のろのろと走り出す。 [〆ゴホンヅノ (プランディ亜種)]
部屋の照明を新品にしたその翌週の話。
去年12月に衝撃的に入荷した(と個人的に感じてます)南ベトナムのゴホンヅノ。プランディと云う新しい亜種として記載された本産地の♀を2頭入手し、即セットを組んだのは既に記事で書いたのですが、無事に幼虫がケース側面から確認できるようになったので割り出しを行いました。
2月4日
2つのセットの内、時間の都合でこの日は片方のみ着手しました。
セット内容は2セットでレシピはやや違い、この日割り出す方のセットを『A』とすると内容は以下の通り。
Aセット
【容器】・・・ニッソープラケース大(フタに新聞紙を挟む)
【マット】・・・ケースの8割の深さ(月夜野黒土Mat/下7割:3割上/〇〇〇腐葉土)
【日数】・・・セット日12月5日(♀体重9.8g) 61日間
ゴホンヅノの産卵に適したマットと云うのが読み辛く、どんなマットであっても産む事もあれば産まない事もありどれを使うにしても博打要素が抜けないので、前回のタイ産原名亜種でしくじった感覚を思い出し、前までならメインの産卵床(黒土Mat)のみにしていたところですが、♀に産卵床としてしっかり認識させられるかどうかと云う後押しとして、表層部の3割を特定の腐葉土層にしてみました。この腐葉土層は、「腐葉土に産卵させるため」ではなく「ここが産卵可能なエリアだと認識させ潜らせるため」のきっかけと云うワケです。
♀の体重は十分なので「本当に意味でのハズレ♀=産み切った♀」ではない事もほぼ間違ってはいないはずで、♀のコンディションで唯一の難点である1本の付節欠けもどちらかと云うと寿命的なものではなく現地での保管中の破損と思えました。
当初のセットはマットのみでゼリーを何個か置いただけで、途中親♀が地上に出てきてひっくり返ったままになったので足掛け用に新聞紙を丸めて置いた事もありました。一旦割り出すことも考えられましたが、作った層が滅茶苦茶になってしまうのと、別ケースを組むにも温室の余裕もマットの余裕もないのでいつものごとくそのまま一発割出です。
卵は外側からは全く見えなかったのですが、1月の半ばにはケース側面に1令幼虫が見えてきました。勝利を確信した瞬間と云うのはホントに気持ちいい・・・(そしてこの後油断するのがいつものパターンですが)
そして迎えたこの日、
この日の為に手を抜かずカブトマットもガス抜きもしました(←・・・)、
何より、屋内でも快適に割出し作業が出来るように天井の照明も替えて準備は万全です!
さぁ、・・・やるぞ!!!
・・・・・・!!?
結局、屋外割り出しに。
去年、雪が積もり始めた11月19日にタイ産の原名亜種を屋外で割り出しましたが、今回は厳冬期、比べ物にならないほど寒いのでモタモタしてると虫が凍ってしまいます。氷点下ですよ。
中からは次々と1令幼虫が出てきます。
幼虫を取り分ける製氷トレイも次々埋まっていきます。
このセットで使ったケースは保湿型のフタではなく昔ながらのメッシュ型のフタで挟んでいるのは新聞紙なので、内部がやや乾燥しマットの委縮(壁面からちょっと浮く)があります。
マット製品中、最重量級の黒土マットの特性か非常に粘り固く締まっています。まるで壁土を砕いているようです。そんな中をボリボリ噛み砕いて食べているんだから虫って逞しいですね。
出てくる幼虫は全て1令幼虫でほとんどが丸々太った2令間近の個体ばかりですが、油断していたらいきなり孵化直後で明らかに産卵のタイミングが違う個体が2頭出てきました。そして、腐って間もなさそうな卵がこれまた僅かに見られました。
セット中、一度親♀が地上に上がってきたことがあったので、そのタイミングを境に1回目の潜行で産んだ(太っているほとんどの)個体と2回目の潜行で産んだ(孵化直後の幼虫と腐った卵の)個体に分かれていると思われます。
