セラートゥスの不安 ~割り出し5連続~ [セラートゥスネブト]
こんばんは、資料集めに買った文献がダブりだった事が判ってガッカリしている会長です。しかも、2冊です。
先週は、念願だったキミオイゴホンヅノカブトを見事に全滅させてしまった事を書きました。今回は続いて、同じく長期間放置をかましていたセラートゥスネブトの割り出しを書いていきます。
辛い内容ばかり(先に書いておきます)ですが、変にリキまず書けるのである意味気が楽です。
今世代=F2は、全部で5セットを組みました。
【セット内訳】
①2023年6月30日セット
容器:ブロー容器2000
マット:D. h. リッキー食べカス(月夜野きのこ園完熟マット)+生オガ発酵マット少し
(充填量は容器の5分の1)
管理温度:24℃前後(夏季は23~28℃)
②2023年7月22日セット
容器:DAISOガラスビン 2リットル
マット:ルカヌスマット(マスターズ製)
管理温度:24℃前後(夏季は23~28℃)
③2023年9月18日セット ♂3頭・♀4頭
容器:コバエシャッター 小
マット:ルカヌスマット(マスターズ製)
管理温度:24℃前後
④2023年10月18日セット (③から1♀移行)
容器:クリアボトル 800cc
マット:F2幼虫食べカス(銘柄なんだっけな~)
管理温度:24℃前後
⑤2023年10月28日セット (③から1♀移行)
容器:クリアボトル 1100cc
マット:D. h. リッキー食べカス・フン混み(月夜野きのこ園完熟マット)
管理温度:24℃前後
セット時期、マット、何から何までバラバラです。
F1世代時にイケたマットを新品で使ったり、「袋に何も書いてないけど何だっけコレ?」みたいなのを間に合わせでブッ込んだりしました。もう3世代目なので、セッティングも必要以上に緊張せずに色々試してみました。決して行き当たりばったりではありません、決して。
セット後、①~④では容器側面に丸い産卵坑が見えていて、
手応えも十分・・・と云った感想を持っていました。
【割り出し】
それから数ヶ月を経て現在、
親虫は全て死亡しあとは割り出すのみと云う状態。
前回記事同様、すっかりなおざりにされたセットを処分すべく、
2月11日に全てのケースの割り出しを行ないました。
「処分」・・・と言うのも、
セット後なかなかの時間が経過したにもかかわらず全然幼虫の姿が見えてこないからです。おまけに、水分が徐々に抜けてきたマットがそのまま萎縮している状態。幼虫がいれば、マットが撹拌されて動くはずですがそれもないワケです。
もはや年貢の納め時だと思っていたので、「処分」と言った方が合ってるのです。
もう正直言って、現実を直視するのが怖くて開けたくありません。
とりあえず、一番小さな④から手を付けることにしました。
先週は、念願だったキミオイゴホンヅノカブトを見事に全滅させてしまった事を書きました。今回は続いて、同じく長期間放置をかましていたセラートゥスネブトの割り出しを書いていきます。
辛い内容ばかり(先に書いておきます)ですが、変にリキまず書けるのである意味気が楽です。
今世代=F2は、全部で5セットを組みました。
【セット内訳】
①2023年6月30日セット
容器:ブロー容器2000
マット:D. h. リッキー食べカス(月夜野きのこ園完熟マット)+生オガ発酵マット少し
(充填量は容器の5分の1)
管理温度:24℃前後(夏季は23~28℃)
②2023年7月22日セット
容器:DAISOガラスビン 2リットル
マット:ルカヌスマット(マスターズ製)
管理温度:24℃前後(夏季は23~28℃)
③2023年9月18日セット ♂3頭・♀4頭
容器:コバエシャッター 小
マット:ルカヌスマット(マスターズ製)
管理温度:24℃前後
④2023年10月18日セット (③から1♀移行)
容器:クリアボトル 800cc
マット:F2幼虫食べカス(銘柄なんだっけな~)
管理温度:24℃前後
⑤2023年10月28日セット (③から1♀移行)
