激走!! 霧と汗の0泊2日採集 [日昆 採集記 【2015年】]
7月も後半に入り(焦)学校などは夏休みに入るシーズンになりましたね(焦)
気温の高い日が多くなり、段々とライト採集でも成果が出るようになってきました。
持ち運びも楽々なので、一般によく知られる灯火のポイントに限らず
誰も行かないような微妙なポイントにまで足を運ぶ事も多くなりました。
そんな中先日、思い入れと憧れの強い県内某所へポイント開拓に重きを置いた採集へ行ってきたので、その全容を記事として残そうと思います。
こうやって記事を書いてる間にも、山では大物達が空を舞っているんだろうなぁ・・・
19日(日)
前日の夜からこの日の採集の準備に奔走し、
必要な道具や食料を用意していた。
翌日20日も祝日で休みの為、泊まりがけでライトトラップに挑もうと云う予定だ。
泊まりがけとはいっても、金なしの自分は宿は取らず車中泊だ。
何年か前からこっちのエリアに来るときは泊まりがけで来ることもあったが、
今回からはライトがある。
クワガタ採集で樹液採集や外灯回り採集しかできず、大した成果もなくボロボロで帰ってきたこれまでとは違うはず。
(※前もって説明しておきますが、県内の話です)
準備品や服装の説明をすると、
服装については基本の恰好はつなぎ。
採集時は作業グローブをはめ、川を渡ることも想定しウェーダーも積んだ。
長靴はまともに使えるものが無いので積まなかったが、その代りにウェーダーで水場はしのぐ算段だ。山歩き用のトレッキングシューズは以前の物がボロボロになってしまったので前日に急遽新品の物を調達した。通常の移動や運転で後々楽だということで、便所サンダルを履いた。
車には、ライト機材などの採集道具は勿論、食料や土木用品も積み込む。
ライト機材はHIDライトを2灯、バッテリーは1灯につき3つで合計6つ。三脚も2本。
手持ちのライトはよく使っている小型3本、替えの電池もフル充電で全てリュックへ詰め込み、その他毎度の採集道具であるノギス、温度計、かき出し棒、ストックケース、タッパー、7m竿網、100円の竹竿網、その他色々。ただ、クマよけの鈴が昔からねぶた祭り用のやつのまま変わってないあたりが自分でもふざけているなと思う。
林道を車で走っていて倒木などがあった時や泥にはまった時などの為に、スコップ、脱出器、鋸、斧も積む。
食料は、自分の中では定番の食パン&ひとくちサラミ。
全くもって山籠りの食料として理に適ったものではないのが恥ずかしいところだが、毎度毎度だいたいこの組み合わせで来ている。他にはエナジードリンク、ゼリー飲料、スポーツドリンク2リットル、あとは飲用じゃなく洗面用だが、水道水も2リットルペットボトルに用意。
この後1日目の採集品を生かしたまま保管するためにクーラーボックスの容量も余裕を持たせておく。
その他、汗拭きタオル、歯ブラシ、絆創膏、カット綿、医療テープ、包帯、トイレットペーパー、アルコールタオルなどの衛生・救急用品の他、防虫ハットやけん引ロープ、ライト撤退用のホウキ、着替え用の靴下や下着も1日分用意。地図も勿論忘れずに。目覚まし時計も。
ケータイのバッテリーも、充電の効率や万一の場合を考え充電済みの物を2個用意。
車に全て積み込み、忘れ物の心配をしながら午前2時単身現地へ出発した。
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そろそろ目的の市町村だと云う所まで来ると、
かつて台風11号だった温帯低気圧の影響でガスがかかってきた。
大した雨も降ってないが路面もビショビショに光っている。
今回の採集日程で運悪く台風(温帯低気圧)とぶつかってしまったのが
現時点では一番の不満だ。今回大丈夫なんだろうか・・・
車を停めて道中山の方にケータイのカメラを向けてみた。
相変わらずガラケーの写真だと再現度が悪いが、遠くの山にガスがかかっているのは判る。
実際目で見るともう少し白い。
出発から2時間半が経過した午前4時半ごろ、
ここからは大通りから逸れて本格的に山の方へ向かっていく。
舗装路も終了し、未舗装の砂利道に入る。
前々から地図上で見ていて「楽しそうな林道だな」と入ってみるのを楽しみにしていた林道がここにある。
入り口までは来たことはあったがその時は時間の都合で入るのを見送ったのだが、今回は時間はたっぷりある。
期待と不安が入り混じる中、林道へ侵入した。
道は悪くない、きちんと地肌も出ていて進みやすい。
ところが、林道に入ってそう深くも進んでしまわない内に進めなくなった。
林道が崩れている。
かつて道だったそこは、大きなスプーンで無造作にすくい取られたように無くなっていた。
終わった・・・
本来ならここから長い林道が続き、今回はそこ(もしくはその先)に用があったため、
これから覚悟を決めてさぁ突入だ!!・・・と意気込んでいる矢先にこんな光景を見せられて割と本気で絶望した。
しかし、時間はまだある。朝の5時前だ。
目的の場所がどうなっているかはこの目で見ることが出来ないにせよ、
その手前までは様子を見てみたいと思い軽い様子見のつもりで徒歩で崩落場所の先に進んでみることにした。
軽い様子見のつもりなので、網は勿論リュックなどの道具は一切持たず、
便所サンダルから買ったばかりのトレッキングシューズに履き替えただけの恰好で林道の奥へ向かった。
昨夜までの天候もあって地面はゲチョゲチョである。
崩落した崖部分に足を乗せると、フワッと脆く崩れて3m下の川原に流れていく。
・・・・・・うわぁぁぁ~~シャレにならん(汗)
そこから先に進んでいくと、地盤の関係からだろう、大きな石が途中途中でゴロゴロと道端に寝ている。
どっちにしろ車で通過できる場所じゃなかった・・・。
さらにしばらく先に進んでいくと、だいぶ前からもう車は通らなかったからであろう、
道が雑草に埋もれるようになってきた。
いやぁ・・・地図上だとここからまだ先は長いのに、
まさか奥は廃道になっているんじゃないだろうかここは・・・。
ただ、この先歩いて辿り着ける距離内に良いライト照射ポイントが存在している可能性が高いことを考えると、「ちょっとだけ、あともうちょっとだけ」と云う誘惑に負けてしまい、なかなか戻ることが出来ない。
その先へずっと進んでいくが上の画像で分かる通り、道は草で半ば埋もれている。
そしてそれが夜露でビショビショになっているわけだ、
もう下半身はぐっしょりと濡れてしまいこれ以上進むかどうか悩むようになってきた。
・・・にしても、さっきから足首がピリピリと痛い・・・
車を降りてから30分ほど歩いた頃、目をひくものを見つけた。
おお・・・吊り橋だ・・・
下から鉄骨のアーチやコンクリートで橋を支える通常の橋ではなく、
上からワイヤーで木の板を吊っている、マジもんの吊り橋だ。
(別に物珍しいものじゃないんだろうけども)
林道は川に則して続いており、川の反対側は広い河原になっていてライトをかけられそうな場所になっているのが見える・・・
もちろん渡った。
1枚目の橋の画像は何を隠そう渡った後の対岸から撮ったものである。
ただ、渡る前の最初に橋のたもとまで来た時に、渡るべきか躊躇した。
画像を見ると躊躇した理由がお分かりいただけるかもしれないが、
この橋、風化して壮絶にボロくなっているのである。
そんでもって、川幅のせいもあって割りと長いんだこれが。
下から撮ると逆光で黒く見えるだけだが、
実際は湿気や風で足場の木が全て苔まみれになっており、痩せ細り折れたり崩れたり金具から外れたりしている箇所が多いのだ。
特に橋の始点と終点付近は草木に圧迫されている所為か、異常に損壊が酷い。
(対岸に辿り着いた時点ではあったが、一度足場の木を踏み抜いた時はマジでビビった)
ほんとにもう昔のリポビタンDのCMかインディ・ジョーンズにでも出てくるような
男心をくすぐる楽しい吊り橋なのである。
ただ言わずもがな、流石に落ちたら危険だ。
大きな川と川原が5~6m下にあるわけだが、
死ぬ高さとは言えないが、強靭な足腰を持っているわけでもなければ五点着地転回法を身に付けているワケでもないので川原に落ちても大なり小なり怪我してしまい今回の採集の支障になるし
川にドボンしたら・・・あたしゃ泳げないのでその場合は溺死。
(助かっても体力は大きく削られる・・・)
まともに足場の木材に体重をかけると100%どこかで踏み抜くので、
常に脇のワイヤーに体重をかけ腕の力を下手に抜けない。
こんなことならSASUKEの特訓をしておけばよかった・・・!!
