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〆プラティオドンネブト (原名亜種) ブログトップ

産卵、そしてまた産卵へ… -ネブト初攻略への道のり- [〆プラティオドンネブト (原名亜種)]

 ― 前回のあらすじ ―
2020年、数少ないハルマヘラ島産プラティオドンネブトをオークションにて接戦の末2ペア入手。久しぶりのネブト系かつ野外品と云う事で、シロアリ材を調達。産卵セットし、産卵行動に移った事を確認しました。
初めて見たネブトの丸い産卵坑をケース壁面に発見し、気の早い勝利宣言をしたのですが――・・・





  2020年、秋

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月8日に組んだ2頭目の♀の方は、前回の記事でも書いた通り沢山の坑道が掘られて多数の卵が確認できています。
嬉しい事に、3週間近く経った時点でも卵は・・・腐ってないィィ!!!


KIMG1319.JPG
孵化してるぅゥゥ!!!!

金額がどうとか言うワケではないけども、
やはりそれなりのリスクがあった虫で無事にWF1が採れると爽快感と達成感が大きいです。


9月27日、無事幼虫も見えたと云う事で、
区切りの意味も含めて親♀を次の産卵セットに移動させました。
KIMG1285.JPG
今度は、デジケースHR-1へ。
内容は前回と同じくNマットを基本に、地上部の潜りはじめの層にシロアリ材を混ぜ込みます。産卵スイッチが入っているならば、マット全部にシロアリ材を混ぜ込まなくても効くだろうと考えてのセットです。

その後は、不安要素も無く数日以内に産卵行動を確認。
だ・・・駄目だ まだ笑うな・・・
こらえるんだ・・・
卵がほとんどの状態ながら、必要十分相当の幼虫が温室内に並ぶ光景が目に浮かぶ・・・
今思えばこの時の自分は、ダークなニヤケ顔でケースを眺めていた気がします。

このケースも、僅か4日でケース内全面に産卵坑道の跡をつけ切ってしまい
慌てて次のセットを組む事に。カブト系でもこんな一気に産んだこと無いのに!


10月1日
今度は試しに、羽化したアマミシカを掘り出して以来マットが入ったまま放置していた800ccガラスビンへ、パラパラとシロアリ材をまぶして♀を投入。
(アマミシカが遠い記憶の下に埋まってしまった事は切ない・・・)

KIMG1321.JPG
1日も経たずに産んだ・・・!!!!
(↑↑10月2日午前1時ごろ






方、最初に競り落とした1頭目の♀の方ですが、
暫らく姿を見ていません。

同居させていた♂すら死亡しており、順調な2頭目♀のマットの状態と比べると明らかに見た目が違うので、10月5日に暴いてみました。

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あ~~・・・ 表層をスプーンで掘ると出てきました。♀です(★)

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案の定、マット内のどこにも卵や幼虫は居りませんでした。
・・・と言うかそもそも、全く産卵坑がありません。産卵しようとすらしていなかったんですね。

痛い・・・ツライよ諭吉さん・・・



セットが悪かったのか♀自身の問題なのか気になったので、
その場で蔵卵確認をしてみました。するとやっぱり・・・


KIMG1329.JPG
お腹の中空っぽでした。
ハズレって本当に何も無いんだな・・・


こうして、WF1後継の望みは1ラインのみに託されることになりました。





、その残りの1♀。希望の1♀。託された1♀。
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あれからまた1回のセット替えを行ない通算4個目のセットに入ったのですが、沢山の坑道を掘った後ついに力尽きてしまいました。
この頃にはもう最初のセットには幼虫の姿も多数見えています。

ありがとう、
ハルマヘラから遥々遠い場所まで連れてこられて、
よくここまで頑張ってくれた!





