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日昆 採集記 【2016年】 ブログトップ
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青森県鍬形採集案内 2016年8月27日~28日 [日昆 採集記 【2016年】]

旅行にしろ何にしろ、
「コイツが居ると何故かいつも雨が降る」
と云うような引きの悪い人間はあなたの周りに居ないだろうか?

これは、とある県外の方に青森県採集を案内した2日間の記録である。


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自分で言うのもおかしいが、いつも無謀な林道へ突入していってはどこかしらにダメージを受けて帰ってきてはまた無謀な林道へ向かっていく愛車も、約4年半のダメージが限界に達し去年の10月頃に別の車に乗り替えることになった。

その「トドメ」となったかどうかは分からないが、
確実に寿命を急速に縮めた出来事がこの年の夏にあった。

その日はいつもの採集とは少し事情が違うものだった。懐かしい思い出である。




去年の話だ。


7月のある日、ブログのメールフォームからメッセージが届いていた。

メッセージの送り主は、ブログにたまにコメントを入れてくれるYH氏だった。
今回フォームからコメント送りましたと挨拶から始まり、内容の核としては
「8月の後半あたりに青森へ行く予定なのですが、もし良ければ採集に同行出来ませんか?」
という事だった。

このYH氏は、度々ブログで差し挟む特撮ネタをしっかり拾ってくれる方で、コメント欄で度々やり取りもしていた事もあり、その晩の内に明るい返事をすることに。
返信内容には、こちらで案内できるのはこの時期HIDハンディライトを使った灯火採集ヒメオオクワガタのルッキング採集の2つで、ご意見を求むと云う旨を盛り込んだ。

このYH氏は神奈川の方で、お義父様が青森のむつ市出身という事で青森に縁があり当地での採集に興味を持ってもらえたというワケだが、関東の人に「東北らしいクワガタ採集」を味わってもらうにはこのライトトラップかヒメオオのルッキングのプランが最適と判断したためだ。
それに当日の天候の問題もあるので、夜(ライト)が厳しいなら昼(ルッキング)、昼が厳しければ夜、とプランを2パターン作っておけば対処もし易い。
・・・とは言え初めて採集案内する方に変に期待させてしまうのは採れなかった時に申し訳ないので、具体的な採集のリスクを伝えないわけにはいかない。
自他含めて、ブログの採集記などは採れるまでの詳細を省き、すぐに採集を始めているかのような、すぐに本命の虫を採っているかのような誤解を与えかねない内容になっている物も少なくない。勿論、想像力を通常持ち合わせている人ならば記事通りにサラッと採っているとは思わないところだが、念のため

ライトトラップの場合・・・
 ・HIDハンディライトしかないので大量の飛来は望めない事
 ・8月末頃ではボロボロの虫が多くなる事
 ・場所取りが上手くいかず適した場所でその日採集できない可能性がある事
ヒメオオ採集の場合・・・
 ・車を降りてから最低1~2km歩かないと採れる木に辿り着けないかもしれない事
 ・その上で採れたとしても2桁採れない場合もある事

を伝えたが、心配を察してか気遣い頂き「運ですからボウズでも大丈夫ですよ」と返ってきた。
YHさんが大人な方で良かった・・・それとも常日頃から貧果ばかりの採集記を書いているせいだろうか。

日取りも大方決まり、採集時の持ち物も伝え、残る事項は一番大事な「採集プラン」。
ライトとルッキングの両方をそれぞれ単品日程で予定組みしてメールしたところ、どちらもやった事が無いという事でどちらにも興味があるとの事。
せっかく遥々こんな北国まで来てもらっておいてどちらか一つだけを選ばせるのも酷な話・・・最終的には、その2つのプランのどちらも体験してもらおうという事になり、8月27日の夜にライトトラップを、翌28日の昼にルッキングを行う事で決定した。


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8月も下旬になりいよいよあと数日で予定の日・・・と云う頃、
ようやく当日の天気予報が分かるようになったが悲しきかな予報は厳しい。
前日の金曜まではしっかり雨が降るようで翌日のライトの日は雨は弱まるが回復はなさそう、さらに翌日のルッキングの日に至ってはまた天候が悪化するという事らしい。

お互い不安を抱えながら、最後に当日の集合場所を煮詰める。

2日間の予定はこうだ。
27日は13時過ぎに青森市内のファーブルハウスを待ち合わせ場所とし、そこから十和田市のライトトラップのポイントへ向かいHIDハンディライトで採集を開始。終了後一旦解散。
28日は11時に八甲田山中で待ち合わせそのままルッキングのポイントへ向かう。



天候さえ悪くなければ問題のない採集となるはずだったが・・・


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  8月27日

陽も傾き約束の時刻も過ぎた頃。


脱出不可状態.jpg
自分はと云うと某山中で途方に暮れていた。

この午前中、自分は翌日のヒメオオのルッキングの為に下見にとある山中に訪れていた。
この年のヒメオオは発生状況が悪く、各産地でことごとくボウズを食らっていた事もあり、案内すると大風呂敷を広げていながらホントに成果ゼロで終わってしまう危険を感じていた。そこで、昨年に安定した数が採れたポイントを今年また確認して、良ければここにしようと思ってワケだ。
ところが、去年とは道の状況が一変し、往路では川と化した林道で大きな岩で車の腹を強烈に痛打し、戻れないと悟って復路は山の反対側へ延びる林道を走り抜くつもりが、林道に出来た2本のクラックに左右両タイヤを落とし進むことも戻る事も出来なくなった結果が写真の通りである。

道中ヒメオオ自体は観察できたが路面がこれでは案内は無理だ。
電波が通じるがJAFに掛けたら・・・俺の財布には無理だ・・・

こうなったら・・・と泣く泣くレスキュー要請したのはYH氏を待たせている集合場所の主・鈴木さん

自分 「遂に鈴木さんにヘルプしてもらう事になりました」

FH鈴木 「?・・・どういう事?」

自分 「実は・・・」

その後の詳細は筆舌に尽くしがたいので(記事を書いている自分が恥ずかしい限りなので)省くが、簡単に説明すると
到着した鈴木さんの車にロープを繋ぎ、牽引してもらい脱出して麓まで下りてこれたと云う展開なのだが、この時の詳細については鈴木さんが当時ホームページで詳細に記しており今一度それを読んだりとかはしないでほしい!
路面(脱出後).JPG
脱出後の路面

無論このトラブルもYH氏に伝わっており、予定の集合時刻はとっくに過ぎて時刻は既に17時半。ショートメールでYH氏から「大丈夫ですか? もし厳しければ遠慮なく言ってください」とお気遣いのメールも。案内する側の人間が逆に心配されてしまっている・・・情けない・・・。仕方がないので予定を変え先にYH氏に十和田湖畔のホテルにチェックインしてきてもらって現地で落ち合おうと云う事になった。
我々もようやく青森市まで戻ってこれたが、実はこの日使う予定のHIDハンディライトを家に置いたままであった。下見が普通に終わっていれば余裕で家まで取りに帰っていられたのだが、もう18時を過ぎそんな余裕は無い。
見かねた鈴木さんが、じゃぁ今夜は俺のライトを見学にしに来いと助け舟を渡してくれた。


十和田までの道中、車がまともに走ってくれない。
日中の下見で相当車に負担が掛かったのが他ならぬ原因だ。林道に入ってから、大きな石で腹を打つわ山を下りる時には地面にそのまま車体が乗っかるわでハンドル操作がおかしくなり、タイヤの向きを真っ直ぐにして走ると今にもタイヤが外れてしまうかのようにグラグラ前輪が震える。
常に右か左にタイヤを向けていないと走れない状態になってしまったがそんなことよりも現地に行かなくては。
普通にハンドルをきれなくなった分、走行速度が遅い。
給油してから後から追いつく、と市内で一旦別れた鈴木さんにも即行で追い抜かれる。
その上、山道に入り間も無く地面の色が白から黒に様変わりしてしまった。
参ったな・・・やっぱり雨か・・・。予報は残念ながら外れてくれなかった。


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いつタイヤが抜けるかビクビクしながら漸く奥入瀬へ到着。時刻は20時目前。YH氏とは連絡を取り合いながら、十和田湖畔のホテルから出発してこっちに向かってきてもらっていた。
一方この頃鈴木さんは常連のタヌキが待っている得意のポイントに到着していた。

お互いがどの車か分からないので探り探りで奥入瀬の集合場所に近づいていく。
夜中の奥入瀬でホテル以外の駐車場に停める車は少ない。YH氏かと勘違いしてよく見ると盛岡ナンバーの車と気づき少し焦ったりもしたが、川崎ナンバーに間も無く出会うことが出来た。

車から降りてお互い挨拶。これまでブログやメールで何度もやり取りした間柄でもやはり実際に顔を合わせると緊張するものだ。
ここまでの段階で集合予定の急変、時間のロス、ライトトラップ実施から見学への変更と、遠路遥々やってきた客人に対して相当失礼な歓迎をしているのだがその上雨も降っているのだから大変申し訳ない。そんな状況ながら寛容に受け入れて頂き、しばしの会話の後鈴木さんに場所を確認し向かう事にする。


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鈴木さんのいるライトのポイントへ到着する。
現場はやはり雨に濡れている。鈴木さんに現状を訊くと「いやぁ良かった」と返事が返ってきた。
DCIM0378.JPG

