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日昆 採集記 【2015年】 ブログトップ
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タプコプ!! ヒメオオクワガタ採集 [日昆 採集記 【2015年】]

CA3I0820.JPG

  8月30日(日)

前日の夜から準備をしてはいたものの寝不足のまま、時刻は深夜2時45分
自宅を出発する。

深夜出発の為直前まで寝溜めしておくつもりだったが、
なかなか寝つけず1時間しか眠れなかった。
これから向かうヒメオオ採集にワクワクして眠るどころじゃなかったから・・・だと言いたいが
実際のところは、日中何も食べなかった反動で夕食を食べすぎた所為で
腹が苦しくて睡眠どころではなかっただけ・・・。
長距離ドライブが苦手なだけに僅かな睡眠で足りるかどうか不安ではあるが、
車は市内を飛び出し八甲田山を越え三本木原に下りていく。


CA3I0821.JPG
十和田市を抜け新郷村へ突入。(画像は新郷村役場付近)


そのまま新郷村を横切り
CA3I0822.JPG
三戸町へ到達!

そして三戸も同じく横断・・・

今回の主たる目的地は、


CA3I0823.JPG
そう、田子町である!!


県内最南の市町村であるこの場所に初めて来たのは今から約1年前
10月の半ばに来たこの時は主な目的はヒメオオの新場所探索だったのだが
時期や探索する時間帯の問題もあって土産にできる虫(クワガタ他含め)は何も採らずに帰ってきたのだった。

 【初めて来たのは今から約1年前】
   ⇒ 2014-10-18 『南部鍬形追分』

今回は8月末でヒメオオシーズン真っ只中。
今期はヒメオオ新産地開拓で県内をあちこち回るつもりでどこから行こうか正直目移りするくらいだが、まず去年のリベンジとしてここに決定した。


個人的に、田子町は同じ青森県内にありながら最南端・最果ての町と云う事でアクセスが面倒でコンスタントに採集に来れない分、この場所で採った虫はきっと箱の中で存在感が出る(ラベル的に)だろうと言う事で今回は是非とも採って帰りたい場所だ。
虫とは関係ないけど、この素晴らしく「山田舎」なところもすごくイイ。

道の選択を誤ってしまった所為でポイント近くまで来るのに3時間半も掛かってしまった(汗)
空が白んでくると同時に探索を始めるつもりでいたがもうとっくに空は明るい。
前回時間の都合で入らずに終わった林道に入っていくことにする。



三八地域と云うのは歴史背景的な部分もあるのか、特に林業が盛んに行われているのが視覚的に良く分かる。
海浜地域は八戸を代表する漁業で成り立っているが内陸~山間部は農畜産物が中心。
田子町はニンニクだし五戸町の牛とか三戸・南部町の果物とか今では各自治体で有名産品が盛んに作られているわけだけど(都市伝説が売りの自治体もあるが・・・)、
昔は米など作物が育たないやらで農業に不自由していた土地でもあるので、
津軽方面と違ってこちらは人家近くであれば容赦なく山が切り開かれてどこもかしこも植林ばかりだ。

林道を進み期待の持てるエリアまで向かう。
どこまで行ったら植林地帯が終わるのか半ばうんざりする。

林道は所々で支線や作業道に枝分かれし、毎年新しい道が作られているためか
地図を見ても道が合ってるのか分かりにくい・・・(焦)
おまけに山の中を進むとケータイや衛星の電波も受信できなくなってきて
自分も現在地が把握できなくなってきた・・・



とりあえず、周囲がブナ帯になってきたので車を停め、
一旦様子を見るため網とリュックだけ持って歩くことに。

気温は低く時刻も朝7時頃
風も弱く周囲には朝霧がたちこめている中、林道脇の木々を全体的に見ていく。
この近辺は背丈ほどのヤナギはあまりなく、ブナ・ミズナラ・スギ以外ではヤマハンノキ・ナナカマド・ウダイカンバ等々5m以上のやや背の高い木々が目立つ。
正直言って目視でヒメオオを確認するのは非常に辛い。
歩き進んでから程無くして、1本のウダイカンバの枝にやけに目立つ黒い輪っかが沢山付いているのが目に入った。

沢山付いているこの黒いのは何だろ・・・怖いな・・・

普通にこれはヒメオオの齧り痕だと思うんだけども、
視力に自信が無い以上断定できないのがもどかしい(苦笑)
よく見ると隣に生えてる同じ程の高さのナナカマド2本にも少ないが黒い輪が付いている。

とりあえずこれらの木々はほっといて更に林道を進む。
枝分かれする林道、初めて入る上に現在位置も分からず迷いそうになるので
あまり奥まで進まず一旦車に戻ってまた進もうと、道を引き返す。





さっき見つけたカンバまで場所を戻ってきた。

木を見上げながら、
「どっちにしろ居てもこの目じゃ見えねぇよなァ・・・」と、持ってる網を見て固まる(笑)

結局、網とリュックを地面に置いてキッキングするしかなかった。
ササや細枝に掴まり斜面に入り、カンバの幹に衝撃を加えてみた。

僅かに木が揺れ、



                    バチ
                                           バチ

           バチ

                            バチ


と葉っぱではない何か「モノ」が落ちてきた音が所々で鳴った。

いくつか地点も確認できたので急いで確認に行くと・・・













居た!!!! クワガタ!!!
ヒメだ!!!!


ジッと音のしたあたりを漠然と周辺視して、動いたところをすかさず探ってヒメオオを3頭まで採集できた。流石にこの方法で落とした個体を全部見つけるのは無理だったが、3頭も採れれば個人的にはよく出来た方だな。

やはりこの枝に付いている無数の黒い輪っかはヒメオオの齧り痕だったわけだ。
周りはずっと似たような樹種・景色なのに居る場所ピンポイントだな・・・


一旦ケースに収めて、ケータイを取りに車まで戻る。

CA3I0827kai.JPG
♂が1頭と♀が2頭。
♂はかなり小さいが念願の田子産ヒメオオだ。嬉しくないハズが無い!!



続けて車を停めた林道の曲がり角から始まる植林の作業道に入ってみる。

当たり前だが右も左も奥までずっとスギだらけだ。

それでも何故作業道に入るのかと云うと。
こういう植林地帯の奥は言わずもがな人の手が入っていないわけで、植林場所の縁まで来れば広葉樹の原生林に付き当たってクワガタの生息エリアに直面する。
年数を経るとこうした植林地帯と原生林の間の空間にヤナギなどの雑木が生えだしてヒメオオの集中して集まるポイントが出来上がる事がある。
こういう場所が在るかも知れないから作業道に入ってみたのだが・・・

CA3I0829.JPG
枝打ちされて、作業道は弓状のスギ枝絨毯状態。
こういうところってホントに車じゃ無理だな。

やっぱり予感的中。
場所が新しい所為かヒメオオを探せる場所も木もねェ(疲)
林道を引き返す。

引き返す途中、残された道脇の木に齧り痕を発見。
試しに蹴ってみるも葉っぱしか落ちてこない。
時期が早いのだろうか?
それとも植林の影響でヒメオオは付近から消えてかけているのか?

車に戻って先へ進む。
時間帯がまだ早く8時前だし、気温も16℃ほどで寒いので、
陽が昇って暖かくなってくれば登りだす個体も居るだろうと言う事で最初の居るカンバを通り過ぎ道の先へ進む。


段々と道も悪くなる。

CA3I0835.JPG
このようなクラックの入った林道ももう今月で何度目だろう・・・?
特に今月は車にとって非常に厳しい林道へ集中して突入したので、
この程度↑↑ではもはや悪路でも何でもなくなってきた感じがする(嘲笑)



車に乗ったまま流すと見過ごす危険があるので、
停まっては歩いて確認→停まっては歩いて確認・・・を繰り返し
また齧り痕が付いている木を発見。

枝を見ながら齧り痕を探していると、今度は本体も発見!!
ナナカマドだ、流石は田子町(笑)
↑↑ナナカマドは田子町において町の木に指定されている

CA3I0830.JPG

Q.どこにいるでしょうか?




