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平成最後の十和田市オオクワガタ決戦 [日昆 採集記 【2018年】]

  7月9日(月)

方である。
自分は車で八甲田山を南下していた。





年も後半、7月を迎え既に9日目になった。クワガタの野外活動シーズンに入ってもう結構経つにもかかわらず、生涯目標の市町村別コクワ採集などほとんどおざなりにして専ら同じエリアにばかり通い続けている。
そここそ、何を隠そう記事タイトルにもある十和田市に他ならない。

十和田市と言えば、説明するまでもなく(?)青森県の虫屋が心の故郷とする地であるが、
ここへ何度も通っているそのワケは、これも記事タイトルにある通りオオクワ狙いの採集である。

遡ること今年3月末
年間目標を掲げる(だけ?の)記事の中で書いた一つにこれがある。


  オオクワガタをブリードしてみる


血統物ブリーダーのように本格的に、とまではいかなくても
一度きちんとオオクワをブリードしてみようという事で今年の目標にしたものだが、この目標に向かうにあたって、必要な親虫の入手先が販売品や人からの譲渡では全く面白くない。元々ドルクス全般のブリードに関して意欲の湧かなかった自分からすれば、自己採集品でなければ飼育するモチベーションが保てないのである。

それで、ブリード用にオオクワの♀を狙いに休日・平日問わず十和田へと行っているのだが・・・


採れない(苦)

採集者が増えライトトラップが苛烈な時期がやってくる前に、ササッと♀を採ってしまってその後は競合が少ない他地域への採集に切り替えよう・・・と云うストレスフリーなプランを構想していたのだが、やはり結果は長丁場の泥仕合になってしまった。
新緑を迎え日中の気温も上がるようになってきた6月の初頭(2日)から出撃開始、この日は早々に気温が落ち、21時を過ぎて気温10℃と云う有り様に震えていたが、
3日後の5日は青森におけるオオクワ開きとなり2ヶ所で1♀づつ飛来があった。その内片方はNo.7の所へ飛んできた初飛行と思われる46mmの特大個体。残念ながら自分の所へはオオクワの飛来は無かったが、美形のコクワ♂が飛来したり(今年ライト初飛来個体)オオクワに近づいていく手応えを感じたものだった。

しかし、その後一気にライトトラップの勢いは失速。・・・いやもう完全にストップした。
雨が降らない。雲が張らない。昼間いくら気温が上がっても夕方になるとスッッと熱が抜けて放射冷却。雨も全然降らず湿度が上がらない。湿度は高いと云う日は往々にして低温。

普通種が偶に飛んでくるようになったのは20日を過ぎてから、そして夜も気温がキープされるようになってきたのは7月に突入しようかと云うような頃だった。
この頃にもなると、県内各地からライトトラッパーが集まり始めるのでのんびりと構えて好きなようにライトを向けたりできなくなってくる。他の採集者の位置関係やライトを向ける方向や光量の力関係を把握しなければいけないからだ。

その例が7月に入って初日の事。自分が通っているポイント(A)のすぐ隣りのポイント(B)ファーブルハウスの鈴木さんが入った。まともに採集できるシーズン中にABの両ポイントで同時にやった事が無かったので、電話で連絡を取り合い『光の干渉実験』をしてみようという事になった。
鈴木さんが使うのは、しっかり発電機を焚いて点ける〇〇〇wのライト。対して自分は100w未満のHIDハンディライト。この差だけを前提条件にすれば、実験するまでもなく鈴木さんの方だけに殆どの虫が行ってしまうのは明白。しかし今回は、データがきちんと取れていない地形という事でどうこちらに影響するか分からなかった部分もあるのだろう。
結果は・・・予想の範疇だったがやはり負けた。鈴木さんのライトがAポイント方向に向くとこちらの山肌にまで光が届いているのがはっきり視認できた。つまり、こうなった場合、絶対にこちらはBポイント方向にライトを向ける選択肢を取れないし、自分側の方向に向けても光量負けして自分の所に落ちてくれるクワガタが激減するのだ。地形を読んで飛来する虫の位置から見てB側からの光線が見えないようにライトを当てると、照射範囲が非常に限定される。
この日クワガタは結局1ケタ台前半ほどしか採れず時間的都合で1時間半ほどで撤収したのだが、この直後にBの方にオオクワが1♀飛んで来た上普通種もドバっと流れ込んできたとの事だった。こちらの側にしてみれば、干渉していたし飛んでいる個体を寄せる事も出来なかったと云う事になる。
おまけに、鈴木さんの所へはさらに遅い時間になって1♀1♂追加が飛んで来たのだと云う。

