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令和元年 ライトトラップ全記録 9月 [日昆 採集記 【2019年】]

今年のライトトラップ記録、4日連続でUPしてきましたが今夜は最終月・9月分です。


※気温や湿度に関しては、採集時間中を通しての記録と云うワケではなく、記録に残している内の一部のみ切り取って載せている日もあります。
※主な成果は、持ち帰るか否かに関わらず、特筆するべき種類や個体を主観で選別して挙げています。





 9月1日(日) 市町村B‐3(三八上北地域)
【 温度 】 16.2℃
【 湿度 】 78%
【 天候 】 晴れ 強風
【主な成果】 無し

7月分の挽回の為、8月の新月回りは出来るだけ休まず行こうという事でこの日も市町村Bへ。この日はちょっと場所をずらして違う山の斜面を照らしてみることに。

しかし、この日は流石にライトトラップには厳しい条件。

満天の星空(つまり晴れて放射冷却)
爽やかな空気(乾燥。78%と云う数字は温度が下がって飽和量が変わっただけで、元々は更に低かった筈)
激しい横風(全然虫が来ないし場所的に回避しようがない)
目の前を走り回るウサギ(邪魔くせぇ!!!)

ノコギリだかミヤマだかの♀が2頭ほど遠くに落ちていたが、
1時間ほど経っただろうか、馬鹿らしくなってきて撤退。
せっかくの別ポイント調査だったがあまり意味が無い日だった。


 9月2日(月) 市町村D(三八上北地域)
【 温度 】 18.5→17.3℃
【 湿度 】 80→90%
【 天候 】 曇り
【主な成果】 オオクワガタ♀

昨日は精神的に疲れたのでロケーションを切り替え市町村Dへ。
市町村Bも今期よく通ったが、こちらもオオクワの♂を狙っていかないと累代が危うい。

昨日と比べて条件は少し上向いているのでイケるだろうと思いきや、あまり飛来数のペースが上がらない。時期も遅いので他種の飛来が多ければ良い日だと云うワケでもないが・・・
たまに見栄えのするノコギリの♂などが来るので、空中に視線を向ける集中力も続いている。

正直にライトの正面に飛んでくるので、狙いを澄ましてスウィーピングの練習もするが、なかなか上手く捕えられない。

そうしている内に、また飛んで来た何かを見事振り捕らえた21時06分
それがこの日最初で最後のオオクワガタだった。

CA3I0416.JPG
大腮含め全身傷・摩耗無しのド完品個体。
それどころか大腮内側には羽脱時に付いたと思われるフラスがまだ残っていた。
羽脱当日だろうか。コイツは組んでも絶対・・・絶ッ対産まない。


 9月3日(火) 市町村B‐2(三八上北地域)
【 温度 】 20.5→20.0℃
【 湿度 】 78→75%
【 天候 】 曇り
【主な成果】 無し

市町村Bはやはり正直にこの夏通い続けた場所で粘るべきだろうと、前回のような変化球は止めてB‐2のポイントで点灯。

大量に飛来する雑虫としては、アリが多いポイントや、カゲロウが多いポイントなどは在ったが、このポイントは見ているとやたらハエが多い。飼育でよく見るキノコバエの仲間と思われるが、この日は特に多い。

いつもながらの、ミヤマ・ノコギリ・コ・オニの4種のクワガタが飛んで来たが、数は少なくギリギリ2桁に届いたあたりで飛来はストップ。21時半過ぎで消灯した。


 9月5日(木) 市町村J(三八上北地域)
【 温度 】 17.6℃
【 湿度 】 88%
【 天候 】 晴れ
【主な成果】 なし

まだ行った事の無い市町村に一度は挑戦しておこうと思い立ち、ライト初挑戦の市町村へ。
一日とは言え鬱憤が溜まっていたのか、悪条件だった昨日からあまり好転していないにも関わらず新規ポイントに入った結果は散々なものだった。

