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煌めく感動を思い出して

6月の飼育ネタ第3回目
今回も増種ネタです。


前回のオキピタリス増種からひと月後の3月半ば
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発泡スチロール箱の清潔感ある外観。






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おや珍しい。なんて言われそうな虫。

ニジイロクワガタ。飼育するのは10年以上前ノホイネンさんに頂いて以来、ブログ掲載においてはなんと13年振りとなります。
(初登場ではないんですよアハハ)

今でこそ飼育趣向がヒネくれ上がってしまった自分ですが、小学生時代はポピュラーな外国産カブクワに憧れていました。
1999年に外国産が解禁されたとは言え、ド田舎でそうそう手にする機会が無かった自分が初めて我が家に本種を迎え入れたのは2002年頃(あ、記憶が・・・)の事でした。(解禁から約3年か・・・今になって思えば短く感じるけど当時体感した時間はもっと長かった気がしたなァ)そこから累代飼育に挑んで失敗と成功を一通り経験し、満足した事から飼育を撤退しました。

そしてここ数年、本種に限らず「昔飼育した事のあるヤツをまた飼育してみたい」欲求に駆られ、マンディブか? アンテか? スマトラヒラタか? と燻ぶっていたワケです。
そんな中、冬季ずっとコクワガタの論文でパソコンや資料と睨めっこしている時にBGM的にテレビをつけて外国の自然の風景などを映した番組(深夜とかにやってるヤツとか)を流していたのですが、その中でオーストラリアの独特な環境や生物の映像が目に入ってしまい、

「あぁ~・・・オーストラリアかぁ~・・・いいなぁ~」

「他の地域と比べても独特だし増種するならこのあたりの虫がいいかなぁ~」

オーストラリアって感じが一番するクワガタって何だろう・・・」

やっぱりだよな!!!

↑↑という流れ。

ところが、探してみるとニジイロクワガタの市場流通の様子は自分の知っていたものとはだいぶ変わっていていささか戸惑いました。
安定流通種だしせっかく久しぶりに飼うので、きちんとした専門店から買おうとウェブショップを次々見ていくのですが、ほとんどが特殊カラー固定血統ノーマルカラーを探していた自分にとってそれらは完全に別物の虫に見えてしまいます。
レッド、グリーン、パープル、ブルー、ブラック、あ!ノーマル色あった!と思えばホワイトアイ・・・たかがニジイロと思って侮っていましたが暫らく二の足を踏んでいました。

そんな折、3月半ばに某SNSにまで情報収集を行なっていたところ、あるショップの入荷情報として本種の綺麗な写真がUPされていました。仕事中ではありましたがすかさず問い合わせ!UP直後だしまだ売れてはいまい!

返ってきたメール内容は、勿論在庫有り!
しかし、書いてあった金額に息が止まりましたね・・・


・・・高くね・・・!?」

特殊カラーでもないのにそんなお値段張るの・・・!?!?
自分の当初の想定では5,000~6,000円程度だったので目を疑ったのですが、SNSをもう一度確認したところ「大型血統」の文字が入ってました。これが原因か。
個人的に「血統物」と云うのはあまり好きではないのだけど、カラーはノーマルだし、問い合わせまでしちゃってあと一歩の段階まで来ちゃったしなぁ・・・と一寸迷いが生じたものの、現在の国内ニジイロなんてどれもこれも人の手を渡り続けてきたモノばかりだから血統云々も何も分別つかないし、ここで引き返すようじゃいつまで経っても先に進まないと腹を括り、一番財布に優しいペアを注文。
(そういえば、ほんのちょっと前にもWF1とかって謳われた出物があったなードコのだっけなー)



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「あるショップ」、このラベルで一目瞭然ですね。
ひさしぶりにむし社から生体を買いました。


改めて♂♀ツーショットを。
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裏側も見慣れたあのカラーリング。
本当に何でこんな虫が地球に存在するのか、改めて不思議に思います。


1頭ずつ個別に見ていきます。
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♀。♂ばかりが注目されがちなクワガタムシ科の中で、本種みたいに♂と同等の色彩的派手さを持つ♀は珍しいですよね。
そして、ニジイロ♀特有の変てこな大腮。こんな形してるのに材齧る事が出来るってのが凄いです。

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♂。以前自分の飼っていた個体と比べてしまうと、ちょっとグリーンが強めなのかな? とも感じられますが、久しぶりに見る生の本種はただただ美しいと言う他ありません。

