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青森の昆虫事情 ブログトップ
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鈴木さん 大丈夫そうなら連絡下さい [青森の昆虫事情]

特定の個人に何かを訴えかけるのはブログでやるような事ではないのかもしれませんが、もうこれくらいしかやりようがないのでこうして今書いています。



鈴木店長がファーブルハウスの店舗を引き払って既に3年以上経ちますが、「更新しているかな?」と未だにホームページへ度々アクセスしています。

ところが、昨晩アクセスしたときには繋がらなくなっていました。
ホームページのアドレスを何度読み込み直しても

not found.png
この通りアクセスエラーになってしまいます。

ホームページが消滅してしまったのかと、スマホで鈴木さんにLINEを送りましたが既読が一向に付きません。


このまま書きっぱなしで放置しておくのもまずいので、ひとまずこの後何か動きが有っても無くても本記事の追記で状況報告したいと思います。

〉〉19:00 追記分


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夜の昆虫採集での注意 [青森の昆虫事情]

今週初め、知り合いからある写真が回ってきました。


昆虫採集におけるマナー順守のお願い.jpg
↑↑これは、青森県のとある行楽地の一画に貼り出されていたものです。
(なお、この画像は実際に現地へ赴き撮影した写真です)

他県でこうした「昆虫採集者へのメッセージ」が貼り出された事はウェブ上で何度も見ましたが、本県で見たのは今回が初めてなので大変衝撃を受けました。


なお、貼り紙の下部には現地の町内会名も書いているのですが、当ブログではトリミングして掲載しています。
こうすると、「その写真本当に青森県内なの?」と訝しむ方もおられると思いますが、残念ながら事実です。SNSで探せば全容を写したものが見つかりますし、本記事としては「どこなのか」は大して重要ではありません。当地の事情を全く知らない方には余計な情報ですし、青森県で車を使って外灯回りをほうぼう行なっているような方なら聞いた事や行った事は絶対ある・・・と言っても過言ではない場所なので、分かる人にはすぐ見当が付きます。




さて、この貼り紙のメッセージを読んでみて、皆さんはどう思うでしょうか?

ここに書かれている内容、
採集を行なうなら当たり前の事ばかりです。

こんな「採集者としての知識」以前の常識的な事を地元の住民の側から言わせてしまうと云うのは、昆虫採集をする者として大変恥ずかしく思います。



当地で一体何があったのか、どういう状況なのか、
知り合いからの情報と現地での聞き込み内容を大まかにまとめました。
なお、どれも夜の時間帯の話です。

私有地に無断で入られる
貼り紙にも書いてある内容ですが、いくら昼間は観光客が多く色々な人が歩き回る場所であろうとも、夜は静かな住宅地です。当地の飲食店で聞いた話ですが、家と家の間の路地裏に入ってくる人もいたそうです。

建物の壁や窓に懐中電灯の光を当てられる
聞いた話としては特に多かった内容がこれです。建物が並ぶこのようなエリアでは懐中電灯の扱いは特に厳しくならないといけないのですが、複雑な空間である為スイッチを入れたままフラフラとあちこちに向けてしまう人も居るのではないでしょうか。
また、真っ暗な屋内から見れば分かりますが、たとえ直接窓に光を当てなくても建物に向ければ室内から光は見えています。それはさながら「人魂」が踊っているようで、気味悪く映っているのです。

網で壁を叩く
建物の壁の高い場所に付いた虫を採る為でしょう、網で壁をバシバシぶつけられるとの事です。夜に屋内に居てそんな衝撃や音を感じれば、誰だって平静ではいられないでしょう。

車のエンジンを掛けたまま車外に出て散策
集落の中に車で入ってきて、エンジンを掛けっぱなしにしたまま車から出てきて周囲をウロウロ歩き回られるのだそうです。小さな集落の中ではたった1台の車のアイドリング音も気になってしまうため、迷惑となります。ちなみに、当地の方々の話では、こうしてエンジン音を響かせたまま探し回る採集者は、県内・県外ナンバー関係なくいるのだそうです。

集落内で複数名で騒ぐように歩き回る
これは具体的にどのくらいの大声なのか分かりませんが、それが昆虫採集者だと分かるくらいには響いていると云う事が察せられます。

植木鉢・プランターを動かす
家の軒先にある鉢やプランターを動かす(ひっくり返す)人もいるそうです。外灯に飛んできて物陰に隠れる虫を探す・・・どういう狙い目か想像が付きますが、人の家の物に手を掛け動かすのは論外です。

ゴミを捨てていく
歩きながら飲み殻などを捨てていく人もいるのだそうです。当地には自動販売機も在り、飲み歩きながら採集しその場でゴミを捨てているのも見るのだとか・・・



どの話も、「本当にそんな事する人いるのか・・・」と思う事ばかり。
当地は、古くから各種昆虫の記録が報告されている地域で、地元の昆虫関連誌にもここで採れた昆虫の記録が多々載っています。そんな歴史ある場所だけに、訪れる採集者の数も県内では特に多いと思われます。

ちなみに、こんな話をすると「やっぱりマニアか・・・」と思う人も出てくるかと思いますが、話によるとそんな事は関係が無さそうで、色々なタイプの人達がいるようです。
そうした人達の具体的なタイプや組み合わせも聞きました。偏見の助長になるので本記事ではあえて書きませんが、実は意外と「普段昆虫採集なんて興味無いけど、ひと夏のイベントにと思って採りに来た人」がこうした行動を犯しがちだったりします。
突発的に採集に行くが為に不慣れと言う点もあるでしょうし、昆虫採集は「単なる口実」で結局複数人で燥ぐのが目的としか見えないような場面にも他所では何度か出くわした事もあります。
昨今の昆虫関連書籍や採集関連のウェブサイトにはお決まりのように「採集時のマナー」は載っていますし、世の昆虫好きでそこを読んでいない人なんていないと言ってもいいくらい、虫の知識がある人なら頭に入れている事です(その上でやらかす人も一部いるとは思いますが)。しかし、そういった本やサイトを読んだ事の無い人の中には、どういった事に気に付けるべきか分からずにやってしまう場合もあるのでは・・・とも思えるのです。

その上でもう一度この貼り紙を見てみると、どれほど優しい書き方なのかよく分かりますよね。
通常であれば「採集禁止」と言われても仕方ないような事でありながらも、まだ採集者側に猶予を与えてくれているような寛大さが行間に滲み出ています。

注意文は柔らかい書体(ポップ体)で、ある種穏やかそうに書かれていますがその背景に隠れた実態は深刻で、上記の内容が時に深夜や朝方にまで及んでいたり、直接面と向かっての注意・クレームも何度となく繰り返されているのだそうです。警察への相談も既にされているとの事で、パトロールも行なわれています。「通報」うんぬんの文言は決してハッタリではありません。

聞き取りをしていた時も、「クワガタが拾えるって話で昔から有名みたいで・・・」と教えてくれる方もいた一方、「知らない人には何が採れるかとかすらも喋りたくない・・・」と云う顔をされる方もいました。
このように、色々な意見があったでしょう、それを含めて考えるとこの一見物腰穏やかそうな貼り紙も楽観視する事はまったくできませんよね。


今現在、この貼り紙は採集者が特によく来る一画のみに数枚貼られているだけですが、この状況が続けばどうなるかは書くまでもありません。さらに言えば、こういう状況になった場所は、「それまで些細に思えた事」に対しても過敏になりがちですので、余計な事をしてないから採集してもぜんぜん大丈夫・・・とも限りません。