まず、気温が低い。空は晴れて放射冷却が起こっている。
湿度は88%を指していたが、気温が高かった日中の状態から空気中の水分量の変化(海からの湿った風や雨)が無く、温度だけ下がり飽和水蒸気量が少なくなった為に相対的に湿度が高く表示されているだけで、「空気中の水分量が多い=蒸している」ワケではない。
『昼夜の気温差』が肝で、これでまんまと「うん、今日は湿度充分!イケる♪」と思って空振りしてしまうワケ(自分も今年になって気付いた・・・勉強って大事だな・・・)
実際、空気は「ひんやり」と感じるだけで、「しっとり」とした感覚は無い。

そして、月の影響。この日のあたりから月も膨らんできて、沈む時刻も夕暮れ直後から夜遅くにずれてくる為、林道に入っても割りと明るい。

極めつけは、下見をしなかった為に、ライトをパッとつけたらその先がスギ林だった事。

ガもほとんど飛んで来ない。

CA3I0421.JPG
唯一飛んで来たクワガタは、台湾の小型種みたいな毛の擦れたミヤマ♂。


 9月6日(金) 市町村K(三八上北地域)
【 温度 】 21.7℃
【 湿度 】 85→90%
【 天候 】 薄曇り のち晴れ
【主な成果】 無し

去年、新ポイントを発見し何度も通った当時未開拓の市町村がある。
良ポイントなのだが、ライトを掛けるには風に弱く標高がやや高いと云った条件があり、採集できる時期とタイミングがややシビアな場所でもある。

そんな場所にもかかわらず今年はまだ一度も顔を出していなかったので、秋が深まってしまう前に一発「挨拶」に来ておこうと思い、夕方に急いで出発した。
ここ数日、採集条件が整わず特に気温に泣かされてきたのだが今日は何とか高いまま保っていてくれそうだ。

現地入りすると、去年と比べて虫の落とし場所が少し荒廃していた。誰も来ていないのか?
気温と湿度はセーフ・・・しかし・・・、・・・半月の影響が強く厳しいのは変わらない。雲は多いが薄くてぼんやり月の位置が見て取れる。

到着早々に点灯開始、
前の日までよりはましだが虫の勢いはやはり弱い・・・ヤママユやキカマキリモドキ、エンマコオロギなど秋の虫に焦燥感を煽られながらカタい虫の飛来を待つがまるで反応なし。既に記憶が曖昧になっていてこの時ノコギリの♀くらいは飛んで来たかも知れないが、そのくらい何も来なかったという事である。
そんな状況のまま数十分が経過・・・

ライト正面に久し振りのヒット。黒い♂の影がユラユラと迫ってきたところを逃さず網でキャッチ・・・!

CA3I0251kai.jpg
サイズは普通だが良型のコクワ・・・!
時刻は20時半、いよいよ今夜も本番入りか・・・と思った矢先、頼みの綱だった雲が散開。あいつらはどこに行った!?!?

それから一気に静まり返った。満天の星空の下、機材を片付けるのも月光のお陰でとても楽チンだった・・・


 9月7日(土) 市町村D(三八上北地域)
【 温度 】 22→20℃
【 湿度 】 80→90%UP
【 天候 】 晴れ 時々曇り
【主な成果】 オオクワガタ♀

日に日に月が膨らんでいく中、心配なのは雲の量ただ一つ。
今年のこの時期なら、雲が空を覆ってさえいれば気温も湿度も保たれるのだが、現地に到着すると7:3くらいで星空が見えている・・・山に入る前はしっかり曇ってたのにィ!!

ライトを点けると早速カメムシが集まってくる。そして、市町村Tでお馴染みの大量のエゾハサミムシが群がってきた。
CA3I0427.JPG
数は市町村Tで出くわすほどのインパクトは無いものの、身体に付いてからチョロチョロ走り回り、服の中に入った時のチクチクした不快感はアリやガのそれとは比較にならない。

月がまだ山裏に隠れている内に勝負を決めたいと思っていたが、既に背後の山の木立の隙間から黄色い光が洩れてきていた。
そうなると、ライトアップしている正面の山肌からは月が見えているワケで、案の定クワガタは飛んで来ない・・・

