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作成期間1ヶ月! [青森では・・・]

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・やっと・・・出来た・・・!!


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俺はやったんだ・・・やり遂げたんだ・・・!!!
この1ヶ月、ほとんど休み無しで作り続けてどうにかギリギリ間に合った・・・





去年10月青森県庁ホームページhttp://www.pref.aomori.lg.jp/に10年振りとなる県レッドデータブックの掲載種の更新について、意見募集結果が掲載されました。

現在の県レッドデータ(以下RDB)は10年近く前に改訂されたのが最後で、今回の更新分で再検討された結果が2020年版として来年発行されることになる予定です。
以前、2010年版についてこのブログでも取り上げ、加えてその後観察記録追加分の情報を友人・知人から貰ったりして随時更新をかけてきましたが、一つ気になる点がありました。
200種以上の様々な分野の昆虫をリストにしたところで、ほとんどの虫屋・・・まして人口が多いクワガタ屋(と括っていいのか?)の大多数は専門外のジャンルの虫をほとんど知らないワケで(失礼)、野外で掲載種の貴重な生態を運よく目の当たりにしたとしてそれをきちんと記録に残すまで至る事はほぼほぼ無いのでは? ・・・と思っているワケです。
そもそもこう云うデータは、特定のグループに精通した者が様々なところから集まってデータを集積して作るものなので、一人の人間が全体を把握するのはまず無理だって話で、必要も無いワケです。苦手な事は得意な人に任せればいい・・・それが正しいやり方ですから。自分だって、クワガタさえ不必要に採らないようにしているワケですから、専門外の虫まで採ってくる事はそれ以上に少ないってのは当然の話。その場で見つけて「あ、これ未記録のヤツだ」とか「記録ほとんど無いヤツや」と判れば写真を撮るなり採って帰るなりして記録に残しますが、数多い昆虫の中で一人の虫屋が知ってる範囲なんて限度があります。

しかし、変な思い付きとズレた使命感だけは二人前の自分(何言ってんだ俺)は、このRDB掲載種分だけでも可能な限り一人で判別し、更なる生態の解明に貢献できるようなリストの使い方が無いかと考えたのです。
(誤解のないように言っておくと、RDBと云うのはその種の存続が危機的な状況に置かれているかどうかを指摘し環境の保全やその対策を講じる指標・足掛かりとする為のもので、決して珍品リスト扱いしているワケではありません)

中学生や高校生の頃、英語を覚えるのに英単語帳をめくって必死に覚えた人は多いと思います。
それにヒントを得て、掲載種を1種ずつカードにしてまとめておく事を思いつきました(しょうもない…)フラッシュカードと云うヤツですね。

普通なら最初っから見つけた種類を片っ端から採集して帰宅後ソートして、刊行された出版物や県庁のホームページでファイルをダウンロードし照らし合わせ「あ、掲載種混ざってたね」と云うのが『流れ』と云うものですが、最初に言った通り自分なんかは全部採ってきてソートして・・・と云う事が出来ません(やりたくありません)。つまり、RDB掲載種かどうか、掲載種であったなら記録としてどうなっているのかどうかを見つけたその場で確認し、判断したいワケです。
ただ、実際に発刊されている「青森県の希少な野生生物 -青森県レッドデータブック(2010年改訂版)-」はたしかB4版・・・だったはず。フィールドワークの最中にRDB掲載種かどうかの再確認をする時、バッグやリュックから出す資料がそんなにデカかったらやってられません。実際、B4どころかA4でもB5でもイヤです。プリンターでコピー用紙に落としたとして、土や雨でボロボロになる事必至、ページ数も約70ページに上るので、探そうにも「え~とこれはどのランクのどのページかな?(焦)」と一々探すのは疲れるものです。
それならば、いっそカードにしてラミネート加工し、ランクではなく分類ごとに分けて束ねておけばグッ[グッド(上向き矢印)]と実用的になると考えたワケです。


さぁ、「考えたワケです。」・・・と言うのは簡単ですが、これを実行に移すのは相当大変な事になるな・・・と、考案した段階から恐怖を覚えていました。





製作を開始したのは先月、10月の半ばの事でした。


1.基本データ入力

最初の作業は、RDBの2020年度版の基本情報入力から。
県が実際に発行するのは来年で、現在のところ県のホームページから入手できる情報は掲載種の名前とそのランクが載ったリストのみ。これをコピー用紙に印刷しました。

