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ゴホンツノカブト幼虫考察 ~プランディに支配されて~ [〆ゴホンヅノ (プランディ亜種)]

こんばんは、正月から完治していない気管支炎に風邪のダブルパンチで衰弱している会長です。最近は虫作業もタイピングもままなりません(苦)(辛)(鬱)


さてそんなことは置いておいて
今日の記事は言わば前回の続き・・・ゴホンヅノカブトについてです。

前回はタイ・チェンマイ県・ドイサケット産の原名亜種の飼育経過でしたが、
今回はベトナム・ラムドン省・ダラット産のプランディ亜種の一年についてです。
頭数の問題で、こちらは原名亜種とは比べ物にならないほど大変な交換作業を強いられました。その分、今までのカブト飼育で過去最高に真面目に飼育作業を進めていたと思っています(まだ1頭も羽化してないんですけど・・・)
それは、「2018年はプランディの年」と言ってもいい程で、他の虫がその分肩身の狭い思いをしていた事も多分気のせいではない筈です(ヤバい・・・あの虫もこの虫も危うい・・・)

作業の他、本やインターネット界隈で色々と情報収集をおこなっていたこの一年間の内容をこの記事にまとめてみますが、前回同様時系列を追って順に書いていくと支離滅裂になってしまうので、
いくつかの項目に分けて書いていきます。




飼育頭数

前回の割り出し記事で回収できた数をもう一度復習いすると、その数は65頭

そしてこれも前回言っていますが、羽化までこいつらを全て飼育していきます。
中型種とは言えカブトを65頭も飼育するのはその先結構大変なことになるのは分かっているのですが、これは自分の中で思うことがあって考えた結果なんです。

その内容の前に、まず今後の展望から書いておくと
タイ産もそうですがプランディは今回のWF1でブリードを切るつもりは無いです。つまり、その先F2以降もブリードを続けていきたいと思ってるんですよ。
その為にアウトライン用で2♀♀使ったワケです。

で、本題。
ゴホンヅノの飼育頭数に関して、諸々の情報を含めあちこちのホームページやブログその他SNSを見ていて気付いたのですが、
辛うじて少数産んだ場合を除いて、多産した後そのままほぼ全ての幼虫を飼い続けている方はほとんど居なかったんです。
勿論、これはあくまでネット上で調べた自分の見解であってこれら以外でもゴホンヅノカブトを飼育している人は沢山いるので、どなたも皆そうしているとは限りませんが、
運よく(?)多産した方々は理想的かつ現実的な飼育頭数に減らすべく、当然と言えば当然ですが仲間に配ったりオークションで売ったりしているワケですよ。
その結果、幼虫で少数購入(1・2令の4~5頭買いや3令ペア買い)して飼育を始める人は勿論、WILD成虫を買った人も結局少数の幼虫で飼育する事になると思うんです(10頭前後? 多くても20頭前後といったところでしょうか?)
↑↑・・・いやいや、勿論これは自分の勝手なイメージです何の根拠もありませんて(汗)

で、それが65頭抱える事と何の関係があるかと云うと
少数での飼育記録をつけているサイトの多くが、その後「羽化した」等の後日談が書かれていない傾向にあるのです。
勿論、そこに書かれてあるからor書かれていないからと云う部分だけで判断する事ではないでしょうが、
それなりに数を飼われているところでも羽化した頃にはある程度の割合で個体数が減っているようで、少数飼育のサイトにおいて言えば羽化内容を公開していたとしても「ギリギリ1頭~2頭の成虫しか残らなかった」と締め括っている場合が多く
無事に羽化する数が幼虫飼育時より多少なりと減ってしまう可能性を考えると、調子にノッてオークションで親虫購入分の元を取ってやろうなんて考えは極めて危険だと思ったワケです。
第一、そのサイトの一つはウチですからね(嘲笑)

(ただし少数飼育している方々は、『一回成虫まで羽化させられりゃ満足』と云うスタンスの場合も多く、そこが羽化についての情報の少なさに関係しているのかもと思っています)

