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色ノコ狂騒 ~後編~ [ゼブラノコギリ (原名亜種)]

さて、オキピタリス割り出しから遡る事1週間前の話。

ヤフオクにて、某インドネシア便輸入販売店の出品物として目を惹く生体が出品された。


スマトラ島産 ゼブラノコギリクワガタ。
かつて全亜種を飼育で集めたほど(と言っても全部で4亜種だが)好きな虫である。そしてそれは今でも変わらず、飼育スペースと気分次第ではまたどこかで飼育したいと思っていた。

今回入荷した本種が格別だったのは、その産地に他ならない。
同じ原名亜種の括りとしては、マレー半島・ボルネオ、パラワン島が含まれていてこれらはほぼ毎年僅かながら野外品生体が入荷していた。
しかし、スマトラ島に関しては、他の昆虫が大量に輸入される中全くと言っていいほど流通に出てくる事が無い。過去に現地で採集していた茨城のI塚氏によれば、「偶に見る事もあるけどなぁ」と評していた事から、生息数が少ないと言うよりは生息するポイントや山塊が他とは違うのだろうと思われる。国内に持ち込まれる数が少なすぎる場合、一般飼育者にプレスせずに業者内や身内だけで回すような事も珍しくはないので「出回ってるのを全然見ないから入荷はしていない」と決めつけるのは間違いではあるが、飼育品も出回っていない現在において本産地を見る事が稀有なのは間違いない。

そして何より、このスマトラ産に関しては個人的に拭い去りたい過去の失敗がある。
記事を遡ればもう12年も前なのが悲しいところだが、一度だけスマトラ産ゼブラを飼育した事があった。

 【過去の失敗】
   ⇒ 2011-8-31 『大量絶滅期 ~ウチの子たちはどこへ行ったの?~』

前述したのと同じ業者が輸入した、たった1♀のみ出品していたものを購入したのだがブリードに失敗。手元に到着した瞬間から「あ、これハズレ♀かも」と思った記憶が未だに苦々しく残っている。
その後、いつか機会があればリベンジを果たしたい(=WF1幼虫を採りたい)と云う願望を秘めていたのだが。

「いやぁ・・・どうしようかな・・・」

当時とは飼育事情も違い、良いと思った虫を見境なく増種するのも憚られる。リベンジ候補にしていたとはいえ、近年の採集に比重を置いた生活の中ではたった1種増やすだけでも結構な負担になる。おまけに、去年からオオクワの幼虫、ニジイロ、メタリフェル、リッキーなどとにスペースを割くようになった(と言うかこの並びすごくミーハーだ)
気持ちがすぐに固まらないまま、ひとまずウォッチリストに入れて動向を見守る事にした。


そして、数日後の14日・金曜日の夜。
この週は3ペア(合計3件)が出品されていたのだが、前日の13日には1件が終了している状態だった。オークションの終了金額を見ると自分が見積もっていたよりも低く、他の飼育者から見ればそんなものなのかと拍子抜けしていたところだった。
金額にしても昔と比べれば幾分高額になっている。とは言え「それくらいで落とせる虫ならやらずに見過ごすのは勿体ない」と云う気持ちが強くなってきたところで、2件目の終了時刻が迫ってきた。
現在金額を見ると前日よりも安い状態で停滞している。

「このくらいの金額で終わってしまうくらいなら、自分が落札してやる!」

1件目は「久しぶりの入荷品の終了初日」と云う事で、どこまで金額が上がるか皆不安な中で入札に熱中した部分があったかもしれない。
そして明日終了する3件目は、「最後の1ペア」と云う点と「入荷した中で最大のサイズ」と云う点で高騰する恐れがある。そして明日終了の商品だと、取引開始のタイミングの点や仕事の都合上、受け取りが困難になると思われる。
それを考えると、今夜の2件目が一番の狙い目か・・・!
まだ仕事の残業中だった所為もあってか、この時は何故か計算と判断が早かった。

終了時刻直前、スマホの【入札する】ボタンをタップしほとんど競る事なく落札してしまった。

帰宅後、販売者に連絡事項を通知。
今回、都合上日曜日に受け取る必要に迫られていたため、翌営業日(土曜)に発送してもらうべく「わざわざ手数料のかかる代引き発送」を選択。普段は振込・コンビニ支払だが、この支払方法では翌営業日(土曜)は大体にして入金確認だけで終わってしまい発送作業はその次の日となってしまうからである。販売者の発送地である石川県から青森県へは、発送翌日の14時以降には配達が可能である為、土曜日に発送すれば(運送会社の都合はあれども)日曜日にちょうど受け取れる計算になる。


