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De Archidona a Aomori. [ヘラクレス (リッキー亜種)]

2022年11月、この時点で我が家の飼育部屋に居るカブトの生き虫は1種だけ。

ヤマトカブト(青森県・黒石市産)
今年春にりんご農家の親戚から貰った2頭の幼虫が夏に♂♀ペアで羽化したのが始まり。その後、カブトムシが欲しいと云う知り合いにあげる事になったのですが、ズボラにも♂♀でまとめて管理していた所為で管理用マットに卵を産んでいた事が後で分かりました。またも2頭だったのですが、仕方がないのでまた同じようなパターンで飼育を続けています。

そして、以前嬉々として(?)記事に書いていた以下の2種類は絶滅していました。

ゴホンヅノカブト(プランディ亜種)(ベトナム・ダラット産)
辛うじて採れていた2頭のF2幼虫は、WF1の頃と同じ様に1800ccブローで1頭ずつ管理。しかし、手の届きにくい温室の奥底に押し込め、2頭と云う微妙に少ない頭数だった事もあってか、いつの間にか変死していた事にさえ気づけず・・・
使ったマットは有り合わせで見繕った竹マットでした。そういえば、産卵の時に使ったマットもこれで、乾燥しやすかったですし、2頭しか採れなかった事を考えてもあまりいいマットではなかったのかもしれません。

レックスゾウカブト(エクアドル・ナポ県・ミサワジ産)
3頭+2頭で2系統の3令幼虫を抱えていましたが、ガス抜きもしていたのですがマットの適合が悪かったのか2頭の方が両方とも早期に死亡。残りの3頭は、1頭は♂で羽化不全で活動後まもなく死亡、別の1頭は♀で羽化したものの蛹室内でそのまま死亡、残りの1頭はまだ未確認ですが外観からは姿が見えないしマットの様子も変わっていません(大きな容器ではないので蛹室を作ろうものなら見えてるハズ)

このように、数少ない外産勢は全滅しており、これらのカテゴリはまた区切り悪く尻切れ状態で空中分解してしまいました。
特に、温度管理もマット選定も特に間違えてもないハズだったレックスは、丈夫で飼いやすい虫だと言われる種なだけに何が何だか分からず悔いが残ります。



そうして、今年の夏は外産カブトに対して悶々とさせられただけに、
何か気を紛らわせたいと思っていたのでしょう。

今からちょうど1ヶ月前、
いつものように各販売店の生体入荷情報を見て回っていたところ、とある南米便の入荷情報がタイミングよく目に入り、ちょうど手間隙だった事もあってあれよあれよと言う間に注文メールを送信していました。


KIMG5221.JPG
11月13日到着。
箱を見ての通り、ランバージャックからの生体です。この店から生体を買うのも何年ぶりだろう・・・?

そして、買った虫自体はそれ以上に久しぶりです。








KIMG5240.JPG
KIMG5231.JPG
ヘラクレスオオカブト(リッキー亜種) エクアドル ナポ県 アルチドーナ


自分でも似合わないなぁと思ってしまうメジャー中のメジャーな虫です。

これまでヘラクレスの飼育は3亜種経験があるのですが、そのどれも随分と昔の事。
リッキー亜種
中学生1年の時、弘前市のペットショップで購入したのが本種の初飼育。しかし常温飼育で途中死が相次ぎ、どうにか中学3年の頃に1♂羽化してくれたのは今も良い思い出。
その4年後の2010年、久し振りに幼虫から飼育を始めてみたものの、辛くも♀1頭が羽化したところで限界を迎え終了しました。

オキシデンタリス亜種
中学3年の時に千葉のTN Breed centerから購入したエクアドル産幼虫ペアがはじまり。無事にペアが羽化し、次世代の幼虫もきれいに羽化出来ました。自分の経験上、まともに「ブリード出来た」と言える唯一のヘラクレスです。
当時は「ゴールドヘッド」などとは今ほど認知されてはいなくて、ビッダーズに余品として出品した時もあまり人気はありませんでした。

原名亜種
記憶が曖昧なのでブログの過去記事から類推するに、2008年の正月に某ショップの福袋で買った生体の中にこれが入っていました。成虫ペアで、ヘラヘラ自体そんなに興味が無かった自分は正直言ってあまり感動はしませんでした(だから記憶が薄いのでしょう)。真冬の購入でもありましたし特にブリードしようともせず、♂はUVブルーヘラクレスの作出テストに使ったことくらいは覚えています。

どれも高校生時代くらいまでの思い出で、それを考えると今回の購入は本当に久しぶりです。ヘラクレスの中では本亜種は個人的に最も好みだからこそ今回また飼育をしようと思わされたのですが、それでも実に12年振りです。