差し出されたのは個別収容のルアーケース。
中には2頭のクワガタの♀が・・・1頭はノコギリ。もう1頭は・・・・・・!?・・・流石だわ鈴木さん。

YH氏 「採れたんですか!?」

紛れもなくオオクワの♀であった。
2人でしっとり濡れながらもちょっとした興奮状態になった、いやYH氏の興奮はちょっとどころではなかったかも知れない。
しばらく3人でだらだら話をしていると、鈴木さんの様子を見に他の採集者達もやってきた。こういう交流の雰囲気は青森県では基本的に十和田でしか味わえない。
そして極めつけに、ライトに寄ってきた虫を食べにタヌキとキツネがその場に居合わせると云う縁起が良いのか悪いのか分からない珍妙な光景も見られた。
いきなり今夜のハイライト(オオクワ♀)を見せられたのは驚きだったが、トラブルを起こして焦眉の急を告げる中ハラハラして十和田入りした自分にとって精神的に楽になれた。

その後は現場を離れ、外灯回りの定番スポットで虫話をしたり大したことのない見回りのテクニックをお知らせしたりと雨の時間を過ごした。
この日は初日でバタバタしていた事もあり、この定番スポットをサラッと見回り終えた後は翌日のルッキングに備えて解散となった。雨で寒いというのもあるし。


帰る道中、一人になった自分は車の状態の危うさを再認識し別の寒気を感じた。


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  8月28日

2日目は予定通りヒメオオクワガタのルッキング採集である。
昨日のオオクワ採集と打って変わって今日は自分の得意分野。YH氏と電話で位置確認しながら集合場所に向かう。

11時過ぎに集合場所に到着。
先に着いていたYH氏と挨拶もそこそこに空を見上げて苦笑いする。悪い。悪すぎる。低地では大丈夫かと一瞬期待しかけた天気も八甲田に突入するや否や強烈なガスに覆われてしまい結局雨。俺はなんでこうも引きの悪い奴なんだろう・・・
場所を移動して車を1台にまとめ目的地へ向かう。

ヒメオオは自分の得意分野と言っても、実際のところ八甲田界隈・・・特に十和田市近辺は個人的に初挑戦採集の2011年より後には熱が冷めてそうそう訪れる場所でもなかったためフィールド自体はそこまで勝手を知らない。それでも、地形的、体力的には非常に案内しやすいエリアなのでここにするのが良いと判断した経緯がある。


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まず近場のポイントで車を流しながらどうやって虫を探すか、どんな木を見るか、何を手掛かりとするかなど、主にYH氏の理解力に助けられながら説明していく。
雨に濡れた木々は、ルッキングの難易度が地味に上がってしまった状態なので説明だけで理解してもらうのには多少難があった気がする・・・
途中、登山道入り口に差しかかったので車を降りて徒歩でのルッキングも行なう事に。
傘を差して濃霧の中をおしゃべりして進むが、急登の道に入った時点で、バケツの水をひっくり返したような雨に見舞われ足元も木の根や粘土質の地形で歩き難く、結局傘の意味は無くなっていた。

辛うじて「これがヒメオオの齧り痕です!」と目の高さの分かりやすいヒメオオ痕をお見せできたものの、自分のメガネが水滴と曇りで視界は危うかった。本体なんていませんよ。


そう言えば数年前、知り合ったばかりのNo.7F氏と初めてのルッキングに行った時も土砂降りだったなぁ。


DCIM0389.JPG
クワガタが居ない&霧雨のダブルパンチでしっかりクールダウンした我々は車に戻りまた走りながら木を見ていく事に。

林道を脱する前の最後の有望なヤナギの木に望みを託し、チェックするため車を停めて見に行くことに。
誰か根性のある奴が居てくれたら・・・


(・・・居た!!!!!!!!)


漸く今日初めてのクワガタを発見。本当ならここで大声で叫んでYH氏を即行呼び寄せてアレですアレ!とはしゃぎたいところだがグッと堪えて車に戻る。
既にここまでで幾度も車から降りては肩透かし、また車に乗っては降りてを繰り返していたので、疲れて今回降りてこなかったYH氏に「ここらも濃いポイントなので一緒に見ていきましょう」と降りてきてもらい、期待を持たせず木の前まで連れて来たところで

「さぁ!お待たせしました!どこに居るでしょうか!?」

絶望的だったクワガタをようやくここで見せるに至った。

IMGP0410.JPG
・・・ただ、目的のヒメオオではなくアカアシだが。
どこどこ!? と探しながら目の輝きを取り戻したYH氏を横目に見て、肩の荷も少し下りた。YH氏は採集本位と云うより観察派の方なので、関東平地の樹液酒場とはまた違うクワガタの生活風景を見せることが出来て、少しは青森へ来た意味を持たせられた瞬間になったのではないかと思う。

アカアシを♂♀2ペアを無事お土産にし、続いて別のポイントへ移動する。


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道中は特撮の話が弾む。やはり関東の方はこんな田舎と違ってコンテンツやイベントが近くにあって羨ましい限りだ。自分の周りでも、飛び抜けて詳しいNo.6くらいしか特撮の話は出来ないので、初対面の方とこうして話せるのはとても新鮮である。


時刻は正午も過ぎているが天候は酷くなる一方だ。
電波が通じるので雨雲レーダーを確認しているが八甲田には一片の雲も感知されていない。大雨ではあるがこれは濃霧だ。有名ポイントですらアカアシどまりで、今日ヒメオオを見つけるのはかなり厳しいのではないかと焦りに支配されたまま次は少し偏屈なポイントに到着した。
ここは八甲田の中ではあまり注視されないポイントだが居るには居る。アクセスも容易ながらあまり注視されないのは、見る木があまり多くなく徹底的に見尽くしても数が採れないし気を抜いて歩いてもいても見つけられずに終わる場所でもあるからだ。

2人共既に頭から靴の中まで全身ビショビショ。林道は短いので気を抜かずに歩いて見ていく。

53mmのヒメオオを以前採った事もある環境だったのはもう昔の事のようで、林道脇の風景も以前とは違っている。
ここに居るんですよ、と期待していた一本ヤナギもクワガタの影すら見つけられなかった。


・・・これはヤバい、もう今日はダメだ。
八甲田界隈を出て津軽半島か下北半島まで行けば少なくとも大雨は避けられるが、もう午後でそんな時間は無い。
何も採れなかった時、振り返るのが怖くなる。
何も居ないから戻ろう、と合図を掛けるには勇気が少々要る。だからいつも以上に粘って奥へ進んでしまう。往生際が悪い。奥へ進めば進むほど戻る気まずさは大きくなる。
戻れば戻ったで見つかる事もあるが、ここではそんな見落としは無いだろう。


無言になって暫く経った気がする。それでも実際は数分しか経っていないだろう。

もう有望な灌木も無いしメガネも水で曇って満足に見えない。
この先進むと植樹帯が待ち受けているだけに、終わりが近づいてくる焦りで気持ち悪くなってくる。




見境なく、それこそ草の根を分けるようにしてそこかしこの草木を見ていたが、
灌木の膝の高さくらいの所に黒い塊を見つけた。

この黒い塊こそが今日のハイライト、ヒメオオクワガタの唯一の個体に他ならなかった。
付いていた木は林道沿いでよく見る木だが普段クワガタは付いていない。齧っていたわけでもなさそうだ。
加えてこのヒメオオは♂なのだが、小さい上に大変なボロ個体で脚も切れてしまっている。
明らかにこれは偶然この場所に「不本意ながら」付いていただけだろう。言い方を変えればこの小さなボロ♂は『山の情け』と言ったところか。

DCIM0393.JPG
フキの上に乗せて撮影

2人でこの一大事を大いに喜んだ。苦しかったが、採れた・・・・・・!!!!


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ほぼほぼ土砂降りの中、想定とはほど遠かった内容だが念願のヒメオオを採集できこれで林道を引き返すことにした。いい加減止めないと風邪も引くし。
YH氏の車を置いた場所まで戻り、この2日間を振り返りながらずぶ濡れのまま話し込む。
いくら遠い所まで採集に来たからと云ってもここまで悪い天気の中ヒメオオを探した人間もそうそう居ない事だろう。


CA3I0060.JPG
冷静に考えてこんな景色の中クワガタを採ってたなんてネタにも程がある。
・・・いや確かに我々2人の間では充分満足なネタになった・・・なってしまったのだが、前日に引き続き散々な結果だったことを振り返ると汗顔の至りである。


そこでひとつ今日の収穫の埋め合わせとして
青森県産ヒメオオクワガタを採集し後日差し上げる事とし、大雨と共に2日間の採集日程は終了した。

八甲田を後にし、青森市内に戻ると衝撃的な光景に目を疑った。地面は濡れてない、暖かい、空が青い。地獄から天国へと言うような劇的な変わりようだった。

・・・ついでに車の乗り心地もこの2日間で劇的に変わったが。


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  9月

YH氏が神奈川へ帰った翌月、北へ南へ東へ西へとヒメオオ採集に明け暮れた。とは言っても勿論青森県内にとどまるが。
八甲田山、十和田山地、津軽半島、下北半島、白神山地と各地を奔走し、毎年の事ながら新産地を開拓しながらもYH氏への土産用ヒメオオを確保する目的も兼ねて既知産地も回っていったのだが・・