  2021年初め

れから結局2ヶ月経ってしまいました。
年末近くなるとカレンダー作ったり年賀状作ったりしてる内に他の事が出来なくなってたのが要因。


当時は、卵だ!幼虫だ!と1mm2mmの世界に目を凝らしていたのに・・・

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(この初令幼虫 大きいナ~~)



KIMG1868.JPG
産卵セットを組んだ時に、多少のシロアリが混入していたのですが、
割り出しの際にもチョロっと出てきました。
幾分数が減ったような気もしましたが、2ヶ月経ったこの時点では原因の把握は困難です。


KIMG1863.JPG


 割り出しの結果

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【1回目のセット】
容器:1500ccブロー
産卵材:Nマット、シロアリ材&フレーク少々
期間:2020年9月8日~9月27日 18日間
回収数:3令♂×4頭 3令♀×11頭 2令×2頭  計17頭

初セットと云う事もあり、どのタイミングで親♀を次のセットに移せばいいか分からずに3週間近く置いていました。見えていた卵が数日後に見えなくなっていた(坑道を掘り続けていた親♀に潰された)事もあったので、もうちょっと早めにセット替えしても良かったかもしれません。
親♀を出して2週間経った頃10月12日に孵化した卵もありましたので、産卵し続けていたのは確定的でした。その間、消して少なくない数の卵が潰されたのではないかと思うと、勿体ない事この上ない。


KIMG1873.JPG
【2回目のセット】
容器:デジケースHR-1
産卵材:Nマット、シロアリ材&フレーク少々
期間:2020年9月27日~10月1日 4日間
回収数:3令♂×12頭 3令♀×4頭  計19頭

2セット目はたったの4日間だけでしたが多くの幼虫が得られました。1セット目でスイッチが入ったのでしょうかね?
ただ、1セット目と比較しようにもかなり期間に差があるので、
2セット目がハイペースだったのではなく、先に書いたように1セット目は30も40も産んでたんだけど減ってしまった・・・と云う可能性もあり、結局真実は分からないままですね。


【3回目のセット】
容器:800ccガラスビン
産卵材:生オガ発酵マット(アマミシカ幼虫で使用済み)
    シロアリ材&フレーク僅か
期間:2020年10月1日~10月13日 12日間
回収数:3令♂×3頭(割り出し中1頭死亡) 3令♀×3頭  計6(-1)

わずか800cc(俗に世間で言ってるだけで実際は600ccくらいだと思う)ながら、7頭の幼虫が採れました。
最初のあたりでも書いたように、投入した直後には既に産卵していました。ただ、その後壁面ビッシリに坑道を掘ったにも関わらず、見える卵が2個から先へ一向に増えないので、2週間近くこのままにして様子を見ていました。
結局その後も卵が増えたような様子も無く、「セットが悪いのかな」と思い4度目のセットに移したのですが、これによって「その意味」を理解する事ができました。


【4回目のセット】
容器:2000ccブロー
産卵材:カブトマット(アクタエオン幼虫で使用済み)
    シロアリ材&フレーク僅か
期間:2020年10月13日~
回収数:0頭

前回のセットで地上に出ていた親♀を取り出して、今度は使用済みカブトマットへ。
2000ccとは言えこれまでで最も大容量、♀もストレスが少ないだろうと期待を込めて投入、坑道も見る見る内に出来上がっていきました。もはや何重丸あるんだろ?と云うくらいには丸い坑道がありました。
ところが、坑道は沢山見えていても卵が全く見当たらなかったんですね。
♀もいつの間にか死んでいて、回収数ゼロと前回セットの様子を併せて考えるに、
「持っている卵を全て産み尽くした」と言っていいと思われます。


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結果的に、合計で41頭の幼虫を得る事が出来ました。
ちまちまと産んでいたからそんなに多くは採れてないと思ってたんですが、いざ合算すると充分以上の数が得られていたんですね。記事を書いている今になってこの数字に驚いています。

得られた幼虫達は、マットの在庫量に悩まされつつも全頭個別飼育
120ccカップ、430ccカップ、800ccビンorクリアボトル、1400ccクリアボトルと、一切の統一感を排除した上に、置く場所もランダムに配置。
これじゃぁ数を把握できてないのも仕方がないでしょ?





