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令和5年の64の日は [青森では・・・]

6月4日。
今の時代、特に若い昆愛好家の間ではこの日を特別視する人も少なくありません。

(64)の日、かの養老孟司氏が制定した記念すべき(?)一日で、「この日付のラベル」狙いで採集に精を出す人もいたり、この日に合わせて即売会が催されたりと云う事もあるようです。

2023年の虫の日、ここ青森県では別な意味で特別な日でありました。


KIMG5892.JPG
青森県知事選挙 投票日。
加えて、青森市長選五戸町長選も同日に投票が行なわれました。

自分はこのブログで過去に何度か書いた事がありましたが、特に政治に関心があるわけでもないのですが「選挙投票日」は結構テンション上がります。選挙が好き、と言うよりはテレビ・ネット動画の「開票特番」が大好きなんですね。
この日の夜も、YouTubeの知事選開票番組をライブで楽しんでおりました。

今回の知事選ですが、20年の長期に亘る三村申吾知事県政が終了し新知事が誕生すると云う事で告示前から強い関心が寄せられていました。何せ、20年(5期)と云う期間は青森県知事史上最長ですからね、県民からはマンネリ化を危惧する声もあるし、長期政権で生まれがちな癒着への不安感も募っていたでしょう。

これによって候補者は全て新人となり、届け出順に
・宮下 宗一郎(44)
・横垣 成年(63)
・小野寺 晃彦(47)
・楠田 謙信(66)
の4氏(いずれも無所属)が出馬しました。簡単な経歴を加えると、
・宮下氏・・・前 むつ市長(3期)、元 国土交通省職員 等。
・横垣氏・・・元 むつ市議会議員(4期)、下北地方森林組合理事 等。
・小野寺氏・・・前 青森市長(2期)、元 総務省職員 等。
・楠田氏・・・元 損害保険会社社員。

5月18日の告示日から2週間強、選挙戦の様々な話題に県内が包まれたのちに投票日を迎えました。残念ながら自分は、投票には行きましたが諸事情から虫に関わる作業も採集も全く出来ず、「虫の日」らしさ皆無の日曜日を過ごしておりました。

そして、いよいよ午後8時を迎え投票が締め切られようと云うところで、青森放送(RAB)の選挙特番ライブ配信がスタート。

今回、新人どうしの選挙戦と云う事で熾烈な戦いを期待してワっクワクで配信動画を開いたら、
開票前からいきなり宮下氏が当確。
結果的に宮下氏が勝つのは分かっていましたが、こうもいきなりすぎだと開票番組としては面白くありませんでしたね。

深夜に確定した結果の集計を見ますと、その圧倒的な人気度がよく分かります。
有効票数593,798、得票数順に
・宮下氏  404,358(全体の68.10%)
・小野寺氏 174,155(同29.33%)
・横垣氏   10,516(同1.77%)
・楠田氏   4,769(同0.80%)
※以上、青森県選挙管理委員会ウェブサイトより引用
この数字を見るだけでも色々思うところがありますが、その前にちょっと遡ってこの選挙の動向を個人的所感を交えて書いてみます。


まず、宮下氏当選の道筋は半年前から既に作られていたように思えます。
今年1月に三村知事が今期での退任を表明した時点で、当時の宮下むつ市長は知事選に出る事を表明していました。報道によってこの事が早い段階から県民に知れ渡った為、宮下氏を候補者として有権者に意識付ける十分な期間が設けられたのは間違いありません。
対して、有力候補のもう1人である当時の小野寺青森市長は立候補表明はその後となり、早期から意欲を見せた宮下氏とは対照的に「知事選に足踏みした」「宮下氏に引っ張られた」ようにも見られる状況だったと思います。小野寺氏の、選挙費用節約の為に市長選を知事選に重ねると云う判断は市民としては嬉しいところでしたが、その結果退任期日が遅くなり選挙運動で出遅れたと云う見立ては各方面でも論じられています。
そして、残る2人は届出日の前に「いつの間にかぬるッと現れてた」所謂 “泡沫候補” 、特に楠田氏に至っては現住所が宮城県仙台市ですし、選挙告示後に新聞を見ても遊説日程は殆ど公表無し、選挙ポスター全然貼ってない(!)。ここまで書けば、青森県外の諸兄にもお察し頂ける事でしょう。いやぁ、東京都やら神奈川県辺りの知事選だと毎度のように「アレ」な候補者が出てきてるのは仄聞していましたけど、こっちでそういう人を見る事は初めてだったので正直腹gA◎★♪н@¥ェ※▼・・・

そして、後ろ盾となる県議や政党からの支持に揺らぎがあったのも見逃せない点でした。
小野寺氏は、市長選時には自民・公明両党の支持の上で当選した経緯もあり、今回も自民党派から一蓮托生で後押しされるものだと思われました。小野寺氏は前任の三村県政を引き継ぐスタンスで、青森の核心部の運営をスムーズに移行しようと考えたのでしょう。ところが、小野寺氏と宮下氏の2人が自民党県連に推薦願いを出した事から党内が混乱(?)したとか。その後の展開で両候補者の意見が割れ、当選後の自民党への全面的な協力体制を約束した小野寺氏に県連が付いたものの、その件が露見してこの流れが止まりました。そして一旦は小野寺氏を推す方向でまとまったものの、最終的な自民党周辺関係者の回答は(たしか)各個人の判断に任せるというものでした。個人的には、この時点では宮下氏と小野寺氏でどちらが勝ち馬か見定めが付かない状況だった為に支持候補者を党として選べなかったのだろうと思っていましたが。その後、告示後の新聞社取材で表明された各県議の支持状況によれば、自民党派は分裂し大半は小野寺氏を支持するところとなりました。これで結果的に、小野寺氏を支持する県議は自民党会派のみで構成され小野寺氏のカラーが明白になったのですが、この点が県民の目にはよく映らなかったのではないかと思えてなりません。現在政権を担っている、岸田首相率いる自由民主党は与党として国民から厳しい目を向けられています。NHK調べによれば今年に入ってじわじわと国内の内閣支持率が回復しているものの、少し前には不支持率が高く推移していました。今回の県知事選では、県政刷新が期待されている事から、自公等の推薦・支持で県政を始めた三村知事に小野寺氏は丸被りして見えてしまうわけです。さらにその三村知事も、最初の頃は「誰の応援もせず選挙では中立の立場をとる」と言いながらも、結局は小野寺氏支持を明言しました。トドメやん
片や宮下氏においては無所属議員や立民系に加え、小野寺氏支持に回らなかった自民党派と云った、党派を超えた支持体勢が出来上がっていて、県民の幅広い層から「アク(政党色)が薄くて融和的」に映ったはずです。
横垣氏だけは、共産・社民から「党からの推薦を受けている」唯一の候補者で、共産党派の県議の支持を一身に受けている状況でした。
また、県内各市町村長の支持分布として、津軽平野圏域が小野寺氏を支持する応援団を結成、下北半島周辺及び臨海部の一部の町村が宮下氏、三八地域が主に中立の姿勢だと云う事を投票終了後の情報として知りました(RAB番組内より引用)


選挙期間に入ると、県民の目には既に宮下 vs. 小野寺の構図が明白に見えていました。片や人口僅か5万の市出身の最年少候補と、片や県庁所在地で県内最大都市の長経験者と云う、元同職ながら対照的とも言える2人のどちらを選ぶか、県民が二分される雰囲気すら漂っていましたね。
ちなみに、自分の職場にもこの両陣営がパンフレットを持って挨拶に来たのですが、実際に対面で一人一人に本人が挨拶してくれたのは宮下氏のみで、小野寺氏の方はいつ来たのか知らされずパンフレットも職場の人数分は無く、個人的には心象にも僅かながら影響したり・・・しなかったり。

選挙戦中盤になると、自分の周りで「宮下が有利みたいだよ」と云う噂を耳にするようになっていました。

ところで、楠田氏のポスター掲示枠は一向にガラ空きのままでした。テレビのニュースでは何かしらやっているように紹介されているのですが、この人だけは選挙期間中は選挙カーも演説している姿も見られませんでした。県民の見えないところで “水中戦” を展開しているのかもしれませんが、この時点ですでに思う事は一つしかなかったです。
「選挙終わっても彼の供託金300万は絶対返ってこない!」




