2011→2018 [日昆 採集記 【2018年】]
山遊びに精通している人や長年採集を続けている人の中には、『自分しか知らない遊び場所・採集場所』を持っている人も多いのではないでしょうか。
かく言う自分もそんな場所をいくつか持っている者の一人(だと思っているの)ですが、今回はその『自分しか知らない(と思われる)』場所での採集の話をサクッと書いてみます。
▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼
9月29日
季節は秋真っ只中です。
この時期は専らヒメオオの新ポイントを探して県内各地を東奔西走しているのですが、このところ天候不順で新規開拓に文字通り暗雲が広がっていた中、この日はいつもの新規開拓は休んで勝手知ったるマイポイントへ向かいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昨日~一昨日まで雨空だったのと、翌日も風と雨が強まる予報でヒメオオ採集に適しているのはこの日のみ。
こういう日は無理に冒険するよりも、安定したポイントの方が効率的だと云う点もありますが、たまにはサイズ狙いでヒメオオを採集するのも気分転換になるかなと思ったのが今回の動機です。自分は基本的にクワガタを採りに行く時は[サイズ < 産地]なのですが、ふと「マイポイントを持っててBIGサイズも好きなだけ採れるはずなのに放っておくのももったいないかな?」と思ったり。
一応、1~2年に1回は様子を見に来るんですが、最盛期は新ポイントを探すことを優先しているのでここへ来るのはシーズン初めかシーズン終わり間際。9月後半に来るのは久しぶりです。
ここ最近では貴重な晴れ間、現地へ到着しましたが風も無くヒメオオ日和でしょう。
かく言う自分もそんな場所をいくつか持っている者の一人(だと思っているの)ですが、今回はその『自分しか知らない(と思われる)』場所での採集の話をサクッと書いてみます。
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9月29日
季節は秋真っ只中です。
この時期は専らヒメオオの新ポイントを探して県内各地を東奔西走しているのですが、このところ天候不順で新規開拓に文字通り暗雲が広がっていた中、この日はいつもの新規開拓は休んで勝手知ったるマイポイントへ向かいました。
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昨日~一昨日まで雨空だったのと、翌日も風と雨が強まる予報でヒメオオ採集に適しているのはこの日のみ。
こういう日は無理に冒険するよりも、安定したポイントの方が効率的だと云う点もありますが、たまにはサイズ狙いでヒメオオを採集するのも気分転換になるかなと思ったのが今回の動機です。自分は基本的にクワガタを採りに行く時は[サイズ < 産地]なのですが、ふと「マイポイントを持っててBIGサイズも好きなだけ採れるはずなのに放っておくのももったいないかな?」と思ったり。
一応、1~2年に1回は様子を見に来るんですが、最盛期は新ポイントを探すことを優先しているのでここへ来るのはシーズン初めかシーズン終わり間際。9月後半に来るのは久しぶりです。
ここ最近では貴重な晴れ間、現地へ到着しましたが風も無くヒメオオ日和でしょう。
ちっ〇〇・・・ [青森県産 オオクワガタ]
前回、前々回の記事で画像を載せすぎてしまったので今回は画像数を節約します。
ブログ1タイトルで使える画像容量がもう10分の7近く埋まっていて、年々一つの記事で使う画像数が増えているので、あまり飛ばし過ぎるとこのブログも老い先短くなってしまうのです。
ヒメオオ採集も今期分を終了し、骨休めを兼ねて飼育種の世話にまた戻っている今日この頃。
この夏の間にセッセトセットした各種産卵ケースを少しずつ割り出しています。
例年よりは多めのセットを組んだ事もあって、割り出し個体数の急激な増加を見越して
・7月12日 埼玉県からオオヒラタケ菌糸
・10月4日 大阪府からオオヒラタケ菌糸
・10月7日 愛知県からカワラタケ菌糸
・10月16日 北海道からカワラタケ菌糸
を購入・準備して臨んだのですが、浮き沈みが激しい割り出し作業になりました・・・
今組んである全セットの中から、割り出してみたものだけを前回の記事から引用して書き並べてみます。
その9 8月1日コクワガタ
♀を採りだして約2ヶ月経った10月3日に割り出しましたが、やはりコクワで2ヶ月は長かったです。
全頭が2令後期~3令初期になっていて、大事な時期を半分無駄にしてしまった感じです。
頭数は9頭、数はちょうどイイ(笑) オオヒラタケ1100ccに入れましたが、コクワの菌床飼育は初なので、この時期からどれだけ太らせられるか全く読めません。親♂の48mmを超えられたら・・・と思いますがちょっと厳しいか・・・
その1 7月1日セットフキヌキシカクワガタ
その10 8月9日セットフキヌキシカクワガタ
2週間前の10月7日に割り出しましたが、正直手遅れだと思っていました。
何せセットしたのが2ヶ月前と3ヶ月前ですからね。産卵木も両方既にボロボロだし夏を跨いでいるから中の幼虫はとっくに皆2令後期~3令中期くらいになっていると思ったのです。
しかし、開けてみてビックリ。
7月1日分から出てきたのはほとんど1令初期、中には孵化直後のような個体まで居ます。2令が1頭、3令が1頭居ただけで、さらに数も少なく全8頭・・・!! 無精卵と思われる新鮮な卵も複数採れ(親♀は既に死亡)、累代継続には至ったものの今後にやや不安を残す形でカワラ飼育を開始しました。
・・・ん? 8月9日分?