埋まったトレイは直ぐ室内退避、マットを暴いた瞬間はホカホカでも、トレイに移して数分と経たずに幼虫は動きが止まります。
結果
31頭 (1令幼虫のみ)
間髪入れずマットに投入します。
去年のタイ産の大失敗から、マットに変な工夫や選定をせず愛知の某店のお高めのカブトマットを120ccと200ccカップに入れて幼虫を投入していきます。
寒中割り出しの条件はタイ産と同じなので、1~2週間後のこの幼虫達の生存率でタイ産の死亡原因も判るかも知れません。
2月5日
Aセットの翌日。
残るもう片方のセット『B』の割り出しでセット内容は以下の通り。
Bセット
【容器】・・・コバエシャッター大
【マット】・・・ケースの8割の深さ
基本的に上層の腐葉土パターンは変えません、そして下半分は、底に同じ腐葉土を詰め、その上に上層の腐葉土にサンドイッチされる形で産卵マットを詰めておきます。
この意図は・・・・・・ この時産卵マットが足りなくて腐葉土で嵩増ししただけです(苦笑)
その結果↓↓
孵化した幼虫は薄いマット層に集中。
今回はコバエの発生も無かったので、晴れて明るくなった自部屋の中で暖かく割り出しすることが出来ました。寒くて暗かった昨日とは天国と地獄・・・
ケースをひっくり返して暴いていくと、出てくる出てくる1令幼虫!
見事にマット層にのみかたまって幼虫が居ます。―そこまで嫌いかぁ腐葉土。
結果
34頭 (1令幼虫のみ)
自分で自分を褒めたいくらい無事に幼虫が採れました。
こまめに採卵している人なら50や100も卵を採るのでしょうが、自分のセットの流れではこのくらいが最大値。大成功と言えます。
そして、同時に組んだAのセットと比べると、こちらのBの幼虫は全体的にAよりも2~4週間分ほど若く、セット内容の差でこれだけの差が出たのは興味深いです。マットの種類によっては成長速度どころか孵化率にも響いてくるところだったのでしょうね。
AとB 2セットの結果合計
A=31頭 B=34頭 合計65頭
同種のカブトで一度にこれだけの数を抱えたのはポルテリー以来です。
現金ですがこれほど沢山の幼虫を見るとそれだけで嬉しいですな(笑)
取り敢えず羽化までの死亡リスクを考え、全て飼育していこうかと考えています。3令になった後の事を考えると今から別の寒気がしますけど・・・
ついでに、成長が進んでいるタイ産原名亜種のマット交換も行いました。
最初に少しだけ卵で割り出して孵化した4頭は順調ですが、11月19日の割り出し分25頭から生き残ったのは僅か2頭。
今は合計で6頭しか居ません。
幼虫は皆2令になりほとんどが丸々と太ってきたので、120ccから430ccに交換。
そして現在・・・
割り出してから3週間が経ちましたが、原名亜種の時に抱いた不安をよそに幼虫達は皆順調に成長しています。
最初は、割り出しのショックで何割かは死ぬものだろうかと注視していましたが、カップの上部に上がってきたり腐っていく事も無く、マットの中をゆるゆると食い進みきちんとフンもマットの色になっています。
成長しきっている個体の多かったAのラインの幼虫は日を追うごとに続々2令に脱皮していってます。割り出しのタイミングは絶妙だったワケですね(笑)
数分の間とは言え、極寒の中で割り出し低温に晒してしまったAラインの幼虫(孵化直後の個体含めて)も全く問題なく生存しているところを見ると、やはり原名亜種の大量死の原因はカップに詰めたマットで間違いないみたいですね。
I県の某メーカーの腐葉土はもう使いません♪
こんな間抜けな選定ミスもした我が家のゴホンヅノは
2年後にはこの内どれだけの数が生き残っているのでしょうか・・・。
