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今年初入手は [〆ギラファノコギリ (原名亜種)]

さて、今日は諸々の事情を考慮し画像を載せておりません。

さる今週14日、
今年初仕入れの虫が到着いたしました。


この種類は、今年からの我が家のメイン種を非常に分かりやすく表した虫とも言え、
前々から「本当に」飼いたい種類として入手の機会をうかがっていたものです。








ギラファノコギリ(原名亜種) タイ チェンマイ県 ドイインタノン





ギラファノコギリは現在9亜種おり、その全てが過去に国内に生体で持ち込まれ
飼育されておりますが、
近年輸入業者の数が極端に減って野外個体が採集される数や産地の種類が限定されるようになり、さらに流通の中継ぎをする販売ショップも激減したことで、
かつて多様な産地から入荷があった本種ギラファも末端の飼育者は一部の大量入荷産地を除きほとんど拝む事が出来なくなりました。
(これは生き虫業界全体に言える事ですね)

ギラファ(原名亜種)
ボロブドゥール
ダイスケ
ケイスケ
ニシカワ
ニシヤマ
ニルギリエンシス
マキタ
ティモーレンシス の9亜種の内、毎年手に入るのは


ボロブドゥール
ケイスケ
インドネシアで安定して採集されていて採り子もきちんといる島の産地なので
取り扱う業者が毎年仕入れている。
ジャワ島からの大量入荷があるボロブドゥールは早ければ1月頃から輸入され、
最大亜種ケイスケは近年ロンボク島とフローレス島の2島から大量に安定して輸入され
まず2~3月になると先にロンボク島産が持ち込まれ、
続いて3~4月になるとフローレス島産が入荷するようになる。
入荷シーズン終了は晩夏の頃になり、インドネシア系の亜種は大体時期は一緒(?)


このたった2種類のみ!……
比べてこの他の亜種はいきなり野外個体の入荷が不安定になります。

次いで、多く国内流通しているのは


ニシヤマ
スラウェシ島や周りの島嶼が生息地だが、
同じインドネシア産でもまとまった数が採れない。
腹部が赤くなり大腮の形や小型な点で新亜種に分類されてもおかしくない南スラウェシ半島沖のSelayar島や、
メタリフェルホソアカが冬季によく入荷する事でお馴染みのバンガイ諸島のペレン島をはじめ
スラウェシ本島以外からは滅多な事で生体が国内に出回る事が無い。
ペレン島に関してはギラファの発生時期がメタリフェルと重ならないから入荷しないというより、採り方がギラファとメタリフェルでは違うから入荷が稀なのだと考えれば納得できそうである。同じノコギリであるファブリースの入荷がほぼ無いのもその理由であれば、なんだか辻褄が合うような気がするし。
昔は、ミナハサ半島や南スラウェシ半島などスラウェシ島の各地で採集され流通していたのを見たが今では、島内の虫が集められるパル周辺のラベルの物がほとんどである。


ティモーレンシス
現地では沢山採れるが、同島から仕入れる虫の種類が少ないのが問題だからか
(つまりインドネシア産クワガタで一定の需要があるヒラタが生息していないから?)、
輸入するかは業者の気まぐれ状態なのか、安定した入荷が無い。
島自体はインドネシアと東ティモールで領土が分かれていて後者の地域は治安の問題で虫の採集云々どころではないと思うが、一方前者は空港などの問題も無く(多分…)入荷自体問題ないと思う。
以前ネットで、東ティモール産として表記されていた物が生き虫として紹介されていたのだが、本当に東側からの個体なのかどうか個人的には疑問である…


マキタ
毎年入荷があるが、入荷数が毎年1桁~ギリ2桁ちょい程度のペアのみで
入荷シーズンを狙って準備をしておかないと入手出来ないレベル。
シーズンは9月から始まり、フィリピン産亜種はどこも大体時期はこのくらいのよう。