  2021年春

り出しが遅れたせいか、僅か3ヶ月程度しか経っていないのにぞくぞくと蛹室のシミが容器壁面に見えて来ています。
ネブトは本来なかなか蛹室内を見せてくれないハズなんですが、小さなカップで管理する♀においては結構蛹や新成虫が見えていました。

そんな中、♂幼虫と見ていたボトルでも中身がちょっと見える状態で1頭が羽化していました。
もうしばらくの間外から幼虫が見えなくなっていたボトルも多数あったので、その「見えていた1頭」を指標として魅惑の♂成虫初掘出しに手を出してしまいました。
やはり初飼育となると、新成虫が羽脱するまで我慢できないんですよ。


まず、中身が見えていた♂のボトルを暴いてみました。
外からは、ケツ(上翅の端っこ)しか見えてなかったのでどんなカオをしているのか知りません。

ティースプーンでマットを掻き出し蛹室に近付いていきます。
やがてボリッと当たる繭玉の感触に、期待は高まるばかりです。
(奇形かもしれないと云う心配は一切していない)









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おお、これが国内初(たぶん)のハルマヘラ産WF1か!!!
臨時特別給付金ありがとう!!

身体もしっかり固まっていてネブトならではの青みもでています。
3令で割り出したためにサイズはそれほど大きくなく、40mm程度。最大で50mm台後半になる種と考えれば結構小さめなのかもしれません。しかし兎にも角にも感動として大きかったのは新成虫♂が見られた事、そして何よりネブト系初羽化と云う新たな体験が出来た嬉しさ・・・でこの時ばかりはコクワ集めのプレッシャーを忘れさせてくれました

活動前なので、しばらく観賞した後ボトルのフタを閉めそのまま棚に戻します。


この1頭目の美しい姿を見て欲望に火が点きました。
他の♂はどうなっているか見たくないワケがありません。
外からは見て分からないけど多分蛹室を作っているであろうと、スプーンを突っ込んでみました!






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なにおめぇ赤くなってんだ。
調子に乗り過ぎました。

一旦冷静になりまして、もうちょっと待つべきかと思い留まる事にしました。





  2021年夏

れからさらに2~3ヶ月が経ちまして、♀個体は勿論の事、♂個体もいくつか羽脱してきました。

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ワイルドの弱弱しさにはハラハラしていたので、飼育品の身体の力強さを見るとホント~に安心します。
脚を畳んでガチッと擬死した腹側の様子は、オオクワファンから見ても何かキュンとくるものがあるんじゃないでしょうか。

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頭部のアップ。
画質がそれほど良いとは言えないのですが、シルエットだけでインパクト充分です。
芸術的な弧を持つこの大腮は、色々な角度から眺めたくなってしまいます。


また、西ニューギニアのレオポルディに比べると滑らかになる頭胸部の光沢もこの原名亜種の飼育を始めるにあたってキーポイントだったので、どのくらい違うかな? と思って(昔一度飼ったけど随分前の事だから忘れちゃったし)、某き〇こ園の飼育記の写真と同じ構図で撮ってみると↓↓
KIMG2681.JPG
違いますね。(あちらの画像と交互に見比べてみると分かります)
光沢も違いますが、パッと見て一番分かりやすいのは頭楯の没入具合の違いです。

KIMG2685.JPG
ホントにきれいなカーブの組み合わせでこのクワガタは出来てるんだなぁ~・・・


さて、割り出しの時点で♂と見られる幼虫は基本的に800ccのクリアボトルに入れたのですが、その800ccで羽化した最大はこの個体↓↓
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45mm。他の800cc♂個体は皆40mm台前半でした。

WILDで買った時に見た♂のサイズが43mmだったので、それを上回るサイズで嬉しいです。ただ、初めての幼虫飼育だったので50mmくらいになるものと思ってました、甘かったですね。割り出し遅れでこの容器では、これが精一杯のようです。


↑↑でこの時、1400ccに入れたヤツが1本在った事を忘れていたので、
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温室の奥からこれを見つけた時は瓢箪から駒が出たような気分でした。


期待の掛かるその中身ですが・・・

まだ地上に出て来た様子はなかったのですが、流石に羽化はしてるハズと思われるのでその場の勢いで掘り出し!

