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時間を見つけて修正しています。お見苦しい記事も少なくない点、予めご了承ください…

クヌギシンクイ [青森県産 オオクワガタ]

次に公開するつもりで編集している記事の完成はまだ先になるので、
空いた期間の中埋め的に今回の記事を書いておきます。


今回は、我が家では存在が空気的に薄いオオクワガタの割り出しです。

去年、マイナー市町村某所で採れた♀を産卵ケースにすぐ投入したのですが、
その後採集した♀個体のセットや越冬物も含め、材に明確な反応が無いまま冬を迎えてしまいました。


越冬の為にと、秋まで入れていた温室からケースを出し、屋内常温で放置管理していたのですが、この暖冬の影響からかある冬の暖かい日に目を疑う光景を見つけました。




材からフラス(木屑や糞)が出てる!?

夏季には外見から何も反応が無いように見えていたケースから、初令幼虫大の坑道とフラスが確認できました。
一瞬、材の中に元々雑虫が潜入していたのではないかとも思いましたが、
セット前の材の様子を思い返せばそうとも思えません。

さらに、年を越してからまた久し振りに様子を見ると、
ケース側面に初令幼虫が出てきているのを確認。
どうやらちゃんと産卵されていたようです。




無事に幼虫も見えたので、
どうせ採集シーズンになったら手が回らなくなる加令しないうちに割り出すことにしました。
KIMG0350.JPG
一度うっすらカビも回った材から生命反応が現れています。


KIMG0352.JPG
新聞紙の上にケースをひっくり返すと見えるのは親♀。
ケースの一番下に潜り、周りのマットを固めてしっかりした空間を作って留まっています。野外でのクワガタの羽脱後越冬は見たことがありませんが、オサムシなどは朽木内や樹皮の下で身動きがちょっとできる程度の空間を作って越冬していますがそんな感じです。

とりあえずマットを暴いてみましたが幼虫は居なかったので、以前見えていた幼虫は材に戻ったものと思われます。親♀はずっと同じところでじっとしていたので子食いは多分していないはず・・・

KIMG0353.JPG
残った材には、画像では見え辛いですが、地中側にちらちらと産卵痕が付いています。
材が堅かった所為か、内部には穿孔せず表面産みをしたようです。


KIMG0354.JPG
材を割っていくとすぐに食痕を確認、ほどなくして1令幼虫が出てきました。

それにしても、親♀が表面に産まざるを得なかっただけあって堅い(苦)
材の端から爪とホビーペンチを使って割っていくんですがなかなか大きく割れない。
親指の爪が剥がれそう・・・ッ



食痕は表面近くに比較的走っていたのですが、
元々それほど多くなかったですが中心部に近づくにつれて少なくなり、径の半分近くまで来たときにちょっと挫折しかけて、それでもまだ1本続いている食痕を追いかけ続けると、

遂にたどり着いたのは材の最中心部。
もう爪では太刀打ちできません。

KIMG0357.JPG
なんでお前こんなとこまで来るの!?
一応この材には芯材部が無いので、本当に芯を食っているワケではないんですが。


この中心部に居た幼虫を取り出し、食痕の追跡はすべて終了!
少ない割に時間かかったな・・・1本の材をただ割るだけでも1時間掛かりました。




そして、採れた幼虫をカップに移して作業終了!


KIMG0359.JPG

   結果


3頭 すべて初令




いつも通り過ぎてなんも言えない。
全て1令だったことから、親が秋になるまで材に慣れなかった(か、仕込んだ当初はもっと堅くて齧れなかったか)のでしょう。

この数については、幾分か♂♀分かれてくれそうな可能性が残っているならこれでも良いかなという感じ。
実は去年秋にもう1セット、十和田産(2019年6月に採った♀)の割り出しもしたのですがたしか2ケタいかなかったんですよね。しかも手元に残した僅かな幼虫も現在は数が減ってしまってます。死亡率が高いWF1だからか古いカワラ菌床に入れたからか・・・まァ、要因がいくつもあって考えるだけ無駄なんですが。