今度は網を使って丁寧(?)に採集。目視出来た以外が居るかもしれないので最後に蹴ってみたが反応が無いのでこれで終わりのようだ。

CA3I0831kai.JPG
またしても全部ヒメオオ!!! ♂2頭♀1頭の計3頭だったがやはり♂は小さい。

・・・う~・・・どうもインパクトに・・・



その後も林道を進み、ある程度進んだところで引き返さざるを得なくなりUターン。

往復して所々に齧り痕を発見できたものの採れたのはこの2ヶ所のみ。
引き返す途中、支線が延びていたのでそちらに進入する。

CA3I0836.JPG
見事にケの悪い景色。
田子や新郷だとまだ全然マシなのだが、それ以外で三八地域の林道に入ると植林のえげつない場所の割合が非常に高い。
勿論、南部の山を隈なく調べたワケじゃないが、林道の入り口から突き当たりまでしっかり植林されている割合が県内の他の地域より高い。

CA3I0837.JPG
作業道に沢まで流れている。
このさらに奥へと行ってみたが、ジグザグと折れて道別れしながら続くフカフカの坂道は歩くのが辛い。
結局また徒労に終わり道を引き返す。
そして道に迷う(笑)

ただ、笑えないのが
この時重機の通っただけの軟らかい土の急な坂を上り下りしている途中、
右ひざを痛めてしまったことだ。
歩きに適さない場所ばかり突入した事と、安物の長靴に穴を開けないように気を使って変に歩いてしまったのが原因だろう。

林道へ戻りまた元の道を走る。


曇ってる所為で全く気温は上がってないが、他の林道を探す時間帯の都合を考えると同じ場所にとどまってはいられないので、最初にヒメオオが採れたカンバにさよならのキックをしていくことにした。
今の時点で大きい♂が1頭も採れていないので、
数は諦めるがせめて5cm台が1頭でも落ちてきてほしい・・・(汗)


やはり上を見ても何も虫が見えない。
斜面に入って木に振動を与えても何も音がしない。

仕方が無いので本命のカンバを諦め、隣にあるナナカマドを揺らしてみることにした。
こっちはまだ手を付けていなかったな・・・

細いので簡単に木が揺れた、と同時に林道の方にバチッと何か大きそうな粒が落ちたのが確認できた。
見失う前に急いで藪から飛び出て、落ち葉の下に隠れようとする奴さんを捕獲!!!



CA3I0838.JPG
やった!!!!! デカイ!!!!!



ノギスを当ててみると、ボーダーの50mm!!!・・・


・・・には惜しくも及ばず49.5mmほどではあったが、
とりあえず大型の個体も採れたのでなんとかほっとできた。


車に戻り林道を戻る。
CA3I0839.JPG
途中、向こうの山が見えたので参考に写真を撮ってみた。

お分かりいただけると思う・・・
山一面皆トゲトゲしている。・・・怖いよぉ・・・




林道を戻り、手前まで戻ってきて本線から外れた支線へ突入する。
またもや道を横切るように沢が流れている。
なんとか行けそうなのでそのまま突っ切ってみた。
バンパーをゴリッと擦りながら渡って先へ進んでみる。

程無くして車を停め、歩きで探すため車を降りる。
泥っぽい道をビチャビチャと音を立てて歩き進む。

スギにはもううんざりしてはいたが、珍しくだんだん広葉樹が多く見られるようになってきた。
おや・・・? もしかしてここアタリかも・・・!

次第に植林も消えていき、それと引き換えに道脇の木々にあの黒い齧り痕が見える枝が散見できるようになってきた。
ここも居るな・・・?

そう思ってまた目視&キッキングでヒメオオを落としにかかることにした。
齧り痕の付いた木を見つけては蹴り見つけては蹴りを繰り返す。








・・・・・・何も落ちてこない。


落ちてくるのは葉っぱか脆い小枝だけ。
今の時期でこの時間帯でこの気温でこの天候で・・・・・・
さっきのでも確認した通り、蹴って落ちてこないような日ではないはず。

奥へ進むとその齧り痕がある木の数が増えてくるのだが、
ヒメオオが全く落ちてこないのはさっきから全く変わらない・・・

この齧り痕が全て昔のもので今年はもうここらには居ないのか・・・?
それともここだけ時期的にまだ遅い・・・?


そんな自然要因を考えてみたが、さっきからずっと、
目の前にすごく気になるモノがあるので多分・・・自然的なものじゃないのだろう・・・

相変わらず齧り痕の付いた木々は進む度に見つかるのだが
一向にケースを開ける場面はない。



足もミリミリと痛み、歩くのもストレスに感じていた最中、
遂に林道の終点に到着した。
場所が広くなって車が転回できるようになっている。

ヒメオオのポイントらしく、ヤナギの灌木が生えているので見に行ってみる。



しかしここで、今までヒメオオが全く採れなかった原因をほとんど確信した。







誰かここにヒメオオを採りに入ってきてるぞ!!!!

しかも限りなく最近!!!!!



ヤナギの周囲の下草が明らかに人間によって倒されていた。
勿論ヤナギからは何も反応が無い。

そして、さっきから歩いてて気になっていたモノと云うのは、
お分かりだと思うが車のタイヤ痕

泥でビチャビチャな林道にもかかわらずタイヤ痕はきれいに残っている。
巻き込んで踏まれた細枝がそのまま残っているところや、痕の上に葉っぱやゴミがほとんど落ちていない事を考えても、明らかに一昨日か昨日には来てる、さらに言えばさっき自分が林道の奥の方に行ってる間にすれ違いで来ていたかもしれない!

山菜やキノコ採りの線も考えられるが、ヒメオオではないとも断言できない。
山菜・キノコ目的と考えてもさっきから車の気配もない。
日曜の朝なら普通は少数でもちょっとずつ出入りがあるはずなのに・・・

なにより、さっき自分が採りに歩いていた木々で採れた個体のサイズや数を考えるとさらに納得できる。

所々にあった齧り痕の数の割りに採れた場所が少ない事、
♀はともかく♂がほとんど極端に小さかった事。
場所的に、生息ギリギリの環境ではないと思うので
明らかにあれは選別で捨てられた個体であると考えられる。

タイミング悪りぃ~~~(悲)

下北や津軽の人間からすると確かに遠い町ではあるが
八戸近辺の人間からすると通いやすい場所ではあるから、地理的に考えても誰の目にもとまらないなんてことはあり得ないワケではあるけど・・・
下手したら採っていったのは知り合いかも知れないな(苦笑)


土産は採れたのでこれで林道を後にした。






さて、土産は採れたので、
別のポイントに向かう前に別の土産の為に町の中心部へ向かう。


〉〉 後半へつづく


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黒石市のヒメオオクワガタ [日昆 採集記 【2015年】]

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8/14、黒石市某所にてヒメオオクワガタを採集。





ヒメオオクワガタは、県内ではブナなどの大木が豊富に残っている山であれば
比較的低標高でも生息している高地性クワガタムシ。
県内各地域の山岳部に広く生息しているわけだが、
クワガタムシという人気のある昆虫であるためかあまり産地の公表がされる事は無く、
県内各地で採集がされているにも拘らず公で知ることが出来る産地は十和田市近辺に偏り、
その他の産地はほぼ自力で見つけ出すほかないのが基本。
(だからこそそれが楽しくて嵌まる虫なのだが)

黒石市は八甲田山の西麗に位置する所で、
単純に県地図を広げて見ると簡単に採れそうなラベルなのだが
これが実はそうもいかないのである。
特殊な昆虫ではない(別に市内初記録でもない)ので同市で発見したから大ニュース・・・なわけじゃないが
夏場のヒメオオ採集の記録として簡単に内容を書いてみる。





  14日(金)

早朝4時頃
それまで前日から夜採集を行っていてすっかり空も明るくなってきたため、
帰宅する途中で少しだけヒメオオの新ポイント開拓をしていこうと考えた。

帰り道のルートをちょっと変えて黒石市内で探してみることに。
以前からちょいちょい市内の林道に突入してルッキングしていたのだが
未だ1頭も見つけてはいなかった。

今度もまた入ったことが無い初めての林道に入ってみることに。
ここの林道は距離が長く20km弱もある。
林道は両方の端がそれぞれ別の道に繋がっている。
どこまで車で入れるものか期待はしていなかったが、
当初の予定では入り口からちょっと入って適当なところで引き返すはずだった。



しかしどつぼに嵌まってしまった。

林道に入った直後は植林地帯だったがそこを抜けるとブナやミズナラ他各種広葉樹の大木が並んでいる「色々と有望な場所」だった。
ブナの立ち枯れなんて道路から見えただけでかなりの本数が残っている。
クワガタが集まりそうなヤナギの灌木や大木も道路際や谷底であちこち見られる。
今の時期ヤナギより他の大木に付いていることが多いということで
ショボい視力で1本1本見ていくものの、やはり高所の視認が出来ずただただ車を徐行させていくのみ。
緩やかな勾配を上下し、右へ左へとハンドルを切る。

