2018年最初のクワガタ採集 [日昆 採集記 【2018年】]
5月3日 田子町 |
長かった・・・本当なら4月から始めているハズだったのに!!
と云うワケで、ゴールデンウィークも後半に突入した5月3日の今年初採集に向かった先は・・・
田子町
仕事を含め、もう何度も来ていてお馴染みとなったTakko tawn、県内最南端の地はシーズン初めの肩慣らしには少しドライブが長くて辛いところですが、採りたい所で採ってこそ楽しいものでしょう。
普通に朝起きて現地に向かっては採集時間が短くなると思い、深夜の内から出発しました。
2時過ぎ出発で、明るくなる頃に現地到着、少し仮眠して林内でも日差しが届く時間帯になったら探索開始・・・
・・・と思っていたのですが・・・
前日までのハードワークからそのまま起きて出発した所為で体力に限界が(疲)
十和田を通り過ぎる前に体力切れ→→→仮眠(熟睡)
起きたら朝6時。
発進後田子入り、採集ポイント到着後体力切れ→→→仮眠(熟睡)
追い打ちをかけるように、目が覚めると周囲は雨。
意欲を殺いでくる天気と激しい睡魔のダブルパンチ。
起きたら昼11時前。
あま~~~~~い!!!!!
甘~い!!! 見通しが甘すぎるよ~~!!!
深夜出発の意味消し飛んじゃったよ~~!!!
車は林道の途中で行き止まり、地面が断層的に陥没していて普通車は通れません。
そこを通り越したところで間もなく、道を残雪が塞いでいます。
今回の目的は、前回採れなかった(潰してしまった)ルリの♂や、未採集の赤枯れ系など。
防水具として近年よく着ているサウナスーツに身を包み、
荷物を背負って徒歩で向かいます。
林道をしばらく歩いていけば、
登山道の入り口に到達し、そこから段々と標高が上がっていきブナの原生林に樹相が移行していくのですが・・・
まだ登山道にすら辿り着いていない所で衝撃的な光景が目に飛び込んできました。
道・・・が・・・!!!!
道があった部分は跡形も無く崩れ落ち、道の先からは膨大な水が流れてきて滝のように崩落個所を流れ落ちています。否、滝のようにではなく純然たる滝です。そして道はもう完全に川にすり替わっています、どう見ても「雪解け水が林道を伝って流れています」と云うような生易しいものではありません、キャンディーズです。The・川です。
目的の山は一応道の先に聳えているのですが、
その川を克服しないと近づけそうもありません。
左斜面をトラバースして迂回することにしました。
スギの植林地帯もまだ抜けない中、ササを頼りに斜面を移動していきます。
上から川を見下ろすと、轟音を響かせた猛々しい流れが上流まで延々と続いていて、すぐに林道の再開へたどり着けるだろうと思っていた自分は何が何だか分からなくなってしまいました。
時折降る小雨に打たれていると、余計に虚しく感じてきます。
段々と目的の山も遠ざかってしまっているように感じ、
「えぇっ・・・!? アレッ・・・?? 俺・・・道間違えてるのか???」
と疑心暗鬼になり引き返すことにしました。
斜面の上から見た周囲の様子です。
木は皆細く、斜面を迂回したところで待っていたのは植林地帯とどこまで続いているか分からない川。
元の崩落地まで戻ってみますがやはり地形上この川が道の続きで間違いないです。
車まで戻ってそのまま引き返しますがやはり一本道で、『この先登山道』の立看板もあり道を間違えてはいないようです。
・・・と云う事になると、今回の目的のブナ帯まで行くにはあの川をさらに辿って林内を迂回していかなければならない・・・と云う事になります。
時刻は既に12時半です。午後・小雨・汗だくで疲労困憊・・・と三拍子揃っている時点で同じ道に再び挑む気力は残っていませんでした。
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仕方がないので、ちょっと別のルートへ向かってみます。
以前ヒメオオを採った事がある付近のポイントでは小型種は居るのか調べてみます。個人的にはただの消化試合です。
【ヒメオオを採った事がある付近のポイント】 ⇒ 2015-9-1 『タプコプ!! ヒメオオクワガタ採集』 |
雪融け直後の林道という事もあって石や倒木が邪魔をしギリギリ軽自動車が通れるくらいの悪路です。
暫くガタゴトと走っているとやがて陽当たりも良くなってきましたが、標高が徐々に上がってきただけあってまた残雪に足止めを食らう事になりました。
標高が上がってきたとは言え数値的には450m程度と絶妙に中途半端な高さ(苦笑)
青森で奥羽山系ならこれでもルリやツヤハダは採れる標高ですが結局のところ場所次第・・・、ひとまず車を降り斜面を登ってみると
早速発見!!! ルリの産卵痕!!