くり返しの話ですが、昼間は行楽地であっても夜は静かな住宅地です。静かだからと言って、そこに居るのは自分(自分達)だけではありません。
「マナー」と云ったやわらかい表現で済ませてもらっている間に、こうした全ての問題行動が無くなってほしいですね。




そして、この問題は貼り紙が出された当地に限った話ではない事も、よく覚えておかなければなりません。


タグ:青森県
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蟷螂ハ何処ニ産スル [青森の昆虫事情]

秋もそろそろ終盤となってきましたね。
紅葉の見頃も過ぎつつある中久しぶりの更新ですが、今回はクワガタをお休みして別の昆虫について書いてみようと思います。


時期は9月、コクワ成虫採集シーズンも終わりに近づきつつあり、焦りを覚えながら夜の津軽平野を車で走り回っていた時の事です。

閑静な住宅地のとある交差点にさしかかった時、車の前をパタパタ・・・と見慣れないシルエットの虫が飛んでいきすぐ着地したのが目に入りました。
大きなシルエットだったのでトノサマバッタかと思ったのですが、バッタにしては妙に弱弱しい飛び方だな~と気になってしまって、車を降りて確かめてみてビックリ! 正体はカマキリでした。

何がビックリって、自身カマキリを見たのは随分久しぶりだからです。
いや正確には何年とか覚えてないのですが、見た瞬間「うっわ久しぶり~」なんて感想が出てきましたからね。しかも、そのカマキリはこれまで一度も見たことが無かった種類です。その場でしばらく撮影会ですよ。

そんな事があったもんですから、コクワ採集に煮詰まっていた時の良い気分転換としてそこからカマキリ探しにシフトチェンジですよ(気分転換とは言っても平日の夜とか行ってると体力的には結構大変です)
津軽半島から下北半島にかけて、居そうな所を見て回ったんですが探すと大変ですね・・・
時には、No.2No.6をお供に大捜索網を張ったりして、成果たる成果はあまり無かったんですがそれなりに楽しむ事はできました。


そんでもって、ちょっとワケあって青森県に分布するカマキリについて調べてみる事にしたんですが、意外にも青森に自然分布しているカマキリってかなり少ないんですねぇ。
カマキリって人気昆虫のわりに意外と情報がフワフワしたところも多いので、今回は青森県に見られるカマキリの種類の概要と、これから先青森で見られる可能性がある種類を紹介します。
ちなみに、学名は日本産直翅類標準図鑑など(※)を参考にして、自分の所感も織り交ぜて書いていきます。
※「など」ですよ・・・



青森県に分布している種

オオカマキリ Tenodera sinensis (Saussure, 1871)
KIMG3314.JPG
(2021年 青森市 ♀)

カマキリとしては日本最大種で、♀は最大95mm前後にもなります。体色は緑または褐色で、生息環境によってその割合がある程度比例するようです。前脚(脛節~基節)に模様は無し、前翅も模様は無く、後翅はそのほとんどが黒く色づいています(写真「→矢印」)。前脚の付け根の色は黄色です(写真「←矢印」)
KIMG3324.JPGKIMG3321.JPG
国内分布は北海道南部から九州までで、海外では中国~東南アジアです(だからsinensisなんですね)
主に平地から山間部の草地や林間で見る事が多く、卵のう(卵鞘や卵包とも)は細い草(2~6mm径)に好んで産み付け、形は釣鐘型(カマキリの中で一番立体的な形)

青森県では全域で見られ、特に一般的な種類です。
青森市内でもわりと街中で見つける事があり、ネットで調べて出てきた青森県産カマキリ写真のほぼ100%近くがコレです。今年は、青森市とむつ市とつがる市で観察出来ました。
KIMG3313.JPG
(2021年 むつ市 幼虫)

卵の高さと積雪予想
カマキリの話で有名な、
「卵のうの高さで、その年に積もる雪の深さが分かる」
と云う話、もう随分と前に弘前大学の研究でそれが間違いであると云う事が分かっているのですが、未だに冬前になるとその話題が出ていますね。

積雪予想の話の元になった論文は、検証の段階で条件が場所場所によって違っていて、さらに相当の補正をかけて結論が出されています。
青森県(弘前)において積雪前の時期に卵のある位置を探した結果として、基本的に細い草本や蔓性木本なんかの低い植物に産む事が明らかとなっています。さらに、冬季の大部分を経過した積雪下の卵を採集して加温したところ100%に近い割合で孵化したと云うデータがあります(15年位前ですが当時ラジオのニュースで流れていたのを覚えています)。青森のように平地ですら1m以上雪が積もる土地では、草なんて豪雪と吹雪で全部倒れて埋まっちゃいますからねぇ・・・
雪解け期を想定した浸水実験でも、卵が成長しない温度帯では60日の経過後も高い孵化率だったとの事です。

詳しい事は、東海大学出版会の「耐性の昆虫学」で読む事もできますが、積雪予想が出来なくてもカマキリって凄い生き物だと感心させられますね。




ウスバカマキリ Mantis religiosa (Linnaeus, 1758)
KIMG3161.JPG
(2021年 つがる市 ♂)

成虫は♀で最大65mm前後で、オオカマキリと比べるとやや小さいです。体型はオオカマキリと比べると細く華奢で、体色は淡く薄いですね。
前翅がやや透き通って見える事が和名の由来だと思うんですが、実際見るとちょっとツヤツヤしていてオオカマキリより美しく感じます。また、前脚の基節に黒くて丸い紋模様が入っていて、本種を見分ける一番簡単なポイントでもあります。
KIMG3152.JPG
この黒紋は個体によっては中が白くなる個体もあって、見た目から俗にリング紋とか言われています。
管理地のような草丈の短く、しかも安定した草原環境に生息しています。卵のうはオオカマキリのように草に産むのではなく、倒木や石の裏などに縦長に貼り付くようにして産み付けられます。

青森県で昔から分布しているカマキリの一つですが、オオカマキリとは違ってそこらヘンでは全然見つけられず、現在は分布がかなり限定的です。生息地の環境選びが非常にデリケートと言われ、ただ普通の草むらではダメで、ある程度茂りが抑えられていてススキやカヤみたいな高い草が無いような所で見つかる事が多いです。具体的には、池沼の畔とか、河口部の河川敷とかですが、例外的に人工的に整地された人工の草地なんかに来る例もあるようです。

カマキリって実は世界中のほとんどの種類が南方系で、日本産の種類もほぼ全部が南方系(東南アジアなどを中心に繁栄してるグループ)なんですが、このウスバカマキリだけは北方系(旧北区=北半球、ユーラシア大陸北部やアフリカ北部)に繁栄してるグループです。変わってますね。




コカマキリ Statilia maculata Thunberg, 1784
CA3I1132.JPG
(2012年 青森市 ♂)

成虫は♀で最大60mm弱といったところ、名前の通り小ぶりな種類です。体色は主に褐色で木肌や枯草のようなうっすらとした斑模様が見られます。前脚の脛節・基節には黒い帯状の模様があります。この模様のせいか、主観ですが「地味だな~」とは思いません。
体色の通り、どちらかと言うと好地上性らしく、荒れ地や草地で見る事が多い(みたいです、調べた限りは・・・)

・・・実は、平成に入ってから県内で発見されるようになってきた種類で、クロアゲハ系のパターンと同じく日本海側周りで秋田から北上してきたものと思われます。個体数は少ないですが段々各地で見られるようになってまして、自分もその実状を知らなかった時期(何年も前です)に青森市新町野付近、十和田市奥瀬宇樽部で観察した事があります。