 【実に12年振り】
   ⇒ 2010-9-8 『やってきた季節……~~~ーー!!!』

しかも今回は飼育品ではなく現地採集の野外品です。
久しぶりのような、それでいて初めてのような不思議な気分です。


さて、今回入ってきた産地・アルチドーナ Archidonaですが、
説明によると新入荷の産地との事。
度々入荷の知らせがあるコサンガ Cosangaと同じ、アンデス山脈東側のナポ Napo県に在ります。特徴としては標高が低く(600m近辺、コサンガは2000mほど)、アマゾン地帯に分布するエクアトリアヌス亜種の採集地にも近い所為か、その特徴が混じる個体もいるのだそうです。

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今回買ったのは♀単品ですが、見てみる分には特に妙な点は見当たらず、エクアトリアヌスっぽい特徴はありません。
そもそもヘラクレスの実物を大して見ていない自分では、図鑑くらいしか参考資料は無いのですが。
同産地を買った他の方の写真を見ても、どれも特におかしな特徴を持った個体はいなさそうで個人的には安心しました。

あと、「おかしな特徴」と言えば、
今回この産地で入荷した個体はほとんどが♀で、♂は片手ほどの数しか入っていないそうですが、その中の♂1頭がブルー個体と云う事でその界隈では一時騒然としていたようです。
野外品のブルー個体が生きて国内に入荷するのも相当珍しい事ですが、ム〇キングからこの趣味に入った人達は「ゲームの設定だと思っていた物が本当に実在してたのか!?」と目を疑うようなニュースだったようです。なおその個体は、某Youtuberが500,000円で先行購入し動画も出したようです(自分はまだ観ていないですが)


まぁそんな事よりも、買った虫の肝心の状態が気になります。
思ったよりも落ち着いていると云うか、あまりバカみたいに暴れ回るワケでもないけど弱っている感じでもありません。
腹端部の毛が若干減って薄くなっている事、
後脚の爪が1本だけ先端がちょっと欠けている事、
上翅の黄色部分が僅かに摩耗して白くなっている事から、
そこまで新鮮な成虫と云う感じではありません。
しかし、♀単品で買った手前、あまりに新しすぎる個体だとかえって未交尾を疑ってしまい不安になるのでこのくらいでちょうどいいのかもしれません。

KIMG5232.JPG体重も、それほどスカスカに軽くは感じません。
ただ、何度も言うように久しぶりのヘラクレス飼育なのでそもそも経験的に何グラムで空っぽ(産み切ったハズレ♀)なのか分かりません。




生体チェックも済んだところで早速セット作業に入ります。

迂闊にも、久し振りのカブトにもかかわらずマットの発注をしていなかったために、苦し紛れにテキトーなペットショップへ駆け込みまして、使えそうなマットを確保してきました。
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フジコンのPREMIUMシリーズ、腐葉オーガニックマット完熟ビートルフレーク
店舗の棚にあった在庫を見るとやけにカビた在庫ばかりが目に付き、辛うじてキレイそうな物だけを買ってきました。いやぁ・・・このペットショップ、数日前に新規オープンしたばかりの店なんだけどなァ~??

今回初めて使うマットですが、
この腐葉オーガニックマットの方は腐葉土にホダオガをただ混ぜただけのような見た目をしており、産卵床として使うには粗い粒を取り除く必要がありました。
KIMG5217.JPG
うわッ えげつないのがゴッソリ混じってら!

KIMG5218.JPG
1袋=10リットル分を4ミリ目の篩にかけた結果ですが、分量の目測では8%くらいは生木や樹皮片のような粗いゴミ(右側)でした。

ゴミを除けた上でもまだ手触りはザラザラで、粘りけは全くありません。
一般的にヘラクレスの産卵では粘りけのあるマットの方が適していると言われる為、
KIMG5241.JPG
産卵セットは20リットル特大ケース
・下層10リットル分は完熟ビートルフレーク(こちらは篩がけ要りませんでした)
・上層は腐葉オーガニックマット
をそれぞれ加水して詰めました。
コンテナタイプのケースではないので、フタとの間に新聞紙をはさんで保湿。
設定温度を26℃程度に上げた温室にケースを押し込み、♀の産卵を待つのみ。こんなに重たい飼育ケースを仕込んだのも随分久しぶりな気がします。

そういえば、ヘラクレス飼育も前回までは常温管理の中で多くの犠牲を払いながらやっていたと考えると、今回は飼育条件が全く違います。


・・・と云ったところで、今回はここまで。
この後、定期的に産卵ケースを暴き産卵行動の有無や卵があれば回収も行なっていく事になります。

次回の記事は、年末近くになるのか・・・年明けになるのか・・・
♀が早々に落ちない事を祈るばかりです。


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