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走る巣 [日昆 日常雑記]

最近の出来事を2編書いてみます。


走る巣 
この季節、採集から帰る自分の車の中は毎晩のように虫だらけになる。
それは別に、採集の成果品を大量に土産として持ち帰っていると云う意味ではない、と言うかそもそも何か土産になる虫が採れる日の方が少ない。虫だらけになると云うのは、ライトトラップ終了後に車内に積んだ機材に付いていた雑虫が車内で乱舞する事である。
自分のライトトラップの撤収作業に関しては、特に根拠は無いが丁寧な方ではないかと自負している。機材に纏わり付いた虫を掃除する時、そのやり方も人それぞれで箒ではたく人、そのまま車に積む人など色々だが、自分の場合はブロワーで機材隅々まで吹き飛ばしている。極力丁寧に何度も確認してから車内に積み込むが、それでも毎回2~5匹程度は無賃乗車している。そして10分20分すると天井やフロントガラスに移動してきて捕獲されるのだ。
帰宅する頃には細かいハエ類や動きの遅いハムシ・テントウムシ類を除いてはほとんど車外へ逃がし終わっている。

紛れ込んでくる昆虫代表上位5類
その1.小ガ類
その2.カメムシ類
その3.ハエ類
その4.ヨコバイ・アワフキ類
その5.カワゲラ類

たまに意外な面子が翌日に見つかる時もある。つい数日前にもそんな出来事があったのだが、この時ばかりは少し気味の悪い体験であった。

昼、仕事中の休憩で自家用車に乗り込んだ時である。
座席に着き、運転操作で手元に目線を移すと1匹のアリがいた。見た感じ家や仕事場周辺で見るタイプの種ではない。おそらく、昨日の山でのライトトラップ時に紛れ込んできたのだろう、そう思って手で車外に放る。
体を戻すと次はまた1匹、違う所を歩いている。考えれば無理もない、採集後に紛れ込んできて日中の日射で熱死した「エサ」が車内に転がっているし、勝手に逃げていってくれるように窓をうっすら開けている。入ってくる理由もあるしいつでも入って来れる。
しかし、段々とそれだけでは話が収まらない。よく見ると、車内にいるのは1匹や2匹どころではなく、数は少ないがアリの道が出来ていてその上をアリ達が行き交っている。すれ違いざまに「挨拶」までしている奴らまでいる。結構入ってきてしまっていたようだ。
すばしっこく歩き回るアリを摘まんでは外に出してを繰り返して事なきを得る。個人的にあまりアリは得意ではなく、種を同定してやろうなどとも思わなかったしもう会う事も無いだろうと思ったが、その日の夕方にはまた望まぬ再開を果たしてしまった。また複数だった。
運転席ドア付近・ウェザーストリップのゴムの合わせ目の付近を経由してどこかに抜けているのではないかと思えた。車内をうろついていただけと思っていたが、その後車体の外側を歩き回る個体も多数見られた。フロントガラスを歩き回らないでほしい。
この不可解な状態は数日続き、ある時の夕方にはこんな奴まで見つかる始末。
翅アリ.png
翅アリであった。運転席の窓の外に引っ付いていたが、明らかに色形がそのお仲間と同じである。

まさかとは思うが、偶然とも思えない。
この車はアリの巣になっているのではないか!?

この車体(ボディかフレーム)のどこかに女王が居て、ここを拠点として巣を営んでいるのではないだろうかと思うとなんだか寒気までしてきた。これは何とかしなくてはいけない、しかし巣を特定するには個体数が少ないし殺虫剤で車内を燻蒸すると次回以降採集で生き虫を持ち帰る事ができなくなるだろう。
やれる事としては、まず洗車くらいだった。ここ数週間、夜間に採集に行く所為で虫汚れや足回りの泥汚れも酷く、洗ってもすぐ汚すので面倒になって洗車していなかった。フロントガラスも虫汚れをのばしてしまうのでワイパーも使えなかったほどだ。
これでダメならいよいよ運転席の足元にアリフマキラーの粉剤を撒こうと思ったが、ピカピカになった車体から以後そのアリが発見される事は無くなった。