そうして迎えた6月4日投票終了時刻、結果はさっき書いた通りです。

投票率を見ると57.05%で、三村知事の再選続きで低迷していた時期(40%前後)から一気に上昇しています。今回の知事選の関心度の高さを表していますよね。

それぞれの市町村別得票数を見ると、何と宮下氏が全ての市町村で得票数1位。
小野寺氏はその後塵を拝する結果に終わり、これは青森市においても同様でした。

宮下氏の得票率の高さとして目を見張ったのはかつての政治基盤であるむつ市の92.89%(!!) しかもそれだけではなく、周辺の下北郡4町村全てで90%越え、南接する横浜町でも88%台と正に「圧勝」でした。周辺地域一円で元市長に票が集まると云うのは、実績と将来性の両方が評価されなければ実現し得ない事で、むつ市政をよく知らない青森市民の自分にはにわかに信じられない数字でした。

片や、我らが青森市の元市長・小野寺氏の青森での得票率が36.34%と地の利が生かせなかったのは(なお宮下氏は61.12%)、選挙戦で県民からの見え方がやや曇りがちだったのもあるのでしょうが、一番はやっぱりこれでしょう・・・市長時代の除排雪の対応。これについては自分の所感は勿論、周囲でも同じ意見を聞くのでほぼ市民の総意だと思うんですが、現代の青森市政においては他の政策がどれだけ実行されようとも「除排雪対策の動きが鈍重」だと支持率が落ちると言って間違いありません。得票率の低さの要因としては、「宮下氏への期待値が高い」事もあるでしょうが、どちらかと言えば「青森市長時代の評価」が元になっているのではないかと考えています。
市長やっでらッたとぎ雪゛ちゃんとやらねがったクセに応援すルわげネべナって事。
ちなみに、これによってひっそりと肩身が狭くなったのが、小野寺氏の応援団まで作ってしまった津軽平野圏域の市町村長じゃないでしょうか。結果的に対立候補に負け、民意とも相反してしまった形になるんですから。

そして結局、 “水中戦” と云うか、“水から出てこなかった” と言う方が合っている楠田氏は無事供託金没収が確定。実は選挙期間終了間際にようやく自宅近所でもポスターが貼られたので見てみたんですが、いやちょっとポスターのデザインさぁ・・・。選挙中に存在感が無かった上にポスターの顔写真までそんな小さくして何の宣伝をするの!?

最後に、共産支持を受けていた横垣氏。選挙戦当初は「まぁ3番手だな」と解釈していたのですが、得票数でまさかの楠田氏と横並びだったのは驚きでしたね。楠田氏に後れをとる町村まであり、ある意味こんなに “いい勝負” をするとは思いませんでした。
また、当初は共産党の支持が約束されていたかのように見えていたのに、実はちゃっかり共産党員も過半数が宮下氏に入れると云うカスリ拳骨を食らっていたのには失笑しました。





ところで今回の県知事選、いち青森県民としては重要なイベントではあるのですが、虫屋的に(と言うか生物・自然好き)も重要な側面がありました。

現在、青森県民のみならず東北その他美しい山々を擁する地方各地において、山岳部の大規模な風力発電建設を国が計画しています。
来たるエネルギー不足に備えて自国の発電供給量を上げたいと云う狙いは分かるのですが、この青森県においてその候補地として選定されている場所が何を隠そう八甲田山地とその周辺
事業計画として、北は平内町・南は十和田市にかけての広範囲に亘り、大規模に森を切り拓き風力発電設備を建設すると云うもの。計画初期には十和田・八幡国立公園の指定区域までもがその範囲に含まれていたと知った時は、関係者燃yA◎★♪н@¥ェ※▼・・・

政治において、自然環境の保全と云うのは雇用・経済・医療などの分野に比べると圧倒的に優先順位の低い課題ですが、特にこの分野から恩恵を受けている自分としては、これこそが候補者を選ぶ最重要要素でした。開発事業となると、こういった地方では雇用や仕事の面で恩恵が受けられるメリットは存在しますが、事業者は東京のユーラスエナジーホールディングスで、青森県側の関わりとしては建設時の下請け業者と保守業者くらいしかないのでは思われます。(2~3年前の八幡岳の時は、チラッと見えた誘導車両が岡山ナンバーだったんだけど青森県民は果たしてどれくらいいたのだろうか)
三村知事は、この計画に対して断固として反対の立場だった点で安心感がありましたが、知事の退任の報道を受けこの点について再度注視していました。


選挙告示前、この事業計画を危惧して立ち上げられた市民団体が候補者各氏にアンケートを行ない、
「景観保護は二の次で開発は仕方ない、開発した方が野鳥増えるよ」と回答した楠田氏以外は事業の白紙撤回を表明したわけですが、そこから少し時間を巻き戻してみると意見が異なっている事に目が行きました。

当選の目が無い横垣氏はこの際置いておくとして、
宮下氏はこのアンケート自体へは無回答だったもののその前からこの計画への反対を表明していました。とは言え、
「同様の計画が複数持ち上がっている状況を鑑みると、全てに対して問答無用で反対するのではなく再生可能エネルギー促進エリア(つまり開発エリア?)と自然保護エリアを定める条例を制定したい」と話していて、
これはいわゆる「代替候補地で折り合い付けましょう」と云う風にも読み取れます。

小野寺氏については、この計画の必要性に対しやむを得ないと理解を示すような時期があって、平たく言えば『静観派』の立場だったと記憶しています。

この問題、その立ち位置次第で『推進派』『反対派』『中立派または静観派』に大別できるかなと思うのですが、『中立』と『静観』はちょっとニュアンスが違い、『中立』は推進と反対の間に入って両者の妥協点を探るような立ち位置で、『静観』は推進にも反対にも立たないけど中央(国)が動いたらされるがままと云う「無抵抗で関心無い」のと同義です。

あくまで今年に入ってから自分が見知った内容だけでの判断ですが、
以上の変遷を見る分では、同じ「白紙撤回」とは言え小野寺氏の方が “選挙対策” っぽさが見え隠れする様に感じられました。



ついでに青森市長選も、同様の争点で候補者を選びました。
こちらについては、各候補者のホームページを見たところ八甲田山風力発電について言及していたのは4候補者のうち2名だけ。そこから、さらに目のありそうな方を選んで投票しました。

KIMG5888.JPG

さて、新県知事も新市長も「ちゃんと」決まったし、この方針を変えずにそのままいってくれればいいな。


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青森県の販売水 [青森では・・・]

飼育している虫の世話で、幼虫が食べるマットの加水にはどんな水を使うでしょうか。

本などで昆虫飼育の手引きを読むと、
「水道水を一晩汲み置きして、カルキ(塩素)を抜いておきましょう」
などと書かれているものの、実際に飼育していて汲み置きしたかどうかの差が明確に現れた経験はこれまでのところはありません。また、これを検証した人もどのくらいいるのでしょう。


・・・この↑↑書き出しで始まると、
検証でもしそうな風ですが違います。
クワガタ飼育で水の違いを検証するなんて不可能に近い話です。


自分は10代の頃までは水道水を使っていたのですが、
ある頃からペットボトル入りで売られている飲用水を使うようになりました。
こうするのにはいくつかの判然としない根拠があり、

理由1.水道水に含まれるカルキ抜きが不要
理由2.水道水に含まれるその他の成分(給水管を通る時に溶けだした亜鉛など)が無い
理由3.ペットボトル飲用水はミネラル分などの成分が確認しやすい
理由4.ペットボトル飲用水の製品による効能の期待
理由5.金銭的に支出する事によって気構えを正す

こうした利点(?)でもって、成虫管理ケースのマット加水以外の場面ではまずペットボトル飲用水を使うようになりました。
・・・いや、意外と5番目の理由は真面目なんですよ。採集なんかと並行して飼育を続けていると、自分みたいなしっかりしてない人間はつい気を抜いて放置しがちなんですよ。そんな中で、「お金掛けてマット仕込んだ虫の世話を疎かにしちゃいけないな」と思うバックボーンが多ければ、それだけしっかり面倒見られると思うんですよ。根が不真面目な人間ですから・・・



さて、
今回は飼育検証ではないのですが、水についての記事です。

日本全国津々浦々、ペットボトル入り飲用水は各地で販売されています。
我が青森県でも、いくつもの製品を入手する事が出来ます。少し前の記事でも書きましたが、特に地元産のクワガタをブリードする時などは気分を高めるために意識的に地元の水を使っています。活力の源とも言って等しいものですから、「趣味の拘り方」としてはそれほどズレてはいないですよね。