さてその後なのだが、
2日になって突然原因不明の胸の痛みに起床時から苦しまされる事態に陥ってしまった。
今まで体験したことが無かった症状とあまりの傷みで、「あぁ俺もいよいよ腹を括る時が来たか」と悟りかけた。流石にこんな苦しい中で山へ行く気にはならず夜は自宅待機。
この夜も鈴木さんは1♀採れたとの事だった。

3日は病院で検査をしたが、とりあえず経過を見ることで終わり処方箋も湿布だけだった為、「=山に行ける」と結論してまだ苦しい胸を押さえながらこの日もポイント入りして普通種3頭。他のポイントではどこもある程度まとまった数が採れていたのだと云う。

この後数日雨と低温で青森は一時休閑期に入った。
どこかのブログで、「東北各地本格的に採れ始めた」とか書いてたのを見たが、青森だけ無視されてるのだろうか? 


といった感じで、話は7月9日へ戻る。






の日は長雨で数日お預けを食らった反動もあってか、朝から十和田行きの準備は抜かりなかった。
平日なので仕事なワケだが、予定していた業務が残業コースになり得ると見越して出社時刻を繰り上げ、それでも長引いた時の為に退勤後山へ直行できるように着替えと機材を予め積んでおく(け、けっこう普通・・・)
結果、残業も採集に影響しない程度に短縮出来、会社からそのまま十和田を目指す。
道中で服を着替え夕飯代わりの炭酸ジュースを腹に流し込む。

十和田市内に突入して間もなく、No.7から電話がかかる。

No.7 「いやぁ~~、クワガタ採集日和ですねぇ~(笑)」

自分 「そ・う・で・す・ねぇ~(笑)」

No.7 「あれ? もしかして、来てます?」

自分 「『来てます』って言い方するという事は、No.7さんも~?」

彼もやはり来ていた。チャンスだと見ればすかさず十和田入りを決行(時には強行?)するのも彼の虫を見ればうなずける。何しろ、前述した6月5日に彼が採ったビカビカの♀が未交尾と思われる上に46mmと云うサイズ、♂を会わせてやらないワケにはいかないだろう。
彼も自分と同じくシーズン初期に早々に十和田のオオクワ採集を済ませたいと考えていた一人であり、本命ポイントで♂を採れず連敗していたのだった。

さらに、彼の場合は自分と違いメジャーなポイントで♂を狙わなければならないので場所取りが厳しく、この日は残念ながら本命ポイントではなく別の場所でライトを点けることにしたと云う。
トイレ休憩がてら待機中のNo.7と合流して情報交換後、自分も目的のポイントへ向かった。


集エリア内を移動中、各ポイントには多くの採集者と見られる車が待機しており、既に機材の設置を完了している所も多かった。

さて自分のポイントに入る前にちょっとお隣のポイント(前述のB)を横目に通り過ぎようとしたところ・・・・・・

・・・・・・!!
アラッ!? マズい!!! 灯火機材置いてある・・・!!


迂闊だった、よく考えてみればBポイントに人が入っていないという前提は無い。作業台と400ワット?のスポラート2台が設置されているが、人や車は見当たらない。このポイントに入っているとなると大概は鈴木さんだろう。思い返せば今日採集に行くと云う話を、来る可能性が高い鈴木さんと打ち合わせてなかった、そのせいでまたかち合ってしまったワケだ。
もう仕方ないがちょっと示し合わせておこうと思い、鈴木さんに電話をしてみる。

自分 「鈴木さん今日来てました?」

FH鈴木 「いやっ、今日はパスした」

自分 えっ!!?