橋の途中から周りの環境を撮ってみる。
俺の持ってるライトではこの場所じゃ役立たずで終わる気もする。
対岸まで渡りきり1stステージをクリアした後は、
鬱蒼と茂る草木をかき分けて川原に出る。
う~~~~~ん・・・・・・・・・・・。
手前のヤナギがちょっと邪魔だな・・・
川を挟んだ林道側を照らすのも良いかもしれないなぁ・・・
(↑↑画像右側が吊り橋)
しかし、今は手ぶらで来たからまだましだったものの、
これを機材を背負って渡るのはまたちょっと難易度が上がるぞ・・・(汗)
まぁ、また今度かな。
自分の道具できちんと照らせて丁度良い採集が出来る場所と云うのは地域柄意外と限られているので、リスクだけなら一級品なこの場所でも、自分の中では割りと真面目に候補として考えている。
それを考えると、
「また今度かな」と考えたものの早々にこの場所に決めた方が、場所が見つけられないリスクは回避できるのだが、今晩のライト照射場所にしようか迷ったまま再び橋を戻り来た道を戻ることにした。
迷う理由は主に、
山の上の方がうっすらガスがかかっていて夜の状況がもっと悪くなるのではという不安と、
ここでやると少なくとも、帰る時には「真っ暗な中」「道具を持って」「ボロい吊り橋を」渡らなければならない危険と、
他の候補地でここより良い場所があるかもしれないという期待の3つである。
橋から戻りそこそこ精神的な負担を受けたこともあって冷静になり、
「これ以上進むと、道具を持って往復するのは距離的にめんどくさいぞ・・・」
と判断し林道を引き返すことにした。
時刻はそろそろ朝7時と云うところで、車まで戻ってきた。
戻ってきてとりあえず一安心したということで、サンダルに履き替えるため
さっきから痛みを感じていた足をトレッキングシューズから抜いた。
すると・・・
案の定、靴擦れを起こしており左足首から血が滲んでいた。
流石昨日買ったばかりの新品! 靴が全然こなれてねェ。
足首まで覆うトレッキングシューズの特徴を全然考慮してなかったため、
履いてきた靴下もまさかのショートソックス。間抜けすぎる。
このままでは痛くてしょうがないので、カット綿を患部に当てて医療テープでぐるぐる巻きにして応急処置をする事に。
靴は勿論靴下もグショグショになってしまったので、
1足しか持ってきてなかったスペアの靴下に早々に履き替え、両腕と腰から下が全部濡れてしまったので運転席にはタオルを敷いておくことに。
まさか初っ端で足を濡らすとは思わなかったな・・・
林道を少々戻り、駐車スペースがあるところまで戻ってくると
昨晩からずっと寝てなかったのもあってここで仮眠をとることにした。
午前7時、デフォルトで設定していた目覚まし時計のアラームを切る。
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昼ごろに一度目が覚めたが、起きたのは午後4時半前。夕方だった。
そろそろ移動して明るいうちに他のポイントの確認もしておかないとと思い、
林道を後にした。
地図を見ながら次の目的地へ向かう。
海沿いに出てみると、海も白くなり遠くが見えない。
「海霧か」
昼間のような抜けた明るさが無くなってはいるが、
出発から30分ほどで目的のエリアに到着した。
朝に下見した危険なポイントも考えたが、
こっちまで来てしまったのもあるしとりあえずこのエリアのどこかでライトをかけることで心の中は決まりつつあった。
一応、肉眼で樹種が判別できる時間帯までは徒歩でライトをかける新規ポイントを探していたが、収穫を得られないまま薄暗くなってしまった。
日中におそらくそこそこの降水があった上に、一日中ずっと空が厚い雲に覆われている事もあって周りが非常に密度の高いミスト(霧)に包まれている。
霧に包まれた森の中は、何度来てみても本当に幻想的だと感動する。
やっぱりこうなったか・・・
朝の時点から危惧してはいたが(というか正直なところ出発以前から)、状況は全然よくない!
ある程度の標高ではどこもミストに包まれているため明らかにライトに不向きだ。
標高が低い場所ですらガスがかかるくらいの日であるため、場所はもうほとんど選べない。
1ヶ所だけ、幸いなことに自分の低出力のライトでも通用して
尚且つ標高があまりなくガスも薄いポイントがあったためそこで仕掛けることにした。
ある程度機材を組み立て、
数十分待機し空まで暗くなった午後8時丁度、
いよいよ1晩目の採集を開始!!!
日中から通して気温の上がらない日ではあるが幸いクワガタが飛ぶには問題ない。
点灯開始して約10分経った頃、今日初のクワガタ飛来!
ノコギリの♂だ。初っ端に良いものが来たのはいいねェ~~(嬉)
サイズを測ってみると59mmほど。う、う~ん・・・
そしてそれから20分後、既にノコギリ・ミヤマ・アカアシが来る中
初のコクワが飛来!期待は大きくなるばかり。
このポイントでライトをかけるのは初めてなため、ライトの向ける方向を色々と試してみる。
ミヤマの♂もちょいちょい飛来してくる。
サイズもなかなかいいのが飛んできたので撮ろうとするけど、歩き回って全然撮らせてくれなかった(汗)
憎きヘビトンボを退治しながら、ポツリポツリと飛んでくるクワガタをストックケースに丁寧にしまっていく。
黒光りする甲虫を視界の端にとらえ期待して近寄るとクロシデムシ。
ダニすげェー。
まだ開始からそんな長い時間経っていないにも関わらず、
クワガタの飛来するペースが若干衰え始めてきた。
これからがイイところなんだが・・・と焦る中、点灯開始から1時間後
地面にペシャッと大きな激突音がした。
大物を期待して向けたライトの先に浮かび上がったのは・・・
カブトムシだった。
ある意味大物だったな・・・と言うか、すっかりカブトムシの存在忘れてたよ(苦笑)
なんとなく肌寒く感じる、
最初は無かった風も弱く吹くようになり、まだ高い位置にしかなかったガスも下まで降りてくるようになってきた。
風向きが悪い・・・この場所は360°広葉樹というわけではなく、自分の機材で照らせるのは全方位の4分の1くらいしかない。
流れるミストも目で見えるほどにまで状況は悪化し、照らした方向の虫も粗方飛ばし終えたようである。
時刻は夜9時半、中型ミヤマ♂が落ちてきたがだいぶ久しく感じる。
このころにはもう既に終了ムードが漂っていた。
位置を替えたり戻したり悪あがきするが一向にクワガタは来なく、
点灯から2時間を待たずに午後10時前、ライトの電源を切った。
結果
26頭
内訳は大半がミヤマとノコギリ、
アカアシとコクワは♀が1頭ずつだった。
土産にする個体をわずかに残し他はリリース。
今日一番の大物はミヤマの♂(帰宅後撮影)、なかなか大きく見えたが測ってみると
67mmに届かずおよそ66.8mmほど。
悪くはないが欲を言えば68mmほど来てくれたら素直に嬉しいのだが・・・
撤収の時点でやはり気温・視界・風などまぁまぁ状況は悪くなっていた。
ただし、2日目の分までバッテリーは温存できたし早めに切り上げて正解だったかな。
初日にほとんど使い切ってしまうと云うやりがちなミスを犯さず済んだ(笑)
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撤収後、もう一度エリア内の別の場所でポイント探索を行った。
実は出発前から風邪をひいており、それに加えて口内炎も出来ていて色々と体調が悪いので(←どんなタイミングで説明してるんだ)薄ら寒くなってきている今夜の間はさっさと風邪薬とビタミン剤を飲んで休んでいた方がいいのだが、
夕方起きの所為か寝る気にもなれず、車を降りエリア内を探索することに。
徒歩でしか行けないライト照射ポイントを確かめに行ったり、自販機や外灯を回ってみる。
とは言えやはり霧は濃い。ある程度外灯回りをし終えて他の作業は無意味(だってまるで見えないんだ)と悟り、
車に乗り込みそのエリア一帯を出ることにした。
20日(月)
日付の変わる午前0時0分、
この時自分は、ブログ用に近写してやろうとカモシカを追いかけまわしていた。
頑張って撮った一枚がコレ↑↑。よく撮れてる。 悲しい。
最初道のど真ん中で車のライトに浮かび上がった時は
一瞬本気でオオカミが出たと思ったよ(苦笑)
車を停めて休む場所はどこにしようか考えた挙句、余計なことは考えずに初日に到着した最初の林道でいいかと結論し、その林道の方面に戻るまでの間にまた別のルートを使って外灯採集や樹相調査をした。
その中で一番マシな外灯でミヤマの♀を1頭見つけた以外は全くクワガタはいなかった。
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午前3時前後、林道に戻って適当なスペースに車を停めた後、夜食とスポーツドリンクで腹を満たし、採ったばかりのクワガタをケース越しに眺めて満足しながら、
今日よりは天候も良くなるであろう2日目の採集に期待を持ちつつ運転座席を後ろに倒した。
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目覚まし時計のセットされた朝7時に一度スイッチを切って2度寝し、起きたのは1時間後の午前8時過ぎ。
採集日程が無計画な上活動時間も不規則なため全くもって目覚まし時計が意味無い(汗)
時刻の確認をした直後、車の外に気配を感じた。
起き上がってみると、人が居る・・・!