偶産、もしくは今後北上して青森でも見られる可能性がある種

チョウセンカマキリ Tenodera angustipennis (Saussure, 1869)
体長は成虫♀で90mm前後、オオカマキリと同じか僅かに小さいくらいです。体型・見た目はほとんどオオカマキリに似ているのですが、
・前脚の付け根がオレンジ色である事
・後翅の黒みがほぼ全くない事
で判別が可能です(オオカマキリの画像を参照)
生息環境はオオカマキリとはっきり区別がつけられないようなんですが、卵の形は違っていて、縦長で草木や壁に貼り付けるような形をしています。

国内分布は、本州・四国・九州~などと書かれているんですが、安定して生息しているのは関東以西で、東北では珍しい種類です。本種はもともとただの「カマキリ」と呼ばれるほど普通種なのですが、それは北日本を除いての常識なんでしょう。ウスバカマキリのところでも書きましたが、世界的にはほとんどの種類が南方系で、国内分布の中心は南・西日本なんですよね。
記録があるのは岩手・秋田までで、この辺りになってくるとやはり発見例が稀なのか、見つけたら報告の価値が生まれてくるのでしょう。また、以前に北海道での発見例があるんですが、これらは本土から持ってきた植木などに卵が紛れていたのが孵化した(偶産)ものだと言われ、北上による定着の他にこうしたパターンで発見される可能性も今後あるかもしれません。




ハラビロカマキリ Hierodula patellifera Serville, 1839
体長は♀成虫で最大70mm程度と中型です。体色はオオカマキリと似ていますが、体型は寸詰まって太く、名前の通りです。前翅中央外側に白い斑点が付いています。
草原性というよりは樹上性で、生息地ではわりかし高い場所に居るようです。卵は、オオカマキリほどは立体感はない楕円形で、木の枝や壁面に産み付けるとの事。

これも、実は青森県に定着しているか疑惑があり、「見たことあるよ!」と言う人がたま~に居るのですがこれも植木などに紛れて関東などから持ち込まれた個体を発見したに過ぎない可能性が高い偶産種と思われます。
北日本では、福島で2~3年に1回くらいで報告があり、宮城の辺りになってくるともはや発見しても偶産扱いのようです。日本海側では、新潟でレッドデータブック入りしていて、チョウセンカマキリと比べるとこちらの方はまだ本県入りするのは(偶産以外で)まだまだかな~と思われます。




ムネアカハラビロカマキリ Hierodula sp.
体長は♀成虫で最大80mm程度。「ハラビロ・・・」と名前が付いておりハラビロカマキリに近縁ですが、より大型で、身体の腹面が赤みを帯びています(個体差あり)

本種は、もともと日本には居ない種類でした。
近年、中国から箒などを輸入する際に紛れ込んできたとされ、初めて発見された中部日本(福井だったかな?)から次第に分布を広げ在来種の生息を脅かす存在として注視されています。カマキリなので、在来種の別のカマキリの餌の取り合いで競合してしまう他、別種同士のカマキリで共食いも起こり得ます。実際に、本種が多くなってきた地点では在来のハラビロカマキリが減ったと云う報告もあって、広がり方は侵略的です(しかも飛翔能力が高いのだとか)。現在のところ、福島県福島市まで来ている事は調べられましたが、耐寒性によってはこの先北上してくる危険性があります。
また、本種の生体を国産種だと勘違いしてオークションで売っていた例も今年あったらしく、そうなってしまうともう救いようがないですね。




ヒメカマキリ Acromantis japonica Westwood, 1889
体長は♀成虫で最大35mmほど、普通のカマキリのイメージからするとかなり小さいです。
分類としてはハナカマキリに近いとの事。幼虫は、初令の頃は黒くアリかサシガメ類の幼虫のような体型で、本種に限った事ではないのですが幼虫期に腹を反り返らせる事ができます。
樹上性で、振動など与えるとその場から落ちて擬死を起こす事が多いです。

分布の中心は西日本で、勿論青森県から見れば全く馴染みが無い種類です。そりゃぁハナカマキリに近縁で南方系の種類ですからね。ハラビロやチョウセンよりも青森から遠い種類です。
昭和後期までは近畿・北陸の日本海側付近が北限とされていたようですが、平成に入り段々と記録が北上し、10年近く前にはすでに秋田県秋田市まできています。青森県に入ってくるとしたら、やはり西海岸回りと思われます。




Asai tsutomui Sekine, 1953
体長は170cm弱、別種に擬態することに長けています。都会性で、高所で見られる場合がありますがじっと見ているとよく落ちます。
分布は東京都のみですが、各地で偶産の記録があります。
ちなみに、rabbit sekinei Katsura, 1975 と記載され一般的に広く認知されていたものは現在はシノニム扱いとなっています。




Sugoize teruyukii (Kagawa, 1965)
体長は170cm前後、別種に擬態することに長けています。「チョアーー」と鳴くことがあり、非常に悪食で様々な昆虫を捕らえることから、近年非常に注目されています。
東京都に分布していますが環境の適応範囲が広く、やや侵略的性質を持っているのも特徴です。





以上です(すっとぼけ)
国内産のカマキリはまだ西日本産や沖縄産の種類もいくつかあるのですが、それほど多くはありません。・・・とは言え、書き始めてから時間が結構かかってしまいました。

カマキリの写真も今年久しぶりに撮った事もあって、なんとな~く記事を書こうと思っただけではあるのですが、10年近く前に撮った写真が使えたのはスカッとした気分です。

KIMG3320.JPG
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青森の昆虫専門店、店舗終了によせて [青森の昆虫事情]

去る11月24日、青森県で唯一の昆虫専門店だったファーブルハウスが店頭販売を終了し、青森県昆虫業界史上の一時代が終わりました。

 過疎の進む北の果て、どう考えても商売にならなそうなこの青森の地で愛玩昆虫を商材にして戦い続けて(?)きたここの店長・鈴木さんとも、開店以来色々な事をしてきたり話を聞いたりしてきました。

 利用客の立場としては、ちょっとイレギュラーな営業形態の為に困る事も多々あったお店で(逆にこっちが困らせる事も多々ありましたが)同じような思いをした人が他にも居たようですが、店長自身はあまり書きたがらない話もあるので、そんなファーブルハウスのあれこれについて、一人の客、そして一人の虫仲間として、許される範囲ギリギリ(笑)で記念に記事を書いておきたいと思います。


虫好きの出会う場所
 有店舗型の昆虫専門店と云うのは、なかなか同好の士と出会う機会が少ない我々のような人間にとって貴重な交差点のような役割を持ち、非常に大きな存在であると思っています。
何しろ、普段の生活の中ではわりと(?)マイナーな趣味で後ろ指をさされるような経験をする人も少なくない世界です。話が合う人になかなか出会えない世界(理解を示してくれる場合は多々ありますが)でもあります、「あそこなら話が分かる(出来る)と決めつけて向かって行ける場所と云うのは本当に有り難いもんです。
 開店した2009年当時は、たしかTwitterも浸透してなくて、SNSで流行ってたのは個人ホームページ、ブログ、mixi、Facebook・・・くらいでしょうか。個人同士でオフ会する事は今よりはずっとハードルが高かったんじゃないかと思います。これ以外で虫好き同士が出会う場と言ったら、地元の同好会に所属しての集まり(ライト層が入り辛い)とか、フィールドで鉢合わせる(確率低いし、カブクワが標的の場合バチバチしやすくて仲良くなりにくい)くらいでしょうか? 特に、交流環境が恵まれていない田舎の場合、突発的に虫好きになるライト層の拠り所が無く、誰と関わることもできず趣味の限界点が早く訪れる危険が高くなるように思います。
 そんな中だからこそ青森で昆虫専門店と云うのは、迷える子羊達に射した一筋の光・・・と言っても過言ではないと思うのです。
自分も開店初日に店に行って以降、数えきれないくらい店へ足を運びましたが、そこで他の客と虫の話をする機会も数多くありました。中には、それがきっかけで虫仲間としてその後交流する事になった人も複数います(今のNo.7もその一人です、初めて会った時の事を覚えていないんだけど)