齧ってはいたけど、卵・幼虫ゼロでしたよ!!
腹を暴いてみましたが、どうやら不妊♀だったみたいです。どうも休眠明けに変な起き方する個体は、ノコもシカも上手くブリード出来ませんな・・・
その6 7月18日ニシヤマギラファノコギリクワガタ
我が家でまともに生き残っている唯一のギラファになってしまいました。
これも10月8日に割り出したので期間は2ヶ月半も経っています。
しかしこれも意外と加令が進んではおらず殆どが1令幼虫で3令にまでなっていた幼虫は無し。
だからと言って沢山頭数が出てきたと云うワケでもなく、全部で11頭。他の飼育種との兼ね合いも考えるとちょうど無理のない数とも思えますが、♀に偏ったら・・・と考えるともうちょっと(5~10頭)欲しかったのですが、キープしていた♀成虫は全て寿命を迎えてしまったのでこれで今世代は終了、放置せず(苦笑)真面目に飼育していきたいと思います。
しかし、コイツらの為にオオヒラタケ菌糸を多めに買ってたから随分余っちゃったな・・・
その7 7月23日トカラノコギリクワガタ
ギラファ用のオオヒラタケ菌糸が余ったので、こっちの幼虫にも使うことにしました。
それなりに採れると踏んでいたのですが、
これもまた拍子抜けの8頭。菌糸ビンまだまだ余ってるヨォ~・・・
2令が中心で状態も安定しています。
その4&5 7月14日オオクワガタ
さぁ!! ここからが本番です(?)
今年の目標の一つ、オオクワのブリード。1次発生の個体を2♀♀採集してセットしたものの、『材が堅過ぎた問題』で計画が減速し、今年中にどのくらいの産卵数が見込めるか、結果的にギリギリのところまで心配させられたのですが果たして・・・
10月21日に割り出しました。
なおセット期間中、堅過ぎる材に不安を覚え1セット分だけ途中で材交換を行い、出した材をチャック付きポリ袋に入れて保管していました。
まず、ケースに入っている材を2ケース分暴いてみました。
結果・・・両ケース共 0。
まず、材交換しなかった方は、
多少表面を齧ってはいたものの、よく見ると駒穴を広げただけのものに過ぎず、卵床を作るところまで至っていませんでした。
当の親♀は、ちょっと放置が過ぎた所為で・・・死亡していました。
材交換した方の交換後の材の方は、
どうやら材交換する前にはもう産卵スイッチがOFFになってしまったらしく全く齧っておらず、その材は次第にカビに塗れスポンジ材になってしまっていました。
流石はワイルド、一旦時期ミスると全然産んでくれない・・・
親♀はピンピンしてる。
残りはチャック付きポリ袋で保管していた交換前の材しかありません。
齧った痕もいくつか付いていて、産卵の期待は否が応にも湧いてきます。
(しかし、例によってそのうち半分ほどは駒穴を齧り広げたものに過ぎませんでした)
保管中に軟化が進み割り出しにちょうど良い堅さになっていましたが、割り始めて直ぐ食痕が現れました!!
カビなどに侵されている様子も無く、状態も良さそうです。
そして・・・遂に、久し振りのオオクワ1令幼虫と対面・・・!!!! ・・・・・・あれッ!?
居たには居たけど・・・、・・・あれ!? これ萎んでない・・・??