一人や二人ではない、気が付けば自分の車の後ろの方に昨晩は無かった他の車が2台ほど停まっている。さらには断続的に次々と車がやってきては自分達の横を通り抜けては林道の奥へ消えていく。
皆大体同じような格好をしていて彼らの目的が何か一目で判った。
どうやらここは釣りのメッカのようだ。
1日目の時点で、この林道は川に沿って延びている事は書いたが、
確かに考えれば釣り好きが目を付けない筈がないくらいに良い環境だ(釣りの事は分からないけど)、近隣の釣り人が休日にこぞって来るのも無理はないね。
とは言え、こんな人のいるような場所で歯を磨いたり朝食をとったりするのは抵抗があるので、エンジンをかけ林道内で人があまりとまらなそうな場所に車を停めなおして準備をした。
なんとなく、自分の用事が夜メインで良かったな・・・と安心した(苦笑)
一人や二人ならまだいいが、林道に(虫関係でないにせよ)多数組の人たちが頻繁かつ同時に入っているのを見ると、
そこの箇所に対し個人的にはちょっと(かなり?)興醒めしてしまう。
勿論、奥の方には誰も行こうとしないならそれはそれで気分は持ち直せるのだが、山菜採りであれ釣り師であれ自然の中の物をターゲットとする人たちにはお馴染みの場所だと分かってしまうと、ちょっとガッカリするというか・・・
このクワガタの分野で例えるならヒメオオクワガタあたりが一番伝わりやすいだろうか。
福島県の広〇林道と云うと分かる人には分かると思うが、全国的に公にされてしまった所為でコアなヒメオオ採集者以外にも全国から「ヒメオオを採りたい」人が押し寄せる場所は、個体数はかなりのものだとしても切迫感があって好きになれない。元々数が少ない場所となればなおさらだ。
そういう所で採集すると「ここのやつは一回採ったしもう来なくていいかな」と云う気になるのだが、自分以外ほとんど来ない場所だと「また来月も、また来年も来てみよう」と思えるんだな。
誰も知らない新(珍)ラベルを発見するのが楽しいからというのはあるんだけど、前述のような考えになるのはきっと「他人を意識したりせずゆったり採集することが一番好きだから」なのかね・・・?
つまるところ、エゴの裏返しだろうか。
この朝食でパンと一口サラミを全て食べつくしてしまったので、
最寄りのスーパーへ買い出しに出かけた。
昨日からパンしか食べてなかったので今度はおにぎりを選ぶ。
飲み物はいくらあっても足りないくらいなのでいつものヘルシアウォーターもカゴに入れる。
最低限の物しか買わないつもりだったが、割引シールに誘惑されて4個入りのプリンも・・・。
ここのスーパーは周辺人口の所為で足の早い不人気品目が偏るからなのか、いつも多くのプリンが売れ残って割り引かれている。
(凄くどうでもいい情報まで書くのな俺)
車に戻りおにぎりをクーラーボックスに入れた後、
プリンを全部食う。
足に巻いたカット綿もボロボロになってしまったので交換するが、
今度はボロボロにならないように包帯を巻こうとしたが、ここでまた忘れ物に気付いた。
ハサミ忘れた~・・・
カッターすらもリュックに入れてない。
車内にある唯一の刃物と言えば、斧・・・
・・・包帯はもういいや・・・・・・。
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今日もまた明るいうちはライトをかける場所探しの為あちこちを見に行くことにする。
その内、昨日ドライブしている途中でひとつ気になるところがあったのでもう一度見に行ってみることにした。
その場所は現在工事中で車での通行は出来ない場所であったのだが、夕方に一度来て徒歩でちょっとだけ入って見に行ってみるとなんだか良さそうに見える場所だった。
さっそくその場所へ向かったのだが、
着いてみると道の入り口に車が停まってあっていかにも工事関係者と云ういでたちの人が立っている。
「どうもお疲れ様です」と声をかけ、この道の向こうの事を訊いてみたがやはり見ての通り工事中と云う事であった。
そうだよなぁ。祝日とは言え今日は月曜日だもんなぁ。
流石にこんな時に入っていく事は出来ないので、
夕方またここに来ることにして他の場所を見に行くことにした。
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林道に何本か突入してみる。
道を作っている途中で現段階では橋が架かったところまででストップしている箇所など、
ちょっとライトをかけられそうで気になる場所もあれば
画像では全然判らないが、入って失敗した林道もあった。
水の枯れた川の上流のような、大きな石がゴロゴロ埋まった細い沢のような道を、
息が止まるような恐ろしい摩擦・接触音にビクビクしながら進み、
どこで引き返そうか迷いながら無理やり転回し来た道を戻った。
勿論駐車帯のようなちょっと幅員が広くなる場所なんて無い。
奥まで進むと所々道を横切るように極小さな沢がホントに流れており、
それを越えていく毎に大きくなっていくので
「この先まで行ったらホントに川に合流するんじゃねえか(焦)」と身の危険を感じた。
周囲には素晴らしいミズナラの2次林が広がっている。
なんとか林道を引き返し(あれはホントに林道だったのだろうか?)、
一息ついたところで車底部に巻き込んだ枝を取り除く。
最近、なんかヤバい林道にまで車で突っ込むことが多い気がする・・・(汗)
舗装されていたが、倒木が道を塞いでおり徒歩で入らざるを得ない林道もあった。
こういう時の為に鋸を・・・と用意してきてはいたが、数と太さに戦意喪失した(苦笑)
道を進むと、そこはほとんど植林地帯だったが静かな池のほとりに出た。
遠くで水鳥が音を立て、大型のヤンマが視界の端に映る。
水の中をのぞき「落ちたら・・・」と嫌な想像をはたらかせる。
結局静かな良い場所ではあったがライトをやる場所としては適さなかったため
周辺の道を一通り歩き回って車へ戻った。
その後も山の中をウロチョロして、
まだ午後3時過ぎではあるのだが休みがてら夕方以降の準備をすることにした。
適当な広場に車を停める。
とりあえず足元が色々と不快なのでその処置から・・・
初日の朝に浸水同然に濡れてしまいそれ以降全く乾く事が無いトレッキングシューズから中敷きを外し、靴ごと天日干し。靴下も同じく。
最初のあたりでは痛めたのは左足だけだったが、
もう右足も痛くなってきていたので確認すると案の定こちらも擦れて出血が・・・
応急処置をする、この後かなり歩く予定なのだからしっかり巻いておかなければ・・・
次に手持ちライトの電池を交換し、身の回りの小道具を整理する。
そして、中途半端な時間なので飯はどうするか迷ったが、
夕方からは歩くと云うことで買ってきたおにぎりを全部ほお張る。
地図やガイドマップなどを読みながら時間を潰す。
ドアを開け放っているので外からちょくちょくアブが飛び込んでくる。
そして車内の天井に皆張り付き突っついている。
・・・たまにはちゃんと掃除しなきゃな・・・
地面を見るとアリがせかせか動き回っている。
巣の入り口を見ると、翅アリが密集して待機しているのを確認できた。
「・・・これ、今日はイイんじゃないか・・・?」
思い返せば昨日はほとんどと言っていいほどアリは飛んでこなかった。
まだ天候の読みは未熟な自分ではあるが、
少なくとも昨日よりは良い結果が望めそうな気がした。
天気は晴れており、昨日まで一日中空を覆っていた厚い雲もそれほど無い。
じめっとした蒸し暑さは無いが雨が降っていた昨日に比べたら明らかに気温は高いし
山は勿論海にまでたちこめていた深い霧もほとんど掛かっていない。
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時刻も、通常考えれば工事作業もそろそろ終わる時間になってきた。
道路を戻るダンプなどの工事車両や作業員たちを乗せているであろうバンが増えてきたので靴などの荷物をまとめ、アブを駆逐し、例の場所の入り口まで向かった。
時間を少し待って入り口の駐車スペースに停める。
午前中には居た入り口の工事関係者も消え、近くには釣りかトレッキングで訪れているであろう県外ナンバーの車が停まっているだけだった。
装備を整える。
以前から梯子を背負って山に入ったり、手に余すほど道具をゴチャゴチャ抱えて林道に入ることはあったが今回もそんな感じでライト機材や収納ケースなど、使うであろうものを最低限に絞ったがこんな格好になった↓↓
こまごまとしたものは全部リュックへ入れた。三脚は本当に入れるのがギリギリだった・・・。
(これまでは手に持って歩いていたが非常に辛かった)
トレッキングシューズを買った時の袋にバッテリーを入れ、位置把握のため地図も入れる。
(この付近は電波があまり入らないのでケータイのアプリでGPSが機能しない)
網は2種類車に積んできていたが、大きい7mの網が今までヒメオオ採集以外にまともに使えた試しが無いので100均の網を持っていく。これで飛んでいるヤツをスイーピングするわけではなく、ライトに向かってきた後に変な方向に散ってしまうのを物理的に阻止するために使う。ホウキは勿論撤退時にライトや三脚の雑虫を掃き落とすため。
虫を入れるストックケースは、昨日の採集品が収まっている中サイズのが1個と、空の大サイズ1個。ます目の数を数えれば実際のところたくさんの数は収まらないのだが、まぁ自分のショボいライトではそんなに困るほどたくさん飛んでくる事は無いでしょう。
(実は、この甘い予想が後で外れることになる・・・)
これに加え帰り道は空いてる側の手で前を照らすライトも持たなければならない。
到底知り合いには見られたくない重装備で車両通行止めの奥へと入っていく。
うわぁぁぉ・・・すげぇぇぇ!!!!!