-互いに影響し合う-
 店長の話を聞くと、カブクワだけではなく色んな生き物趣味の人が来たようで、魚(釣り・観賞魚)、チョウ、ガ、カミキリ、オサムシ、セミ、水生昆虫、奇虫、ザリガニ、爬虫類など色々・・・、客同士のみならず店長自身も他人の趣味に影響されたのか、最初はカブトとクワガタだけだったのが他の分野にも食指を広げ(昔は釣りとかしてたらしいし大体生物全般好きだからね)、時期によっては〇〇を取り扱ってみたり、△△に傾倒したりと、交流によって趣味の世界が広がっていくのはこんな感じなんだなと、他人目線で窺い知ることが出来ました(自分は人に感化されて趣味を持つタイプではないもので・・・)
そんなもんだから、時としては「いやァ~そんなに今ガの話をされてもなァ~(困)」なんて事もあったり(苦笑) 店長の手もとに今在るカトカラやセミの標本箱も、10年前だったら考えもしなかったでしょうね。ネットの世界だけだったら、なかなかこうはならなかったと思います。

-メディア向きじゃない人柄-
 また、客以外にも色々な人が店に入ってきたようですが、書いてもよさそうな話だと『テレビ番組関係との相性の悪さ』
メディア取材の中ではテレビ・ラジオあたりに対する拒否感が強く、昨今の昆虫ショップは「×××テレビが取材に来ました。〇月△日放送です、見てね」なんて書いているのをよく見かけるようになりましたが、この店はその辺不器用と言うか、時代と逆行しているというか、

・街ブラ系の番組ロケ(だったっけ?)でふらッとカメラを回しながら入って来たクルーに強制退去&取材NG
 (これは仕方ないか?)
・地元の夕方の情報バラエティー番組の夏休み昆虫採集企画を拒否
 子供たち集まれ~的な内容で、店長には最も向かないタイプだったそうな)
・ラジオ出演も却下、知り合いの採集屋に席を譲る
 (やはりクワカブで企画練るとどうしても子供たち集まれ~になっちゃうんでしょうね)

等々、話を聞く度に「うわァ~もったいねぇ~」と思うのですが、逆に店長がやる気を見せそうな番組構成だったらどんな仕上がりになっていたのか・・・
この先ワンチャンないかな(笑)

-鈴木店長-
 あと、「初めての客視点で見るとこんな店長だよ」と云う内容で言うと、
高校生くらいまでの若年世代
親子連れ(主に母子)
の客層はきっと好感度が激しく分かれたんじゃないかなぁ・・・
店のホームページにも書いてありましたが店長は体育会系の人間で、「こっちはお客と云う名の神様だからな」と云う態度で入ってきたり、狭い店内にもかかわらず無言で入ってきた上に扉を開けっ放しにするような客にはまともに接客もしない事もあったとか。
・・・で、話を聞くと上記2タイプの客層はこの琴線に触れる事が多かったらしく、狭い店内に入ってきて「こんにちは」「お邪魔します」の一言も無い・・・と云う事も多かったのだそう。若年層はまぁ解かると云うか、自分も高校生の頃「もうちょっと相手の目を見て喋れ」と店長に何度か注意される事もあったからなぁ・・・(笑) 親子連れの場合、小さな子供にせがまれてイヤイヤ店に入る母親の態度が露骨だったりするんでしょう(汗)
こういう時の店長の佇まいって、「ただの気怠そうなヤ〇ザ」と変わらないみたいなので、一度行ったらもう行きたくないって思う人も少なくない気はする・・・(汗)
(自分の時は入店第一号で特になんとも思わなかったんですが・・・)

 ・・・と云うか、興味持ちたての虫好きが持つ昆虫ショップ店長の見た目のイメージってどんななんでしょうかね?
さかなクン養老孟司みたいな感じ?
それとも笑い飯・西田(昭和昆虫博士やないか!!)佐野史郎(例のアノ役)とか?
・・・否!! 実際のところは哀川翔遠藤憲一やべきょうすけです(偏見!!)

では鈴木店長の場合ですが~・・・どう見ても太ってた頃のマキシマムザ亮君です。
(ちなみに他の人の意見では、八戸の某氏曰く「井筒和幸監督でしょ」)


 「よく分からんけど、ちょっと変わった店だからとりあえず入ってみよう」と云う客には向かない店だった反面、虫関連でももしくは全く関係無かろうとも知りたいことがある・・・と云うような、買いたい物は無くとも何らかの目的を持った客にとってはかなり充実した空間だったのではと思います。


採集と休み
 カブクワを中心とした専門店は大きく分けて2種類、ブリーダータイプの店キャッチャータイプの店に分類できると思っています。前者は主に国産及び外国産の生体を多様に取り揃えていて成虫・幼虫問わず沢山の在庫を店頭に並べている感じの店、後者は取扱い生体は前者に劣る反面独自に採集した確実な産地ラベルの個体を販売している感じの店、と云った具合。例外はあるものの基本的にはこの2種類の比率が店ごとに違っていて、専らどちらかに偏った店となるとパッと思い浮かぶ所も多いんじゃないでしょうか。
 ファーブルハウスに関しては、最初の2~3年は5:5くらいのちょうどイイトコでバランスがとれていました。年中パターンを変えつつ樹液や外灯回り等で採集を継続しながら、初心者受けする外国産大型種やブリードにクセのある美麗種を含め何十セットも組んだりして、一時期は大ホソアカ帝国と化した事もありましたね(その時の名残か、未だにチュウホソアカの問い合わせが来るらしいですね)
しかしその後段々と採集の方にウェイトが偏り始め、最終的に採集9飼育1ゴリゴリのキャッチャータイプの店になっていた事は、お店のホームページで『飼育と採集の知恵袋』カテゴリを読んだ人なら一目瞭然ですよね。

-採集屋・ファーブルハウスへ-
 2年目(2010年)の夏からライトトラップに参入した店長は電気系の知識とかもそれほど無かった筈にもかかわらず、年を追う毎にメキメキ知識と経験を積み重ねていき、採集屋と化していったワケですね。僅か数年でライトラ技術が県下随一まで(個人的な意見だけど)になったのは本職だからだろ?と思いきやそんな単純な理屈ではないんですね。
見た目が反社アレなんで、どうせ「オラァァ爆光じゃァ~!!! ガハハハハ!!!」て感じ(解かり辛かったらすみません)だと思いきやかなりの分析派で、月齢・天候や採集現場の環境の見立ては勿論の事、当日から数日遡っての気象条件の計算、現場から離れた地形の影響や青森県の特有の気象環境、他の採集者の出入りの影響やその他色々、前年までの結果や成績を汲んでのトライ&エラーを県内の各地で行っているワケです。飛んで来るクワガタも分析してどう手元に引き寄せるか、どうしたら取り逃がさないようにできるかの技術や見識も磨き上げられているので、店長の助言により「遂に念願の青森産オオクワガタが採れました!」と云う人も少なくないはず。
直接店に来てではなく、山で採集する時に知り合ったと云う関係性の人も多数居り、採集の情報を交換したり、時に同時展開でライトトラップをしたり、果てはここ数年毎年開かれている納会で語り合う関係も生まれています。