時々崩落が修復された箇所も通るが、比較的道も険しくなく所々で転回スペースもあるためか、油断して奥へ奥へと入っていったのが愚かだった・・・

気が付けば林道も半分ほどまで来てしまい、
「じゃァもう突っ切って向こうに出た方がいいだろう」とさらに道を進むと
もう後戻りできない場所まで来てしまっていた。

前日からのドライブでガソリンを粗方使い切ってしまっていて、最寄りのガソリンスタンドまでに間に合うかも怪しくなってきた。
その所為もあって、今から引き返すという選択肢もなくなってしまった。




CA3I0787.JPG
最初はこんな感じのいたって普通の林道だったのだが、



CA3I0788.JPG
気が付くとササやイタドリが丈を伸ばして道に押し寄せてくるような圧迫感を覚えていた。

こんなのはマシな方で、林道の半分を過ぎた時点から
これ以上↑↑の非常に恐ろしい道になってきて、



CA3I0789.JPG
各種灌木が道を枝で塞ぐようになる区間が
延々と続くようになってしまったのには心底参った。

この画像↑↑は、途中で「ブログ用に画像を」と思って
悪路の終わり頃になんとかそれらしい所でカメラを構えて撮ったもので、
実際はもっと酷かった。両際から延びる枝が完全に交差しているくらいだ。
車はゴギゴギ音を立ててこの中を延々進み、前日からの雨で草葉や水がフロントガラスを覆い視界は最悪・車体は草まみれ。

さらに、前半は良かった路面もここまで来ると大きな石が沢山浮き出るようになり、
それに勾配が加わって非常に車にとって相性の悪い道と化している。
道が崩れて軽自動車でないと通れない幅の箇所も数ヶ所あり、
あと数年でここも廃道ではないかと思う(いや既に車じゃ無理だろ)
大きなクラックが無かった事だけは幸いだった。
危険を感じながら進んだ林道としてはここが過去最悪かもしれない。
状態と言い距離と言い、実際この間半べそかいて運転してたし(恥)




CA3I0790.JPG
ヒメオオを見つけたのはそんな絶望的な道の途中。

長い長い林道の内、ヒメオオが居たのは僅か数mのピンポイントの区間で、
齧られていた樹もなんだかんだ言って結局ヤナギの灌木。
(古い齧り痕なら他の樹にも見られたが、現在系で齧られているのを見たのはここのみ)

アカウシアブなどしつこい輩に包囲されながら、
灌木に車の両脇を固められた状態でどうにか網を持って降り
CA3I0791.JPGCA3I0792.JPG
枝を叩くと落ちずに降りてきた(雨で気温が低い所為か動きが鈍い)



CA3I0794kai.JPG
多分時期や天候の問題かもしれないが♂2頭のみ。
50mm51mmで片方は喧嘩傷が付けられたB品。
周囲が素晴らしい環境であることを考えるとこれでも特別大きいわけでもないだろう。

とりあえず、もう一回くらいはまた徒歩で来てもいいかもしれない。
林道脱出後、別の林道も(徒歩で)探してみたが現在付いている場所は無かった。




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オニクワガタの到来 [日昆 採集記 【2015年】]

  3日(月)

青森市内ではねぶた祭りが行われている同時刻、
自分は街から逆方向へ向かい山の中におりました。

ここ1週間以上の間、夜の空は月が煌々と照っていて自分はほとんど夜採集には行っていませんでした。
8月に入り、そろそろようやく月の出る時間帯が遅くずれてきたので試しにやってきた久々?の採集です。
場所は十和田市某所。他の人が来ない今年から挑戦の新ポイントです。

とは言え若干風があり、その上ライト位置から引っ張るまでに距離がある場所でもあるので
ちょっと期待は薄かった。
仕事の関係などで出発が遅れ、ライトを点灯したのは午後8時過ぎ
今日の時点では8時半には月が顔を見せてしまうので短時間の採集になりました。



まず飛んできたのはアカアシの♀

この後ミヤマの♂♀ノコギリの♀等来たのですが、

いよいよコイツもやってきましたネ。



コクワの♀だと思ってライトで照らして見ると、




CA3I0776.JPG
オニクワガタ午後8時32分

これが採れると8月に入ったって感じがします。

ここ青森では、8月の第1週からオニが採れ始め
ちょうどねぶたの時期と重なるため
ネブタクワガタと呼んでます。
青森にはネブトはいませんがネブタはあるんですよ~
 (ウマくない!)
 (そして呼んでない!)



そしてもう1頭、月が低い位置に見える午後8時46分

CA3I0777.JPG
♂も飛んできた!!
サイズは23mmUPでしたが残念にも前脚が・・・



時刻は既に9時を回り
月が見えてしまうようになりクワガタも来なくなったので、早々と撤収!

今季から初めて採集する場所であり(今年からライト使い始めたから言うまでもないんだけど)
まだ最良の条件の時に採集してないから、最高でどのくらい虫が来るのか分かりませんが
今日は10頭も飛んでこなかったみたいです。
持ち帰ることにしたのはオニの♂♀ミヤマの41mmUPの♀の計3頭





何となく今のままではこのHIDは機能が充分に発揮されていないのが分かりました。
ここからさらに道具の改善処置を施すため、今現在準備中ではありますが・・・

自分が知らない畑違いな分野の話に及ぶため、「アレ・・・!?」「そんな・・・(汗)」の連続です。
手元に到着するまでの時間もかかりそうなので、時期的に間に合うのか不安しかありません。





それまでは兎に角、今ある機材で頑張るしかないか・・・
これからまた、夜は採集三昧になるな、楽しみだナ!!!



結局、月の出てる中だるみ期間中展足ほとんど進んでねー(焦)




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激走!! 霧と汗の0泊2日採集 [日昆 採集記 【2015年】]

月も後半に入り(焦)学校などは夏休みに入るシーズンになりましたね(焦)
気温の高い日が多くなり、段々とライト採集でも成果が出るようになってきました。
持ち運びも楽々なので、一般によく知られる灯火のポイントに限らず
誰も行かないような微妙なポイントにまで足を運ぶ事も多くなりました。

そんな中先日、思い入れと憧れの強い県内某所へポイント開拓に重きを置いた採集へ行ってきたので、その全容を記事として残そうと思います。
こうやって記事を書いてる間にも、山では大物達が空を舞っているんだろうなぁ・・・



  19日(日)

日の夜からこの日の採集の準備に奔走し、
必要な道具や食料を用意していた。

翌日20日も祝日で休みの為、泊まりがけでライトトラップに挑もうと云う予定だ。
泊まりがけとはいっても、金なしの自分は宿は取らず車中泊だ。
何年か前からこっちのエリアに来るときは泊まりがけで来ることもあったが、
今回からはライトがある。
クワガタ採集で樹液採集や外灯回り採集しかできず、大した成果もなくボロボロで帰ってきたこれまでとは違うはず。
(※前もって説明しておきますが、県内の話です)


準備品や服装の説明をすると、

服装については基本の恰好はつなぎ
採集時は作業グローブをはめ、川を渡ることも想定しウェーダーも積んだ。
長靴はまともに使えるものが無いので積まなかったが、その代りにウェーダーで水場はしのぐ算段だ。山歩き用のトレッキングシューズは以前の物がボロボロになってしまったので前日に急遽新品の物を調達した。通常の移動や運転で後々楽だということで、便所サンダルを履いた。

車には、ライト機材などの採集道具は勿論、食料や土木用品も積み込む。
ライト機材はHIDライトを2灯、バッテリーは1灯につき3つで合計6つ。三脚も2本。
手持ちのライトはよく使っている小型3本、替えの電池もフル充電で全てリュックへ詰め込み、その他毎度の採集道具であるノギス温度計かき出し棒ストックケースタッパー7m竿網100円の竹竿網その他色々。ただ、クマよけの鈴が昔からねぶた祭り用のやつのまま変わってないあたりが自分でもふざけているなと思う。
林道を車で走っていて倒木などがあった時や泥にはまった時などの為に、スコップ脱出器も積む。
食料は、自分の中では定番の食パンひとくちサラミ
全くもって山籠りの食料として理に適ったものではないのが恥ずかしいところだが、毎度毎度だいたいこの組み合わせで来ている。他にはエナジードリンクゼリー飲料スポーツドリンク2リットル、あとは飲用じゃなく洗面用だが、水道水も2リットルペットボトルに用意。
この後1日目の採集品を生かしたまま保管するためにクーラーボックスの容量も余裕を持たせておく。
その他、汗拭きタオル歯ブラシ絆創膏カット綿医療テープ包帯トイレットペーパーアルコールタオルなどの衛生・救急用品の他、防虫ハットけん引ロープ、ライト撤退用のホウキ、着替え用の靴下下着も1日分用意。地図も勿論忘れずに。目覚まし時計も。
ケータイのバッテリーも、充電の効率や万一の場合を考え充電済みの物を2個用意。