去年12月に衝撃的に入荷した(と個人的に感じてます)南ベトナムのゴホンヅノ。プランディと云う新しい亜種として記載された本産地の♀を2頭入手し、即セットを組んだのは既に記事で書いたのですが、無事に幼虫がケース側面から確認できるようになったので割り出しを行いました。
2月4日
2つのセットの内、時間の都合でこの日は片方のみ着手しました。
セット内容は2セットでレシピはやや違い、この日割り出す方のセットを『A』とすると内容は以下の通り。
Aセット
【容器】・・・ニッソープラケース大(フタに新聞紙を挟む)
【マット】・・・ケースの8割の深さ(月夜野黒土Mat/下7割:3割上/〇〇〇腐葉土)
【日数】・・・セット日12月5日(♀体重9.8g) 61日間
ゴホンヅノの産卵に適したマットと云うのが読み辛く、どんなマットであっても産む事もあれば産まない事もありどれを使うにしても博打要素が抜けないので、前回のタイ産原名亜種でしくじった感覚を思い出し、前までならメインの産卵床(黒土Mat)のみにしていたところですが、♀に産卵床としてしっかり認識させられるかどうかと云う後押しとして、表層部の3割を特定の腐葉土層にしてみました。この腐葉土層は、「腐葉土に産卵させるため」ではなく「ここが産卵可能なエリアだと認識させ潜らせるため」のきっかけと云うワケです。
♀の体重は十分なので「本当に意味でのハズレ♀=産み切った♀」ではない事もほぼ間違ってはいないはずで、♀のコンディションで唯一の難点である1本の付節欠けもどちらかと云うと寿命的なものではなく現地での保管中の破損と思えました。
当初のセットはマットのみでゼリーを何個か置いただけで、途中親♀が地上に出てきてひっくり返ったままになったので足掛け用に新聞紙を丸めて置いた事もありました。一旦割り出すことも考えられましたが、作った層が滅茶苦茶になってしまうのと、別ケースを組むにも温室の余裕もマットの余裕もないのでいつものごとくそのまま一発割出です。
卵は外側からは全く見えなかったのですが、1月の半ばにはケース側面に1令幼虫が見えてきました。勝利を確信した瞬間と云うのはホントに気持ちいい・・・(そしてこの後油断するのがいつものパターンですが)
そして迎えたこの日、
この日の為に手を抜かずカブトマットもガス抜きもしました(←・・・)、
何より、屋内でも快適に割出し作業が出来るように天井の照明も替えて準備は万全です!
さぁ、・・・やるぞ!!!
・・・・・・!!?
・・・コ、コバエがっ・・・!!!
結局、屋外割り出しに。
去年、雪が積もり始めた11月19日にタイ産の原名亜種を屋外で割り出しましたが、今回は厳冬期、比べ物にならないほど寒いのでモタモタしてると虫が凍ってしまいます。氷点下ですよ。
中からは次々と1令幼虫が出てきます。
幼虫を取り分ける製氷トレイも次々埋まっていきます。
このセットで使ったケースは保湿型のフタではなく昔ながらのメッシュ型のフタで挟んでいるのは新聞紙なので、内部がやや乾燥しマットの委縮(壁面からちょっと浮く)があります。
マット製品中、最重量級の黒土マットの特性か非常に粘り固く締まっています。まるで壁土を砕いているようです。そんな中をボリボリ噛み砕いて食べているんだから虫って逞しいですね。
出てくる幼虫は全て1令幼虫でほとんどが丸々太った2令間近の個体ばかりですが、油断していたらいきなり孵化直後で明らかに産卵のタイミングが違う個体が2頭出てきました。そして、腐って間もなさそうな卵がこれまた僅かに見られました。
セット中、一度親♀が地上に上がってきたことがあったので、そのタイミングを境に1回目の潜行で産んだ(太っているほとんどの)個体と2回目の潜行で産んだ(孵化直後の幼虫と腐った卵の)個体に分かれていると思われます。
埋まったトレイは直ぐ室内退避、マットを暴いた瞬間はホカホカでも、トレイに移して数分と経たずに幼虫は動きが止まります。