いやぁ~、オオクワって本っ当に難しいですね。


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雑誌、会誌、行政資料。 [時事・話題・雑報]

こんにちは、マスクの残り在庫数が心配な会長です。

春の採集週間 ゴールデンウィーク が近づいていますが、
新型コロナウィルスCOVID-19の感染拡大に伴って現在出されている緊急事態宣言により、不要不急の外出を控えるよう全国的に呼びかけられている(青森県も外出自粛要請されています)中で採集したものをもし後々データとして公に出すと考えた時、世間体として非常にばつが悪いので大人しく展足や飼育作業で気を紛らわせようかと考えています。

その手前、3月末から4月半ばにかけてこの外出自粛期間中の読み物としてうってつけの書籍が続々刊行されましたので、今日はそのラインナップを書いていきます。


まずは一番新しいものから。

BE-KUWA 75号
KIMG0364~2.JPG
これは17日には各販売店に届いているのですが、我が家に届いたのは遅れて20日になってからの事。

外産ミヤマは後ろ髪を引かれる思いがある(去年アングスティコルニスミヤマを累代停止に追いやっている)ので、増種欲だけ掻き立てられてなんだか呼吸が苦しい・・・

そしてミヤマ特集はさておいて、
応募したプランディゴホンヅノがカブト飼育レコードにちゃんと載ってるかが、この巻の内容の中で一番心配な点でしたがちゃんと登録されてましたね(笑)
(↑↑そもそも登録されないと雑誌が送られてこないですからね)
「コイツ必死か(笑)」とツッコんだ人もきっといる事でしょう。

何しろ、コメントにも書いてますが中途半端なサイズですからね。
見開き内で周り全員★4クラスに囲まれて自分は独り★2.5ですからね。
3月に大阪の店でこれよりデカい♂売ってましたからね。
公開処刑に近いものがあります。
まぁ「本番は来年」と云う事にしておきますが、どこかのカブトブリーダーに変な火が点かないことを願うばかりです。




続いて、今度は地元ネタ。

青森県の希少な野生生物-青森県レッドデータブック(2020年版)-
青森県のレッドデータブック(RDB)が2020年に改訂される事から、その掲載リストを基に先んじてフラッシュカードを作った事を去年11月にブログ内で書いたのですが、
遂にその内容詳細が青森県庁ウェブサイト内にて去る3月23日に公開されました。


本文はPDFで無料で閲覧できるのですが、県庁の紹介ページの最後に
『本書は、県政情報センターにおいて有償頒布しています。』
との文言を発見。えッ!!? 買えるの!!?
(無知なモンで、こう云う行政資料ってのは各専門機関・教育機関・図書館等に配布されるだけだと思ってました。PDFで無料で見られるとは言え、やっぱ見やすさで言えば紙媒体には敵いません)

申込書をソッコーでダウンロードしましたね。
で、ウェブ公開の翌週、平日の日中になんとか時間を見繕って県庁に出向き、ちょっとしたゴタゴタがありましたが無事に入手することが出来ました。





青森県の希少な野生生物-青森県レッドデータブック-
6冊。
(流石に【個人で6冊】は驚かれました。窓口の県政情報センターでも基本的にあまり在庫は置いていないらしく、別の課の保管庫から持ってくるにしても年度末と云う事もあって時期的に大変忙しく、電話を取って話す学事課の様子も、「担当者が不在!?」だとか「じゃぁこっちから取りに行かせるから(焦)」だとか聞こえてきて、色々とご面倒をお掛けしてしまいました。←これが「ちょっとしたゴタゴタ」の理由です。・・・正直言って、6冊購入は拒否されるんじゃないかと不安もありました。誤解の無いように言うと、転売目的じゃありませんよ(汗)、知り合いの分を代理購入しただけです。作成部数も裏に書かれていますが、県内でこれらに関心を持つ人の内でさらにお金を出して所有したいと思う人の数を考えると、十分な数は刷られていると思うので、フィールドでよく観察しに行く事が多い人は1冊持っていてもいいかもしれませんね)