-採集者同士の関係の気難しさ-
 本職として採集に行くので出会う人数が多い事もあり、気が合い打ち解ける人も居れば、意見が合わず対立してしまう人も居たとの事。
・・・と言うか、実は自分も昔はその一人だったんですけどね(苦笑)
自分の時は、やはり意識の違い・行動に対する信頼性の問題なんかが引き金になって一時的にお互いの距離が開いたという事なんですが、他の人の場合も具体的な内容は違えどそういったところが原因なんですよね。
でもさすがに、「オオクワたくさん採ってていい気になってる!気に入らねぇ!」みたいな逆恨み的で勝手に敵対視する人は始末に負えないですが・・・

 ただその延長で、特定の誰かだけと仲良くしたり、反対に特定の誰かと対立したりが極端になってくると出来上がってきてしまうのが、いわゆる『派閥』と表現する感じの人間関係。『虫屋仲間・虫友達』ではなく『派閥』
ものものしい(?)グループ名を名乗り誰かを相手にマウンティングを取ったり、集団でネットに誹謗中傷を書き込んだりと云った話が古今東西あるワケですが、その辺りで誤解を受けないように(自分たちの為にも)説明しておきます。

 極端な話、「オオクワ採集をする人同士が出会う=どこかの派閥に入る」みたいな認識を持っている人が居るかも知れません。
オオクワに関しては、情報がかなり重要で、採集者同士で交換する情報は非常に有用である事は事実ですが、
「あそこで採集する為にはその地域のベテランである〇〇氏に挨拶しないといけない」
とか、
「会って話をするからにはそこのグループに入って連絡先を交換しなきゃいけない」
とか、
それは誤解です。

 特に、地元の話に当て込んでみると、今現役で採集している仲間内の最年長が鈴木店長ですが、絡みが無い他の地元採集者や、県外から遠征で青森に来る採集者の方の一部からは「青森のは鈴木一派が独占してて・・・」なんて見方をされる事もあるようですがあれは吐き気がしますね。と言うか無理でしょ。
他にも、「青森だと鈴木っていうショップ店長が現場を仕切ってる」・・・みたいな言われ方が一時期されたのを耳にしましたが、なんとも近視眼的でこれも迷惑な話です。
鈴木店長自身、採集を始めた頃に津軽側グループvs南部側グループみたいな構図(青森らしいよね)の中に巻き込まれ面倒な経験をしたとの事らしく、虫屋の店長と云う立場柄、まかり間違ってこうした『派閥』構造になってしまわないよう人間関係に気を使っているのを、やりとりの中でしばしば感じるものがあります。
意見が合ったり共感できるからこそ一緒に採集したり情報をやり取りするのであって、例えば自分の場合だと鈴木店長に弟子入りしたつもりもないし向こうも同じでしょう。「え? 鈴木さんそれ違いますけど何言ってんスか(真顔)」なんて会話も普通にありますからねぇ。他の知り合いだって、「ファーブルハウス鈴木のグループか」と聞かれても「えっ、いや違うけど って言うか何それどういう事?」と返すと思います。気分悪くするでしょうね・・・。
上下の関係が強いられるような事が趣味の世界で起こると短期間で関係が決裂すると云う例も、自分達はほぼ同時期にわりと近くで見ているので、年齢や経験・分野の違いこそあれど「良い虫仲間」であるべきと云うのを認識として共有しているワケです。
 まぁ店長の場合は実際、技術も熟練していて経験も豊富、現場の地形も熟知している人ですから、青森の狭い採集エリアで皆仲良く採集する為にアドバイスや注意を促す事も多いので、話を聞いた人の中には「難癖を付けられた」と思う人も居るのかも知れません。「青森云々・・・」の話の出所って、こういう絡みの末に敵対意識が芽生えた人だったりするのかも知れません。人って難しいですね。

 敵対意識、派閥意識、この両者は限りなく近い所にあります。近年青森も鈴木店長を含めてそういった誤解を受ける様な雰囲気があったので、ちょっと軸がボヤけましたがついでに書いてみました。
(じゃぁお前ら日昆はどうなのかって? 見事な有象無象&烏合の衆ですけど? ・・・アレっ?・・・ちょっと泣けてきた・・・)

-ワット数は重要ではない-
 話を戻して、範囲の狭い話題が続きますが、店長のその採集手腕の凄さを語る為に外せないのは、硬軟織り交ぜたそのライト機材の豊富さ
スタンダードの400W水銀灯をはじめ、1500Wメタハラから乾電池式のUV-LEDまで。HIDランプも色々試してきて、いつぞやはその実験に自分も同行する事もあったのがいい思い出です。
国内の採集者の中には何人かとんでもないランプマニアがいるようで、流石にそこまでは集めてはいないと思いますが、青森で採集する場合の必要十分な機材は絞り込んでしまったでしょう(ここからの時代は機材が衰退する一方ですしね)。青森の場合は、気象条件の悪い中・採集環境が悪い中から虫を採る技術が大事なので、意外と小物を使うんですよね。
これが先にも書いた通りで、店長の場合、大爆弾を毎回たくさん並べてダイナミックなナイター・・・はせず、現地で道具を選んでメインと補助を状況や時間帯によって巧みに使い分けています。その日の道具選びの読みと変態的な使い方が、ライトラにおいてあの人を化け物たらしめる所以でしょうか。

-よく閉まる店-
 そんなこんなでシーズンになると採集採集また採集・・・で店を閉める事が多くなるので、営業時間13時~19時って書いてるのに店へ行ったらシャッター閉まってるなんて事は日常茶飯事でした。昼3時なら居るだろうと思って店に行ったら閉まってる、・・・なんて事が何度あった事か!!
採集シーズンは早めに店を閉めると云う事は書いてあるんですが、せめて休店する日は公示してくれませんか(泣)
県外など遠方から来て、「今日開いてるはずなんだけど店閉まってた」と泣きを見た人もかなり多いはず・・・


販売生体
 採集はともかくとして、最後に書いておきたいのがお店で実際に売ってる虫の話。
・・・と言うかここまで書いたらもう終わっておいた方がいいんじゃないかな(汗)

 基本的に、国産及び外国産のカブトムシ・クワガタが売られていて他の昆虫(等)もごく偶に置かれていたのですが、後年は外国産の取扱いが少なくなり果ては国産の陳列数もごく僅かと云う状況になっていました。
これもひとえに、周囲が心配するほど店長の商売っ気が欠如している事に起因します。

-生体、あるんですか?-
 棚に置いてある生体も、特に採集品とかは値札が付いてない事も多いので売り物なのかどうかが分かり辛い・・・・・・
値段を訊くのも気が引けるんですよね。さんざん質問した後に結局買わなかったら、睨まれて舌打ちでもされるんじゃないだろうか・・・客によって提示金額を変えているのではないか・・・などと。繊細過ぎるかも知れませんが(苦笑)
実際のところ、「とにかく売りつけよう」みたいな圧迫感も無いし、価格的にはかなり良心的で市内から採集に行って採ってくるよりも安い設定ですからね。
その辺も含め、話を聞くとこのお店の場合、他の主要な専門店と違って販売生体を問い合わせる時は『在庫確認』ではなく『相談(採集依頼)の方が向いてるタイプなんでしょうね。

 →「青森産〇〇クワガタの成虫って今在庫ありますか?
 →「青森産〇〇クワガタの成虫を探しているのですが予約等お願いできますか?