・・・死んでる・・・・・・
見た感じカビにやられたワケでもなさそうだし、黒くなって溶けてるワケでもない。
割り続けていると、他にも2頭とかなり少ないながら幼虫が居たが全部同じ死に方。
どうしてこんな・・・全頭それなりに食い進んでいて材質が合わないという感じとも思えません・・・
結果、今年はオオクワのブリードは失敗と云う悲惨な結果になってしまいました。
ブリード物と違うとはいえ、オオクワの産卵に失敗した事をブログに書くのはかなり恥ずかしい・・・
WF1へのステージアップは、来年への持ち越しとなりました。
ブログ1タイトルで使える画像容量がもう10分の7近く埋まっていて、年々一つの記事で使う画像数が増えているので、あまり飛ばし過ぎるとこのブログも老い先短くなってしまうのです。
ヒメオオ採集も今期分を終了し、骨休めを兼ねて飼育種の世話にまた戻っている今日この頃。
この夏の間にセッセトセットした各種産卵ケースを少しずつ割り出しています。
例年よりは多めのセットを組んだ事もあって、割り出し個体数の急激な増加を見越して
・7月12日 埼玉県からオオヒラタケ菌糸
・10月4日 大阪府からオオヒラタケ菌糸
・10月7日 愛知県からカワラタケ菌糸
・10月16日 北海道からカワラタケ菌糸
を購入・準備して臨んだのですが、浮き沈みが激しい割り出し作業になりました・・・
今組んである全セットの中から、割り出してみたものだけを前回の記事から引用して書き並べてみます。
その9 8月1日コクワガタ
♀を採りだして約2ヶ月経った10月3日に割り出しましたが、やはりコクワで2ヶ月は長かったです。
全頭が2令後期~3令初期になっていて、大事な時期を半分無駄にしてしまった感じです。
頭数は9頭、数はちょうどイイ(笑) オオヒラタケ1100ccに入れましたが、コクワの菌床飼育は初なので、この時期からどれだけ太らせられるか全く読めません。親♂の48mmを超えられたら・・・と思いますがちょっと厳しいか・・・
その1 7月1日セットフキヌキシカクワガタ
その10 8月9日セットフキヌキシカクワガタ
2週間前の10月7日に割り出しましたが、正直手遅れだと思っていました。
何せセットしたのが2ヶ月前と3ヶ月前ですからね。産卵木も両方既にボロボロだし夏を跨いでいるから中の幼虫はとっくに皆2令後期~3令中期くらいになっていると思ったのです。
しかし、開けてみてビックリ。
7月1日分から出てきたのはほとんど1令初期、中には孵化直後のような個体まで居ます。2令が1頭、3令が1頭居ただけで、さらに数も少なく全8頭・・・!! 無精卵と思われる新鮮な卵も複数採れ(親♀は既に死亡)、累代継続には至ったものの今後にやや不安を残す形でカワラ飼育を開始しました。
・・・ん? 8月9日分?
齧ってはいたけど、卵・幼虫ゼロでしたよ!!
腹を暴いてみましたが、どうやら不妊♀だったみたいです。どうも休眠明けに変な起き方する個体は、ノコもシカも上手くブリード出来ませんな・・・
その6 7月18日ニシヤマギラファノコギリクワガタ
我が家でまともに生き残っている唯一のギラファになってしまいました。
これも10月8日に割り出したので期間は2ヶ月半も経っています。
しかしこれも意外と加令が進んではおらず殆どが1令幼虫で3令にまでなっていた幼虫は無し。
だからと言って沢山頭数が出てきたと云うワケでもなく、全部で11頭。他の飼育種との兼ね合いも考えるとちょうど無理のない数とも思えますが、♀に偏ったら・・・と考えるともうちょっと(5~10頭)欲しかったのですが、キープしていた♀成虫は全て寿命を迎えてしまったのでこれで今世代は終了、放置せず(苦笑)真面目に飼育していきたいと思います。
しかし、コイツらの為にオオヒラタケ菌糸を多めに買ってたから随分余っちゃったな・・・
その7 7月23日トカラノコギリクワガタ
ギラファ用のオオヒラタケ菌糸が余ったので、こっちの幼虫にも使うことにしました。
それなりに採れると踏んでいたのですが、
これもまた拍子抜けの8頭。菌糸ビンまだまだ余ってるヨォ~・・・
2令が中心で状態も安定しています。
その4&5 7月14日オオクワガタ
さぁ!! ここからが本番です(?)
今年の目標の一つ、オオクワのブリード。1次発生の個体を2♀♀採集してセットしたものの、『材が堅過ぎた問題』で計画が減速し、今年中にどのくらいの産卵数が見込めるか、結果的にギリギリのところまで心配させられたのですが果たして・・・
10月21日に割り出しました。
なおセット期間中、堅過ぎる材に不安を覚え1セット分だけ途中で材交換を行い、出した材をチャック付きポリ袋に入れて保管していました。
まず、ケースに入っている材を2ケース分暴いてみました。
結果・・・両ケース共 0。
まず、材交換しなかった方は、
多少表面を齧ってはいたものの、よく見ると駒穴を広げただけのものに過ぎず、卵床を作るところまで至っていませんでした。
当の親♀は、ちょっと放置が過ぎた所為で・・・死亡していました。
材交換した方の交換後の材の方は、
どうやら材交換する前にはもう産卵スイッチがOFFになってしまったらしく全く齧っておらず、その材は次第にカビに塗れスポンジ材になってしまっていました。
流石はワイルド、一旦時期ミスると全然産んでくれない・・・
親♀はピンピンしてる。
残りはチャック付きポリ袋で保管していた交換前の材しかありません。
齧った痕もいくつか付いていて、産卵の期待は否が応にも湧いてきます。
(しかし、例によってそのうち半分ほどは駒穴を齧り広げたものに過ぎませんでした)
保管中に軟化が進み割り出しにちょうど良い堅さになっていましたが、割り始めて直ぐ食痕が現れました!!