最初に県のRDBが出来たのが2000年、翌2001年に出された普及版で再編集、2006年には一部の植物カテゴリが加えられた後2010年にまた改訂され、今回の2020年版が出来上がったところを見るに、県RDBは10年毎に改訂されていくようです。

改訂される度に選定種が増え、前回は265種でしたが今回は320種
掲載種が増えた分、本が重いですねぇ・・・
普及版として発刊した最初のものは、掲載種が全部載ってなかったと云う難がありますがA5版サイズで約220ページ、今回はA4版で実に400ページ近くになっていますから、厚みも充分。去年フラッシュカード作った自分も、流石に全部の昆虫分野掲載種は今思い出せません。

掲載種が多くなったと云う事は、単純に青森県内の自然環境が悪化・縮小していると受け取ることになりますよね。公私のいずれかにおいてフィールドでこれらを観察する機会が少なくない者として、これは頭の痛い話だと言えます。
勿論作る側にも限界はありますから、RDBの内容全てが自然環境の実態を正確に表しているワケじゃない、と云う事は解っているのですが・・・


そんな2020年版RDBの中で、2010年版からの再検討で個人的に一番気になっていたのはイノシシニホンジカ(ホンシュウジカ)の2種です。
かつて狩猟により青森では近代で絶滅していたこの2種が、秋田-岩手以南から北上し現代になって再び目撃されるようになってきたことで県下での繁殖の可能性も考えられるようになり、前回EXランクだったものがDランクに移動されられました。

農業、林業、及び自然環境において多大な被害が懸念されるこの2種の事を考えると、
要警戒すべきと云うのは自分も同意するところですが、元々分布していた生物が一度絶滅し、それがまた自然的に分布拡大している事を害悪的な事象として捉える事は果たして正しいのだろうか・・・云うジレンマに陥るんですよね。
これら2種が今後どのように青森県内で扱われていくのか、とても気になるところです。







・・・と云ったところで、
RDBについてはこのくらいで終わろうと思ったのですが、
先日の東奥日報とても引っかかる一文を見つけてしまったので、この話に踏み込んでみようと思います。
カテゴリー(ランク)の扱いについてです。

3月24日の朝刊において、このRDBについての記事が書かれていましたが、その中で
イノシシ ニホンジカ Dランクに引き下げ
(中略)これまで最上位の「絶滅(EXランク)」扱いだったイノシシとニホンジカは、目撃情報県内で相次ぎ、2020年度版では希少性などが上から5番目の「要調査野生生物(Dランク)」に大きく引き下げられた。
と書かれていました。

この赤い部分について、
ちょっと何かこの書き方にむず痒さを感じるんですね。
(人にものを言えるようなきちんとした文章は自分も書けてないけど)

Dランク=上から5番目・・・?
「EX⇒D」は「大きく引き下げる」・・・?


青森県のレッドリストでは、掲載種はEX、A、B、C、D、LPの6つのカテゴリーに分けられています。
青森県においては、これらをランクと称して各選定種をカテゴライズしている事もあり、以下の図のように、ほぼ上下一列の関係であるかのように一般に解釈される可能性が高く、東奥日報の記事もおそらくこのような構造の概念で書かれているものと思われます。
(違うたとえで言うと、トレーディングカードなどでその希少性を表すのにアルファベット記号を用いたりしますよね。Eランク→Dランク→Cランク・・・と前に戻るに従い希少性(レア度)が上がっていき、Aランクよりさらにレアなものは、SランクとかSレア(Sはsuper等の略)などと言ったりしますよね)