容器:クリアボトル 1100cc
マット:D. h. リッキー食べカス・フン混み(月夜野きのこ園完熟マット)
管理温度:24℃前後
セット時期、マット、何から何までバラバラです。
F1世代時にイケたマットを新品で使ったり、「袋に何も書いてないけど何だっけコレ?」みたいなのを間に合わせでブッ込んだりしました。もう3世代目なので、セッティングも必要以上に緊張せずに色々試してみました。決して行き当たりばったりではありません、決して。
セット後、①~④では容器側面に丸い産卵坑が見えていて、
手応えも十分・・・と云った感想を持っていました。
【割り出し】
それから数ヶ月を経て現在、
親虫は全て死亡しあとは割り出すのみと云う状態。
前回記事同様、すっかりなおざりにされたセットを処分すべく、
2月11日に全てのケースの割り出しを行ないました。
「処分」・・・と言うのも、
セット後なかなかの時間が経過したにもかかわらず全然幼虫の姿が見えてこないからです。おまけに、水分が徐々に抜けてきたマットがそのまま萎縮している状態。幼虫がいれば、マットが撹拌されて動くはずですがそれもないワケです。
もはや年貢の納め時だと思っていたので、「処分」と言った方が合ってるのです。
もう正直言って、現実を直視するのが怖くて開けたくありません。
とりあえず、一番小さな④から手を付けることにしました。
2023年羽化報告 セラートゥスネブトクワガタ [セラートゥスネブト]
前回、WF1の羽化まで書いたセラートゥスネブト。
サイクルの早いネブト、前回が13ヶ月前と云う事で今はもうとっくにF2世代が羽化しています。オークションなどで国内に散らばった兄弟達の中には、もう既にF3幼虫が生まれているところもあると思います。
今回は1年振りと云う事で、ざっくりと羽化報告していきます。
【産地】ハルマヘラ島
【累代】F2
親WF1の♀を2個体・およそ3セットを組み、2022年秋に多数の幼虫が生まれました。得られた幼虫は120ccカップ、200ccカップ、500ccガラスビン、800ccガラスビンを使って飼育を開始。
特に今世代は前回がほとんどカップ飼育だった点からもうちょっと大型化を意識し、♂のビン飼育頭数を増やしました。
3月には早くもカップ組が続々と羽化、4月には続々と羽脱個体が見えるようになってきました。この時の雌雄比としてはやはり♀が圧倒的多数で、僅かに♂もいましたが〔15:1〕くらいのもので、先行きに不安を覚えるほどでした。
5月に入ると遅れてカップ組の♂達も羽脱。数もちょっと増えてきたので、一部はオークションに回したりもして調整もしましたが微々たるものでほとんどは鑑賞飼育同然でした。
また、カップ飼育組の♂の一部は、エサが足りなくなりやや幼虫期間が延びてしまいました。恥ずかしながら、マットを足すまで長期間空いてしまい、しばらく陸上生活を強いてしまってました。
ビン組は数が少ないですが、カップ組が大多数羽化した後も順調に幼虫をやっていて、8月初めに掘り出した時には、羽化していたもののまだ蛹室に留まっている状態でした。
・・・以上がざっくりとした飼育経緯です。
3個体だけ気まぐれに背面写真を撮っていたので、あまり変わり映えはしませんがデータを載せておきます。
♂①
2022年10月14日 割り出し 120ccカップへ
2023年 6月20日 羽脱確認(※羽脱当日ではない) 27mm
♂②
2022年10月14日 割り出し 120ccカップへ
2023年 6月20日 羽脱確認 27mm
♂③
2022年11月13日 割り出し 120ccカップへ
2023年 6月20日 羽脱確認 23mm
今世代で使ったマットは、主に
・完熟マット(月夜野きのこ園)
・Beetleマット(ダイナステスマスターズ)
だったかな・・・? 記憶がちょっと曖昧です。ただ、いずれにしても世のネブトブリーダー様方から「そこに愛はあるんか?」と叱責を受けそうな銘柄ですね・・・
その所為か、実は上記のサイズがなんと今期最大!