CA3I0126.JPG
夜6時頃、秘蔵ポイントにて

八甲田に限らずこの年はどこもヒメオオを見る事が難しく、これは当時の採集記事でも触れた。
結果的にこの年は秘蔵のポイントのみ安定した数を見る事が出来たに過ぎず、新開拓の更新数は少なかった。

そんな中、注目して探しまわったのが下北半島。
去年のヒメオオ採集記事でもわりと下北半島が目立ったが、これは冒頭にあるようにYH氏がこの地方に縁がある為にこの地方のラベルに拘っていたと云うワケだ。

数自体は少なかったが新産地も見つけ出すことができ、
ヒメオオを2産地♂♀ペア、そしてアカアシをおまけで追加して9月下旬には発送へと無事こぎつけることが出来た。
ヒメオオの熱烈なファンでも持っている人が少ない下北半島産である。


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こうして2016年の採集案内はグダグダに終わった。

ヒメオオ発送の約2ヶ月後には、エンジン音も爆音化し車軸が一部断裂した愛車も役目を終えて新しい相棒が納車される運びとなった。中古だけど。
車が新しい物に替わり、これで自分の天気運もカラッと変わってくれるとより嬉しいところだったが、残念ながらそちらの方は車のように変わってはくれないものである。




この天気運の悪さが翌年も猛威を振るうことになるとは
その時はまだ思わなかった。







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秋の終わり [日昆 採集記 【2016年】]

このブログもなんやかんやでもう記事数が600に達しているじゃないですか。
遂に10月も終わり今年も残すところあと2ヶ月となりました。

9月の不振を取り戻すべく奔走した10月のヒメオオ採集ですが、
10月最終日の節目に、今年最後のヒメオオ採集記事という事で
佐井で空ぶったその後の採集の様子をダイジェストで載せてみます。





  16日(日)

この日はホームとしている秘蔵エリアの中で、前から調査しようと思っていてなおかつ
道路地図にも書かれていなかった未調査ポイントを2ヶ所探索しました。

この日は今期にしては珍しくよく晴れたヒメオオ日和でした・・・
CA3I0202.JPG
まず1ヶ所目。
ドロドロヌタヌタした土場を抜けた先にヒメオオが期待できそうな林道があり、車を降りて徒歩で探しました。

そこで運よくヒメオオの齧り痕のあるヤナギを発見しましたが本体がおらず、
そこそこ成長したそのヤナギの樹冠近くをよく目を凝らして見ると齧り痕のようだけど不自然な箇所が。

CA3I0203.JPG
試しに網を伸ばすと、やはりそこにはヒメオオがいました。
高さはおよそ6mほどでしたかね・・・
小さな個体でしたが、このポイントでは見つけられたのは僅かにこれだけでした。
齧られている木はいくつか在ったので最盛期にまた採りに来ることを決意し次のポイントへ移動しました。

CA3I0205.JPG
↑↑ちなみに、この林道は意外と樹相が悪く、
航空写真を見た段階では、周囲はスギの植林じゃないと安心していたのですが
来てみて分かったのはマツ林だったという事でした。
グーグルでは一見するとマツ林と広葉樹林の見分けがつきません(苦)



そして移動して到着した2ヶ所目、さっきとは別の市町村の林道。
ここは先月一度来て、林道の入り口から間もない所で既に本体を採集していたのですが
採れた分は関東の知人に差し上げていて自分の手元には今無い状況だったので、
今回自分用に持ち帰る事と、さらに林道の奥まで行って生息しているか確認することが目的です。

林道に入って行きますと、
前回採れたポイントではほぼ偶然に近い場所から1♂のみ確保できました。

そして続いて林道のさらに奥へ。
車が通れなくなりましたがまだ林道は続いているので乗り捨てて奥へ・・・、

CA3I0209.JPG
カラッと乾いた尾根沿いの林道で何とか見つかりました。
♂3頭♀1頭を採る事が出来ました(持ち帰りは1♂)が、齧り痕の付く木の本数を見るとそれほど個体数が少ないポイントではないようでした。

この日採れた中で一番大きかったのは49mmと、やはりシーズン終わりギリギリなのか大型は採れませんでした。




  22日(土)

10月も終わりにさしかかった10月第4土曜日。
この日は、単純に「この時期にきてまだ活動しているのか!?」と云う好奇心と
飼育用のヒメオオ生体の確保を目的として秘蔵ポイントの中でも特に手堅い場所を回ってみることにしました。

まず1ヶ所目。
ここへは去年初めて見つけて以来になる場所ですが、流石に時期が遅かったかほぼ全く居ません。
CA3I0211.JPG
散々探して居らず、諦めて帰るときに何とかこの1♂だけ見る事が出来ました。
脚1本が丸々無かったけどねェ。


そして次はちょっと寄り道、
秘蔵エリアの中でありながらヒメオオがいかにも採れそうなのに採れたことが無いやや長い林道へ。
初めて来たのは2012年頃で、樹相もいいし当時期待に胸を膨らませて探索したにもかかわらずヒメオオが採れなかった思い出のある場所。
CA3I0213.JPG
やっぱり今回も採れませんでした。
怪しい齧り痕っぽいモノは見つけたのですが確証に欠けるものばかり・・・
唯一見つけてドキッとしたのは、林道の先でバッタリ出くわしたカモシカ(お互いビックリ)


時間に余裕が無くなってきたところで2ヶ所目のポイント。
ここは2011年にエリア内で初めて見つけたポイントですが、

 【2011年にエリア内で初めて見つけたポイント】
   ⇒ 2011-10-23 『ヒメオオビギナー自力採集』


この年はこの時期でもまだ余裕で2ケタ採れていたのに比べ、
今年は1♂しか採れませんでした。
段々とこのポイントも荒廃していってるので、以前のようにどの木でも楽に・・・は採れなくなっているかもしれません。


2ヶ所目のポイントを戻る時にはもう夕方、
他のポイントを見に行ってると日が暮れてしまうと分かっていましたが、今年もこれで最後だと思ってこの日最後の3ヶ所目のポイントへ向かいました。

3ヶ所目のポイントは2014年に見つけたエリア中最高のポイントで、
生息個体数はエリア内最多である上、発生木も間近に複数隣立しているためおおよそ外すことが無い安定のポイントという事もあって、ここでなら飼育用の個体も調達できると考えていました。

 【2014年に見つけたエリア中最高のポイント】
   ⇒ 2014-10-8 『採集から飼育へ・・・?』


案の定、11月近くなっているにもかかわらず2ケタに余裕で達する数を採集する事が出来ました。
暗くなってきて懐中電灯を片手にルッキングしていたのでそれなりに大変な採集ではありましたが・・・

161008_1431~01.jpg
ルッキングに時間がかかり、林道の奥まで辿り着く頃には完全に日が暮れてしまいました。
しかしそんな中でもヒメオオはヤナギに齧りついています。
時期的にも寒くなっていることもあって、既に冬支度をし終えた裸のヤナギには何も付いてなく、本体が付いていたのはまだ青々とした葉が付いている木ばかりでした。
やっぱり葉を落とした木と云うのはもう樹液は出ないんでしょうかね・・・

そして驚くべきことに、この時温度計で気温を確かめてみたところ、
6℃しかありませんでした。
いくら昼からの惰性で付いていたとはいえ、もうちょっとで氷点下と云うような寒さで木に付いていたのはもはや尊敬せざるを得ません。「虫」と云う概念がそろそろ崩壊しそうです。
ちなみにこの日、1日を通して近くの観測地点の気温は[日中最高13℃、日中最低8℃]でした、これは平地でのものです。

また、このポイントからは2ペアを持って帰ることにしましたが、
一般的に『シーズン終了間際は♀の数が減る』と言われる中、このポイントではどちらかと云うと♀の方が数が多かったという不思議な結果で終わりました。


・・・6℃か・・・・・・・・・。


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ヒメオオ採集・青森県最奥地への挑戦 『佐井村』 [日昆 採集記 【2016年】]

10月も半ばになりましたね・・・会長です。

結局のところ今年のヒメオオシーズンはずっと悪天候で苦戦続きでした。
新規開拓もあまり捗らず(去年が捗りすぎたのだろうか?)、まだ悪あがきしています。

はい、この前の連休最終日もヒメオオクワガタ県内未記録のとある市町村へ
新規開拓へ向かいました。
まさか、そこでまたやらかしてしまうとは・・・







  10日(月)

今回の連休も開始と同時に狙われたかのような低気圧が県上空を覆い、
161008_1431~01.jpg
連休初めの8日(土)はザーザー降りの中、一番得意としている秘蔵のホームポイントを各所回ってなんとか30頭ほどを見たに過ぎませんでした。
その翌日9日(日)は雨はあがったものの、前日からの低温と強風のためにこの日は採集を休むことにしました。