数が少ないのでこの先の判断はつきやすいだろうと叩いてみたところ・・・
出てきたのは2頭の幼虫・・・・・・
ダメだ・・・田子自体のラベルはあるので余計な事はすまいと埋め戻して諦めました。
その後は林道をひたすら歩き、帰宅時刻までルリ材や赤枯れ材を探しましたが空振りに終わりタイムオーバー。
車へ引き返す頃には、買い替えたばかりでフィットしない長靴の所為で足が激痛に襲われていました。
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車に戻った後は、1本の缶サイダーをお供にして青森へまっすぐ帰りました。
(しかしやはり体力切れになり十和田市内で仮眠を取らざるを得ませんでした)
サウナスーツのおかげで雨には濡れずに済んだもののしっかり汗で中は蒸れてしまい、車内のシートが濡れるのでそのまま脱がずに帰宅することになったのは本末転倒ですが、実はこの次の日も同じ格好で山へ行く事となるのです・・・
と云うワケで、今年初の山開きはルリクワガタ幼虫2頭見たのみ、
土産はゼロに終わりました。
ゴールデンウィーク採集は、2日目へ続きます・・・
No.7 西十和田の宝石を求めて [日昆 採集記 【2018年】]
5月4日 平川市 |
目を覚ました自分は枕元の目覚まし時計を見てカタマったところから一日が始まった。
・・・遅刻だ・・・(焦)
この日は、No.7と共に彼の地元・平川市での採集である。
彼がまだ地元産のルリを採っていなかったという事で、4月に行く予定を一度立てていたのだがまさかの両名体調不良でダウン、今回はその仕切り直しという事になる。
朝9時過ぎに出発したのだが、
No.7も朝はバタバタしていたそうで、集合時間は繰り上がっていった。助かった・・・
時間に余裕も出来たので道中買い出しと朝食も済ませることができ、焦ることなく現地へ向かった。
道中津軽平野は青空が見え、今日こそ爽やかな採集が出来そうだと期待も膨らむ。
11時過ぎには集合場所へ到着。やや空が白っぽいがまぁ大丈夫だろう。
先に来ているかと思っていたNo.7の姿も無いのでトイレ休憩などして待っていると、数分後には広いガラ空きの駐車場へ1台の車が、自分の車の横へピッタリ停まった。No.7と合流である。
車内で積もる話を消化したところで、いよいよ目的のポイントへ出発する。
時刻にしてもう12時半である。
現地ポイントへは八甲田の裾野に広がる高原に車を停めて徒歩で向かうのだが、思ったよりも雪が多く残っていて、以前来た時は車道の終点まで行けていたのが今回はその手前で足止め。300mほど残雪に邪魔され地味に歩く距離が伸びてしまった。
車を降り、装備を整える。サウナスーツの自分と比べて、No.7はきちんとレインウェアを装備しているのが流石である・・・と言うか自分があまりに準備していないだけでこれが普通なのだが。
時刻ももう13時になろうと云う頃。昨日の田子と違って今日ならまともな採集が出来るだろうと慢心混じりの期待を持って雪上を進み始める。
自分も、八甲田山地では北連峰や十和田ではルリを採っているが西十和田のラベルは採っていないので楽しみである。
青森県中央部を南北に走る八甲田~十和田湖にかけての山地帯の中でも、南八甲田連邦から十和田湖の山林の東側が十和田(十和田市)であるのに対し、津軽側の地域は西十和田と呼ばれている。
この西十和田と云う括りは、概ね黒石市東部~平川市東部~秋田県小坂町付近までが含まれている。