鈴木さんではなかった。
困った・・・先日の件で、自分のいるAポイント方向にライトを照射されてしまうとこちらの飛来がほぼ止められてしまう事は実証済み、出来る事ならば傍までお邪魔して照射の角度などを注意してもらうようにお願いしに行く事も出来るのだが、マイナーポイントに入るこちらの事情もあるのでそれが出来ない。遠目に見た様子では、ぽつんと放置された奴さんのライト(スポラート)Aポイントには向けていない。鈴木さんも、「相手の腕が悪いことに期待するしかないな、負けんじゃねぇぞ」と言うのみ。


ここまで読んでいて、
「いや、そこまで言うなら他の場所に変えればいいだけの話だろ?」
と思われる方もいるだろう。
6月から通い続けて採集を行っているが、十和田に何ヶ所も存在するライトトラップのポイントの中で自分が今期来ているのはさっきも書いたがこのAポイント1ヶ所のみなのだ。それは十和田のオオクワをブリードするにあたって、このポイントで採れたものを飼育しようと予てから決めていたからである。

その理由は2つあり、
1つ目去年の2次発生の時に採った♂が1頭家に居る事。
CA3I0748.JPG
↑↑コイツ

あとは♀さえ1頭採れれば確実にブリード出来る事になるのだ。

2つ目ラベル管理上の拘りによる部分から。
ここからややこしい説明になるが、自分の入る場所は確かにマイナーなポイントではあるが産地ラベルとしての括りならば近隣にも採集ポイントは存在する(ちなみに、Bポイントについては位置的に隣りではあるが地名としては別のラベルになる)。それら近隣のポイントは前から採集ポイントとして認知されてはいたが、正しい地名が地元採集者の間でも認知されておらず、採れた場合のラベルの付け方がピンポイントになり過ぎると云う現状に置かれている。
『ピンポイント過ぎる』と云うのは、採集ポイントを明確に区別する為に、「採れた場所」の具体名を付けるという事である。例としては、橋の名前(〇〇橋)建物またはその敷地の名前(〇〇館、〇〇荘)がそうである。
これは個人的な考えだが、こうしたピンポイントな橋や建物名を使うのは標本としてのラベルならいいが、ブリードする場合には適当とは思えない。ブリードした個体に付けるラベルと云うのは産地名であって、橋や建物自体はその虫が育った場所ではないからだ。
この場合、橋や建物の名前ではなく地区名(住所の場合は字・国有林)山岳名(山そのものの場所でなかったとしても地図上の最寄りの山)を充てるのが妥当ではないかと思う(さらに詳細に絞るという事であれば、周辺環境も含めてと云う意味で林道名河川名もギリギリOKだと考える)

この考えでいくと、このエリアのオオクワは実は今までピンポイントの通称でのみ呼称されていて誰も地名で扱っていなかった事になる。
去年から始めたこのAポイントを訪れて, 初めてこのエリアの地名が判明した縁でもってここのラベルが欲しいと思ったワケなのだ。


集ポイントに到着し自分も道具を設営する。
持ってきた道具はいつものように

・HIDハンディライト 2本
・HIDハンディライト用の替えバッテリー 2本
・三脚 2台
・探索用ハンディライト
・探索ハンディライト用予備乾電池
・ストックケース
・デジタル温湿度計
・撤収作業用箒

等々と云ったところだ。
さらに今日は、山に向かう前に仕事で出たゴミを加工して即席のライトトラップ用小細工アイテムも用意。

このポイントはライトを置ける場所が広く、地形的な事や去年始めた場所と云う事もありどの方向へ照射するのが有効かまだ掴めていない。事前のシュミレーションやこれまでの成果、さらに隣のBポイントとの干渉も考えなくてはいけない。
採集シーズンの最盛期に近づいている今、ここが正念場だと思い2本を別々の位置・方向に配置し、それぞれ