ビンで羽化した個体達もこれ以上になりませんでした。
↑↑こんな風にキレイにど真ん中に蛹室を作ってくれたビン羽化のコイツも27mm。
幼虫期間も容量もまるで違うのに結果が一緒と云う、非常に情けない結果となっておりました。マットも、特にブレンドや添加などしていないプレーン使用でしたから、結果がパッとしなかったのは必然でしょうね。
なお、最小個体は21mmでしたが、サイズは仕方ないにしても歯型が変わっていなかったのはちょっと残念でした。小さくなればもっと形が変わると思っていましたからね。
歯型と言えば、上記の①と②の個体、見比べると微妙に大腮の湾曲具合が違います。これも累代が浅い故の面白さなのでしょうが、①の方が湾曲が弱く、対して②は湾曲が強くなっています。GIF画像でも作れば判りやすいんだろうけど、メンドクサいからもういいや。
さて、次のF3に向けて現在セットを組んでいるのですが、産卵行動は観察できているもののその後の動きが見られず難航しています。
使ったマットの問題か、マット内にカビが目立っていて、卵がかつて見えていたところもその跡が判らないくらいにカビて幼虫も見えません。
秋になり、生存個体数も残り少なくなってきた事から、思い切って一斉投入してみる事にしました。
♀4頭、♂3頭。これを小ケースにまとめてぶち込みました。
10月中旬時点、ほとんど産卵の動き見られず!
そんな危ない雰囲気の漂ってきた10月16日、
むし社からDM便が到着しました。
察しのいい方・もう読んだ方はお分かりでしょう、
BE-KUWA最新号です。
何を隠そう、今年のレコードに本種を申請した「掲載者賞品」として送られたものです。
13日(金)には送って頂けたようですが、本だけで送ってもらう場合は土日が配達休みになってしまい、到着するまでは時間が掛かります。さらに、「掲載無し」の場合は送られてきませんから、自分の虫が掲載されたか判るまでの時間が非常に長く感じます。ついでに、近年は「専門店購入や電子書籍版購入した人が正式発売日前にネタバレする」と云うトラブル(?)もあり、個人的にストレスも抱える時期でもあります。
それでも、無事に掲載されたのでホッとしました。
(ページ都合で台湾ブリーダー勢の隙間に差し込まれてたのは苦笑しましたが)
掲載されたのはWF1の最大個体。F2世代ではコイツを抜いて野外最大越えする “予定” だったので、前記事では堂々と背面写真を載せてしまっていました(記事の終わりのところの写真です)。応募しづらいと思われる小型種なので、今回はひとまずの指標と云う事で全国のセラートゥス飼育者の更新を楽しみにしています。
加えて、記事とは関係ありませんが今年で2年連続更新となった奈良氏のオオクワガタ! この時代に、更新した自分の記録を自分でまた更新するってのは・・・もう、なんて言うか、・・・なんじゃそりゃ!? 違うか、適した言葉が出てきませんね。
ちなみに、一度のレコードコンテストに青森県民が2人掲載されたのは今回初めてです。(自分のは応募規定ギリギリだったけど)個人的にはココが結構嬉しいポイントでした♪♪
サイクルの早いネブト、前回が13ヶ月前と云う事で今はもうとっくにF2世代が羽化しています。オークションなどで国内に散らばった兄弟達の中には、もう既にF3幼虫が生まれているところもあると思います。
今回は1年振りと云う事で、ざっくりと羽化報告していきます。
【産地】ハルマヘラ島
【累代】F2
親WF1の♀を2個体・およそ3セットを組み、2022年秋に多数の幼虫が生まれました。得られた幼虫は120ccカップ、200ccカップ、500ccガラスビン、800ccガラスビンを使って飼育を開始。
特に今世代は前回がほとんどカップ飼育だった点からもうちょっと大型化を意識し、♂のビン飼育頭数を増やしました。
3月には早くもカップ組が続々と羽化、4月には続々と羽脱個体が見えるようになってきました。この時の雌雄比としてはやはり♀が圧倒的多数で、僅かに♂もいましたが〔15:1〕くらいのもので、先行きに不安を覚えるほどでした。