航空地図のキャプチャ画像と地図と組み合わせ、植林地帯を抜けるルートととしてどの方向へ向かうか相談した結果、以前進んだ方向と別の方へ向かうとどのような樹相になっているか調べてみようと云う事で、進んだ事が無いルートを選択して進むことに。
広葉樹各種とマツが混ざる林内を、スノーブリッジに注意して進む。
入り組んだ沢を手すり代わりに、道に迷わないように緩やかな上り斜面を歩き続ける。
八甲田山系という事で他地域よりは難易度が低いツヤハダも狙いたいところではあったのだが、残念ながらまだ土崖と根開け以外に地表が現れている箇所は無く、赤枯れの倒木も見つけるのは難しそうだ。
針葉樹の混ざる一帯を抜けて、我々はいよいよ期待の高まる純広葉樹林帯に進入した。
なだらかでのっぺりした雪原に等間隔で生え揃っているブナ。2次林帯である。
No.7 「原生林までどのくらいでしょうね?」
自分 「さぁどうでしょうね、自分が前来たルートだともう少し先であるんですが・・・」
春ともあって雪上には色々な物が落ちていて斑模様になっている。木の枝、葉、実、皮、木屑、土、動物の糞・・・
雪自体はもう固まっているので歩きやすいが、色々な物が落ちているので自分の歩いた跡があまりはっきり残って見えない。
2次林と云う事で皆木は細いが、立ち枯れも増えてきたので自然と枯れ木から枯れ木へ点を結ぶようになっていく。
しかしやはり2次林ではなかなか産卵痕の付いた材が見つからない。
木から木へジグザグ渡り歩いては見てみるのだがどれもキレイな材ばかり(他の虫なら居ると云う点で言えばキレイとは言い難いのだが・・・)
彼の話によると、関東の飼育屋の間では天然のブナの枯れ木が産卵材として至高だと専ら評判のようだ。個人的にはエノキあたりが一番じゃないかと思うし、今日のホダ木事情も厳しいもので粗悪材も多い事を考えると分からなくはないのだがちょっと言い過ぎじゃないか~? と2人で笑い合っていたのだが、我が身を振り返ってみればそういえば自分も最近ブナ材しか使ってないと云う矛盾にハッとした。
暫く歩いているが依然原生林に辿り着く気配が感じられない。
そもそもどっち方向に歩いているのか判断が付かなくなってきていた。とにかく360℃見渡しても同じような細いブナしか生えておらず、地形的な危険は無いのだが逆にその起伏が少ない無特徴な地形の為に目印のような物がほとんど無い。
自分のガラケーの地図アプリでは拡大しても周辺真っ白で沢も何も目印が表示されないし地図を開いてるとカメラが起動できないし(あぁガラケーの悲しい性だな)、No.7はスマホだが現在地は衛星で補足できたが今は電波が圏外で地図を読み込めず結局使えないとの事。
基本的に日昆のパーティは分散して探索することは少なく、本拠地(車)や目印になる物から見渡せる場所に居る時だけ分かれて探すのだが、思った以上に産卵痕が少なく、さらに偶に小さな幼虫が出てきたのを埋め戻すばかりで時間は過ぎ去っていく。
次第に、自分が立ち枯れを確認している間にNo.7が先の材へ進み、確認を終えた自分がNo.7の確認している材を通り過ごしその先の材へ向かう・・・と云った具合に抜きつ抜かれつつ、探索ペースが速くなっていった。
産卵痕もちょっと多めの立ち枯れを発見、ようやくらしくなってきたと期待しながらの確認作業。No.7は次の材を探しに先へ向かっている。
〉〉 時刻は15時、そろそろUターンして諦める覚悟が必要になってきた頃だった。
北限のルリクワガタ [日昆 採集記 【2018年】]
5月5日 この日は休み |
GW採集皆勤賞まであと半分・・・なのだが、布団の中で絶望に伏していた。
11時~~!!!!・・・・・・・・・