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ノギス当てた写真を撮ってませんでしたが、48mm
残念ながら大台の50は超える事が出来ませんでしたが、迫力は45mmのそれとは比べ物になりません。

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5cmも無いのに随分と重く感じます。これがネブトの世界か・・・


大方♂個体も掘り出したので、各容器で羽化した個体別に並べて撮ってみました。
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3~6mmの違いとは思えないほどのサイズ感がするのは自分だけでしょうか。
50mm超えたら、また違う虫に見えるんでしょうね。
次世代は勿論その領域を目指すつもりですが、明らかに容器サイズが影響しています。そうなると、F2幼虫の飼育スペースはきっと大変な事になるよ絶対・・・


そして、片や♀の方は、
KIMG2687.JPG
WILDと同じ様な20mm程度の個体も居れば、30mm近い個体も居ました。
きちんと測ってはいないのですが、サイズは大体この2つのパターンに分かれたような印象を受けました。♀は120ccと430ccのカップを使ったのですが、その違いではないみたいなんですよね。





  その後・・・

年、WILDのハルマヘラ産プラティオドン入荷は数にして3回・オークションでは5件分の出品があったのは前回書いた通りですが、この7月にまたハルマヘラ便クワガタが入荷しプラティオドンも入ったとの情報が公開されました。

まさか今年も入るとは思ってなかっただけに目を疑いました。
別血統を確保するチャンスだと思い、業者がオークションに出品するのを心待ちにしていたのですが、いつまで経っても出品されず・・・

数日経って、既に終了していたのを見逃したか?と思い終了品検索してみたもののそれすら無し。出品前に死亡したのか小売店に卸したのか・・・、真相は分からないままですが別血統入手は諦めて、WF1のブリードに着手しました。


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♂♀共に後食を開始していて、食べっぷりも見ていて気持ちが良いです。
よくネブトは「ゼリーで溺れる」なんて言いますが、ほんとにゼリーの中に浸かってる光景を初めて見た時は驚きますよ!焦らすよなぁ・・・
とっさに取り出してから「あッ!撮ればよかった・・・」と思った時の写真がこれ↑↑


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ひとまず、1個だけセットを組んでみました。
親は勿論最大個体、1♂2♀♀でペアリングも込みで投入しましたが、今現在のところ上手くいってるようです♪♪





ここまでが、
現在に至るハルマヘラ産プラティオドンのほぼ全てです。
一昔前(いや二昔前?)は流通が少なく一部のネブトマニアしか飼っていなかった原名プラティオドンですが、最近は随分とよく見るようになりました。モロタイ産の本亜種は今や挨拶で配る名刺かのごとく、「知り合った人にとりあえず渡すクワガタBest 5」に入るような虫になってしまいました(個人的感想)
ただ隣の島と云う違いで、片やタダ同然、片や5万円越え(WILDだけど)と云う理不尽極まりない残酷な虫になってしまった原名亜種ですが、魅力に溢れた虫である事は揺るがざる事実ですから、金額に関わらず大切に飼育し続けていきたいところです。


現在のところ国内には自分のところでしか累代されていないようですが、
いつか国内に広く出回る日が来るのかな・・・??


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挑む!ハルマヘラ島 -ネブト初攻略への道のり(後編)- [〆プラティオドンネブト (原名亜種)]

 ― 前回のあらすじ ―
2020年2月、インドネシア便の入荷産地として極めて少ないハルマヘラ便が入荷しました。その中からプラティオドンネブトクワガタを2ペア発見、いつかワイルドの外産ネブトで産卵を成功させたいと思っていた自分は思い切って入札へ参加。〈?*?*?***〉氏との競争の末にどうにか1ペアを落札し、多層構造のマットで産卵セットを組んだのですが――・・・





月分のインドネシア便の再出品がまだ行われていた、3月初めごろの事。

島内の詳細産地を知った例のツイッターにて、興味深い「やり取り」が行われているのが目に入りました。
それは、前記事で抱いたある疑問を解くヒント・・・考え方の一つを暗示するものであったのです。


「やり取り」――その内容は、
この輸入業者が、自分のところから生体を落札した人の投稿をリツイートしていて、その中で見ることが出来ました。

今回のハルマヘラ便で、ペア入荷がわずか4件だった【ある高額種】を1ペア落札した人に対し、
「当社で今回ペアで入荷したのは4つで、内2つは中国人と思われる人が落札した。おそらく国内でブリードされるのはあなた含めて2人だろう」
と云う内容をリプライ(返信)していたのです・・・!!

