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ゆっくりプロジェクト・ブルー [メタリフェルホソアカ (フィナエ亜種)]

こんばんは、会長です。

暮れも押し迫り、毎年ながらバタバタと忙しくしている今日この頃。
ブログをやっている人間として毎年気にかかるのは、
「今年の内に書いておくべきネタが書けていない」ことばかり。

この12月はプライベートで厄介事があり、当初想定していた年の瀬のスケジュールが大きく狂わされることになりました。おかげで年賀状も作れていませんし、虫作業も標本作業も、大掃除も出来ていません。

2022年もあと僅か数日と追い詰められた今回の記事ですが、
前回のヘラクレスに続いて増種ネタです。




*目次

1.増種個体紹介

2.再飼育の経緯

3.セットと割り出し






1.増種個体紹介
今回の増種は、前回紹介のヘラクレスよりさらに前となる9月半ばのこと。
インドネシア便から1種2ペアの入手です。

KIMG4848.JPG
メタリフェルホソアカ(フィナエ亜種) ペレン島

こちらも実に11年振りとなりました、ペレン島産のメタリフェルです。
飼育流通上ではいわゆる「普通種」の類ですが、種として見れば近年だと野外品でイソガイ亜種やサンギレンシス亜種が入荷するなど盛り上がりも見られ、飼育の歴史が積み重なった現代においてもなお存在感を保ち続けている人気種と言って間違いはないでしょう。


さて今回、写真を見ると分かりますが、
ちょっと面白い♂個体が手に入りました。

KIMG4838.JPG
数ある本種の分布地の中でも、このペレン島産の♂は体色の青い個体(ブルー個体)が特に多く見つかるのはよく知られています。
野外品として毎月のように国内に輸入されていますが、時期によって大量のブルー個体が入荷するため、金銭的余裕がそれほど無くても比較的安価にブルー個体を入手する事はできます。

しかし今回自分が入手したブルー個体は、少しばかり特殊な個体だったためにオークションで競争が激しくなってしまいました。
KIMG4840.JPG
その要因がこの腿節
このフィナエと云う亜種は、他の亜種では一般的に見られる「腿節の黄紋」は一般に見られません。
ただし、絶対にありえないと云う特徴ではなく、野外品で稀に見つかる他、飼育でひたすらに累代を重ねていくと偶発的に発生すると云う話もあります。かくいう自分も、この特徴を持った野外品を見たのは今回で2度目で、過去の記事でも同様の特徴の個体を紹介したことがありましたね。


KIMG4858.JPG
♀は、野外品として一般的に見られる24~25mm程度の個体。
状態としては、片方の個体は爪やアゴ先が欠けていて古い個体のようです。

KIMG4853.JPG
そして腹側ですが、♂ほどではありませんが2個体で微妙に差があります。
左個体がやや緑色が強く、右個体はやや赤銅色寄りです。



2.再飼育の経緯
本当に久しぶりとなるペレメタの飼育ですが、今回また飼育したくなったのは単に昔を懐かしんで・・・と云うだけではありません。

このブログの大半の飼育種カテゴリがそうですが、
一通り円満にブリードを終わらせられた虫はあまり多くありません。
本亜種もその一つで、当時は野外品を数回買っては僅かな数のWF1を辛うじて羽化させて終わるようなショッパイ流れを繰り返していました。このカテゴリも、前回最後の記事が11年前に幼虫のエサ交換で中断していると云う情けない状態です。
一応、羽化報告として1本だけ記事が書けているのですが、当時も書いているように♂2頭がギリギリ生き残っただけ。最大サイズも、86mmと現在ではあまり目を見張る数値ではありません。ホソアカ好きとしてはせめて、90mmオーバーはしておかないと恥ずかしく感じてしまいます。


そして、このカテゴリがこれまで大変お粗末な結果で切れている(と個人的に思う)一番の原因が、色彩の固定化

当時、「プロジェクト・ブルー」などと呑気に記事を書いて結局そのまま無かった事で終わっているのですが、
実は恥ずかしいことにその記事だけ現在もアクセスが多く、結果としてその記事だけは異様にネット検索に引っかかりやすくなっていると云う「見出し詐欺」みたいな状態になっているんですね(きっと記事タイトルの元ネタも影響しているのかも知れませんが)