カビなどに侵されている様子も無く、状態も良さそうです。
そして・・・遂に、久し振りのオオクワ1令幼虫と対面・・・!!!! ・・・・・・あれッ!?
居たには居たけど・・・、・・・あれ!? これ萎んでない・・・??
・・・死んでる・・・・・・
見た感じカビにやられたワケでもなさそうだし、黒くなって溶けてるワケでもない。
割り続けていると、他にも2頭とかなり少ないながら幼虫が居たが全部同じ死に方。
どうしてこんな・・・全頭それなりに食い進んでいて材質が合わないという感じとも思えません・・・
結果、今年はオオクワのブリードは失敗と云う悲惨な結果になってしまいました。
ブリード物と違うとはいえ、オオクワの産卵に失敗した事をブログに書くのはかなり恥ずかしい・・・
WF1へのステージアップは、来年への持ち越しとなりました。
ぁぁ~どうしよう、菌糸余り過ぎた(困)
ブリーディングディスク自作 [飼育ファイル]
どうもこんばんは。雨の中、樹から落ちて背中を痛打した会長です。
今回もまた飼育ネタです。
オオクワガタの飼育法が公開されてから約30年が経ち、外国産クワガタの輸入が解禁されてから約20年が経とうとしている今現在、クワガタの飼育法の金型はほぼほぼ完成形となって落ち着いてきたように感じます。
大型化を狙う飼育方法でも、目からウロコの、意外なアイテムを飼育に転用したり、発想が面白くて妙ちくりんな飼育法が取り上げられたりするのは、一昔前に比べてだいぶ減りましたよね。現在では、合うエサのレシピの研究や管理の精度を上げたりと云ったぐらいでしょうか?
勿論これは自分が単に不勉強なだけで、実際には今でも続々と飼育法の新路線を模索している人達は大勢居るとは思いますが・・・
自分は飼育関連の情報となると、最近ではネット上の飼育ブログ記事や雑誌の飼育記事くらいからしか得ていません。
ネットの記事だと一番おいしいところと云うのは内緒だったりノータッチだったりすることが多く、雑誌の記事と云ってもその雑誌自体今となっては1タイトルしか生き残っていないので記事の絶対量も少ないものですよね。
そんな中、
その生き残ってる1タイトルの雑誌(まぁつまりBE-KUWAですね)の1年前の号で、久し振りに『面白い飼育法の紹介記事』を見つけました。
ブリーディングディスク? ほぉ~ゥ!!?
カタカナで書くと、「累代飼育用の円盤?」と意味が分からなくなってしまいますが、記事によるとブリーディングと云うのは、
繁殖作業/累代飼育の事(breeding)ではなく、
まして各種液剤の分離・にじみ現象(bleeding)でもなく、
呼吸に関連する分野、つまり・・・菌糸ビン飼育における安定した酸素濃度を保つための管理法(breathing)の事のようです。
飼育法の詳細やデータは執筆者の方が当時の誌面で書かれているので、一読者の自分がここでその内容を紹介するのははばかりますが、
簡単に言えば「幼虫を菌糸ビンに投入したらその上にディスクをはめ込んでフタして逆さにして飼育する」ワケです。
幼虫飼育中の通期確保・酸素濃度安定化を図る飼育法はこれまでもネット上や各雑誌でたまに考案・発表されていました。
ボトルやケースの側面に無数の穴を開けたり、ビンの底に砂利の層を作ったり、果ては酸素を出し続ける添加剤が現れたり・・・
良い結果が出たり出なかったり、その方法で効果があったのかは今でも答えが出ていないものがほとんどだとは思われますが、
「空気(酸素)の循環」と云うのは、大型狙いのブリーダーの間では今昔変わらず関心の高い要素なのではないでしょうかね。
さて、その記事を読んで早速自分も試してみようと、記事を参考にしながら
自分で使い易いように・そして作り易いようにアレンジしつつ、材料探しを始めました。
まず、作成の前に決めておかないといけなかったのが菌糸ビンの口・フタ部分の構造。
メーカー毎に異なるし、容量によって口径も違います。ディスクそのものをボトルのこの部分に取り付けて使う性質上、また、材料調達が簡単に進むか分からない現段階では、いくつかある種類の中から一つに絞っておかなければなりません。