車に全て積み込み、忘れ物の心配をしながら午前2時単身現地へ出発した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ろそろ目的の市町村だと云う所まで来ると、
かつて台風11号だった温帯低気圧の影響でガスがかかってきた。
大した雨も降ってないが路面もビショビショに光っている。

今回の採集日程で運悪く台風(温帯低気圧)とぶつかってしまったのが
現時点では一番の不満だ。今回大丈夫なんだろうか・・・


CA3I0724.JPG
車を停めて道中山の方にケータイのカメラを向けてみた。
相変わらずガラケーの写真だと再現度が悪いが、遠くの山にガスがかかっているのは判る。
実際目で見るともう少し白い。


出発から2時間半が経過した午前4時半ごろ
ここからは大通りから逸れて本格的に山の方へ向かっていく。

舗装路も終了し、未舗装の砂利道に入る。
前々から地図上で見ていて「楽しそうな林道だな」と入ってみるのを楽しみにしていた林道がここにある。
入り口までは来たことはあったがその時は時間の都合で入るのを見送ったのだが、今回は時間はたっぷりある。
期待と不安が入り混じる中、林道へ侵入した。


道は悪くない、きちんと地肌も出ていて進みやすい。

ところが、林道に入ってそう深くも進んでしまわない内に進めなくなった。



CA3I0733.JPG
林道が崩れている。
かつて道だったそこは、大きなスプーンで無造作にすくい取られたように無くなっていた。



終わった・・・


本来ならここから長い林道が続き、今回はそこ(もしくはその先)に用があったため、
これから覚悟を決めてさぁ突入だ!!・・・と意気込んでいる矢先にこんな光景を見せられて割と本気で絶望した。


しかし、時間はまだある。朝の5時前だ。
目的の場所がどうなっているかはこの目で見ることが出来ないにせよ、
その手前までは様子を見てみたいと思い軽い様子見のつもりで徒歩で崩落場所の先に進んでみることにした。
軽い様子見のつもりなので、網は勿論リュックなどの道具は一切持たず、
便所サンダルから買ったばかりのトレッキングシューズに履き替えただけの恰好で林道の奥へ向かった。
昨夜までの天候もあって地面はゲチョゲチョである。

崩落した崖部分に足を乗せると、フワッと脆く崩れて3m下の川原に流れていく。
・・・・・・うわぁぁぁ~~シャレにならん(汗)

そこから先に進んでいくと、地盤の関係からだろう、大きな石が途中途中でゴロゴロと道端に寝ている。
どっちにしろ車で通過できる場所じゃなかった・・・。


CA3I0732.JPG
さらにしばらく先に進んでいくと、だいぶ前からもう車は通らなかったからであろう、
道が雑草に埋もれるようになってきた。
いやぁ・・・地図上だとここからまだ先は長いのに、
まさか奥は廃道になっているんじゃないだろうかここは・・・。

ただ、この先歩いて辿り着ける距離内に良いライト照射ポイントが存在している可能性が高いことを考えると、「ちょっとだけ、あともうちょっとだけ」と云う誘惑に負けてしまい、なかなか戻ることが出来ない。

その先へずっと進んでいくが上の画像で分かる通り、道は草で半ば埋もれている。
そしてそれが夜露でビショビショになっているわけだ、
もう下半身はぐっしょりと濡れてしまいこれ以上進むかどうか悩むようになってきた。

・・・にしても、さっきから足首がピリピリと痛い・・・



を降りてから30分ほど歩いた頃、目をひくものを見つけた。

CA3I0726.JPG
おお・・・吊り橋だ・・・

下から鉄骨のアーチやコンクリートで橋を支える通常の橋ではなく、
上からワイヤーで木の板を吊っている、マジもんの吊り橋だ。
(別に物珍しいものじゃないんだろうけども)

林道は川に則して続いており、川の反対側は広い河原になっていてライトをかけられそうな場所になっているのが見える・・・










CA3I0725.JPG
もちろん渡った。
1枚目の橋の画像は何を隠そう渡った後の対岸から撮ったものである。



ただ、渡る前の最初に橋のたもとまで来た時に、渡るべきか躊躇した。

画像を見ると躊躇した理由がお分かりいただけるかもしれないが、




CA3I0730.JPG
この橋、風化して壮絶にボロくなっているのである。

そんでもって、川幅のせいもあって割りと長いんだこれが。


CA3I0727.JPG
下から撮ると逆光で黒く見えるだけだが、
実際は湿気や風で足場の木が全て苔まみれになっており、痩せ細り折れたり崩れたり金具から外れたりしている箇所が多いのだ。
特に橋の始点と終点付近は草木に圧迫されている所為か、異常に損壊が酷い。
(対岸に辿り着いた時点ではあったが、一度足場の木を踏み抜いた時はマジでビビった)
ほんとにもう昔のリポビタンDのCMインディ・ジョーンズにでも出てくるような
男心をくすぐる楽しい吊り橋なのである。

ただ言わずもがな、流石に落ちたら危険だ。
大きな川と川原が5~6m下にあるわけだが、
死ぬ高さとは言えないが、強靭な足腰を持っているわけでもなければ五点着地転回法を身に付けているワケでもないので川原に落ちても大なり小なり怪我してしまい今回の採集の支障になるし
川にドボンしたら・・・あたしゃ泳げないのでその場合は溺死。
(助かっても体力は大きく削られる・・・)


まともに足場の木材に体重をかけると100%どこかで踏み抜くので、
常に脇のワイヤーに体重をかけ腕の力を下手に抜けない。
こんなことならSASUKEの特訓をしておけばよかった・・・!!



CA3I0731.JPG
橋の途中から周りの環境を撮ってみる。
俺の持ってるライトではこの場所じゃ役立たずで終わる気もする。


対岸まで渡りきり1stステージをクリアした後は、
鬱蒼と茂る草木をかき分けて川原に出る。

う~~~~~ん・・・・・・・・・・・。

手前のヤナギがちょっと邪魔だな・・・



CA3I0728.JPG
川を挟んだ林道側を照らすのも良いかもしれないなぁ・・・
(↑↑画像右側が吊り橋)

しかし、今は手ぶらで来たからまだましだったものの、
これを機材を背負って渡るのはまたちょっと難易度が上がるぞ・・・(汗)

まぁ、また今度かな。



自分の道具できちんと照らせて丁度良い採集が出来る場所と云うのは地域柄意外と限られているので、リスクだけなら一級品なこの場所でも、自分の中では割りと真面目に候補として考えている。

それを考えると、
「また今度かな」と考えたものの早々にこの場所に決めた方が、場所が見つけられないリスクは回避できるのだが、今晩のライト照射場所にしようか迷ったまま再び橋を戻り来た道を戻ることにした。
迷う理由は主に、
山の上の方がうっすらガスがかかっていて夜の状況がもっと悪くなるのではという不安と、
ここでやると少なくとも、帰る時には「真っ暗な中」「道具を持って」「ボロい吊り橋を」渡らなければならない危険と、
他の候補地でここより良い場所があるかもしれないという期待の3つである。


橋から戻りそこそこ精神的な負担を受けたこともあって冷静になり、
「これ以上進むと、道具を持って往復するのは距離的にめんどくさいぞ・・・」
と判断し林道を引き返すことにした。



時刻はそろそろ朝7時と云うところで、車まで戻ってきた。


戻ってきてとりあえず一安心したということで、サンダルに履き替えるため
さっきから痛みを感じていた足をトレッキングシューズから抜いた。

すると・・・
案の定、靴擦れを起こしており左足首から血が滲んでいた。

流石昨日買ったばかりの新品! 靴が全然こなれてねェ。
足首まで覆うトレッキングシューズの特徴を全然考慮してなかったため、
履いてきた靴下もまさかのショートソックス。間抜けすぎる。
このままでは痛くてしょうがないので、カット綿を患部に当てて医療テープでぐるぐる巻きにして応急処置をする事に。


靴は勿論靴下もグショグショになってしまったので、
1足しか持ってきてなかったスペアの靴下に早々に履き替え、両腕と腰から下が全部濡れてしまったので運転席にはタオルを敷いておくことに。
まさか初っ端で足を濡らすとは思わなかったな・・・


林道を少々戻り、駐車スペースがあるところまで戻ってくると
昨晩からずっと寝てなかったのもあってここで仮眠をとることにした。
午前7時、デフォルトで設定していた目覚まし時計のアラームを切る。