さらに、羽化まで辿り着いた後も、次のF2を得るまでにいくつも問題があって、
♂と♀の羽化ズレ
休眠中の突然死
起きて活動開始しても動き・反応が鈍い(あまりエサを食べない等)
♂と♀の起きズレ
・・・と新成虫ブリード問題点の豪華盛り合わせのような、シビアな管理が続きます。
飼育が易しい種類であれば、羽化したペアの数がほぼそのままブリード数に直結できるところですが、ゴホンヅノの場合は上記の問題が積み重なり、「10頭以上も羽化してきていながら、次世代で産卵までこぎ着けたのはギリギリ1ペアだけだった」・・・なんて事にもなりかねないのです。

F2飼育に繋げていくための数多くのこれらの課題を乗り切るために、数を減らさないと云う布石を打ったワケです。


マット

兎にも角にも数を減らさない為に一番大事なのが言わずもがなマットでしょう。
最近は扱いがデリケートな小型のカブトも多く流通している事もあって、それら向けのマットもいくつか出てきています。
自分も今回は、タイ産原名亜種での失敗を繰り返さないようにそのような微粒子の万能型カブトマットを割り出し時のエサに使用しました。

その後、問題なく生存、順調に加令しました。1頭ほど落ちたのがいたかもしれませんし(ちょっと記憶が曖昧です)、1~2頭はマットの乾燥の所為か成長がちょっと遅れている個体も居ましたが、マットの選定は問題なかったという事でよさそうです。
(ただ、その成長遅れなど気になる個体に関しては、その後変態時や新成虫管理時に変調をきたす可能性もあるのでラベルにはきちんと書き残しておきます)

さてその次のエサ交換で使うマットですが、今度は別のメーカーの物を使うことにしました。
エサ交換についての話は後回しにしますが、このマットは老舗メーカーの比較的安価な菌床発酵系カブトマットで、今回の幼虫飼育のメインで使う物となります。
「あんなに死にやすい減りやすい言っておいてマット変えちゃうのかよ!」と思われるでしょう、
そんなこと言ったって、万能型マットじゃメーカー供給が少ないし値段がとにかく張るので自分が破産します(苦)
それに、せっかく飼うんだから大型個体目指したいじゃないですか。

まぁ面倒な点としては
安全のためにガス抜きしてから使う事
コバエ、トビムシが湧きやすい事
が挙げられますがしょうがないですね。

CA3I0864.JPG
ゴホンヅノ飼育を再開するまではしばらくの間ほとんどキノコバエは見なかったんですが、やはり大復活してきましたねぇ・・・
発生しているのは一部のボトルやケースだけなので、おそらくガス抜き中に潜り込まれたものと思われます。
春以降のマット交換には注意しないとな・・・


容器交換作業

これまでのエサ交換の段階別に、使用容器や飼育中の出来事など書いていきます。

第1段階
まずこの第1段階ですが、割り出した幼虫を万能型カブトマットを詰めたカップに1頭ずつ入れて個別飼育を開始しました。使用した容器は120ccと一部200ccのカップ
(ここまでは前回の記事で書きました)

CA3I0346.JPG
しかし、悔やむべきことにその後しばらくこのままカップで放置してしまい、最後には画像のように乾燥したフンの上に丸々太りきった2令幼虫が居るのが目立ってきてしまいました。
先に書いた通り、成長が遅く2令初期の個体も僅かに居ましたが、幸いにしてやせ細って縮んでいる個体はいませんでした。


第2段階
カップのまま3ヶ月経った5月、ようやく次のエサ交換を行いました。
この段階からマット使用量がグッと増えるので、準備したマットも120リットル発注と云う今まで頼んだことの無い大容量。