物申してきた相手に対し、自分の手落ちから来るクレームであれキチ〇イや死着詐欺師の口撃であれ即時ブロック、もしくはアカウント公表など派手な事を長年してきただけあって、落札者のプライバシーを守ろうなどと云う配慮は一切無いのでしょう。

しかし、そのおかげで判ったことがありました。
実はその【高額種】、自分も金額の動向をチェックする為に4ペアともウォッチリストに入れていたんですね。言うまでもなく、誰が落札したか確認しましたよ。



――そうです。察しが良い諸兄ならば既にお分かり頂けたかと思われます。

その2ペアを落札していたのが、
〈?*?*?***〉氏だったのです。

生き虫界隈で、風の噂でこんな話を聞いたことがあります。
「日本国内で出回っている外国産生体(日本産含む)を大量に仕入れ、台湾・中国・タイなど生き虫需要が伸びている国へ送る」
防疫の問題や航空路線の問題など、同じ事は日本でもやってはいます。ただ、日本から虫を調達する場合においては数々の利点がある事が想像できます。
その最たる理由は、日本が昆虫飼育&採集&輸入大国であることに尽きます。世界中から虫を輸入している日本ただ一国から虫を持ち出せば、わざわざインドネシアからカメルーンからペルーからと、原産国からチマチマと入手ルートを開拓する必要は無いワケです。日本の虫も人気無さそうに思えて、実はカブトムシとオオクワガタなんかは国外へ結構な量が持ち出されているらしく、この場合においても他国と違ってブリーダーもしくはキャッチャーを見つける事は大変容易。その人口が多くSNSもネット販売も共に盛況ですからね。

これを勘案すると、〈?*?*?***〉氏に対して浮かんでいた疑問――「なぜあんなに様々な種類の虫を落札していたのか?」――その動きはまさに、輸出用生体収集そのもの。
飼育用ではなく販売用だから、入札している種類も数もやたら多く、市場が成長中だから高額生体でもバンバン入札出来ると云うワケ。
勿論、推測の域を出てはいませんが個人的には納得できる理由です。

そうなると、今回のプラティオドンも我が家にいる1ペアを残してもう国内には残っていないと云う事になってしまうのですが・・・怖わっ・・・


--------------------------


そんなこんなで、
かくしてハルマヘラ便は、この4,000円台にまで落ちたアエノミカンス&最初からそんなに高くなかったテルナテヒラタを以って終了するかに見えたのですが――・・・




第4章 第2次 入札戦争
れ残り追加再出品のハルマヘラ産生体が無くなってからまだ数日しか経っていない、3月第2週の事でした。



  「今月もハルマヘラ産入荷」



前回の1便こっきりでハルマヘラの生体は終わりかと思われていた事もあり、SNS上では様々な反応が見られました。
特に、2便目が来たことで前回より価格が落ち着くことに関する話が多く、1便目で大枚はたいて買った事を後悔した人、高くて手が出なかったハルマヘラ便を今度こそ手に入れようと意気込む人、入荷が連続した事で希少性が薄れ興味が薄れてしまった人・・・

久し振りとは言え、2回目の入荷でやや食傷気味になってしまったハルマヘラ島産生体でしたが、輸入業者の説明ではどうやら今回の目玉はそこではないとの事。
なにやら、また別の珍産地が入荷したのだそうです。

バチャン島
カシルタ島

いずれもハルマヘラと同じモルッカ諸島の中にあります。
(地理的な位置関係については前記事にあります)
2つとも小さな島で、ハルマヘラ島以上に生体で虫が入荷しない産地。入荷した種類を見ると、
・テルナテヒラタ
・メタリフェルホソアカ(アエノミカンス亜種)
・ウォレスノコギリ
・トラグルスノコギリ(原名亜種)
と、先月のハルマヘラ単便のメインと同じです。
違う島とは言え、メタリやトラグルスも現在の分類上ではハルマヘラと同じ亜種。