こういった部分が、はじめの方に書いた『目的を持って来た客にとっては・・・』を表す分かりやすい例ではないでしょうかね。

-いつの間にか終わってたセール期間-
 そしてもう一つ、正月の初売り6月頃の周年セールを毎年やっていたんですが、日程の告知がとにかく遅い!!!
大きなお世話以外の何物でもないのですが、言わせてほしい!! と言うか毎年本人に直訴しているのですが、セールの2~3日前に発信してもほとんど誰も気付かないでしょー!
飼う人だってブリードには計画だってあるだろうし、通販ショップもたくさん在る今の時代に、パッと見せてサッと売れる事ってそんなに無いでしょうよ~!
正月の初売りだって、貴重なWILD生体を出す大事なセールなんだから、せめて2週間近く前にはセール日教えておかないと、正月ってみんな意外とスケジュールがシビアで動きにくいんですから~!



 そんなファーブルハウスも、過ぎてみれば10年が経っていました。

10年前その当時、自分はまだ18歳。高校3年生です。
開店初日に心躍らせながら店のドアを開けた時の事、今思えば煙草のヤニが全然無くて小奇麗だったな~(笑)
消耗の激しい営業内容でいつかは終わりが来る・・・とは思っていましたが、欲を言えば更に永く続いてほしかったと今でも思わずにはいられません。
《出会う事が稀な県内の虫好き同士を繋げる場》としての役目は一通り果たしたと、本人の中で区切りが付いたようで今後は通販による営業に専念するとの事。

日昆カステラ(これは嬉しかったなぁ).jpg 先日の閉店セールの際には、八戸での納会の時のお礼として、RDBを渡したうたたね猫さんからこんな素晴らしいプレゼントを頂き、その日はコガネのブリードや新ライト機材など虫談義に花を咲かせましたが、こういった交流や新しく繋がりを持てる頻度もこれから減っていくのだろうか・・・と思うと寂しさを禁じ得ません。


 奇しくも今年2019年と云うタイミングで店舗閉店した事についても、平成が終わり次の時代に移りゆく、ある種の寂しさか喪失感のようなものを煽り立てられました。

・・・と言ったところで、とりとめのない今回の記事を締める事にします。





閉店セールの直前に店長が体調を崩し、そこからしばらくの間はホームページの更新もあまりしていなかったようなので、ちょっとしたお見舞い代わり・・・そしてちょっとしたイジリ返しの記事でした。

※あと、年が明けて1~2ヶ月経ってもブログが更新されていなかったら
自分は十和田湖に沈められているか八甲田山に埋められている可能性が高いです。


CA3I0824.JPG

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青森県の採集禁止マップ [青森の昆虫事情]

虫ブログとして、これまで採集関連で「採集記」「採集方法」「地理解説」「採集道具」「採集トラブル」あたりは書いてきましたが、まだ書いていなかった大事な話があった事に今更気が付きました。


それが今回取り上げる『採集禁止区域』です。

年を重ねる毎に加速している昆虫採集上のトラブルの中には、これら採集禁止区域での違法行為が問題となるケースもあるかと思うので、それを予防する意味で是非とも知っておきたい内容です。


採集禁止区域とは、本記事で分かり易く言い換えた言葉であって、
正確には青森県内において自然公園法により指定されている国立公園及び国定公園特別保護地区と、指定された種の場合特別地域も、さらに世界遺産条例により指定されている自然遺産核心地域がそれにあたります。

「特別保護地区」とか「特別地域」とか所謂エリア区分の名称が出てきましたが、
自然景観保護の為、人為的行為の制限内容を階級に分けて区分していて、国立公園と国定公園でその規制が最も強い区分が前述の特別保護地区と云うワケです。


まず、規制の区分を特別保護地区から順に並べてみると以下の様になります。

・特別保護地区全て採集禁止)
・第1種特別地域(指定種は採集禁止)
・第2種特別地域(指定種は採集禁止)
・第3種特別地域(指定種は採集禁止)
・海浜公園地区(指定種は採集禁止)
・普通地域
(※以上、青森県庁ホームページから引用)


ただし今のところ、
昆虫そのものに関しては指定種はまだいない為、実質特別保護地区と自然遺産核心地域のみが採集禁止区域となりますが、昆虫採集において間接的・直接的に特定の樹木・植物に物理的影響を及ぼす場合は昆虫と同じ禁止区域の他特別地域と海域公園地区の指定種(植物)も避ける必要があり、その範囲は国立公園と国定公園だけに限らず、青森県立自然保護条例の下に県立自然公園県自然環境保全地域にまで及びます。

規制行為の全てをここに羅列するのは大変なので割愛しますが詳しくは青森県庁のホームページhttps://www.pref.aomori.lg.jp/nature/nature/s-kouen_kisei.htmlで確認する事ができます。
大雑把に言ってしまうと、最も規制が厳しい特別保護地区では車道・歩道・登山道以外では自然物に手を出す事は勿論、立ち入りも禁止されています。





さて、本題である採集が禁止されている具体的なエリアについてですが、
世界自然遺産の白神山地については核心地域のマップは現地へ行けば至る所に案内看板や観光用パンフレットがあるので認知・把握がしやすいのですが、国立公園及び国定公園についてはほとんど知る機会がありません。


確認するには、かなり昔ですが
CA3I0283改.JPG
むし社から1990年に「昆虫 採集禁止種・地区一覧 北海道・東北編」が刊行されている他、最新のものなら県のホームページ(同上https://www.pref.aomori.lg.jp/nature/nature/s-kouen_kisei.html)または環境省のホームページ(http://www.env.go.jp/park/)で載っている区画図を見るのが一番早いですが、全てをリンクで丸投げしては記事の意味も無いので、
正確な地図はリンクで引用又は参考にしつつ、最低限心得ておくべき特別保護地区が指定されている自然公園のみを、境界の目安となる地名を記し説明してみたいと思います。

できることなら特別地域や普通地域まで細かく説明すべきだとは思いますが、そうなると長くなってややこしくなってしまいますので割愛します・・・
また、地名はあくまで判断の材料であり、正確なものを示している訳ではありません。



十和田八幡平国立公園

画像をクリックすると別ウィンドウで拡大表示されます↓↓
十和田八幡平国立公園図
(※環境省「十和田国立公園地図https://www.env.go.jp/park/common/data/07_towada_map_j.pdf」を基に作成)

オレンジ色の範囲が特別保護地区です。

1 南北八甲田連峰
  ・北は青森市 前嶽1,000m付近
   北西は青森市 酸ヶ湯の背部
   西は黒石市 横岳~櫛ヶ峯の西斜面
   南は平川市 切明袖川沢源流部
   南東は十和田市 乗鞍岳~赤倉岳
   東は雛岳・谷地温泉付近

  ・田代平湿原

2 相坂川(奥入瀬川)
  ・十和田市 相坂川上流域(十和田発電所‐くるみ荘より先~子ノ口の手前まで)

3 十和田湖北岸
  ・十和田市~小坂町 十和田湖北岸一帯(御鼻部山南斜面)

4 十和田湖南岸
  ・十和田市 御倉半島~中湖湖畔~中山半島

ちなみに、本記事は青森県についての内容の為、岩手県側については省略。



下北半島国定公園
下北半島.png

オレンジ色の範囲が特別保護地区(目安)です。

1&2 恐山 区画図1を開く(PDFファイル) 区画図2を開く(PDFファイル)
  ・むつ市 屏風山西斜面~小尽山~大尽山北斜面~円山~朝比奈岳東斜面

3&4 仏ヶ浦 区画図3を開く(PDFファイル) 区画図4を開く(PDFファイル)
  ・佐井村~むつ市脇野沢の海岸及び岸壁 福浦~屏風岩

(※PDFファイルは青森県庁ホームページから引用)