それに併せて準備したのが2令幼虫以降の飼育に使う容器。これがまた大変でした(汗)
クワガタ用のビンやボトルは沢山有りますが、カブトに使うとなるとどうにも狭くなってしまうんですよねぇ、500ccとか800ccでは。
と云う事で容器も新しく買って仕入れる事になったワケですが、飼育頭数の都合上、大きなケースを全頭にあてがうと他の虫が温室から押し出されてしまうので、スペースや財布と相談した結果、無難にブロー容器を仕入れることにしました。
容量は1800cc、いわゆる2リットルサイズです。

そして、ココが個人的に大事としているところですが、通気穴は自分で開けます。
既に穴が開いている物を買うと大体は、小さい穴であったり、ど真ん中に大きな穴が1個だけ開いていたりしますよね。
個人的には、一定のそこそこ大きな穴が2個以上欲しいのです。
加えて穴の保護については、内部から食い破られる危険性が高いのでフタにシートは挿まずタイペストシールを貼るので、真ん中や縁の近くなど要らない所に最初から穴があるとキレイに貼れず邪魔なんですよね(真ん中にある場合、その穴を避けて理想とする穴を開け直すのでシールを貼った時にその部分の処理に困るんでちょっと迷惑なんです)
と云うワケで穴開け未加工フタのブロー容器を仕入れ、フタには3令幼虫がギリギリ通れないであろう16mm径の穴を、シールがキレイに貼れる適当な位置に2個開けました
CA3I0899kai.JPG
3個でも良かったけど、数だけに作業が結構大変なのとシールの消費が激しいので2個が限界でした・・・)

この他、はじめから家にある他の2リットルや1.5リットルのブローもかき集め、それでもちょっと足りなかったので容量約1.4リットルのデジケースHR-1も使いました。


ちなみに、
マットは120リットル用意したと書きましたが、交換作業が全頭終わる前にマットが足りなくなってしまうハプニングもありまして(!!!)後日追加で30リットル発注し(そもそも、ここのメーカー10リットル袋なのに8~9リットル程度しか入ってない感じがするんだよなァ・・・)、結局全頭のエサ交換が終わったのは7月になった直後でした(汗)
このブロー容器集団の為に、管理温室全体の内約半分ほどが奪われてしまいました。飼育部屋はさながらプランディの支配地です。

交換後、幼虫は5~7月の間に次々と3令へ順調に成長し、勢いよくマットを減らしていきました(嬉しいやら後が怖いやら・・・)


ただ、残念なことにこのブローへの交換後、次の3段階目のエサ交換に進むことなく死んだ幼虫が2頭AラインとBライン1頭ずつ)居りました。それぞれマットの上と底で、見た限り拒食のようでした。


第3段階以降 (現在)
ブローに交換して以降、時期も夏と云う事で自分は山に!!山に!!そして山へ!!!・・・と採集三昧で、秋までほとんど手付かずでした。
理想としては、5月にブローに入れた幼虫なら8月には一回換えといた方が良かったのですが、エサ交換に手が回りだしたのは秋に入ってからでした。

ガス抜き待ちの期間や作業時間の都合もあってマット交換は全頭一気に出来ないので、優先すべき個体を選びつつ10月から順々にマット交換を行っていきました。12月に突入すると、冬という事で容器洗浄やガス抜きで時間がかかりなかなか数がこなせません。そして今もなおこの段階の作業は続いています。

CA3I0795kai.JPG
↑↑この幼虫は10月21日にマット交換した後の12月9日の様子です。もうフンの上でひもじそうにしています。


この頃になってくると体格や体重差で♂♀の判別も付くようになってくるので、♂と思われる個体は今回の交換でさらに大きい容量のものにしていきます。
3リットルブロー容器(※奈良オオ「H」ブロー)
コバエシャッター 中サイズ
Beケース 中サイズ
など、次々と温室のスペースを奪っていきます(苦)
ただ、体重や容器の都合も見て、一部の個体は容器を今はまだ大きくしないで4回目以降に替えてみようかとも考えています。

