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ふりだしに戻る その3 [ドルサリスノコギリ (ヒロミ亜種)]

今年もあと1ヶ月を切ってしまいました。

近況ですが、いつもながら後手後手に回った飼育作業や標本作業をスローペースでこなしていきながら次々に新たな作業が溜まっていっているところです。
また、先月下旬には「今年最後」の採集へ行ってきました。山道が冬季閉鎖する直前にツヤハダクワガタ(初記録)狙いで下北半島の奥地へ行ったのですが、辛うじてキタカブリルリクワガタを当てただけでした。
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両者とも県産としては持っている人もほとんどいないエリア。ツヤハダは数年採っていないので、これらの虫を採っても到底満足できなかったのですが、他の作業が溜まっている手前これを採集納めとする事にしました。例年、「まだ山に行きたい・・・」と思いながら年越しして気持ちもブレブレになって結局なにも捗らない状態でしたが、「これで一旦終わり!」と決めた途端、すっきりと気分が晴れましたね。(これは普通、小中学生の時に養うスキルなんですが)





さて、今年中に書かなくてはならない虫のカテゴリがいくつもあってパンク状態なのですが、今回は久し振りのドルサリスノコギリ(ヒロミ亜種)です。

1年半も前に記事を書いて以来、ずっと放置していた本種。
記事の末筆で、
幼虫が採れたペレン島産が続々死亡
タリアブ島産は幼虫が採れずに終了
と、メチャメチャ不穏な終わり方をしたのですが、今回はその続きから書いていきます。





結局、ペレン島産WF1は15頭程度の個体が採れていたのですが、マットで飼育していた個体は♂も♀も全て前蛹までの段階で全滅!
飼育容器は主に800ccと1400ccのクリアボトル。前蛹は蛹に脱皮する事無く黒化して腐敗、蛹室を作る前に死亡するものもいました。銘柄も記録しているのですが、変な風評が及んでもいけないので伏せておきます。

そんなカオスな状況において、忘れ去られたようにカワラ菌床で放置されていた2♀♀が運良く羽化してきてくれました。

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羽化してくれたのは、初回割り出しで3令になっていた個体。もっと小さい幼虫をイメージしていたのか、投入時に「♂3令」なんてメモしていました。割り出し直後は一度プリカで管理し、添加して詰め替えた800ccクリアボトルへ間もなく交換してそのまま5月中には羽化・・・と云う流れで、両者とも体長は36~37mm。本種のBE-KUWA♀レコードが38.3mmなので、それなりにうまく育ってくれたようです。


ここからが永かったです。

せっかく羽化してくれたドルサリス・ヒロミイ。惜しくも♂の姿が拝めなかった点、それまでにかかった金額(悪い言い方)や、その他諸々の感情論が渦巻いて、「このまま終わってなるものか!!!」と後続のWILD便や他の飼育者の飼育♂個体出品をひたすら待つ事にしました。
WILD入荷時、自分が購入した個体以外にも3~4ペアほどいたので、他に購入している人が上手くブリード出来ていればWF1個体がヤフオクかどこかに出品されるはずだと思ったのです。


しかし、待てど暮らせど一向にWF1の出品は出てきません。
(勿論オークションでアラート設定しています)
ドルサリスの名前で新着出品が引っかかる都度確認しますが、どれもフィリピン産(原名亜種)か、タリアブ島産ばかり・・・

特に、タリアブ島産に関してはWILDが一挙に多数入荷した事もあって全国的に飼育品が出回り、『ドルサリスと言えばタリアブ島』と言えるくらい現在ではメジャーな流通産地となっています。国内屈指のノコ系ブリーダーの間でブリード体制が整えられ、BE-KUWAレコードも大幅に更新されました。
2022年より前なんて、飼育屋の間では『ドルサリス=小粒なフィリピン産』なんて認識だったでしょうし、ヒロミ亜種の飼育レコードも相当古かったです。国内のドルサリスノコギリ飼育史は【タリアブ産入荷以前 or 以後】で切り分けられると言っても過言じゃないでしょう。
そんなワケで、「タリアブ万歳!!!」のムーブメントの中、ペレン島産は「そんなの居たっけ?」と言われそうなほど存在感がありません。

その苦しい状況が続く中、いつかオマエ達に同郷の♂を連れてきてやるからな!と締めもせず黙々とゼリーを与え続けていました。
驚くべきことに、本種の寿命は結構長かったです。一冬を越し、羽化から1年が経っても胕節の麻痺も無く動きもシャキシャキのまま。本種のWILDが入荷する冬場が過ぎたところでブリード断念を悟ったワケですが、小さいながらもモリモリとゼリーを平らげるこの2頭を眺めていると、それだけで癒されたものです。

そして今年10月、2頭の♀は約1年4ヶ月の羽化後寿命を全うしました。
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我が家の冷やし虫家からドルサリスが消えた、その1ヶ月後・・・
まさかと思いましたよ。



















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またペレン島産WILDが入ってくるなんて!

タイミングが良いのか悪いのか、2年越しにWILDペアが11月に入荷。しかも複数まとまった数が来ました。ちきしょう、ペレンの採り子めメタリフェルばっか採ってねェでノコギリもっと探してくれやァ!そしてギラファ~

この忙しくなる時期に増種はすまいと思っていましたが、即断即決で購入ボタンをタップしていました。前回と比べて一気に値下がりし、およそ10分の1の価格。飼育品が大量に出回っている影響でしょうね。


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12月1日に産卵ケースへ。これでWILD3回目の挑戦(タリアブ入れると4回目)となります。多分この虫、別にそんな難しい虫じゃないはずなんだけどなァ・・・

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今度こそブリード成功して♂の新成虫を拝みたいところ!
そして、タリアブ産のサイズにどこまで肉薄できるか!

来年が楽しみです。

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