き直し、倒木をくぐって先をうかがってみますが、えェ~なにコレ・・・(汗) 道ねェじゃん・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・失礼しました~~(戻) |
4本目の支線も断念し、残りは予習した分ではあと2本。 まったくスギ林が尽きることなく植え続けられており、無心になって歩かなければ先へ進むのも躊躇ってしまいます。 倒木が在った以上ここに来ているのは自分以外に誰も居ないんだ・・・ あの奥へ行ったらヒメオオが居るかも・・・ それだけを頭に留めて砂利道を進みます。 ぶら下げたクマ鈴がチリーン・・・チリーン・・・と鳴り続けます。 |
歩き続けてまた1km超、5本目の支線に辿り着きました。時刻は午前11時40分、もうお昼です。 他の支線の例に漏れず藪が濃いですが、とりあえず進入してみます。 歩き続けて奥へ奥へと進みますが、さっきまでのように倒木が連続したり藪に道を食われていたり道が崩落していたり・・・と云った極端な状況になっていないものの全くヒメオオの痕跡が見つけられません。そして支線と言えど、やはりスギの植林は終わってくれません。 こうなってはもう、「そこ」に賭けてみるしかありません。 |
自然回帰しかけている支線を歩くこと暫く、ついに「そこ」へ到着しました。 「そこ」・・・とはつまり、林道の終点部の事です。 林道は普通、完全に別の道に抜けられない場合は終点で車が転回できるように広場のような空間があります。中にはこの終点まで行けない林道も多いのですが、その終点まで行ければ、実はそうした所にヤナギなどが「ウマい具合に」生えていてそこがヒメオオの唯一の採集ポイントであったりする事があるんですよ。 今回は運よくその終点まで辿り着くことが出来ました。 目論見通り、それまで見なかったヤナギが生えているのを発見!・・・とここまでは良かったのですが、残念ながらここにはヒメオオは付いた痕跡すら存在しませんでした・・・(泣) 噛み痕も無く、他の木も付いてなく・・・仕方ないので戻ることにしました。 |
5本目の支線を戻って本線をまた進むと、いよいよここで最後の支線・6本目の入り口に到達しました。しかし、林道に入る前に入り口からその奥を眺めてみると・・・デジャヴかと言うくらいさっきの5本目の支線と風景が瓜二つで閉口しました(汗) 山の眺め、沢の位置、方角・・・藪の深さもなかなか。 このパターンは確実にさっきと一緒の結果に終わるんじゃないか・・・!? 嫌な予感しかしないし、時刻も12時半になってしまっています。この林道にはだいぶ奥まで入ってきたし本線もまだ少し奥へ続いているのですが、依然としてスギが植林されこの林道を見限って他へ移った方が賢明だと判断しまして、これで探索を終了し道を戻ることにしました。 この戻り道が長いし辛い・・・ →本線の先を眺める! |
全く土産になるものも無い状態で帰るのはまぁ辛いんですね(汗)
こうなるとさっき落としたアカアシの♀がホントに悔やまれます(切実)
こんな時にはつい、「他の林道を選んでおけばよかった・・・」と云う後悔が生まれてしまいます。遥々下北半島まで来た事もあって、1日のほとんどを費やして空振りに終わることの虚脱感は大きいです。
自分は他県遠征とかはしたことが無いのですが、夏場などに他都道府県から意気込んで採集に来ている人らの気持ちも少し解る気がします。
さて、林道を引き返して午後1時半頃に車のある場所へ到着、林道そのものから無事脱出できたのは午後2時を回った頃でした。
秋もこれからという時期で段々日も短くなってきたこの季節ですが、
この時間帯・・・まだ帰るには早いですよね(必死)
・・・と云うワケで、
続けて別の林道へ向かう事にしました。