そして今日10日(月)、
かねてより計画していた未調査市町村への調査のために家を朝8時に出発しました。

スペアタイヤを依然として履き続けたまま(汗)、
青森市を脱し陸奥湾を反時計回りに進み続け向かった先は、またしても下北半島。

むつ市突入後そのまま大畑・・・風間浦と走り抜け、
今回ヒメオオの新規開拓調査に来たのは・・・大間町











・・・・・・のそのさらに先の佐井村



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佐井村.png

佐井村は、青森県下北郡に属する村で、北は大間町・東はむつ市と接し西には津軽海峡を臨む。下北半島の形を斧に例えると、ちょうど刃の部分にあたる。
本記事で《青森県最奥地》としたのは、
地図上で見る限りでは本州最北端に位置する大間町が一見それに相応しく思えるところだが、陸路で移動すると一番時間がかかるのがこの佐井村だからである。
佐井村まで行くにはむつ市街地を起点として(北から順に)【大間ルート】【薬研ルート】【川内ルート】【脇野沢ルート】などがあるが、この内最も短い【薬研ルート】は途中で長い未舗装区間が続きしかも現在は路面状態悪化で封鎖中、【川内ルート】【脇野沢ルート】は路面は舗装されているが複雑にカーブしており距離も長くスピードも出せないため、最短かつ安全に辿り着くのは下北半島の北通りを回り込んで向かう【大間ルート】となる。
このため、大間町よりも距離と時間がかかるためこのような表現になるのである。

陸路による他地域への往来が難儀な分、海路は整備されており大間町や青森市へのアクセスはの方が楽である。

面積は135平方kmで、海岸に沿って南北に長い形をしていて山地が海岸にまで迫る。
平地が少なく、面積の9割を山林が占めており、ヒバの産地でもある。
村の産業は対外的には、ウニ・タラ・サケなどの漁業と豊富な文化財があるための観光業も盛ん。

南北に長い村内の沿岸部に点々と小さな村が在り、北部の中心地以外の地区はどこも人口50~200人以下と極めて小規模であり村内に高校は無い。


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この青森県最奥地とも言える佐井村には来たのは自分は今年初めてで、
さらに「採集」を目的として来たのは実は今日が初めてです。

来た事も無い土地でクワガタ採集・・・しかもヒメオオを狙いに来たのですから不安も期待も両方大きくなります。
今まで十何年とクワガタの話に耳を傾けてきましたが、
ヒメオオに関してはただでさえ下北半島全円で滅多に話を聞かない上に佐井だなんてノーマークもいいところ(嘲笑)
仮に採れたとしても周りから「そもそも、佐井って・・・どこ?」と言われかねないくらいに寂しい反応しか返ってこなさそうです(失礼)

しかしですね・・・もし採れたら・・・
そう考えると胸が高鳴るのを抑えられないワケですよ。

現地で初めて採れたその瞬間・・・
後から地図を眺めながら・・・
そして採れたその虫を眺めながら・・・

何度だって感動と感慨に浸る事が出来るでしょう。


とりあえず、
採るにはどこを攻めるか道筋をつけなければ実現できません、
9割が山であるこの村のどこが一番可能性が高そうか航空写真で見てみると・・・


 さすが下北半島、例に漏れず広大な広葉樹林が見当たらない。
 針葉樹林がほとんどで、その合間合間にしかブナ林らしき土地は見られません。
 イイかなぁと思ったところは急斜面で道も無し。
 そりゃ「佐井でクワガタ」なんて話題が無いのは無理もないですな・・・

なんとか「クワガタが採れそう」と云う場所の当たりをいくつか付け、
そこを目指して現地入りしました。


〉〉 佐井村へ突入(続きを読む)


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一か八かヒメオオ採集 [日昆 採集記 【2016年】]

こんばんは、会長です。

休みの日は県内各地にヒメオオを追いに山へ走っています、相変わらず(笑)
去年の今頃だと毎日のように新規ポイントの開拓が出来ていたのですが、今年はなぜかなかなかヒメオオの姿が見られません。
先日も、去年見つけた津軽半島のポイントを確認しに行きましたがクワガタは1頭も見つかりませんでした。しかもまた車がパンクしました。
あまりに多くのポイントで採れなさ過ぎていて、流石に去年のポイントが今年になって無分別な採集者に全部バレたとは思えないので、発生が遅すぎるか早すぎるかのどちらかになるんですが、
先日ファーブルハウスの鈴木店長から「ようやく採れ始めた採集場所がある」と知らせをもらったところでもあるのですが、
もしかすると今年は場所によって発生時期が大きく前後しているのかもしれません。
自分でここまで探し歩いて得た知見や知人からの報告を合算しても、まだ今年の発生時期について結論が出ていないのでまだ今月もヒメオオ探しを止められません・・・(笑)
ただ、発生数・時期に関しては全く予測がつきませんが、サイズはあまり影響が無いようで、大型も採れてはいるようです。自分も今年は♂54mmが採れましたし、先日は下北で40.1mmの♀(自己最大)も採れました。

今回は、これまでの約1週間分のヒメオオ採集状況をまとめて記してみます。


 9月25日(日)
この日はNo.2No.6と共に県内某所へ行きました。

去年は3人でヒメオオ採集が出来なかったので
今回は盤石のポイント3ヶ所を巡ってフィーバーしようと云う計画。
とは言え今期これまで各地の様子を見て回ってほぼ空振り続きなので
ボウズに終わらないか少々不安ではありましたが・・・

ちなみに、前の日にパンクした車はそのままスペアのタイヤを履いています(苦笑)

朝6時半と珍しく早い出発が出来たのですが
なんやかんやで現地入りしたのは10時前・・・
朝飯を食べるために要らぬルートで時間を食ってしまったのに加え、
最初のポイントへ入るには2通りのルートがあるのですが
片方は「車の走行距離は短いが車を降りてから歩く距離が長いルート」
片や「車で行くと遠回りになるが歩く距離が短いルート」
その前者を選んでしまったせいで
最初のヒメオオポイントに着いたのは10時50分(!!)
実に片道1時間近く歩き通し・・・(焦) 想定外だった(馬鹿)
(この後今日中にまだ2か所回る予定なんだぜ?)

ここではまず、歩き続けてヒメオオポイントまであと一息と云うところでいきなり
No.2に「ちょっと止まれ!」と歩みを制され、「足元を見てみろ」と自分の足元を指さされ
見てみると


CA3I0144.JPG
林道を横断中のアカアシを発見。
これが本日の初クワガタ、林道も濡れて黒光りしてたのによく気づいたな・・・

そしてヒメオオポイントに到着し、ここでも彼の眼力はクワガタを逃しません。


何せ、ポイントに突入するや否や
先頭きった自分の背後で既にヒメオオを肉眼で補足していたのですから・・・

No.2 「お前、なにヒメオオ通り過ぎてんの?(呆)」
(ちなみにこのポイントはこいつら初見)



1本道を数十mしばらく3人で共同で探し、分かれ道を合図に3人別行動へ。

居るには居るんですが若干数が少ないのがもの足りないところではあります。
(それでも今年初めてまとまった数が採れてることになるんですけど)

状態は結構新しい個体が目に付きます、
新発生個体も多いと言えますがどれも大きくはありません。

時間も正午近くなってきてしまった(焦)のでひとまず切り上げ
分岐点まで戻ってくるとNo.6が採集を続けています。

No.2はどこ?と訊くと、どうやらまだ奥にいるらしい。
とりあえず採った個体をケースに入れたということなので2人の採った獲物を見てみると

No.6もいいサイズ採ってるな~と感心した流れで、次に地面に放置されていたNo.2のケースを手に取ってみると・・・なんか知らないコがいる(慌)

間もなく戻ってきたNo.2に聞くと、
「ァ~なんか付いてたから採ったんだけど。」と素っ気ない返事。










CA3I0146.JPG
いや、お前
これ55mmあるんだけど!!!?

自分も採った事が無い55mmをこの男は採ってしまった・・・!!!



1本目の林道では♂ばかりの約10頭のヒメオオを見ることができ、
また長い道を戻って既に疲労が蓄積した中・・・続いて2本目の林道へ向かいます。





休憩をはさんで2ヶ所目のポイントへ到着。

今度のポイントは車を降りたらすぐ採れるので楽なのですが、
さっきで歩き疲れたのか2人とも車から出ない!

自分 「いや、今度は楽だから! もうほらスグいるんだよ!」

No.2 「えぇ~? いいって大丈夫大丈夫(笑)」

CA3I0147.JPG
自分 「ほら!すげぇ!こんな簡単に!」

No.6 「えぇ~? 全然いないって(笑)」

自分 「いやほらここにいるから! あッ奥にもいる!」

No.2 「いや気のせいだって(笑)」


採集開始、今年見てきた他のポイントがまるで夢だったと言わんばかりに
ごっそりとヒメオオが見つかります。

No.2が先行して次々とヒメ本体を見つけ、自分とNo.6が回収作業をして追う形で短い林道を時間をかけ進みます。数が多すぎてなかなか先に進めません。

CA3I0148.JPG
色々な態勢でヒメオオを回収していきます。

3人で網を構えたり、
網を差し込む角度や位置を確認し声を掛け合ったり、
木の下の藪に入り待機して網で取りこぼした個体をフォローしたり・・・

CA3I0149.JPG
とかいろいろやりながらまァ3割くらいの個体は落としちゃったのですが(恥)
このポイントで一番大きいであろう♂も落とした
ひとまず林道のつきあたりまで来た時点で30頭弱の個体が採れてまして、
CA3I0152.JPG
僅かな持ち帰り個体を残し、逃がす個体を網にまとめるとこんな感じに(笑)

林道を引き返し1頭ずつリリースしていきますが、
引き返す途中も見逃し個体や新しく木に登ってきた個体がまだ10頭ほど採れ続け、
このポイントでは落としてしまった個体も含めて結局全部で約50頭が見られました。





結局この2ヶ所目のポイントが濃過ぎたせいか車に戻った頃には夕方4時半になり、
ルッキングが出来なくなってしまったのでここで採集を終了することにしました。





 9月30日(金) 上北地方
この日の昼過ぎ、1ヶ月前に一度見に来たポイントが
その後どうなっているか確認するため、上北地方の山を再び訪れました。




・・・・・・えっ!?