これを文書作成ソフト(ワード)でランク毎にファイルを分け入力していきます。
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入力していく内容は、
・ランク
・和名
・学名
・特徴(体長、色彩、形状など)
・分布/生態(全国的な記録の有無の参考、発生時期、生息環境、食草など)
・青森県での記録
の6つ。

フィールドで使う事を前提に、その種を見つけるためのヒントとして必要かつ最低限の情報を打ちこむように配慮します。小さなカードに印刷する分、情報量(文字数)が多くなりすぎるとかえって使い辛くなるので、見やすさには気を使わなければいけません。
種名は、別名がよく浸透しているものもあるので、邪魔にならない程度に追加していきます。個人的にヒメハンミョウって言うよりエリザハンミョウの方がなじみ深いし、ベッコウバチがクモバチに改称されてたのを知らなかったのでちょっとショックを受けたり。
学名は、単純作業の中で一番辛かったです。何割かはコピペしましたがほとんどは手打ち入力。苦しかった・・・ブログ記事で書いてた時は学名めんどくさくて省いてましたからね。この時の作業は目に疲労が溜まり痛かったですねぇ。
特徴、分布/生態、そして青森県での記録のところは2010年版や各図鑑、ネット情報などを参考に文字数のリミットと格闘しながら出来るだけ表現を統一して書くように編集していきました。この部分が最も大事でかつ大変なところで、一番時間が掛かったところです。特徴や生態などはまず最初の入力でほとんど片付けましたが青森県での記録はこの段階では2010年版のみを入力していきました。

2010年版の時は265種でしたが、新しい2020年版はさらに増えて321種
新しく選定された種については一から調べて入力しなければならないので面倒でしたね・・・
CランクとDランクはマジで辛いよ・・・


2.画像データ収集

ほぼ毎日平日休日関係無く寝るまで打ち込み作業をして一旦区切りがついたのが10月の末。次は虫の写真集めです。
カードの表は前述の文章データ、その裏に虫の写真を印刷するワケです。なんて無駄の無い作りでしょう。なんてクソめんどくさい作業でしょう。
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これは流石に全種を自前で用意するのは不可能でした。・・・まぁ売り物でもない個人的な工作でしたので他をどうしたかは黙って飲み込んでもらえれば(苦笑)
ランク毎にフォルダを分け、画像に一つずつ名前を打ちこんで保存し、一つずつリストにチェックをかけていきます。
現場で使う事を考えて、野外で見るなるべく自然なスタイルの写真を選ぶようにしました。チョウの中でも翅表で見分けにくいシジミチョウなんかは留まっている状態の翅裏の写真にしたり、トンボは死ぬと色がなかなか残らないので標本は避けたり・・・
時間的に余裕が無かったので選定ミスはちょいちょいしましたが仕方ないですね。・・・ミヤマキシタバはやっぱ展翅標本にするべきだったな・・・

そして、文章データと同じファイルを作って順番を合わせて画像をレイアウトしていきます。
文章データを全て刷ってから画像を印刷するので、画像に名前を打ちこんでおかないとテレコ(差し違え)が起きてしまうし、画像1枚ずつ個別に操作していくと時間が掛かり過ぎる為同じ文書ファイルに画像を貼り付けてから印刷した方が作業が楽(それでもかなり時間と体力を使うが…)なのです。ワードでレイアウトしていけばトリミング作業も不要だし。


3.文献収集(県内追加記録補填)

さて、基本情報と画像収集が一通り終わったワケですが、
その中には種名以外の情報が何も得られなかったものもいくつか残ります。

と云う事で次の作業は、図書館などを回って情報収集。
大判の図鑑など、個人では集めるのに金銭的限界がありますからね。特に、ハチとかゴミムシとかはこのやり方じゃなかったらカードの中身真っ白でしたね。

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そして同じく、研究会誌や同好会誌など、青森県での記録の補填作業も行います。手元にも何冊か持っているものもありますが限界があるのでメインは図書館頼りですが、タイムリミットも押し迫っているので書き写しも最終的には完璧とまでいかない状態で終わることになりましたがそれでも結構な量の追加記録を足すことが出来ました。