果たしてこれらが市場でどういった目で見られるか気になるところではありますが、自分はそんなことよりももっと大事な虫に注目していました。


そう、今回もハルマヘラ島のプラティオドンネブトが入荷していたのです。

③ハルマヘラ産WD ♂31mm ♀22mmペア [3月18日 13時48分 開始]
④ハルマヘラ産WD ♂29mm ♀21mmペア [3月18日 14時5分 開始]
今回も同じく2ペアが入荷しました。少ないとは言え入荷してくれただけでも有り難い事ですね。
ペアと云う事は、多分材割ではなく樹液採集でしょうね。同じく樹皮やウロに居るテルナテヒラタを採り集めている最中に、副産物的に得られているものだと推察できます。(ハルマヘラ以外の島からはプラティオドンの入荷はありませんでした)

ただ、前回あれほどの金額が付いた事で味を占めたのか、開始価格が今回は20,000円スタートとちょっと上がってます。「どうせこのぐらいでも入札するんだろ~?」ってか!?
・・・しますよ・・・入れてやりますよ!


--------------------------


それから数日後。

2回目と云う事もあって、ハルマヘラ産の価格帯もやや抑え気味で、
・メタリフェル・・・5,000~8,000円ほど
・トラグルス・・・・11,000~13,500円
・ウォレス・・・・・18,000~20,000円
今回は前回にも増して多数のペアが入荷した事もその一因でしょう。

そして、バチャン&カシルタ両島の虫も、
・メタリフェル・・・6,000~10,000円ほど
・トラグルス・・・・9,000~12,000円ほど
・ウォレス・・・・・20,000円ほど
とハルマヘラよりはやや注目されていたものの、入札者各氏も冷静に落ち着いていてこの辺の価格帯から飛び出すことなく終了していきました。「ある虫」だけを除いて――


大本命、プラティオドン。
前回の落札額を知っているからでしょうか、今回の入札者は始めから自分とヤツの2人のみ。
そう、ヤツ――〈?*?*?***〉氏はやはり今回も参加してきました。

向こうもきっと、前回と同じ相手であることを意識しているはず。
前回55,000も出して1ペア落札してるんだから、今回はそれほど執着無いだろう・・・


終了間際の展開も前回と同じ、延長、延長・・・その末に――

〉〉 落札結果に続く・・・


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挑む!ハルマヘラ島 -ネブト初攻略への道のり(前編)- [〆プラティオドンネブト (原名亜種)]

これは、ネブトクワガタ飼育初心者による
入手から産卵までの奮闘を詳細に綴った
約7ヶ月間の記録である。




こんにちは、会長です。
やることなす事中途半端なこの夏の期間、せめてブログは月イチ更新で踏ん張ろうと、雨天の合間を縫って今回の記事を書いておりました。
前回は飼育ネタで増種に関わる記事でしたが、今回も同じく飼育ネタで増種記事です。

本当は採集記事でも書ければよかったんですけどね。
そう言ってまたコクワ採集を書いてもワンパターンが過ぎるので、オオクワ採集でも書きたいなと思ってたんですが今年はほとんど採れてないんですよね(汗)
しかも、県内メッカの某市においてはまだ採集数0頭!
それ以外で数えても、たったの4頭です。
(4頭が多いのか少ないのかは、人ぞれぞれの価値観によりますけどね)

こりゃもう家の中からネタを捻り出すしかねェな…と、これに手を付けたワケです。
(もっと色々あるだろうに…と自分でツッコミを入れたいくらい、ネタ探しが下手な自分が情けない)



第1章 小さな憧憬と軽やかな玉砕

回の主役はタイトルにもある通りネブトクワガタ、
それも外国産メジャー種のプラティオドンネブトです。

前回のオウゴンオニに引き続き、このブログではなかなか取り上げないグループのクワガタです。
自身、ネブト系の飼育は今まで2種経験があるんですが↓↓

プラティオドンネブト ニューギニア島西部亜種A. p. leopoldi
クーランネブトA. currani

いずれもセットを組んだところでハイそれま~で~ョ~と云う見事なまでの轟沈っぷり。ちなみにレオポルディはブリード品、クーランはワイルドでした。

多分、分かってくれる人も多いんじゃないかと思うんですが、そもそも国産種も分布していない東北~北海道の人ってネブトに対して苦手意識あると思うんですよ。どんなマット与えたらいいかって参考にしようにも、野外で生息環境見てないですし。