30日(金) ←


ええ、そうですよ


仕事中ですよ。


乗ってるの社用車ですよ。


助手席に先輩同乗してるんですよ。
「もしなんかあっても自己責任だけどそれでいいなら任せるよ(あと帰社時刻に間に合うように)と云う先輩のいい意味(?)でドライな許可を貰い、悪路と化した林道へヒメオオの発生状況を確認しに向かいました。



先だっての台風の影響などもあり荒れている林道。
土崖も崩れ地面も洗削されていて大きな石がごろついていました(汗)


悪路をゆっくり進んでいましたが、ヒメオオのポイントまでまだ遠い地点ながらいよいよ


ゴリッッ



車の腹を削られるような音がしたところで諦めました。

この時は状況が状況なだけに隣の先輩の表情は・・・ちょっと見れませんでしたねぇ・・・

しばらくヌタついたヤバい道を通ってたので車を転回するのも一苦労しまして、
無事(?)林道から逃げ帰ることはできたものの洗車代としてお金も逃げていきました。



やはりハイゼットカーゴでは無理があったか・・・





 10月2日(日) 津軽地方
この日は一人で津軽地方の新規開拓へ向かいました。
昨晩、皆でたて続けに「ミラーマン」「帰ってきたウルトラマン」「キャプテン・スカーレット」を観ていたのが祟って見事に寝坊し、出発したのは午前10時(泣)

今回調べる場所は、以前から調べるつもりでいた場所ではありましたが、
なかなか入山する気になれなかった場所でもあります。

と云うのも、フィールド内の林道が長く複雑に入り組んでいることもあって単純にルッキングで時間がかかる上、以前入り口付近まで来たときに感じた一筋縄ではいかなそうな路面状況。

正直言って今の車の状況やらを考えると、
入る山はもうちょっとよく考えた方がいいのですがいつもながらの勢いに任せて一か八かこの場所に決めました。



現地に到着して林道突入後、約1km地点でいよいよ車が進めなくなりました。
苦戦しながらも待避所に車を停め、そこから歩きです。
大きな石がゴロゴロ埋まっていたり、洗削されてできたクラックには水が流れています。

風も無く、天気がいいので非常に快適です。
しかし、流石に森の中でもわりと手前の方なので皆スギ林でヒメオオの気配が微塵もありません。ついでに言うとブナも生えてません。

しばらく歩いていると何台か車が停まっているのが見えてきました。
流石に地元民の軽トラや軽ワゴンは入るとこまでしっかり入ってますな。
そんな中、道の先に誰かが道の真ん中で何かやっているのが見えました。

・・・第1村人発見です。

だんだんその村人のおじさんのいる所まで近くなってきて、その状況が目に入ってきました。
道がどっぷり泥溜まりと化していて、
さらに倒木の所為で道幅も超ギリギリです。

その村人らしきおじさんはその泥溜まりのヌタ場を車で通るために排泥作業をしている最中でした。
ヌタ場を徒歩で抜ける際に軽く挨拶を交わし、先へ進みます。
その先にもキノコ採りらしきお婆さんとも挨拶を交わし、また先へ進みます。

地元民の生活に寄り添っている山であろう事をこうして実感しながら歩いていくので、
人の気のない山とは雰囲気も違って、静かなのに不思議な賑やかさを感じます。

しかし、もうすでに正午を回っているのが分かっているからか
歩いても歩いても一向に樹相が良くならず焦り始めます。
植林地帯の景色も変わらないまま、林道の分岐点までやってきました。

正直言ってこのエリアの林道は分岐もあちこちにあって
どっちへ行ったらヒメオオがいそうなのか全く見当もつきません。
本線を直進するか、支線と思しき方へ行ってみるか悩んでいると、
背後から車のエンジン音が近づいてきます。


道脇に寄って後ろから来る車を見ると、さっきの第1村人の軽トラでした。
どうやらあのヌタ場を攻略してきたようです。

そのまま脇に寄ってやり過ごそうとしていたら、


おじさん 「ここ道長いぞ? 途中まで乗っていくか!?」


なんと親切なおじさんでしょう!

おじさん 「この先の〇〇の方に行くんだけど、
       あんたこのまま歩いてたら日暮れるど!?

確かに、言う通りこの長い林道をこんな時間帯になってから入って行ったって調べられる距離も範囲も高が知れています。しばらく歩いてもスギ林の景色は変わりませんし、帰りの歩く距離やルッキングできる時間の事を考えるとこれを使うのもアリかも知れないと思いまして、お言葉に甘えることにしました。

おじさん 「あんた学生ダガ?」

自分 「いえ、社会人です(笑)」


助手席に荷物があるという事で、荷台に乗せてもらうことになり一気に林道を進みます。


おじさん 「しっかり掴まってろ」

CA3I0162.JPG
ケツが痛てぇ・・・!!!
厳つい砂利道をガタガタいわして前進するので、下手にしゃがんでいると車外に投げ出されてしまいます。なので座ってしがみついているのですが・・・意外とキツイ。

分岐地点を2・3ヶ所通り過ぎ、大きな分岐点までやってきたところで車は停まり、
ここでお礼をして別れることにしました。


おじさん 「もし帰る時に行き会ったらまた乗っけてやるハンで(笑)」

自分 「あ、もしそういう事になればその時はよろしくお願いします!」



右と左に分かれた分岐の内、自分が元々目指す予定だった右の分岐へ向かいます。
乗せてくれたおじさんもそのまま同じく右の分岐へ車で進み消えていきました。

ここからルッキングも本番、
さっきまでと違ってこのあたりは樹相もよくヒメオオがいても不思議じゃありません。
・・・ここまで歩いてきていたらと思うと既に寒気がします(苦笑)



しばらく探して歩いていると、
林道の向こうから車のエンジン音が聞こえてきました。

内心、「アレッ!? もう戻ってきたのか?」と変に焦ったのですが、
来たのは別の人でした。
ジムニーに載ったおじさん2人組です。

おじさんB 「何採ってらの?」

自分 「クワガタですねぇ、今日初めて来たばかりなんですけど」

おじさんB 「お~、オラ達毎年この山来てるけどクワガタは見ねナァ~」

おじさんC 「大学生ダガ?」

自分 「いえ、社会人です(笑)」

どうやら地元でもここにクワガタがいるという認識は無いようです。
引き続きヒメオオ探しを続行します。


CA3I0166.JPG
見ただけで有望と判る、ブナの原生林が一帯に広がっています。
ブナの巨木に付けられたナタ目がこの山の歴史を物語っています。


早速、ナナカマドの枝に付いたヒメオオの齧り痕を発見しました。
残念ながら本体は居なかったのですが・・・

暫く歩くと、さっきのおじさんの軽トラが停まっています。おじさんは居ません、多分森に入っているのでしょう。
軽トラを横目にさらに林道を奥へ進みます。



CA3I0167.JPG
林道もここまでいくつか分岐してきましたが、やはり場所によってはこのように車も入れない藪に覆われた道もあります。
去年もこんな道通ったけど、となりのト〇ロな道だよなァ・・・



CA3I0168.JPG
CA3I0169.JPG
こんな感じに広く点々とヒメオオの齧り痕が見えます。
意外にもヤナギにはなぜか噛み痕が無く、他の木にばかり付いているのが謎です。

そして謎と言うか決定的な事は、
・・・ヒメオオ本体が全くいない・・・

最終手段で木を蹴ってみても、落ちてくるのは枯れ葉だけ・・・

その内植林帯に入ってしまいそろそろ山の反対側まで来てしまったようなので引き返すことにしました。
だんだんルッキングも難しくなってきた明るさの中、ひたすら歩いて車を降りた分岐点のところまでやってきた辺りで、乗せてくれたおじさんが後ろからやってきました。

もちろん載せていただきました(恥)

今度は助手席を片付けたとの事で、助手席に載せてもらい色々と近辺の林道の詳しい話を聞きながら林道を下りていきます。

おじさん 「車でなかったら真っ暗の中山を歩かねばならなかったところだな~」

自分 「いやァほんと助かりましたよ(笑)」

おじさん 「一人で夜の山道は心細いぞ~(微笑)」

自分 「それは大丈夫なんですけどね(笑)」

おじさん 「慣れっこってか、どこから来たの? 青森? 弘前?」

自分 「青森市です、今日初めてここの林道入ったんですよ」

おじさん 「へェ、向こうの〇〇〇の方にも今度行ってみれば?
       大きな滝があってキレイなんだよ」

自分 「おぉ~そうなんですか!
     ・・・いやぁ~やっぱそういう情報って地元の人でないと分からないですよね~」

おじさん 「(微笑) (私)も青森市から来たんだャ

自分 (ええェェェェェ~~~!!!?)

