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和訳 ~わや苦~ [〆グアンシィシカツノ]

 『わや』・・・津軽弁で「すごく」「とても」の意


おそらく今年最後になるであろう増種ネタです。


今日はファーブルハウスにて、前々から興味のあったこのクワガタを入手しました。

グァンシィ幼虫.JPG
Kirchnerius guangxii Schenk, 2009 中国 四川省





↑↑って学名かオイィィィ!!!!!!!

まぁこれがこのクワガタにおける問題点とも言えましょう。(この件は後回し)

そして問題はもう一つ、産地の問題です。(この件も後回し)




冒頭で書いたんですがこれで今年の増種は終了となります、多分。
今年はあちこちのブログでも登場しお目にかける機会も多かったクワガタかと思います。


さて本種についてですが、
2009年にドイツで記載されたばかりの1属1種の変わり種なんですな、
現地の昆虫雑誌の表紙にも堂々と登場していますね~
生体も同年の6月に初上陸しています。
入荷初期はペア価格で20万円以上でしたね~

そんでもってこのクワガタの面白い所が、

どう面白いかというと見て頂ければ分かるんですが↓↓↓





これが今回購入した幼虫の親♂です。
グァンシィシカツノ♂.JPG
2010 10 26_1477.JPG
2010 10 26_1478.JPG
                                 【撮影協力  ファーブルハウス】

自分は本種の写真を見たときに「すごく『中国』っぽい!!!!!!」と感心しました。

なぜって……







だって何か見た目が『兵馬俑』ってカンジが
                                  しませんか???








                          ………いや、しないんなら別にいいんだけどサ。


大腮の構造を見て分かる通り、
内歯の出方がすごく独特ですよね。

また体型も変わってます、
♂は前胸背が大きく膨らんでいて胸マッチョなシカクワガタによく似ています。

そして♀に至ってはまるでコクワガタのようなルックスです。

中国4000年の歴史が染み込んだ感じです(意味不明)



飼育についてはクセも無く成長も成熟も早いようで簡単なようです。
とある面でお世話になった某Mさんによれば、
オオヒラタケ菌床・カワラ菌床・発酵マットのいずれでも良く成長するようです。

ナントカドーニカ60mm近くまでいきたいところですね~


          新しく入荷した在庫  1種類
         ブログに載せた在庫 53種類
              全ての在庫 34種類




さてさて、『後回しの件』ってヤツですが、この先書いていくのは
今回の主役Kirchnerius guangxiiの和名産地について。

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最初に断っときますが、
これから書いていく『自分の意見』いかなる文脈・・・・・・であってもあくまで私見・・であり、
『その考えは間違いだ』とか
あと情報も間違ってる可能性もあるんで『その情報は誤りだ』とかはナシで。

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まず、和名(つまり日本国内での呼び方)ですが、
別に正式な呼び方も決めつける必要もないと言う事を前提として…

このクワガタの呼び名の変革について、
最初この虫は某S氏によって中国・広西壮族自治区から初入荷しました。
そのすぐ後になってから他の業者もし入れ始めたんじゃないかと思います。
で、彼(S氏)の周辺では既に

『キルクネリウスグアンクシィシカツノ』
学名を直訳して読んでいたようです。
つまり種としての情報を掴んでいたワケですよね。
和名(和訳)は多分B氏が関係してこうなったとかならなかったとか…
因みに属名の「キルクネリウス」は人名から由来しており、
種名の「グアンクシィ」は基産地の広西壮族自治区からとっています。
でも何でシカツノなんだろー? シカじゃダメだったのか??

しかし、kirchnerius guangxiiと云う名前を知らなかった(情報が無かった)他の業者は
種名が判明するまでの間、流通において
『中国sp.』
と仮の名前(?)を付けていました。
この2つの呼び名は結構最近(今年)まで使われていて、
彼方此方で「キルクネリウス グアンクシィ」の呼び名が聞こえ始め
次第に「中国sp.」の仮名は消えていきましたね。

そうなれば次に来るのは『和名の統一化』ですね。
「キルクネリウスグアンクシィ」
「キルクネリウスグアンクシィシカツノ」
「グアンクシィシカツノ」
「キルクネリウスシカツノ」
等等と色々出てきました。

そのうち、種名直読み+属和名と云うクワカブ業界の(悪しき?)流れに沿って、
『グアンクシィシカツノ』
と云う名が勢力を拡大、定着しつつありました。





個人的にはこれでお腹いっぱいだったんですけどね……
今度は『guangxii』の読み方について各地でツッコミが入るようになったんですね。

(ここから本題ですが)
そもそも『guangxi』と云うのは、
生息地である『広西壮族自治区』⇒『広西』
中国語読みが英語表記にされたモノなんですね。

だからつまり読み方はそのまま「グアンクシィ」だと間違いである、となったワケです。



だったらどう読むのか?