おおまかに分けるとボトルのフタ構造には3つくらいの種類があるかと思います。
A・・・はめ込み型のフタ(タイベストシートをはさむタイプ)
ボトル本体とフタの間にタイベストフィルターや不織布をはさんで使うタイプ。通気はフタ天面に開けられた穴と、フタ外縁部にある段差部分の隙間から行います。主にPPボトルで使われるタイプ。
B・・・はめ込み型のフタ(フタの中にフィルターが組み込まれているタイプ)
フタの中に、スポンジ製または紙製のフィルターを内蔵しているタイプ。通気は内部のフィルターを通してフタの外縁部に複数ある穴から行います。主にPPボトル、クリアボトルで使われるタイプ。
C・・・ねじ込み型のフタ(ねじ回して締めるタイプ)
ボトル本体とフタの両方に付いたネジ山をかみ合わせて締めることが出来るタイプ。通気はフタ天面中央に開けられた穴から行います。主にクリアボトル、ガラスビンで使われるタイプ。
メーカーによってそれぞれさらに構造が微妙に変わってくるのですが、
今回このディスクを作るにあたっては我が家で一番使い勝手が良く在庫も多いCのタイプを前提仕様としました。
そして次に、ボトルを逆さにした際にディスクを菌床の地表部に突っ張らせる為の脚部分。
そもそも、記事に載っていたディスクが業者にオーダーして作ってもらったと云う事で、材料自体自分一人の力で全て手に入れることが難しく、出来るだけ簡素な作りにしたかったと云う部分があります。
元の記事では、この脚部分が800cc用では1ヶ所、1400cc用では2ヶ所で支えるようになっていて、材料としては樹脂製の円筒形キャップをネジで留めて支える構造になっていました。
そこから、「支点を増やせばネジだけで支える事も出来るのでは?」と思い、材料調達の簡略化を図り、キャップではなくネジを支柱材料にする事に。
メーカーによってボトルに詰めた菌床の嵩もまちまちなので菌床の地上部からフタまでの距離も違うのですが、参考にした菌糸ボトルから今回16mmの長さのネジを選びました。
また、ネジの頭の形状は幼虫の邪魔になりにくい低頭ネジ、材質は勿論(?)ステンレス製にしました。
同時に同じ材質のワッシャー、スプリングワッシャー、ナットも確保。
(わざわざスプリングワッシャーまで入れる事は無かったかな・・・?)
最後に、一番大事なディスク部分の調達。
これが一番苦労しました。元の記事では前述のとおりオーダーメイドとの事で、ボトルの口径に合わせて切り出した樹脂製円盤で、自分でこれを手に入れるには
1.同サイズ同材質(もしくは近いサイズ・材質)の既製品を探して購入する
2.同じ(もしくは近い)サイズで、異なる材質の円盤型既製品を探して購入する
3.樹脂板を購入して円形に切り出す
4.業者に製作を依頼する
以上4つの選択肢があるのですが、
「4」は個人的には使わない方向で考えます。そうなると「1」~「3」のどれかなんですが、早速「1」で探してみるとこれが大変で、全く見つからない(焦)
樹脂製の円盤なんてホームセンターか100円ショップを回れば余裕で見つかると思ってたらどこにも置いてなかった・・・
次に「2」、似たような商品・・・小皿、コースター、ディスプレイ用プレートなど、円盤型で通気穴の加工が可能で尚且つボトルの口径に合うサイズの商品が無いか探してみたのですがこれも見つかりません・・・。100円ショップでちょうどいいサイズの円盤型コースターを見つけたりもしましたが生憎材質が石膏、加工できねぇ!!
「3」も、値段を見ると分かりますがとにかく高っけぇ!! 何枚か切り出そうと思うとそれなりのサイズを買わねばならず、しかも薄手だと歪むし幼虫が噛み破る危険もあるので、材質次第ですが1~2mm以上の厚さは必須。しかしそのくらいの厚さになるとどうやって円形に切り出すか、労力と手段で難易度がグッと上がります。八方ふさがりです。
そんな中、色々と探していると、ネットでアクリル製の円盤を発見!!!!