意識がそろそろ遠のく頃、雨音が車の外から聞こえた。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ごろに一度目が覚めたが、起きたのは午後4時半前。夕方だった。
そろそろ移動して明るいうちに他のポイントの確認もしておかないとと思い、
林道を後にした。

地図を見ながら次の目的地へ向かう。
海沿いに出てみると、海も白くなり遠くが見えない。
「海霧か」

昼間のような抜けた明るさが無くなってはいるが、
出発から30分ほどで目的のエリアに到着した。

朝に下見した危険なポイントも考えたが、
こっちまで来てしまったのもあるしとりあえずこのエリアのどこかでライトをかけることで心の中は決まりつつあった。
一応、肉眼で樹種が判別できる時間帯までは徒歩でライトをかける新規ポイントを探していたが、収穫を得られないまま薄暗くなってしまった。

日中におそらくそこそこの降水があった上に、一日中ずっと空が厚い雲に覆われている事もあって周りが非常に密度の高いミスト(霧)に包まれている。
霧に包まれた森の中は、何度来てみても本当に幻想的だと感動する。


やっぱりこうなったか・・・
朝の時点から危惧してはいたが(というか正直なところ出発以前から)、状況は全然よくない!

ある程度の標高ではどこもミストに包まれているため明らかにライトに不向きだ。
標高が低い場所ですらガスがかかるくらいの日であるため、場所はもうほとんど選べない。

1ヶ所だけ、幸いなことに自分の低出力のライトでも通用して
尚且つ標高があまりなくガスも薄いポイントがあったためそこで仕掛けることにした。


ある程度機材を組み立て、
数十分待機し空まで暗くなった午後8時丁度

CA3I0734.JPG
いよいよ1晩目の採集を開始!!!


日中から通して気温の上がらない日ではあるが幸いクワガタが飛ぶには問題ない。


CA3I0735.JPG
点灯開始して約10分経った頃、今日初のクワガタ飛来!
ノコギリの♂だ。初っ端に良いものが来たのはいいねェ~~(嬉)
サイズを測ってみると59mmほど。う、う~ん・・・


CA3I0736.JPG
そしてそれから20分後、既にノコギリ・ミヤマ・アカアシが来る中
初のコクワが飛来!期待は大きくなるばかり。


このポイントでライトをかけるのは初めてなため、ライトの向ける方向を色々と試してみる。
ミヤマの♂もちょいちょい飛来してくる。
サイズもなかなかいいのが飛んできたので撮ろうとするけど、歩き回って全然撮らせてくれなかった(汗)

憎きヘビトンボを退治しながら、ポツリポツリと飛んでくるクワガタをストックケースに丁寧にしまっていく。


CA3I0738.JPG
黒光りする甲虫を視界の端にとらえ期待して近寄るとクロシデムシ
ダニすげェー。


まだ開始からそんな長い時間経っていないにも関わらず、
クワガタの飛来するペースが若干衰え始めてきた。
これからがイイところなんだが・・・と焦る中、点灯開始から1時間後
地面にペシャッと大きな激突音がした。


大物を期待して向けたライトの先に浮かび上がったのは・・・





CA3I0739.JPG
カブトムシだった。
ある意味大物だったな・・・と言うか、すっかりカブトムシの存在忘れてたよ(苦笑)


なんとなく肌寒く感じる、
最初は無かった風も弱く吹くようになり、まだ高い位置にしかなかったガスも下まで降りてくるようになってきた。
風向きが悪い・・・この場所は360°広葉樹というわけではなく、自分の機材で照らせるのは全方位の4分の1くらいしかない。
流れるミストも目で見えるほどにまで状況は悪化し、照らした方向の虫も粗方飛ばし終えたようである。



CA3I0740.JPG
時刻は夜9時半、中型ミヤマ♂が落ちてきたがだいぶ久しく感じる。
このころにはもう既に終了ムードが漂っていた。

位置を替えたり戻したり悪あがきするが一向にクワガタは来なく、
点灯から2時間を待たずに午後10時前ライトの電源を切った。



CA3I0741.JPG
CA3I0742.JPG

    結果
           26頭

内訳は大半がミヤマノコギリ
アカアシコクワは♀が1頭ずつだった。


土産にする個体をわずかに残し他はリリース。
CA3I0772.JPG
今日一番の大物はミヤマの♂(帰宅後撮影)、なかなか大きく見えたが測ってみると
67mmに届かずおよそ66.8mmほど。
悪くはないが欲を言えば68mmほど来てくれたら素直に嬉しいのだが・・・

撤収の時点でやはり気温・視界・風などまぁまぁ状況は悪くなっていた。
ただし、2日目の分までバッテリーは温存できたし早めに切り上げて正解だったかな。
初日にほとんど使い切ってしまうと云うやりがちなミスを犯さず済んだ(笑)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



撤収後、もう一度エリア内の別の場所でポイント探索を行った。
実は出発前から風邪をひいており、それに加えて口内炎も出来ていて色々と体調が悪いので(←どんなタイミングで説明してるんだ)薄ら寒くなってきている今夜の間はさっさと風邪薬とビタミン剤を飲んで休んでいた方がいいのだが、
夕方起きの所為か寝る気にもなれず、車を降りエリア内を探索することに。
徒歩でしか行けないライト照射ポイントを確かめに行ったり、自販機や外灯を回ってみる。

とは言えやはり霧は濃い。ある程度外灯回りをし終えて他の作業は無意味(だってまるで見えないんだ)と悟り、
車に乗り込みそのエリア一帯を出ることにした。



〉〉 20日(月) 【2日目】


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風の十和田採集 [日昆 採集記 【2015年】]

これまでずっと寒い夜だった青森も今週から暑苦しくなりだし、
いよいよ毎晩毎晩がじっとしていられなくなってきました。

平日・休日お構いなしに「思い立ったらその晩に」どこへなりとライト機材を持って山へ出かけている今日この頃ですが、
先週より、FH鈴木さん[勝負の県内某所]を攻めに行こうと予定を立てていました。

その前夜にNo.2と共に、県内採集者が当日犇めく十和田のオオクワ銀座から離れた新規開拓ポイントでやや無謀な挑戦をして
ミヤマ♂:2&♀:1、ノコギリ♂:1、コクワ♂:1
(わりと好条件だったが)辛い結果に終わっていたのは大体いつものことでしたが、
次はわからんぞ・・・! と熱は冷めず、この[勝負の県内某所]も楽しみで夜も眠れなかった(笑)のですが・・・(ギャンブル体質か!)


   14日(火)

県内に強風注意報が出るほどの強い西風が吹きまくっていた。

朝からずっと風が吹きっぱなしである。
「あれぇ・・・・・・・・・? 大丈夫・・・・・・??(汗)」
なんて心配していたが、出発する1~2時間前になってメールが届く。



****************************

【From】FH鈴木

【本文】残念ながら本日中止。風さえなかったら・・・

****************************


強風のために鈴木さんから中止宣言が来た。
仕方ないと考えるのが普通である。

こんな風でも上手くライトを使えるような場所は無いかと返すが、「これじゃ難しい」と返ってくる、「玉砕覚悟でまだなんとかなるかもしれないあそこのポイントもあるがどうする?」
と云うコメントも付けて・・・

「どっちにしても自分はどっか行ってライト焚きますよ!!」と鈴木さんへ返すと、
最終的によし行ってみようやってみようという結論で強風の吹き荒れる山へ行くことが決定した。




夕方5時半、黒づくめの男2人で目的のエリアへ向かった。

ところが、現地に入ると想定外の道路封鎖
2人キョトンとする。門前払いとはまさにこの事(泣)

[勝負の県内某所]のエリア内で今日唯一希望が持てそうな場所だったために、
完全にエリア全土がダメになってしまった。




次の候補地へ行こうということでプランB
他にも、この強風の中挑戦する場所の候補を考えていたようで急いで向かう。
移動で時間がかかってしまうのでゴールデンタイムを気にしつつ山を平野をひた走る。


・・・・・・が、

・・・やはり時間が無くなってしまったため、同じくプランBを断念。


更に予定変更(焦) プランC、着いた場所は・・・。



十和田。 結局。

ずっと長いドライブでライトも点けずに帰るわけにはいかない二人。

風の影響があっても少しでも確率が上がるポイントへ急行。
夜9時を余裕で過ぎた時間になんとかライトを点灯!!