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ここまでくるのに・・・長かったなぁ・・・


4.印刷作業

さて、出来上がったデータの印刷に移るワケですが、
フラッシュカードの材料はこの通り。↓↓
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・名刺用紙 2種
・ラミネートフィルム
・カードリング

用紙は2種類使う事に。何故かと云うと、本音は画像を印刷するには画像品質が良い光沢紙がベストなんですが、厚手である光沢紙にラミネートをかけてしかもそれが300枚以上になると厚くなりすぎてリングでまとめきれずかさばってしまう為、紙厚を抑える為厚さを抑えたそこそこの画質の用紙と併用し、色彩や模様の微妙が重要なトンボやガなどだけを光沢紙に印刷する事にしたからですね。

ラミネートフィルムは、野外で携帯する為、100ミクロンではなく耐久性のある150ミクロン厚のフィルムを使う事にしました。と云うか、名刺用だと150ミクロンしか売ってなかったもんな。

カードリングも、ホームセンターで探して一番大きかった4cm径の物が十分かと。


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インク残量とギリギリのせめぎ合いをしながら、印刷作業に着手します。
最初に文章データを連続で刷っていきますが、画像印刷を考えて「次は普通紙3回・・・次は光沢紙1回・・・次は普通紙2回」と随時用紙を変えなければいけないので、ずっとプリンターの前にはり付いて給紙作業です。また、ウチの家庭用プリンターはオフィス用みたいなハイスペックではないので、名刺大のサイズでも1枚刷るのに1分ぐらいかかります。気が遠くなるワ・・・!!
その最中にも、「あっ!! 誤字発見!!」「未入力の記録あった!!」なんてミスに度々気付くので印刷が中断される事も何度もありました。

片面刷ったら今度は画像の方を刷っていきます。
今度は用紙を選ぶ手間は省けますが、・・・まぁ大変でしたよ・・・。順番がずれちゃって文章側を刷り直したり、プリンターヘッドが汚れて画像に黒線引かさっちゃったり・・・


5.ラミネート作業

印刷が終わったら、ラミネート作業です。
これがまた単純ながらも神経を使う作業で、フィルムの余白が結構ギリギリでちょっと雑にはさむと用紙がフィルムからはみ出てしまいます。

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しかもその前にやる作業として、カードリングを通すパンチ穴部分は用紙をカットしなければいけません。用紙のかぶった部分をパンチしてしまうとそこから紙に水が浸みて台無しになってしまうからです。
最初にまず全部の用紙の角を切って、その後ラミネートしていきました。

全部のラミネートが完了した頃には、
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うわッ・・・分厚すぎるわ・・・


6.グループ分け、そして完成へ

ここまで来たら最後はリングでまとめるだけです。
ただその前に、使いやすくする為に分類分けをする必要があります。ここまでランク毎に順番に処理してきましたが、実用性を考えるとこのまま上から適当に区切ったりしません。
コウチュウ、ハチ、チョウ、トンボ・・・とそれぞれグループ毎に山を分けていき、大きな分類で分け終わったら次にリング1個分に収まるように調整していきます。少ないグループはまとめてしまい、多いグループの鱗翅目や鞘翅目は2つ3つに細かいグループで山を分けていきます。
束ねる山が決まったら、次に同じグループでもさらに細かいグループで分けていきます。カミキリに分けたら次はハナカミキリ同士・フトカミキリ同士・・・で括って、・・・という感じで。時間も無いので結構アバウトでしたが。

最終的に8つの束にまとめ上げ、表紙タイトルになるカードを追加で作成して・・・


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完成。 化粧箱も作りました。


11月15日。ここまで丸々一ヶ月。
平日も休日もほとんど休み無しで、入力作業が3週間ほど印刷作業に入るギリギリまで続き、印刷作業が3日間、ラミネート作業が2日間。製作費用が原価で8,000円弱
この間、何か色々なものを犠牲にして没頭していました。最後の化粧箱作ってる時はさすがに「何やってんだろう俺・・・」と我に返ったこともありましたが(笑)
かなり妥協もしながらの完成でしたが、個人的には十分な物に仕上げることが出来た気がします。僅かにある心残りとしては、一部のコメツキやゴミムシなどが最後の最後まで有意義な情報が得られなかった事ですかね。