5月に入ると遅れてカップ組の♂達も羽脱。数もちょっと増えてきたので、一部はオークションに回したりもして調整もしましたが微々たるものでほとんどは鑑賞飼育同然でした。
また、カップ飼育組の♂の一部は、エサが足りなくなりやや幼虫期間が延びてしまいました。恥ずかしながら、マットを足すまで長期間空いてしまい、しばらく陸上生活を強いてしまってました。
ビン組は数が少ないですが、カップ組が大多数羽化した後も順調に幼虫をやっていて、8月初めに掘り出した時には、羽化していたもののまだ蛹室に留まっている状態でした。
・・・以上がざっくりとした飼育経緯です。
3個体だけ気まぐれに背面写真を撮っていたので、あまり変わり映えはしませんがデータを載せておきます。
♂①
2022年10月14日 割り出し 120ccカップへ
2023年 6月20日 羽脱確認(※羽脱当日ではない) 27mm
♂②
2022年10月14日 割り出し 120ccカップへ
2023年 6月20日 羽脱確認 27mm
♂③
2022年11月13日 割り出し 120ccカップへ
2023年 6月20日 羽脱確認 23mm
今世代で使ったマットは、主に
・完熟マット(月夜野きのこ園)
・Beetleマット(ダイナステスマスターズ)
だったかな・・・? 記憶がちょっと曖昧です。ただ、いずれにしても世のネブトブリーダー様方から「そこに愛はあるんか?」と叱責を受けそうな銘柄ですね・・・
その所為か、実は上記のサイズがなんと今期最大!
ビンで羽化した個体達もこれ以上になりませんでした。
↑↑こんな風にキレイにど真ん中に蛹室を作ってくれたビン羽化のコイツも27mm。
幼虫期間も容量もまるで違うのに結果が一緒と云う、非常に情けない結果となっておりました。マットも、特にブレンドや添加などしていないプレーン使用でしたから、結果がパッとしなかったのは必然でしょうね。
なお、最小個体は21mmでしたが、サイズは仕方ないにしても歯型が変わっていなかったのはちょっと残念でした。小さくなればもっと形が変わると思っていましたからね。
歯型と言えば、上記の①と②の個体、見比べると微妙に大腮の湾曲具合が違います。これも累代が浅い故の面白さなのでしょうが、①の方が湾曲が弱く、対して②は湾曲が強くなっています。GIF画像でも作れば判りやすいんだろうけど、メンドクサいからもういいや。
さて、次のF3に向けて現在セットを組んでいるのですが、産卵行動は観察できているもののその後の動きが見られず難航しています。
使ったマットの問題か、マット内にカビが目立っていて、卵がかつて見えていたところもその跡が判らないくらいにカビて幼虫も見えません。
秋になり、生存個体数も残り少なくなってきた事から、思い切って一斉投入してみる事にしました。
♀4頭、♂3頭。これを小ケースにまとめてぶち込みました。
10月中旬時点、ほとんど産卵の動き見られず!
何かのカウントダウンが聞こえてくる・・・
そんな危ない雰囲気の漂ってきた10月16日、
むし社からDM便が到着しました。
察しのいい方・もう読んだ方はお分かりでしょう、
BE-KUWA最新号です。
何を隠そう、今年のレコードに本種を申請した「掲載者賞品」として送られたものです。
13日(金)には送って頂けたようですが、本だけで送ってもらう場合は土日が配達休みになってしまい、到着するまでは時間が掛かります。さらに、「掲載無し」の場合は送られてきませんから、自分の虫が掲載されたか判るまでの時間が非常に長く感じます。ついでに、近年は「専門店購入や電子書籍版購入した人が正式発売日前にネタバレする」と云うトラブル(?)もあり、個人的にストレスも抱える時期でもあります。
それでも、無事に掲載されたのでホッとしました。
(ページ都合で台湾ブリーダー勢の隙間に差し込まれてたのは苦笑しましたが)