今回は、その青森県産飲用水として今現在入手できるものを一同に紹介しようと云う内容です。
青森県産と言っても、小売りで手に入れるには販売地域が製品ごとに違い、「〇〇市の××センターに行かないと売られていない」みたいな物も有るので簡単に集められるものではありません。また、他サイトなどでは販売飲用水をアーカイブしたものが見られる所もありますが、現在売られているかを知るのは別問題です。
令和版・青森県産水図鑑と言ったところですか。


ところで、
紹介に入る前に、一般にペットボトル入りの飲用水は「ミネラルウォーター」と呼ばれています。
しかしこれは正確ではなく、製品表記の際にはJAS規格「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」により、4つに分類されています。

ナチュラルウォーター 特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの。
ナチュラル
ミネラルウォーター
ナチュラルウォーターのうち鉱化された地下水を原水としたもの。なお、この表記については任意のようです。

ちなみに、「鉱化された地下水」と云うのは、地表から浸透し、地下を移動中又は地下に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む)の事です。
ミネラルウォーター ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的等のためにミネラルの調整、ばっ気(水に酸素を送り込む作業)、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行われているもの。
飲用水
または
ボトルドウォーター
ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター及びミネラルウォーター以外のもの。
「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」より抜粋・編集


以上の内容から、本記事では便宜上「ペットボトル入り飲用水」と云う呼び方で話を進めていきます。


oirase.JPG
奥入瀬源流水
名称:ナチュラルミネラルウォーター
原材料名:水(鉱水)
採水地:青森県十和田市

青森県中南部・十和田市を流れる奥入瀬川、その周辺から採水したものから製造したものです。このラベルに印刷された内容の雰囲気から、あたかも奥入瀬渓流そのものの流水を汲み上げていそうにも見えますが、原材料の分類が示す通り「鉱水」=つまり地下水をポンプでくみ上げたものです。採水地は表記上は十和田市より下の地名はされていませんが、製造工場のある奥瀬栃久保近辺ですので、看板に偽り無しで安心安全・正真正銘の奥入瀬産※1)と言えます。
硬度も32と、国産としてはスタンダードな軟水で、周辺の観光施設・飲食店では同製品が積極的に使われているのだそうです。

通販以外の購入となると、自分が見た限りだと十和田市内の産直施設・道の駅・観光施設くらいでしか販売しているのを見かけません※2)。価格は、2000mlで200円台半ば~300円台。

ちなみに、個人的感想としては、今回掲載する製品の中ではラベルのデザインが一番好みです。
※1)実は、番地表記上「奥入瀬」と云う地名は存在しない。
※2)今回初めて買いましたが、買った場所は「渓流の駅おいらせ」です。

towadako.JPG
十和田湖美水
名称:ナチュラルミネラルウォーター
原材料名:水(鉱水)
採水地:青森県十和田市

前出の「奥入瀬源流水」と同じ十和田湖ふるさと活性化公社が製造していてラベルの水源表記が同じですが、こちらの採水地は十和田湖畔の宇樽部地区と云う事で、成分数値も少し違います。この水の特徴として、シリカ※3)が含まれています。美容や健康に気をつかう人には嬉しい軟水ですね、自分も虫に使わず普通に飲みました。

直販で購入できる場所は、やはり十和田市近辺のようにみられますが、こちらは「奥入瀬源流水」とは違い350mlサイズしかなく、シリカが売りの飲みきり用製品なのでしょう。虫の美容を気にする人はまとめ買いをオススメします。
※3)シリカ=ケイ素。爪・骨・関節の強度や肌質とか色々関係する。 テキトー

shirakami.JPG
白神山地の水(総称)
名称:ナチュラルウォーター
原材料名:水(湧水)
採水地:青森県鰺ヶ沢町(白神山地)

青森県が誇る、白神山地を水源とした天然水です。今昔含めて色々な製品が発売されていましたが、製造は全て同じ白神山美水館で成分も同じなので、総称して「白神山地の水」として紹介します。
この水の特徴は、湧水をろ過したものであり、一般によく売られているナチュラルミネラルウォーターとは原水の種類が違います。成分は後で表記しますが、鉱物質が溶け出したままの地下水をくみ上げた鉱水とは違って「純水」と呼んで差し支えない水で、飲用水としての硬度は驚異的な低さです。昔、テレビ番組でTOKIOの城島がラーメン作る原料としてわざわざ白神山地へ湧水汲みに行ってたのを興味深く観てましたが、他のテレビ番組とかだと散策中に湧き水を飲んで「あぁっ、ミネラルがすごく感じられますねぇ」などと意味の分からないコメントでお茶を濁す芸能人やリポーターが後を絶ちません。

入手については、県産水としては一番ポピュラーで各種観光施設はもちろんの事、各地域のスーパーで安価に手に入ります。容量も2000mlや500mlなど各種あります。全国流通していなさそうですので、青森土産としても有りなんじゃないかなぁと思いますよ。


tannaisakashita.JPG
丹内坂下 めぐみの水
名称:ナチュラルミネラルウォーター
原材料名:水(鉱水)
採水地:青森県むつ市

本州最北地域の下北半島、むつ市のお山として愛される釜臥山由来の水です。伏流水として麓の宇田町にある丹内坂(たんないざか)が採水地です。
同じナチュラルミネラルウォーターでも、十和田市水源の水よりも硬度が低いです。

購入に関しては、土産物屋や道の駅に限られますが、むつ市外の県内多方面で売られているのを見かけますので、直販で探してもそれほど難しくなく手に入れられるようです。ただし、見かけるのは500mlタイプばかりで2000mlの大容量はむつ市内でも見つける事はできませんでした。そっちの方は通販でないと買えないのかな・・・?
ちなみに500mlの直販価格は、むつ方面だと150~200円くらいですが、遠い津軽地方だと250円とかに設定されています。


hachinohe.JPG
三島のいずみ
名称:ボトルドウォーター
原材料名:水(三島浄水場・水道水)
採水地:青森県八戸市

八戸市の八戸圏域水道企業団から販売されている水道水3種。
その一つ目、三島のいずみですが、三島は昔から水源として有名で、町の発展に貢献してきた水らしいです。原水としているのは浅井戸で、ポンプ場で汲み上げて消毒処理をした水道水がボトリングされています。ここの水は石灰岩層を通っているので、硬度が高いと云う特徴があります。
蟹沢のめぐみ
名称:ボトルドウォーター
原材料名:水(蟹沢浄水場・水道水)
採水地:青森県八戸市

原水の汲み上げられる蟹沢地区は自然豊かな里山環境で、別名「がんじゃ」と呼ばれています。八戸市の上下水道発祥地でもあり、水道公園が整備されています。この水は湧水を原水としていますが、石灰岩層を通っているので三島と同じ様にミネラル分が多い(硬度が高い)のが特徴です。
白山のしずく
名称:ボトルドウォーター
原材料名:水(白山浄水場・水道水)
採水地:青森市八戸市

八戸市内で圧倒的に供給量が多いのが白山浄水場の水道水です。市内を流れる2大河川・馬淵川と新井田川を流れる水を原水としているのが特徴で、浄水行程も大きく異なると思われます。他の2つとどのくらい味が違うのか飲み比べてみたいところです。

この3種類の水は、いずれも500ml入りで直販では八戸市内のいくつかの観光施設や市場でのみ購入する事が出来ます※4)
※4)自分は八食センター内のサービスエイトで購入しました。


続いて、それぞれの成分について表にまとめてみました。
一般的に販売されているペットボトル入り飲用水で表記されるナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム等の成分や、軟水・硬水の判断に関わる硬度、水素イオン指数pH(ペーハー)を記載しました。
加えて、青森県産以外で一般に市販されている飲用水も比較参考として載せてみました。