雲は、流れは速く続々流れてくるがなかなか上手い具合に月を隠すルートにはまってくれない。
ゴールデンタイムに差し掛かっても状況は変わらず、飛来したクワガタは僅かに月が隠れた隙に飛んで来たノコギリ♀とアカアシ♀の2頭だけ。

CA3I0424.JPG
↑↑ライトの横にはしっかりと月の姿が。カメラの性能でぼやけて真ん丸に写っているが、半月である。


しかし、ダラダラと雲観察し続ける間に時間が大分経過していて、月が移動してもうすぐで正面の山の裏まで渡り抜けようと云うところまで迫っていた。
虫は落ち着いてしまっているし時間的にもキワどいところだが、敢えてこのまま採集を続行。

そのまま時間が経過・・・
西へ流れた月が、間もなく山に埋まろうとしていた時だった。

頼りげの無い小さな雲が月に掛かった1分前後の間に、久し振りの大型甲虫が飛び込んできた。

CA3I0428kai.JPG
21時19分、やっぱりこのポイントは今年の青森の中では一番のあたり場所なんじゃないかと思うほどの好感触があるのだが・・・やっぱり♂は厳しいか・・・

この後、完全に月は山の裏に隠れたものの、遅い時間でもう虫が動かなくなり今度こそ終了。
粘った末に来たこのオオクワも、どうしようもないのでリリース。
あァ・・・今年はもう諦めるしかないのか・・・?


 9月9日(月) 市町村D(三八上北地域)
【 温度 】 22.4→20.5℃
【 湿度 】 90%UP
【 天候 】 晴れ のち曇り
【主な成果】 無し

この日も雲に踊らされただけだった。

月齢も悪く、今週十五夜だと云う時期にもかかわらず、雲がかかりそうと云うだけの理由で山へ突撃。先週の出来事が脳裏にチラついていたのは言うまでもない。

現地に入ると、やはりと言うか、月がキレイだった・・・
今日に至っては、前回と違い月以外の条件も悪い為長丁場で粘るのはほぼ意味が無いと判断。時折現れる雲も役に立たず、チャイロスズメバチと2戦して終わった。
機材を片付けて道を戻ると、水銀灯の明かりが・・・。こんな時期に自分以外にもライトを焚きに来るなんて物好きだなァ・・・と徐行してすれ違おうとすると・・・知り合いだった。
八戸のY氏で、久し振りの再会で近況報告に花が咲いてしまったがライトはこちらも無駄咲きで終わってしまった。


ちなみに翌日、広く分厚い雲が県内全域を覆った。
青森市内では溜め息をつく虫屋が、八戸市内では歯軋りをする虫屋が恨めしく空を見上げていたのである。今期ほぼ最後のチャンスだったんだけどなァ・・・


 9月28日(土) 市町村D(三八上北地域)
【 温度 】 15.9→14.6℃
【 湿度 】 86→90%UP
【 天候 】 薄曇り 微風
【主な成果】 無し

日中は爽やかな秋晴れだったが、午後から雲が広がり急に暗くなってきた。
既にヒメオオ採集のモードに入って久しかった自分も、「あれッ? これって・・・」とソワソワしてきてしまった。
そこにタイミングよくNo.7から電話が入り、勢いで「今夜現地で会いましょう」と口をついてしまった。

野暮用を済ませた頃には18時過ぎ。現地へ到着した頃には既にNo.7はライトを煌々と焚いていた。
青森でこんな時期までライトのチャンスを窺っていた彼も奇特だが、驚くべき事に他にA坂氏も来ていて近くのポイントに突入していると聞かされた。

No.7から自分も今日ポイント入りすると話をしてくれていたみたいで、A坂氏がポイントを譲ってくれたらしく自分が予定していたポイントへ無事入ることが出来た。

しかし、採集自体は悲惨で寂しいものだった。
ガやハチがちょっとだけ集まってきた程度で、No.7と共にクワガタはゼロ。A坂氏の所が一番気温が高かったらしいがそれでもアカアシのみだったという。