ライトトラップのセオリーに則り、かつBポイントとの干渉を極力避ける位置 = A‐1

個人的な感覚で有望と思う斜面、しかしBポイントと干渉する危険が高い位置 = A‐2

とする。
もしBポイントの照射方向がさっき見た配置のままスタートするのであれば、早い段階でならA‐2でも干渉の危険なく勝負できるかもしれないと思ったのだ。

CA3I0383.JPG
19時50分過ぎ、ライトトラップ開始。
まだ少し空が明るい中、じわじわ雑虫が集まってくる。前回までとは比べ物にならないほど多様な種類の昆虫がやってくる。それまではジョウカイボンやテントウくらいだったが、コガネムシやシデムシも数種類集まってきた。

三脚の位置や光軸を微調整しながら暫くすると、まず小さなアカアシの♀がクワガタ本日第1号として飛来してきた。ブログでは表現に困るが現場では結構忙しく動き回らねばならないので一々回収はしていられない。
次第にクワガタの個体数は増していくが、要らないので種類の確認だけしたら放置するか暗がりに投げておくのみ。

空もすっかり真っ暗になりゴールデンタイムに突入していく。
心配していたBポイントからの干渉も、こちらのエリアの斜面が照らされていない点からまだ無いように見受けられる。やはり別方向を照らしているな。その証拠に、A‐1A‐2共に少ないながらも定期的にクワガタの飛来がある。

No.7から連絡が入り、オオクワが来たか?と期待したが残念ながらあまり飛来が無いとの事。しかしながら目を引くサイズのミヤマ♂が来たと云う報告は、希望を捨てるなと云うメッセージだったりするのだろうか。
電話を切って間もなく、こちらのA‐1にも今日初めての大型普通種が飛来した。ミヤマの♂で67mmはいってそうに見える、この日初めてストックケースのフタを開けることにした。

気温もそこそこ、湿度は十分、風もほとんど無いが、次第に雲行きが怪しくなってきた。とは言っても怪しい原因は雲・・・ではなく霧、ガスである。
アレ? っと思った次の瞬間から見る見るうちに周囲が真白くなり視界がかなり悪くなってきた。
このままでは不味いと判断し、早速今日作ってきた小細工アイテムを活用する事にした。
・・・・・・・・・よしよし、利いてる利いてる♪♪


強烈なガスでこのままかとも思われたが、しばらく待つとやがて晴れていった。

そうこうしている内にもう21時を過ぎて暫らく経っており、ライトのバッテリーが尽きて順番に消えていった。予備のバッテリーはそれぞれ1本ずつ、前半のハイライトが大型ミヤマ♂1と云うのは気が重いが後半もまだまだ望みは捨てることは無さそうに思えた。クワガタの飛来自体はまだ続いているからだ。
否、回収してないから新しく来た個体か判んねぇよなぁとか考えつつも、バッテリーを足して、時折掛かってくる鈴木さんからの電話で雑談や実況で時間がどんどん過ぎていく。
ガスも一旦晴れたかと思っていたらまた濃くなったり晴れたりを繰り返す。小細工を駆使したりライトの片方を消したりして忙しく動き回る。確実に日中の仕事よりも汗をかいている。

やはり今夜は何か違うのか時間が経ってもガスっても次々虫が向こうから飛んできている。特にガは酷い有り様で、6月の一時期と比べるとスズメガやオオミズアオの数はだいぶ減ったが、代わりに莫大な量のキマエクロホソバが押し寄せてきた。
(2018年7月13日訂正・キベリネズミホソバでした)

CA3I0384.JPG
↑↑A‐2側の様子。ハンディライトでこの量、灯りの中で乱舞する様はさながら黒い吹雪である。どこにでも大量にいる上に不味くて獣すら食べないとの事、自分もとにかくコイツは嫌いである。

一方のクワガタは、ここまで普通種は皆来ている。ミヤマ♂♀、アカアシ♂♀、コクワ♂♀、ノコギリは♂だけ来ている。いつでもオオクワが来ておかしくない状況だ。


ここで、
ライトの周囲を旋回し、大きな音を立てて接近する黒い影を発見。
ライト脇に墜落するのを逃さず肉眼で確認・・・!
照らして正体を暴いてみると・・・・・・
                                  いや失敬 チッ、ミヤマの♂だった。