さて、文中でどうにかギリギリ間に合っただのタイムリミットだのとやたら時間を気にする書き方をしましたが、
実はこれ、ある日の為に間に合わせる必要があったからです。

その「ある日」と云うのが・・・


つい先日11月16日(土)に行われた、
納会その当日なんですね。

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自分はもう4~5年目の出席になる、青森県内の虫屋仲間達が集う納会です。
基本的にクワガタをきっかけとして知り合った仲間同士で、毎年場所を変えて開催していましたが今年は八戸市が会場になりました。
その中でのプレゼント抽選会の景品として協賛、誰も欲しがらなくてもせめて話のネタになれば嬉しいと云う感じで持って行ったワケです(笑)

関係を持つきっかけが「フィールドでの鉢合わせ(特に某オオクワ産地)と云った部分が比較的強い所為か、八戸開催の年は出席者が多くて安定しています。宿代が懐事情的に辛い部分もありますが、八戸開催でないと会えない人も居るのでその嬉しさの方が大きいです。
今年は16人と、まぁ色々な人たちが居りました。勿論(?)今年初めての出席者も居て、同じようで全然違う?毎年ながら飽きのこない新鮮で楽しい時間が過ごせました。
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話に夢中で1次会の写真撮るの忘れた・・・(画像↑↑は2次会)


それでRDBフラッシュカードのその後ですが、
くじ引き抽選で1番を引いた、うたたね猫さんがまさかの1位指名!?
まさかいきなり貰われるとは思わず心の準備が出来ていませんでしたが、喜んでもらえたようなら半分嬉しいです。あとの半分は、使ってもらえればなお嬉しいと云う事ですね(ヒヒヒ・・・)


ただ、その代わりプレゼントで一つしくじった事があります。
カードの方はいいんですが、もう一つ用意していたプレゼントでしくじりました。

それがこっち↓↓

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来年のカレンダー

個人的に景品はこれがメインのつもりで、
こっちは準備に丸一年かけてたワケですよ!!!

ところが、納会を前にこの1ヶ月の間ずっとRDBの方に労力を注いでしまった所為で、フラッシュカードが完成した納会前夜の時点でカレンダーはまだ完成しておらず、あとまだ表紙のデザイン冬季閉鎖スケジュールの編集印刷・製本作業が残っていたワケです。

そんでもって表紙作りをゼロから始め、デザインが終わったのが当日朝4時

疲れて寝て、起きたら朝9時半

冬季閉鎖スケジュールを編集し終わったのが昼11時半

プリンターの接続が何故かうまくいかず、やっと印刷開始したのが11時50分
ところがこの印刷作業ってのがカードの時にも説明しましたが時間がかなり掛かるもので、A4を写真用に印刷すると早くても1枚4分半。津軽側メンバーの出発予定が午後3時。残り3時間で印刷も終わって製本組み立ても終わって、そしてシャワー浴びて荷物の準備まで終わらせないといけない。
(↑↑もう後手後手の愚駄愚駄じゃねーか!!!)


当初、5部くらい用意する予定でしたが、
表紙と12ヶ月分で1部13枚、5部刷って計65枚・・・1枚の印刷時間が4分半掛かるとなると・・・
・・・刷るだけで5時間近くかかる!!?

各地を巡り、虫に目もくれず風景撮影の為だけに行っては、ときには人通りの少ない時間を狙って奥入瀬渓流を一日撮り歩いたり、ときには赤沼撮影の為に真っ暗な内から山に入ったけど実はもう現場は紅葉が終わりかけてたり、ときにはホワイトアウトした八甲田山中で道脇に突っ込み車のバンパー割ったりして金と休日を犠牲にしながら十和田市の一年を追いかけてきた事を思い返しつつも、断腸の思いで部数を減らす決断に至りました。
作成数3部・・・少なッ。

出来栄えについてはありがたくもお褒めの言葉を頂けましたが、想定以上の参加者数で景品が全員に行き渡らなかった点を含め、このカレンダー部数減刷はここ最近で何よりも悔しい出来事となりました。



さて、フラッシュカードはこの冬の間に自分用のを再作成するかな。

それが出来たらもう3セット目は絶対作らない!!!!

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