このくらいでしょうか。

あとはもう、奇跡的に入荷するのを気を長くして待たないと
国内に持ち込まれる事が無いでしょう↓↓


ギラファ(原名亜種)
大陸便を輸入する業者でも運が良くないと数も集まらない。
特に大陸便を扱う業者はオオクワ系のドルクスを中心に集めて扱う傾向が多いので、雑クワガタ?とでも言うべきギラファはあまりお金にならないのでドルクスのおまけ程度で入荷するような形で輸入される。
インド・ミャンマー・タイ・マレーシア・カンボジア・ベトナムあたりの国の物はたまに流通しているが
この内タイは、大陸各国の内で特に昆虫の入荷が多いにもかかわらず、ギラファは他の種類のクワガタと違って採集や持ち出しが厳しく、今ではまず野外品の入荷は見られない。
また、昔から人気昆虫が集中し輸入も盛んなマレー半島産も、個体数が少ない所為か滅多に採集されない。


ダイスケ
飼育個体がよく出回るネグロス島では環境悪化で現在入荷なし?
インターメディアツヤの入荷個体数も減少しているようなので、元々個体数も少ないギラファなら尚更である。
近年話題のパナイ島産は、出どころは一つしかない。天然個体を直接そこへ予約するしかない。
シブヤン島からはヒラタがたまに入荷しているが、残念ながらギラファのギの字も影も形も無い。


ニシカワ
場所が場所なだけに、野外個体の入手の機会はまず無いと思う。
わざわざ狙ってこの島に採集しに行くような国内業者でなければこの島からクワガタを生体でもたらすことは無いのだろう…
飼育品もまず一般に出回らないので、コネでも無ければ標本すら入手出来ないだろう。


ニルギリエンシス
インドと云う昆虫持ち出しに厳しい国柄は勿論、現地での採集方法の効率の悪さ?と、採集時密林での野生肉食動物との接触の危険性が
本亜種流通の妨げになっているようで
野外品生体が輸入される事は現在ではほぼ絶望的か。



この内入手した今回の原名亜種は、タイ産で
飼育品で尚且つ初令幼虫なのですが、幼虫で入手しただけに成虫になるまで一抹の不安も無きにしも非ずではありますが…

因みに、原名亜種は分布が広く
バングラデシュ・インド・ネパール・ブータン・ミャンマー・タイ・中国・ラオス・ベトナム・カンボジア・マレーシアが原名亜種として分類されていますが、
広い地理に及んでいるだけに、各地の個体を書籍やネットで見ていると
それぞれの地域ごとに顔が違って見えます。
特に印象が変わるのがミャンマーの西と東。
ヒマラヤ山脈~パトカイ山脈(ネパール・ブータン・インドシッキム州/ウェストベンガル州/アルナーチャルプラディッシュ州/アッサム州/メガラヤ州/ナガランド州/マニプール州/ミゾラム州等)、
ミャンマー東部~南東部~タイ北部~タイ中西部~ラオス北部、
ベトナム南部~カンボジア、マレーシア…
♂の外見だけでみていくと、
2パターン・3パターン…とグループ分け出来そうです。

その中で、個人的に一番野暮ったい外見のタイ北部~ミャンマー南東部産の入手する機会をうかがっていたのですが、この付近の産地の野外品個体は現在特に入手が難しく、
タイでは保護種になっているだけあって日本に持ち込まれる事も滅多になくなりました。
去年も本当に僅かながら専門店に入荷したようですが、スタートダッシュが出遅れて気付いた時には買い遅れ。
と云う訳でこんな感じで?幼虫を飼育する機会を得て今に至ります。


これで現在我が家にはギラファ3亜種、
ニルギリエンシス
マキタ
原名亜種
が居る事になります。
原名亜種はあと1~2産地くらい入手したいな…

今後全ての亜種を揃える!なんてつもりは毛頭ありません
(特にケイスケボロブドゥールは飼育意欲が湧かないので)が、
現在のところ過去に絶やしたティモーレンシスをはじめ
是非とも飼育したい亜種がいるので今年中にまたギラファの種類が増えるでしょう。
そうなれば、亜種間の違いも色々な面で少しは分かるかも知れません。


今回の入手元では、これまで100mm程までしか最大で出ていないとのことなので、
公に知られている最大サイズ110mmにうちの飼育でどれだけ近づけるか挑戦になります。
まずは最低でも100mmを目指します。



           新しく入荷した在庫   1種類
         ブログで紹介した在庫  77種類
               全ての在庫  10種類



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