予想以上にライトトラップの場所としては有望だ。
樹相も非常に良く、横からライトが当たりやすい川沿いの切り立ったような地形で人の手が入っていた形跡が無いため、生えている樹は巨木の割合が多く大きな立ち枯れも各所に見受けられる。
ケータイ会社の宣伝文句じゃないが、
まさに「かけ放題」な場所だ。
カメラで撮ってもこの様相。下から上までまんべんなく照らせる上に自分の弱弱しいHIDライトでも十分届く距離だ。
歩いて行って橋を渡れば岸の反対側にも照射出来るので風向きの問題にも柔軟に対処できそうだ。
逆に気になる場所が多すぎて迷うくらいである。
ただ、「奥まで行ってみたが結局入り口近い場所の方が良かったかも」と云う状況にならないように、暗くなる前に場所を絞り込むため引き返すことにした。
歩き始めて5kmの地点であった。
(出発前に考えた事でもあったが、自転車とか積んでくりゃ良かった)
だんだん樹種も判らなくなるほどに暗くなってきた。
結局ライトをかける場所は、3km戻って入り口から2km地点の場所にすることにした。
理由としては、この場所だと道路と川が橋を境に入れ違いの並びになるから、かな。
午後8時、2日目の採集開始である。
届け!俺の想い!(苦笑)
思った通り昨日と違って翅アリがたかってきた。
昨日と違ってガスも邪魔していないし気温も高い。
10分経たない内に早速第1号の飛来個体が見えた。
ライトの周りを旋回し後ろの暗がりへ飛び込み静かになった。
着いたな・・・と察しライトで照らすと
やはりというか、アカアシだった。
これは時期的に考えてもアカアシの数が増えるなと予想が付いたが、
誰もライトをかけに来ないであろう場所だからか、
久しぶりにこれを体験することに・・・
数百~数千ワットの大光量で広範囲に照らした場合と比べると大した数ではないが、
拾ってケースに入れているともう次のヤツが落ちている。油断すると2~3個体が居る。
開始から十数分(初飛来から十分弱)ですでに2ケタを超えていた。
アカアシは小さな♂♀ばかり目立つが、ペシャっと大きな甲虫も落ちてきた。
やっぱりお前が来なきゃな!
ミヤマの♂は点灯開始から23分後に初飛来。
今日初のミヤマ♂を入れている途中、ケースを見て思った。
まずい・・・このままだと入れ物が間に合わない・・・(焦)
困るほど飛んでこないだろうと思い、持ってきてたのは仕切り付きのストックケースだけ。
しかも2個持ってきた内の片方は昨晩の大事な虫も入ってる・・・
数が多くなればそれだけ(出ようとする虫の脚がはみ出しB品になる危険が高くなるので)フタの開け閉めがめんどくさくなり時間もかかるようになる・・・
おまけに次から次に飛んできて拾ってケースにしまってを繰り返すと下手したら昨日の虫と混ざる危険がある・・・
どうしよう、車の中には大量収容用のタッパーがあったがわざわざここから車まで戻るか・・・?
どうしよう・・・どうしよう・・・
時刻はそろそろ8時半だ、
これから本格的に飛んで来る時間帯だってのに現場を離れていいべきか・・・?
しかし虫が沢山来ていながらケースと格闘しているのも効率が悪いし・・・
そもそもここから車まで急いで戻って帰ってくるのにどのくらい時間かかるんだ・・・?
滅茶苦茶葛藤した結果、ダッシュで車まで取りに行くことにした。
よりにもよって自分が昔陸上競技の中で一番苦手だった中・長距離走を山の中で(しかもトレッキングシューズで)行うことになろうとは、つくづく自分の用意の甘さを呪った。
そして再三付け足しておくが、風邪をひいている。
ライト片手に道を走って戻る。
真っ暗なので景色が全然見えなくてどのくらいまで戻ったのか分からなくて不安になる。
飲み物も持ってきてなかったので喉もカラッカラである。
ようやく車まで戻ってきてタッパーを掴む。
汗だくのヘロヘロになったので、残りわずかなヘルシアウォーターと残しておいたゼリー飲料を速攻で胃袋に流し込み、急いで来た道を戻る。
いくら水分を補給したからと言ってすぐに疲労回復できるはずもなく、
バテバテで足も遅くなる。まぢ死ぬ・・・!
ライトまで戻ってきたのは走り出して30分以上経った頃。時刻は9時を回ったところ。
やっぱり結構時間かかったなぁ(汗汗汗汗)と焦りながらも広範囲に散らばっているクワガタ達を拾い始める。
あたりにはアリの臭いがたちこめている。
画質が悪いので全然判らないのが残念だが、
この画像中あちこちにやや黒い点みたいなものが見えるが全部クワガタである。
(自分でこの画像を見て驚くほど少なく見えるが、沢山いるのである)
密度が濃すぎて、飛来後勝手に♂♀ペアになって交尾してるヤツらまで居た。
そして嬉しい限りだが中にはひときわ大きなミヤマの♂も着地していた。
ただ、拾っている途中思ったのは、アカアシ以外のクワガタがほとんど飛んでこない・・・
ずっと同じ位置を照らしていたので違う方向に照らしてみたりするが、
状況は全然変わらない。むしろ範囲的に限界が来た感じだ。
1灯をその場に残しもう1灯を三脚ごと持って、
川と道路の並びが反対向きになる100m向こうの場所まで移動することにした。
風が当たる場所だが置くことに。
雑虫もちょっと寄りが悪く、風に流されている感じがある。ちょっと不安になる。
最初の場所まで戻って様子を見てみるが、全然クワガタが落ちてこなくなっていた。
仕方が無いので残していた片方も100m動かすことにした。
別場所で2灯当てになった。
とは言え全く反応が無い、まぐれでアカアシ♀が1頭しか来なかった状況だったが、
この日ようやくコクワが飛んできた。
またアカアシかと思って見たら腹側が真っ黒でちょっと驚いた。
こっちの方が良いモノ飛んでくるのはないか・・・!?
と、俄然期待してしまったが・・・結局スカ。
一定時間経ったのでまた奥へ50m・・・また50mとずらしていく。
その度にチョビチョビ落ちるクワガタを拾ってはあちこちに置き散らしてしまったケースの場所まで持っていったりして、100~200m間を何往復もすることになる。
「あれ・・・(汗)ライトトラップってこんなに走る採集法だっけ・・・??(汗)」
ほとんどアカアシも飛んでこない状況の中、コクワの♂がようやく飛来。
ただ、この後風向きや照射距離の問題もあり飛来のペースが回復することはなかった。
結局またHIDライトを持って来た道を戻り元の位置付近を照らしてみたがもうさっきまでの反応は無くなっていた。
しょうがないので終了するつもりでタッパーの状態を↑↑。
画像としてみるだけだとそんなにたくさん入ってるように見えないな・・・
珍しいフジ型のミヤマ♂も居たがB品だったのでリリース。
何も飛んでこなくなっていたが、せっかくここまで来たしバッテリーを全部使い切ってから帰ろうと思って惰性で照らしていると突然三脚にカーーン!とぶつかる音がするので近寄ると・・・
結構いいサイズのミヤマ♂だった(一旦引き離して撮影)
最後に良いお土産が増えた・・・と思ったら後脚1本が丸々無い・・・
他の奴が飛ばないこんな時間に来たということは、他の個体と争って負けたからだろう。
結局土産にはならなかった。
そして、2灯それぞれ最後のバッテリーが切れようとするところで
また何か落ちてきた。
この日初めてのノコギリだ。
ただし全然小さいのでこれも土産にはならず。
最後のライトも消え、撤収作業に取り掛かった。
ライトで照らしていると、どこからともなくフワ~~っと小さな光が飛んでくる。
ゲンジボタルだ。
意識して観ているわけではないが、1シーズンでゲンジ・ヘイケ・ヒメの3種を全部見たのは今年が初めてだな・・・
今日の大物はまたミヤマ。(帰宅後撮影)
ほんとはもっと別の黒いやつが良かったんだけどなぁ~
ただ、嬉しい事に自己最高の69mm!!
・・・と思ったら!!、帰宅後〆てもう一度測ってみると
左腮側だけなんだけどギリギリ70mm届いてる!!!
これは、飼育面でお世話になっている方へお礼として差し上げることにする。
荷物が増えた帰り道、ヘロヘロになって歩いて帰る。
タッパーを持ってきた後も荷物をあちこち移動させたりライトとライトを離してその間を走って移動したりと兎に角体力を削る数時間だった。
頭の中はもう、採った虫とか半ばどうでもいい感じにまでシンプルになっている。
ただ一つ、採集後の冷たいドリンクをどこで何を買おうかしか考えてない。
車に辿りついた時点で、もう靴を脱ぐのもやっとだ。
荷物を載せ軽くなった体で一息つく。
エンジンを掛けて時間を見ると、
もう既に日付が変わっていた。
2日間の採集はこうして終了した。
その帰り、道中くまなく自動販売機を見て回った。
・・・・・・え? まだクワガタを探していたのかって??