設置した2灯のライトを巧みに動かしパチパチとクワガタを落とす。
鈴木さんのライトの使い方を勉強しながら、
「これが俺一人でやってたらどんな悲しい状況になっていたんだろう」とか思う。


そして鈴木さんと自分のクワガタを追う目の良し悪しが如実に表れた。

鈴木 「ほら来た!見えるか!?」

自分 「え!? 見えません!」

鈴木 「何ィ~!?(呆)」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

鈴木 「ほら!来てる!見えるか!?」

自分 「見えません!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

鈴木 「(地面に)落ちた!」

自分 「どこですか!見えません!」

鈴木 「お前ナ・・・!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

鈴木 「今(落ちた)のは見えたよな?」

自分 「いえ、見えません・・・!」

鈴木 「・・・正直でよろしい(哀)」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

鈴木 「ほらそこに落ちてる」

自分 「え、どこですか・・・?」

鈴木 「そこにいるベナ・・・! おい(クワガタ)踏むなよ!!?(焦)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

狭い場所なのだが落ちたのにも気づかない(恥)
鈴木さんのおかげで次々とクワガタが飛んでくる。

良いサイズのミヤマも来れば、大腮が奇形のミヤマ♂も飛来。
いよいよコクワの♀も飛んでくるようになり、今夜はいけそうな気が・・・

鈴木さんのレクチャーを受けつつ、そうしてる間にまた気づかぬ内にどこかしらにクワガタが落ちているのを指摘される。


鈴木 「ほらまた気付かない、あそこ」

自分 「あ(焦)

鈴木 「2匹いるぞ気をつけろ?」



2頭の内、鈴木さんがまず照らした片方に歩み寄って回収に向かう。

















CA3I0707.JPG















CA3I0708.JPG

・・・・・・・・・。(固まる)

(アゴ・・・マルイ・・・!!!)











CA3I0709.JPG
あ゛っ!!!!!!!

現実感が遠退くような虫が居る!? 思わず叫んでしまった。
ちょうど一ヶ月ぶりに腹から大声を出した瞬間。


鈴木 「とりたまえ!」

自分 撮ります!



CA3I0710.JPG
オオクワガタ♂飛来。 中歯でピカピカの新成虫だ。

我が家では見慣れた大きさだが、外で見るのはまったく違う感覚がある。
なんだろう、たぶん充実感なんだろうか・・・?

その後も色々と試し続け、大きめのコクワ♂などが飛んでくるものの飛来数は落ち、
風の強い中近くのクワガタで飛ぶ気のある個体はほとんど来尽くしたとみられる。

11時を過ぎ、飛来も止まったところで撤収の号令がかかる。

鈴木  「これで♀でも来ると、あと20分・・・30分・・・って粘ってしまうんだよな(笑)」

CA3I0711.JPGCA3I0712.JPG

    結果

         28頭

種類はミヤマ、ノコギリ、コクワ、オオクワの4種類。




機材を積み終わり、最後に外灯を回っていくことに。

各ポイントを回る中、地元の採集者は誰一人としてすれ違う事は無かった。
さっきは1頭も飛んでこなかったアカアシ♀がさまざまな場所に留まっていて、その内一番大きい♀をキープ(後で測ったらすげぇ普通だった)


採集するには無駄とも言えそうな日にする事も多かったからかもしれないが、誰も来なかったこうした日にきちんとオオクワの♂を抜いてしまったのだから、帰り道の爽快感ときたら並大抵ではなかった。



++++++++++++++++++++++++++++++++++++++



持ち帰ったのはアカアシの♀1頭を除き以下の5頭。

CA3I0715.JPG
ミヤマクワガタ♂での最小個体。
流石に青森でもこんな小さい♂って来ないでしょ。
36mmあるかと思ったら37mmもあった。奇麗だし標本へ。


CA3I0714.JPG
ミヤマクワガタ♂での最大個体。
68mmくらいではあるが、こんな風にコンスタントに大きめのミヤマが採れるようになったのは何を隠そうライト機材を自分で持つようになったからに他ならないですね。
これが使えるようになったことで、格段にミヤマ・オニ・オオクワの3種の成虫採集数が上がったわけだしね。標本!!
(ミヤマ以外はまだ採ってもいないのにあたかも経験してるかのような口ぶりで・・・)


CA3I0713.JPG
こちらもミヤマクワガタ♂。左大腮奇形。
厳つい頭をしています。まぁまぁの大きさだし、これも残そう。標本!!


CA3I0716.JPG
鈴木さんが見つけた直後に唸りを上げた(?)コクワガタ♂での最大個体。
5cmの大台には届かなかった48mmくらいではありますが、新成虫で超ピカピカ。
有無を言わさず標本!!


CA3I0717.JPG
そして今夜のハイライト、オオクワガタ♂。
52mmと云う個人的にめちゃくちゃおなじみのサイズですが、
自分の機材でもやりようによっちゃ悪条件でもきちんとオオクワガタが採れるんだ、と云う良い指標になった個体です。
標本向きの奇麗な個体です(擦れや喧嘩傷がある方がWILD個体っぽさはあるけど)、あんまり生きたままにしとくと愛着がわいてしまいそうだし飼育擦れも付いてしまうし他の飼育個体と混ざるかもしれないので早めに標本へ!!
産地ラベル自体はそんなに珍しくもないし。(←自力で採ってねぇのに偉そーに)


展足しなきゃいけない個体が溜まってはきましたが、
それでも今年のシーズンはこれまで以上に山に行きたくなってしまいました。
前の日までは、一晩で採ってた数なんて外灯回りするより少ない感じでしたしねぇ(笑)
それが一転、風が吹いている中でも約30頭。
特に、オオクワを見つけた瞬間の
自分の体が固まってしまう反面、力が一瞬で抜けたような無感覚になるあの感じが家に帰った今も体に残っています。

今回は使った道具は自分の物ではあるのですが、
ライトの当て方、使い方は全部鈴木さんの手腕、見つけたのも鈴木さんが先で自分はただ摘まんだだけですから、次は是非とも自分(自分達)の独力で採りたいものです。


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日昆 初ライトトラップ採集 ~1週目総括~ [日昆 採集記 【2015年】]

先日、ツツイシカを購入したばかりですが
頭の中は完全に採集一辺倒。

今月半ばにオオクワガタなどの大型種を見せられたことで
自分の中の採集スイッチが入ってしまい、
もう山のことしか考えられなくなってしまいました。

今週末は青森も入梅、雨続きということで
一旦採集も小休止して冷静になってブログを更新します。


灯火採集がメインの北東北・青森において
未だそれらしい機材をそれまで持ち合わせていなかったのですが(主に¥関係のハードル)去年から自分も弱弱しい機材ながら灯火採集用品に手を出してしまい、
最低限必要な道具が一式揃ったということで今週から初のライト機材持参で山に出撃してきましたので
今回はその結果をまとめた記録です。





 6月23日(火)

到着して間もないライトのバッテリーを全て充電して、満を持して? 山へ。

この日は、No.2を誘いホームグラウンドの中で照らせそうな場所に目星をつけて向かってみる。
道具を組み立てるのも初めてなため、
少々準備に手間を取りようやく初のライトを点灯したのは

CA3I0641_edited-1.jpg
20時50分。 遅っ。
(自分で載せといて書くのもどうかと思うんだが、機材にモザイクかけてまで照射画像を見せる必要があるのかどうか・・・)

山の条件云々よりも、
まず「やってみたい」という気持ちが先行したために、点灯開始の時点でもう15℃くらい(苦笑)

川を挟んだ山肌に向けた2台あるライトを、No.2と手分けして手探りで向きを変えてみたりする。

雑虫が増える方向などを少しずつ確かめながら位置を調整していく。






そして、何も起こらないまましばらくたった頃。



すると・・・







霧がたちこめてきた・・・





向こう、見えなくね・・・? とNo.2と一緒に渋い顔になる。

温度計を確認するともう13度近くに下がっている(寒)

絶望した! 冷静になったら絶望した!