最終的に20時半までに全員消灯。短い夜だった。
この産地のブリードは、来年以降までお預けになるだろう・・・





今年の採集を数字でまとめると、出撃回数は
6月・・・4回(うち中止1回)
7月・・・4回
8月・・・16回(うち中止2回)
9月・・・8回
合計・・・32回

採集場所数は11市町村17ヶ所
ただ、中止したポイントも含まれるので、実質10市町村15ヶ所ですね。

灯火に飛来するクワガタ種別の所感としては、
オオクワガタ
2市町村で飛来し合計♀6頭でしたが、市町村Dではどれも未交尾♀ばかりと思われる個体ばかりで、終盤は♂目当てでそこに行き先を絞り粘ったのですが結果は実らず。
わずかに聞いていた話では、例年ほどメジャー産地は振るわなかったようで、鉄板ポイントでも不振だったり採れても♀しか飛んで来ないと云う感じだとか。

コクワガタ
環境に関わらず、採れやすいポイントと全く採れないポイントの差が激しかった印象です。採れる所では毎回♂も飛んでくるのに、来ない所では♀すら飛んで来ない。
気になったのは、シーズン後期に2次発生と思われる新しい個体が飛んで来なかった事。元気な2次発生個体によって追い出された1次発生個体ばかりが飛ぶ日に当たったのか、違う要因が絡んでいるのか答えは見つからず。

アカアシクワガタ
特に酷かった去年~一昨年に比べると飛来数はちょっとは多かったのですが、シャワーと呼べるほど一度に多数飛んで来たのは1・2回くらいでしょうか・・・アカアシシャワー自体元々そんなに長期間見られるワケでもありませんが・・・
サイズも本当に小さいものばかりで、40mm超えの♂すら何頭も見ていません。

ヒメオオクワガタ
今年飛んで来たのは1♂だけでしたので、何も判断出来るものもありません。

ミヤマクワガタ
今年は目立って大きな♂が得られませんでした。67~68mmくらいまで(例年は68~70mm)で、このくらいがそこそこ数が採れる青森産のサイズの上限です。運のいい人は70mmUPも採れたそうです。
4ヶ月通して、毛の抜けていない発生直後らしき♂個体が見られ、一挙に発生せずダラダラと活動を始めているのかな?と云う印象でした。しかし、今年はあんまり♀を見なかったなぁ・・・

ノコギリクワガタ
ミヤマと違ってちょっと環境を選ぶらしく全く飛んで来ない場所もありました。これは今年に限った事ではないのですが。
ミヤマと同じく今年は大型の♂はほとんど見られず最大59~60mm(例年は62~64mm)でした。

オニクワガタ
例年より発生が遅れた印象です。スタートは例年とあまり変わりませんが個体数が増えたのは8月の半ば頃? ただ、一部の地域では当たり年でした。個体数が多く見られた・・・と云うのは記事にある通りですが、最大はおよそ23mm台。




以上が今年4ヶ月分のライトトラップ採集記録の全てです。

こうしてまとめてみると、今年はシーズン後半に集中的に採集に行っていたのが自分でもよく分かりました。今振り返ると随分昔のようにも感じますが、8月の末頃から9月初頭には8日連続で採集に行ってたりもしたんですねぇ~・・・
なのに、何と結果に結びつかない日が多い事・・・(悲) ちょっと冒険的な市町村に行く時に限って天気が悪い日に当たりますな。

また、今年はメジャーな産地には7月以降ほとんど行かなかったのもあって現地での賑わいぶりやらその成果と云うのをあまり見聞きしなかったのですがどうだったのでしょうかね? 報告を聞いていても、良い成果があったと云うのはほとんど聞かなかったのですが・・・


ちょっと無茶していた部分もあった夏でしたが、来年もこのくらい行きたいですね。




・・・ちなみに、
今年の採集の激しさを物語る遺物を最後に載せておきます。

それは、成果として持ち帰った虫の数々・・・ではなく(恥)、
ハンディライトで使った大量の使用済み乾電池。

CA3I0557.JPG
こんなに使ってたの・・・・・・怖ッ!!!


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