時間が経って少しずつA‐1A‐2の様子に差が生まれてきた。
リスクを冒して向けたA‐2の方が雑虫も含めて飛来数が多いのだ。光量の問題でライトを向ける方向が限られている中で、段々このポイントで攻める方向がやっと分かってきた。
時刻は既に22時を回っているにも関わらず、Bポイントの人は一向にこちら側へライトを向ける様子は無いようだ。今向けている方向で問題なくオオクワが来ているから動かしていないのか、来ていなかったとしてもライトを動かす頭が無いのか、はたまたもう既に撤退しているのか・・・

ライトへはまだまだクワガタの飛来が続く。
総数では高々20頭前後と少ないが、定期的に新顔と思われる個体が増えているのでつまらなくはない。


そして、
ライトの周囲を旋回し、大きな音を立てて甲虫が接近してきた。
ちょうど箒を持っていたので、バドミントンのプッシュよろしくパシンッと虫体を叩きつけドキドキして落下箇所を確認すると・・・
・・・・・・これもやはりミヤマの♂であった。


オオクワならばライトの直下に落ちるとも限らない。探し辛いフィールドを念を入れて探索する。嬉しいか悲しいのか、光量の少ないHIDハンディライトを使っているお陰で離れた所に落ちている個体は居なかった。
ライトの前まで戻ってみれば、引くほどのガの大群の中にいくつかクワガタが埋もれてるんじゃなかろうかと気になる。どっしり構えてられない自分は、ライト現場ではあっちを見たら今度はこっち、こっちを確認したら次はそっちを確認したいと云う風に結構そわそわしてしまう。

見ても多分居ないだろうに、ガに塗れながら注視しているとまた甲虫が来た。
マヌケにも、ライトに相対した自分の目の前をクルクル回っている。


ミヤマの♀か、
やかましい!!!!
箒で殴りつけると共にバチンと堅い音が響く。
裏返って固まるそれに指をかけて起こすと・・・












CA3I0385.JPG
!!!!!!!!!

ヨぁッシャ
ァァァァァァァ゛
!!!!!!!!

今年初であり悲願のオオクワガタ♀が遂に飛来した。発狂した。
(思いっきり箒で叩きつけちゃったよ・・・)

CA3I0386.JPG
一瞬の出来事で何が起こったか分からなそうに固まっている。時刻は22時14分、やはり話に聞いていたように夜遅くなってからも気が抜けない。
全身ツルツルの新発生っぽい個体、箒で叩いたと事をものともせずどこにも欠けもなく完品である。

もう慌てふためいてしまって何をどうしたらいいか迷ってあたふたしてしまう。とにかくまず冷静になって手袋を外し、ストックケースを開けてオオクワを保管、フタを閉めてから数人に画像付きでメール報告する。

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【宛先】 No.2 No.6 No.7 FH鈴木

【本文】 これでようやく十和田通いから抜け出せる・・・!!

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電話で祝福してくれる人「よかったね」と素っ気なくメールをよこす人「なぜ・・・?」とピンと来ていない上に「スジかと」思って画像を見た人電話をかけてきたが実はメールに気付かずに「いつ頃そっちライト撤収します?」と云う別件でかけてきてた所為で会話が噛み合わなくなってしまった人と、四者四様の反応が返ってきた。

飛来したライトは、A‐2。やはり期待の高い方角から来たワケだ。Bポイントに入った人には感謝しなければならない。鈴木さん曰く「今日俺が入ってたらその♀俺が頂いちゃってただろうな(笑)」。ライトトラップ・・・誰がどこに入るかで結果が変わってしまうと思うと奥が深い。
当初、最初だけA‐2に向けて時間が経ったらA‐1の援護射撃に変えるつもりだったのに、もうこの調子だと今晩最後までこっちに向ける気ないんだろうなBの人。いやもうこの時間じゃやってなかったりして。
まだコクワの♂が飛んできたりして止め時が計りづらい状況ではあったのだが、No.7の採ったミヤマ♂を測るためにノギスを持っていく約束をしてあるし、今日は月曜で明日も仕事である。体力限界まで採集して家に帰って、シャワーも浴びずに汗と鱗粉で全身ドロドロで仕事に行くのは流石に厳しい。
23時を過ぎA‐2の方の2本目のバッテリーもとうとう切れてしまい、ここで今日のライトトラップは感動の波に身を震わせたまま終了する事となった。


イトの撤収前に、最後のチェック。

見落としが無いか確認し、遠くに落ちていたり放置していた個体に本命が混ざっていたりしないか入念に見ていると、ライトの脇に横たわる直径10cmほどの丸太の下に黒く大きな塊が挟まっているのに気付いた。



CA3I0387.JPG
2頭目来てる!!!!!