そりゃァ、好みのジュースがあるかどうか
探してたに決まってるでしょーが!!!!
気温の高い日が多くなり、段々とライト採集でも成果が出るようになってきました。
持ち運びも楽々なので、一般によく知られる灯火のポイントに限らず
誰も行かないような微妙なポイントにまで足を運ぶ事も多くなりました。
そんな中先日、思い入れと憧れの強い県内某所へポイント開拓に重きを置いた採集へ行ってきたので、その全容を記事として残そうと思います。
こうやって記事を書いてる間にも、山では大物達が空を舞っているんだろうなぁ・・・
19日(日)
前日の夜からこの日の採集の準備に奔走し、
必要な道具や食料を用意していた。
翌日20日も祝日で休みの為、泊まりがけでライトトラップに挑もうと云う予定だ。
泊まりがけとはいっても、
何年か前からこっちのエリアに来るときは泊まりがけで来ることもあったが、
今回からはライトがある。
クワガタ採集で樹液採集や外灯回り採集しかできず、大した成果もなくボロボロで帰ってきたこれまでとは違うはず。
(※前もって説明しておきますが、県内の話です)
準備品や服装の説明をすると、
服装については基本の恰好はつなぎ。
採集時は作業グローブをはめ、川を渡ることも想定しウェーダーも積んだ。
長靴はまともに使えるものが無いので積まなかったが、その代りにウェーダーで水場はしのぐ算段だ。山歩き用のトレッキングシューズは以前の物がボロボロになってしまったので前日に急遽新品の物を調達した。通常の移動や運転で後々楽だということで、便所サンダルを履いた。
車には、ライト機材などの採集道具は勿論、食料や土木用品も積み込む。
ライト機材はHIDライトを2灯、バッテリーは1灯につき3つで合計6つ。三脚も2本。
手持ちのライトはよく使っている小型3本、替えの電池もフル充電で全てリュックへ詰め込み、その他毎度の採集道具であるノギス、温度計、かき出し棒、ストックケース、タッパー、7m竿網、100円の竹竿網、その他色々。ただ、クマよけの鈴が昔からねぶた祭り用のやつのまま変わってないあたりが自分でもふざけているなと思う。
林道を車で走っていて倒木などがあった時や泥にはまった時などの為に、スコップ、脱出器、鋸、斧も積む。
食料は、自分の中では定番の食パン&ひとくちサラミ。
全くもって山籠りの食料として理に適ったものではないのが恥ずかしいところだが、毎度毎度だいたいこの組み合わせで来ている。他にはエナジードリンク、ゼリー飲料、スポーツドリンク2リットル、あとは飲用じゃなく洗面用だが、水道水も2リットルペットボトルに用意。
この後1日目の採集品を生かしたまま保管するためにクーラーボックスの容量も余裕を持たせておく。
その他、汗拭きタオル、歯ブラシ、絆創膏、カット綿、医療テープ、包帯、トイレットペーパー、アルコールタオルなどの衛生・救急用品の他、防虫ハットやけん引ロープ、ライト撤退用のホウキ、着替え用の靴下や下着も1日分用意。地図も勿論忘れずに。目覚まし時計も。
ケータイのバッテリーも、充電の効率や万一の場合を考え充電済みの物を2個用意。
車に全て積み込み、忘れ物の心配をしながら午前2時単身現地へ出発した。
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そろそろ目的の市町村だと云う所まで来ると、
かつて台風11号だった温帯低気圧の影響でガスがかかってきた。
大した雨も降ってないが路面もビショビショに光っている。
今回の採集日程で運悪く台風(温帯低気圧)とぶつかってしまったのが
現時点では一番の不満だ。今回大丈夫なんだろうか・・・
車を停めて道中山の方にケータイのカメラを向けてみた。
相変わらずガラケーの写真だと再現度が悪いが、遠くの山にガスがかかっているのは判る。
実際目で見るともう少し白い。
出発から2時間半が経過した午前4時半ごろ、
ここからは大通りから逸れて本格的に山の方へ向かっていく。
舗装路も終了し、未舗装の砂利道に入る。
前々から地図上で見ていて「楽しそうな林道だな」と入ってみるのを楽しみにしていた林道がここにある。
入り口までは来たことはあったがその時は時間の都合で入るのを見送ったのだが、今回は時間はたっぷりある。
期待と不安が入り混じる中、林道へ侵入した。
道は悪くない、きちんと地肌も出ていて進みやすい。
ところが、林道に入ってそう深くも進んでしまわない内に進めなくなった。
林道が崩れている。
かつて道だったそこは、大きなスプーンで無造作にすくい取られたように無くなっていた。
終わった・・・
本来ならここから長い林道が続き、今回はそこ(もしくはその先)に用があったため、
これから覚悟を決めてさぁ突入だ!!・・・と意気込んでいる矢先にこんな光景を見せられて割と本気で絶望した。
しかし、時間はまだある。朝の5時前だ。
目的の場所がどうなっているかはこの目で見ることが出来ないにせよ、
その手前までは様子を見てみたいと思い軽い様子見のつもりで徒歩で崩落場所の先に進んでみることにした。
軽い様子見のつもりなので、網は勿論リュックなどの道具は一切持たず、
便所サンダルから買ったばかりのトレッキングシューズに履き替えただけの恰好で林道の奥へ向かった。
昨夜までの天候もあって地面はゲチョゲチョである。
崩落した崖部分に足を乗せると、フワッと脆く崩れて3m下の川原に流れていく。
・・・・・・うわぁぁぁ~~シャレにならん(汗)
そこから先に進んでいくと、地盤の関係からだろう、大きな石が途中途中でゴロゴロと道端に寝ている。
どっちにしろ車で通過できる場所じゃなかった・・・。
さらにしばらく先に進んでいくと、だいぶ前からもう車は通らなかったからであろう、
道が雑草に埋もれるようになってきた。
いやぁ・・・地図上だとここからまだ先は長いのに、
まさか奥は廃道になっているんじゃないだろうかここは・・・。
ただ、この先歩いて辿り着ける距離内に良いライト照射ポイントが存在している可能性が高いことを考えると、「ちょっとだけ、あともうちょっとだけ」と云う誘惑に負けてしまい、なかなか戻ることが出来ない。
その先へずっと進んでいくが上の画像で分かる通り、道は草で半ば埋もれている。
そしてそれが夜露でビショビショになっているわけだ、
もう下半身はぐっしょりと濡れてしまいこれ以上進むかどうか悩むようになってきた。
・・・にしても、さっきから足首がピリピリと痛い・・・
車を降りてから30分ほど歩いた頃、目をひくものを見つけた。
おお・・・吊り橋だ・・・
下から鉄骨のアーチやコンクリートで橋を支える通常の橋ではなく、
上からワイヤーで木の板を吊っている、マジもんの吊り橋だ。
(別に物珍しいものじゃないんだろうけども)
林道は川に則して続いており、川の反対側は広い河原になっていてライトをかけられそうな場所になっているのが見える・・・
もちろん渡った。
1枚目の橋の画像は何を隠そう渡った後の対岸から撮ったものである。
ただ、渡る前の最初に橋のたもとまで来た時に、渡るべきか躊躇した。
画像を見ると躊躇した理由がお分かりいただけるかもしれないが、
この橋、風化して壮絶にボロくなっているのである。
そんでもって、川幅のせいもあって割りと長いんだこれが。
下から撮ると逆光で黒く見えるだけだが、
実際は湿気や風で足場の木が全て苔まみれになっており、痩せ細り折れたり崩れたり金具から外れたりしている箇所が多いのだ。
特に橋の始点と終点付近は草木に圧迫されている所為か、異常に損壊が酷い。
(対岸に辿り着いた時点ではあったが、一度足場の木を踏み抜いた時はマジでビビった)
ほんとにもう昔のリポビタンDのCMかインディ・ジョーンズにでも出てくるような
男心をくすぐる楽しい吊り橋なのである。
ただ言わずもがな、流石に落ちたら危険だ。
大きな川と川原が5~6m下にあるわけだが、
死ぬ高さとは言えないが、強靭な足腰を持っているわけでもなければ五点着地転回法を身に付けているワケでもないので川原に落ちても大なり小なり怪我してしまい今回の採集の支障になるし
川にドボンしたら・・・あたしゃ泳げないのでその場合は溺死。
(助かっても体力は大きく削られる・・・)
まともに足場の木材に体重をかけると100%どこかで踏み抜くので、
常に脇のワイヤーに体重をかけ腕の力を下手に抜けない。
こんなことならSASUKEの特訓をしておけばよかった・・・!!