流石にボトルの口径にピッタリ(口径より1~2mm小さいくらいがベスト) とまではいきませんが、逆さにしても隙間から幼虫が落ちない程度には合っています。
いくつかメーカーがありましたが、やたら高価な割りに商品説明が不十分なところが多かった中に一つだけ信用できそうなところがあり、そこのを注文してみました。
到着した商品を手にとってみてようやく一安心、メーカーの名前を見ると有名店のロゴが。青森に無いんじゃそりゃ見つかるワケ無いわな(笑)、これが去年の今頃の話です。
そして今年2月、我がキョウダイに東京でこれを探してきてほしいとおつかいを頼み、容器のバリエーションに合わせて70mm・90mm・100mmを複数枚を入手しました。しかし・・・1枚で200~400円は安くないな。
そんなこんなで無事必要材料を揃えることが出来たので作成していきます。
元の記事では円盤を切削して、脚部分を取り付ける他、通気確保の為いくつか穴やスリットを開けています。自分も今回、円盤に直径3mmの穴を複数開けてみましたが、ボトルの口に円盤を合わせると隙間が割りと大きく開く為(ボトルの内径:約76mm-円盤の径:70mm=隙間は最大で約6mm、最小で約3mm)円盤自体にはそれほど多く穴は開けませんでした。
脚のネジは3点にし、幼虫が押したり菌床の一部が空洞化・劣化を起こしてもグラつかないようにしました。
完成したのがコレ↓↓
この写真だけ見るととてもシンプルな物ですが、自分にとってはここまでかなり長く感じました(疲) ちなみに、今回この記事を書く前にネットで調べてみたら、同じ構造で作った方が他にも居て面食らいました(笑)
取り敢えず投入する個体の用意数を見て5枚だけ作ってみました。
800ccボトル用の70mmサイズです。
4月30日、テストとして5本のボトルに各種幼虫、
・ツツイシカ ♂3令中期 ×4頭
・アスタコイデスノコギリ ♂3令初期 ×1頭
を入れて様子を見ることにしました。
幼虫を投入したら↑↑画像のようにディスクを中に設置し、フタを閉めます。
投入後幼虫がきちんと潜ったらボトルをひっくり返し、通気確保で割り箸を枕木とした上にボトルを置き冷やし虫家で管理。
テキトー飼育だったところからの菌糸ビン投入なのでサイズは期待していませんが、気のせいか投入後暴れも無く、壁面に出てくることもあまり無いまま2ヶ月ほど経ち、その後段々と壁面にも現れるようになり、今現在順調に蛹化・羽化に至っています。
10月30日時点で、興味深いことに5頭全てがボトル上部に蛹室を作り、ツツイシカは全頭羽化済み、アスタコは現在蛹と云う状況です。
今回のツツイは、
幼虫管理が前半は適当だったくせに、ボトル内の新成虫はショボイながらも自己最大を更新しそうなサイズに映っています(↑↑の画像は以前羽化した自己最大♂:ダナン産62mm)。
見たところ60mm台半ばでしょうかね。
なおアスタコだけは、サイズが思いっきり小さく、管理の仕方と言うよりエサが合わなかった可能性が高いです(汗)
実験としては条件もバラバラで数も極めて少ないですが、状況や使用種を見ながらこれからもこのやり方を試していきたいと思います(円盤だって安くなかったから使っていかないと損だしね)
今回の分(ツツイシカの分だけ)も、
1ヶ月くらい経ったら全頭掘り出してみて報告に挙げたいと思います。
今回もまた飼育ネタです。
オオクワガタの飼育法が公開されてから約30年が経ち、外国産クワガタの輸入が解禁されてから約20年が経とうとしている今現在、クワガタの飼育法の金型はほぼほぼ完成形となって落ち着いてきたように感じます。
大型化を狙う飼育方法でも、目からウロコの、意外なアイテムを飼育に転用したり、発想が面白くて妙ちくりんな飼育法が取り上げられたりするのは、一昔前に比べてだいぶ減りましたよね。現在では、合うエサのレシピの研究や管理の精度を上げたりと云ったぐらいでしょうか?
勿論これは自分が単に不勉強なだけで、実際には今でも続々と飼育法の新路線を模索している人達は大勢居るとは思いますが・・・
自分は飼育関連の情報となると、最近ではネット上の飼育ブログ記事や雑誌の飼育記事くらいからしか得ていません。
ネットの記事だと一番おいしいところと云うのは内緒だったりノータッチだったりすることが多く、雑誌の記事と云ってもその雑誌自体今となっては1タイトルしか生き残っていないので記事の絶対量も少ないものですよね。
そんな中、
その生き残ってる1タイトルの雑誌(まぁつまりBE-KUWAですね)の1年前の号で、久し振りに『面白い飼育法の紹介記事』を見つけました。
ブリーディングディスク? ほぉ~ゥ!!?