◆製品毎の100mlあたりの栄養成分と、硬度とpH
種類
(mg)/100ml
※5)
pH
Na
Ca
Mg
K
他成分
硬度
奥入瀬源流水
0.81
0.75
0.33
0.10
-
約32
7.2
十和田湖美水
0.67
0.75
0.24
0.10
シリカ約5.2
約28
7.0
白神山地の水
-
0.005
0.005
-
-
0.2
6.6
丹内坂下めぐみの水
0.59
0.57
0.11
0.05
-
18.8
7.0
三島のいずみ※6)
-
-
-
-
-
162
7.8
蟹沢のめぐみ※6)
-
-
-
-
-
134
7.9
白山のしずく※6)
-
-
-
-
-
40
7.4
いろはす(岩手県)
1.0
0.4
0.4
0.07
-
27
-
南アルプスの天然水
0.4~1.0
0.6~1.5
0.1~0.3
0.1~0.5
-
30
7.0
日田天領水
2.2
0.96
0.19
0.84
シリカ0.9
32
8.3
クリスタルガイザー
1.13
0.64
0.54
0.13
バナジウム0.00055
38
-
エビアン
0.7
8.0
2.6
-
-
304
7.2
コントレックス
0.94
46.80
7.45
0.28
-
約1468
7.4
※5)(mg)/1000ml
※6)「水道水質データベース(給水栓水の水質 上水道事業 令和2年)」より抜粋

こうして見ると、やはり日本らしいと言うか、
軟水が豊富に供給されている事がよく分かりますし、白神山地の湧水の数値が面白いですよね。

実はこの他、青森県産の販売水では
・梵珠山
・浅虫温泉
などがかつて存在し、特殊な成分が入っている面白い商品でもあったのですが現在は製造を終了していて手に入りません。

今後新しい採水地が開発されるかは分かりませんが、水の豊富な青森県ですから色々な場所の水が発売されればさらに面白そうですね。
タグ:青森県 紹介
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2022年明けまして [青森では・・・]

KIMG3452.JPG
めでたくない。

〉〉正月から


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暖冬小雪の2020年は・・・ [青森では・・・]

この冬は、全国的に暖かく雪も非常に少なかったですね。
青森については、とにかくありえないくらい積雪が低くて、統計史上の記録をいくつも更新しています。

この異常気象は冬の間中、巷で「これって春になったら田んぼに水引けるの?」「スキー場は営業できるの?」等々、暖冬小雪の影響が特に響く年になるのではと心配されていましたが、
自分も今年の春以降どうなるかなど気になっているので、冬のシーズンを乗り越えたこの時期に、気象に関するデータを簡易的に綴ってみたいと思います。


今シーズン中、体感的に特に例年との違いを感じた雪について、その日の積雪深最大を見てみます。
グラフ中の気象データは気象庁の過去データを引用し、観測場所は青森市内2地点青森酸ヶ湯
冬のメインシーズン3ヶ月分(前年12月1日~当年2月28日、なお29日分は省略)2015年から2020年まで載せました。
また、一部データ抜けがありましたが、その部分は空白期間前後の数字からバランスを取った値を入れている事を予め断っておきます。

青森の最深積雪量.png
酸ヶ湯の最深積雪量.png
たった5年じゃ何も見えてこねぇ(泣)
グラフの中で目立つ部分にフォーカスしてみると、

その1.
2015年は平年より積雪量が多く3ヶ月通してその数値が高い。

その2.
2016年は、青森では前年12月が積雪が非常に少なく、翌1月には逆に平年以上の積雪が見られ、2月は平年値とあまり変わらない。酸ヶ湯の場合は前年12月から平年値を下回る日が継続している。

その3.
2017年は前年12月下旬以降、積雪量が平年値を大きく下回る状態が継続している。

その4.
2018年・2019年は、青森の場合は平年値とあまり大きな開きはないが、平年値をやや上回る日が多い。酸ヶ湯の場合は2019年は平年値を大きく上回る日が多く、継続して平年値より上。

その5.
2020年は、青森は前年12月中旬以降平年値を大きく下回る状態が継続し、1月中旬以降は2017年の値よりもさらに下回る。酸ヶ湯の場合は平年値よりは下回る日が継続しているが、青森ほど極端な傾向ではない。

グラフに表した以外についても2020年だけの事を言えば、酸ヶ湯は平年より積雪が少ないながらもそれなりには積もっている反面、低山帯から平地にかけてはどこも積雪ゼロがかなりの日数みられています(ちなみに、観測地点は酸ヶ湯が標高890mで県内で最も高い)
12月下旬から田子・三戸あたりは例年並みかそれ以上の積雪があったのですが、2月半ばからどんどん数値が減少しているところから、低山帯以下では他の地域も雪が解けていくのが早かったのではないかと思います。



次に、その日の平均気温の推移です。
青森の平均気温.png
酸ヶ湯の平均気温.png
グラフ作るの失敗したな・・・見辛い・・・

その1.
酸ヶ湯は、日によって気温の高低差が激しい。

その2.
2015年は、青森の場合12月から1月にかけて激しく乱高下している。

その3.
2016年、2020年は青森の場合平年値よりも数値が高い日が多く、日によって高低差が激しい。

その4.
2017年、2018年、2019年は青森は期間を通してだと平年とあまり変わらないように見えるが、2019年は日によって高低差が激しい。

平年値を見るに、1月末に向かって段々と気温が下がっていくのですが、
2020年は3ヶ月間通して大して気温の動きが無い感じですね。水道管の凍結もあまり心配していませんでしたしね。


続いて、日照時間も気になったのでこれもグラフを出してみます。
ただし、気温のグラフでしっちゃかめっちゃかになってしまった点を反省し、もうちょっと判り易くする為5日刻みでまとめました(半旬合計)。区切りとしては例として1~5日、6~10日、11~15日・・・と云う風になります。
月末については、26~31日と他より1日多く含まれているので前後より少し数値が上がっており、逆に2月の最後は26~28日の3日分しか合算できない為、ガクッと数値が落ちています。
青森の日照時間.png
酸ヶ湯の日照時間.png
目立つ点としては、

その1.
酸ヶ湯は青森と比べて平年値で3~5時間ほど少なく、期間ごとの数値の上下幅が小さい。

その2.
2015年は、両方で1月上旬まで平年より下回るが、以降は平年より上回る。

その3.
2018年、2020年は青森の場合平年値に対し緩やかに数値が上下している。

その4.
2019年は、青森の場合2月の数値が激しく上下している。

やはり八甲田山は県中央の山岳地帯なだけあって、平地の青森と比べ明確に日照時間が短いですね。どの年も日照時間が限りなくゼロに近い数値が何ヶ所も見られます。



これら3つのデータを合わせてみると、それなりに比例しているように見える部分もありますが、あまりピッタリと関連しているとも言えません。
要素としては、まだ他に降水量、降雪量、風なども絡んでくるのですが、時間も無くもうこれだけ作るのにヘトヘトなので諦めました(情けねぇ・・・)

なので、せめてそこから2020年の採集シーズンに向けて何か見えてくる物はないだろうかと思い、月別の平均気温と月別降水量の合計を7ヶ月分・過去5年のデータを出してみました。
先ほどの青森と酸ヶ湯に加え、積雪を観測していない休屋も並べてみます。
青森気温降水.png
酸ヶ湯気温降水.png
休屋気温降水.png
青森が標高3m、休屋が標高414mなので、酸ヶ湯が青森より平均5℃低く、休屋がその中間と云うのはとても判り易く安定しています。
次にその年ごとの特徴ですが、

2015年
気温は4~7月までは平年よりやや高めで、8~10月にかけては低い。
降水量は平年並みもしくはやや少ない。

2016年
気温は平年値よりやや高い。
8月に突出して多い降水量は、台風10号(岩手沿岸から上陸し北東北を北西に進むと云う珍しい進路だった)によるもの。

2017年
5月の降水量が少なく、7月の梅雨の時期は平年より気温・降水量共に高め。
また、気温の高さは7月がピークで8月は平年より低い。

2018年
気温の高さはピーク月の違い以外は例年並み。
降水量は総じて平年よりも多い。

2019年
気温は平年と同じく8月が高さのピークを迎え、平年と比べて全般的に高い。
降水量は全体的に平年より少なく、10月の台風接近の際だけ多くなっている。

降水量に関しては、台風1つでガラッと数値に影響するので、台風の影響が元々少ない青森であれば台風接近(上陸)日のデータを重ねてマイナスすればデータの精度が高められるとは思います。(←終)



気象データはこれくらいにして(←はい、逃げました)
この近い将来の気候を占う「ちょっとした指標」として、青森の桜開花日(この5年間と現在発表されている今年の予想)を並べてみるとこんな感じ。