全然地元の人じゃなかった。


おじさんのおかげでなんと夕方4時前に車まで戻ってくることができました。
ヒメオオ自体は痕跡のみで採集には至らなかったものの、
いつものボウズより悲壮感が薄れた採集になったは気のせいではないでしょう。





さて、そうは言っても結局のところまだ今日クワガタを何も見ていないわけです。

このまま帰るのも歯がゆいですし、
せっかくまだギリギリ明るい内に下山できたので今度は帰る途中で去年見つけた黒石のポイントに寄っていくことにしました。

 【去年見つけた黒石のポイント】
   ⇒ 2015-8-15 『黒石市のヒメオオクワガタ』


当時の記事に書いた通りここも非常に狭いポイントで、
長い林道の内採れたのは僅か数mの範囲にあるヤナギの灌木だけでした。
近い内に消滅してもおかしくないポイントだし、他の採集者もいないので、発生してるかどうかはともかくまた行ってみることにしました。
(帰りがけに通る近場のポイントがここしかなかったのも理由ですが)

しかしそうは言ってもここも車を林道前に停めて歩いて行かなければいけないポイントなので大変です。歩き始めて片道30分かかります。

薄いポイントだけあって、行ったとしても必ず採れるとは言えないので期待も出来ないのですが、いざ林道へと歩き始めたところでなにやら気になる看板を発見しました。




《造林作業中》



去年は無かった造林作業中の看板。
この時点で何か嫌な予感がしたのですが、ポイントへ着くとその予感は衝撃的な光景として目の前に現れ出ました。




CA3I0171.JPG
唯一ヒメオオが採れていた道端のヤナギが無残に伐り払われていました。

去年はこの画角にちょうどいいヤナギの灌木が生えていたのですが・・・
ここの下草をよく見ると、埋もれるようにして伐られたヤナギの一部が横たわっていました。

ここへ来て、改めて『ヤナギ=雑木』と云う扱われ方なんだなぁと認識させられました。

事実上のポイント消滅です。
去年採ったラベルはもうこの先得る事が出来なくなったかも知れません。


この光景を見て一気に寂しい気分になりましたね・・・
林道は生き物・・・とは言うけども、ヒメオオが採れるようになる場合もあれば逆に採れなくなってしまう場合もある、という事ですね。

自分はヒメオオの採集を始めてまだ数年しか経っていないのであまりピンと来ていませんでしたが、これから先何年何十年とヒメオオ採集に通っていけば、何かしらの要因で採集ポイントが衰退・消滅していくのを目で見て肌で感じる局面も増えていくのでしょう。

ヒメオオの集まる木が消滅してしまったのは落ち込みましたが、おそらくヒメオオ自体は発生木がどこかにまだ在るとは思われるので、この付近の個体が絶滅したわけではないと願いたいところです。
ここのヒメオオは、林道が出来る以前のようにまた薄く散らばっていくか、もしくは別のポイントに集中するのでしょうかね。


CA3I0172.JPG
去年の採集品をちゃんと標本箱へ残しておけたのが、個人的な唯一のなぐさめです。
車に戻る頃には日も暮れて時刻も午後6時





もう10月、夜も寒くなってきました。







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下北の林道探索 ~ヒメオオクワガタ新規開拓~ [日昆 採集記 【2016年】]

4週間ぶりの更新になります。
この4週間、夜のライトトラップ・日中のヒメオオルッキング採集・・・と予定が詰まりに詰まる時期と云う事でなかなかブログの方もチェックが疎かになります。

8月の後半から青森はずっと天候に恵まれず、実はほとんどこの間大したモノは採れていません。秋雨前線が列島上空に寝転がっている(?)所為で青森上空もなかなか高気圧が張らず山は大体しっとりしています。
そんなことですからヒメオオ採集の方は特に成果は悪く、今季はまだまともに数を見ていません。
前回の採集で54mmUPがいきなり採れてしまっていただけに拍子抜けです。


さて今回、9月という事で今期もヒメオオの季節がやってきました。

クワガタ採集の中でもヒメオオ狙いと云うのは人を選ぶもので、中には
「採れる場所を見つければ珍しくもないから採ってもつまらない」
「ミヤマとかオオクワみたいに大きさのインパクトが無いからいまいち面白くない」
「歩き回って探すのダルい」
と云う人も居ますから万人受けするクワガタとは思いません。
しかし、楽しみ方もまた人それぞれです。
自分の中で持っている「クワガタ採集の楽しみ方」の一つとして、既にヒメオオ採集は「楽しみ方」と云うのは出来上がっています。

ヒメオオ採集で一番楽しいと感じる瞬間・・・
それは、『新産地を発見した時』

高校生の頃は、ヒメオオなんてどこでどう見たら採れるの?っていうくらい存在が遠かったものでした。
最初にヒメオオの産地でヤナギの若木にベタッと張り付いている光景を目の当たりにした時は、それまで持っていたクワガタ採集のイメージとだいぶ違う事に大きなショックを受けました。それまで図鑑で散々見ていたにもかかわらずです。
(その前の時点でマグソなんて採ってる人間が言うのもおかしいのですが)
自分が元々飼育からクワガタに嵌まった人間だって事、青森という土地も変わった形をしていて産地も豊富に有る事がヒメオオ採集を追求し続けられる要因かもしれません。元々自分が採集屋だったらヒメオオ採集にショックも目新しさも覚えなかったかもしれませんし、山地帯が極僅かでヒメオオのポイントが地元に殆ど無いところに住んでいたらここまで嵌まっていなかったかも・・・

今回は、そのヒメオオ新ポイント開拓の様子を順を追って書いてみます。
(他に書くこと無いのかい・・・)


今回は、他のサイトのレイアウトを参考にして書いてみました。




  11日

CA3I0092.JPG
東岸から望む陸奥湾。


今回は、青森県の北東部に伸びる下北半島のヒメオオ採集に行ってみました。
言わずもがな新ポイントの発見が目的です。


青森県の中でも下北地方と云うのは、
足を運ぼうにも距離が遠いという事で年間を通して採集者が少ない地域であります。
しかしだからと言って、必ずしも「採集者があまり入ってないから虫の数は多くて沢山採れる」と云うワケではなく、むしろこの地方はやや昆虫採集には厳しい地域と言っていいかもしれません。

と云うのも、クワガタ採集を重点に理由を挙げると、

その最たるものは果てしない規模の植林!まずこの点が最も致命的です。この地方において林業は地場産業の中の重要なウェイトを持っていて(こっちの方々は皆マグロ釣ってるワケじゃないからね)単純に「人口も少ないしその分開発は少なくて森も豊かなんだろう」と早合点して採集に行くと、その植林面積の広さ(えげつなさ)に驚かされることになります。半島内を走っているとほとんどの場所にスギが植えられています。
そしてそのスギの植林以外はどうかと云うと、この地域は元々ヒバの天然林が広がっていたのでどっちにしろ針葉樹林ばかりが目につきます。元々天然のヒバが切り出されていってその跡地にスギを植えていってるという構図なのでしょう。
寒い地方なので低標高でもブナなどが見られる反面、そもそも針葉樹林帯が広い半島であると云う事はつまりクワガタの採れる場所や密度もそんなものだと云うことになります。

そして次の理由が、動物相が他の地域と違うという点。青森県内でも地域によって生息してる種類してない種類と云うのがありまして、県内の虫屋がよくホームとする八甲田~十和田のエリアは実はニホンザルが生息していません(はぐれ個体は除く)。他の白神山地・津軽半島・そして下北半島はサルが生息していますので、それを考えると実は十和田とかって県内でも特に安全に虫を採りに行ける場所なんですよね。そして、サルより重要なのは何を隠そうツキノワグマ。知ってる人は知っていますが下北半島は県内でも圧倒的にクマとの遭遇率が高いエリアです。地域毎に見るとこれまた面白い結果が出てまして、次いで白神山地が目撃例の数も多くエリア自体の広さも広範囲です。その次に三本木平の低山帯から田子山地、所謂南部のエリアになります。それらと比べて、山地帯であるにもかかわらず八甲田(北八甲田)や津軽半島側での目撃例は非常に少ないです。あくまで目撃例での話ですが、同じ本州最北部の半島なのに津軽と下北は雲泥の差が現れています。

以上の点が、自分が思うに下北での昆虫採集を難しくさせている(意欲を殺いでいる)要因ではないかと思います。
あと、これは人によると思いますが物資や燃料の調達がやや困難と云う点もあります(汗)



 林道 ~1本目~

今回下北に来た理由となったのがこの林道です。
以前から地図帳で見ていて興味を持っていたのですが、青森からの距離・そして林道自体の距離や途中で分岐する支線の多さもなかなかなので、調査に時間がかかるだろうと予想していました。そのため今回は朝から林道入りするため、前日から下北半島入りして待機していました。
(因みに前夜、ライトトラップ及び外灯回りを行いましたが、採れたのはキタカブリだけでした)