カタカナで書くと、「累代飼育用の円盤?」と意味が分からなくなってしまいますが、記事によるとブリーディングと云うのは、
繁殖作業/累代飼育の事(breeding)ではなく、
まして各種液剤の分離・にじみ現象(bleeding)でもなく、
呼吸に関連する分野、つまり・・・菌糸ビン飼育における安定した酸素濃度を保つための管理法(breathing)の事のようです。
飼育法の詳細やデータは執筆者の方が当時の誌面で書かれているので、一読者の自分がここでその内容を紹介するのははばかりますが、
簡単に言えば「幼虫を菌糸ビンに投入したらその上にディスクをはめ込んでフタして逆さにして飼育する」ワケです。
幼虫飼育中の通期確保・酸素濃度安定化を図る飼育法はこれまでもネット上や各雑誌でたまに考案・発表されていました。
ボトルやケースの側面に無数の穴を開けたり、ビンの底に砂利の層を作ったり、果ては酸素を出し続ける添加剤が現れたり・・・
良い結果が出たり出なかったり、その方法で効果があったのかは今でも答えが出ていないものがほとんどだとは思われますが、
「空気(酸素)の循環」と云うのは、大型狙いのブリーダーの間では今昔変わらず関心の高い要素なのではないでしょうかね。
さて、その記事を読んで早速自分も試してみようと、記事を参考にしながら
自分で使い易いように・そして作り易いようにアレンジしつつ、材料探しを始めました。
まず、作成の前に決めておかないといけなかったのが菌糸ビンの口・フタ部分の構造。
メーカー毎に異なるし、容量によって口径も違います。ディスクそのものをボトルのこの部分に取り付けて使う性質上、また、材料調達が簡単に進むか分からない現段階では、いくつかある種類の中から一つに絞っておかなければなりません。
おおまかに分けるとボトルのフタ構造には3つくらいの種類があるかと思います。
A・・・はめ込み型のフタ(タイベストシートをはさむタイプ)
ボトル本体とフタの間にタイベストフィルターや不織布をはさんで使うタイプ。通気はフタ天面に開けられた穴と、フタ外縁部にある段差部分の隙間から行います。主にPPボトルで使われるタイプ。
B・・・はめ込み型のフタ(フタの中にフィルターが組み込まれているタイプ)
フタの中に、スポンジ製または紙製のフィルターを内蔵しているタイプ。通気は内部のフィルターを通してフタの外縁部に複数ある穴から行います。主にPPボトル、クリアボトルで使われるタイプ。
C・・・ねじ込み型のフタ(ねじ回して締めるタイプ)
ボトル本体とフタの両方に付いたネジ山をかみ合わせて締めることが出来るタイプ。通気はフタ天面中央に開けられた穴から行います。主にクリアボトル、ガラスビンで使われるタイプ。
メーカーによってそれぞれさらに構造が微妙に変わってくるのですが、
今回このディスクを作るにあたっては我が家で一番使い勝手が良く在庫も多いCのタイプを前提仕様としました。
そして次に、ボトルを逆さにした際にディスクを菌床の地表部に突っ張らせる為の脚部分。
そもそも、記事に載っていたディスクが業者にオーダーして作ってもらったと云う事で、材料自体自分一人の力で全て手に入れることが難しく、出来るだけ簡素な作りにしたかったと云う部分があります。
元の記事では、この脚部分が800cc用では1ヶ所、1400cc用では2ヶ所で支えるようになっていて、材料としては樹脂製の円筒形キャップをネジで留めて支える構造になっていました。
そこから、「支点を増やせばネジだけで支える事も出来るのでは?」と思い、材料調達の簡略化を図り、キャップではなくネジを支柱材料にする事に。
メーカーによってボトルに詰めた菌床の嵩もまちまちなので菌床の地上部からフタまでの距離も違うのですが、参考にした菌糸ボトルから今回16mmの長さのネジを選びました。
また、ネジの頭の形状は幼虫の邪魔になりにくい低頭ネジ、材質は勿論(?)ステンレス製にしました。
同時に同じ材質のワッシャー、スプリングワッシャー、ナットも確保。
(わざわざスプリングワッシャーまで入れる事は無かったかな・・・?)
最後に、一番大事なディスク部分の調達。
これが一番苦労しました。元の記事では前述のとおりオーダーメイドとの事で、ボトルの口径に合わせて切り出した樹脂製円盤で、自分でこれを手に入れるには
1.同サイズ同材質(もしくは近いサイズ・材質)の既製品を探して購入する
2.同じ(もしくは近い)サイズで、異なる材質の円盤型既製品を探して購入する
3.樹脂板を購入して円形に切り出す
4.業者に製作を依頼する
以上4つの選択肢があるのですが、
「4」は個人的には使わない方向で考えます。そうなると「1」~「3」のどれかなんですが、早速「1」で探してみるとこれが大変で、全く見つからない(焦)
樹脂製の円盤なんてホームセンターか100円ショップを回れば余裕で見つかると思ってたらどこにも置いてなかった・・・
次に「2」、似たような商品・・・小皿、コースター、ディスプレイ用プレートなど、円盤型で通気穴の加工が可能で尚且つボトルの口径に合うサイズの商品が無いか探してみたのですがこれも見つかりません・・・。100円ショップでちょうどいいサイズの円盤型コースターを見つけたりもしましたが生憎材質が石膏、加工できねぇ!!