掲載されたのはWF1の最大個体。F2世代ではコイツを抜いて野外最大越えする “予定” だったので、前記事では堂々と背面写真を載せてしまっていました(記事の終わりのところの写真です)。応募しづらいと思われる小型種なので、今回はひとまずの指標と云う事で全国のセラートゥス飼育者の更新を楽しみにしています。
加えて、記事とは関係ありませんが今年で2年連続更新となった奈良氏のオオクワガタ! この時代に、更新した自分の記録を自分でまた更新するってのは・・・もう、なんて言うか、・・・なんじゃそりゃ!? 違うか、適した言葉が出てきませんね。
ちなみに、一度のレコードコンテストに青森県民が2人掲載されたのは今回初めてです。(自分のは応募規定ギリギリだったけど)個人的にはココが結構嬉しいポイントでした♪♪
さて・・・、そろそろちゃんと飼育作業再開しないとな・・・
確定! セラートゥスネブト [セラートゥスネブト]
このネブトクワガタ界隈で、俗に
「ネブトガチャ」
などと云う言葉があるのをご存知でしょうか。
詰まる話、ギャンブル要素があると云う事なのですが、
おおかた2つほどの意味があります。
①野外採集の生体♀の中で、卵を持っている個体が入手できるのかという問題
(種によって、野外で先に産卵を終えた個体が多く採集されるので、入手した野外個体が全く産まずに死ぬ事も多い)
②生体・標本双方において、多数出回っている普通種の中に珍種が混じっている場合がある
去る2021年、ハルマヘラ島からプラティオドンネブトがいくつか入荷しました。
2ペア入手したのですが、その内1♀がどう見てもプラティオドンではなく、大図鑑で確認するとセラートゥスネブトかもしれない事が判明。
(同産地において特徴的な外見の♀個体は本種以外には図鑑で見られませんでした)
調べてみても、今現在のところ生体も標本も出回っていないようで、ガチャとして考えれば「とんでもない大当たり」を引いてしまった事になります。
自分としてはただプラティオドン買っただけで、「他の種が紛れているかも・・・」なんてのは全く考えてなかったんですけど・・・
興奮しながらもセットしてみたのですが、
卵はまだ持っているのか?
そもそも産卵の難易度は高いのか低いのか?
情報も無いし運要素もまだまだ残っていたのですが、セットした9月から3ヶ月以上経った去年12月の時点で、既にほぼ諦めているような状態でした。
この件が進展したのは今年の2月末。
セットを組んだボトルの内部も相当腐敗が進んでドロドロになってきました。
いつまでも現実(失敗)から目を背けてはいけないと意を決し、久しぶりにボトルを手に取って持ち上げてみると側面になんと幼虫の姿を発見!!!
諦めていた中でこれは嬉しいですね。
マットの表面は腐敗し、キノコまで生えてました。
壁際を見ると、♀が潜って動き回った形跡が色濃く残っていますね。
マット上部を軽く掘り上げると、ツヤツヤの幼虫が出てきました。
その後マットの仕込み作業などもあって、数日に作業を分けて複数頭の幼虫を確保しました。
割り出しが遅いだけあって、幼虫はどれも丸々太った2令~3令ばかりです。
こんな小さな♀成虫の産んだ卵から、こんな大きな幼虫が育つのは本当に面白いですね。
流石に野外品からの産卵という事で、あまり多くの幼虫を得ることは出来ませんでした。
ほとんどの個体はプリンカップでの飼育ですが、
その後5月に入るといくつかのカップでマットの偏り・凝縮が見られ、蛹室が作られている事が確認できるようになりました。ネブトなので外側からはほとんど見えませんが、大きさから見るとやはり♀でしょう。
一部、蛹室内部が覗けた個体の様子を観察しながら一部の♀のカップを暴いてみたのは6月の事。
我が家でも見慣れていたプラティオドンとは違ってツヤっツヤの体表は新鮮です。
こんな具合に、無事♀新成虫を見られた事に小さな興奮を覚えつつ、
♂だと見られる幼虫のカップを見てみるとこちらはまだまだ幼虫・・・
国産ネブトも見た事が無いので見慣れませんが、最大30mmちょっとの種だと思ってこの幼虫を見ると、随分と大きくなるんだなと驚きを覚えます。