他、興味本位でこんなケースにも入れてみました。
CA3I0895.JPG
見える観察ケース(笑)
何年も前に国産カブトに使って以来ずっとしまいっぱなしだったのでたまには使ってやろうと思ったんですねぇ。
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底の方は47mmで、蛹になった時の脚や胸角の事を考えるとギリギリのようで心配です。
小さく蛹化してしまえば余裕でしょうが・・・それは嫌だなァ・・・

今ヤマイネから販売されている『見える観察ケース ラクぼっくす』ではなく、昔池田工業社から販売されていた『カブトムシの見える観察ケース(現在は販売終了)です。
移り変わりの早いおもちゃメーカーから虫かごや飼育ケースが無くなっていくのは惜しいものですが、このケースは容器底の隅が尖って洗い辛いし、経年劣化で細かいヒビや変形でフタが歪んできているのでもうこの先使うことも無いかも知れないと思って、使い納めの意味も込めての使用です。・・・と云うか、「観察」ケースなのにタワシで擦って何度か使った所為で中の様子が曇って見え辛いです。蛹室を作っても果たして中がちゃんと見られるのかどうか・・・

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容量は3リットルちょっとです。特大狙いとしてはちょっと小さいですが、2次元空間の広さを上手く使ってくれるかどうかで、ひょっとしたら思わぬ結果が出るかも知れません。
これは、英断なのか、会長の道楽なのか。


しかし、こうして色々な容器に替えていった中で、
1種類だけ完全に失敗した物がありました。

CA3I0796.JPG
それが、この写真の中にある3.25リットルのクリアボトルでした。

♂用の3リットル級容器を探していて目に付いたので、4本在ったこのボトルに入れて普通に温室へ戻したワケです、これが去年12月9日の事でした。
それからまだ数日しか経っていない内に、作業時には潜っていってたハズの幼虫が地上に上がってきているのが1~2本出てきました。そしてさらに数日の内に、4本全てのボトルで幼虫が上がってきているのを確認しました。
CA3I0853.JPG
フタを開けるとこんな感じ(焦)
「偶然上に上がってしまってもがいている内にマットが締まってしまい潜れなくなってるかも知れない」と思い、試しにマットをかいて中に幼虫を埋めてみたりもしましたが翌日~翌々日には同じ位置に戻ってきてしまっていました。

どうしてこうなってしまうのか??
この出来事だけを切り取って見てしまうと、
マットのガス
ワンダリング
などを疑いたくなると思いますが、飼育者としてそれは考えられないのです。

と言うのも、一貫してマットは1~2週間ほどガス抜きをしてから詰めていて、このクリアボトルと同時に作業した別の容器では全頭落ち着いて潜っています。
そして、上の画像からも少し読み取れますが、それなりにマットを食べていて身体の張りもあって特に痩せてもいなかったのです。

そうなると、もう答えは一つしか出てきませんね。
酸欠だったようです。
CA3I0900.JPG
3.25リットルと云う容積に対して狭い口と通気孔は直径8mmが中心部に3個、今回のゴホンヅノに限らずこのクリアボトルは使う前に通気対策が必要なのかもしれませんね。

この後、この4頭の♂達はBeケースの中サイズに替えたところ(マットはクリアボトルに入れていた分も全て引き続き使用)先日までの事が嘘のように潜って落ち着くようになりました。


体重幼虫期間羽化サイズ
さてここからはゴホンヅノカブトの飼育羽化サイズについて、体重幼虫期間の2つの要素を主軸にして今後の課題や現状の問題点などを書いていきます。

とは言え、自分はまだタイ産♀1頭しか羽化させられていませんし当時のデータもありませんから、あくまでも参考にするのは専門誌やインターネット上で公開されている飼育記録のみです(苦笑)