RDB x1.png


しかし、これはランク(カテゴリー)の定義を正しく理解出来ているとは言えません。


まず、それぞれどういった概念の下で定義されているかと云うと、
カテゴリー概 念内 容
EXランク
(絶滅野生生物)
県内では、すでに絶滅したと考えられる野生生物過去の記録・標本において生息・生育が確認されているが、現在は県内で確認できない種
環境省レッドリスト・絶滅(EX)・野生絶滅(EW)に相当
Aランク
(最重要希少野生生物)
県内では、絶滅の危機に瀕している野生生物生息・生育数がきわめて少なく、または生息・生育環境も制限される種で、近い将来県内での絶滅が危惧される種
環境省レッドリスト・絶滅危惧ⅠA類(CR)・絶滅危惧ⅠB類(EN)相当
Bランク
(重要希少野生生物)
県内では、絶滅の危機が増大している野生生物生息・生育数がかなり少なく、または、生息・生育環境もかなり限られた種で、将来県内での絶滅が危惧される種
環境省レッドリスト・絶滅危惧Ⅱ類(VU)相当
Cランク
(希少野生生物)
県内では、生息・生育を存続する基盤が脆弱な野生生物生息・生育数が少なく、生息・生育環境も限られた種で、現時点ではただちに絶滅危惧とするほどではないが、環境の変化によっては個体数のさらなる減少が危惧され、県内での絶滅が心配される種
環境省レッドリスト・準絶滅危惧(NT)相当
Dランク
(要調査野生生物)
県内では、生息・生育情報が不足している野生生物限定された生息・生育環境や低生息密度などから注目される種であるが、県内での確認例がきわめて少なく、生息・生育実態等が不明なため評価が保留されている
環境省レッドリスト・情報不足(DD)相当
LPランク
(地域限定希少野生生物)
県内では、地域内に孤立している個体群で、地域レベルでの絶滅の恐れが高い野生生物生息・生育状況・学術的価値・生物地理学的観点から特に保護に留意するべき、地域個体群
環境省レッドリスト・絶滅のおそれのある地域個体群(LP)相当
(青森県の希少な野生生物 ー青森県レッドデータブック(2020年版)ーから引用・編集)

この中で、ランクだけで見た時に最も間違えて解釈してしまうと思われるのは「Dランク」ではないでしょうか。
A、B、C、ときて次にくるのがDなので、つい「あぁ、DランクってのはCランクより希少性が1段階下なのね」と解釈しそうになるのですが、Dランクの中身は上記の通り『情報不足』
これは言い換えるならば、『どこにいるのか、数が多いのか少ないのか、判断材料が少なすぎるのでどのランクに充てたらいいか判りません』と云うものです。もっと言い換えるなら、『レッドリストに入れる直前の候補の段階』とでも言いましょうか。

文献や観察記録などのデータが少なすぎる、と云うのは、

単純に生息個体数が少ないから

と云う分かりやすい理由だけではなく、

個体数はともかく、人の目を避けるように生育している為に観察例が少ない場合
研究者・観察者が適正な探し方で観察していない(出来ない)為に記録が少ない場合

など、様々な事情があるので、データの集積結果次第ではCランクに移る可能性もあればAランクに移る可能性もあり、情報が十分集積された後にリストから削除される場合だってあるワケです。


・・・と云うワケで、
今度は自分なりの解釈で各カテゴリーの関係性を配置すると以下の様になりました。

RDB x.png
関係性が近いものほど接している部分を広くしたつもりですが・・・
下手過ぎますね・・・

これを念頭に、各ランクの関係性を主にDランクを中心として説明してみますと、


ランク決め及びDランクの意味
リストに載せるにあたり、その種が「昔から(もしくは全国的に)調べられていてその上で生息状況が危ういもの(生息環境が分かっていてなおかつその環境が減少・悪化していると判っているもの)」であれば新規追加する場合にいきなりA~C・LPに位置づけられるようですが、そこそこ以上有名な種に限られる場合が多く、数が少ないとされる大多数の生物については「確認されている個体数は少なく注視すべきだが、それがどういう環境で見られどのような生息状況か把握できていない」事が殆どです。
そもそも、レッドリストに載っているか否かに関わらず、多くの種はその生態や個体数はほとんど把握されてはいないと言っても過言ではありません。

そうした種について、今後の調査対象として各専門機関・有識者に注意を促す狙いを持って絞り込んだものが、Dランク(=要調査野生生物なのです。

さっきも似た事を書きましたが、
Dランクは謂わば「レッドリストへの入り口」的なカテゴリーで、掲載以後の再検討用のカテゴリーであり、他全てのカテゴリーと近縁な関係を持っていると言えます。勿論、「その後調査してみたけど、きちんと調べてなかっただけで普通にいるワ(笑)」ってな具合でリストから除外される場合も珍しくはありません。