青森開花日満開日
平年値4月24日4月29日
2015年4月14日4月19日
2016年4月17日4月21日
2017年4月17日4月21日
2018年4月19日4月22日
2019年4月18日4月22日
2020年4月13日(予想)4月19日(予想)
こうして見て、意外に思ったのが
近年はいずれも平年値よりずっと早い開花で、2015年については2020年予想とたった1日違い(満開日においては同日
「今年は平年よりも〇〇日早く云々・・・」などとニュースでやっているのであたかも今年はずば抜けて早いのかと思いきやそうでもなかったワケです。

結局、気象データを引き合いに出すのにたった5年程度のデータでは何も判らないので、本当ならばさらに遡る必要があったのです。
ここまで読んでいて、もうこの記事を書き続ける体力が無い事は誰の目にも明らかですね(笑)
引用データの掲載はもうしません(疲)


仙台管区気象台のまとめによれば、1900年代以前から現在までの推移を見ると青森も含め東北地方全体的に、長期的に見れば年平均気温は上昇しているとの事。
青森県の傾向としては、いずれも長期的な見方ではありますが

1.年平均気温は、日本海側よりも太平洋側の方が上昇率が高い。

2.年間降水量は変化はほとんど見られない。

3.降水が無い日が4.7日/100年の率で増加しており、太平洋側でその傾向が強い。

4.1時間30mm以上の降水を数える回数が1.8回/10年の率で増加している。

これらをざっくりまとめると、
青森は昔と比べて暖かくなっていて、雨の降らない日は多くなっている反面、一度に降る量がどっと多くなっている。と云うところです。
温暖化が叫ばれるようになって久しいですが、そういう風に言われたらそりゃ桜もだんだん咲くの早くなるのも頷けますよね。30年間の平均からこれほど早まってるのなら、あと20~30年経ったら青森も入学式・入社式シーズンに間に合ってしまうのかな?
(個人的にはそんな遥か先の事より、新型コロナウィルスによる花見・宴会の自粛が通達された事の方が重要ですけどね。どっちの意味で重要かは想像にお任せします・・・キャッホォォォォィ♪♪

で、
今年はこれからどうなるかと云うのは今年2月下旬の時点で気象庁は全国的に猛暑になると予測しているようです。
アジア方面から流れてくる季節風が活発になる事がその要因らしく、そうなると日本での梅雨明けが早まり夏が早くやって来て、猛暑に・・・と云う流れなんですね。

ただし、北日本はそう簡単に見通しが立つものではありません。
長年この地域に住んでる人達なら感覚的に思っている事があり、それは
「冬暖かければ、揺り戻しでその年は冷夏になる」
と云うもの。
冬と夏のメリハリがなく、年間通して気候がぼんやりすると云うのが自分達のような一般人の論調なのです。
それとはおそらく関係無いのでしょうが、前述の気象庁の見通しも青森あたりに関して言えば何とも言えないのだとか。
アジアからの季節風が強まる予測は現時点でも比較的当たりやすいのに対して、
梅雨前線が北に押し上げられる際に邪魔なオホーツク海高気圧、これがどうなるかは偏西風の読みが不可欠なのですがその予測が難しいのです。
偏西風の予測は1ヶ月程度先までが限界で、いくらアジアからの季節風が強くなる見通しが立っていても北日本の夏が早まるかは結局のところ「?」なワケです。
東北南部辺りまではあっさりと前線が北上していくのに、そこから長期間岩手・秋田と青森の間で行ったり来たりするのは毎年のように感じますからね・・・。隣県以南の山で夜23℃の中ライトトラップしている時、青森では17℃で頑張ってますからね。こういう年ってシーズン中凄く良い日がごく僅かにあってそれ以外はホントに苦しいって云うパターンになりがちな気がするんですよね。


人が決められるワケではないんですが、
冬ちょっと暖かい代わりに夏に冷え込んでもいいのか、
きちんと冬は寒くなってその分夏は暑くなってくれた方がいいのか選べって言われたら、
そりゃ冬に雪が少ないのが一番イイに決まってるでしょ。


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作成期間1ヶ月! [青森では・・・]

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・やっと・・・出来た・・・!!


CA3I0814.JPG
俺はやったんだ・・・やり遂げたんだ・・・!!!
この1ヶ月、ほとんど休み無しで作り続けてどうにかギリギリ間に合った・・・





去年10月青森県庁ホームページhttp://www.pref.aomori.lg.jp/に10年振りとなる県レッドデータブックの掲載種の更新について、意見募集結果が掲載されました。

現在の県レッドデータ(以下RDB)は10年近く前に改訂されたのが最後で、今回の更新分で再検討された結果が2020年版として来年発行されることになる予定です。
以前、2010年版についてこのブログでも取り上げ、加えてその後観察記録追加分の情報を友人・知人から貰ったりして随時更新をかけてきましたが、一つ気になる点がありました。
200種以上の様々な分野の昆虫をリストにしたところで、ほとんどの虫屋・・・まして人口が多いクワガタ屋(と括っていいのか?)の大多数は専門外のジャンルの虫をほとんど知らないワケで(失礼)、野外で掲載種の貴重な生態を運よく目の当たりにしたとしてそれをきちんと記録に残すまで至る事はほぼほぼ無いのでは? ・・・と思っているワケです。
そもそもこう云うデータは、特定のグループに精通した者が様々なところから集まってデータを集積して作るものなので、一人の人間が全体を把握するのはまず無理だって話で、必要も無いワケです。苦手な事は得意な人に任せればいい・・・それが正しいやり方ですから。自分だって、クワガタさえ不必要に採らないようにしているワケですから、専門外の虫まで採ってくる事はそれ以上に少ないってのは当然の話。その場で見つけて「あ、これ未記録のヤツだ」とか「記録ほとんど無いヤツや」と判れば写真を撮るなり採って帰るなりして記録に残しますが、数多い昆虫の中で一人の虫屋が知ってる範囲なんて限度があります。

しかし、変な思い付きとズレた使命感だけは二人前の自分(何言ってんだ俺)は、このRDB掲載種分だけでも可能な限り一人で判別し、更なる生態の解明に貢献できるようなリストの使い方が無いかと考えたのです。
(誤解のないように言っておくと、RDBと云うのはその種の存続が危機的な状況に置かれているかどうかを指摘し環境の保全やその対策を講じる指標・足掛かりとする為のもので、決して珍品リスト扱いしているワケではありません)

中学生や高校生の頃、英語を覚えるのに英単語帳をめくって必死に覚えた人は多いと思います。
それにヒントを得て、掲載種を1種ずつカードにしてまとめておく事を思いつきました(しょうもない…)フラッシュカードと云うヤツですね。

普通なら最初っから見つけた種類を片っ端から採集して帰宅後ソートして、刊行された出版物や県庁のホームページでファイルをダウンロードし照らし合わせ「あ、掲載種混ざってたね」と云うのが『流れ』と云うものですが、最初に言った通り自分なんかは全部採ってきてソートして・・・と云う事が出来ません(やりたくありません)。つまり、RDB掲載種かどうか、掲載種であったなら記録としてどうなっているのかどうかを見つけたその場で確認し、判断したいワケです。
ただ、実際に発刊されている「青森県の希少な野生生物 -青森県レッドデータブック(2010年改訂版)-」はたしかB4版・・・だったはず。フィールドワークの最中にRDB掲載種かどうかの再確認をする時、バッグやリュックから出す資料がそんなにデカかったらやってられません。実際、B4どころかA4でもB5でもイヤです。プリンターでコピー用紙に落としたとして、土や雨でボロボロになる事必至、ページ数も約70ページに上るので、探そうにも「え~とこれはどのランクのどのページかな?(焦)」と一々探すのは疲れるものです。
それならば、いっそカードにしてラミネート加工し、ランクではなく分類ごとに分けて束ねておけばグッ[グッド(上向き矢印)]と実用的になると考えたワケです。


さぁ、「考えたワケです。」・・・と言うのは簡単ですが、これを実行に移すのは相当大変な事になるな・・・と、考案した段階から恐怖を覚えていました。





製作を開始したのは先月、10月の半ばの事でした。


1.基本データ入力

最初の作業は、RDBの2020年度版の基本情報入力から。
県が実際に発行するのは来年で、現在のところ県のホームページから入手できる情報は掲載種の名前とそのランクが載ったリストのみ。これをコピー用紙に印刷しました。

これを文書作成ソフト(ワード)でランク毎にファイルを分け入力していきます。
CA3I0683.JPG
入力していく内容は、
・ランク
・和名
・学名
・特徴(体長、色彩、形状など)
・分布/生態(全国的な記録の有無の参考、発生時期、生息環境、食草など)
・青森県での記録
の6つ。