まず、シーズンになるとタイ産原名亜種ならば大量に輸入されているはずの本種ですが、まともに飼育の経過が書かれた物が殆どありません。
書籍に関してはほぼ皆無に近く、飼育方法の説明も「その他カブトムシetc.」と一括りにされ何ら詳細は書かれていません。
(数少ない飼育情報が載っていたのが、石米亨氏著『Wonderland Beetles(I)世界のクワガタムシ・カブトムシの飼育記録』と、世界文化社発行の『外国産クワガタ・カブトムシ飼育大図鑑』でした)
インターネットサイトでも、「WILD購入しました~!!」「幼虫手に入れました♪♪」とスタートを切ったその後、先に進むにつれ内容が止まるサイトが増え、WF1成虫羽化まで辿り着いているところは少なく、その上参考になるような途中経過を残しているサイトはさらに少なく指折り数えるほどしか無いのが実状でした。
(大半が採卵記事までで終わってるんだよなぁ~)
あ、ちなみに飼育関連の情報はプランディについては皆無で、いずれもタイ産原名亜種の話になります。

それら貴重な情報源にむしゃぶりついてみると、
現在の我が家の幼虫達の現状や将来が客観的に見えてきました。


幼虫体重については、計量情報は多くありませんでしたが、ネット上だけだと
3令の最大体重20g台後半~60g台前半とやや幅があり、
20g台後半~45g
30g台~60g台前半
といったところです。
しかしあくまでもごく少数のサイトの「おそらく最大時と思われる」体重をかき集めた数字なので、実際のところはそれぞれの両端の数値はもうちょっと増えている可能性もあります。
また言い訳がましいですが、中には「最大体重」ではなく「最終体重(最大時から減っている)」も含まれているかも知れないです。

そしてもう一つ、書籍の方ではBE-KUWAのカブト飼育ギネスで掲載された個体の飼育コメントに最大体重も書かれていて、
14号(2005年) 56g・・・成虫体長89.0mm
27号(2008年) 66g・・・成虫体長93.4mm
とあります。

そして一方我が家の場合ですが、
体重計測は3令になってマットをしっかり減らした後の、秋の交換時から始めました(2令の時や3令になった直後で量るのはほとんど意味無いかなと思います)

去年秋~年末の頃までで行ったエサ交換では、
CA3I0775kai.JPG
38?g~40g台後半
50g~60g

と好調。特に、♂が1頭60gに届いてくれた事と、タイ産♀が大体30g台後半と比較的軽かった事から、こちらのほとんどの♀が40gを優に超してくれた事で気持ちにゆとりが出来ました。
ただ、幼虫が凶暴な性格のために掴んで正確な雌雄判別はしないで、ある程度二分化されてきた体格の違いから目視で雌雄振り分けていたので、もしかしたら♀と思った個体の中には小さな♂も含まれているかも知れません。
この際、50g後半以上の♂個体を選抜し、前述の3リットル以上の容器へ移しました。


やがて年が明けて、いくつかのボトルやケースにコバエが発生していることが発覚し、やむなく4回目の交換をしなければならないものが出てきてしまいました(汗)
3回目の交換もまだのボトルが何本かあるのに・・・

コバエやトビムシが大量発生すると、マット全交換&容器洗浄&幼虫洗浄と作業に時間がかかるのが辛いのですが、
先日2月24日作業分において、見た事も聞いたことも無い数値が体重計に表れました。

CA3I0896kai.JPG
何の間違いかと思いましたよ。
マットも落とし、洗浄中にフンも一度出していると云う状態でこの68gと云う数字。BE-KUWAのレコード個体より重いじゃん・・・!!!!!
さらに、この日は他に67gと云う個体も出現し、体重だけならこの先どんなサイズの成虫が出るか予測もつかない領域に突入してしまいました。
・・・まァ・・・体重だけならねェ・・・・・・・・・
・・・羽化「すれば」ねェ・・・・・・


孵化時期から辿って数えると、12ヶ月を経てなお体重を増やし続けていることになります。
体皮の張り具合や体色の黄色味が強くなっている点から見るに、もうそろそろ成熟期に突入し増加もストップする頃かと思いますが、他のサイトだと早い個体では6ヶ月もするとピーク体重を迎え黄化しているようなので、単純に計算すると参考にしたサイトの個体の倍の幼虫期間を想定する必要がありそうです。