ただ、Bランクに関してはやや遠縁(?)で、よく調べられている筈のカテゴリーなので変動があるとすればAやCとの間での方が多く、Dランク間との移動は相互的には少ないと思われます。


EXランク・Aランク
EXランクとAランクは、絶滅するかどうかの瀬戸際の関係なので緊密なのは図を見るまでもありませんね。
Dとの関係性については、
「情報が少なかった(D)=個体数が非常に少ない(A)、もしくはいない(EX)から」
と云う関係性があり、レッドリスト再選定時においても近い関係です。
「絶滅したんだけど、数年の間に異常に観察・目撃例が増えてきたからこの動向をよく調べなくては・・・」と云う例(ニホンジカ&イノシシ 2010年EXランク)や、
「今まで数も少なく絶滅近いと思ってたけど、毎年継続的に各地から報告が出るし今までの常識って実は間違いだったんじゃないの?」と云うパターン(タカチホヘビ 2010年Aランク)でDランクに差し戻される事もあります。


Cランク
数の減少や生息環境の悪化により、保護に値するかどうかの天秤にかかっているような微妙な位置関係で、前回までDランクとしていたのが、その後よく調査された結果としてCランクへ移動されると云った流れが多くあります。
また、逆の流れとして、
「全国的にも数は少ないし希少だとも解ってるけど、本県では調査文献も少ないしもうちょっとちゃんと調べてからランク付けしないか?」と云う例(オコジョ&ホンドモモンガ等 2010年Cランク)や、
「そこ付近でしか見つかってないから生育範囲が限定的で今後の行く末は危ぶまれるけど、そもそもきちんと調べられてないよね~」と云う例(ババアカコメツキ等 2010年Cランク)でDランクに差し戻される事もあります。


LPランク
LPランクは、隔離的な地域個体群として個別に保護していくべきではないかと云うカテゴリーですが、
「一部地域に限って非常に少ない種だと思ってたけど、実際のところその地域ではちゃんと調べられてないだけなんじゃないの?」と云うパターン(イイズナ 2010年LPランク)でDランクに差し戻されるケースもある他、
「個体数が局所的で少ないのは間違いないけど、地域特性が果たしてあるのか?」と云う事でCランクになる例もあり(ルイヨウマダラテントウ 2010年LP)、ここは残念ながら上記の図にどう組み込む事も出来ませんでした・・・ダメだねぇあたしゃ。

EXランク→LPランクを破線にしたのは、
隔離環境の個体群なら生息数もおおよそ把握されているはずで、もし絶滅したと一度判断したのであればそこから元に戻る(生息が再確認される)ことってまず無いんじゃないかと云う理由によるものです。



ついでに話がちょっと逸れますが、
青森県と時を同じくして、お隣の秋田県でもRDBが刊行されました。
Red Data Book of Akita prefecture
青森と違い、秋田で今回出されたのは哺乳類・昆虫グループの冊子です。

青森県民(しかも県外に出たくない)が秋田のRDB買って何の意味があるのかって思われるでしょうが、隣県の事情も青森県の調査に役立てられるのではないかと思った部分があったのと、刊行された直後のタイミングで販売情報を偶然見つけてしまった為に勢いで買ってしまった部分があったんですよね。
(ちなみに、青森県が500部刷られているのに対して、こっちの200部限定販売ってのは少なくないのか? 各機関寄贈分と検討委員や情報提供者への贈答分を抜いた数なのかは分からないけど)

秋田県のRDBは、カテゴリーが環境省のものとほぼ同じで、一部変更と追加カテゴリーも盛り込まれています。自治体によってここまでカテゴリー設定の仕方が違うものなんですね。
また、県自然公園や自然環境保全地域の一覧が掲載されていたり、県全域の植生図も盛り込まれていたりと、周辺資料も載っているのは青森県民からすると目新しいと思うところです。