フィールドで使う事を前提に、その種を見つけるためのヒントとして必要かつ最低限の情報を打ちこむように配慮します。小さなカードに印刷する分、情報量(文字数)が多くなりすぎるとかえって使い辛くなるので、見やすさには気を使わなければいけません。
種名は、別名がよく浸透しているものもあるので、邪魔にならない程度に追加していきます。個人的にヒメハンミョウって言うよりエリザハンミョウの方がなじみ深いし、ベッコウバチがクモバチに改称されてたのを知らなかったのでちょっとショックを受けたり。
学名は、単純作業の中で一番辛かったです。何割かはコピペしましたがほとんどは手打ち入力。苦しかった・・・ブログ記事で書いてた時は学名めんどくさくて省いてましたからね。この時の作業は目に疲労が溜まり痛かったですねぇ。
特徴、分布/生態、そして青森県での記録のところは2010年版や各図鑑、ネット情報などを参考に文字数のリミットと格闘しながら出来るだけ表現を統一して書くように編集していきました。この部分が最も大事でかつ大変なところで、一番時間が掛かったところです。特徴や生態などはまず最初の入力でほとんど片付けましたが青森県での記録はこの段階では2010年版のみを入力していきました。

2010年版の時は265種でしたが、新しい2020年版はさらに増えて321種
新しく選定された種については一から調べて入力しなければならないので面倒でしたね・・・
CランクとDランクはマジで辛いよ・・・


2.画像データ収集

ほぼ毎日平日休日関係無く寝るまで打ち込み作業をして一旦区切りがついたのが10月の末。次は虫の写真集めです。
カードの表は前述の文章データ、その裏に虫の写真を印刷するワケです。なんて無駄の無い作りでしょう。なんてクソめんどくさい作業でしょう。
CA3I0771-fea03kai.jpg
これは流石に全種を自前で用意するのは不可能でした。・・・まぁ売り物でもない個人的な工作でしたので他をどうしたかは黙って飲み込んでもらえれば(苦笑)
ランク毎にフォルダを分け、画像に一つずつ名前を打ちこんで保存し、一つずつリストにチェックをかけていきます。
現場で使う事を考えて、野外で見るなるべく自然なスタイルの写真を選ぶようにしました。チョウの中でも翅表で見分けにくいシジミチョウなんかは留まっている状態の翅裏の写真にしたり、トンボは死ぬと色がなかなか残らないので標本は避けたり・・・
時間的に余裕が無かったので選定ミスはちょいちょいしましたが仕方ないですね。・・・ミヤマキシタバはやっぱ展翅標本にするべきだったな・・・

そして、文章データと同じファイルを作って順番を合わせて画像をレイアウトしていきます。
文章データを全て刷ってから画像を印刷するので、画像に名前を打ちこんでおかないとテレコ(差し違え)が起きてしまうし、画像1枚ずつ個別に操作していくと時間が掛かり過ぎる為同じ文書ファイルに画像を貼り付けてから印刷した方が作業が楽(それでもかなり時間と体力を使うが…)なのです。ワードでレイアウトしていけばトリミング作業も不要だし。


3.文献収集(県内追加記録補填)

さて、基本情報と画像収集が一通り終わったワケですが、
その中には種名以外の情報が何も得られなかったものもいくつか残ります。

と云う事で次の作業は、図書館などを回って情報収集。
大判の図鑑など、個人では集めるのに金銭的限界がありますからね。特に、ハチとかゴミムシとかはこのやり方じゃなかったらカードの中身真っ白でしたね。

CA3I0770.JPG
そして同じく、研究会誌や同好会誌など、青森県での記録の補填作業も行います。手元にも何冊か持っているものもありますが限界があるのでメインは図書館頼りですが、タイムリミットも押し迫っているので書き写しも最終的には完璧とまでいかない状態で終わることになりましたがそれでも結構な量の追加記録を足すことが出来ました。

CA3I0772-eb481kai.jpg
ここまでくるのに・・・長かったなぁ・・・


4.印刷作業

さて、出来上がったデータの印刷に移るワケですが、
フラッシュカードの材料はこの通り。↓↓
CA3I0784.JPG
・名刺用紙 2種
・ラミネートフィルム
・カードリング

用紙は2種類使う事に。何故かと云うと、本音は画像を印刷するには画像品質が良い光沢紙がベストなんですが、厚手である光沢紙にラミネートをかけてしかもそれが300枚以上になると厚くなりすぎてリングでまとめきれずかさばってしまう為、紙厚を抑える為厚さを抑えたそこそこの画質の用紙と併用し、色彩や模様の微妙が重要なトンボやガなどだけを光沢紙に印刷する事にしたからですね。

ラミネートフィルムは、野外で携帯する為、100ミクロンではなく耐久性のある150ミクロン厚のフィルムを使う事にしました。と云うか、名刺用だと150ミクロンしか売ってなかったもんな。

カードリングも、ホームセンターで探して一番大きかった4cm径の物が十分かと。


CA3I0810.JPG
インク残量とギリギリのせめぎ合いをしながら、印刷作業に着手します。
最初に文章データを連続で刷っていきますが、画像印刷を考えて「次は普通紙3回・・・次は光沢紙1回・・・次は普通紙2回」と随時用紙を変えなければいけないので、ずっとプリンターの前にはり付いて給紙作業です。また、ウチの家庭用プリンターはオフィス用みたいなハイスペックではないので、名刺大のサイズでも1枚刷るのに1分ぐらいかかります。気が遠くなるワ・・・!!
その最中にも、「あっ!! 誤字発見!!」「未入力の記録あった!!」なんてミスに度々気付くので印刷が中断される事も何度もありました。

片面刷ったら今度は画像の方を刷っていきます。
今度は用紙を選ぶ手間は省けますが、・・・まぁ大変でしたよ・・・。順番がずれちゃって文章側を刷り直したり、プリンターヘッドが汚れて画像に黒線引かさっちゃったり・・・


5.ラミネート作業

印刷が終わったら、ラミネート作業です。
これがまた単純ながらも神経を使う作業で、フィルムの余白が結構ギリギリでちょっと雑にはさむと用紙がフィルムからはみ出てしまいます。

CA3I0811.JPG
しかもその前にやる作業として、カードリングを通すパンチ穴部分は用紙をカットしなければいけません。用紙のかぶった部分をパンチしてしまうとそこから紙に水が浸みて台無しになってしまうからです。
最初にまず全部の用紙の角を切って、その後ラミネートしていきました。

全部のラミネートが完了した頃には、
CA3I0812.JPG
うわッ・・・分厚すぎるわ・・・


6.グループ分け、そして完成へ

ここまで来たら最後はリングでまとめるだけです。
ただその前に、使いやすくする為に分類分けをする必要があります。ここまでランク毎に順番に処理してきましたが、実用性を考えるとこのまま上から適当に区切ったりしません。
コウチュウ、ハチ、チョウ、トンボ・・・とそれぞれグループ毎に山を分けていき、大きな分類で分け終わったら次にリング1個分に収まるように調整していきます。少ないグループはまとめてしまい、多いグループの鱗翅目や鞘翅目は2つ3つに細かいグループで山を分けていきます。
束ねる山が決まったら、次に同じグループでもさらに細かいグループで分けていきます。カミキリに分けたら次はハナカミキリ同士・フトカミキリ同士・・・で括って、・・・という感じで。時間も無いので結構アバウトでしたが。

最終的に8つの束にまとめ上げ、表紙タイトルになるカードを追加で作成して・・・


CA3I0813-31d0fkai.jpg
完成。 化粧箱も作りました。


11月15日。ここまで丸々一ヶ月。
平日も休日もほとんど休み無しで、入力作業が3週間ほど印刷作業に入るギリギリまで続き、印刷作業が3日間、ラミネート作業が2日間。製作費用が原価で8,000円弱
この間、何か色々なものを犠牲にして没頭していました。最後の化粧箱作ってる時はさすがに「何やってんだろう俺・・・」と我に返ったこともありましたが(笑)
かなり妥協もしながらの完成でしたが、個人的には十分な物に仕上げることが出来た気がします。僅かにある心残りとしては、一部のコメツキやゴミムシなどが最後の最後まで有意義な情報が得られなかった事ですかね。