あの頃はブルーやパープルで固定化された飼育品もそれほど多くなく、固定化に挑んでは静かに散っていった個人ブログも数々ありました。
今ではブログサーバーのサービス終了によってそれらのブログもほとんど残っていません。そうなると数少ない生き残りあるココは、「そんな恥ずかしい記事が残っているブログ」として余計に悪目立ちしてしまいます。
おまけに現在、完成度・再現度の高いブルー血統の本亜種が大量に出回っていて、血統モノさえ手に入れれば初心者でも簡単にブルー個体を羽化させられるとあっては、ただただ恥ずかしいの一言に尽きます。勿論、その飼育者の大半は「ただ血統モノを飼育しているだけ」であって、自力で固定化させるまでに至ったブリーダー自体はごく僅かなんでしょうけども。

個人的には、そう短くもない飼育歴を持っていながら
特大も羽化させてない
色彩固定もできてない
きれいにカテゴリを締めていない
こんなままでは終わることが出来ないと思ったのです。
再飼育と言うより、再挑戦ですね。



3.セットと割り出し
今回、2ペア入手した手前それぞれセットを組んでいくのですが、一応ペアリングを行ないました。
せっかく入手した黄紋ブルー個体もいるので、今回この♂を♀2頭に両方かけてみます。正直言って、野外品のブルー個体を掛けてもほぼ意味が無いと言われていますし、♀も野外品なので既に別の♂と交尾済みと考えればさらにこのペアリングの意味も無いのですが、今回に関してはとりあえず「手元の個体でできることをやって」スタートするのが大事。

それぞれ1週間のペアリング期間を設けた後、Beケース中サイズを使って1個ずつセットしました。


 1).Aセット
割り出し作業は2022年11月15日、セットから実に2ヶ月が経過していました。
成長の速いメタリとしては着手が遅いです。

KIMG5249.JPG
ケースをひっくり返すとこぼれ落ちる幼虫。
正直言って、この時点で2セットとも幼虫がケース壁面に見えていたのでここ↑↑からマットに手をかけるのはちょっと怖かったです。

KIMG5251.JPG
結果・・・29頭

多い・・・!
ただ、2令がほとんどですが1令も何頭かいて、放置期間のわりに成長が遅いと感じました。管理温度の問題でしょうかね。
ちょっと気になるのは、幼虫の体表にコナダニが目立つこと。初令個体にも付いていて、これが将来的に成長度の悪さなんかに繋がらないか不安です。

KIMG5255.JPG
個体数が多いとその後の個別分けの作業が面倒です。
ひとまず、発酵浅めのマットと発酵が進んだマットを混ぜ添加を施します。発酵の浅いマットの粒子が粗いのが心配ですが、微粒子マットと混交した事で狭い容器内でもマット環境が安定するかな?(狭い容器で放置するのが前提のような言い方ですが・・・)

KIMG5259.JPG
幼虫の成長段階・♂♀差に合わせて容量を変えて、最小は60ccカップ、最大は430ccカップ。


 2).Bセット
KIMG5261.JPG
続いて2つ目の割り出しは、Aセット割り出しの翌日11月16日

KIMG5263.JPG
結果・・・22頭

多いぃぃ・・・!!
Aセットと合わせて50頭を超えてしまいました。
こちらのセットは、2令が多く比較的成長度合いは進んでいます。

KIMG5264.JPG
ここまでくると手持ちの容器も数に限界が出てきてクリアボトルなんかも使わざるをえなくなってきます。もっとカップの在庫を持っときゃよかった・・・


その後、ひっそりと幼虫をヤフオクに出品したこともあったのですが、市場で飽和しているペレメタであることもあって一切入札が入らず終了・・・なんて恥ずかしい出来事も経て、現在全ての幼虫が20℃程度の温室内でぬくぬくと成長しています。

ここまでが2022年のペレメタ飼育の全てです。
以前の飼育では、幼虫を採って以降の飼育数激減がパターン化していたので、今度こそはまともな数を確保し、次世代の選別を行なえるように丁寧に飼育していきたいところです。


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