「クアンシィ」(クアンシー)
「クアンシ」
「クワンシィ」
とか云う呼び方がありましたな。

因みにこれ以前にも「グアンシィ」と云うパターンもありましたが、
どちらにせよ「グ」は違うと、これも否定されてしまってきていますね。

さらに+。
「広西壮族自治区」ですが、【昆虫好き】&【地理好き】の自分は
現役高校生当時に地理の授業でここもバッチリ学びましたから、
その時の読み方ももちろんバッチリ覚えています(ただ発音をどう表記するか迷いますが)。
「ク」と「コ」の発音がカナリ近いんですが
「クヮンシィ」
「クァンシィ」
「コヮンシィ」
「コァンシィ」
「コアンシィ」
と云うのも近いです。

因みに「広西壮族」を繋げて読むと「コヮンシーチョヮンツー

個人的には、
ラテン語記載で『guangxii』なんだから中国語に忠実になる必要は無いんじゃないか?
と思ってしまうんですけどね。
つまり『グアンシィ』ですな。

誰か日常会話でラテン語使ってる人に聞かないとな~ハハハ
                               (いろんな意味で無理だゾ!!)









と云うか、早い話…



1属1種なんだから
   『シカツノクワガタ』で丸くおさまるんじゃねーの?



だってニジイロクワガタを「ムエレリニジイロクワガタ」なんて言わないでしょ?

ナンか、変にすっきりした気分だ……   ……???







さて次は産地ですが、
本種シカツノの基産地は
中国 広西壮族自治区 大明山
となっているようです。

しかも基産地大明山の固有種とS氏は語っております。
(記載文にそう載っているという事でしょうか…)
因みに、このシカツノを飼育している方の中には
「大明山ってドコよ??」と気になった方も居られるんではないですかね?
広西壮族自治区って一口に言っても結構広いですからね。



2010 10 27_1479.JPG
この辺です。(超~アバウト!!!)
100kmほどある山脈の中の一つです。
おまけにこの地図帳(昭文社)の読みは「コワンシー」ですぜ~
+高校の地図帳(帝国書院)も「コワンシー」ですよ ヒヒヒ

因みにちょっと突っ込んで産地を表記すると
広西壮族自治区 南寧市 武鳴県 大明山
(このくらいしか分かりません)
大明山は観光地としても人気があるらしく、
四季もはっきりしていて動植物の宝庫としても有名です。

しかし、大明山の固有種と言われる本種ですが

ある某業者が同じく2009年に『四川省』ラベルの本種を仕入れたのです。

その個体達は当然「四川省」産として出回る事になりましたが…
大明山の固有種と言われしかも近年まで発見されなかった虫が
雲南省・貴州省をはさんだ向こうの四川省で採れるもんかな…?

考えられる事はいろいろあるけど…
でもカブクワの業界とか現地のバイヤー・キャッチャーは
本件と同じような事は何度も起こってきたししてきたワケだから
どうしようもないよね~

だけど、大明山にしか居ないというのも妙ですよね。
中国広いのにそんな局所にしか居ないもんですかね?
ま、答えなんて俺にゃ分かりませんが~








くそ~…歯痒い

ウチのコヮンシィ、四川省産だからな。













ア"ア"ア"ァ"ァ"ァァァ

モヤモヤスルゥゥ!!!!

眠れねェェェェェ!!!!!!!


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キドちゃん

会長さん、こんにちは!
おお~!ついにグアンクシィ...
あ、グアンシィだっけ?ゲットおめでとうございます!^^
ブリ難ではないにしろ、まだ結構貴重ですよね?
やはり、そのアゴは魅力的ですよね~
産地については...現地に行って採っちゃいましょう~www
by キドちゃん (2010-10-28 14:47) 

会長

キドさんこんばんは~!
前々から気になってたんですよギュォワンチィ(笑)…
いや…人気は今もなお有るんですが…
少なくともビッダとヤフオクでは『超暴落』しちゃってます(悲)
いくら暴落すると言っても
わずか1年でこんなレベルまでにはいくらなんでも…
カブトでもここまでの急降下はしません…
ではでは~
by 会長 (2010-10-28 17:52) 