「3」も、値段を見ると分かりますがとにかく高っけぇ!! 何枚か切り出そうと思うとそれなりのサイズを買わねばならず、しかも薄手だと歪むし幼虫が噛み破る危険もあるので、材質次第ですが1~2mm以上の厚さは必須。しかしそのくらいの厚さになるとどうやって円形に切り出すか、労力と手段で難易度がグッと上がります。八方ふさがりです。
そんな中、色々と探していると、ネットでアクリル製の円盤を発見!!!!
流石にボトルの口径にピッタリ(口径より1~2mm小さいくらいがベスト) とまではいきませんが、逆さにしても隙間から幼虫が落ちない程度には合っています。
いくつかメーカーがありましたが、やたら高価な割りに商品説明が不十分なところが多かった中に一つだけ信用できそうなところがあり、そこのを注文してみました。
到着した商品を手にとってみてようやく一安心、メーカーの名前を見ると有名店のロゴが。青森に無いんじゃそりゃ見つかるワケ無いわな(笑)、これが去年の今頃の話です。
そして今年2月、我がキョウダイに東京でこれを探してきてほしいとおつかいを頼み、容器のバリエーションに合わせて70mm・90mm・100mmを複数枚を入手しました。しかし・・・1枚で200~400円は安くないな。
※おことわり※
あくまで自分個人で実験する為だけに材料を調達していますので、当記事で紹介している製品・材料についての情報は各自でお調べください。
そんなこんなで無事必要材料を揃えることが出来たので作成していきます。
元の記事では円盤を切削して、脚部分を取り付ける他、通気確保の為いくつか穴やスリットを開けています。自分も今回、円盤に直径3mmの穴を複数開けてみましたが、ボトルの口に円盤を合わせると隙間が割りと大きく開く為(ボトルの内径:約76mm-円盤の径:70mm=隙間は最大で約6mm、最小で約3mm)円盤自体にはそれほど多く穴は開けませんでした。
脚のネジは3点にし、幼虫が押したり菌床の一部が空洞化・劣化を起こしてもグラつかないようにしました。
完成したのがコレ↓↓
この写真だけ見るととてもシンプルな物ですが、自分にとってはここまでかなり長く感じました(疲) ちなみに、今回この記事を書く前にネットで調べてみたら、同じ構造で作った方が他にも居て面食らいました(笑)
取り敢えず投入する個体の用意数を見て5枚だけ作ってみました。
800ccボトル用の70mmサイズです。
4月30日、テストとして5本のボトルに各種幼虫、
・ツツイシカ ♂3令中期 ×4頭
・アスタコイデスノコギリ ♂3令初期 ×1頭
を入れて様子を見ることにしました。
幼虫を投入したら↑↑画像のようにディスクを中に設置し、フタを閉めます。
投入後幼虫がきちんと潜ったらボトルをひっくり返し、通気確保で割り箸を枕木とした上にボトルを置き冷やし虫家で管理。
テキトー飼育だったところからの菌糸ビン投入なのでサイズは期待していませんが、気のせいか投入後暴れも無く、壁面に出てくることもあまり無いまま2ヶ月ほど経ち、その後段々と壁面にも現れるようになり、今現在順調に蛹化・羽化に至っています。
10月30日時点で、興味深いことに5頭全てがボトル上部に蛹室を作り、ツツイシカは全頭羽化済み、アスタコは現在蛹と云う状況です。
今回のツツイは、
幼虫管理が前半は適当だったくせに、ボトル内の新成虫はショボイながらも自己最大を更新しそうなサイズに映っています(↑↑の画像は以前羽化した自己最大♂:ダナン産62mm)。
見たところ60mm台半ばでしょうかね。
なおアスタコだけは、サイズが思いっきり小さく、管理の仕方と言うよりエサが合わなかった可能性が高いです(汗)
実験としては条件もバラバラで数も極めて少ないですが、状況や使用種を見ながらこれからもこのやり方を試していきたいと思います(円盤だって安くなかったから使っていかないと損だしね)
今回の分(ツツイシカの分だけ)も、
1ヶ月くらい経ったら全頭掘り出してみて報告に挙げたいと思います。
【2018年度羽化報告 ツツイシカクワガタ実験分】 ⇒ 2019-4-12 『2019年羽化報告 ラオス産ツツイシカクワガタ』 |