♀に遅れること1ヶ月、
♀だと勘違いして小さなカップに入れていた♂が羽化していたのを確認。
不全していなさそうでまずは安心ですが、♂はまだ図鑑でしか見た事が無いので頭部を確認するこの瞬間は緊張しますね。
紛うことなくセラートゥスネブト! 確定です。
大きめのカップやビンに入れた幼虫は、これよりさらに羽化が遅れているので、ここからまた待つ事にしました。
♂♀共におおかた羽化したので写真を撮って確認してみます。
♀個体。16~18mm程度で、プラティオドンよりは一回り以上小さいです。
頭部から上翅まで、光沢が強めで点刻は浅いです。親♀はだいぶスレていたので、見た目にも新鮮に感じます。
同じ環境で飼育したのですが、真っ黒な個体、やや赤みを帯びる個体など色味に違いが出ています。
これが、累代を重ねていくと固定化できてしまうのでしょうか。
そして♂個体。
最初に羽化を確認した個体ですが、体長は25mmちょっと程度。
大腮は、他のネブトではまず見られない歯型で個性的です。
そして、この画像だと判りにくいですが頭胸部がほぼ無点刻で鈍く光沢があるのも国産や大陸系のとは違って目新しさを感じます。
別角度から見ると、大腮の外縁に2つのエッジが通っています。
今度は、初期の羽化♂個体を2頭並べてみました。
サイズはどちらもほぼ同じくらいですが、大腮の形に個体差が見られます。
1頭目とは別個体ですが、大腮中間(鋸歯がある部分)の肉付きが痩せて見えます。
♀の色味の件もそうですが、こうした特徴のバラつきもWF1ならではの面白みでしょうか。
カップ組は大体同じくらいのサイズでしたが、
最後に1頭ビン飼育していたものも固まったので撮ってみました。
右個体、サイズは30mmを超えていてカップ組とは迫力が違います。
大腮も太く、頭楯の形も相まって鬼の口のようにも見えます。大腮表面の捻じれも顕著で、造形の複雑さがより増して見えます。
手に留まらせるとこんなに小さく見えてしまうネブトも、拡大して見るとなんとも味わい深い造形をしているものですね。今回、WF1個体を見て深く感じさせられました。
「ネブトガチャ」
などと云う言葉があるのをご存知でしょうか。
詰まる話、ギャンブル要素があると云う事なのですが、
おおかた2つほどの意味があります。
①野外採集の生体♀の中で、卵を持っている個体が入手できるのかという問題
(種によって、野外で先に産卵を終えた個体が多く採集されるので、入手した野外個体が全く産まずに死ぬ事も多い)
②生体・標本双方において、多数出回っている普通種の中に珍種が混じっている場合がある
去る2021年、ハルマヘラ島からプラティオドンネブトがいくつか入荷しました。
2ペア入手したのですが、その内1♀がどう見てもプラティオドンではなく、大図鑑で確認するとセラートゥスネブトかもしれない事が判明。
(同産地において特徴的な外見の♀個体は本種以外には図鑑で見られませんでした)
調べてみても、今現在のところ生体も標本も出回っていないようで、ガチャとして考えれば「とんでもない大当たり」を引いてしまった事になります。
自分としてはただプラティオドン買っただけで、「他の種が紛れているかも・・・」なんてのは全く考えてなかったんですけど・・・
興奮しながらもセットしてみたのですが、
卵はまだ持っているのか?
そもそも産卵の難易度は高いのか低いのか?
情報も無いし運要素もまだまだ残っていたのですが、セットした9月から3ヶ月以上経った去年12月の時点で、既にほぼ諦めているような状態でした。
【去年12月の時点】 ⇒ 2021-12-31 『歴シート ~2021~』 |
この件が進展したのは今年の2月末。
セットを組んだボトルの内部も相当腐敗が進んでドロドロになってきました。
いつまでも現実(失敗)から目を背けてはいけないと意を決し、久しぶりにボトルを手に取って持ち上げてみると側面になんと幼虫の姿を発見!!!