ここまでの体重激減例
68gに自身若干有頂天気味ではあるのですが、残念ながら増加した個体ばかりではなく若干または大幅な体重減少を起こしてしまった個体が居たのも事実です。

まず、この幼虫を見て体重の増減の推移を予測してみてください。↓↓
CA3I0878kai.JPG


このように、フンだらけで明らかにマット不足な中に居る様子は明らかに危険です。
そこからの関係で推察するに、さぞ体重もピークを過ぎて減少した事だろうと思うところですが、これについて言うと減少していません。正確には、「まだ減少していない」と言うのが正しく、流石にこのまま2ヶ月・・・3ヶ月と放置していると痩せていくとは思います。

さて、ややこしい前置きは忘れて(←オイ!! )、2リットルブロー中で放置されていた個体の中に体重が激減してしまったものが1・2頭見つかりました。
年末年始あたりに計量だけした時には40g台そこそこまでいっていた♀でしたが、♂幼虫や他の♀幼虫に遅れマット交換が後回しにされていた個体でした。

2月、ボトル内部の様子は上の画像とはまるで違うものでした。
フンがゴロゴロ溜まっている代わりに、全部のマットが粘っ気のある粉状に分解されていてボトルの半分以下に。幼虫はその粉っぽいマットを全身に纏った様子で、前より縮んでいるのは明白でした。
カブト飼育に慣れている人ならもう予想がついていると思います。
線虫でした。

ボトル内壁をウニウニのたうつ様子はコバエの幼虫と大して変わらないんですが、この我が家の環境下ではコバエとは比にならないくらいマットの分解能力が高いようです。オカゲサマで幼虫はエサが無くなったか泥化したマットの所為で酸欠のようになったのか、身体の弾力を失いブニブニしており、体重も30g台半ばで前回から10g程度も落ちていました。
同じマット害虫でも、トビムシやキノコバエは大量に発生しながらも幼虫の生育には今のところほとんど影響が無いのですが(それでも迷惑なのは事実だけど)、大半の容器ではほとんど混入・繁殖していなかった線虫がこれほどまでに飼育個体にダメージを加えていたのはショックでした。

・・・と言うか、画像貼れよって話ですよね・・・(スミマセン、撮り忘れました・・・)


閑話休題、幼虫期間の話に移っていくんですが、
ゴホンヅノカブトって・・・一体幼虫期間はどのくらいの幅があるんでしょう?

検索して目に付く飼い方説明サイトだと、ほとんどが「1年~1年半」と云う紋切り型の説明ばかりで、これらの説明文は良く言えば無難、悪く言えばどっかで書いてた事の使い回しのまた使い回しだろオイ!!・・・あ~~ゴホッゴホッまだちょっと風邪が治ってないみたい(焦)

で、結局自分も以前の飼育データゼロなのでインターネットサイトの記事収集(恥)
数日間色々なワードでゴホンヅノ飼育について探し回って情報を統合すると、
幼虫期間だけで♂♀共8~22ヶ月蛹期間は1~2ヶ月
これだけ見るとホントにバラバラですが、少数飼育の方の記録で括ると、同じ環境で個体ごとに何ヶ月もズレが生じてはないようで、
「Xさんの飼育している幼虫は大体皆1年未満で羽化」
「Yさんの環境ではどれも1年半近く経った3月以降に羽化してきた」
という感じで、飼育者(飼育環境)の違いで幼虫期間はそれぞれ違うけども、同じ人が飼ってる環境内で個体毎に幼虫期間が激しくバラける事は無いと云う印象です。
出所が同じ幼虫でも、飼育者・飼育環境の様々な違いによって生育状況や成長スピードがまるで違っていると云うのが興味深いです。これでは、「このくらいの容量のケースで〇〇℃ぐらいで飼育すればこのくらいの期間で羽化するよ!」とは言えないワケです。・・・まァ栄養価の低いマットで狭い容器で高温飼育すれば早く羽化させる事は出来ると思いますが・・・