あえなくこの日、
初ライトトラップにして初の惨敗を味わうことになった。
実に俺ららしい(笑)




 6月25日(木)

一昨日のホームグラウンドで何もかすりもしなかったことで一層やる気が湧いたのかその反対か、この夜は地元ではなく十和田市まで行ってみることにした。
この日は急遽思い立ったこともあり一人での採集となる。

夕方急いで準備を済ませ、八甲田をひた走る。

平日だから場所があるんじゃなかろうかと思っていた採集ポイントも、流石に有名なところについては既に他の人がライトを焚いていて、十和田入りが遅かった自分は仕方なく別のポイントで焚いてみることにした。
まあ最初からほとんど期待してなかったけど(苦笑)

色々時間がかかって結局スイッチを入れたのは

CA3I0647.JPG
20:50頃。 また出遅れた・・・(焦)

グーグルマップで見当を付けただけの行き当たりばったりなポイントだが果たしてどうなるか。

虫仲間から次々入る着信に夏の雰囲気を感じながら、
雑虫が飛んでくる方向、飛んでこない方向を見極めつつ三脚の位置や照射方向を色々と試しながら待つことしばらく・・・

気温も低く、最初の時点からは15℃くらいにまで下がってきたのが
雲のかかりが変わったせいか16・・・17・・・と僅かに上昇したそんな折だった。



すると・・・









・・・・・・・・・・・・ペシャッ




CA3I0648.JPG
おお。来た。

すげェ普通なのが来た!
自身初の機材持ち込み初採集なので嬉しい・・・はずなのだが、
ミヤマの小さい♂だとどうにも感動として乏しいものがある。

とは言え初の飛来なのでそれなりに気持ちは立て直した。
よくよく思えばクワガタ以外の甲虫が全く飛んできていなかったな。

その7分後には

CA3I0649.JPG
大腮の先がまだ泥にまみれた67mmのイイ型の♂が着地。
これで少なくとも土産は出来た(苦笑)


しばらくあがいていたが時間遅くなってようやく正解の方向(クワガタが飛んでくる方向)が判りその後もその方向にライトを当て続ける。



ふと脇をみると今度は
CA3I0651.JPG
コクワ!

え・・・期待していいのか・・・?
今日オオクワは諦めていたようなスタンスだったがこのタイミングでコクワが飛んでくると俄然期待してしまうのは俺だけじゃないはず。



そしてその数分後にそれは起こった。


向けたライトの後ろから回り込むようにして大回りで水平に飛んできて、
ライトの明かりが反射して明るく見えていた5m横の白い看板にそれはぶつかった。

その何かは看板にぶつかった反動でそのまま横滑りして下草の暗がりに消えていった。
この間たったの1秒。

その何かは、光沢が判らなかったが真っ黒な3~4cm大の昆虫で、
音からすると明らかに甲虫、今日まるで他の種類が来ていないのでクワガタ以外の甲虫とは考えにくい。
角らしいものは見えず丸みがかった形だったので♂ではなく♀。
飛んでくる角度。


確信はできないがドルクス、しかもどちらかと云えば大きい方に想像が働いてならない!!!
焦りに引っ張られつつ下草を入念にかき分け探すが見つからない・・・(焦)




めちゃくちゃモヤモヤした気分のまま11時を過ぎて
CA3I0652.JPG
小さい方のドルクス(♂)がまた着地した(焦)

いややっぱりさっきのアレもうアレでしかないんじゃねーの!!!??

焦りを覚えつつも看板の周りを探し、気温もまだ下がっていないのでもう一度飛んできてくれないかと思いながら待つもののしかし、
いつの間にか星が見えだし気温はグッと下がってしまい寒くなってしまった・・・


結局この日、全てのバッテリーを使い切り
謎を残したままにして終わった。


いつもこういう時、頼りになるアイツらNo.2No.6が居ないってのが殊更モヤモヤする。
ヒメオオやなんかを採る時はアイツらが居ないほうが採れるのに、
こういう時に居たら確実にあの何かはケースに収まってたハズってのがもどかしい!
上手くいかな過ぎる(泣)

晴れた星空を睨み上げながら撤退した。

なんだかんだでミヤマの大きい♂とコクワの割かし大きめのペアが採れたので
結果としては楽しめたので良かった・・・かな?



 6月26日(金)

昨夜の謎の黒い虫が頭の中で引っ掛かり
とりあえず今日も十和田の同じ場所にライトを焚きに向かった。

昨日の歯がゆい謎を残さないために(?)今日はNo.2No.6も同行。
夏の夜の採集としては3人集まるのは今日が今年初だ。



現地に到着し、ようやく若干慣れてきたライトの設置を終え
20:30くらいに点火!





そして・・・















夜霧よ今夜も有難う(泣)





いやァ・・・・・・もう霧っつうか靄っつうか
ミストサウナだった。
霧が・・・降ってくるんだぜ。
そして風で流れてた。




もうクワガタが飛んできていいような雰囲気じゃなかった。
退屈を持て余した末にミヤマの小さい♂が飛んできたのが逆にイラッとしたくらいだった。
ここまできたら、いっそ何も飛んでこなくてよかったのに!!!

そして早々にライトのスイッチを切って、
最後の見回りでNo.2が下草に留まるノコギリ小♂を発見して終了した。




こうして梅雨入り前の我々の採集は、
何とも詰めの甘い内容で終わりを迎えた・・・



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まさかり! マグソクワガタ採集 [日昆 採集記 【2015年】]

春のクワガタ採集として毎年恒例のマグソクワガタ採集。

この数年で県内の各地でマグソクワガタが採れる産地が判ってきたのですが、
・・・つい先日、調べているとまた新しい情報が飛び込んできました。

これまでは上北地域~津軽地域だけだったのですが、
今回入手した情報はなんと下北半島!!!

青森県でもまだ半島部に生息する個体は未見だったので、ラベル的にも「こりゃ是非とも欲しい!!!!」と思い、生息地までの距離的なハードルマグソシーズン終盤の採集難易度は高いものの、今の時期他のクワガタの採集にも微妙な時期だったので
一念発起して下北行きを決めました。


前日にヘルシアウォーターモンスターエナジーを買い込んで、
採集当日の朝3時半に出発しました。



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CA3I0596.JPG
夜が明け始めた朝の青森市内を単独で出発。

一応前日にNo.2No.6に誘いをかけてみたのだが、
・・・さすがにいきなり 明日下北行くぞ!? なんて言って よし来た! とはならなかった(笑)


陸奥湾の東岸をひた走り、下北半島を北上。


CA3I0597.JPG
むつ市に入る直前の横浜町の湾から撮影。
遠くに見える山は、これからマグソを求めて挑戦する
下北半島の恐山山地


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下北半島.jpg
下北半島は、現在
・大間町
・佐井村
・風間浦村
・むつ市
・東通村
・横浜町
・六ヶ所村
以上の市町村がある青森県北東部の半島で、この基部には
・野辺地町
・東北町
も含まれる。

むつ市東部から東通村西部にかけて広がる田名部低地が、この半島の山岳帯を2つに分断していて、西のむつ市側を『恐山山地』、南を『下北丘陵』と呼ぶ。
標高は、恐山山地側では▲879m(釜臥山)、下北丘陵側では▲520m(金津山)が最高。


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今回、目的とする虫はマグソなのだが、
(そもそもマグソ目当てで下北行く奴は聞いたことない)
せっかく行くなら・・・と云うことで他にも
この時期の採集対象の中で気になっているツヤハダの採集も試みようというのも予定している。
ツヤハダは津軽半島側の山地でも記録があるのは知っているのだが、
下北半島でツヤハダが採れたという情報は今のところ聞かない。
(自分の情報網が大したことないだけかもしれないが)
マダラの情報も見つからないがそれも含め、
北海道にも分布していることを考えるとこの2種は採れる可能性が十分にある。

もし採れたのなら青森県クワガタ史上大ニュースではないか?

そんな夢も見ながら、むつ市へ突入した。



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マグソを狙うにしても、
下北半島というフィールドは慣れない自分にとっては非常に広大に感じる。

それを踏まえると、半島内でも多方面で生息している可能性は高いが
土地勘の無さに引きずられて時間切れになる危険があるので、
自分で勝手な見立てをせずに元の情報に習うことにした。

ということで向かったのは、大畑町

現在のむつ市は今から丁度10年前に
・旧むつ市
・旧大畑町
・旧川内町
・旧脇野沢村
の4市町村が合併しており、今回行く旧大畑町も大字としてむつ市内に組み込まれている。

ちなみに自身ここまで来るのは初めてである。



マグソを採集目的の根幹としているが
他にツヤハダ(マダラ含む)の調査ヒメオオの調査も含めて行ってきたので、
いつもの採集記事なら時系列で順にまとめていくが
今回はそれぞれ別々に内容を分割してまとめてみる。



マグソクワガタ
情報の元手は単に『大畑町』としか書いていない。

合併前の情報だとしたら、下手をしたら発生場所が消滅している可能性も無いとは言い切れないので正直怖いところでもあるのだが、とにもかくにも行ってみないと話が始まらないということで、
地域の代表的な河川を中心に、林道を流しながら脇目でマグソの飛んでいそうな河原が無いかをなぞるように眺めていく。