橋の途中から周りの環境を撮ってみる。
俺の持ってるライトではこの場所じゃ役立たずで終わる気もする。
対岸まで渡りきり1stステージをクリアした後は、
鬱蒼と茂る草木をかき分けて川原に出る。
う~~~~~ん・・・・・・・・・・・。
手前のヤナギがちょっと邪魔だな・・・
川を挟んだ林道側を照らすのも良いかもしれないなぁ・・・
(↑↑画像右側が吊り橋)
しかし、今は手ぶらで来たからまだましだったものの、
これを機材を背負って渡るのはまたちょっと難易度が上がるぞ・・・(汗)
まぁ、また今度かな。
自分の道具できちんと照らせて丁度良い採集が出来る場所と云うのは地域柄意外と限られているので、リスクだけなら一級品なこの場所でも、自分の中では割りと真面目に候補として考えている。
それを考えると、
「また今度かな」と考えたものの早々にこの場所に決めた方が、場所が見つけられないリスクは回避できるのだが、今晩のライト照射場所にしようか迷ったまま再び橋を戻り来た道を戻ることにした。
迷う理由は主に、
山の上の方がうっすらガスがかかっていて夜の状況がもっと悪くなるのではという不安と、
ここでやると少なくとも、帰る時には「真っ暗な中」「道具を持って」「ボロい吊り橋を」渡らなければならない危険と、
他の候補地でここより良い場所があるかもしれないという期待の3つである。
橋から戻りそこそこ精神的な負担を受けたこともあって冷静になり、
「これ以上進むと、道具を持って往復するのは距離的にめんどくさいぞ・・・」
と判断し林道を引き返すことにした。
時刻はそろそろ朝7時と云うところで、車まで戻ってきた。
戻ってきてとりあえず一安心したということで、サンダルに履き替えるため
さっきから痛みを感じていた足をトレッキングシューズから抜いた。
すると・・・
案の定、靴擦れを起こしており左足首から血が滲んでいた。
流石昨日買ったばかりの新品! 靴が全然こなれてねェ。
足首まで覆うトレッキングシューズの特徴を全然考慮してなかったため、
履いてきた靴下もまさかのショートソックス。間抜けすぎる。
このままでは痛くてしょうがないので、カット綿を患部に当てて医療テープでぐるぐる巻きにして応急処置をする事に。
靴は勿論靴下もグショグショになってしまったので、
1足しか持ってきてなかったスペアの靴下に早々に履き替え、両腕と腰から下が全部濡れてしまったので運転席にはタオルを敷いておくことに。
まさか初っ端で足を濡らすとは思わなかったな・・・
林道を少々戻り、駐車スペースがあるところまで戻ってくると
昨晩からずっと寝てなかったのもあってここで仮眠をとることにした。
午前7時、デフォルトで設定していた目覚まし時計のアラームを切る。
意識がそろそろ遠のく頃、雨音が車の外から聞こえた。
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昼ごろに一度目が覚めたが、起きたのは午後4時半前。夕方だった。
そろそろ移動して明るいうちに他のポイントの確認もしておかないとと思い、
林道を後にした。
地図を見ながら次の目的地へ向かう。
海沿いに出てみると、海も白くなり遠くが見えない。
「海霧か」
昼間のような抜けた明るさが無くなってはいるが、
出発から30分ほどで目的のエリアに到着した。
朝に下見した危険なポイントも考えたが、
こっちまで来てしまったのもあるしとりあえずこのエリアのどこかでライトをかけることで心の中は決まりつつあった。
一応、肉眼で樹種が判別できる時間帯までは徒歩でライトをかける新規ポイントを探していたが、収穫を得られないまま薄暗くなってしまった。
日中におそらくそこそこの降水があった上に、一日中ずっと空が厚い雲に覆われている事もあって周りが非常に密度の高いミスト(霧)に包まれている。
霧に包まれた森の中は、何度来てみても本当に幻想的だと感動する。
やっぱりこうなったか・・・
朝の時点から危惧してはいたが(というか正直なところ出発以前から)、状況は全然よくない!
ある程度の標高ではどこもミストに包まれているため明らかにライトに不向きだ。
標高が低い場所ですらガスがかかるくらいの日であるため、場所はもうほとんど選べない。
1ヶ所だけ、幸いなことに自分の低出力のライトでも通用して
尚且つ標高があまりなくガスも薄いポイントがあったためそこで仕掛けることにした。
ある程度機材を組み立て、
数十分待機し空まで暗くなった午後8時丁度、
いよいよ1晩目の採集を開始!!!
日中から通して気温の上がらない日ではあるが幸いクワガタが飛ぶには問題ない。
点灯開始して約10分経った頃、今日初のクワガタ飛来!
ノコギリの♂だ。初っ端に良いものが来たのはいいねェ~~(嬉)
サイズを測ってみると59mmほど。う、う~ん・・・
そしてそれから20分後、既にノコギリ・ミヤマ・アカアシが来る中
初のコクワが飛来!期待は大きくなるばかり。
このポイントでライトをかけるのは初めてなため、ライトの向ける方向を色々と試してみる。
ミヤマの♂もちょいちょい飛来してくる。
サイズもなかなかいいのが飛んできたので撮ろうとするけど、歩き回って全然撮らせてくれなかった(汗)
憎きヘビトンボを退治しながら、ポツリポツリと飛んでくるクワガタをストックケースに丁寧にしまっていく。
黒光りする甲虫を視界の端にとらえ期待して近寄るとクロシデムシ。
ダニすげェー。
まだ開始からそんな長い時間経っていないにも関わらず、
クワガタの飛来するペースが若干衰え始めてきた。
これからがイイところなんだが・・・と焦る中、点灯開始から1時間後
地面にペシャッと大きな激突音がした。
大物を期待して向けたライトの先に浮かび上がったのは・・・
カブトムシだった。
ある意味大物だったな・・・と言うか、すっかりカブトムシの存在忘れてたよ(苦笑)
なんとなく肌寒く感じる、
最初は無かった風も弱く吹くようになり、まだ高い位置にしかなかったガスも下まで降りてくるようになってきた。
風向きが悪い・・・この場所は360°広葉樹というわけではなく、自分の機材で照らせるのは全方位の4分の1くらいしかない。
流れるミストも目で見えるほどにまで状況は悪化し、照らした方向の虫も粗方飛ばし終えたようである。
時刻は夜9時半、中型ミヤマ♂が落ちてきたがだいぶ久しく感じる。
このころにはもう既に終了ムードが漂っていた。
位置を替えたり戻したり悪あがきするが一向にクワガタは来なく、
点灯から2時間を待たずに午後10時前、ライトの電源を切った。
結果
26頭
内訳は大半がミヤマとノコギリ、
アカアシとコクワは♀が1頭ずつだった。
土産にする個体をわずかに残し他はリリース。
今日一番の大物はミヤマの♂(帰宅後撮影)、なかなか大きく見えたが測ってみると
67mmに届かずおよそ66.8mmほど。
悪くはないが欲を言えば68mmほど来てくれたら素直に嬉しいのだが・・・
撤収の時点でやはり気温・視界・風などまぁまぁ状況は悪くなっていた。
ただし、2日目の分までバッテリーは温存できたし早めに切り上げて正解だったかな。
初日にほとんど使い切ってしまうと云うやりがちなミスを犯さず済んだ(笑)
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撤収後、もう一度エリア内の別の場所でポイント探索を行った。
実は出発前から風邪をひいており、それに加えて口内炎も出来ていて色々と体調が悪いので(←どんなタイミングで説明してるんだ)薄ら寒くなってきている今夜の間はさっさと風邪薬とビタミン剤を飲んで休んでいた方がいいのだが、
夕方起きの所為か寝る気にもなれず、車を降りエリア内を探索することに。
徒歩でしか行けないライト照射ポイントを確かめに行ったり、自販機や外灯を回ってみる。
とは言えやはり霧は濃い。ある程度外灯回りをし終えて他の作業は無意味(だってまるで見えないんだ)と悟り、
車に乗り込みそのエリア一帯を出ることにした。
20日(月)
日付の変わる午前0時0分、
この時自分は、ブログ用に近写してやろうとカモシカを追いかけまわしていた。
頑張って撮った一枚がコレ↑↑。よく撮れてる。 悲しい。
最初道のど真ん中で車のライトに浮かび上がった時は
一瞬本気でオオカミが出たと思ったよ(苦笑)
車を停めて休む場所はどこにしようか考えた挙句、余計なことは考えずに初日に到着した最初の林道でいいかと結論し、その林道の方面に戻るまでの間にまた別のルートを使って外灯採集や樹相調査をした。
その中で一番マシな外灯でミヤマの♀を1頭見つけた以外は全くクワガタはいなかった。
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午前3時前後、林道に戻って適当なスペースに車を停めた後、夜食とスポーツドリンクで腹を満たし、採ったばかりのクワガタをケース越しに眺めて満足しながら、
今日よりは天候も良くなるであろう2日目の採集に期待を持ちつつ運転座席を後ろに倒した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目覚まし時計のセットされた朝7時に一度スイッチを切って2度寝し、起きたのは1時間後の午前8時過ぎ。
採集日程が無計画な上活動時間も不規則なため全くもって目覚まし時計が意味無い(汗)
時刻の確認をした直後、車の外に気配を感じた。
起き上がってみると、人が居る・・・!