目薬

会長さん、お久し振りです!先日は大変お世話になりました。
シカ自体飼ったこともない自分なのでサッパリで…読めば読む程頭がこんがらがっていきます…(笑)
しかし何の生き物でも産地にとことんこだわる自分なので、この様な話題には目が行きます。
再度オオクワ質問で申しわけないのですが…国産の越冬する種のクワは、十分に保温していても冬眠しようとするものでしょうか?
三頭いる中の一頭の♀が産卵木を相当齧っているのですが、これはもしかしたら脈アリ?と勝手に思っています。しかし、自分の冬眠用に齧っているのか?とも思えてきて。
クワ部屋は23~5度を保っています。一度は産卵セットに入れるのをやめたんですが某Sさんから、11月まではまだ分からないと言う事を聞き、またもや組んでしまいました;


例の子の件ですが、サイズからして産まれたばかりの個体のようですね。
全く餌付きません(笑)
カエルだったらどの種も速効なのですが、自分はカエルが好きなので、さすがに生きたカエルはムリ!と言う事で、マウスちょん切って強制給餌しながら頑張っています…嫌われそうです。まあカエルより栄養価も良いですし…。餌付いてくれればこの先安泰だと…
だんだん人を覚えてきたようで床材から顔を覗かせるようになって来ました。元々ネズミ食いの種なので、根気よく接していれば餌付いてくれるとは思うのですが。
外産など含めて色々飼育していますが、やはり国産種の中ではずば抜けて魅力的な種です。なにより顔がチワワみたいで…
はぁ。またしても長文で自分が嫌になります(笑)
餌付いたらまた報告します!

by 目薬 (2010-10-29 10:40) 

会長

目薬さんこんばんは!
こちらも色々とお話出来て有意義でした(あの時自分はほとんど聞いてるだけでしたけど)
産地はやはり重要ですよね!
ノーラベルはもう眼中にないです(笑)
自分は近年国産モノは常温でしか管理していないのですが、
オオクワやコクワ等越冬するクワガタの場合、
冬でも加温していると越冬体制に入らず活動を続けます。
ただ、年間を通して活動温度帯を維持して飼育し続けると
もちろんその分寿命は縮みます(と云うのが通説です)
その部屋温度で木を齧っているという事であれば
やはり産卵行動と解釈するべきかと思います。
今の時期だったら産ませた後でも十分越冬させて寝かせられるのではないか
と思うので、
自分であればこの後は
1 産卵行動を開始後1ヶ月経過したら
  休養を兼ねて♀をケースから取り出す。(そして常温管理で越冬)
2 ♀を取り出して1ヶ月以上経過してから割り出し。
  (自分の環境だと2ヶ月前後で割り出せば
   割り出しに苦労しない程度にそこそこ育っていて雌雄判別も楽なんですが
   某Sさん等の環境で2ヶ月だと育ち過ぎて幼虫の数が減っていたりします)
と云ったプランですね~

例のあの子ですが、あの種類ってかなり餌付き難いようですね。
餌付くまでかなり根気が要るようですが頑張って下さい!
自分はヘビが慣れてきていたとしても多分分からないでしょうねぇ…
他のヘビを自分はまともに見た事が無かったので分かりませんでしたが
画像を検索して見てみると確かに「顔」って違っているもんなんですね~
ではまた長文と報告を楽しみにしております(笑)
by 会長 (2010-10-29 22:51) 

ポコちゃん♪

会長さんこんばんは、お久しぶりです。
すっげ~格好いいクワガタですね。
こいつも何年か生きるタイプですか?初めて拝見しました。
そうそう、我が家にもオオクワガタ君が仲間入りしたので、
見に来てあげて下さい。
今後、飼育のこと等でアドバイスをお願いしにお邪魔することがあるかも知れませんが、その際はどうか宜しくお願い致します。
なにぶん素人なもので・・・(笑)
by ポコちゃん♪ (2010-11-01 22:55) 

会長

ポコちゃん♪さんこんばんは!
一瞬驚きました…改名していたんですね(汗)
恐らくコイツはそれほど寿命は長くなさそうじゃないかと思います。
(去年初入荷でまだ分からないんです…)
クワガタは世界に1400種類以上確認されていて
毎年新しい種類が増えていますからのめり込むと恐ろしい末路が待っていますよ(笑)
そちらにもまたお邪魔させて頂きますね、
こちらにもまたいつでもいらっしゃって下さい!
by 会長 (2010-11-02 00:34)