結果
31頭 (1令幼虫のみ)
間髪入れずマットに投入します。
去年のタイ産の大失敗から、マットに変な工夫や選定をせず愛知の某店のお高めのカブトマットを120ccと200ccカップに入れて幼虫を投入していきます。
寒中割り出しの条件はタイ産と同じなので、1~2週間後のこの幼虫達の生存率でタイ産の死亡原因も判るかも知れません。
2月5日
Aセットの翌日。
残るもう片方のセット『B』の割り出しでセット内容は以下の通り。
Bセット
【容器】・・・コバエシャッター大
【マット】・・・ケースの8割の深さ
(ホビー倶楽部カブト産卵マット/中層3割:上層4割&下層3割/〇〇〇腐葉土)
【日数】・・・セット日12月5日(♀体重11.1g) (♀体重12月9日9.5g) 62日間基本的に上層の腐葉土パターンは変えません、そして下半分は、底に同じ腐葉土を詰め、その上に上層の腐葉土にサンドイッチされる形で産卵マットを詰めておきます。
この意図は・・・・・・ この時産卵マットが足りなくて腐葉土で嵩増ししただけです(苦笑)
できれば上の腐葉土の下を全部産卵マットにしたかったんだ・・・
その結果↓↓
孵化した幼虫は薄いマット層に集中。
今回はコバエの発生も無かったので、晴れて明るくなった自部屋の中で暖かく割り出しすることが出来ました。寒くて暗かった昨日とは天国と地獄・・・
ケースをひっくり返して暴いていくと、出てくる出てくる1令幼虫!
見事にマット層にのみかたまって幼虫が居ます。―そこまで嫌いかぁ腐葉土。
結果
34頭 (1令幼虫のみ)
自分で自分を褒めたいくらい無事に幼虫が採れました。
こまめに採卵している人なら50や100も卵を採るのでしょうが、自分のセットの流れではこのくらいが最大値。大成功と言えます。
そして、同時に組んだAのセットと比べると、こちらのBの幼虫は全体的にAよりも2~4週間分ほど若く、セット内容の差でこれだけの差が出たのは興味深いです。マットの種類によっては成長速度どころか孵化率にも響いてくるところだったのでしょうね。
AとB 2セットの結果合計
A=31頭 B=34頭 合計65頭
同種のカブトで一度にこれだけの数を抱えたのはポルテリー以来です。
現金ですがこれほど沢山の幼虫を見るとそれだけで嬉しいですな(笑)
取り敢えず羽化までの死亡リスクを考え、全て飼育していこうかと考えています。3令になった後の事を考えると今から別の寒気がしますけど・・・
ついでに、成長が進んでいるタイ産原名亜種のマット交換も行いました。
最初に少しだけ卵で割り出して孵化した4頭は順調ですが、11月19日の割り出し分25頭から生き残ったのは僅か2頭。
今は合計で6頭しか居ません。
幼虫は皆2令になりほとんどが丸々と太ってきたので、120ccから430ccに交換。
そして現在・・・
割り出してから3週間が経ちましたが、原名亜種の時に抱いた不安をよそに幼虫達は皆順調に成長しています。
最初は、割り出しのショックで何割かは死ぬものだろうかと注視していましたが、カップの上部に上がってきたり腐っていく事も無く、マットの中をゆるゆると食い進みきちんとフンもマットの色になっています。
成長しきっている個体の多かったAのラインの幼虫は日を追うごとに続々2令に脱皮していってます。割り出しのタイミングは絶妙だったワケですね(笑)
数分の間とは言え、極寒の中で割り出し低温に晒してしまったAラインの幼虫(孵化直後の個体含めて)も全く問題なく生存しているところを見ると、やはり原名亜種の大量死の原因はカップに詰めたマットで間違いないみたいですね。
I県の某メーカーの腐葉土はもう使いません♪
こんな間抜けな選定ミスもした我が家のゴホンヅノは
2年後にはこの内どれだけの数が生き残っているのでしょうか・・・。