一人や二人ではない、気が付けば自分の車の後ろの方に昨晩は無かった他の車が2台ほど停まっている。さらには断続的に次々と車がやってきては自分達の横を通り抜けては林道の奥へ消えていく。
皆大体同じような格好をしていて彼らの目的が何か一目で判った。
どうやらここは釣りのメッカのようだ。
1日目の時点で、この林道は川に沿って延びている事は書いたが、
確かに考えれば釣り好きが目を付けない筈がないくらいに良い環境だ(釣りの事は分からないけど)、近隣の釣り人が休日にこぞって来るのも無理はないね。
とは言え、こんな人のいるような場所で歯を磨いたり朝食をとったりするのは抵抗があるので、エンジンをかけ林道内で人があまりとまらなそうな場所に車を停めなおして準備をした。
なんとなく、自分の用事が夜メインで良かったな・・・と安心した(苦笑)
一人や二人ならまだいいが、林道に(虫関係でないにせよ)多数組の人たちが頻繁かつ同時に入っているのを見ると、
そこの箇所に対し個人的にはちょっと(かなり?)興醒めしてしまう。
勿論、奥の方には誰も行こうとしないならそれはそれで気分は持ち直せるのだが、山菜採りであれ釣り師であれ自然の中の物をターゲットとする人たちにはお馴染みの場所だと分かってしまうと、ちょっとガッカリするというか・・・
このクワガタの分野で例えるならヒメオオクワガタあたりが一番伝わりやすいだろうか。
福島県の広〇林道と云うと分かる人には分かると思うが、全国的に公にされてしまった所為でコアなヒメオオ採集者以外にも全国から「ヒメオオを採りたい」人が押し寄せる場所は、個体数はかなりのものだとしても切迫感があって好きになれない。元々数が少ない場所となればなおさらだ。
そういう所で採集すると「ここのやつは一回採ったしもう来なくていいかな」と云う気になるのだが、自分以外ほとんど来ない場所だと「また来月も、また来年も来てみよう」と思えるんだな。
誰も知らない新(珍)ラベルを発見するのが楽しいからというのはあるんだけど、前述のような考えになるのはきっと「他人を意識したりせずゆったり採集することが一番好きだから」なのかね・・・?
つまるところ、エゴの裏返しだろうか。
この朝食でパンと一口サラミを全て食べつくしてしまったので、
最寄りのスーパーへ買い出しに出かけた。
昨日からパンしか食べてなかったので今度はおにぎりを選ぶ。
飲み物はいくらあっても足りないくらいなのでいつものヘルシアウォーターもカゴに入れる。
最低限の物しか買わないつもりだったが、割引シールに誘惑されて4個入りのプリンも・・・。
ここのスーパーは周辺人口の所為で足の早い不人気品目が偏るからなのか、いつも多くのプリンが売れ残って割り引かれている。
(凄くどうでもいい情報まで書くのな俺)
車に戻りおにぎりをクーラーボックスに入れた後、
プリンを全部食う。
足に巻いたカット綿もボロボロになってしまったので交換するが、
今度はボロボロにならないように包帯を巻こうとしたが、ここでまた忘れ物に気付いた。
ハサミ忘れた~・・・
カッターすらもリュックに入れてない。
車内にある唯一の刃物と言えば、斧・・・
・・・包帯はもういいや・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日もまた明るいうちはライトをかける場所探しの為あちこちを見に行くことにする。
その内、昨日ドライブしている途中でひとつ気になるところがあったのでもう一度見に行ってみることにした。
その場所は現在工事中で車での通行は出来ない場所であったのだが、夕方に一度来て徒歩でちょっとだけ入って見に行ってみるとなんだか良さそうに見える場所だった。
さっそくその場所へ向かったのだが、
着いてみると道の入り口に車が停まってあっていかにも工事関係者と云ういでたちの人が立っている。
「どうもお疲れ様です」と声をかけ、この道の向こうの事を訊いてみたがやはり見ての通り工事中と云う事であった。
そうだよなぁ。祝日とは言え今日は月曜日だもんなぁ。
流石にこんな時に入っていく事は出来ないので、
夕方またここに来ることにして他の場所を見に行くことにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
林道に何本か突入してみる。
道を作っている途中で現段階では橋が架かったところまででストップしている箇所など、
ちょっとライトをかけられそうで気になる場所もあれば
画像では全然判らないが、入って失敗した林道もあった。
水の枯れた川の上流のような、大きな石がゴロゴロ埋まった細い沢のような道を、
息が止まるような恐ろしい摩擦・接触音にビクビクしながら進み、
どこで引き返そうか迷いながら無理やり転回し来た道を戻った。
勿論駐車帯のようなちょっと幅員が広くなる場所なんて無い。
奥まで進むと所々道を横切るように極小さな沢がホントに流れており、
それを越えていく毎に大きくなっていくので
「この先まで行ったらホントに川に合流するんじゃねえか(焦)」と身の危険を感じた。
周囲には素晴らしいミズナラの2次林が広がっている。
なんとか林道を引き返し(あれはホントに林道だったのだろうか?)、
一息ついたところで車底部に巻き込んだ枝を取り除く。
最近、なんかヤバい林道にまで車で突っ込むことが多い気がする・・・(汗)
舗装されていたが、倒木が道を塞いでおり徒歩で入らざるを得ない林道もあった。
こういう時の為に鋸を・・・と用意してきてはいたが、数と太さに戦意喪失した(苦笑)
道を進むと、そこはほとんど植林地帯だったが静かな池のほとりに出た。
遠くで水鳥が音を立て、大型のヤンマが視界の端に映る。
水の中をのぞき「落ちたら・・・」と嫌な想像をはたらかせる。
結局静かな良い場所ではあったがライトをやる場所としては適さなかったため
周辺の道を一通り歩き回って車へ戻った。
その後も山の中をウロチョロして、
まだ午後3時過ぎではあるのだが休みがてら夕方以降の準備をすることにした。
適当な広場に車を停める。
とりあえず足元が色々と不快なのでその処置から・・・
初日の朝に浸水同然に濡れてしまいそれ以降全く乾く事が無いトレッキングシューズから中敷きを外し、靴ごと天日干し。靴下も同じく。
最初のあたりでは痛めたのは左足だけだったが、
もう右足も痛くなってきていたので確認すると案の定こちらも擦れて出血が・・・
応急処置をする、この後かなり歩く予定なのだからしっかり巻いておかなければ・・・
次に手持ちライトの電池を交換し、身の回りの小道具を整理する。
そして、中途半端な時間なので飯はどうするか迷ったが、
夕方からは歩くと云うことで買ってきたおにぎりを全部ほお張る。
地図やガイドマップなどを読みながら時間を潰す。
ドアを開け放っているので外からちょくちょくアブが飛び込んでくる。
そして車内の天井に皆張り付き突っついている。
・・・たまにはちゃんと掃除しなきゃな・・・
地面を見るとアリがせかせか動き回っている。
巣の入り口を見ると、翅アリが密集して待機しているのを確認できた。
「・・・これ、今日はイイんじゃないか・・・?」
思い返せば昨日はほとんどと言っていいほどアリは飛んでこなかった。
まだ天候の読みは未熟な自分ではあるが、
少なくとも昨日よりは良い結果が望めそうな気がした。
天気は晴れており、昨日まで一日中空を覆っていた厚い雲もそれほど無い。
じめっとした蒸し暑さは無いが雨が降っていた昨日に比べたら明らかに気温は高いし
山は勿論海にまでたちこめていた深い霧もほとんど掛かっていない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
時刻も、通常考えれば工事作業もそろそろ終わる時間になってきた。
道路を戻るダンプなどの工事車両や作業員たちを乗せているであろうバンが増えてきたので靴などの荷物をまとめ、アブを駆逐し、例の場所の入り口まで向かった。
時間を少し待って入り口の駐車スペースに停める。
午前中には居た入り口の工事関係者も消え、近くには釣りかトレッキングで訪れているであろう県外ナンバーの車が停まっているだけだった。
装備を整える。
以前から梯子を背負って山に入ったり、手に余すほど道具をゴチャゴチャ抱えて林道に入ることはあったが今回もそんな感じでライト機材や収納ケースなど、使うであろうものを最低限に絞ったがこんな格好になった↓↓
こまごまとしたものは全部リュックへ入れた。三脚は本当に入れるのがギリギリだった・・・。
(これまでは手に持って歩いていたが非常に辛かった)
トレッキングシューズを買った時の袋にバッテリーを入れ、位置把握のため地図も入れる。
(この付近は電波があまり入らないのでケータイのアプリでGPSが機能しない)
網は2種類車に積んできていたが、大きい7mの網が今までヒメオオ採集以外にまともに使えた試しが無いので100均の網を持っていく。これで飛んでいるヤツをスイーピングするわけではなく、ライトに向かってきた後に変な方向に散ってしまうのを物理的に阻止するために使う。ホウキは勿論撤退時にライトや三脚の雑虫を掃き落とすため。
虫を入れるストックケースは、昨日の採集品が収まっている中サイズのが1個と、空の大サイズ1個。ます目の数を数えれば実際のところたくさんの数は収まらないのだが、まぁ自分のショボいライトではそんなに困るほどたくさん飛んでくる事は無いでしょう。
(実は、この甘い予想が後で外れることになる・・・)
これに加え帰り道は空いてる側の手で前を照らすライトも持たなければならない。
到底知り合いには見られたくない重装備で車両通行止めの奥へと入っていく。
うわぁぁぉ・・・すげぇぇぇ!!!!!