津軽国定公園
津軽半島.png

オレンジ色の範囲が特別保護地区(目安)です。

1 竜飛崎・小泊袰内  区画図を開く(PDFファイル)
  ・外ヶ浜町 竜飛崎~屏風岩
  ・中泊町 マカ石~萱部の手前

2 小泊岬  区画図を開く(PDFファイル)
  ・中泊町 小泊岬突端部付近(羅漢石付近から尾崎山付近まで)

3 岩木山  区画図を開く(PDFファイル)
  ・弘前市 岩木山周囲(標高1,000~1,200m付近から山頂まで)

4 舮作崎  区画図を開く(PDFファイル)
  ・深浦町舮作‐沢辺の海岸 黄金崎~舮作崎~恵神崎(椿山を除く)

5 岩崎・白神山地  区画図を開く(PDFファイル)
  ・深浦町森山 森山崎(ガンガラ穴)
  ・白神山地の一部

白神山地の一部について、こちらは自然遺産地域内に入っているので次項の方に含め、割愛します。

(※PDFファイルは青森県庁ホームページから引用)




世界自然遺産 白神山地

画像をクリックすると別ウィンドウでPDFファイルが表示されます↓↓
rt.png
(※「白神山地ビジターセンターhttps://www.shirakami-visitor.jp/」より引用)

深緑色の範囲が核心地域(コアゾーン)です。

深浦町・鰺ヶ沢町・西目屋村
  ・西は深浦町 白神岳の東斜面
   北は深浦町‐鰺ヶ沢町 向白神岳~天狗岳~赤石堰堤
   北東は西目屋村 横倉沢付近
   東は西目屋村 青鹿岳

ちなみに、本記事は青森県についての内容の為、秋田県側については省略。





これにて採集禁止区域の紹介は終わりです。

しかし、これは最低限の事で、紹介していない場所でも行動自体には気を付けなければいけません。先に挙げた区域内の樹木その他植物への影響、その他動物を含む自然環境への影響・・・
採集禁止区域外でも他人への配慮や採集後の後片付け等、一番最初に心得ておくべき部分は言うまでもないでしょう。
区域を意識した上で、人によって意見が分かれるグレーな行為もありますが、議論が大きくなると何にしたって悪い方に転んでいく世の中ですから、各々が持つ良識を頼りになるべく危ない行為は避けたいところですね。

また、自然公園法や条例とは別の事情で立ち入りや行動に自粛を求められたり制限を受ける場合もあるワケです。解放されている私有地への入場や一部の島へ渡島する場合が分かりやすい例ですが、個別のケースを挙げるとまた長くなってしまうので別の機会としましょう。



・・・なんて、
ここまでずっと偉そうに書いてしまいましたが、自分も当事者として、行動そして採集場所には気を付けなければいけませんね。
自分でも全域を正確に把握している訳ではありませんから、時折この記事を見返したいと思います。



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紙一重? 青森県のオオクワガタ採集とその傾向とトラブル [青森の昆虫事情]

(2022年6月26日 一部加筆・訂正)

以前からたまに青森市内でのカブトムシ・クワガタ採集についてまとめた記事を書くことがありましたが、今回は、主に十和田市における採集をメインに据えて記事を書いてみます。

記事の内容は2つに分け、それぞれ

第1章 オオクワガタ採集2018年盆戦
第2章 青森県での採集の傾向とトラブル

とします。
第1章はまだしも、第2章の内容についてはうまく自分でまとめられるか自信がない上、ゴキゲンな虫ブログの空気感を澱ませてしまうような話に触れてしまう為に本当は書きたくありませんでした。
しかし最近のオオクワ採集の現状に自分も思うところがあり、今回記事を設けた次第です。
記事公開後も、今回の内容の範囲内については細かな訂正・削除を行いたいと思っています。




第1章 オオクワガタ採集2018年盆戦
※第1章は採集記仕立てですが、この時の状況についてはファーブルハウスのホームページ:飼育と採集の知恵袋 2018年度の『【8月13日 お邪魔虫登場!】【8月14日レアポイントにて】』にも記されていますので、そちらとすり合わせて読んで頂ければと思います。

  8月13日(月)

この日No.7は十和田に居ました。
彼は後輩と共に、愛知県から遥々ライトトラップの勉強に来た虫屋仲間を案内すべく前日から十和田市入りしていました。

その2日目であるこの日、彼らは夜の採集へ向けて場所の確保を済ませ、夕方には周囲の別ポイントの様子を確認しに行ったのだそうです。

この日は世間一般にはお盆休みのど真ん中。県内からは勿論、県外からも多数の採集者がこの地へ訪れ狭い場所に何人もが犇めき合う時期と云う事で、お互いライトの干渉を避けるために安全策として事前にやり方を打ち合わせる場合も出てくるワケです。
青森のようにオオクワ採集のポイントが狭い範囲に少数しかない場合、ライトのワット数や照射方向を間違えると結構な割合で干渉し光がぶつかってしまいます。

彼が陣取った位置の直ぐ近くのポイントへ様子を見に行ってみると、予想していた通り同業者の物と思しきライト機材が現場にセットされていました。
この場所は青森ではかなり有名なライトトラップのポイントで、観光スポットで分かりやすい場所の為か県外から採集に来る大体の人が最初から目的地とする(と言っても過言ではない)場所です。
停めている車を見ると、地元ではない埼玉県のナンバー。やはり県外勢にも有名なよう。
しかし、そこに展開され待機する機材を見てNo.7は唖然としたそうです。
「あ・・・ありのまま 今起こった事を話すぜ!」・・・と動揺したポルナレフが必死に解説しそうなくらいにまったく理解を超えていた光景だったそうですが、何が起こっていたかと云うと、
スポラートに入った400ワット2灯をポイント現場内を前後に挟み込むように向かい合わせで上向きに配置し、その中間に250か400ワットの水銀灯をオープン(裸)で設置し、さらにその手前にスポラート2灯と同じような位置間隔で250か400ワットをオープンで2灯立てていたのです。
↑↑もう自分でも何を言っているのか分からないのですが、すごく簡単に言うと、
虫を落とせる面積が狭い場所にも関わらず、多すぎる灯りを滅茶苦茶に配置していた。
という事です。
どちらかと言うと、昆虫採集すると言うよりは「誰かそこで歌うのか」と言うような置き方。
地元採集者をはじめとして、そこでライトをやっている者の間では既にセオリーは出来上がっており、400ワットをあまり上に向け過ぎず一方向のみに射すのが一番手堅いやり方だと分かっているのです。
それを考えると、この置き方は「やり過ぎ」なだけでなく、No.7達の居るポイント方向にも容易に干渉しお互い大爆死する危険性が非常に高いワケです。

ちょうどその場に設置した本人が居たようなので、
「自分は地元の採集者でこの裏でライトをかける事」
「この配置ではこちらに光が干渉してしまいしかもオオクワも落ちてこなくなる事」
「ここでやる場合の適正なライトの当て方」
を説明したのだそうですが、全く意向を汲み取ってくれず、
「初めて来たけど今日しかチャンスが無いからこのままでやる」
そしてその根拠として「このやり方でもう10年やってるからこのやり方でやる」と云う事で突っぱねられたのだそうです。