 4月15日(土)

朝方、発送許諾メッセージが送られてきた。
ヤフオクやり取り.png
よしよし、計画通り・・・
虫作業のスケジュールを練りつつ、発送連絡を待った。





ところがその夕方、正に目を疑う内容のメッセージが送られてきた。

スマホのLINEに届く、郵便局の発送を知られる【eお届け通知】に書かれていた到着予定日が指定日とは違っていたのだ。
ゼブラノコeお届け通知.png
17日!? 月曜!?
丸々1日遅れるとは・・・!?
月曜以降になってしまうと、自宅で受け取れない上に仕事の退勤時刻から考えて郵便局のゆうゆう窓口も間に合わない。郵便局の保管と云う事で数日で死亡するような事態は考えにくいが、諸々の面で多方面に迷惑が掛かるし受け取りの行程が増えてしまう。販売者に問い合わせても状況は変わらないだろう。

仕方がないので、当初の自宅配送を取り止め、局留めで日曜日に取りに行く予定に変更。早速LINEから配達予定事項を変更してみる。


・・・が・・・、何故か出来ない!
変更する際には受取人情報として
・受け取り側の郵便番号
・受け取り人の名前
の2つを入力しなければいけないのだが、エラーになってしまう。入力内容の全角半角、スペースの有無など細かく変えて送信を繰り返すのだが、どうやっても弾かれる。
まだ荷物の追跡番号が登録されていないのかとも思ったが、冷静になって日本郵便のサイトから番号追跡ページへ入り直し、番号を入力すると
ゼブラノコ郵便サイト.png
いや、ちゃんと入力されておりますがな。

幸い、このページからも受け取り変更をかける事が出来るので、
ゼブラノコ配達日時変更.png
青森到着後の配達局となる【青森中央郵便局留め】に変更し、無事受理された。





そして、受け取り当日を迎えた。

 4月16日(日)

正午を過ぎた時点でも、問い合わせページは受け取り方法変更完了以降の動きは見られない。

オキピタリスの割り出しをしている最中も問い合わせページを逐一更新して見るが、14時を過ぎて暫らく経っても一向に青森へ着いたと云う表示が出てこない。
郵便局の窓口は日曜日は18時で閉まる為、次第に焦りも生じてくる。片や、オキピタリスはやっとマットから幼虫を暴き終えるかというところ。


追跡ページに更新がかかったのは15時10分。青森中央郵便局に到着したとの表記が増えていた
自分がスマホを確認したのは16時近くになってからだったが、中途半端に作業を止める事も出来ずに割り出しを続行した。
作業が片付いた頃には時刻は既に17時30分になろうとしていた。

財布を持って車に乗り込み郵便局へ急行。
一時はどうなる事かと思ったが、無事に受け取って帰宅した。

ここで、当初LINEで受け取り変更をかけられなかった原因が判明。
ゼブラノコ伝票kai2.JPG
ゼブラノコ伝票拡大図kai.JPG
貼り付け伝票に書かれている自分の名前を見ると、
名前の漢字間違えとる!!!
何故か修正テープ赤枠で上書き修正してるし。
しかも、配達日時が本来の希望日のまま。追跡ページの更新タイミングからすると、当日の輸送スケジュールの問題で16日配達が厳しい為に郵便局側で延期したと考えられる。





帰宅後に開梱。
zebra20230416.JPG

次に気になるのは、生体の状態。
前回はヨタヨタで明らかなハズレ個体だった事もあり緊張感がまたぶり返してくる。


まずは♂個体。
P4160035kai.JPG
短歯の小さな個体だが、欠けも無い上に動きもキビキビしている。

そして♀個体。
P4160034kai.JPG
よしッ! 完璧!
♂と同じく欠けも無く動作の反応も機敏、重みもあってブリードにはこれ以上ない期待感を持たせてくれる個体である。違う業者の言葉を借りると(本当に)最高の状態で入荷しています」と云うヤツである。

P4160037.JPG
腹側は黒く、赤味がかったボルネオ産ともまた違う。


早速この後、産卵セットを組んでいくことにした。
が、とりあえず今回の記事はここまでにして、続きはまた別の機会と云う事で。

ちなみに、現時点までに販売者が入荷したスマトラ産野外品の数を数えてみると6♂♂7♀♀。せっかく入荷した本産地、さらっと国内消滅しないように気を付けて管理していきたいものである。


P4160039.JPG
ゼブラノコギリ(原名亜種) 西スマトラ州 ソロク県 タラン山



全ての在庫 12種類


つづく(そのうち)

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