(つまり、これだけ長々駄文をこしらえといて
「結局ゴホンヅノ飼育はよく分からん」と言いたいんだな)



しかし、あちこちの羽化♂個体の写真を眺めていると、羽化時期のコントロール方法については解らないものの、メインテーマである羽化サイズについてある程度傾向が見えてきました。

孵化して概ね1年以内に羽化している♂はほぼ皆体格の大小問わず角が短くなっている傾向にありました。
中型カブトと云う事もあってか、ゴホンヅノ飼育者の大半が1年羽化を理想とし長々幼虫飼育をしたがらない方が多いようで、さっさと体重を上げて早めに羽化させる方向で管理しているように見受けられます。

結果、蛹化→羽化した♂個体を見ると、そのほとんどが頭角と胸角の肉付きが良く野外個体よりも全体的に短い角になっています(それなりに体格の大きい短い角の♂を『極太になった』と表現されているところもありましたが、ゴホンヅノの特徴として月刊むし253号の報文中から一部引用すると、“本種♂の頭部の角はやや不連続に変化し、大型個体では細くて非常に長いが、移行状態を示す個体がほとんど見られないまま、中型個体では急に頑丈で短いものとなる。ただし中型個体から矮小個体までは、連続的に短くなってゆく。”とあります。ここをそのまま参考にして考えると、それら1年羽化の個体は体格こそ大型個体に肉薄すれど、頭角については伸びきらないいわゆる「短角型」の範疇であると言えるのではないでしょうか)

その一方、多くの幼虫を抱えている飼育者の方では、1年羽化する個体も多数いる他にずっと幼虫のまま蛹にならず1年半~2年近くも幼虫でいた個体群もいたと書いていて、それらの羽化した画像を見るとWILDで見慣れている角が長く伸びた個体が見られました。
少数飼育者の方の個体でも、環境の所為か幼虫期間が長引いてしまっているものは割と長角型の♂成虫であるところが多いように見受けられました。
ただ、長角で羽化するための前提として十分な幼虫体重は必要で、長い期間幼虫やってたからと言っても大きくない幼虫は短角に留まってしまうようです。

次に興味深い点として、先ほど「同じ人の環境で大きく幼虫期間がバラけることは無いみたい」としつつも、ただし「1年羽化の個体群の他に1年半~2年掛かる個体群も居る」とした部分。
こんがらがってくるので内容を複合すると、
《羽化までの期間が2パターンに分かれる》という感じでしょうか。
飼育者それぞれで飼育環境は違い、厳密に温度が一定で管理されるような環境も多いので、全ての飼育者の記録がきっかり〇ヶ月と△ヶ月に分かれると云う事は無いですが、短期間で羽化した個体群と長期間経て羽化した個体群は約1年のズレが起こっているようです。
ほとんど今さっき書いた事と内容が被っているあたり、自分の文章力の無さにうんざりしますが(汗)、つまるところ概ねこの2種類の幼虫期間は頭角(もしくは胸角も含む)の発達度合いの分かれ目になっていて、

1年未満~1年前後で蛹化する個体は短角型になる

1年を優に過ぎてから蛹化した個体は長角型になる

という事になるのでは・・・と。
・・・何かひとこと言いたそうですが、えぇ分かってます・・・・・・・・・

先に書いた通り飼育環境はそれぞれの飼育者のところで違うので、例えば「13ヶ月で蛹になったのはどちらのパターンになるのか」知ったこっちゃない判断しかねるのですが、少なくとも「2年も幼虫飼ってるのダルいから1年でどうにか角の長く伸びた♂を見たい」と云うのは難しいのではないかと思います。
そもそも幼虫期間が長ければ『飾り』が立派になるのは論を待たずしても解る事(←これでしょ?言いたかったのは)クワガタでも言える事ですが、それでも1年羽化が望まれるのは
マット交換や飼育環境次第で孵化後半年ちょっとの期間でほぼMAX体重まで太らせることが出来てしまう事
実際のところ、稀に1年程度の期間で長角が蛹化することもある事
なのでは? と思うんですね。
角の発達変化を、連続的な変化を起こすヘラクレスオオカブト国産カブトと同じように考えてしまう事で、「体重を上げれば角も伸びる」と思い込みがちなんです。
ところが実態としては、(クワガタの例ではありますが)ツヤクワガタ属オキピタリスノコギリクワガタのような段階的な変化を起こしていて、ぶっちゃけ分類的に近いとされるコーカサスオオカブトもこのパターンなんですよね。
(※あくまでも個人的な所感です↑↑)