終わった・・・・・・どこへも行けず今日終わった・・・・・・・・・・・・
行こうと思っていたあの山は今から行っても着いた頃には帰宅時間だ・・・
のっそり起き上がり諦めて家に居ることにした。
休養日という事で納得し、ゴホンヅノのエサ交換やウズラの世話で日中の時間を潰した。
だが、この日はそれだけで終わりではない。
次の日の採集の為の大事な下準備が待っているのだ・・・。
その夜、いつものように仲間内での集まりへ。
採集道具の他に、怪しげなビニール袋を持って・・・
明日・ゴールデンウィーク最終日の予定は、No.2とNo.6を連れて3人で出撃する段取りだ。2人は今回がシーズン初の採集となる。
帰宅開始時刻の問題で、日中の採集時間を確保する為真夜中出発と事前に伝えてある。
パンドラ 「どこに(No.2とNo.6を)連れてくの?」
自分 「それなんだけどさ・・・こんな物を持ってきた↓↓ ・・・・・・ドーン!!!」
持ってきたビニール袋から取り出したのは・・・首枕。
No.2 「ムダな物を・・・・・・(呆)」
そして、
No.2 「ムダな物を~・・・・・・(呆)」
No.6 (笑)
No.2 「アホだなこいつ」
自分 「さぁ、何をやるかと云うと・・・」
パンドラ 「車中泊?」
No.6 「あぁー~~泊りに? 泊りに行くんでしょ?」
自分 「まず、道中君らには車の中で寝ててもらって」
No.2 「意味ワカンネー 帰るワ~」
パンドラ 「うん、危なくない? それ。
お前(運転中)寝そうになったらどうすんの? 誰止めんの?」
自分 「そこ!?」
パンドラ 「だって寝てる時にさぁ、事故起こったら大変じゃない?」
自分 「そうなったら・・・寝たまま逝ける(笑)」
No.2&6 (笑)
No.2 「やめてくんねぇかなぁ(苦笑)」
No.6 「気づいたら、『アレ? ここ、ドコ??(あの世)』(笑)」
自分 「(採集の行先きは)着いてからのお楽しみ」
そう、今回の採集は現地に着くまで行き先を教えないブラインドツアー。
パンドラ 「絶対ェ事件性疑われるわ」
自分 「ポイントに入る直前の街でネタばらし」
No.2 「いや・・・いいんだってそういう意味分かんないのは
おまえがワクワクしてるだけだから俺らなんの得も無いから」
No.6 (笑)
自分 「そうだよ俺がワクワクするために考えたんだよ(笑)」
5月6日 〇〇へ・・・ |
自分の車に各人の採集装備を積み込む、勿論、首枕とアイマスクも・・・
自分 「あれ? No.6、長靴は?」
No.6 「いいよ」
自分 「要らない?」
No.6 「うん」
いつものように普通のスニーカー。No.2に至っては、この歳になっても間違えたらサンダルで来ないとも言い切れないがスニーカーで来ていたのは幸いだ。相変わらず身なりを気にしない男達である。
比較的寝やすいシートのはずの助手席は当然のように避けられ、当たり前のように2人は後部座席に乗り込む。
自分 「じゃあアイマスク付けてくれー」
No.6 「うわぁーきたよ・・・」
自分 「・・・あ! もし今コンビニ寄るんだったらまだ付けなくていいけど・・・」
No.6 「あぁじゃあ結構遠いとかだったら、現地に近い所のコンビニに」
自分 「あ・・・駄目、そうなるとネタばれが中途半端になる」
No.6 「(今寄らないと)ダメって事?」
自分 「うん。一応(コンビニ無い所だと)ある程度覚悟してほしい。 じゃァ一回寄るか」
エンジンを掛け、車はまずコンビニへ向かう・・・
No.2 「ハァ~~・・・・・・今年も始まっちまった・・・」