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プロジェクト・・・ ブ・・・ [メタリフェルホソアカ (フィナエ亜種)]

青森では昨日、遂に平地にも雪が降ってきてしまいました。
最後に採集に行ったのももう1ヶ月ほど前になりますが、あと1回くらいは山に行きたいところです。

さて、去年の暮れに書いたペレメタですが、
ひとまず現時点で一区切り付きましたので、WF1の結果発表として記事をまとめていこうかと思います。
前回の記事では “色々” と欲張った事を書いてましたが、その後はいかに・・・




*目次(前回からの続きです)

4.WF1羽化報告

5.次世代ブリードの方向

6.F2割り出し





4.WF1羽化報告
去年11月に割り出した2系統の幼虫は、その後同じ温室内にまとめて管理していました。
最初小さなカップに入れていた幼虫については、既に手遅れになるほど育ってしまったものの正月期間にエサ交換を行ない、その後は無交換で羽化まで管理しました。

KIMG5674.JPG
♀個体は皆、3月から4月の間に羽化して、♂個体ではこの写真の個体が他に先駆けて蛹化しました。マットが合わなかったのか地上蛹化してしまった個体だったので、久し振りに人工蛹室を作って羽化してもらいました。羽化の瞬間には立ち会えなかったですが、この2枚を並べて見ると、昆虫飼育の本懐ってこうした変態過程を観察する事に在るんだよなぁと思い出させてくれます。

夏になり、♂も羽化個体が大体出揃いました。
全頭ではないですが、その羽化結果を以下に載せていきます。


【産地】ペレン島
【累代】WF1 (親はWILD2系統 AB
【使用マット】割り出し時:荒目/微粒子混交、添加有り
       交換時:LBマット(きのこの山 製)

P7230072.JPGP7230068.JPGP7230084.JPGP7230088.JPGP7230075.JPGP7230070.JPGP7230077.JPGP7230082.JPGP7230079.JPGP7230086.JPG

P7230065.JPG
記事冒頭の人工蛹室羽化写真の個体が、このB-1です↑↑。
P8030109.JPGP8030111.JPG

以上、計13個体を挙げました。

前回の記事にて、割り出した時はほぼ同数くらいの幼虫が採れていましたが、結果的にちょっとAとBの比率が偏っています。
Bの♂が少ないのは、♀に偏ったワケではなく死亡個体が多かった事に依ります。
上記が全ての羽化♂個体ではありませんが、データを見るとほとんどが1回の交換を経ています。(前回記事の)割り出し時の仕分け写真を見ると、Aは大多数を小さなカップに入れたためその後の交換を余儀なくされているのに対し、Bは最初から大きな容器に入れてあり「一本がえし」が出来る状態にありました。
結果的に、Bはマット無交換で蛹室を作った後に前蛹や蛹で死亡した個体が多く、原因としては
1.ブレンドしたマットにさらに添加剤も加えた事で悪影響が出た
2.Bの系統が体質的に弱かった
のどちらかと考えられました。
その証左と云うワケではないですが、最初に蛹化した♂も無交換のBでしたし(しかもマット上で)

P8030113.JPG
ただし反面、サイズはBの方が優秀でした。
A♂最大・・・84.5mm(A-10)
B♂最大・・・88.5mm(B-3)
Bの88mm2頭に関しては、最大のB-3こそ1400ccボトル羽化ですが、2番手のB-2は800ccで羽化しています。また、大腮もよく観察してみると、最大内歯から先半分の伸び・肉付きもAよりBの個体群の方が全体的に良く見えます。Aのアゴ先はBに比べて、伸び方に余裕が無さそうに見えます。
ちなみに、これ以前の自己最大記録86mmだったので、少しですが更新できました。
 【これ以前の自己最大記録】
   ⇒ 2010-12-30 『WILDを待ちながら…』
ただ、今の時代では90mmオーバーもしっかり羽化させている飼育者も多くいるので自慢にはなりませんな。

P8030125.JPG
※話と関係無いですが、TG-6で真正面から深度合成して撮ってみました。うわぁぁエイリアン!

ちなみにちなみに、WILD親では、腿節黄紋ブルーの♂個体を追い掛けした(はず)ですが、勿論何も発現していませんよ!