結局、そのアリが車内で営巣していたかどうかは分からないままに終わってしまった。自分自身、採集に関連して神仏の類を信じてはいないが、もしかしたら連日車体を汚しまくって放置していた自分へ、車をもっと大切にしろと云う戒めがアリと云う化身となって現れたのかもしれない。




その中にいたのは
我が家では、よくハチが巣を作る。
春~夏にかけて、フタモンアシナガバチ、キアシナガバチなどアシナガバチなどスズメバチ科や、ミカドトックリバチやスズバチなどドロバチ科が家の壁面や敷地内で巣を作るのをよく見る。とは言っても、人的被害の危険を伴うアシナガバチは軒並み駆除してしまうのだが。
アシナガバチ類は駆除してしまう一方で、同じ有剣類のドロバチ類は放っておく場合が多い。真社会性のハチとは違って単独だし、庭木の害になるイモムシ類を狩ってくれる益虫(まぁアシナガもそうなんだけど)だし、いつかスズバチ寄生のオオセイボウが我が家で拝めるかもしれないとか考えると、駆除なんてつまらない事は考えられないのである。

話は変わって、2年前に台風で倒壊して道を塞いでいた腐木が我が家で保管してある。ゆくゆくはクワガタ飼育の産卵木として使う為であるが、その為にはまず「虫出し」をしなければならない。野外にあった腐木には既に「住人」が棲んでいるため、クワガタに使った時にその「住人」が悪さをしないよう無害化する必要があるからだ。ビニールの袋に除湿剤と共に入れて密封し一冬寝かせ、翌年の春以降にその袋を開けて羽脱してきた虫を適切に処理するのである。
去年の晩夏のこと。その虫出しを一通り終え、乾燥させるために玄関先に長らく置いていた腐木にハチが訪れているのに気付いた。アシナガバチではないと気付いたのでじっくり観察してみると、そのハチは腐木に開いた孔に入っていく。この孔は、この春に出てきた「住人」のコバネカミキリが開けた羽脱孔で、腐木には何個もその孔が開いている。
調べてみると、このハチがオオフタオビドロバチである事が分かった。このハチは、竹筒やカミキリ類の羽脱孔など筒状の既存孔にメイガ類などの幼虫を採り貯めて幼虫の育児房とする種で、よく見られる一般的なドロバチなのだそうだ。
我が家の玄関先には物が雑多に積み上げられていて、雨風に加えて人目をも凌げるような空間が多々あり、ハチが目を付けるのも無理はない。思い返せば、この種はここ数年毎年玄関先で巣作りに励んでいた。なぜなら、玄関先に置いてあるリール式の注水ホースを水道につなげて蛇口を捻ると、勢いよく大量のイモムシが噴き出してくるトラウマもののサプライズが毎年1~2回は起こっていたのだが、その犯人がこのハチだったからだ(ちなみに、このホースの「詰め物」に気付かず散水シャワーヘッドをホースにつなげてしまった為に、シャワーヘッドが詰まって壊れた事もある)。細い空洞なら節操なく巣にしてしまうのがこのハチの特徴なのだろう。
この腐木も同じく、親がせっせと獲物のイモムシを穴の中に運び込んでいた。これは、クワガタ用産卵木を作っていた自分としては迷惑な話に他ならない。このまま使おうとして木をカットしたら中でイモムシがグチャグチャになって出てきた・・・なんて事を想像すると、手を出したくても出せない。勿論、孔をほじくるワケにもいかないし、よく見ると泥で既に塞がれた孔もいくつかある。仕方がないので来年この「新たな住人」が羽脱するまで待つ事にし、この腐木を使うのはまた一年おあずけになった。むき出しで立て掛けていた腐木をビニール袋に収め、屋内で保管する事に。

そして今年の初夏、室内保管していた腐木から「新たな住人」が羽脱してきた。
3頭ほどビニール内でうろちょろしているのを確認したところで外玄関にビニール袋のまま移動させ、自然に逃げていくまで待った。
オオフタオビドロバチ.JPG
しかし、予想外な事にこのハチ、ビニール袋の上部の口を開け放っているにもかかわらず、ビニール袋の中でうろうろしていて一向に出ていこうとしない。むき出しで置いておくとまたイモムシを運び入れてしまうのでビニール袋からは出せないのだが、まさかハチ自体が出ていけないとは思わなかった。ビニール袋内面や木の表面で彷徨う個体数が、朝見た数と夕方見た数で全く同じなのだ。数日の内に、袋の中で餓死と思われる死亡個体まで出てしまった。これはもう放置しただけでは駄目だと悟り、外界に脱出する手伝いとして新成虫を見つけ次第手作業で野外に放してやる羽目に。
数日ごとにビニールをずり下げてハチを放出した。個体数も結構多く、死亡個体も含めると総数で2桁に達していた。だらだらと新成虫が羽脱してきては放出するのを繰り返し、遂に先週「最後の1匹」と思われる個体が出てきて、この長い戦いも終わりを迎えた。