KIMG1454.JPG置いてあった昔の標本はこうなちゃいましたしねぇ・・・→→
(過去記事参照)


何より、大型血統としているだけあって今まで自分の腕では出せたことが無いサイズなので迫力も充分。自分の過去最高は記憶上57mm程度なので、それを優に超えるこの♂は別物にさえ見えてしまいます。

↑↑の室内灯下での写真とは別に、自然光下でも撮ってみました↓↓
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まともにカメラ機材を持っていない自分が撮ると、やはり自然光の方が写りが良いですな・・・




さて、累代飼育の準備に移りますが、
暫らくは鑑賞飼育しつつしっかりと成熟を待ちます。

徐々にエサ食いも激しくなってきた4月中旬
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しっかりガス抜きした発酵マットをコバシャ中ケースに詰め込み、ペアリングを済ませた♀個体のみを放します。
(本種の後食って見てて面白いですよね。食べてる最中、咀嚼するような動作で大腮動かしてるし何故か翅を開くじゃないですか)
(あと、ちょっと見くびってましたけどちゃんと今時分のブリード物も翅広げて飛び上がれるんですね。飼育下で累代され続けてそんな筋力もう生み出せないだろうと思ってました)

♀はすぐに潜っていって安心したんですが、それから意外にもケース側面に卵が見えない日が長く続き、「マット合わなかった!?」などとちょっと不安な時期が続いたんですよ。
その後、1個だけ卵が外から見えるようになったかと思えば、今度は次々と初令幼虫が見えてくるようになったのには驚きました。
ニジイロのくせに焦らせやがって・・・!

しかしその後、(観察のタイミングによるのかも知れないけど)地上に♀が全く出てこないのでセッティングを切るタイミングを逸し、6月になりケース側面の幼虫達は2令になっていました。


採集シーズンにも差し掛かり、急いで割出さねばまた悲惨な事に・・・!!
と云う事で、今週19日の夜遅く・22時に急いで割り出し作業を行ないました。

KIMG3994.JPG
これは、時間外労働の予感。

深夜ラジオをバックに、ポロポロと出てくる幼虫達を製氷トレーに移し続けます。成虫と同じく、幼虫をみるのも久しぶりなので、このキンイロクワガタ亜科幼虫独特の細長体型の姿を見るのも感慨深いです。
出てくる幼虫で3令まで達している個体は幸いにもいなくて、1令が6割、2令が4割といった感じ。中には卵が1個と孵化直後の幼虫も2頭いました。
また、マット底部付近からはボロボロに崩れた親♀も出てきました。おまえ・・・よく頑張ったな・・・!(ちょっと産み過ぎだぞ・・・)


粗く崩しても幼虫が出てくるし、割り続けたマット塊が段々と小さくなっていくにもかかわらずまだまだ出てくる・・・

KIMG3997.JPG

  結果 およそ43

もうこれで終わりだろ!と思って写真撮った後にも出てきたので、正確には数えられていないのですが、1セットでこれだけ採れたクワガタは久し振りな気がします。

そしてここからがまた大変で、当然ながらエサに移し替えていきます。
想定以上に採れたので、菌糸ビンの他にマット詰めなどもしていきながらの作業であっという間に時間が過ぎていきましたね。ラジオの方も武部聡志のSESSIONS午前0時~が終わろうとしています。

休日の体力を使い果たし、やっとこさ割り出し作業が終了しました。

KIMG3999.JPG
翌日、まだ終わってなかったラベル付けと温室移動も済ませ、今回の一連の作業を完了した頃には半ばニジイロにはうんざりしかけていたとか いないとか・・・
(まぁ、きっと数日後にはケロッと忘れてまたホクホクでビンやらカップを覘くんだろうけど)


今回、また久し振りに飼育を始めると云う事で、
以前までのようにちょっと累代回して終了とはせず、根気強く末永く続けられるように初心を忘れず楽しみながら飼育していきたいと思います。大型血統と云う有り難味のある個体ではあるんですが、特にそこには拘らず力を抜いて世話します(ここ数年でそういうのに疲れてきたんですよね、結果出ないしエヘヘ・・・)







さて、家の中のネタで四苦八苦してるうちに夏至が来てしまいましたね・・・!

自分もそろそろ家の中から羽化して飛び立たねば!!!

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