さて、文中でどうにかギリギリ間に合っただのタイムリミットだのとやたら時間を気にする書き方をしましたが、
実はこれ、ある日の為に間に合わせる必要があったからです。

その「ある日」と云うのが・・・


つい先日11月16日(土)に行われた、
納会その当日なんですね。

CA3I0821.JPG
自分はもう4~5年目の出席になる、青森県内の虫屋仲間達が集う納会です。
基本的にクワガタをきっかけとして知り合った仲間同士で、毎年場所を変えて開催していましたが今年は八戸市が会場になりました。
その中でのプレゼント抽選会の景品として協賛、誰も欲しがらなくてもせめて話のネタになれば嬉しいと云う感じで持って行ったワケです(笑)

関係を持つきっかけが「フィールドでの鉢合わせ(特に某オオクワ産地)と云った部分が比較的強い所為か、八戸開催の年は出席者が多くて安定しています。宿代が懐事情的に辛い部分もありますが、八戸開催でないと会えない人も居るのでその嬉しさの方が大きいです。
今年は16人と、まぁ色々な人たちが居りました。勿論(?)今年初めての出席者も居て、同じようで全然違う?毎年ながら飽きのこない新鮮で楽しい時間が過ごせました。
CA3I0822.JPG
話に夢中で1次会の写真撮るの忘れた・・・(画像↑↑は2次会)


それでRDBフラッシュカードのその後ですが、
くじ引き抽選で1番を引いた、うたたね猫さんがまさかの1位指名!?
まさかいきなり貰われるとは思わず心の準備が出来ていませんでしたが、喜んでもらえたようなら半分嬉しいです。あとの半分は、使ってもらえればなお嬉しいと云う事ですね(ヒヒヒ・・・)


ただ、その代わりプレゼントで一つしくじった事があります。
カードの方はいいんですが、もう一つ用意していたプレゼントでしくじりました。

それがこっち↓↓

CA3I0820-a2a1bkai.jpg
来年のカレンダー

個人的に景品はこれがメインのつもりで、
こっちは準備に丸一年かけてたワケですよ!!!

ところが、納会を前にこの1ヶ月の間ずっとRDBの方に労力を注いでしまった所為で、フラッシュカードが完成した納会前夜の時点でカレンダーはまだ完成しておらず、あとまだ表紙のデザイン冬季閉鎖スケジュールの編集印刷・製本作業が残っていたワケです。

そんでもって表紙作りをゼロから始め、デザインが終わったのが当日朝4時

疲れて寝て、起きたら朝9時半

冬季閉鎖スケジュールを編集し終わったのが昼11時半

プリンターの接続が何故かうまくいかず、やっと印刷開始したのが11時50分
ところがこの印刷作業ってのがカードの時にも説明しましたが時間がかなり掛かるもので、A4を写真用に印刷すると早くても1枚4分半。津軽側メンバーの出発予定が午後3時。残り3時間で印刷も終わって製本組み立ても終わって、そしてシャワー浴びて荷物の準備まで終わらせないといけない。
(↑↑もう後手後手の愚駄愚駄じゃねーか!!!)


当初、5部くらい用意する予定でしたが、
表紙と12ヶ月分で1部13枚、5部刷って計65枚・・・1枚の印刷時間が4分半掛かるとなると・・・
・・・刷るだけで5時間近くかかる!!?

各地を巡り、虫に目もくれず風景撮影の為だけに行っては、ときには人通りの少ない時間を狙って奥入瀬渓流を一日撮り歩いたり、ときには赤沼撮影の為に真っ暗な内から山に入ったけど実はもう現場は紅葉が終わりかけてたり、ときにはホワイトアウトした八甲田山中で道脇に突っ込み車のバンパー割ったりして金と休日を犠牲にしながら十和田市の一年を追いかけてきた事を思い返しつつも、断腸の思いで部数を減らす決断に至りました。
作成数3部・・・少なッ。

出来栄えについてはありがたくもお褒めの言葉を頂けましたが、想定以上の参加者数で景品が全員に行き渡らなかった点を含め、このカレンダー部数減刷はここ最近で何よりも悔しい出来事となりました。



さて、フラッシュカードはこの冬の間に自分用のを再作成するかな。

それが出来たらもう3セット目は絶対作らない!!!!

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シーズンオフの八戸で [青森では・・・]

どうもこんばんは、まだ生きてます。
1ヶ月ぶりの更新になりましたが、なかなか腰を据えてブログを書く時間もありませんでした。
11月になって飼育の方に完全シフトチェンジしたと云うワケでもなく、とあるワケあって採集へも行っていました。


さて先日25日(土)、年末の恒例となりつつある虫屋の納会へ行ってきました。

夏の間に採集のフィールドで知り合った同士、地元の昆虫専門店で知り合った人達が普段と違う場所で一堂に集まる年に一度のイベント。
都会と違って即売会等のイベントが無い分、青森で開かれる貴重な会として存分に楽しんできました。

今回はその内容を簡単にまとめた記事です。


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納会当日、お昼の12時前に青森市内を出発。ファーブルハウスの鈴木さんの車にNo.7と共に同乗し会場のある街へ向かいます。

青森市内も雪景色になり、道中ホワイトアウトしうっかり道が逸れるくらいでしたが、現地に近づくにつれ段々雪が無くなってきました。



CA3I0883.JPG
到着したのは八戸市。今年の会場はこの街です。


昼過ぎに到着したのですが、まずは腹ごしらえでラーメン屋へ。
八戸市在住のN氏Y氏と合流し、虫の話を緩やかに交わしながらラーメンをすすります。
CA3I1033.JPG
写真OKという事なので載っけてみました。ラーメン屋で食べるのも久しぶりで、「あぁ、なんかこの感覚・・・久し振りだなぁ・・・」と仲間同士でテーブルを囲むだけなのに変な新鮮味まで味わってしまいました。最近ずっと一人でいたからなぁ・・・(苦笑)


腹ごしらえが済み、予定されていたN氏の自宅へ皆で向かいます。

N氏は採集もしていますが飼育にも力を入れているマルチな方で、「飼育専用に造った部屋」を見せてもらうために今回お邪魔したと云うワケです。
オオクワ1種のみに特化した飼育部屋でしかも温度・湿度・空調の精密な管理が行われていて、N氏の説明に感動と関心が尽きませんでした。ここまで部屋として徹底されているのは初めて見ました、棚の段の間隔が均等に1400ccボトルに合わせてあるのがオオクワブリーダーって感じで感動しましたけど(変かな?)


飼育部屋見学を終えたところでN氏とY氏と一旦別れ、鈴木さんとNo.7と3人で八食センターの市場へ向かい土産探し。
海産物に全くと言っていいほど関心が無い自分とNo.7は結局何も買わずに終わりました(が、青森市に帰ってきてから「やっぱり買っときゃよかった」と後悔しました)


午後4時を過ぎ、ひとまず宿泊するホテルに向かいます。
我々と、もう一人今年初参加の弘前のN氏を含めた津軽方面組の計4人でこのホテルに合流、一休みして間もなく納会の開始時刻の夜7時を迎えました。



CA3I1037.JPG
一次会のお店に今回集まれたのは11人、いずれもライトトラップの経験者やオオクワブリーダーなど、いろんな意味(?)でひと癖もふた癖もあるような人達です。


そして今回は、ただ飲んで食べてお喋りするだけの会ではありません。

CA3I1038A.jpg
集まった人のほとんどが採集の有識者という事で、採集に関係する講義が行われました。
最初は八戸のM氏による発電機のメンテナンスについての解説。手入れが大事な発電機の各注意点やアドバイスは機械音痴の自分にとってはとても参考になりました。
次にFH鈴木さんによる十和田の各採集ポイントの注意点や機材の選び方の説明、そして各ポイントの位置関係や機材の使い方による影響の解説。下手な所で教えられない「ここだからこそ」話せる青森県の深~・・・い裏ワザ解説も濃厚に詰め込まれていましたヒヒヒ・・・
CA3I1046.jpg
今回の納会参加者にはこうした資料も配られました。
こうして十和田のライトトラップについて具体的なポイントを解説する文書は未だかつて無かったでしょう(そもそも公に書いたらもったいない事だしね)


CA3I1036.JPG
そして一次会の終了時刻も迫ってきたところでプレゼント争奪のくじ引きが開始。
引いたくじに書かれた番号の順にプレゼントを選んでいきます。
(プレゼント争奪ゲームを何にするかは自分が考えることになったのですが、当初はビンゴゲームにすべきか、はたまたポイント制クイズ形式にでもしようかと悩みましたが、用意時間が無かったのと効率や流れを考えくじ引きに落ち着きました。下手に時間を取って長引かせるよりテンポよくサラッと進めるくじ引きにして正解だったようです)