しかし、その「最後の1匹」は今、我が家でゼリーを与えて観察飼育している。
あれだけどっかに飛んでいってほしかったのに、まさかこんな事になるとは・・・

何故ならその個体の腹節には、「別の住人」が顔をのぞかせていたからである。そう、ネジレバネ(スズバチネジレバネ)が寄生していたのだ。これを見逃す手は無い。

とんだ珍事であったが、こんな貴重な体験をしているにもかかわらずまだ採集の方では念願叶わずオオクワガタには今年まだ出会えていない。
・・・やはり、採集の神様と云うのは存在するのかもしれない。そしてその神様は、絶対意地が悪いに違いない。



タグ:アリ ハチ
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青森県産オオクワの個体数(家の) [青森県産 オオクワガタ]

7月26日にようやく青森県も梅雨明けが発表されましたね。しかし、今年は梅雨明け発表がされた他の地域でも雨が続いたりしましたし、青森も御多分にもれずこの後雨続きになる見込みです。ねぶた祭り期間モロ被りです。自分の記憶だとねぶたのタイミングでよく雨に降られていたので、3年振りに開催されるねぶたの呪いではないかとも思っています(ディスる地元民)

さて、6月中に書いておきたかった飼育ネタを1つ余していたので、
ここまでの夏季シーズン中で残念ながら書く事が無い採集ネタに代えてブログに残しておこうと思います。


一般に、オオクワガタはクワガタ飼育の入門種で初心者向けと言われています。
成虫も幼虫も丈夫で、飼育可能な温度帯も広くエサも豊富に開発・流通し飼育情報も大変多い事がその理由です。

しかし自分の場合、そう感じたことはほぼありません。
特に近年は、オオクワって増やすのも育てるのも難しいと感じてならず、ブリード個体が次々消えていきます。
実は、以前割り出し記事に書いた幼虫達は全て蛹化前に死亡しています。全滅。


自分の場合、採ったオオクワガタは基本的に「一度」産卵セットを組んでみます。
(例外的に、知り合いにあげたり多少の期間観賞飼育して〆たりもします)
ただ、時期によって産みやすさが違うのでしくじる事も多いです。
その要素として、
①盛夏になってセットしても暑さでバテるのか産卵せず来年春にやっと産む
②比較的採りやすいと感じている2次発生個体は、羽脱直後で♀が未交尾
と言ったところです。

もうちょっと詳しく言うと、①の場合は次のブリードシーズン(翌年春~初夏)を迎えるまでの長い期間の間に管理ミスや寿命で死ぬ、②に関しては同産地の♂が採れずにペアリングの見通しが立たないまま寿命が近づき〆ざるをえなくなってしまう、・・・とこんな感じです。

また、自分のオオクワとの飼育上の相性の悪さ(と飼育下手)により、採れた幼虫の成長率・蛹化率・羽化率が異様に低いのも飼育個体数が維持できない理由の一つです。
この記事カテゴリでは以前に割り出し記事も書きましたが・・・その時の幼虫達、つい先日残りの1頭の幼虫が蛹室内で蛹になる前に死亡してしまい、前述したように全滅したと云う経験をしたばかりです。
近年はノコギリ系やカブト系に傾倒していた事もあって、マット飼育で多少放置もできて・・・と云う飼い方に慣れていたのもあったかもしれません、――最初は菌床に入れていたのにいつの間にかグズグズになっていて焦ってマットに入れたらいつの間にか溶けていた――と云う流れですがこれでオオクワガタはイケなかったです。WF1だからでしょうか・・・?