いつから居たのだろう。おそらくそんなに前ではないと思うが・・・


CA3I0388.JPG
退けてみると、これもまたキレイな完品の♀だ。しかも1頭目より大きい。
これもまた、1頭目と同じくA‐2の側での収穫である、時刻は23時20分頃。今日のこれでもうこのポイントでの飛来する方角の当たりが掴めたと感じた。

とは言え、いくつかリスクのあるポイントであることは変わりないし、目的は達せられたのでもうここで採集することは少なくとも今年は無いだろう。予定では最後に75mmUPの♂が飛んでくるはずだったんだけどな。

CA3I0389.JPG
温度は18℃弱と、やはり落ちなかった。開始直後から比べると2℃弱の小さな開きはあるが、実際はもう中盤で既にこの温度にまで下がっていた。

最後の撤収作業は、ガに塗れているライトや三脚の掃除が面倒で気持ちが滅入るが、消灯後に周囲を疎らに漂うヒメボタルは星よりも見惚れた。迫力のあるLEDイルミネーションもそれはそれでキレイだが、数は少なかろうがこういう光景を楽しめる事も人としての感性として大事だろう・・・などと気取ってみる。
No.7は同行者の彼女さんと共に外灯回りに出かけ、その間になんとか撤収作業を終え車へ乗りこむ。

帰り際にBポイントの様子を覗くがやはり真っ暗で撤収した後だった。


車場にてNo.7と合流、もうそろそろ日付も変わろうと云う時刻である。
先に着いていたNo.7から祝福のモンスターエナジーを受け取り、飲みながらの成果発表。
中国製の雑なノギス(しか今は持っていなかった)を渡しミヤマの♂を測ってみるとおよそ65mm。今期まだ大型の♂が採れていなかったようで持ち帰るとの事。また、彼のポイントでは全く飛来が振るわずミヤマの♂で飛来したのはこの1頭だけだったそうだ・・・

そして今度は自分の番、こちらも採っていた大型のミヤマ♂と未報告の2頭目の♀も一緒に見せて驚かす。ノギスで測ってみるとミヤマはなんと69mmUPしていた・・・!

そして最後の仕事に、談笑中駐車場に迷い込んできた東京の旅行者にバス停の場所を案内したところで終了、そのまま解散し家路に就いた。ここまで遅くまで奮闘していながら帰りのドライブで全然眠くならなかったのは、久し振りにエナジードリンクが効いたからなのだろうか・・・?





に帰ってきてから、もう一度きちんと測り直してみた。

青森県産WILDオオクワ.JPG
オオクワガタ♀ 1頭目・・・37mm

フジコンのプラノギスではあるが、100円ショップのズレまくりインチキノギスとは違って正確である・・・と云う事は付け加えておく。

傷も無く非常にキレイだが、前胸腹板に僅かにダニがついている。これは樹液をいったん経由したと云う事なのだろうか。

青森県産WILDオオクワ2.JPG
オオクワガタ♀ 2頭目・・・42mm

自分の今まで採った数少ないオオクワ♀の中で一番大きいサイズである。
爪や大腮に擦れも欠けも無くダニも居ないが、非常に少なくも体表に擦れ傷が付いている。


そして、最後にもう一度ミヤマの♂を測り直してみたところこれまた驚いた。
青森県ミヤマ70mm.JPG
ミヤマクワガタ♂・・・70mm

ギリギリ70mmいった!!!(←〆た後でも。ギチギチに詰めたら69.8とかになるのだろうが)


これもう当分十和田行かなくていいや(笑)


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