諦めていた中でこれは嬉しいですね。
マットの表面は腐敗し、キノコまで生えてました。
壁際を見ると、♀が潜って動き回った形跡が色濃く残っていますね。
マット上部を軽く掘り上げると、ツヤツヤの幼虫が出てきました。
その後マットの仕込み作業などもあって、数日に作業を分けて複数頭の幼虫を確保しました。
割り出しが遅いだけあって、幼虫はどれも丸々太った2令~3令ばかりです。
こんな小さな♀成虫の産んだ卵から、こんな大きな幼虫が育つのは本当に面白いですね。
流石に野外品からの産卵という事で、あまり多くの幼虫を得ることは出来ませんでした。
ほとんどの個体はプリンカップでの飼育ですが、
その後5月に入るといくつかのカップでマットの偏り・凝縮が見られ、蛹室が作られている事が確認できるようになりました。ネブトなので外側からはほとんど見えませんが、大きさから見るとやはり♀でしょう。
一部、蛹室内部が覗けた個体の様子を観察しながら一部の♀のカップを暴いてみたのは6月の事。
我が家でも見慣れていたプラティオドンとは違ってツヤっツヤの体表は新鮮です。
こんな具合に、無事♀新成虫を見られた事に小さな興奮を覚えつつ、
♂だと見られる幼虫のカップを見てみるとこちらはまだまだ幼虫・・・
国産ネブトも見た事が無いので見慣れませんが、最大30mmちょっとの種だと思ってこの幼虫を見ると、随分と大きくなるんだなと驚きを覚えます。
♀に遅れること1ヶ月、
♀だと勘違いして小さなカップに入れていた♂が羽化していたのを確認。
不全していなさそうでまずは安心ですが、♂はまだ図鑑でしか見た事が無いので頭部を確認するこの瞬間は緊張しますね。
紛うことなくセラートゥスネブト! 確定です。
大きめのカップやビンに入れた幼虫は、これよりさらに羽化が遅れているので、ここからまた待つ事にしました。
♂♀共におおかた羽化したので写真を撮って確認してみます。
♀個体。16~18mm程度で、プラティオドンよりは一回り以上小さいです。
頭部から上翅まで、光沢が強めで点刻は浅いです。親♀はだいぶスレていたので、見た目にも新鮮に感じます。
なお、今回はちょっと面倒くさかったですが成虫画像にはコピーライト(みたいなモノ)を入れました。
ウッディをはじめとした幼虫詐欺は依然として多く、最近はヤフオクの絶滅危惧種の出品停止を目前にしてオオクワなどの詐欺も多数見られます。自分も過去にヤフオクで画像を盗用された事もあり、「自分の画像なんかどうせ使われないだろう」なんて楽観視すると後でこちらが思わぬ被害を受ける可能性もあります。
今回は、国内流通も無い種という事で、人目を誘う種かどうかは別問題として念の為加工してみました。
同じ環境で飼育したのですが、真っ黒な個体、やや赤みを帯びる個体など色味に違いが出ています。
これが、累代を重ねていくと固定化できてしまうのでしょうか。
そして♂個体。
最初に羽化を確認した個体ですが、体長は25mmちょっと程度。
大腮は、他のネブトではまず見られない歯型で個性的です。
そして、この画像だと判りにくいですが頭胸部がほぼ無点刻で鈍く光沢があるのも国産や大陸系のとは違って目新しさを感じます。
別角度から見ると、大腮の外縁に2つのエッジが通っています。
今度は、初期の羽化♂個体を2頭並べてみました。
サイズはどちらもほぼ同じくらいですが、大腮の形に個体差が見られます。
1頭目とは別個体ですが、大腮中間(鋸歯がある部分)の肉付きが痩せて見えます。
♀の色味の件もそうですが、こうした特徴のバラつきもWF1ならではの面白みでしょうか。
カップ組は大体同じくらいのサイズでしたが、
最後に1頭ビン飼育していたものも固まったので撮ってみました。
右個体、サイズは30mmを超えていてカップ組とは迫力が違います。
大腮も太く、頭楯の形も相まって鬼の口のようにも見えます。大腮表面の捻じれも顕著で、造形の複雑さがより増して見えます。
手に留まらせるとこんなに小さく見えてしまうネブトも、拡大して見るとなんとも味わい深い造形をしているものですね。今回、WF1個体を見て深く感じさせられました。