そんな、長年虫を飼っていながらここまで恥ずかしいミスを犯し続けると、流石に反省しないといけません。
もう「最後に見たのがいつだったかも分からない」大歯の♂を羽化させる為に、現在残っている個体の2022年度ブリードを開始しました。



その1 市町村α
県内のとある市町村産(当ブログでは、メジャー産地の十和田市以外は市町村名も伏せています、現在は1♂1♀(どちらも採集個体)だけが飼育されています。

2019年青森県某所産ワイルド.JPG
♂は2020年8月13日採集、♀は2021年7月29日採集。

KIMG3899.JPG
冬を越して、5月には活発に動き始めていたので同居させてペアリング。

産卵材は、ここ数年は植菌材を使っていましたが失敗ばかりだったので今回は使わず(と言うのも、使う際の材のコンディションが上手く合わず、買ったあと時間が経ってグズりだした物や、急いで買った所為でまだカチカチで使えない物を使う事が多かったので)、家にある砂埋め霊芝材の在庫から、ホソアカやシカやオウゴンオニに使うには不向きそうな堅めで芯が残ってそうな物を探しました。
KIMG3914.JPG
探すと言っても、実際には切ってみないと分からないのですが、見事に一発で当たりました。
直径の5分の3が芯じゃねぇか!!! これ、もし軟材産みの種をブリードする時に引き当ててたらゴミ箱にブチ込んでましたね。

KIMG3915.JPG
Beケース中サイズに、加水・皮を剥いだ霊芝材を縦置きして、未発酵マットで埋めてゼリーと♀親を入れてセット完了。


その2 十和田市 産地A
こちらはメジャーな十和田市産。市内でも産地はいくつかあって、一時期は自分も複数産地を飼育していたのですが、残念ながら現在はこの1産地しかいません。
現在は成虫が1♂1♀いるだけで、前項の市町村αと合わせて我が家にはオオクワガタが4頭しかいないんですよ。←それが我が家のオオクワガタ全てです・・・

青森県十和田市産WF1♂.JPG
♀は2021年8月29日採集、そして♂はいつから居たのかもう思い出せないWF1の飼育品。温室の奥から出て来て、ラベルを見て「あ~、こんなの居たのかぁ」と驚いたくらいです。「10年余りの歴史のある虫ブログで見せる飼育品オオクワガタ」としてはあまりにもショボイ歯型でしょう・・・生育環境が良くなかったのか、体型が歪んでいます。
♀も持ち腹だったら良かったのですが、2次発生個体でどうも未交尾なようで。

前項の市町村αの少しあと、こちらも遅れてペアリングーセットを開始しました。
KIMG3929.JPG
こちらのセットも使用する材は砂埋め霊芝材。
何故か今度も一発でハズレ材芯の太い材を引き当てました(うわぁ、家にある霊芝材他のヤツも皆芯ばっかりなんじゃないか?・・・後々心配になるわ・・・)

KIMG3931.JPG
セット方法も同じです。
本記事の2産地、写真のビジュアルが全部一緒過ぎてコピペでも良さそうなのが悲しい・・・


その後・・・
結論から言うと、「うまくいきそう」です。

両方のセットとも材を齧っています。いずれも材の埋まり際の所を重点的に齧っていて今では材が程よくボロボロになっています。
KIMG4033.JPG
これだけ齧っても卵を産んだかまだ定かではないのですが、そろそろ♀を取り出し保管に移したいと思います。
少なくとも、「こんなに産んじゃってどうしよ~」なんて調子づけるほど産んでないとは思うので、もし採れたら次こそは生まれた分の幼虫を皆無事に羽化させなければいけません。


2019年青森県産オオクワガタ♂.JPG
最後に、オオクワネタと云う事で今期の採集状況について。
今期は、去年までのコクワ採集でお預けになっていた新規開拓挑戦も再開したのですが、難易度がえげつなくて苦しく虚しい日が続いています。採集済みの産地(市町村)で遊んではいられない(すみません、言い方が悪いですね)と思い、前項の2市町村では今年まだ一度も採集していません。
つまり今年はまだ1頭も採れていないのです

6月から色々な所で色々な事をやってきてはいますが、無理を押した結果体調を崩し気味にもなっているので、本当に最近は焦っています。
6月7月ともう過ぎちゃって、あとシーズンは半分の8月9月だけですからねぇ。

ねぶた祭り(8月)、このまま来なければイイのに・・・



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