午前8時、愛車をもっていよいよ長い林道にアタックです・・・!
CA3I0095.JPG
車もこれまで数々の林道に突入してきただけあって非常にガタついていましてスピードもあまり出せません、ゆっくり進みます。
林道に突入してから約30分が経過しました。これまでずっと林道脇の植林を眺めるばかりだったため、まず最初に現れたこの支線分岐に俄然心が躍ります。

分岐する入り口には林道標が設置されています(これが無いと、虫を採った時ラベル付けでちょっと悩みます)
CA3I0096.JPG
今回は、車が進めなくなった時のためにいくつかの状況に応じてそれなりの道具を積んできました。
この自転車は一番最初にヒメオオのポイントを発見した時に活躍した愛しの(?)デスティニー号(自転車の製品名らしい)、度々採集では車が通れない時の移動手段として用いています。

下調べの段階で、この最初の支線では車が通れない可能性があると判断しまして、早速荷台から降ろして乗っていくことにしました。
CA3I0097.JPG
支線に入って直後、崖崩れで上から転がってきた岩石をやり過ごして間もなく沢を渡る沈下橋にさしかかりました。
しかしそんなことよりも、その先に横たわる低木に唖然としました・・・
100mも進んでないのに早々に自転車を降りて先に進むことになりました。

しかしこの後も、道を覆い隠すほどの濃い藪に足をとられたりして前進は困難を極めました(汗) 石も所々粗く隆起していたのでどちらにせよチャリで通るには厳しい道でした。
CA3I0098.JPG
廃道同然の中、1km以上歩いたところでさらなる分岐に出くわしました。
おまけにここでも木が倒れてるし・・・この半月のあいだにあった台風などの荒天はなかなかの爪痕を残したようです。

とりあえず先へ進んでみましたが、一向にヒメオオの存在や痕跡を確認できないまま道はより一層藪が濃くなり、いよいよ無駄だと諦めて引き返すことにしました。
どこまで行っても植林地帯はしっかり続いているんだよ・・・
CA3I0099-262aekai.jpg
引き返している最中、持っている網をふと見てみるとカンタンが付いていました。
自分は初めて見たのでちょっと感動しましたがこれは♀。すぐさまお別れしました。
CA3I0100.JPG
1本目の支線から生還し(?)再び車で本線を進むこと暫く・・・
時刻もそろそろ午前10時になろうと云うところで2本目の支線に到達しました。
画像の奥に伸びている道が林道の本線で、この林道標の反対側・右方向が支線の入り口です。

この支線は1本目の支線よりも距離が長く、車で進みたいところですがいきなり廃道同然の藪が道を覆い、仕方なく車を降りて徒歩で突入します。

ところが、数十mほど藪をこいだところでサクッと心を折られました・・・(哀)
道が崩落しています。
その崩落場所も追い打ちをかけるように藪が覆い、先の道がどうにも見えなくなっていたのでここは残念ながら探索もほとんどできず引き返すことにしました(悔)
CA3I0101-00982kai.jpg
午前10時ちょうど。
2本目の支線を諦めて進み始めたところです。
ここの部分だけ見るとなかなか爽やかな景色ですが、この先を車で進み続けたところで行く手を倒木に塞がれました。まだまだ先もあるのにここで車を捨てるのか・・・・・・と「前の自分」であれば諦めていたトコロですが、つい2週間前に犯した苦い失敗(←ここでは書かない!あのような悲劇を、ボクらはもう繰り返しちゃいけないんだ!)で道具は最低限準備しておくべきと再認識し(今さら・・・)、今回は色々道具を積んできてまして手鋸も実装済み、倒木も細めの雑木だったので切って進むことが出来ました。
CA3I0102.JPG
倒木の処理でちょっと時間がかかってしまいましたが3本目の支線に到着しました。
先程の倒木あたりから段々と先行きが不安になってきましたが、今回この林道には全部の支線の様子を見に来たと云う目的があるので、まだ途中で引き返せるはずもありません。
俺は誰にも止められねェぜ!!
CA3I0103.JPG
・・・とそのまま支線に突入したそばからいきなり倒木!!
「この先立ち入り禁止です」と書いていても不思議じゃないくらいきれいに塞いでくれています。ちきしょー俺の手鋸でギコギコに切ってやるわ!!と云いたいところですが手鋸で切れるほど細い木ではありません。直径30~40cmはあるし、倒れているのはれっきとしたヒバ。いくら倒れてるとは言え個人が伐ったらいかんだろ・・・

仕方なく車を降りて先へ進んでみることにしました。
まず様子見に倒木に上がってみると・・・
CA3I0104.JPG
!!!!??マジかよ・・・
セキュリティが固い! 林道め、明らかに俺を拒んでやがる。
奥までヒバが倒れ続けてて全部超えてたら時間も体力も一気に無くなってしまいます。この先まだ3kmくらい延びている支線ではあるのですが、ここは涙を呑んで引き返すことにしました。ああ憎たらしい!

 →山の斜面を見上げる!
 
CA3I0106.JPG
ハイ、本線に戻って再び進み始めた途端にこんなんですよ。
さっきのヒバほどでないにしろ、これもちょっと切って進むには時間がかかる太さである上、これに至ってはあまり手を出しちゃいけないスギ。

ここまで幾多の障害に直面し、その度に切り抜けてきた(←)り引き返してきた(恥)のですが、いよいよここで車を置いていく決心を固めました・・・
CA3I0107.JPG
リュックを背負い網を持ち徒歩で進んでいきます。景色は相変わらず、林道脇の雑木の奥に規則正しいスギの植林が果てしなく並んでいます。灌木もチェックを怠りませんがヒメオオの痕跡は影も形もありません。
CA3I0108.JPG
車を降りてから約1.5km進んだところで漸く4本目の支線に到着しました。
本線の左手に橋が架かりそこから進んでいくよう・・・です・・・が・・・(汗)
ヤマハンノキが倒れていて、進入には思いっきり抵抗を覚えます。

支線の方も気になりますがその前に、この反対側・林道右手側に(写真には写っていないですが)ポツンと目立って生えているヤマハンノキが1本目に付きました。幹を見ると妙な黒いコブが付いています。なんだろう・・・と近寄ってみると・・・?
CA3I0109.JPG
アカアシ・・・!!ここまで来て漸く見つけた本日1頭目のクワガタです。
アカアシごときでこんなに喜ぶとは・・・苦しいにもほどがあるよ。1.9mほどの位置と云う微妙な高さに居たせいか、何故か網を出さずに草でつついて落とそうとしましたが失敗して見失いました!残念ながらこの落とした1頭以外にはクワガタは付いておらず、木自体にもアカアシの齧った汚い噛み筋しか残っていませんでした。
CA3I0110.JPG
気を取り直して4本目の支線に向き直し、倒木をくぐって先をうかがってみますが、えェ~なにコレ・・・(汗)
道ねェじゃん・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・失礼しました~~(戻)
CA3I0111-e3d05kai.jpg
4本目の支線も断念し、残りは予習した分ではあと2本。
まったくスギ林が尽きることなく植え続けられており、無心になって歩かなければ先へ進むのも躊躇ってしまいます。

倒木が在った以上ここに来ているのは自分以外に誰も居ないんだ・・・
あの奥へ行ったらヒメオオが居るかも・・・
それだけを頭に留めて砂利道を進みます。
ぶら下げたクマ鈴がチリーン・・・チリーン・・・と鳴り続けます。
CA3I0112.JPG
歩き続けてまた1km超、5本目の支線に辿り着きました。時刻は午前11時40分、もうお昼です。
他の支線の例に漏れず藪が濃いですが、とりあえず進入してみます。

歩き続けて奥へ奥へと進みますが、さっきまでのように倒木が連続したり藪に道を食われていたり道が崩落していたり・・・と云った極端な状況になっていないものの全くヒメオオの痕跡が見つけられません。そして支線と言えど、やはりスギの植林は終わってくれません。

こうなってはもう、「そこ」に賭けてみるしかありません。
CA3I0113.JPG
自然回帰しかけている支線を歩くこと暫く、ついに「そこ」へ到着しました。

「そこ」・・・とはつまり、林道の終点部の事です。
林道は普通、完全に別の道に抜けられない場合は終点で車が転回できるように広場のような空間があります。中にはこの終点まで行けない林道も多いのですが、その終点まで行ければ、実はそうした所にヤナギなどが「ウマい具合に」生えていてそこがヒメオオの唯一の採集ポイントであったりする事があるんですよ。
今回は運よくその終点まで辿り着くことが出来ました。
目論見通り、それまで見なかったヤナギが生えているのを発見!・・・とここまでは良かったのですが、残念ながらここにはヒメオオは付いた痕跡すら存在しませんでした・・・(泣)
噛み痕も無く、他の木も付いてなく・・・仕方ないので戻ることにしました。
CA3I0114.JPG
5本目の支線を戻って本線をまた進むと、いよいよここで最後の支線・6本目の入り口に到達しました。しかし、林道に入る前に入り口からその奥を眺めてみると・・・デジャヴかと言うくらいさっきの5本目の支線と風景が瓜二つで閉口しました(汗)
山の眺め、沢の位置、方角・・・藪の深さもなかなか。
このパターンは確実にさっきと一緒の結果に終わるんじゃないか・・・!? 嫌な予感しかしないし、時刻も12時半になってしまっています。この林道にはだいぶ奥まで入ってきたし本線もまだ少し奥へ続いているのですが、依然としてスギが植林されこの林道を見限って他へ移った方が賢明だと判断しまして、これで探索を終了し道を戻ることにしました。
この戻り道が長いし辛い・・・

 →本線の先を眺める!
 