また、同じ隣県である岩手県もRDBの改訂検討が始まるみたいで、
改訂版が刊行されるのは2024年度とちょっと先の話ですが、参考として北東北3県分は持っておいてもいいかなと思っているところです(現行の2014年版買った方がいいのかな・・・)


まぁ・・・色々と脱線含めて、私感を書き並べて記事をややこしくしてしまいましたが、RDBは自然に関心のある県民一人一人の協力で出来上がるものですから、
こんな誰も見てない所でゴチャゴチャ喚いてる暇があったら、
然るべき所に報文でも出して県に貢献しろ!って話ですよね。







・・・と云う事で、
地元へ報文を投稿(2報・計5種)したのが去年の12月


青森自然誌研究 25号
KIMG0340.JPG
2019年度の会誌に載せてもらう事になりました。
(今回の記事の中で一番待ち望んでいたのが、この会誌。思い返せば、入会したのがわずか半年前で、こんな若造の書いた原稿なんて拒否されるんじゃないかと心臓バクバクでしたが、寛大に(?)受理していただけて本当にホッとしました。とは言え、「大変貴重な記録です。ご投稿ありがとうございます。」と云う文面の裏に、本心=「一応受け付けますケド・・・ほんとにアナタきちんと調べてから原稿かきましたかァ?」が隠れてやしないかと、変に穿った読み方をしてしまうんですよね。古い文献を探す事ってのは若手のアマチュアが一番苦慮している作業で、昭和後期以前の資料についてはまずネットで検索かけても存在すら出てこないことも多く、地方の図書館でも必ず蔵書があるワケじゃないし、在っても見逃してる場合も珍しくない・・・)

今回は入会後初めて送られてくる会誌なので、
いつ頃印刷されてどのくらいの時期に発送されるのかな? と3月中旬以降は毎日ドキドキしてましたね。
4月10日時点で届かなかったことに加え、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で県が有する施設が翌11日から5月6日まで閉鎖されることが発表され、
あっ・・・終わった・・・
と思い5月以降の到着を覚悟しかけました(会は県立郷土館に事務局があるので)が、
ギリギリセーフで4月11日に到着しました(封筒の消印が10日)
バックナンバーも同時に購入したので封筒がパンパンに詰まってました。

この後苦しくなるのが、バックナンバー購入代をはじめ今年度の会費やカラーページ印刷代の請求がまとめて一緒に来ている事ですが、仕方ありませんね。
特に、この会の場合非常に痛いのがカラーページ代。仲間内に金額を喋ったら、もれなく全員引きました。今回は2編それぞれ1ページずつカラーにしてもらったので合計2ページ。同会員の方は皆この金額を知っているので、「プッ こいつ張り切っちゃってやんの(笑)」と思われてんだろうなァ・・・
唯一の救いが、即納を強要されないってところでしょうか。
・・・しばらくの間は毎日カップ焼きそばだな。



ついでに、今回書いた内の2つ目はちょうど2020年版から青森県RDBに掲載された種についてのものなのですが、その中で一番古い文献を漏らしていたことが判明しましたので補遺的にここで説明しておきます。

今回報文を出すにあたって抜かしていたのは、「青森県博物研究会会報(1941)」で、ここには【八甲田山】とだけ載っています。一口に八甲田山と書かれているだけなので、それがどの辺りで得られたものかによっては自分の出した報文そのものの前提が狂ってしまうので大変ヒヤヒヤしました。
この1941年の目録全体を見通してみると、報告している館山一郎氏は他の種においては黒石や弘前などの津軽地域側からの報告が集中しているので、この【八甲田山】というのもおそらくは現・黒石や現・平川の津軽側である可能性が高いと思われます。あ、危ねぇー
さっきも書いたけど、若手のアマってこういう文献集めには難儀するんですよね(汗)


現在はこの騒動で各機関で運営が停止・延期されている状況ですが、県内の主要図書館や他県の一部施設・大学などに寄贈される予定(事後かも)で、運営が再開され次第、会から直接購入もできます(小声)ので興味のある方は一読してもらえたら嬉しいです。






来たる屋外活動の本格的再開に向けて、
自分用のRDBフラッシュカードも早く完成させないとな・・・!



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