次に♀の方ですが、♂のように写真とデータを残しておくつもりだったんですがすっかり失念していました。
データは無いものの♀飼育もちょっとしたしくじりを犯していて、羽化ズレを警戒して♂との温度差を作ろうと縦長の温室の一番下(つまり一番低温になる場所)に多くの♀幼虫を配置していたのですが、温度帯が低すぎたのか(はたまたマットか)羽化出来ず多数の死亡個体を出してしまいました。
その中で運良く羽化出来た個体も、ホソアカのくせに変な休眠癖がついてしまうと云う厄介な状況に陥るものが出てきてその後の管理に支障が出ました。
サイズとしては、次世代を採る事を考え大きめの容量で飼育した事もあり28~29mmクラスが多数出てきてくれました。野外品は、通常22~25mm程度のものばかりで小さいので、大きさに拘る点で言えば成功と言えます。ネットで調べる限りでは30mmオーバーも出たりするようですが、自身の経験上こうしてしっかり♀を大きくした事は無かったのでこれでも満足です。



5.次世代ブリードの方向
さて、こうしてWF1が出揃った状態ですが、ここからがブリード本番。
前記事で掲げた「色彩固定」「特大♂羽化」の目標に取り組むための準備段階がこのWF1。ここから個体選別をして理想個体の追求をスタートします。

・・・いや、する「はず」だったんですけどねぇ。

先に書いた通り、割り出した個体のうち羽化できた個体はあまり多くなく、生育不全や休眠バグ(寝たきりみたいな♀個体)を生じた個体も少なからずいました。

おまけに、ブリード上気になるダニの存在も強大でした。
前回の記事でも少し触れましたが、割り出した幼虫の多数にコナダニ?のようなしつこいダニが密集して付着していて、羽化して以降もそのまま居付いていて、ダニが付いていない成虫の方が少ない状況でした。

そんな状態でしたから、特に♀個体については選択肢が少なすぎました。
新成虫の色味もほとんど個体差は見られなかったので、ひとまず今期は「色彩」については目を瞑る事にしました。
幸い、♂最大個体B-3はダニも付いておらず奇形にもなっていないので、同時期に活動していた29mm♀とペアリングさせる事にしました。大型化飼育には充分な親ですね。
KIMG6570.JPG
♂B-3の管理容器(1400ccクリアボトル)でペアリングさせ、セットへ移しました。

〔セット内容〕
【セット日】9月5日
【容器】Beケース 中
【マット】FARM'S製 微粒子添加マット 3リットルほど
【産卵木】なし
【ゼリー】なし ※♀親が直ぐに潜っていった為



6.F2割り出し
セット後、1ヶ月以上経ってもケース側面には幼虫はおろか卵も見当たりません。
正直、マットが合わなかったか?と焦りましたが、10月も下旬に入って漸くケース側面に僅かに幼虫が見えてきました。この時期にはもう他の♀個体もヨタヨタだったので、これで失敗すると累代終了になるところでした。

今年、BE-KUWAレコードで掲載されていたメタリフェルの飼育記事に倣い、今回は割り出し作業をする2週間前10月25日にカップへマットを詰めておき管理環境に馴染ませておくことにしました。
KIMG7008.JPG
さらに一工夫。前回、カップで飼育し続けた個体の死亡率が高かった事を踏まえ、通気を確保する為にカップの蓋中央に15mm四方の穴をあけてメッシュシールを貼りました。
面倒ですが、手持ちの空き容器と温室のスペースに余裕が無い事情があり、カップを使わざるを得ませんでした。

マットはWF1でも一部の個体に使ったLBマットを採用。


そして迎えた割り出し当日。11月7日
KIMG7049.JPG
割り出す前のケース外観。
右が産卵ケース。そして左がペアリングをしていた1400クリアボトル。

ところでこの写真↑↑、なぜクリアボトルまで一緒に撮っているのかと云うと、

KIMG7050.JPG
なんと嬉しい誤算! 実はペアリングケース内で産卵していたみたいで、割り出しの数日前にボトル底面に幼虫が見えていたんですよね。

一時はセット失敗すら想像したものですが、その時の心境がウソの様です。






KIMG7053.JPG
 結果・・・幼虫10頭 卵2個

ちょっと・・・シブい・・・!
幼虫は、産卵ケースで8頭(全て2令)、ペアリング容器が2頭(全て3令)

産卵数が思い通りの丁度いい数にはそうそうならないものですが、できれば15頭以上採りたかったので、用意したカップも結構余ってしまいました。
卵も2個採れましたが、透けてて生きているようには見えないのでノーカン扱いになりそうです。

KIMG7057.JPG
心許ない数ですが、その分きちんと管理して更なるサイズアップを成したいですね。



以上、2023年メタリWF1飼育完結! F2へと続きます・・・!



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