全く土産になるものも無い状態で帰るのはまぁ辛いんですね(汗)
こうなるとさっき落としたアカアシの♀がホントに悔やまれます(切実)

こんな時にはつい、「他の林道を選んでおけばよかった・・・」と云う後悔が生まれてしまいます。遥々下北半島まで来た事もあって、1日のほとんどを費やして空振りに終わることの虚脱感は大きいです。
自分は他県遠征とかはしたことが無いのですが、夏場などに他都道府県から意気込んで採集に来ている人らの気持ちも少し解る気がします。

さて、林道を引き返して午後1時半頃に車のある場所へ到着、林道そのものから無事脱出できたのは午後2時を回った頃でした。


秋もこれからという時期で段々日も短くなってきたこの季節ですが、
この時間帯・・・まだ帰るには早いですよね(必死)





・・・と云うワケで、

続けて別の林道へ向かう事にしました。


→別の林道に向かう


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ライト vs 月光 星空と青空の盆採集 [日昆 採集記 【2016年】]

月齢(周期)・気温・その他諸々の事象によって青森県内ライトトラップ採集者は
この8月中、しばらく苦戦を強いられているようです。

特にこのお盆期間、ちょうど満月周期に差しかかりしかも高気圧に覆われ雲も無く、
県内・県外採集者共に凄惨たる貧果で毎晩轟沈していると聞きます。
(「聞きます」と云うのはつまり自分はオオクワ銀座にしばらく行ってないからです)



  12日(金)

No.7から採集の誘いがありました。

勿論採集の内容は、大きいドルクス(オオクワ)狙いのライトトラップ

そして場所は、青森県下の産地として有名なオオクワ銀座ではない某所。
我々一部のひねくれた変態的な採集者にとって特別な場所。難攻不落の聖域ともいえます。

有名産地と違ってアクセスが面倒で、費やす労力がより大きいこの某所でのライトトラップは
ライト機材の使用・場所の選別・タイミング諸々簡単なものではありません。

「↑↑偉そうに説明しておいてじゃあ出来るのかお前は」、と言われても
そんなスタンスでモノを言ってはいません。
「採れるからそこへ行く」のではなく「そこで採りたいから行く」と云うワケです。
今期に入ってそっち方面へはまだほとんど採集に行ってなかったですし、
自分も最近夜遊びに行っていなかったので返事は勿論「いいとも!」


まず最初という事で、やりたい場所を優先してライトをかけるポイントを選定。
月との戦い方を練習できそうな場所、そしてできれば月の影響を免れそうな場所をという事で、とある川にあるポイントでやることを決定。
日時は2日後の14日(日)




  13日(土)

心強い味方をもうちょっと増やしたい・・・
そう思い、あの男達に連絡。

・・・

・・・

・・・

流石に今日の明日であの過酷な地へ同行出来るなんて
No.2No.6も言わなかった・・・



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ひとまず最後? 十和田採集 ~ひと月のバナナトラップ~ [日昆 採集記 【2016年】]

こんばんは、一昨日はずっと好きなTV番組を見ながら標本作業を進めていた会長です。
え、? 一昨日は参院選でしたから選挙特番を各局回し観していましたよ。


さて、青森も夏は中盤。
家でパソコンを開いてたまにオークションを覘いたりしていますが、
今の時期はシーズン真っ盛りと云う事で色々な国産野外品のクワガタが売り出されていて、中国・九州方面の特大級ミヤマやノコギリの盛況っぷりを見て楽しんでいたりするんですが、
まだいましたね・・・特に気に障る詐欺出品が・・・(苛)

ひとつはアマミシカの「採集禁止になった事を考えるとありえない」出品。
そこそこ頻繁に続いていて落札者もいる事を考えると、
それが回りまわって自分が血の入れ替えをするときに関わったら最悪だなぁと思わざるを得ません。

そしてもうひとつは、青森産の野外品オオクワ出品。
去年出してたのを見かけて「へぇ~釣りの最中に木に付いてるのを見つけて採ったって?  すごいなこの出品者!!(笑笑)」と失笑してしまったのを覚えていますが、
それで実際に落札者が存在している点は全く笑えません。
ホントに採って出品してる新潟産とかの商品説明のやる気を少しは見習っていただきたい。
(いや見習わなくていいか)



さて、先日土曜日またも十和田へ行っておりました。

この日は今期初めてNo.2No.6も連れての3人連れでライトトラップでした。

最近はやたらめったらいつでも一緒に行けるワケでもないので、
せっかく集まったんだからこういう日はそこそこ安定してる安全なポイントに入れば良かったものの・・・今回入ったのはちょっと藪をこいで入る初挑戦ポイント(汗)

下見無しで突入したため若干道が分からず少々迷いましたが何とか設営し、
午後8時半にようやく点灯開始!!!




CA3I1247.JPG
寒っ・・・

時々飛んでくるのはみんなみんなみんなみんなミヤマ♀

他愛もない話をしながらライトの先から飛来する個体を皆で注視します。

ノコギリの中歯が飛んできたのがこの時のハイライト・・・(冷)
10時半頃になってバッテリーの1本目が尽きたのと同時に自分も心が折れまして・・・
・・・他の人のトコへお邪魔しに行くかと云う事で撤収。

この時点で当地の気温は13℃


別ポイントでライトを展開していたNo.7のところへ到着、
その後他にも2人同業者が集結しだらだらと過ごした後撤収・・・
こちらも芳しくなかったようで最後に外灯回りのポイントをぐるっと回って終ろうという事になりました。

とはいえ
この日は多数の採集者が訪れていた所為でそれほど虫も落ちておらず、
結局ここでも久々の外灯回りの気分を味わっただけで終了しました。
時間は日付が変わり午前1時頃、ここで解散し我々3人も青森市内に帰るかぁ~と思ったのですが・・・




実はこの日、灯火採集と併せてもう一つ片づけるべき作業がありました。




実は、ブログには全く書いてこなかったのですが
ちゃっかりバナナトラップを仕掛けておりました。

その回収作業云うワケです。


いつそんなモンを仕掛けていたのかと云うと、


・・・ぃ、1ヶ月前(・・・)


放置してたワケじゃないんだコノヤロー(笑)



これまで一度もブログにバナナトラップなどと云う南方系の単語(??)を使ったことが無い通り、自分もこの歳で(??)今回初めてバナトラなんて仕掛けましたよ。

今回、仕掛けたトラップは十和田市内3ヶ所計8個
仕掛けた翌日にNo.2とチェックしに行きましたが見事にアリとかだけで何もクワガタはおらず、その後トラップは続行したままとなっていました。


そして今回、夜も遅くなり早く帰らねばならない気持ちを押し殺し、
帰る前に8個全てを回収して午前4時近くなってようやく解散しました。



個人的に今年はもう十和田は充分楽しんだと思い、
いつまでも同じところばかり通っていると他の地域に行けずじまいでシーズンが終わってしまうので今日でひとまず十和田はサヨナラしようと思ったのがトラップ回収の理由です。
正直なところ・・・これでも十和田に今年行き過ぎたと思うくらいです。
実際、夏はもう半分しかないようなモンですからねぇ・・・



さて、
1ヶ月が経過して久しぶりに確認したトラップの成果は、個人的にはなかなかインパクトのあるものでした。

スジクワガタ.JPG
大量のスジクワガタが見られました。
あまり採ってこなかったしそんなに見てもこなかったスジクワですが、
不意に見つけた時は地味に感動する変わったクワガタです。
ライトトラップにはほとんど飛んでこない代わりにベイトトラップでは非常によく飛来するクワガタなのは知られていますが、純度100%で大量のスジクワが見られたのはちょっと目新しかったです。
採れた♂は皆中型以下のものばかり。とりあえず複数持ち帰りました。


トラップは3ヶ所仕掛け、そのどこでもスジクワガタは得られました。
その中で1ヶ所だけ、1個だけしか仕掛けなかった場所があったのですが
実はそこが今回のトラップのハイライト。


こんなものが採れた↓↓のですが、
お分かりいただけるだろうか・・・?

CA3I1249.JPG

小さくて判りづらいかもしれません、と云うワケでピンポイントでアップにしますと↓↓



.JPG


いやぁ禍々しい!!! まさか採れるとは思わずビックリしました。
聞いたところによると、津軽方面では数ヶ所で僅かに採集例があるそうですが南部方面においては本種は未記録のようです。

コガネ屋ではないのですが興奮してしまい、No.2もNo.6も「???」と云う反応の中で一人ホクホクしてました。
ちなみに画像中で他に写っているのはミヤマオオハナムグリビロードヒラタシデムシです。こうして色々な甲虫が掛かっていたのはこの1ヶ所だけでした。




3人で来たのにライトでウハウハではなかったのは悔いが残るところですが、
最後に十和田で変なのが採れたのはいい思い出(←俺だけ)になりました。




さて、夏も早や中盤。
どこへ行こうか。



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