プレゼントは数人の方から以下の物を用意してもらいました。

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酢酸エチル携帯用スポイト付き小瓶
今回プレゼント企画を立てるきっかけになった賞品。採集か飼育は行う人がほとんどながら、標本をやっている人の割合が少ないという事で、昆虫趣味の視野を広げるという意味を含めて鈴木さんとNo.7が提供。末等扱いですが、実は1個あたり700円くらいと絶妙に安くはない賞品です。

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エンジンオイル交換セット
発電機のメンテナンス講義を行ってくれた八戸のM氏に提供してもらった賞品。エンジンオイル1リットルと廃オイル処理用パックのセットです。おまけのお菓子がちょっと主張が強いです(笑)

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中之島産トカラノコギリ成虫ペア
Y氏に提供してもらった賞品。トカラノコの生体なら全国に大量に出回っていますが、今回Y氏が持ってきたこの生体は、そんじょそこらでは手に入れることはできない「特別で貴重な」個体。色もきれいに出ていてうっとりする個体です、ちなみにホワイトアイっぽく写ってますが違います。

CA3I1041.JPG
特製クワテラリウム
これが今回のプレゼントの中で最も豪華な賞品。おいらせ町のT氏に提供してもらったもので、採れたオオクワを入れたところを想像せずにはいられないですね。昆虫フィールドの写真でしか見た事が無かったのですが思っていたより清潔感があるんですね・・・。「青森県産」のプレートにドキドキします。

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A4サイズ2018年カレンダー
こんなの誰が持ってきたのか(笑)、と云うと・・・自分です。青森県に分布するクワガタムシ科がちょうど月めくりカレンダーと同じ12種類なので、各月に1種ずつ写真と青森版の簡易解説をレイアウトし、採集に使われるであろう主要山岳道路の冬季閉鎖スケジュールと、ライトトラップシーズン用の月齢と月の出入り南中のタイムテーブルを組み込んで、採集向けに作った物です。この写真を撮るために今月までずっと採集に行ってたんですよ。ちなみにこのカレンダーの完成に間に合わせるために、前日の晩を貫徹していたので、肝心の納会中は頭がほとんど働きませんでした(笑)

そしてくじ引きとは別に、自分はY氏から別の生体のプレゼントも貰いました。
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リュウキュウノコギリ(久米島亜種) 島尻郡 久米島町 〇〇〇〇

2年前のトカラノコギリに続いてクメジマノコギリの幼虫も頂いてしまいました。
初飼育になるので、これもブログで飼育経過を書いていこうと思います。


一次会が終わったところで残念ながら翌日の都合で参加者の一人・NZ氏とはお別れし、別のお店で二次会となりました。
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席も一層近くなり、話は尽きるどころかさらに深みを帯びて加速していきます。各人の今年の採集のエピソードを聞きながら、この一年色々な事があったんだな~とあの日やその日の事を思い出します。

八戸のM氏の知り合いでもあるというこの店の店主もライトトラップをやっているという事で、店の入り口にちゃっかりライトトラップの張り紙もしていました。


二次会が終わったところで人数もさらに半分に減り、今度は参加者の一人のS氏のお店へ流れ込み三次会が始まりました。
店に虫を持ってきていいのか?とも思いましたが、流石S氏のお店と云う事もあって従業員も皆訳知り顔でした(笑) 肝心のS氏はと云うと完全に店側のスイッチが入ってしまい奥へ引っ込んでしまいました(苦笑)

時刻も午前0時をとうに過ぎ、頭の回転もほとんど止まってきました。三次会も終わり納会も終了、ホテルへ帰った後は電池が切れるようにして42時間ぶりの眠りについたのです。



ちなみにその後、体内時計が大きく狂ったのは言うまでもありません。
この記事もまた、夜を徹して書いたものですから・・・




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W×H×N ~ワシかてホンマは飲みたいんじゃい~ [青森では・・・]

つゆきもすっかり融けて、まだまだ街も白くならない12月の第2週。
青森某所で先日、クワガタムシを愛する(?)同志達による飲み会が行われました。

当日、ファーブルハウス鈴木店長に連れられNo.7と一緒に飲み会の会場近くの宿に到着。
開始時刻の午後7時半が近くなり自分達も会場の料亭割烹へ入店。

次第に座敷には、オオクワガタ採集者を中心としたメンバーが到着し、
あの人が!この人が!?と云う人たちで席は埋まりました。
夏にフィールドでお会いしたり誰かしらから話で聞く方など、
部屋に総勢12名が一同に会しました。
県内のオオクワの採集関係で集まった飲み会としては近年稀に見る数じゃないかと思われます。

趣味(一部本職ですが)で集まっただけあって、
仕事や人柄もバラエティーに富んでいました。


いさな皿に盛られた見慣れない食べ物に内心ドキドキしながら、
この中の1人が持ってきたユキグニコルリツヤハダの入った標本箱をネタに早速虫話が始まりました。
個人的にちょうどコルリの話もしたかったのでタイムリーなチョイスで感動しました(笑)
標本箱は席に着いた人から人へグルっとテーブルを回っていきまして、皆その美しさに目が釘付けになっていました(標本だけに)
遂には仲居の方まで「ちょっと見せてもらっていい?」と関心を寄せていました。

時間が来て大きな皿が卓上に置かれました。
何が出てくるのかと思ったらまさかのふぐ(ふ!! ふぐ!!??)

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ふぐなんて食べた事もないのでそれだけでだいぶ驚きましたが、
ふぐ刺しと標本箱が並んでいる光景は、間違いなく今年一番のシュールでした。

自己紹介から宴は始まり、12人集まると流石に話は様々でした。
採集に乗っていく車の話。採集で使う発電機、バルブの話。
色々なクワガタの話、クワガタ以外の昆虫の話、爬虫類の話。それ以外の動物や釣りの話。

中には特殊な環境のあの〇〇島の虫の回収計画も(!)
津軽半島の話や下北半島の話、十和田の話や白神の話。
野外のフィールドの話を軸として様々な話をしましたが、
一番驚いたのが〇〇さんと△△さんが同じ学校の元同級生と云うまさかの新事実。
パッと見全く違う世界の人同士が20年近く経て虫屋の酒の席に着くなんて、・・・ただの奇跡。
(ブログにはこう↑↑としか書けないので読んだらなんのこっちゃですが)


み慣れない酒に呑まれる事はありませんでしたが、人にノまれました・・・
約2名が日昆に入会されそう(笑)になったり(曲者ばかりで手に負えませんぜ)
アクの強い方々に加え、仲居さんにまでイジられましたからね(笑)
と言うか仲居さんに関しては自分を含め何人か怒られました。すごいトコだ・・・

皆が席を渡り歩きあちこちで色んな会話が繰り広げられていましたが、
そんな中でも古今東西下ネタというのは鉄板中の鉄板でして、
この瞬間だけは(ほぼ)全員の心が一つになっていました。

ふぐ鍋、そして雑炊と豪華な流れで
時刻も深夜12時を過ぎ早帰り組も何人か出てきたと云う事で、
1次会は終了して残ったメンバーの内自分達は、2次会へと続きました。

7人でチェーン店へ入り、入店早々出てきたお通しを20代メンバー全員が鈴木さんに押し付けて、1次会では話し足りなかった(?)内容などに話題が進みました。
今年の採集エピソード、県外採集者のエピソード、飼育の話、鳥の話。他様々。

県内であの採集法について話が出来たのも有意義でした。
来年あたりいよいよ革命的な大事を成し遂げてしまいそう・・・



べれけに酔っぱらう者もなく、
午前3時を過ぎて2次会も無事に終了するに至りました。

宿に帰り、それぞれ部屋に戻って床に就きました。
そして自分はいつも通り、後になってから
「あの話題を忘れていた・・・!」とか「あの時の返しはこう言うべきだった・・・」とか
一人反省会。(かと言ってその反省点は次回にはもう忘れてしまっている)
翌朝帰宅しました。


鈴木さん 「行きも帰りも会長に運転させないってのは気が楽でいいだろう~?」

No.7 (笑)



というワケで、今回は内輪ネタでした。



〉〉 ???


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