でも、そんなのは言い訳にならないですよね。飼ってるほとんどの虫は外国産だし、好きな虫なら出来るとこまで情報集めて実験と失敗を繰り返してでもブリードするのが当たり前ですから。


ネブト自体はビジュアル(造形)も好みだし、完全マット飼育のグループの中ではツヤやマルバネほどの膨大なスペースを要する事もないので、飼育願望は小学生時代から心の奥底にずっと持っていました。

そして上記2種の人気大型種に玉砕してからは、更なる苦手意識が強まったと同時に、
「いつか産卵を攻略してやろう、それもブリード品じゃなくワイルド物で!」
と云う具体的な目標が出来上がっていきました。
ネブトフリークではないのでAegus属なら何でもいいと云う訳ではなく、目的のものを特定の数種のみに絞りました(その数種についてはあえてここには書きません)

他の飼育種に目を奪われながら、それらが入荷するタイミングを気長に待っていたところ、今年になってある衝撃的な虫が入荷してきたのを発見したのです。




第2章 入札戦争



「ハルマヘラ島産プラティオドンネブト」


期は2月半ば
インドネシア便を扱っていていつもヤフオクに出品している輸入業者が、10年振りにハルマヘラの生体を入荷したとの事。
10年前当時の入荷(当時はビッダーズ)も記憶にあり、その時は
・メタリフェルホソアカ(アエノミカンス亜種)
・ウォレスノコギリ
・トラグルスノコギリ
・テルナテヒラタ
の4種は入荷していたのを覚えています。
しかし、プラティオドンネブトはたしか入荷は無かったはず・・・
(当時の入荷リストがHPに載ってたので確認しましたがその通りでした)

ネット検索でも、ハルマヘラ産の生体に関わるものはヒットしなかったので、
これは実質上の初入荷と云う事になるんじゃないか!?
にわかに色めき立ってしまいました。

同じプラティオドンでも、ニューギニア西部のレオポルディ亜種はブリード品は沢山出回っていますがワイルド入荷は近年では中々少ないです。それでも、2018年~2019年上半期に多少まとまった数が輸入されたのですが、自分の食指は動きませんでした。


それが今回、「ハルマヘラ」と云う馴染みの無いワードに触発されたのか、ヤフオクの出品画面を確認した後の行動は素早いものでした。

ウォッチリストに登録後、まだ入札者ゼロのハルマヘラ産プラティオドンに初手を打ち込みました。開始金額は18,000円

18,000円と云うと、ワイルドのネブト系だという事を考えればなかなかリスキーな金額。ドルクス系やノコギリ系の♀のように、「セットを組めばまぁ産んではくれる」と云う楽観が出来ません。ネブト系のワイルド品♀でよく聞く「ハズレ♀」を引いたら卵ゼロは当たり前だし、そもそもその確率が高いと云うのが厄介。
出品ページに実物画像が載っていても、「ハズレ」の見分けなんて付きません。
そんな博打があるもんですから、いかに「新しモノ好き」「ネブト好き」がこの世界に一定数居るとは言え、おいそれと手が出せず最初は様子見をするもの。

しかし、そこへ迷うことなく入札をかけることによって、
「もしかしたらこの虫意外と不人気で、俺でもワンチャン落札できんじゃね?」
と考えている競争相手の入札意欲を殺ぎ、そのような人達を少しでもこのレースから遠ざける効果を期待したワケです。

ちなみにこの時、出品は2つあって、
①ハルマヘラ産WD ♂30mm ♀19mmペア [2月17日 20時36分 開始]
②ハルマヘラ産WD ♂43mm ♀21mmペア [2月18日 6時4分 開始]
この内自分が入札したのは②の方。
①の方は、自分が出品を確認した時にはもう既に1件の入札が入っていました。

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――して2日後の夜、遂に決戦。終了時間が近づいてきました。

〉〉 いよいよ入札再開!


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