逆に、頭角の話を除けば、1年羽化でも体重さえ十分有ればそれに見合った分の体格で羽化するとも言えます。むしろ短角型なら、角に栄養を持っていかれない分胴体の方に栄養を還元できるでしょうからね。
プランディの記載文に書かれた体長(口から測ったサイズ)は、
48.1~73.9mm
46.0~62.5mm
とあり、タイ産も同じくらいか0~5mmほど大きいくらいと考えていいと思われます(我が家で羽化した唯一のWF1♀も65mmあったしね)
流石に♂の最大クラスとなると2年モノでないと生まれなさそうな気はしますが、この数字は実に200頭以上の個体を基にしているのでなかなか頼りになるのではないでしょうか。

角を含めて♂のサイズを求めるとなると、
無理のない程度に頭を屈ませ頭角が前に出るようにし、頭角の先端(または後ろに反り戻る直前)から上翅先端(または腹端)の2点間を測るワケですが、
ここで短角型と長角型の差が数値になって現れるんですね。
おまけにこれがゴホンヅノの厄介な部分なんですが、長角型で同じ長さの角であっても、強烈に弓形状に反り返る個体や、反りが弱く比較的真っ直ぐ前に伸びる個体など形状は千差万別で、角を含めたサイズなんてもしかしたら意味が無いのかも知れませんね(苦笑)

ただ、気になる事はあって、ヘラクレスなんかだと長い角が折れないように前蛹時に蛹室の頭部側を露天掘りして開け放つやり方が知られていますが、ゴホンヅノの場合で蛹室の空間が蛹化時の角の伸長を妨げる事が全く無かったらたらどんな角が出来るんだろう・・・と思うんですよねぇ・・・
その為にもやはり長角の期待値が高い幼虫をたくさん育てる価値は大いに有るワケですね。

我が家の場合さっきも書いた通り体重増加に約1年間掛かってしまっているので、
成熟期も見積もればおそらく羽化までにはトータルで1年半はかかると思われます。
(とは言ってもそもそも1年で羽化させるつもりも無かったですが)
体重さえ減らさなければ(そして死ななければ)それなりに見応えのある蛹・成虫が見られると思いますので、このまま1年半・・・いや2年掛かっても全然イイから、無事に生き残っていってほしいところです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それにしても・・・
羽化まで最長2年、そして羽化後活動まで1年掛かるとしたら、
1世代回すのに3年も経ってしまうワケですね♪♪
すごいぜゴホンヅノカブト!! ネプチューンオオカブトやゾウカブトと同クラスってことか!!!

正直な話、採集や標本もやってる所為か最近なんだかサイクルの早い虫を飼うのが大変になってきてて、時間の掛かる虫がますます好きになってきてるんですよ(笑)
だからアクタエオンとか再開したのヨ。
だからもう、自分としても今回のWF1プランディは幼虫期引っ張って引っ張って真っ黄色にしてやろうと思っています、羽化ズレは嫌だけどね・・・


なんにせよまだ♂成虫が未見なので、短角ではなく立派な長角を見られるように、そして超難関とも言えるF2のブリードに続けられるようにしっかり世話していきたいと思います。









・・・と云う事で、どうにかこうにか意気込みを綴って締めの文としましたが・・・・・・!!?



あれッ!!!? もう誰も読んでない!?!?(汗)[あせあせ(飛び散る汗)]



WILDのゴホンヅノカブトだったら、最後まで読んでる間にもうとっくに死んでるよな。

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