以前、全く別の採集者に干渉の断りを入れた際に、有力な採集者の名前を使って「**さんはこうやってたから!」と自分のやり方を曲げなかった人が居た事もあり(ちなみにこの時は完全な嘘出まかせで、**氏本人に確認済みでそれはデタラメだと認定しています)
「〇〇さん(別の有名な方)もここに来た時はそういう風にしてオオクワ採ってるんですよ」と説明してみたものの、
「そんな人知らないよ」と頑なに変えようとしないその人の態度にもう呆れて馬鹿馬鹿しくなってきてしまい、喧嘩に発展する前に泣く泣く引き下がり、その夜はライトトラップは出来なかったそうです。
(これを読んでいる人の中には、「いやそれでもやらないよりはやっておいた方がマシだったんじゃない?」とお思いの方も居るでしょうが、これまで仲間内の体験やデータ収集を集積して行き着いた結論として、両ポイントのどちらか一方でも無作為な乱射を行った場合酷い結果になるのは間違いないのです。勿論自分も体験済みです・・・)

その後別ポイントで焚いていた仲間と合流し、No.7の代わりに後輩君が例のその人の所まで行き現況をそれとなく訊いたところ、見事にゼロだったそうです。

別のライン上に居たFH鈴木さんも、車両通行を妨害する位置でライトを焚いている人がすぐ近くに居たりして相当苦戦したそうです。これもお盆と云う時期柄、採集者の飽和状態が招いてしまった出来事なのでしょう。


ちなみにこの夜自分はと云うと、
一人下北半島で虫の来ないライトトラップをボーっと見つめていました。


  8月14日(火)

この日も自分は十和田市外への採集なので、No.7を軸に話を進めます。

前日までのメンバーに加え、さらにもう一人東京都から来ている方が今夜十和田で採集したいという事でNo.7が先導して案内することになりました。去年記事に書いたMU氏その人です。
彼は今年HIDハンディライトを入手しライトトラップデビューしていて、家族に縁のあるこの青森の地で採集をしたいという事でこの運びとなったのです。

しかし昨日に続いて今はまだ盆の真っ只中です。
場所取りは上手くいくのだろうか・・・と心配するMU氏や自分に、
まだ午前中にもかかわらずNo.7から予想の斜め上をいく連絡が入って来ました。


No.7 「付近のポイント全部押さえました。」

昨晩の一件で相当はらわたが煮えくり返っていたらしく、現地の民宿に泊まり込んでいた後輩や客人らと総動員で各自ポイントを確保したのだそうです。
目的は勿論、実質的な採集妨害行為をする人間に邪魔されず、狭い範囲内でお互いを潰しあう事無く採集をする為です。
No.7はこの日、埼玉の人が昨晩居た有名ポイントに入ることになりました。
まるで昨日の憂さを晴らすかのようですが、実は今年彼にはこのポイントで大事な用があるのです。

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それがコレ↑↑
今年6月のシーズンのはじまりに彼の元へ飛んで来た46mmの特大♀
これこそ正にこのポイントで採った個体であり、どう見ても未交尾のこの♀に、あわせる♂が採りたいという事で気合を入れずにはいられないのです。


さてその夕方、自分は市外のポイントへ向かう前に十和田のライトトラップポイント各所をサラッと覗きに行ってみることにしました。
しかし何故かこの日は、採集者の待機数が昨晩の採集者数と比べてかなり減っています。
居る事は居るのですが、意外にも地元ナンバーがほとんど。
ちょっと拍子抜けですが、少ないに越したことはないのでそのまま安心して十和田を出ました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


夜も深まり23時
結局自分はいつものように本命のオオクワは手に出来ずに終わり、オニクワやコクワ、そして人生で初めて採集したヨコヤマヒゲナガカミキリなどを土産にライトトラップを終了。
MU氏やNo.7がどうなったか気になってしょうがないのでこのまま十和田へまた向かってみることにしました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


  8月15日(水)

日付が変わり深夜、
No.7のポイントへ向かってみると明かりが見えました。まだやってたのか・・・!!
車を停めてNo.7の元へ行くと、そこには愛知の客人、そしてMU氏も居ました。

点灯開始から5時間経っているにもかかわらずテンションの高いままの彼らが見せてくれたものを見て、自分も運転の疲れが一気に吹っ飛びました。





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♂65mmUP!!!!!
彼の「46mmの♀にあわせる様な大歯の♂が採りたい!」と云う願望がまさか現実になるとは・・・彼も相当努力したのは間違いないのですが、それでも「いや、ウマくいきすぎでしょ!!!」と思いたくなる夢の展開です。彼も初めての大歯(片方先端欠けですが)で、この盆の最中という事なども含めてこの貴重な体験が出来て本当に嬉しそうです。鈴木さんの方の見解ではこれは2次発生の新成虫としていますが、大腮に喧嘩傷のような線が複数あり、自分はこれは越冬か1次発生の♂で2次発生個体に負けて飛んで来た可能性の方が高そうです。

話を聞くと、実は途中から現場の上のポイントでひっそりとライトを点けていた人が居たりして、半ば諦めかけた23時頃になって飛んで来たのだそうです。


その時の説明や雑談を交わしている内に時刻は1時
そうこうしている間に溜まってきた普通種を拾ってたら目の前に今度は♀が落下!!!

えっ、今何時だよ!? と皆でおかしなテンションになっていき、
自分も居てもたってもいられず他のポイントへ急遽2回戦目を挑みに行きました(笑)
・・・結果、すごく怪しい重量級甲虫が見慣れない水平旋回をしながら風に流されていくのを見ましたが、結局正体不明のまま闇に消えていき諦めて撤収しました。

その後3時過ぎに戻ってみるとまだ彼らは虫を広げて談笑していました。
東の空が明るくなり始めた頃、ようやく長い盆採集は終わりを迎えました。



〉〉 第2章 青森県での採集の傾向とトラブル


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ライトトラップのオオクワ採集、その夜・・・ [青森の昆虫事情]




の日、十和田では
青森の歓喜が響渡りました。




そこで行われていたのは
紛れも
オオクワガタライトトラップ採集









CA3I1244.JPG
自分今年初の♂成虫を採集できました。
大腮のスレた小歯型。





だ、
「単な」オオクワ採集と呼ぶには
あまりたいない
巧妙テクニック
綿密作戦
繰りげられた密 な 一夜だったのです。


えるのは、
男達の歓喜理由
純粋なるオオクワ採集成功だけ
ではない
と云う事。


正直言って、この夜の話で言えば
自分が小歯の1♂を採った事そのもの
動はきくはありません




その感動したかって、


『ライトトラップ』と云う採集法

こんなにも
『オオクワガタ』『人』
りに操ることできてまうの
!?

と云う事に尽きるのです。


樹液採集材割採集が主流の地域・方々には
「電気を点けたら飛んでくる虫を待つだけの退屈な採集でしょ?」
なんて思われがちかもしれないライトトラップですが、




でもッた…!!!!




この時の話は出来る事なら
1時間くらいのTVドラマにでもしてほしいくらいです。


3つのグループがそれぞれの地点でオオクワガタを採集し
この夜で♀4頭♂4頭が飛来したのに加え
この日の作戦の全容を知ってるのはその場に来ていた6名のみ。
参加者連携偶然が折り重なり、
ミッション大成功を収めたのです。






※ あとがき ※


今回の記事はあまりにショッキングな内容のため
このブログではその記事が書くことが出来ず、
当事者以外には詳細が分からない内輪ネタになってしまったため
無意味な煽り文のようなものにしかなっていないのですが、
(自分が読み手側だったらこういう記事はイラつくし…)

青森で採集やってて、【ライト機材】と云う物がこんなに
頼もしくもあり、アブない道具かを
初めて知り体験した衝撃の夜だった
と云う事を書き残しておきたかったんで
今回はこれにて・・・




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