予想以上にライトトラップの場所としては有望だ。
樹相も非常に良く、横からライトが当たりやすい川沿いの切り立ったような地形で人の手が入っていた形跡が無いため、生えている樹は巨木の割合が多く大きな立ち枯れも各所に見受けられる。
ケータイ会社の宣伝文句じゃないが、
まさに「かけ放題」な場所だ。
カメラで撮ってもこの様相。下から上までまんべんなく照らせる上に自分の弱弱しいHIDライトでも十分届く距離だ。
歩いて行って橋を渡れば岸の反対側にも照射出来るので風向きの問題にも柔軟に対処できそうだ。
逆に気になる場所が多すぎて迷うくらいである。
ただ、「奥まで行ってみたが結局入り口近い場所の方が良かったかも」と云う状況にならないように、暗くなる前に場所を絞り込むため引き返すことにした。
歩き始めて5kmの地点であった。
(出発前に考えた事でもあったが、自転車とか積んでくりゃ良かった)
だんだん樹種も判らなくなるほどに暗くなってきた。
結局ライトをかける場所は、3km戻って入り口から2km地点の場所にすることにした。
理由としては、この場所だと道路と川が橋を境に入れ違いの並びになるから、かな。
午後8時、2日目の採集開始である。
届け!俺の想い!(苦笑)
思った通り昨日と違って翅アリがたかってきた。
昨日と違ってガスも邪魔していないし気温も高い。
10分経たない内に早速第1号の飛来個体が見えた。
ライトの周りを旋回し後ろの暗がりへ飛び込み静かになった。
着いたな・・・と察しライトで照らすと
やはりというか、アカアシだった。
これは時期的に考えてもアカアシの数が増えるなと予想が付いたが、
誰もライトをかけに来ないであろう場所だからか、
久しぶりにこれを体験することに・・・
東北名物・アカアシシャワー
数百~数千ワットの大光量で広範囲に照らした場合と比べると大した数ではないが、
拾ってケースに入れているともう次のヤツが落ちている。油断すると2~3個体が居る。
開始から十数分(初飛来から十分弱)ですでに2ケタを超えていた。
アカアシは小さな♂♀ばかり目立つが、ペシャっと大きな甲虫も落ちてきた。
やっぱりお前が来なきゃな!
ミヤマの♂は点灯開始から23分後に初飛来。
今日初のミヤマ♂を入れている途中、ケースを見て思った。
まずい・・・このままだと入れ物が間に合わない・・・(焦)
困るほど飛んでこないだろうと思い、持ってきてたのは仕切り付きのストックケースだけ。
しかも2個持ってきた内の片方は昨晩の大事な虫も入ってる・・・
数が多くなればそれだけ(出ようとする虫の脚がはみ出しB品になる危険が高くなるので)フタの開け閉めがめんどくさくなり時間もかかるようになる・・・
おまけに次から次に飛んできて拾ってケースにしまってを繰り返すと下手したら昨日の虫と混ざる危険がある・・・
どうしよう、車の中には大量収容用のタッパーがあったがわざわざここから車まで戻るか・・・?
どうしよう・・・どうしよう・・・
時刻はそろそろ8時半だ、
これから本格的に飛んで来る時間帯だってのに現場を離れていいべきか・・・?
しかし虫が沢山来ていながらケースと格闘しているのも効率が悪いし・・・
そもそもここから車まで急いで戻って帰ってくるのにどのくらい時間かかるんだ・・・?
滅茶苦茶葛藤した結果、ダッシュで車まで取りに行くことにした。
よりにもよって自分が昔陸上競技の中で一番苦手だった中・長距離走を山の中で(しかもトレッキングシューズで)行うことになろうとは、つくづく自分の用意の甘さを呪った。
そして再三付け足しておくが、風邪をひいている。
ライト片手に道を走って戻る。
真っ暗なので景色が全然見えなくてどのくらいまで戻ったのか分からなくて不安になる。
飲み物も持ってきてなかったので喉もカラッカラである。
ようやく車まで戻ってきてタッパーを掴む。
汗だくのヘロヘロになったので、残りわずかなヘルシアウォーターと残しておいたゼリー飲料を速攻で胃袋に流し込み、急いで来た道を戻る。
いくら水分を補給したからと言ってすぐに疲労回復できるはずもなく、
バテバテで足も遅くなる。まぢ死ぬ・・・!
ライトまで戻ってきたのは走り出して30分以上経った頃。時刻は9時を回ったところ。
やっぱり結構時間かかったなぁ(汗汗汗汗)と焦りながらも広範囲に散らばっているクワガタ達を拾い始める。
あたりにはアリの臭いがたちこめている。
画質が悪いので全然判らないのが残念だが、
この画像中あちこちにやや黒い点みたいなものが見えるが全部クワガタである。
(自分でこの画像を見て驚くほど少なく見えるが、沢山いるのである)
密度が濃すぎて、飛来後勝手に♂♀ペアになって交尾してるヤツらまで居た。
そして嬉しい限りだが中にはひときわ大きなミヤマの♂も着地していた。
ただ、拾っている途中思ったのは、アカアシ以外のクワガタがほとんど飛んでこない・・・
ずっと同じ位置を照らしていたので違う方向に照らしてみたりするが、
状況は全然変わらない。むしろ範囲的に限界が来た感じだ。
1灯をその場に残しもう1灯を三脚ごと持って、
川と道路の並びが反対向きになる100m向こうの場所まで移動することにした。
風が当たる場所だが置くことに。
雑虫もちょっと寄りが悪く、風に流されている感じがある。ちょっと不安になる。
最初の場所まで戻って様子を見てみるが、全然クワガタが落ちてこなくなっていた。
仕方が無いので残していた片方も100m動かすことにした。
別場所で2灯当てになった。
とは言え全く反応が無い、まぐれでアカアシ♀が1頭しか来なかった状況だったが、
この日ようやくコクワが飛んできた。
またアカアシかと思って見たら腹側が真っ黒でちょっと驚いた。
こっちの方が良いモノ飛んでくるのはないか・・・!?
と、俄然期待してしまったが・・・結局スカ。
一定時間経ったのでまた奥へ50m・・・また50mとずらしていく。
その度にチョビチョビ落ちるクワガタを拾ってはあちこちに置き散らしてしまったケースの場所まで持っていったりして、100~200m間を何往復もすることになる。
「あれ・・・(汗)ライトトラップってこんなに走る採集法だっけ・・・??(汗)」
ほとんどアカアシも飛んでこない状況の中、コクワの♂がようやく飛来。
ただ、この後風向きや照射距離の問題もあり飛来のペースが回復することはなかった。
結局またHIDライトを持って来た道を戻り元の位置付近を照らしてみたがもうさっきまでの反応は無くなっていた。
しょうがないので終了するつもりでタッパーの状態を↑↑。
画像としてみるだけだとそんなにたくさん入ってるように見えないな・・・
珍しいフジ型のミヤマ♂も居たがB品だったのでリリース。
何も飛んでこなくなっていたが、せっかくここまで来たしバッテリーを全部使い切ってから帰ろうと思って惰性で照らしていると突然三脚にカーーン!とぶつかる音がするので近寄ると・・・
結構いいサイズのミヤマ♂だった(一旦引き離して撮影)
最後に良いお土産が増えた・・・と思ったら後脚1本が丸々無い・・・
他の奴が飛ばないこんな時間に来たということは、他の個体と争って負けたからだろう。
結局土産にはならなかった。
そして、2灯それぞれ最後のバッテリーが切れようとするところで
また何か落ちてきた。
この日初めてのノコギリだ。
ただし全然小さいのでこれも土産にはならず。
最後のライトも消え、撤収作業に取り掛かった。
ライトで照らしていると、どこからともなくフワ~~っと小さな光が飛んでくる。
ゲンジボタルだ。
意識して観ているわけではないが、1シーズンでゲンジ・ヘイケ・ヒメの3種を全部見たのは今年が初めてだな・・・
今日の大物はまたミヤマ。(帰宅後撮影)
ただ、嬉しい事に自己最高の69mm!!
・・・と思ったら!!、帰宅後〆てもう一度測ってみると
左腮側だけなんだけどギリギリ70mm届いてる!!!
これは、飼育面でお世話になっている方へお礼として差し上げることにする。
荷物が増えた帰り道、ヘロヘロになって歩いて帰る。
タッパーを持ってきた後も荷物をあちこち移動させたりライトとライトを離してその間を走って移動したりと兎に角体力を削る数時間だった。
頭の中はもう、採った虫とか半ばどうでもいい感じにまでシンプルになっている。
ただ一つ、採集後の冷たいドリンクをどこで何を買おうかしか考えてない。
車に辿りついた時点で、もう靴を脱ぐのもやっとだ。
荷物を載せ軽くなった体で一息つく。
エンジンを掛けて時間を見ると、
もう既に日付が変わっていた。
2日間の採集はこうして終了した。
その帰り、道中くまなく自動販売機を見て回った。
・・・・・・え? まだクワガタを探していたのかって??
そりゃァ、好みのジュースがあるかどうか
探してたに決まってるでしょーが!!!!
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