わりとこのあたりの河川は、岸が岩崖になっているか川原ができているかのどちらかになっていることが多く、マグソが湧きやすい中流域でも極端に険しい岸壁に阻まれていたりして途中途中の河原に降りるのに難儀することもしばしば。


そして下北ということで来る前から懸念していた樹相の悪さがやっぱり凄かった。

記事の最初のほうで下北半島の標高について少し触れた点から分かるように、
あまり高地ではない。
もともと下北半島は林業も盛んでヒバが有名なように、かなり植林が進んでいる。
それに加えて前述の標高の低さもあって山の結構奥まで植林されているとくれば、意外と発生場所の発見も難しくなってくる。



CA3I0600.JPG
事実、朝方現地入りしてすぐさま川の本流や支流を手当たり次第に回って、
車を停め川原に降り・・・という作業を繰り返していたのだが
全く見つからない。

朝早いと飛ぶにはまだ早いので、地面にいる個体を探して
小石や堆積した流木や枯れ葉をめくりにめくっていくワケなんだけど
全く見つからない。

大きい川も細い沢も探してはみるものの
全く見つからない。

もちろん流木の有無・種類、川原の背後の林床の環境、日当たりなど、
マグソの生息に必要な条件を考慮して見ていくがことごとく空振りに終わる。



赤枯れ材探しやヒメオオポイントの探索も並行して行いながらなので
最初からずっと川原に張り付いていたわけでもないのだが結構焦る。




そんな中、
これがまた降りるのにめんどくさいのに広くて日当たりがよさそうな河原を発見して、
車を停め上流から回り込んで川の中に入ってジャブジャブ戻って探し始めた時だ。

CA3I0603.JPG
この川原がその場所。

画像だけでは判らないが、
この川原は写真を写した場所から10m低い場所にある。
この位置からもう2~3m奥に進むと土崖の下へフォールアウトできる。・・・怖・・・。


川原に到着してしばらく探していても毎回のごとくマグソが飛んでもいないし落ちてもいないのだが、
上流から断続的に点在している中の一番広い川原で

CA3I0604.JPG
若干探し疲れて流木に手を付いて休もうとした瞬間に






CA3I0605.JPG
ピントが合ってしまった。

半ば諦めている状態で見つかると、ほんとに動き固まるね。自分の。

マグソクワガタ.png

つんのめって触角をモハッと広げた姿は何度見ても癒される。
最初は2頭並んで静止していたのだが写真を撮っている間になぜか1頭逃げ出した。

時刻は午前10時49分
確かに今ぐらいの時間帯になるとマグソが活発に活動し始めるのだが、
低姿勢で周辺を漠然と見回しても全く飛んでいる個体が居ない。
天気がいいとはいえ断続的に微風がそよいでいるのでそれが原因かもしれない。

この後僅かに2頭の♂をつまみ上げたもののそれ以上の追加が得られなかった。
観察できた個体ですら全部で4~5頭しかいなかった上♀は見つからず。
生息箇所を発見できたにしては辛い結果に終わってしまった。

平川で5月初めには既に確認できたこと、
このポイントでは生存個体の他にクモの糸に絡まって久しい個体などが見つかったことも考えると、やはりマグソのシーズンも終わりかけていると言っていいのだろう。


CA3I0606.JPG
おまけにだが、マグソを探している途中他クワガタの頭部を発見した。
揺るがないなァ・・・やっぱりスジだ。
マグソ狙いで川原に来た時に見る他のクワガタの割合は、今のところスジ100%だ。


同じ場所にへばりつくのはかえって良くないだろうなと思い、
この3♂のみで車に戻る。

♀成虫が飛んで移動できる環境が残っているなら、
この隣の沢でも生息している可能性は大いにあると地図上で見て判断し、
他のクワガタの調査も挟みつつ隣の沢の林道に突入した。




さて、もうマグソは採れてしまったのだが、
林道に入りよさげな川原に降りてきて早々マグソにピントが合うとやっぱり
CA3I0608.JPG
動き固まるね。自分の
毎回毎回新ポイント発見する時に一旦時間止まるんだよな。
この瞬間がまた気分いいんだな・・・(笑)

時刻はもうそろそろ午後2時を迎える頃である。

今度は最初に採れた沢のポイントと違って個体数はそこそこ居る。
しかしそれでも♂が20頭ほど。
青森の生息地としてはこれはお世辞にも多いとは言えない。

CA3I0609.JPG
微風の所為か、はたまた昼過ぎという時間帯の所為か、
さっきと同じで全く飛翔している個体が観察できない。

全ての個体が画像のような砂地と林床の境目付近の石や枝の上に静止していた。
これを見る限りだと明らかに待機行動なのだが、やはり風が完全に止むのを待っているのだろうか?
シーズン終盤で弱ってきているのもあって、発生初期の頃の多少の風でも飛んでいられた時と比べて、飛ぶための体力が落ちているので待機個体が増えている・・・という仮説も立てられる。
野外においてマグソクワガタの後食が観察されていない事も加味すると、自然とそう考えてしまうのだが・・・



しかし、♀が居ない。
シーズン終盤はやはり皆産卵の為に地中に潜ってしまっているのだろうか。
CA3I0610.JPG
不自然に水際の砂地で見つかった♀は、残念ながら既に死骸だった。


死骸でもまァ整えれば使えるかと思ってキープした後、
引き上げようと林道に戻ってくる間際に気になる飛び方をする小豆大の小虫を発見しとっさに手ではたき落して見ると
CA3I0611.JPG
驚くべきことにマグソの♀。
ほんとにツイてる・・・



結果的に、今回マグソに関してはむつ市産の2つの沢で採って持ち帰ることができた。



ヒメオオクワガタ
ヒバなど針葉樹の植林が広範囲に及んでいるため、
林道を歩いていて脇に生えているヤナギやヤマハンノキなど秋にヒメオオが好んで付く灌木を見ていってもどれもまるで齧り痕がついていない。

林道を敷いたすぐ横が左右で絶壁だったりして簡単に林道まで這い出てこれない部分もままある。

とは言え、入る林道によってはブナなどのエサも生えているし、
もともとこの地域はヒメオオ生息に標高もあまり必要ないので


CA3I0602.JPG
CA3I0607.JPG
・・・なんだかんだ言っても、齧り痕の付いた木は見つけることができたので
今度の秋、大変だけどまたこの場所に戻ってこよう(汗)

しかし、まるで齧り痕が付いていないという表現は伊達ではなく、
荒れた林道の奥地まで進むこと何本か繰り返して見つけることが出来たのは
上の画像の2本だけ。

その内片方は傷口が塞がってなくてアリが樹液を吸っていたので今年もこの1本は付いてくれるのだろう。


ヒメオオの林道脇での採集が可能そうだったのは、以上の場所のみだった。
(勿論山地全体の内まだ未調査の場所は多々残っているが)
産地ラベルのコレクション目的でなければ、わざわざこの地まで来てヒメオオを採ることはないと思うような貧果ではあるが、自分はそれで満足なのでヒメオオ調査も十分な結果としておこう(笑)



ツヤハダクワガタ
赤枯れの材自体は細いものから太いものまで割とあちこちで見つけることが出来た。
大きな川の岸に転がっていたり、


CA3I0598.JPG
こんな崖の上にあったり。


CA3I0612.JPG
険しい斜面も勿論のこと。


CA3I0599.JPG
こんなにも良い材が結構あるのだが、
中にはクワガタの影も痕も無い。
出てくるのはコメツキかアリかシロアリばかり。

この半島にツヤハダが生息すると仮定して考えられることとしては、
標高が足りない。 これに尽きる気がする・・・
最高800m台がほんの少しある程度の低山地では、200~400m程度の標高じゃそりゃ生息してないか・・・(汗)

別日に別地域を攻めなおそう。

ただ、まだ低標高でも居るはずのマダラの痕跡もないのは、それもちょっと不安ではあるが・・・



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と云うことで、日中は丸々採集に費やし日が暮れても林道を走って
その後帰宅しました。
(モンスターエナジー3本も飲んだ所為か、最初から最後まで無休憩で過ごせた。というかそのモンスターエナジーとヘルシアウォーター以外何も口にしていなかったのが我ながら驚きだ・・・)


帰る途中、車道脇に掲げられた旗には
CA3I0614.JPG
今年で開湯後丁度400年を迎えるという薬研温泉の宣伝が書いてあります。
温泉には全く脇目も振らなかったケド・・・なんかイイ時期に来たなぁ。


CA3I0613.JPG
おまけに出会った天然記念物の北限のニホンザル



そんな採集遠征でした。(笑)



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